特許第6014535号(P6014535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014535コンテナターミナル構内トレーラの作業管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014535
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】コンテナターミナル構内トレーラの作業管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   B65G63/00 J
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-71765(P2013-71765)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-196162(P2014-196162A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005902
【氏名又は名称】三井造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091591
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 秀人
(72)【発明者】
【氏名】多田 淳一
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−166869(JP,A)
【文献】 特開2009−015684(JP,A)
【文献】 特開2006−282385(JP,A)
【文献】 特開2008−077172(JP,A)
【文献】 特開2012−233725(JP,A)
【文献】 特開2006−225079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナターミナルであって、コンテナヤードにおけるコンテナの搬送をヤード内専用の構内トレーラによって行い、該コンテナターミナルにおける少なくともゲート搬出入と構内シフト、本船荷役に係る荷役作業の管理のためのコンテナターミナル管理サーバを備えたコンテナターミナルの前記構内トレーラの作業管理システムにおいて、
前記構内トレーラに、
当該時の該構内トレーラの位置を捕捉する位置検出装置と、
荷役情報を表示すると共に、該構内トレーラの運転者による少なくとも荷役完了情報と作業に従事できる待機状態にある待機情報、休憩のための休止状態に入る休止情報とを入力可能とした車載端末装置と、
前記コンテナターミナル管理サーバから該荷役情報を受信し、少なくとも前記位置検出装置により捕捉された位置情報と前記車載端末装置で入力された荷役完了情報と待機情報、休止情報とを送信する無線通信装置とを具備させ、
前記コンテナターミナル管理サーバに、
前記構内トレーラの前記無線通信装置から送出された前記位置情報と荷役完了情報と待機情報、休止情報とを受信すると共に、各構内トレーラに対して荷役情報を送信する無線通信装置を具備させ、
前記コンテナターミナル管理サーバーは、全ての構内トレーラの位置情報と該構内トレーラの荷役作業状況、コンテナターミナル内で発生した荷役情報とを比較し、当該時に要求される荷役作業により適した構内トレーラを選定して当該荷役作業に割り当てるに際して、前記構内トレーラの運転者により、当該時の状態について、待機情報または休止情報が前記車載端末装置へ入力された場合に、前記車載端末装置から提供された前記構内トレーラの状態に関する情報に基づいて、前記構内トレーラに対する荷役情報の送信を開始し、または停止することを特徴とするコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システム。
【請求項2】
前記車載端末装置による表示内容には、該当する構内トレーラが作業のために走行すべき最適な経路を、コンテナヤードを表す図面上に表示することが含まれていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システム。
【請求項3】
前記車載端末装置に、多機能携帯電話またはタブレットPCを利用していることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテナターミナルにおけるコンテナの荷役作業において、コンテナをコンテナターミナルの構内搬送を担う構内トレーラの作業管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナターミナルは海上輸送と陸上輸送との異種輸送手段間の接点となる施設で、異種輸送手段間でコンテナの積み卸し等を行うことを主たる機能としている。このため、積み卸しに待機するコンテナを一時的に保管するコンテナヤードを備えている。なお、コンテナの積み卸しは、コンテナ船と構内トレーラとの間と、コンテナヤードの蔵置位置と構内トレーラとの間で行われる。すなわち、コンテナヤードには、岸壁に着岸したコンテナ船に積み込み、あるいはコンテナ船から降ろされた、及び陸上輸送の輸送トレーラに積み込み、あるいは輸送トレーラから降ろされたコンテナが保管される。
【0003】
コンテナヤードに保管されたコンテナには、例えば、コンテナ船から降ろされた輸入貨物が収容されて、荷主により搬出される卸コンテナと、輸出貨物が収容されて、荷主により搬入されてコンテナ船に積み込まれる積みコンテナ、貨物を収容していない空コンテナとがある。なお、コンテナ内の貨物は輸出入に係るもののみでなく、国内での輸送に係るものもあり、コンテナヤードから搬出されるのを待つものを「卸コンテナ」、コンテナ船に積み込まれるのを待つものを「積みコンテナ」と称する。
【0004】
一方、コンテナヤードにおけるこれらのコンテナの搬送を行うシステムとして、卸コンテナを受け取りに来構した外来トレーラ、または積みコンテナを搬入するための来構した外来トレーラがコンテナの蔵置位置まで走行して、該蔵置位置でヤードクレーンによる積み卸しを行うようにする場合と、来構した外来トレーラは、コンテナヤードのゲートを通過した後、搬入エリアに積みコンテナを降ろし、搬出エリアから所望の卸コンテナを積み込むようにし、コンテナヤード内でのコンテナの搬送は専用の構内トレーラにより行うようにする場合とがある。また、コンテナ船へ積みコンテナを積み込む「本船揚げ作業」とコンテナヤードにおけるコンテナを移動させる「構内シフト作業」の場合に構内トレーラを利用する。
【0005】
コンテナ船と構内トレーラとの間の積み卸し作業には、例えばガントリークレーン等の岸壁用クレーンが用いられ、蔵置位置と構内トレーラとの間の積み卸しには例えばヤードクレーン等が用いられる。
【0006】
そして、コンテナ船が着岸すると、構内トレーラが指定された岸壁用クレーンまで走行し、該岸壁用クレーンによってコンテナ船から降ろされた卸コンテナを積み込み、指定された蔵置位置まで走行してヤードクレーンによって該蔵置位置に降ろされる。この卸コンテナは搬出されるまで該蔵置位置で待機することになる。卸コンテナが搬出される際には、外来トレーラが当該蔵置位置まで進入してヤードクレーンによって積み込まれて搬出される。
【0007】
また、前記積みコンテナが荷主から搬入された際には前記搬入エリアに降ろされ、構内トレーラで所定の蔵置位置まで搬送されてコンテナ船に積み込まれるのに待機することになる。コンテナ船に積み込まれる際には、構内トレーラに積み込まれて岸壁用クレーンまで搬送され、岸壁用クレーンによってコンテナ船に積み込まれることになる。
【0008】
ところで、前記搬出コンテナは確実に輸入元の荷主に届けられなければならないから、搬出のために来構した外来トレーラに対して誤った卸コンテナを積み込むことがないようにしなければならない。また、搬入された積みコンテナは確実に輸出国行きのコンテナ船に積み込まれなければならないから、誤った位置にコンテナが蔵置されることがないようにしなければならない。すなわち、コンテナの積み卸しや搬送、蔵置位置等の計画・管理を正確に行う必要がある。
【0009】
また、コンテナヤード内では前述したような構内トレーラによってコンテナを搬送されるシステムとして、例えば、特許文献1に開示されたコンテナターミナルシステムなどが提案されている。この特許文献1に開示された発明は、コンテナヤードをコンテナ置場区域と外来シャシ発着区域との間に搬出入準備エリアを設けて、コンテナ置場区域では専用の搬送車両によってコンテナを搬送するシステムを採用する場合に、当該搬送車両を無人搬送車両としたものに関している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−362750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に開示された発明では、無人搬送車両を走行させるためのコンテナ置場区域には周回経路を配設し、無人搬送車両はこの周回経路に案内されて走行する。このため、無人搬送車両は所定の領域を所定の工程で走行する必要がある。搬送車両は周回経路を所定の工程で走行するため、不測の事態が生じて、工程から外れた作業が要求される場合が生じると、その作業のために所定の手順から外れてしまい、荷役作業の停滞を生じ、予定した荷役作業を完遂できなくなってしまうおそれがある。しかも、無人搬送車両を利用する施設は、初期コストが膨大であり、新設されるコンテナターミナルの場合には導入が検討されるが、既設のコンテナターミナルでは殆ど考慮されない。
【0012】
既設のコンテナターミナルにおいても、コンテナヤードにおける荷役作業の円滑化を図ることが要求されているため、来構した外来トレーラはコンテナターミナルゲートを通過した後は、コンテナの蔵置領域に進入することなく、コンテナを前記搬出入準備エリアのような仮置き場で積み卸しをできるようにするシステムが構築されている。
【0013】
図6従来の本船に対する荷役作業(本船荷役)を説明する図で、着岸したコンテナ船1に対し岸壁用クレーンとしてのガントリークレーン2によってコンテナCの積み卸しを行い、専用の構内トレーラ3によってコンテナヤードYの所望の蔵置位置まで搬送し、ヤードクレーン4によってコンテナCの積み卸しが行われる。従来のこの種の本船荷役では、着岸したコンテナ船1に関する荷役作業を行う作業群(ギャング)を形成し、当該作業群毎に構内トレーラ3を割り付けて、グループ単位で順次作業を行うようにしている。
【0014】
このような従来の作業手順による場合には、グループ毎の判断で作業を進めることができるため、コンテナターミナルに特別な管理システムを必要とすることがなく、本船荷役は現場主導で進められる。他方、ガントリークレーン2の荷役作業の進捗状況に応じて構内トレーラ3が待機したり、ヤードクレーン4の作業状況に応じて構内トレーラ3が停滞してしまってガントリークレーン2に待機時間が発生してしまうおそれがある。また、作業群毎での作業であり、例えば本船荷役を行う場合で、コンテナCをコンテナ船1からコンテナヤードYへ移動する揚げ作業の場合には、搬送が完了して蔵置位置にコンテナCを降ろした構内トレーラ3は次にコンテナCをガントリークレーン2によって積載するまで空の状態で走行することになる。しかも、構内トレーラ3に待機時間が生じてしまうと、構内トレーラ3は無駄な時間を消費することになってしまう。なお、上述した本船荷役に限らず、コンテナヤードY内や前記搬出入準備エリアとの間でコンテナCの移動を行う構内シフト荷役の場合にも、構内トレーラ3の無駄な時間が存することになる。
【0015】
さらに、荷役作業はガントリークレーン2やヤードクレーン4等の作業量や作業速度、構内トレーラ3の作業場所間の移動に要する時間等の影響を受けて、構内トレーラ3の稼働状況は常時変化している。この変化に追随して構内トレーラ3の作業割り当てを変更することができれば、空の状態での走行時間を極力減じることができて望ましい。しかし、作業の進行をグループ毎で行っているため、全グループの作業状態を把握して余剰の構内トレーラ3があるグループから他のグループへ当該構内トレーラ3を割り当てる場合に、割り当て操作が頻繁に行われると全体の作業が混乱してしまうおそれがあるので、逆に作業効率の低下を来すおそれがある。このため、コンテナターミナル全体で全ての構内トレーラの作業量が均一となるような理想的な状態となるようにすることは、従来の作業手順を採用する場合には困難であった。
【0016】
そこで、この発明は、コンテナターミナルにおける全ての構内トレーラの作業量の均一化を図り、構内トレーラに繁閑の差が発生することを極力防止して、コンテナターミナルの稼働効率を向上させることができるようにしたコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムは、コンテナターミナルであって、コンテナヤードにおけるコンテナの搬送をヤード内専用の構内トレーラによって行い、該コンテナターミナルにおける少なくともゲート搬出入と構内シフト、本船荷役に係る荷役作業の管理のためのコンテナターミナル管理サーバを備えたコンテナターミナルの前記構内トレーラの作業管理システムにおいて、前記構内トレーラに、当該時の該構内トレーラの位置を捕捉する位置検出装置と、荷役情報を表示すると共に、該構内トレーラの運転者による少なくとも荷役完了情報と作業に従事できる待機状態にある待機情報、休憩のための休止状態に入る休止情報とを入力可能とした車載端末装置と、前記コンテナターミナル管理サーバから該荷役情報を受信し、少なくとも前記位置検出装置により捕捉された位置情報と前記車載端末装置で入力された荷役完了情報と待機情報、休止情報とを送信する無線通信装置とを具備させ、前記コンテナターミナル管理サーバに、前記構内トレーラの前記無線通信装置から送出された前記位置情報と荷役完了情報と待機情報、休止情報とを受信すると共に、各構内トレーラに対して荷役情報を送信する無線通信装置を具備させ、前記コンテナターミナル管理サーバーは、全ての構内トレーラの位置情報と該構内トレーラの荷役作業状況、コンテナターミナル内で発生した荷役情報とを比較し、当該時に要求される荷役作業により適した構内トレーラを選定して当該荷役作業に割り当てるに際して、前記構内トレーラの運転者により、当該時の状態について、待機情報または休止情報が前記車載端末装置へ入力された場合に、前記車載端末装置から提供された前記構内トレーラの状態に関する情報に基づいて、前記構内トレーラに対する荷役情報の送信を開始し、または停止することを特徴としている。
【0018】
すなわち、構内トレーラのいずれもがコンテナターミナル管理サーバからの荷役情報を受信して、受信された荷役情報は前記車載端末装置に表示される。このとき表示される荷役情報としては、作業に係るコンテナやその蔵置位置、当該時の構内トレーラの位置から蔵置位置まで走行する最適な経路その他、構内トレーラが次の荷役作業を担うの必要となる情報とする。運転者はこの荷役情報を確認し、選定された構内トレーラの運転者は、指定された荷役作業を遂行するよう、指定された作業位置まで走行させる。例えば、本船荷役を行う場合には、指定されたガントリークレーンまで走行してコンテナを積み込んだ後、指定された蔵置位置まで走行し、当該蔵置位置でヤードクレーンによりコンテナを蔵置位置に降ろす。このコンテナの荷役作業の完了情報を前記車載端末装置で入力し前記無線通信装置によって送信する。
【0019】
前記コンテナターミナル管理サーバは、荷役完了情報を受信したならば、前記位置検出装置で捕捉された当該構内トレーラの位置情報とコンテナターミナル内で当該時に要求されている荷役作業の場所とを比較して、当該構内トレーラが担当するのに適した荷役作業を選定してその荷役情報を送信し、該構内トレーラの車載端末装置に荷役情報を表示させる。運転者はこの荷役情報を確認したならば、該当する荷役作業に赴く。なお、運転者のこの確認情報を前記車載端末装置で入力し、その旨をコンテナターミナル管理サーバに送信できるようにすることが好ましい。
【0021】
そして、構内トレーラの当該時における状態が、次の荷役作業に従事できる状態にあるか否かを運転者が前記車載端末装置に入力することによって、前記コンテナターミナル管理サーバが把握し、その情報に基づいて、該コンテナターミナル管理サーバが当該構内トレーラへの荷役作業の指示を行い、あるいは指示を停止するようにしたものである。
【0022】
構内トレーラが次の荷役作業に従事できる状態にあればその旨の情報を運転者が入力し、コンテナターミナル管理サーバは当該構内トレーラが担当するのに適した作業を選定してその荷役作業を行うよう指示する。
【0023】
一方、運転者が休憩に入る場合等、次の荷役作業に従事できない状態となった場合には、その旨の情報が入力され、コンテナターミナル管理サーバは当該構内トレーラへの荷役作業の指示を停止する。これにより運転者は作業担当から一時的に外れることができる。当該運転者が作業に従事することが可能となった場合には、該運転者はその旨を車載端末装置へ入力する。該運転者が荷役作業に待機状態となったことで、コンテナターミナル管理サーバは当該構内トレーラに対する荷役作業の指示を開始する。
【0024】
また、請求項の発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムは、前記車載端末装置による表示内容に、該当する構内トレーラが作業のために走行すべき最適な経路を、コンテナヤードを表す図面上に表示することが含まれていることを特徴としている。
【0025】
すなわち、前記コンテナターミナル管理サーバから送信されて前記車載端末装置に表示される荷役情報に、作業に係るコンテナやその蔵置位置、当該時の構内トレーラの位置から蔵置位置まで走行する最適な経路が含まれている。この最適経路は、コンテナヤードの平面図や見取り図上に表示して運転者が容易に把握できるようにしてある。また、最適な経路には、コンテナヤードの各所の混雑や渋滞の状況ならびに通行止め等の走行禁止情報、その他の適切な走行に必要な情報を総合的に判断して選択される。
【0026】
また、請求項の発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムは、前記車載端末装置に、多機能携帯電話またはタブレットPCを利用していることを特徴としている。
【0027】
前記車載端末装置には、汎用コンピュータやノート式等のパーソナルコンピュータを利用することができ、これらに表示装置と入力装置、位置検出装置とを接続させてあればよい。他方、近年では、いわゆるスマートフォンといわれる多機能携帯電話やタッチパネル式などの表示/入力部を持った携帯可能なパーソナルコンピュータである、いわゆるタブレットパーソナルコンピュータ(タブレットPC)が普及しており、前記車載端末装置としてこれらスマートフォンやタブレットPCを用いることもできる。
【発明の効果】
【0028】
この発明に係る発明によれば、複数の荷役作業に対してより適切な構内トレーラを配することができるため、作業効率を向上させることができる。例えば、本船荷役の場合のガントリークレーンや構内シフト荷役の場合のヤードクレーン、構内トレーラなどの待ち時間を短縮することができ、コンテナ船の停船時間を短縮して、コンテナターミナルを効率よく運営することができる。また、必要な荷役作業に手空きの構内トレーラを割り当てられるので、余剰の構内トレーラの発生を抑制でき、その結果コンテナターミナル内で稼働する構内トレーラの総数を減じることができる。特に、コンテナを降ろした構内トレーラを空荷の状態でトレーラ待機場まで走行させることを、極力削減できるから構内トレーラの稼働効率を向上させられる。しかも、構内トレーラを効率よく稼働させることができるから、構内トレーラのそれぞれの総走行距離を減じて、構内トレーラの燃料費を抑制できると共にその寿命が長くなる。構内トレーラの台数の削減と走行距離の短縮化により、排出されるCO2等の温室効果ガスの発生を抑制して地球環境に良好なコンテナターミナルを提供できる。
【0029】
また、構内トレーラの運転者への作業プラン等の各種の指示を行う伝票用紙を要しないから、指示内容が記載された伝票の出力が不要となり、担当者の作業を簡便化して労力を削減することができる。
【0030】
また、本船荷役では作業プランの変更がたびたび生じており、これらの変更に応じて構内トレーラへの作業プランの見直しや再指示が必要なる。この再指示を伝票の手渡しや無線連絡によって行っており、これらの再指示作業が煩雑であった。これに対して、この発明によれば、作業プランを作成することを要しないから、作業プランの作成に要する労力のみならず、作業内容に変更があった場合にも簡便に対応することができ、省力化を促進することができる。
【0031】
さらに、コンテナターミナル管理サーバはそれぞれの構内トレーラの状態を確実に把握でき、いずれの構内トレーラであっても確実により適切な荷役作業を担当させることができると共に、より迅速に荷役作業に対応させることができる。
【0032】
また、請求項の発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムによれば、運転者は指示された次の荷役作業現場まで迅速に移動することができるから、作業能率をより向上させることができる。
【0033】
また、請求項3の発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムによれば、構内トラックに搭載する機器の点数を減じて、携帯性や利便性が向上するとともに、既存の構内トレーラへの搭載が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】この発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムの概略の構成を示す図である。
図2】この発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムを実施するのに適したコンテナターミナルにおける荷役作業を説明する図で、本船荷役を例示する図である。
図3図2に示す本船荷役の作業を説明する平面図である。
図4】この発明に係る構内トレーラ管理システムによる構内トレーラの管理を説明するフロー図である。
図5】この発明に係る構内トレーラ管理システムによる手順の一例を示すフローチャートである。
図6】従来の本船荷役の作業を説明する図であり、図3に相当する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムを具体的に説明する。
【0036】
図1はこの発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムの構成を示す図である。コンテナターミナルには、該コンテナターミナルの運営・管理を担当するコンテナターミナル管理サーバ10が備えられており、無線通信装置11を介して必要な通信機器と無線通信を行えるようにしてある。なお、コンテナターミナル管理サーバ10は外部のデータセンター等に備えられ、例えば複数のコンテナターミナルの設備をこのデータセンターで集中して管理される場合もある。
【0037】
コンテナターミナルのコンテナヤード内では、専用の構内トレーラ20によってコンテナC図2参照)が搬送されるようにしてある。この構内トレーラ20はトレーラを牽引するヘッド20aと台車20bとを接続させ、該台車20bにコンテナCが積載される。なお、ヘッド20aを台車20bから離脱させることができる。また、外部から来構した外来トレーラは、例えばコンテナ船1の着岸時に到着し、卸コンテナCを積み込める場合には、コンテナヤードYに進入してガントリークレーン2まで走行し、該当する卸コンテナCを積み込んだり、あるいは蔵置位置まで走行して卸コンテナCを積み込んだりする。
【0038】
この構内トレーラ20のヘッド20aには車載端末装置21と位置検出装置としてのGPS(Global Positioning System:全地球測位システム )装置22とが搭載されている。あるいは、パーソナルコンピュータとGPS機能とを併せ持つ、いわゆるスマートフォン(Smartphone)と称される多機能携帯電話機やタブレットPC(タブレット型パーソナルコンピュータ)を使用することもできる。また、車載端末装置21には前記コンテナターミナル管理サーバ10に接続させた無線通信装置11との間で交信できる無線通信装置23が搭載されている。前記車載端末装置21には表示部21aと入力部21bとが具備されており、後述するように、構内トレーラ20が担うことになる荷役作業に関する情報が表示部21aに表示され、前記入力部21bを運転者が操作することにより荷役作業に関する情報が入力される。また、車載端末装置21の表示部21aには、前記コンテナターミナル管理サーバ10から送信された荷役作業に関する情報が表示される。
【0039】
図2は本船荷役の場合の構内トレーラ20の運行を説明する図である。また、図3図2に示す説明図の概略の平面図であり、コンテナヤードYの一部には荷役作業の指示待ったり、運転者が休憩を取ったりするための構内トレーラ20の待機場所となるトレーラ待機場5が設置されている。コンテナ船1が着岸すると、コンテナ船1に積み込まれているコンテナCをコンテナヤードYの所定の蔵置位置に移動させる作業(この作業を「揚げ作業」あるいは「揚げ」という。)と、コンテナヤードYに蔵置されているコンテナCをコンテナ船1に移動させる作業(この作業を「積み作業」あるいは「積み」という。)とが行われる。すなわち、コンテナヤードYに移動されて搬出されることになる卸コンテナCに対しては揚げ作業が行われ、コンテナヤードYに搬入されてコンテナ船1に積載される積みコンテナCに対しては積み作業が行われる。構内トレーラ20は空荷の状態でガントリークレーン2まで走行し、コンテナ船1から卸コンテナCを積載してコンテナヤードY内の所定の蔵置位置まで搬送する。搬送された卸コンテナCはヤードクレーン4によって蔵置位置に降ろされる。
【0040】
卸コンテナCの蔵置位置までの搬送が終了したならば運転者は前記入力部21bを操作して荷役作業の完了を入力する。この荷役完了情報が前記無線通信機23を介して前記コンテナターミナル管理サーバ10に送信される。コンテナターミナル管理サーバ10は前記GPS装置22によってこの構内トレーラ20の位置情報を捕捉する。コンテナターミナル管理サーバ10は登録されている荷役情報と捕捉した該構内トレーラ20の位置情報とを元に、この構内トレーラ20を向かわすべき次の荷役作業を選定する。この選定は、例えば、該構内トレーラ20に最も近い位置にある荷役作業である場合もあり、また、例えば未処理の連続した荷役作業がある場合で、他の構内トレーラ20よりもこの荷役作業を行わせるのに適していると判断される荷役作業である場合等である。この選定された荷役作業に関する情報をこの構内トレーラ20に搭載されている車載端末装置21へ送信する。荷役情報を受信したならば、その旨が前記表示部21aに表示される。この表示を運転者が確認したならば、前記入力部21bを操作して確認した旨の信号をコンテナターミナル管理サーバ10へ返信し、指示された荷役作業に向かうことになる。
【0041】
前記指示された荷役作業が積み作業である場合には、積みコンテナCの蔵置位置まで走行し、ヤードクレーン4によって積みコンテナCを積み込む。また、コンテナターミナル管理サーバ10はヤードクレーン4に対して該当する荷役作業の情報を提供して、ヤードクレーン4をこの荷役作業を行う蔵置位置に向かわせる。積みコンテナCを積載した構内トレーラ20はガントリークレーン2まで走行して、コンテナ船Cに積みコンテナCを移載させる。このとき、複数台のガントリークレーン2の内のいずれかにより荷役作業を担当させるかをコンテナターミナル管理サーバ10が判断して、該当するガントリークレーン2まで構内トレーラ20を最適な経路で誘導する。なお、この誘導は、先に指示した荷役情報に含めて運転者に提示する。
【0042】
次に、本船荷役作業の手順を、図4を参照しながら、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0043】
図4は本船荷役の作業フローを示す概略図であり、同図の上段に構内トレーラ20が待機する前記トレーラ待機場5を示しており、中段にコンテナ船1に対するコンテナCの積み卸しを行う前記ガントリークレーン2による作業(GC下)を示しており、下段にはコンテナヤードYの蔵置位置に対するコンテナCの積み卸しを行う前記ヤードクレーン4による作業(TT下)を示している。荷役作業の指示待ちや運転者が休憩を取っている場合には構内トレーラ20はトレーラ待機場5で待機している。
【0044】
図5は前記コンテナターミナル管理サーバ10による作業手順であり、該コンテナターミナル管理サーバ10にはコンテナ船1の入港前に、コンテナ船1の積荷情報等が提供されており、予めコンテナCの積み卸し作業の予測を行ってタイムスケジュールを作成する等の本船作業開始前処理が実行されている(ステップ501)。コンテナ船1がコンテナヤードYに着岸すると、前記本船作業開始前処理(ステップ501)で作成されたタイムスケジュール等の作業管理データに基づいて、本船荷役開始を指示する(ステップ502)。この本船荷役開始の指示は、コンテナターミナル内で稼働している全ての構内トレーラ20に対して前記無線通信装置11、23を介して行われ、前記車載端末装置21の表示部21aに荷役情報の内容が表示される。荷役作業に係属している構内トレーラ20は新たな荷役指示を担当することはできないため、当該荷役作業は主としてトレーラ待機場5で待機している構内トレーラ20が担当する。コンテナターミナル管理サーバ10から指示された荷役作業を担当することになる構内トレーラ20は、担当可能であることを前記入力部21bで入力する。
【0045】
担当可能の信号を受信したならば、コンテナターミナル管理サーバ10は当該構内トレーラ20n(図4参照)に荷役作業を指示する(作業イベント処理/ステップ503)。指示を受けた構内トレーラ20nは、指示内容に基づいて、コンテナ船1から降ろされる指定されたコンテナC1(図4参照)を積載するよう指定されたガントリークレーン2p(図4参照)まで走行し、該ガントリークレーン2pによって移載されて所定のコンテナC1を積み込んだ後、指示された蔵置位置まで走行する。この蔵置位置には構内トレーラ20nと前後してヤードクレーン4p(図4参照)が到着し、積載されているコンテナC1を所定の蔵置位置へ移載して、構内トレーラ20nの搬送が終了する。
【0046】
前記構内トレーラ20nが荷役作業を完了すると、運転者はその旨の情報を前記入力部21bによって入力し、車載端末装置21は無線通信装置23、11を介してコンテナターミナル管理サーバ10へ送信する(ステップ401(図4参照))。コンテナターミナル管理サーバ10は、荷役作業の進捗更新管理(ステップ504)を行って、未処理の荷役作業から当該構内トレーラ20nが行うのに適した作業を検索する(次作業検索処理/ステップ505)。なお、コンテナターミナル管理サーバ10はコンテナターミナルにおける荷役作業のタイムスケジュールを作成し(ステップ501、ステップ502)、その管理を行っているので、先述した荷役作業の管理情報等を参照して、コンテナターミナルにおける荷役作業の進捗状況を監視し、その状況をモニターに表示している(ステップ510)。
【0047】
前記次作業検索処理(ステップ505)は、当該時における構内トレーラ20nの位置を該構内トレーラ20nに搭載されているGPS装置22から発せられる位置情報と未処理の荷役作業の情報に含まれた作業位置との関係で、この構内トレーラ20nが担うのに適した荷役作業を検索して選定する。なお、このとき、コンテナターミナル管理サーバ10は、当該構内トレーラ20nの運転者が休憩時間に入ること前記車載端末21に入力した場合にその休憩に関する情報等を受信したり、構内トレーラ20nの要作業時間(ヘッドサイクルタイム)を予測したり、ヤードクレーン4の現在位置から前記未処理の荷役作業場所までの移動に要する時間を予測する等の付帯機能の処理を行う(ステップ506)。付帯機能を要しない場合には、前記選定された荷役作業を指示する(ステップ507)。すなわち、次作業が揚げ作業の場合には指定されたガントリークレーン2qに向かい、積み作業の場合には指定された蔵置位置に向かう。あるいは、トレーラ待機場5での待機が指示される。揚げ作業が指示された場合には、該構内トレーラ20nは指示されたガントリークレーン2qに向かって新たなコンテナC2を積載して、次作業の指示を受け、指示された蔵置位置へ向かうことになる。また、積み作業が指示された場合には、該構内トレーラ20nは指示されたヤードクレーン4qに向かって新たなコンテナC3を積載した後、コンテナ船1に移載すべく指示されたガントリークレーン2rに向かって走行する。このガントリークレーン2rによりコンテナC3がコンテナ船1に移載される。その後、コンテナC3を降ろした構内トレーラ20nは次作業の指示を待つことになり(ステップ402)、指示された内容に応じて揚げ作業または積み作業、待機を行うことになる。
【0048】
以上説明した作業はコンテナ船1に対する揚げ作業と積み作業を主体とした本船荷役について説明したが、コンテナターミナルではコンテナCは、コンテナヤードY内で移動されたり、コンテナヤードYと前記搬出入準備エリアとの間で移動されたりする構内シフト荷役があり、本願発明に係るコンテナターミナル構内トレーラの作業管理システムは構内シフト荷役の作業の管理に利用することもできる。さらに、本船荷役と構内シフト荷役とを混合させた荷役作業に構内トレーラを割り当てて作業を遂行する管理にも利用することができる。
【0049】
また、荷役作業が完了した状態で運転者が車載端末装置21の入力部21bを操作することで、次の荷役作業を担える状態にあることをコンテナターミナル管理サーバ10に通知するものとして説明した。これに対して,例えば構内トレーラ20に重量検出機能や積載コンテナ番号認識機能を具備させることで、当該コンテナが降ろされたことを重量の変化や積載コンテナ番号の消滅によって認識し、その認識データをコンテナターミナル管理サーバ10へ送出するようにできる。この場合には、作業完了時における運転者による入力作業が不要となり、積載コンテナ番号認識機能を具備させた場合には、コンテナに対する荷役の誤作業も防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明に係る作業管理システムによれば、既存のコンテナターミナルに実装することができて、コンテナターミナルの稼働効率の向上に寄与する。
【符号の説明】
【0051】
C コンテナ
Y コンテナヤード
1 コンテナ船
2 ガントリークレーン
4 ヤードクレーン
5 トレーラ待機場(プール)
10 コンテナターミナル管理サーバ
11 無線通信装置
20 構内トレーラ
20a ヘッド
20b 台車(シャーシ)
21 車載端末装置
21a 表示部
21b 入力部
22 GPS装置(位置検出装置)
23 無線通信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6