(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特定のプロトコルのパケットを制御対象としているため、複数種のプロトコルを用いて呼を処理する呼処理システムに対して適用できないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、呼処理システムにおいて負荷分散を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の負荷分散装置は、呼処理システムで動作する負荷分散装置において、プロトコルの種別に応じた判定情報を記憶しておく判定情報記憶手段と、パケットを受信した後、前記パケットのプロトコルに対応する判定情報に基づいて、同一機能を持つ複数の負荷分散対象のうちいずれかに転送するパケット転送手段と、を備え、前記負荷分散対象が、メディアサーバの場合、前記判定情報は、複数のメディアサーバに対して互いに重複しない範囲のポート番号帯を割り当てたポート番号情報であって、前記パケット転送手段は、前記ポート番号情報を用いて前記受信したパケットに含まれるポート番号に対応するメディアサーバを特定し、特定したメディアサーバへ転送
し、前記負荷分散対象が、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバの場合、前記パケット転送手段は、前記制御サーバからのHTTPパケットに含まれるオペレーション要求の種類に応じて当該HTTPパケットに含まれるセッション識別子を保持するか否かを決定することを要旨とする。
【0007】
本発明によれば、パケットのプロトコルに対応する判定情報に基づいて負荷分散するため、複数種のプロトコルを用いる呼処理システムにおいて負荷分散を実現できる。
【0008】
請求項2に記載の負荷分散装置は、請求項1に記載の負荷分散装置において、前記負荷分散対象
が、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバ
の場合、前記判定情報は、前記パケットを処理した制御サーバの識別子と前記パケットに係るセッションの識別子とを関連付けたセッション情報であって、前記パケット転送手段は、WebサーバからHTTPパケットを受信した後、前記HTTPパケットのボディ部からセッション識別子を取得し、前記セッション情報を参照して対応する制御サーバに転送することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の負荷分散装置は、請求項1
又は2に記載の負荷分散装置において、前記負荷分散対象
が、電話網
の場合、前記パケット転送手段は、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバからSIPパケットを受信した後、前記SIPパケットに設定されている発信元のアドレス情報に係る通信回線の電話網に転送することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の負荷分散装置は、請求項1
乃至3のいずれかに記載の負荷分散装置において、前記負荷分散対象
が、電話網
の場合、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバからIPパケットを受信した後、前記IPパケットのサービスクラスを電話網のサービス内容に応じて変更するヘッダ情報変更手段を更に有することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の負荷分散装置は、請求項1
乃至4のいずれかに記載の負荷分散装置において、前記負荷分散対象
が、電話網
の場合、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバからSIPパケットを受信した後、前記SIPパケットに設定されているプライベートIPアドレスを、前記SIPパケットに設定されている発信元のアドレス情報に係る通信回線の電話網のグローバルIPアドレスに変更するヘッダ情報変更手段を更に有することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の負荷分散装置は、請求項1
乃至5のいずれかに記載の負荷分散装置において、前記負荷分散対象
が、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバ
の場合、前記判定情報は、前記パケットを処理した制御サーバのプライベートIPアドレスと前記パケットに係るダイアログ情報とを関連付けたダイアログ管理情報であって、電話網からSIPパケットを受信した後、前記ダイアログ管理情報を参照して前記SIPパケットのダイアログ情報を特定し、前記SIPパケットに設定されているグローバルIPアドレスを、特定したダイアログ情報に対応する制御サーバのプライベートIPアドレスに変更するヘッダ情報変更手段を更に有することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の負荷分散装置は、請求項1
乃至6のいずれかに記載の負荷分散装置において、前記負荷分散対象
が、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバ
の場合、前記判定情報は、前記パケットを処理した制御サーバの識別子と前記パケットに係るダイアログ情報とを関連付けたダイアログ管理情報であって、前記パケット転送手段は、電話網からSIPパケットを受信した後、前記SIPパケットからダイアログ情報を取得し、前記ダイアログ管理情報を参照して対応する制御サーバに転送することを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の負荷分散方法は、呼処理システムで動作する負荷分散装置により、プロトコルの種別に応じた判定情報を判定情報記憶手段に記憶しておく判定情報記憶ステップと、パケットを受信した後、前記パケットのプロトコルに対応する判定情報に基づいて、同一機能を持つ複数の負荷分散対象のうちいずれかに転送するパケット転送ステップと、を備え、
前記負荷分散対象が、メディアサーバの場合、前記判定情報は、前記複数の
メディアサーバに対して互いに重複しない範囲のポート番号帯を割り当てたポート番号情報であって、前記パケット転送ステップでは、前記ポート番号情報を用いて前記受信したパケットに含まれるポート番号に対応する
メディアサーバを特定し、特定した
メディアサーバへ転送
し、前記負荷分散対象が、マルチメディアのセッションを制御する制御サーバの場合、前記パケット転送ステップでは、前記制御サーバからのHTTPパケットに含まれるオペレーション要求の種類に応じて当該HTTPパケットに含まれるセッション識別子を保持するか否かを決定することを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の負荷分散プログラムは、請求項8に記載の負荷分散方法をコンピュータに実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、呼処理システムにおいて負荷分散を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、(1)プロトコルの種別に応じた判定情報を記憶しておき、(2)受信したパケットのプロトコルに対応する判定情報に基づいて負荷分散することにより、複数種のプロトコルを用いる呼処理システムにおいて負荷分散を実現するようにしている。以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1は、呼処理システム1000における負荷分散装置1の接続位置関係を示す図である。本実施の形態において、負荷分散装置1は、Webサーバ2とSDPサーバ3との間、SDPサーバ3とNGN4との間、NGN4とMSサーバ5との間、SDPサーバ3とMSサーバ5との間に夫々接続されている。
【0020】
図2は、各負荷分散装置1の機能ブロック構成を示す図である。各負荷分散装置1において共通する基本機能構成を示しており、判定情報記憶部100と、パケット転送部200と、を備えて構成される。
【0021】
判定情報記憶部100は、プロトコルの種別に応じた判定情報を記憶しておく機能部である。例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)のパケットを転送する際に用いるセッション情報、SIP(Session Initiation Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)を転送する際に用いるダイアログ情報、RTP(Real-time Transport Protocol)やUDPを転送する際に用いるポート番号情報を記憶している。
【0022】
パケット転送部200は、パケットを受信した後、そのパケットのプロトコルに対応する判定情報に基づいて、同一機能を持つ複数の負荷分散対象のうちいずれかに転送する機能部である。ここでいう負荷分散対象とは、呼処理システム1000を構成している各サーバ群2,3,5やNGN4をいう。
【0023】
以下、各負荷分散装置1について説明する。なお、判定情報記憶部100は、後述するセッション情報記憶部12、ダイアログ情報記憶部24、ポート番号情報記憶部32に相当している。パケット転送部200は、HTTP要求転送部11、SIPパケット転送部21、RTPパケット転送部31に相当している。
【0024】
また、Webサーバ2とは、クライアント端末に画面を提供し、その画面内に入力されたデータに基づきHTTP要求を送信するサーバである。SDP(Service Delivery Platform)サーバ3は、SIPを用いてマルチメディアのセッションを制御するサーバである。NGN(Next Generation Network)4は、従来のPSTN(Public Switched Telephone Network)網を代替する次世代の電話網である。MS(Media Server)サーバ5は、音声ガイダンスの再生やユーザの音声を録音等するサーバである。
【0025】
〔第1の負荷分散装置について〕
第1の負荷分散装置1aは、
図3に示すように、Webサーバ2と複数のSDPサーバ3a〜3nとの間に接続されている。そして、
図4に示すように、HTTP要求転送部11と、セッション情報記憶部12と、セッション情報管理部13と、を備えて構成される。
【0026】
HTTP要求転送部11は、HTTP要求をWebサーバ2から受信すると、予め設定されたアルゴリズムに基づいて複数のSDPサーバ3a〜3nの中から1つのSDPサーバ3i(i:a〜n)を決定し、その決定されたSDPサーバ3iに先のHTTP要求を転送する機能部である。
【0027】
また、HTTP要求転送部11は、転送先のSDPサーバ3iからHTTP応答を受信すると、そのHTTP応答のボディ部からセッションIDを取得して記憶させる機能や、受信したHTTP要求のボディ部にセッションIDが含まれている場合、そのセッションIDに対応するSDPサーバ3に先のHTTP要求を転送する機能を更に備えている。
【0028】
セッション情報記憶部12は、HTTP要求転送部11で取得されたセッションIDを転送先のSDPサーバ3iの識別子IDに関連付けてセッション情報として記憶する機能部である。このセッション情報は、HTTP要求転送部11によってHTTP要求の転送時に参照される。
【0029】
セッション情報管理部13は、セッション情報記憶部12のセッション情報を制御(追加、削除、変更)する機能部である。
【0030】
以上が第1の負荷分散装置1aの備える機能である。引き続き、この第1の負荷分散装置1aで行うSDPサーバ3の負荷分散動作について説明する。
図5は、SDPサーバ3の負荷分散処理フローを示す図である。
【0031】
まず、あるHTTP要求をWebサーバ2から受信すると、HTTP要求転送部11は、そのHTTP要求のボディ部にセッションIDが含まれているか否かを判別する(ステップS101)。
【0032】
ここで、HTTP要求のボディ部にセッションIDが含まれていない場合、そのHTTP要求は過去に転送されたHTTP要求とは何ら関係がないため、HTTP要求転送部11は、所定のアルゴリズムに基づいて複数のSDPサーバ3a〜3nの中から例えばSDPサーバ3aを転送先として決定し、HTTP要求の宛先に設定されているバーチャルIPアドレス(第1の負荷分散装置1aのWebサーバ側のIPアドレス)をSDPサーバ3aのプライベートIPアドレスに書き換えて転送処理を実行する(ステップS102)。
【0033】
そして、ステップS102の後、転送したHTTP要求に対するHTTP応答をSDPサーバ3aから受信すると、HTTP要求転送部11は、そのHTTP応答のボディ部に設定されているセッションIDを取得する(ステップS103)。
【0034】
このセッションIDとは、転送先のSDPサーバ3によって当該HTTP要求を含む一連の制御セッションに対して割り当てられる番号や記号等である。本実施の形態では、従来のようにヘッダ部内のセッションIDを用いるのではなく、HTTP要求やHTTP応答のボディ部に設定された上記定義のセッションIDを利用している。
【0035】
ヘッダ部内のセッションIDを用いる場合、そのHTTP要求に関連するINVITE等の他の要求を受信すると他のSDPサーバに振り分けてしまい、呼制御に係る一連の処理を同一のSDPサーバで実行することができない。そこで、ボディ部内のセッションIDを用いることにより、そのような問題を解決している。
【0036】
そして、ステップS103の後、HTTP要求転送部11は、HTTP応答のボディ部から取得したセッションIDを転送先のSDPサーバ3aの識別子IDに関連付けてセッション情報記憶部12のセッション情報に追記する(ステップS104)。
【0037】
このとき、HTTP要求転送部11がセッション情報記憶部12に直接追記してもよいし、セッション情報を一元管理しているセッション情報管理部13にその追記を要求してもよい。本ステップの結果、セッション情報記憶部12には、例えば
図6に示すようなセッション情報が記録される。
【0038】
一方、ステップS101の判定において、Webサーバ2からのHTTP要求のボディ部にセッションIDが含まれている場合、そのHTTP要求は過去に転送された同一のセッションIDに係るHTTP要求に連続的又は連携的な関係があるため、HTTP要求転送部11は、セッション情報記憶部12のセッション情報を参照し、そのボディ部内のセッションIDに対応するSDPサーバ3に先のHTTP要求を転送する(ステップS105)。
【0039】
なお、ステップS103において、HTTP要求転送部11は、HTTP応答の元となるHTTP要求内のオペレーション要求(SIPのリクエストを含む)の内容に応じてセッションIDの保持の有無を決定してもよい。例えば、INVITEやBYE、UPDATE等のオペレーション要求の場合にのみセッションIDを保持し、単なるNOTIFY関連のオペレーション要求の場合には保持しない。このように特定のオペレーション要求については無視(セッションIDの非保持)することにより、セッション情報記憶部12での無駄な記憶容量の使用を改善できる。
【0040】
また、セッション情報管理部13は、セッションS104で生成されたセッション情報を所定のタイミングで削除してもよい。例えば、(1)Webサーバ2からSDPサーバ3に対して“切断”を意味するAPI(Application Program Interface)が実行された場合、(2)SDPサーバ3からWebサーバ2に対して呼制御の終了を意味するAPIが実行された場合、(3)削除用のタイマが満了した場合、等が考えられる。このようにセッション情報を所定のタイミングで削除することにより、先と同様にセッション情報記憶部12での無駄な記憶容量の使用を改善できる。
【0041】
以上の負荷分散処理フローによれば、セッション情報を記憶しておき、Webサーバ2からHTTP要求のパケットを受信した後、そのHTTP要求のボディ部からセッションIDを取得し、先のセッション情報を参照して対応するSDPサーバ3に転送するので、呼処理システムにおいて負荷分散を実現できる。
【0042】
また、受信したHTTP要求のボディ部にセッションIDが含まれている場合、そのセッションIDに対応するSDPサーバ3に先のHTTP要求を転送するので、HTTP要求に係る後続処理を同一のSDPサーバ3で継続して処理させることができる。
【0043】
〔第2の負荷分散装置について〕
第2の負荷分散装置1bは、
図7に示すように、複数のSDPサーバ3a〜3nと複数のNGN4a〜4nとの間に接続されている。そして、
図8に示すように、SIPパケット転送部21と、SNI回線選択部22と、ヘッダ情報変更部23と、ダイアログ情報記憶部24と、を備えて構成される。
【0044】
SIPパケット転送部21は、SIPパケットをSDPサーバ3から受信すると、そのSIPパケットから所定の情報を抽出してダイアログ情報として記憶させ、SNI回線選択部22で選択されたSNI回線のNGN4に転送する機能部である。
【0045】
また、SIPパケット転送部21は、SNI回線を介してNGN4からSIPパケットを受信すると、ダイアログ情報に基づき転送先のSDPサーバ3を特定する機能を更に有している。
【0046】
SNI回線選択部22は、受信したSIPパケットのヘッダ部から発信元の電話番号(アドレス情報)を取得し、その電話番号に係るSNI回線を選択する機能部である。
【0047】
ヘッダ情報変更部23は、受信したSIPパケットのヘッダ部(正確には、そのSIPパケットに係るIPパケットのヘッダ部)内に設定されているサービスクラスをNGN4のサービス内容に応じて変更する機能部である。
【0048】
また、ヘッダ情報変更部23は、受信したSIPパケットのヘッダ部内に設定されているプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する機能を更に備えている。
【0049】
ダイアログ情報記憶部24は、SIPパケット転送部21によって抽出された所定の情報をダイアログ情報として記憶しておく機能部である。このダイアログ情報は、SIPパケット転送部21によってSIPパケットの転送時に参照される。
【0050】
以上が第2の負荷分散装置1bの備える機能である。引き続き、この第2の負荷分散装置1bで行うSDPサーバ3及びNGN4の負荷分散動作について説明する。
図9は、SDPサーバ3及びNGN4の負荷分散処理フローを示す図である。
【0051】
まず、あるSIPパケットをSDPサーバ3から受信すると、SIPパケット転送部21は、そのSIPパケットのヘッダ部から、“Call−ID”のフィールドに設定されているパラメータ値と、“To”及び“From”の各tagのフィールドに夫々設定されている各パラメータ値とを抽出し、それらをダイアログ情報としてダイアログ情報記憶部24に記憶させる(ステップS201)。
【0052】
例えば、
図10に示すようなSIPパケット(RFC3261から抜粋)を受信した場合、ダイアログ情報を
図11(a)のように記憶し、送信元のSDPサーバ3の識別子ID(ここでは、SDPサーバ3のプライベートIPアドレスとする)に対応付けてダイアログ管理情報として保持しておく。なお、本ステップの時点では、“To”のフィールドにtag情報は設定されていないため、“Call−ID”と“From”からなる初期のダイアログ情報が保持される。
【0053】
次に、SNI回線選択部22は、受信したSIPパケットのヘッダ部から“From”のフィールドに設定されている発信元の電話番号(アドレス情報)を取得し、その電話番号から転送先のSNI回線を選択する(ステップS202)。
【0054】
ここで、
図10では“From”のフィールドに“alice”が設定されているが、このようなユーザ名以外に電話番号(アドレス情報)も設定可能であり、ここでは電話番号(アドレス情報)が設定されているとする。また、SNI回線選択部22は、
図12に示すような、電話番号とSNI回線とを対応付けたSNI回線情報を保持している。本ステップでは、そのSNI回線情報を元に“From”の電話番号(アドレス情報)に対応するSNI回線を特定する。
【0055】
なお、SNI回線とは、アプリケーション・サーバー・ネットワーク・インタフェースの別称であり、NGN4の備えるインタフェースの一つである。SNI回線の特定により、SNI回線上の両端装置の各グローバルIPアドレスを特定できるため、複数のNGN4a〜4nの中から1つのNGNi(i:a〜n)が転送先として決定されることになる。
【0056】
次に、ヘッダ情報変更部23は、受信したSIPパケットに係るIPパケットのヘッダ部内に設定されているToS(Type of Service)の値を、NGN4で提供している音声サービスを意味する値に変更する(ステップS203)。
【0057】
この音声サービスを意味する値とは、受信したSIPパケットに係るUDPパケットの処理優先度が最も高いことを意味している。そのため、ToS値を最優先クラスに変更することにより、NGN4に対して、例えば5060のポート番号で流れるRTPパケットを優先して処理させることができる。
【0058】
続いて、ヘッダ情報変更部23は、受信したSIPパケットのヘッダ部内の“Via”と“Contact”と“From”の各フィールドに夫々設定されているプライベートIPアドレスを、“From”のフィールドに設定されている電話番号に紐付くグローバルIPアドレス(第2の負荷分散装置1bのNGN側のIPアドレス)に書き換える(ステップS204)。
【0059】
図10では“Via”と“Contact”の各フィールドに“pc33.atlanta.com”が設定され、“From”のフィールドに“atlanta.com”が設定されているが、このようなドメイン名以外にIPアドレスも設定可能であり、ここでは、ユーザ端末のプライベートIPアドレスが設定されているとする。本ステップでは、それらのプライベートIPアドレスをステップS202で特定されたSNI回線の第2の負荷分散装置1bのグローバルIPアドレスに書き換える。
【0060】
次に、SIPパケット転送部21は、受信したSIPパケットの宛先に設定されているバーチャルIPアドレス(第2の負荷分散装置1bのSDPサーバ側のIPアドレス)を、ステップS202で特定されたSNI回線のNGN4のグローバルIPアドレスに書き換えて転送処理を実行する(ステップS205)。
【0061】
引き続き、ステップS205で転送したSIPパケットに対して、「180 Ringing」や「200 OK」のSIPパケットをNGN4から受信した場合について説明する。例えば、
図13に示すようなSIPパケット(RFC3261から抜粋)を受信したとする。
【0062】
その後、SIPパケット転送部21は、受信したSIPパケットのヘッダ部から、“Call−ID”のフィールドに設定されているパラメータ値と、“To”及び“From”の各tagのフィールドに夫々設定されている各パラメータ値とを抽出し、ステップS201で保持していた各パラメータ値に部分合致するダイアログ情報を特定し、そのダイアログ情報を更新する(ステップS206)。
【0063】
なお、「200 OK」のSIPパケットを受信した場合には、
図13に示したように“To”のフィールドにtag情報が設定されているため、
図11(b)に示すようにダイアログ情報が確定する。
【0064】
続いて、ヘッダ情報変更部23は、
図11(b)のダイアログ管理情報を参照してステップS206で特定されたダイアログ情報に対応するSDPサーバ3を特定し、受信したSIPパケットのヘッダ部内の“Via”と“Contact”と“From”の各フィールドに夫々設定されているグローバルIPアドレスを、特定したSDPサーバ3のプライベートIPアドレスに書き換える(ステップS207)。
【0065】
その後、SIPパケット転送部21は、受信したSIPパケットの宛先に設定されているバーチャルIPアドレス(第2の負荷分散装置1bのNGN側のIPアドレス)を、ステップS207で特定されたSDPサーバ3のプライベートIPアドレスに書き換えて転送処理を実行する(ステップS208)。
【0066】
以降、「200 OK」のSIPパケットをNGN4から受信した場合もステップS206〜S208と同様の処理を実行する(ステップS206’〜S208’)。この時点で、ユーザ端末間のSIPセッションが確立する。
【0067】
その後、NGN4からSDPサーバ3に対して、上記SIPパケット(INVITE)と関連のあるSIPパケット(例えば、UPDATE)が送信された場合、第2の負荷分散装置1bのSIPパケット転送部21は、保持しているダイアログ情報やダイアログ管理情報に基づき常に同じSDPサーバ3に転送する(ステップS209)。
【0068】
具体的には、受信したSIPパケットのヘッダ部から、“Call−ID”のフィールドに設定されているパラメータ値と、“To”及び“From”の各tagのフィールドに夫々設定されている各パラメータ値とを抽出し、保持している複数のダイアログ情報内のそれらと比較して合致するダイアログ情報を特定し、ダイアログ管理情報を参照して当該特定したダイアログ情報に対応するSDPサーバ3のプライベートIPアドレスへ転送する。
【0069】
また、SDPサーバ3からNGN4にSIPパケットが送信された場合には、そのSIPパケットに係るIPパケットのヘッダ部内のToS値には初期値が設定されているため、ステップS203と同様に、NGN4で提供されている音声サービスを意味する値に変更して転送する(ステップS210)。
【0070】
以上、第2の負荷分散装置1bが発信側のSDPサーバ3に接続されている場合の動作について説明した。このような動作やその動作を実行する各機能部は、着信側のSDPサーバ3に接続された負荷分散装置(以下、第2の負荷分散装置1b’)に具備させてもよい。
【0071】
そして、その第2の負荷分散装置1b’において、NGN4からSDPサーバ3にSIPパケットが送信された場合には、そのSIPパケットを複数のSDPサーバ3a〜3nのうちいずれかのSDPサーバ3へ転送することにより負荷分散処理を実現する。その際、SDPサーバ3が輻輳等の場合には、そのSIPパケットをSDPサーバ3に転送することなく自装置でその転送を拒否してもよい。SDPサーバ3の前段でSIPパケットを拒否することにより、SDPサーバ3の負荷を更に低減できる。
【0072】
以上の負荷分散処理フローによれば、ダイアログ情報を記憶しておき、NGN4からSIPパケットを受信した後、保持しているダイアログ情報やダイアログ管理情報を参照して対応するSDPサーバ3に転送するので、呼処理システムにおいて負荷分散を実現できる。
【0073】
〔第3の負荷分散装置について〕
第3の負荷分散装置1cは、
図14に示すように、複数のMSサーバ5a〜5nとNGN4との間に接続されている。そして、
図15に示すように、RTPパケット転送部31と、ポート番号情報記憶部32と、を備えて構成される。
【0074】
RTPパケット転送部31は、RTPパケットをNGN4から受信すると、そのヘッダ部内の宛先ポート番号を参照し、ポート番号情報記憶部32のポート番号情報に基づいて対応するMSサーバ5に転送する機能部である。
【0075】
ポート番号情報記憶部32は、複数のMSサーバ5a〜5nに対して重複しないRTPを含むUDPポート番号の各範囲を夫々割り当てたポート番号情報を記憶しておく機能部である。例えば、
図16に示すように設定されたポート番号情報が予め記憶されている。このポート番号情報は、RTPパケット転送部31によってRTPパケットの転送時に参照される。
【0076】
以上が第3の負荷分散装置1cの備える機能である。引き続き、この第3の負荷分散装置1cで行うMSサーバ5の負荷分散動作について説明する。
図17は、MSサーバ5の負荷分散処理フローを示す図である。
【0077】
まず、あるRTPパケットをNGN4から受信すると、RTPパケット転送部31は、ポート番号情報記憶部32のポート番号情報を参照し、複数のMSサーバ5a〜5nの中から、RTPパケットのヘッダ部内の宛先ポート番号に対して割り当てられているMSサーバ5を特定する(ステップS301)。
【0078】
例えば、RTPパケット内の宛先ポート番号が12345の場合、UDPポート番号情報が
図16であれば、MSサーバ5aが転送先として特定される。
【0079】
その後、RTPパケット転送部31は、RTPパケットの宛先に設定されているバーチャルIPアドレス(第3の負荷分散装置1cのNGN側のIPアドレス)をMSサーバ5aのプライベートIPアドレスに書き換えて転送処理を実行する(ステップS302)。
【0080】
以上の負荷分散処理フローによれば、ポート番号情報を記憶しておき、NGN4からRTPパケットを受信した後、そのRTPパケットから宛先ポート番号を取得し、ポート番号情報を参照して対応するメディアサーバに転送するので、呼処理システムにおいて負荷分散を実現できる。
【0081】
最後に、第1の負荷分散装置1a〜第3の負荷分散装置1cの各機能部を1つの負荷分散装置1で具備することも可能である。また、本実施の形態で説明した負荷分散装置1はメモリやCPUを備えたコンピュータで実現でき、その処理はプログラムによって実行される。更に、負荷分散装置1の各動作をプログラムとして構築し、コンピュータにインストールして実行させることや、通信ネットワークを介して流通させることも可能である。