(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの前記アンテナは(a)ループコイルアンテナ、または、(b)共鳴型ループコイルアンテナ、または、(c)逆相型ループコイルアンテナである、または、(a)のループコイルアンテナと(b)の共鳴型ループコイルアンテナと(c)の逆相型ループコイルアンテナの少なくとも2種類以上を備える
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の磁界放射装置。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】磁界放射装置において互いに軸が異なる複数の平面にアンテナを配置する例を示す図である。
【
図2】磁界放射装置において同一平面に複数のアンテナを配置する例を示す図である。
【
図3】磁界放射装置において互いに平行な複数の平面にそれぞれアンテナを配置する例を示す図である。
【
図4】磁界放射装置において複数の平面の組み合わせによりアンテナを配置する例を示す図である。
【
図6】磁界放射装置のブロック図(3軸アンテナ)を示す図である。
【
図7】通信システムのシーケンスの例を示す図である。
【
図8】通信システムのシーケンスの別の例を示す図である。
【
図10】磁界放射装置において互いに異なる平面にそれぞれアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
【
図11】磁界放射装置において互いに平行な平面にそれぞれ1個づつアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
【
図12】磁界放射装置において同一平面に2個のアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
【
図13】磁界放射装置において同一平面に2個のアンテナを、さらに異なる平面に1個のアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
【
図14】磁界放射装置において、複数個のアンテナのうち、任意の1個のアンテナから放射するタイムスロットを時分割で割り当てる例を示す図である。
【
図15】磁界放射装置において、複数個のアンテナのうち、任意の複数個のアンテナから放射するタイムスロットを時分割で割り当てる例を示す図である。
【
図16】磁界放射装置においてタイムスロットを3個のアンテナに時分割で周期的に割り当てる例を示す図である。
【
図17】磁界放射装置においてタイムスロットを6個のアンテナに時分割で周期的に割り当てる例を示す図である。
【
図18】磁界放射装置において
図16とは異なる周期でタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
【
図19】磁界放射装置において一時的に磁界の放射を停止する時間を設けてタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
【
図20】前後のタイムスロットと重複する時間を設けてタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
【
図21】3個のアンテナのうち2個のアンテナに重複でタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
【
図22】6個のアンテナのうち2個づつに重複でタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
【
図23】重要性が高いアンテナに対して多くタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
【
図24】それぞれ1個のアンテナを配置した2平面を直交させて設置した例を示す図である。
【
図25】それぞれ1個のアンテナを配置した3平面を直交させて設置した例を示す図である。
【
図26】磁界放射装置にループコイルアンテナを用いる例を示す図である。
【
図27】ループコイルアンテナとして共鳴型ループコイルアンテナを用いる例を示す図である。
【
図28】ループコイルアンテナとして逆相型ループコイルアンテナを用いる例を示す図である。
【
図29】磁界入射装置のブロック図(1軸アンテナ)を示す図である。
【
図30】磁界入射装置のフローチャートの例を示す図である。
【
図32】磁界入射装置のブロック図(3軸アンテナ)を示す図である。
【
図33】磁界入射装置のブロック図(3軸アンテナ:磁界通信)を示す図である。
【
図35】従来の磁界入射装置のアンテナ構造についての例を示す図である。
【
図36】従来の磁界入射装置のアンテナ構造についての別の例を示す図である。
【
図37】磁界放射装置のループアンテナの磁束線と磁界入射装置のループアンテナが並行の場合の磁界放射の例を示す図である。
【
図38】磁界放射装置のループアンテナの磁束線と磁界入射装置のループアンテナが垂直の場合の磁界放射の例を示す図である。
【
図39】3軸のアンテナから同時に磁界を出力した時に得られる磁界を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
[実施例1]
実施例1では、本発明の第1の特徴について説明する。
第1の特徴を有するのは、磁界放射装置が放射する磁界を磁界入射装置で検知することを契機にして電界、磁界または電波を媒体とする通信を開始する通信システムにおける前述の磁界放射装置であって、以下の特徴を有する。
【0019】
すなわち、磁界放射装置は、(1)互いに軸が異なる複数の平面のそれぞれにアンテナを有する、または、(2)互いに平行な複数の平面のそれぞれにアンテナを有する、または、(3)同一の平面に複数のアンテナを有する、または、(1)と(2)と(3)の2以上のアンテナを有し、各アンテナから磁界を放射する。
【0020】
図1は、磁界放射装置において互いに軸が異なる複数の平面にアンテナを配置する例を示す図である。
具体的には、XZ平面とYZ平面にそれぞれアンテナを配置した例である。
各平面は直交していなくてよい。平面数は3個以上でもよい。アンテナは交差していなくてもよい。アンテナは磁界を放射できればよく、ループアンテナ、パッチアンテナ等の平面アンテナを適用できる。アンテナは形状、大きさ、太さに依存せず、平面ごとに異なっていてもよい。
効果:例えば、図のような複数の平面のアンテナから磁界を放射すると、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
例えば、磁界は別々に放射するとよい。また、磁界は任意のタイミングで放射してもよい。
【0021】
図2は、磁界放射装置において同一平面に複数のアンテナを配置する例を示す図である。
具体的には、XZ平面に複数のアンテナを配置した例である。
同一平面のアンテナ数は3個以上でもよい。異なるアンテナ数の複数の平面を組み合わせてもよい。
効果:
図1と同様に、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
例えば、磁界は別々に放射するとよい。また、磁界は任意のタイミングで放射してもよい。
【0022】
図3は、磁界放射装置において互いに平行な複数の平面にそれぞれアンテナを配置する例を示す図である。
具体的には、XZ平面上のY軸の位置が異なる互いに平行な複数の平面にアンテナを配置する例である。
平面数は3個以上でもよい。同一平面のアンテナ数は3個以上でもよい。
効果:
図1、
図2と同様に、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
例えば、磁界は別々に放射するとよい。また、磁界は任意のタイミングで放射してもよい。
【0023】
図4は、磁界放射装置において複数の平面の組み合わせによりアンテナを配置する例を示す図である。
具体的には、XZ平面に複数のアンテナ及びYZ平面に1個のアンテナを組み合わせた例である。
アンテナは交差してもよい。
図1〜
図3の平面を組み合わせることができる。組み合わせは、
図4の例に限定されない。
平面ごとにアンテナ数が異なっていてもよい。
複数の平面を組み合わせると、磁界入射装置のアンテナに対して、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射する確率が高まるので、磁界を検知できる範囲がさらに広がる。
例えば、磁界は別々に放射するとよい。また、磁界は任意のタイミングで放射してもよい。
【0024】
図5は、無変調波の例を示す図である。
各実施例において、磁界放射装置が放射する磁界は、図に示すような波形の無変調波である。
【0025】
図6は、磁界放射装置のブロック図(3軸アンテナ)を示す図である。
具体的には、互いに異なる3平面上に配置される3個のアンテナで磁界を放射し、電波による通信を開始するためのブロック図の例である。
磁界放射装置は、3個のアンテナと、磁界用無変調波生成部1と、マイコン2と、通信部3を備える。
アンテナはXY平面、XZ平面、YZ平面にそれぞれ配置する。アンテナは横から見て記載したものである。
磁界用無変調波生成部1が無変調波を生成し、無変調波によりアンテナから磁界を放射する。これを入射側で検知すると 検知を契機に、通信部3が、例えば電波によって通信をする。
また、通信部3は電波によらず、電界、磁界、電波のいずれかによる通信を開始することができる。
【0026】
図7は、通信システムのシーケンスの例を示す図である。
具体的には、
図6の磁界放射装置による通信を開始する例である。
例えば、磁界放射装置は、移動開始し、磁界による無変調波を用いてポーリングを行う。磁界入射装置が磁界を検知すると、磁界による通信を開始し、ポーリングを停止する。通信で送るデータは何でもよく装置ID、認証鍵、データ等を送ることができる。
【0027】
図8は、通信システムのシーケンスの別の例を示す図である。
具体的には、
図6の磁界放射装置による通信を開始する例である。
例えば、磁界放射装置は、移動開始し、磁界による無変調波を用いてポーリングを行う。磁界入射装置が磁界を検知すると、電波による通信を開始し、ポーリングを停止する。
【0028】
図9は、磁界入射装置の構造の例を示す図である。
磁界入射装置として、例えば
図9に示すRFID(radio frequency identifier)と称されるものを使用できる。
磁界入射装置は、塩化ビニールの基板上にICチップとコイルアンテナを有する。
このような磁界入射装置の場合、シーケンスはは
図7のようになる。
【0029】
[実施例2]
実施例2では、本発明の第2の特徴について説明する。
第2の特徴は、第1の特徴を有する磁界放射装置において、各アンテナは磁界を同時に放射するというものである。
【0030】
図10は、磁界放射装置において互いに異なる平面にそれぞれアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
別々に放射するアンテナと同時に放射するアンテナを組み合わせてもよい。
アンテナをXZ平面とYZ平面に配置する。図の紙面はXY平面である。
図1と同様に、図のような複数の平面のアンテナから磁界を放射すると、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
効果:
図10に示すように複数のアンテナから同時に磁界を放射すると別々に磁界を放射する時に比べて短い時間で磁界を検出できる。
【0031】
図11は、磁界放射装置において互いに平行な平面にそれぞれ1個づつのアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
別々に放射するアンテナと同時に放射するアンテナを組み合わせてもよい。
アンテナをXZ平面と並行、且つY軸上の位置が異なる場所にそれぞれ配置する。図の紙面はXY平面である。
図2と同様に、図のような複数の平面のアンテナから磁界を放射すると、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
効果:
図11に示すように複数のアンテナから同時に磁界を放射すると別々に磁界を放射する時に比べて短い時間で磁界を検出できる。
【0032】
図12は、磁界放射装置において同一平面に2個のアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
別々に放射するアンテナと同時に放射するアンテナを組み合わせてもよい。
アンテナをXZ平面上のX軸の位置が異なる場所に配置する。図の紙面はXY平面である。
図3と同様に、図のような複数の平面のアンテナから磁界を放射すると、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
効果:
図12に示すように複数のアンテナから同時に磁界を放射すると別々に磁界を放射する時に比べて短い時間で磁界を検出できる。
【0033】
図13は、磁界放射装置において同一平面に2個のアンテナを、さらに異なる平面に1個のアンテナを設置し、同時に磁界を放射する例を示す図である。
別々に放射するアンテナと同時に放射するアンテナを組み合わせてもよい。
アンテナをXZ平面上のX軸の位置が異なる場所と、YZ平面上に配置する。図の紙面はXY平面である。
図4と同様に、図のような複数の平面のアンテナから磁界を放射すると、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。
効果:
図13に示すように複数のアンテナから同時に磁界を放射すると別々に磁界を放射する時に比べて短い時間で磁界を検出できる。
【0034】
[実施例3]
実施例3では、本発明の第3の特徴について説明する。
第3の特徴は、第1の特徴を有する磁界放射装置において、各アンテナには時分割でタイムスロットが割り当てられ、割り当てられたタイムスロットのタイミングで磁界を放射するというものである。
【0035】
図14は、磁界放射装置において、複数個のアンテナのうち、任意の1個のアンテナから放射するタイムスロットを時分割で割り当てる例を示す図である。
磁界を放射可能な時間にアンテナから磁界を1回放射する。
タイムスロットを割り当てる回数は何回でもよい。
効果:任意のタイミングで磁界を検知できる。
【0036】
図15は、磁界放射装置において、複数個のアンテナのうち、任意の複数個のアンテナから放射するタイムスロットを時分割で割り当てる例を示す図である。
磁界を放射可能な時間に各アンテナから磁界を1回放射する。
タイムスロットを割り当てる回数は何回でもよい。
効果:
図14よりもアンテナの数が増えるので、任意のタイミングにおける磁界を検知できる範囲を増やすことができる。
【0037】
[実施例4]
実施例4では、本発明の第4の特徴について説明する。
第4の特徴は、第1の特徴を有する磁界放射装置において、各アンテナには時分割で周期性を有するタイムスロットが割り当てられ、割り当てられたタイムスロットのタイミングで磁界を放射するというものである。つまり、第3の特徴に加え、さらにタイムスロットは周期性を有するというものである。
【0038】
図16は、磁界放射装置においてタイムスロットを3個のアンテナに時分割で周期的に割り当てる例を示す図である。
磁界を放射可能な時間に各アンテナから磁界を周期的に放射する。
タイムスロットは途中で中断してもよい。
アンテナの個数には依存しないので、1個のアンテナのみ周期があってもよい。
効果:実施例3よりも磁界を放射する回数が増えるので、磁界を検知できる確率を高めることができる。
【0039】
図17は、磁界放射装置においてタイムスロットを6個のアンテナに時分割で周期的に割り当てる例を示す図である。
効果:
図16よりもアンテナの数が増えるので、磁界を検知できる範囲を広げることができる。
【0040】
図18は、磁界放射装置において
図16とは異なる周期的でタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
このように周期のパターンには依存せず、どのようなパターンでもよい。
効果:
図16に比べ、特定のアンテナに対して単位時間当たりのタイムスロットが増えるので、例えば重要度が高いアンテナによって磁界を検知できる確率を高めることができる。
【0041】
[実施例5]
実施例5では、本発明の第5の特徴について説明する。
第5の特徴は、少なくとも1つのアンテナにタイムスロットが割り当てられてない時間が存在するというものである。
図19は、磁界放射装置において一時的に磁界の放射を停止する時間を設けてタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
一時的に停止する時間長には依存しないので、長くても短くてもよい。また、異なる時間長、停止する時間がない状態を組み合わせてもよい。
効果:磁界を検知し、磁界によって送達確認等の通信を行う場合は、検知と通信の混信を防止するために有効である。
【0042】
[実施例6]
実施例6では、本発明の第6の特徴について説明する。
第6の特徴は、タイムスロットは、前のタイムスロットに重なり合う期間と、前後のタイムスロットに重なり合わない期間と、後のタイムスロットに重なり合う期間とから構成されるというものである。
図20は、前後のタイムスロットと重複する時間を設けてタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
例えば、アンテナ(#2)のタイムスロットは、アンテナ(#1)に割り当てられた前のタイムスロットに重なり合う期間と、前のスロットにもアンテナ(#3)に割り当てられた後のタイムスロットにも重なり合わない期間と、後のタイムスロットに重なり合う期間とで構成される。
図6に示す磁界用無変調波生成部1の時間的な揺らぎにより、磁界が一時的に放射されない状態を防止するために、前後のタイムスロットを重複させる。
重複する時間長には依存しないので、長くても短くてもよい。また、異なる時間長、停止する時間がない状態を組み合わせてもよい。
効果:磁界入射装置の検波部には常に磁界が入射されるので、検波部の動作を安定させることができる。
【0043】
[実施例7]
実施例7では、本発明の第7の特徴について説明する。
第7の特徴は、タイムスロットは同時に複数のアンテナに割り当てられるというものである。
図21は、3個のアンテナのうち2個のアンテナに重複でタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
重複するアンテナの個数には依存しないので、同時に何個割り当ててもよい。
効果:同時に複数のアンテナに対してタイムスロットを割り当てると、並列動作が可能になるので、磁界入射装置が検波できる可能性がより高くなる。
【0044】
図22は、6個のアンテナのうちアンテナ2個づつに重複でタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
選択対象のアンテナの個数には依存しないので、選択対象のアンテナは何個でもよい。 効果:アンテナが複数あれば磁界入射装置に入射する磁界の角度が異なるので、磁界入射装置が磁界を検波できる可能性がより高くなる。
【0045】
[実施例8]
実施例8では、本発明の第8の特徴について説明する。
第8の特徴は、タイムスロットは重要性の高いアンテナに多く割り当てられるというものである。
図23は、重要性が高いアンテナに対して多く多くタイムスロットを割り当てる例を示す図である。
アンテナ(#1)は2回に1回、アンテナ(#2)、アンテナ(#3)は4回に1回の割合でタイムスロットを割り当てる。
選択対象のアンテナの割り当て回数、アンテナの個数には依存しないので、割り当て回数、選択対象は何個でもよい。
また、割り当てが無いタイムスロット、同時に複数のアンテナを割り当てるタイムスロットを組み合わせてもよい。
効果:重要度が高いアンテナに対して多くタイムスロットを与えることで、磁界入射装置が磁界を検波できる可能性がより高くなる。
【0046】
[実施例9]
実施例9では、本発明の第9の特徴について説明する。
第9の特徴は、(1)互いに軸が異なる複数の平面は互いに直交し、当該平面の数は2または3であるというものである。
図24は、それぞれ1個のアンテナを配置した2平面を直交させて設置した例を示す図である。
アンテナを、例えばXZ平面とYZ平面に配置する。
効果:アンテナを配置する平面が直交していない場合と比べて、直交している場合の方がアンテナの角度の差が大きく、少なくても一方のアンテナに入射する磁界が大きくなる。この結果、磁界を検出しやすくなる。
【0047】
図25は、それぞれ1個のアンテナを配置した3平面を直交させて設置した例を示す図である。
アンテナをXZ平面とYZ平面とXY平面に配置する。
効果:アンテナを配置する平面が直交していない場合と比べて、角度が異なるアンテナの個数が多くなり、より磁界を検出しやすくなる。
【0048】
[実施例10]
実施例10では、本発明の第10の特徴について説明する。
第10の特徴は、少なくとも1つのアンテナはループコイルアンテナであるというものである。
図26は、磁界放射装置にループコイルアンテナを用いる例を示す図である。
ループコイルアンテナは、1巻のものをループアンテナ、多巻のものをコイルアンテナとも呼ばれる。
ループコイルアンテナの形状には依存しない。同心円状、楕円状、矩形上、雲形を含め、任意の形状が可能である。例えばキャパシタを挿入してもよい。磁界入射装置にも同様のアンテナを使用できる。
【0049】
[実施例11]
実施例11では、本発明の第11の特徴について説明する。
第11の特徴は、少なくとも1つのアンテナは共鳴型ループコイルアンテナ、または、または、逆相型ループコイルアンテナであるというものである。
図27は、ループコイルアンテナとして共鳴型ループコイルアンテナを用いる例を示す図である。
1つのループアンテナは、磁界用無変調波生成部1に接続され、別のループアンテナは、磁界用無変調波生成部1に接続されず、ループアンテナの近傍に配置される。
効果:磁界共鳴が発生し、磁界放射装置からアンテナに給電するエネルギーが同じレベルであっても、共鳴型は通常型よりも通信距離を伸ばすことができる。
【0050】
図28は、ループコイルアンテナとして逆相型ループコイルアンテナを用いる例を示す図である。
2つのループアンテナの一方は正相用であり、他方は逆相用であり、共に磁界用無変調波生成部1に接続される。
効果:通常型と比べて磁界強度の距離減衰特性を急峻にすることができる。具体的には通常型の磁界強度の距離減衰が60dB/decに対して、逆相型は100dB/decとなる。
実施例10と同様に、ループコイルアンテナの形状には依存しない。同心円状、楕円状、矩形上、雲形を含め、任意の形状が可能である。例えばキャパシタを挿入してもよい。また、磁界入射装置にも同様のアンテナを適用できる。
なお、磁界放射装置は、ループコイルアンテナと共鳴型ループコイルアンテナと逆相型ループコイルアンテナの少なくとも2種類以上を備えていてもよい。
【0051】
[実施例12]
実施例12では、本発明の第12の特徴について説明する。
第12の特徴を有するのは、磁界放射装置が放射する磁界を磁界入射装置で検知することを契機にして電界、磁界または電波を媒体とする通信を開始する通信システムの磁界入射装置であって、以下の特徴を有する。
すなわち、磁界入射装置は、磁界放射装置が放射する磁界のエネルギーを電気のエネルギーに変換し、電気のエネルギーの無変調波を生成するアンテナと、無変調波の強度が予め定めた閾値より高いか否かを判定する磁界用検波部とを備え、無変調波の強度が閾値より高い場合に通信を開始する。
【0052】
図29は、磁界入射装置のブロック図(1軸アンテナ)を示す図である。
具体的には、互いに異なる3平面上に配置される3個の平面アンテナで放射された磁界を磁界入射装置の1個のアンテナに入射し、電波による通信を開始するためのブロック図の例である。
アンテナはXY平面に配置する。アンテナは平面アンテナであり、横から見て記載する。
アンテナに磁界が入射すると、アンテナが磁界エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーの無変調波を生成する。磁界用検波部11は、無変調波の強度が予め定めた閾値より高いか否かを判定し、結果をマイコン12に通知する。マイコン12は、無変調波の強度が閾値より高い場合、例えば、電波用変復調部13に指示し、電波用変復調部13が電波によって通信を行う。電波用変復調部13は変調波を電波用のアンテナを駆動する。
なお、通信手段は電波によらず、電界、磁界、電波のいずれかによる通信を開始することができる。
【0053】
図30は、磁界入射装置のフローチャートの例を示す図である。
磁界をアンテナで受信信号に変換し(S1)、受信信号のレベルを予め設定された閾値と比較する(S3)。受信信号のレベルが閾値以下なら、ステップS1に戻る。受信信号のレベルが閾値より高いなら、通信を開始し(S5)、これにて判定を終える。
【0054】
図31は、受信電力の閾値の例を示す図である。
図31において、受信信号のレベルとは、実際の受信信号のレベルをデシベル表示したものである。z/a1は、Z軸上での原点からの距離zをループアンテナの半径a1で除した値である。
受信信号のレベルは、z/a1が大きくなるにしたがって低下する。よって、例えば、z/a1=10の位置を通信可能なエリアの限界とする場合は、閾値を60dBとすればよい。すなわち、磁界入射装置は、受信信号のレベルが60dB以上なら、磁界放射装置と通信を開始する。従って、z/a1=10の位置またはそれより磁界放射装置に近い通信エリアに限り通信を行うことができる。
【0055】
なお、受信信号のレベルは、同じ位置でも、周囲の影響で多少変動するので、閾値は、受信信号のレベルの傾きが大きい箇所に設定するのが望ましい。つまり、
図31において、受信信号のレベルの傾きが大きい箇所に閾値が設定されるように、半径a1や電流値を定めるのが望ましい。こうすることで、受信信号のレベルが多少変動しても、受信信号のレベルが閾値に等しくなる位置つまり通信エリアの外縁の位置はさほど変わらない。つまり、通信エリアの大きさの変動(通信エリアの外縁の位置の変動)の抑制を図ることができる。
【0056】
[実施例13]
実施例13では、本発明の第13の特徴について説明する。
第13の特徴は、第12の特徴を有する磁界入射装置において、磁界放射装置が放射する磁界のエネルギーを電気のエネルギーに変換し、電気のエネルギーの無変調波を生成する複数のアンテナと、各無変調波を合成する合成部とを備え、磁界用検波部は、合成後の無変調波の強度が前記閾値より高いか否かを判定し、合成後の無変調波の強度が閾値より高い場合に通信を開始するというものである。
【0057】
図32は、互いに異なる3平面上に配置される3個の平面アンテナで放射された磁界を磁界入射装置の3個のアンテナに入射し、電波による通信を開始するためのブロック図の例を示す図である。
アンテナはXY平面、XZ平面、YZ平面にそれぞれ配置する。アンテナは平面アンテナであり、横から見て記載する。
アンテナに磁界が入射すると、アンテナが磁界エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーの無変調波を生成する。合成部14はこの無変調波を合成する。合成方法は一般的な合成方法を利用でき、選択合成、等利得合成、最大比合成等を適用するとよい。
【0058】
磁界用検波部11は、合成後の無変調波の強度が予め定めた閾値より高いか否かを判定し、結果をマイコン12に通知する。マイコン12は、無変調波の強度が閾値より高い場合、例えば、電波用変復調部13に指示し、電波用変復調部13が電波によって通信を行う。電波用変復調部13は変調波を電波用のアンテナに駆動する。
効果:
図29と異なり、異なる方向のアンテナを複数使うと、大きな電気エネルギーを生成できるアンテナが増えるので、磁界入射装置が検波できる可能性がより高くなる。
【0059】
[実施例14]
実施例14では、本発明の第14の特徴について説明する。
第14の特徴は、アンテナは、磁界の通信にも兼用するというものである。
図33は、その場合の磁界入射装置のブロック図(3軸アンテナ)を示す図である。
検知を磁界、通信を磁界とするために、アンテナを磁界の放射(通信)と入射(検波)とで共用する。
アンテナはXY平面、XZ平面、YZ平面にそれぞれ配置する。アンテナは平面アンテナであり、横から見て記載する。
【0060】
アンテナに磁界が入射すると、アンテナが磁界エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーの無変調波を生成する。合成部14はこの無変調波を合成する。合成方法は一般的な合成方法を利用でき、選択合成、等利得合成、最大比合成等を適用するとよい。
磁界用検波部11は、合成後の無変調波の強度が予め定めた閾値より高いか否かを判定し、結果をマイコン12に通知する。マイコン12は、無変調波の強度が閾値より高い場合、例えば、磁界用変復調部15に指示し、磁界用変復調部15が磁界によって通信を行う。磁界用変復調部15は、磁界を受信した3つのアンテナを駆動する。
【0061】
効果:
図6と
図32は検知の伝搬手段が磁界、通信の伝搬手段を電波だったが、
図33のようにすると検知の伝搬手段と通信の伝搬手段を磁界とすることができる。
なお、通信の伝搬手段を磁界とする場合、磁界放射装置でも通信部が、磁界を放射したアンテナを用いて通信を行う。また、磁界入射装置では、アンテナは3個に限らず、
図29のように1個のアンテナを用い、検知の伝搬手段と通信の伝搬手段を磁界とすることができる。
【0062】
[実施例15]
実施例15では、本発明の第15の特徴について説明する。
第15の特徴を有するのは、通信システムであり、上記説明したいずれかの磁界放射装置と上記説明したいずれかの磁界入射装置とを備えることが第15の特徴である。
図34は、車いすに磁界放射装置、壁と障害物に磁界入射装置を取り付けて、車いすの衝突防止システムに適用した例を示す図である。
磁界放射装置は定期的に磁界を放射し、磁界入射装置に磁界が入射すると、磁界入射装置は危険であることを伝える信号を磁界放射装置に対して電波で送信する。
【解決手段】XZ平面とYZ平面にそれぞれアンテナを配置した例である。効果:例えば、図のような複数の平面のアンテナから磁界を放射すると、磁界入射装置のアンテナには、磁界放射装置のいずれかのアンテナからの磁束線が入射するので、磁界放射装置のあるアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0になっても、磁界放射装置の他のアンテナが放射する磁界から得られる電気エネルギーは0でなく、よって、磁界を検知できる範囲が広がる。