【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な反射型偏光板は、樹脂層を含むことができ、上記反射型偏光板は、可視光領域の光を線偏光させ、反射型偏光板に入射されないまま反射した光を反射させて、上記反射型偏光板に再入射させることによって、ディスプレイ装置で光の利用効率を高めることができる。以下、添付の図面を参照して、上記反射型偏光板について詳しく説明する。
【0006】
図1は、例示的な反射型偏光板100の断面を模式的に示す図であり、
図2は、例示的な上記反射型偏光板100のさらに他の具現例の断面を模式的に示す図である。
図1及び
図2に示されたように、上記反射型偏光板100は、樹脂層120を含むことができる。
【0007】
1つの例示で、上記樹脂層120は、屈折率が1.1〜2.0であることができる。
【0008】
また、1つの例示で、上記樹脂層120は、バインダー樹脂を含むことができ、例えば、硬化性樹脂が硬化された状態で含まれることができる。上記硬化性樹脂として使用することができる樹脂としては、例えば、多様な常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または光硬化型樹脂組成物を使用することができ、好ましくは、熱硬化型または光硬化型樹脂組成物、より好ましくは、光硬化型樹脂組成物を使用することができる。上記で「硬化された状態」というのは、樹脂組成物に含まれる成分が架橋反応または重合反応などを経て樹脂組成物がハード(hard)状態に転換された場合を意味することができる。また、上記で常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または光硬化型樹脂組成物は、上記のような硬化された状態が常温下で誘導されるか、あるいは適切な湿気の存在下、熱の印加または紫外線のような電磁気波の照射によって誘導されることができる組成物を意味することができる。
【0009】
1つの例示で、上記樹脂組成物は、主材としてアクリル化合物、エポキシ化合物、ウレタン系化合物、フェノール系化合物またはポリエステル系化合物などを含むことができる。上記で「化合物」は、単量体性、オリゴマー性または重合体性化合物であることができる。
【0010】
1つの例示では、上記樹脂組成物として、透明性などの光学的特性に優れていて、黄変などに対する抵抗性に優れたアクリル系樹脂組成物、好ましくは、紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物を使用することができる。
【0011】
紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物は、アクリレートオリゴマー及び希釈用単量体を含むことができ、必要に応じて、硬度確保のために上記希釈用単量体として多官能性アクリレートを使用することができる。上記でアクリレートオリゴマーの例としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステル系アクリレートまたはエーテル系アクリレートなどを挙げることができ、好ましくは、ウレタンアクリレートを使用することができる。この分野では、紫外線硬化型組成物を製造するための多様なアクリレートオリゴマーが知られており、本発明では、上記のような化合物を適切に選択することができる。
【0012】
紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物の製造に使用されることができる希釈用単量体の種類は、この分野で多様に知られており、その1つの好ましい例としては、多官能性アクリレートをあげることができるが、上記希釈用単量体の種類が上記に制限されるものではない。上記多官能性アクリレートの例としては、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペート(neopentylglycol adipate)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバル酸(hydroxyl puivalic acid)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(dicyclopentanyl)ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、アリル(allyl)化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ヘキサヒトロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタン(adamantane)ジ(メタ)アクリレートまたは9、9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(fluorene)などの2官能型アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3官能型ウレタン(メタ)アクリレートまたはトリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどの3官能型アクリレート;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートまたはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型アクリレート;及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレート(例えば、イソシアネート単量体及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの反応物など)(例えば、Kyoeisha社のUA−306IまたはUA−306T)などの6官能型アクリレートなどを挙げることができ、樹脂層120の硬度確保のために、4官能型以上、好ましくは6官能型以上のアクリレートを使用するのが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0013】
紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物を製造するための上記成分の選択や選択された成分の配合の比率などは、特に制限されず、目的する樹脂層120の硬度及びその他物性を考慮して調節されることができる。
【0014】
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて重合開始剤、紫外線遮断剤または吸収剤、帯電防止剤または分散剤などの添加剤が適切に含まれていてもよい。
【0015】
1つの例示で、上記反射型偏光板100の樹脂層120は、
図1のように、上記樹脂層120上で格子を形成している凹部121及び凸部122を有することができる。上記で凸部122は、粒子130及び前述した硬化性樹脂を含むことができる。例えば、上記粒子130は、自己組立され、前述した硬化された状態の硬化性樹脂内に所定の空隙を持って分散している状態で上記凸部122に含まれることができる。本明細書で使用される用語「格子」は、平面上に一定間隔で2個以上の溝が設けられており、これにより、複数の凹部121と凸部122が形成されたストライプ形状のパターンが互いに平行に配列された凹凸構造を意味する。また、本明細書で使用される用語「自己組立(self−assembly)」というのは、上記粒子が、粒子に特別なエネルギーなどを加えないとしても、上記粒子の分子間の相互引力、例えばバンデルバルス(Vander Waals力)、Capillary、π−π相互作用、水素結合などの引力によって分子が自発的に集まっている形態の超分子、すなわち分子集合体を形成し、分子サイズ以上の整列されたドメイン(ビルディングブロック、building block)が存在する構造、例えばナノ構造を形成することによって、新しい物性を発揮する現象を意味する。上記で、ナノ構造というのは、ナノサイズの構造を意味し、例えば、ナノワイヤ構造、ナノリボン構造、ナノベルト構造などを意味する。上記のように、自己組立された粒子130が凸部122に含まれることによって、上記凸部122は、粒子130が相互引力によって固定されたナノ構造を有するので、光源及び外部摩擦に露出しても、熱的、物理的に耐久性に優れた反射型偏光板100を提供することができる。
【0016】
上記で下記数式1による凸部122の空隙率は、例えば、5%〜50%、10%〜30%、20%〜50%であることができる。
【0017】
[数式1]
空隙率P=(V
1−V
2)/V
1×100
【0018】
上記数式1で、V
1は、凸部122の全体体積を、V
2は、凸部122で粒子130によって占有される体積を示す。
【0019】
本明細書で使用される用語「空隙率」というのは、樹脂層120の凸部122で上記粒子130が占有しない部分(以下、空隙と言う)の体積の比率を意味する。すなわち、上記樹脂層120の凸部122において空隙が少なくなるほど、粒子130の体積の比率が高くなり、この場合、空隙率が低くなって、相対的に空隙による光特性の損失が少なくなる。上記空隙率が5%未満の場合は、工程上、具現しにくい問題があり、50%を超過する場合、空隙が過度に大きくて、空隙による光特性の損失が過度に大きくなることができる。1つの例示で、上記粒子130が球形状であり、粒子130のサイズが同一である場合には、上記凸部122において粒子130の空隙率は、例えば、26%〜48%、28%〜30%であることができる。
【0020】
1つの例示で、上記樹脂層120の凸部122に含まれる粒子130の粒径は、2nm〜100nm、例えば、10nm〜80nm、30nm〜90nm、20nm〜50nmであることができる。上記粒子130の粒径が2nm未満であるか、100nmを超過する場合、粒子130が樹脂層120の凸部122のみではなく、樹脂層120の全面部分に付着することができる。
【0021】
上記粒子130は、可視光線領域の吸収性が少なければ、特に制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)粒子、銅(Cu)粒子、クロム(Cr)粒子、白金(Pt)粒子、金(Au)粒子、ニッケル(Ni)粒子、パラジウム(Pd)粒子、タングステン(W)粒子、イリジウム(Ir)粒子、モリブデン(Mo)粒子、鉄(Fe)粒子、チタン(Ti)粒子、クロム(Cr)粒子、コバルト(Co)粒子またはアルミニウム(Al)粒子などの金属粒子またはこれらの合金を使用することができ、1つの例示で、白金、金、銀及びアルミニウムまたはこれらの合金を利用することができ、好ましくは、銀またはアルミニウム粒子を使用することができるが、これに制限されるものではない。上記粒子130は、電気伝導性及び光学性能に優れていて、例えば、アルミニウムの場合、可視光線領域で吸収がほとんどなく、偏光度及び反射特性に顕著に優れている。
【0022】
例示的な上記粒子130の形状は、球形状またはピラミッド(四面体)、キューブ(六面体)またはそれ以上の球に近い多面体であることができ、他の例示的な形態として、円板形状、楕円形状、ロッド(rod)形状であることができるが、特に制限されるものではない。
【0023】
また、1つの例示で、上記粒子130は、
図3及び
図4のように、コアシェル構造を有することができる。例えば、上記粒子130は、金属または金属合金を含むコア131と、上記コア131の外側に存在し、有機化合物、金属酸化物またはコア131の金属または金属合金とは異なる金属または金属合金を含むシェル132とを含むことができる。上記のように、コアシェル構造の粒子130の場合、上記シェル132部分が粒子間の凝集または凝結が生じないように、粒子の表面特性を調節することができる。
【0024】
1つの例示で、上記有機化合物は、上記コア131の外側に結合されたリガンドまたは高分子化合物であることができる。
【0025】
上記でリガンドは、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、パルミチン酸(palmic acid)、2−ヘキサデカノン(2−hexadecanone)、1−オクタノール(1−octanol)、スパン80(Span 80)、ドデシルアルデヒド(dodecylaldehyde)、1、2−エポキシドデカン(1、2−epoxydodecane)、1、2−エポキシヘキサン(1、2−epoxyhexane)、アラキジルドデカノエート(arachidyldodecanoate)、オクタデシルアミン(octadecylamine)、シラン(silanes)、アルカネチオール(alkanethiols、(HS(CH
2)
nX、X=CH
3、−OH、−COOH))、ジアルキルジスルフィド(dialkyldisulfides、(X(CH
2)
mS−S(CH
2)
nX))及びジアルキルスルフィド(dialkyl sulfides、(X(CH
2)
mS(CH
2)
nX))の中から選択された少なくとも1種以上が例示されることができ、好ましくは、オレイン酸、ステアリン酸などを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0026】
上記高分子化合物としては、フルオロポリマー(fluoropolymer)、ポリエチレングリコール(polyethyleneglycol)、ポリメチルメタクリレート(polymetylmethacrylate)、ポリ乳酸(polylactic acid)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)、ポリスルフィド(polysulfide)、ポリエチレンオキシド(polyethyleneoxide)、1種以上の官能基を含むブロック共重合体及びニトロセルロース(nitrocellulose)の中から選択された少なくとも1種以上が例示されることができ、好ましくは、ポリエチレングリコールを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0027】
図1で例示的に示されたように、上記反射型偏光板100の樹脂層120は、凹部121と凸部122を有する凹凸を含む格子構造を有することができ、上記格子構造で上記凸部122のピッチは、30nm〜300nm、例えば、50nm〜200nm、30nm〜150nmまたは130nm〜300nm、100nm〜180nmであることができる。上記凸部122のピッチが前述した範囲の場合、製造された反射型偏光板100は、可視光線及び紫外線波長帯域に対して優れた偏光消光比と透過率を有することができる。本明細書で使用される用語「偏光消光比」は、一定波長でのP偏光に対する透過率のS偏光に対する透過率に対する比を意味し、偏光消光比が大きいほど偏光分離素子の偏光分離能に優れていることを示す。上記で「S偏光」は、反射型偏光板100に入射される入射光のうち上記格子と平行な電場ベクトルを有する成分を意味し、「P偏光」は、入射光のうち格子に直交する電場ベクトルを有する成分を意味する。また、上記で「ピッチP」は、上記凹部121の幅Wと凸部122の幅を加えた距離を意味する。
【0028】
また、上記構造で凸部122のピッチPに対する上記凸部122の幅Wの比率W/Pは、0.15〜0.8であることができ、例えば、パターンピッチの0.35〜0.65、0.15〜0.5または0.5〜0.8であることができる。上記凸部122のピッチPに対する上記凸部122の幅Wの比率W/Pが前述した範囲の場合、製造された反射型偏光板100は、可視光線及び紫外線波長帯域に対して優れた偏光分離能を得ることができる。
【0029】
上記凸部122のピッチPに対する上記凸部122の高さHの比率H/Pは、0.5〜2、例えば、0.8〜1.2、1.0〜1.8、1.3〜1.5であることができる。上記凸部122のピッチPに対する上記凸部122の高さHの比率(H/P)が上記0.50未満ならS偏光に対する透過度が相対的に高くなって、偏光消光比が低くなることができ、2を超過すれば、P偏光に対する透過度が相対的に低くなって、偏光消光比が低くなることができる。また、本明細書で使用される用語「高さ」は、上記凸部122の高さHを意味する。
【0030】
1つの例示で、上記凹凸の凹部121には、誘電物質(dielectric material)が存在することができる。例示的な上記誘電物質の400nm〜800nm波長の光に対する屈折率は、1.1〜2.0であることができる。上記誘電物質は、前述した範囲の屈折率を有するものなら、特に制限されるものではなく、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムよりなる群から選択される1種または2種以上の複合物または空気などが例示されることができる。1つの例示で、上記誘電物質が空気の場合には、上記凹凸の凹部121は、実質的に空いている状態(empty space)であることができ、後述するように、上記凹凸の上に保護層がさらに含まれる場合、上記保護層は、誘電物質を含むことができる。
【0031】
1つの例示で、上記反射型偏光板100は、基板110をさらに含むことができる。上記基板110は、上記樹脂層120を支持するためのものであって、上記基板110の材料としては、樹脂層120を形成するための硬化性樹脂が硬化後に上記硬化性樹脂と粘着性が維持されることができるものなら、制限なしに使用されることができる。例えば、石英、ガラス基板のようなハード基板またはポリマー基板のようなソフト基板などがすべて使用されることができ、より具体的には、石英、ガラス、ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol)、ポリカーボネート(Poly Carbonate)、エチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate共重合体)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchlroride:PVC)、ポリスチレン(Polystyrene:PS)、ポリエステルスルホン(Polyestersulfone:PES)、ポリエーテルエーテルケトン(Poly eterether ketone)またはポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)などのような材料から形成された基板であることができる。例示的な上記基板110の400nm〜800nmの波長に対する透過率は、例えば85%以上、90%以上であることができる。
【0032】
本発明の反射型偏光板100は、また、
図2のように、上記樹脂層120を保護するために、上記凸部122上に形成された保護層140を含むことができる。上記保護層140は、光透過性を示し、透過された光の偏光性を変更させない物質なら、特に制限されるものではなく、例えば、硬化性樹脂組成物、好ましくは、前述した紫外線硬化性樹脂組成物を使用して形成されることができる。例えば、上記紫外線硬化性樹脂は、例えばエポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコンアクリレート系またはアルキルアクリレート系などのアクリレート系オリゴマーに重合開始制を添加して光重合された樹脂が使用されることができるが、これに制限されるものではない。さらに、上記保護層140は、前述したように、誘電物質を含むことができる。
【0033】
1つの例示で、上記保護層140の屈折率は、1.1〜2.0であることができる。
【0034】
本発明は、また、上記反射型偏光板の製造方法に関する。
図5は、例示的な上記製造方法を順次に示す図である。
【0035】
図5のように、例示的な上記反射型偏光板の製造方法は、凹部221及び凸部222が形成されている樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を充填し、上記粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂組成物240を塗布することを含むことができる。上記のような方法によって、反射型偏光板を製造する場合、製造された反射型偏光板の凸部に粒子230が自己組立され、相互間の引力によって固定化された構造が形成されるので、優れた偏光分離能を有すると同時に、耐久性に優れた反射型偏光板を製造することができる。また、本出願では、基板上に直接粒子230が凹凸形状のパターン形態を有するようにパターン化することなく、1次的に第1基板上に形成された樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を充填した後、これを第2基板250に転写する方法を使用するので、粒子230が凹凸形状のパターン形態で第2基板250上に配列されることができるので、粒子230の自己組立(self−assembly)による格子パターン形状を工程中に自由に調節することができる。
【0036】
図5に例示的に示されたように、粒子230が塗布される上記第1基板には、凹凸形状の樹脂パターン層220が形成されていてもよく、上記凹凸形状は、凹部221及び凸部222を有することができる。上記で、第1基板は、透明性を有している基材なら、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス、石英(Quartz)またはポリマー基板であることができる。上記でポリマー基板は、例えば、ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol)、ポリカーボネート(Poly Carbonate)、エチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate共重合体)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchlroride:PVC)、ポリスチレン(Polystyrene:PS)、ポリエステルスルホン(Polyestersulfone:PES)、ポリエーテルエーテルケトン(Poly eteretherketone)またはポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)などの樹脂を利用して製造された基板を使用することができる。
上記で第1基板に形成された凹凸形状の樹脂パターン層220は、例えば、第1基板上に前述した紫外線硬化性樹脂組成物を塗布することによって、紫外線硬化性樹脂層を形成し、反射型偏光板に形成しようとするパターンの逆相を上記紫外線硬化性樹脂層にパターニングし、樹脂パターン層220を形成してなることができる。
【0037】
上記で、紫外線硬化性樹脂組成物を塗布するための方法としては、例えば、スピンコーティングまたはスリットコーティングなど技術分野で公知されたコーティング方法を利用することができるが、これに制限されるものではない。また、上記紫外線硬化性樹脂層をパターニングするための方法としては、干渉光リソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、極紫外線リソグラフィーまたはX−線リソグラフィー工程などの技術分野で多様に知られたパターニング方法を利用することができるが、これに制限されるものではない。
【0038】
例示的な上記製造方法では、また、
図5のように、粒子230を凹凸形状のパターン形態で第2基板250上に転写するための事前過程であって、上記樹脂パターン層220が形成された第1基板210に粒子230を塗布し、上記樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を充填することができる。
【0039】
上記で粒子230を凹部221に充填する方法としては、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、ディップコーティング、ドロッピング、スクリーンプリンティング、インクジェットプリンティング、スロットコーティングまたはスプレイ噴射などのような当該技術分野によく知られたコーティング方法を通じて樹脂パターン層220の凹部221に充填されることができ、特に制限されるものではない。また、上記粒子230が樹脂パターン層220の凹部221にのみ充填されることができるようにするのために、樹脂パターン層220の表面と粒子230溶液の間の濡れ性や粒子230溶液の溶媒揮発性などを適切に調節することができる。
【0040】
1つの例示で、上記粒子230は、上記樹脂パターン層220の凹部221に充填される前に表面特性が調節されることができる。例えば、1)上記粒子230の表面にリガンドを導入するか、2)上記粒子230の表面を高分子で表面処理するか、または3)遅い酸化を用いた10nm以下の厚さを有する金属酸化物層を形成するか、または上記粒子230とは異なる金属層を上記粒子230の表面に形成し、上記粒子230がコアシェル構造を有するように形成することができる。また、必要に応じては、前述した表面特性調節方法(上記1)〜3)の方法)のうち2つ以上の方法を同時に利用して上記粒子230の表面特性を調節することができる。上記のように、粒子230の表面特性を調節することによって、粒子230の凝集または凝結を最小化することができる。
【0041】
例示的な上記製造方法は、また、上記樹脂パターン層220の凹部221に上記粒子230を充填した後、上記樹脂パターン層220の凹部221以外に充填された粒子230を除去するために追加的なエッチング工程をさらに含むことができる。しかし、上記粒子230の平均粒径が2nm〜100nmに制御される場合、上記追加的なエッチング工程は、含まれなくてもよく、この場合、工程の経済性を高めることができる。
【0042】
1つの例示で、上記粒子230が樹脂パターン層220の凹部221に充填され、上記硬化性樹脂層を形成する前に、上記充填された粒子230を焼成することがさらに行われることができる。上記で焼成温度及び時間のような焼成条件は、使用された粒子230の種類及びサイズによって適切に調節されることができ、一般的には、基板の構造が損傷されない温度範囲内で行われることができる。上記のような焼成段階をさらに行う場合、充填された粒子230の間に溶媒や有機物が除去され、粒子230間の溶融が発生し、粒子230の充填度及び反射率を向上させることができる。
【0043】
図5に例示的に示されたように、上記のように、粒子230が樹脂パターン層220の凹部221に充填されれば、上記粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂層240を形成することができる。上記硬化性樹脂層240は、例えば、前述した硬化性樹脂を上記粒子230が充填された樹脂パターン層220上に塗布して形成することができ、塗布方法は、スピンコーティングまたはスリットコーティングなど技術分野で公知された多様なコーティング方法を硬化性樹脂の種類によって適切に利用することができる。
【0044】
上記硬化性樹脂としては、前述したように、光硬化性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物などが使用されることができ、上記硬化性樹脂組成物は、光透過性を示し、透過した光の偏光性を変更させない物質なら、特に制限されるものではない。
【0045】
上記で硬化性樹脂層240の厚さは、例えば、100nm〜3mm、100nm〜1mm、好ましくは100nm〜5μmであることができる。上記硬化性樹脂層240の厚さが100nm未満の場合、パターンを安定的に転写するのが困難であり、3mmを超過する場合、硬化性樹脂層240での光屈折及び光吸収が大きくなって、光経路が長くなって、反射型偏光板で具現されなければならない光特性が大きく低下することができ、前述した範囲の厚さ範囲で、厚さは薄く、且つ上記樹脂パターン層220に形成された凹凸形状のパターンの転写が安定的に行われることができる。
【0046】
上記のように、粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂組成物240を塗布する場合、上記硬化性樹脂組成物240は、硬化前には流動性に優れているので、第1基板210上の樹脂パターン層220の全面に塗布された上記硬化性樹脂組成物240のうち一部が上記自己組立(self−assembly)された粒子230の空隙を満たすようになり、その後、上記粒子230の空隙を満たした硬化性樹脂が硬化することによって、自己組立された粒子が形成した構造を堅たく固定させることができる。
【0047】
1つの例示で、上記硬化性樹脂層240が形成されれば、上記硬化性樹脂層240を硬化させる前に、上記塗布された硬化性樹脂上に第2基板250を積層することができる。上記第2基板250は、上記硬化性樹脂が硬化後に上記第2基板250と接着性を有することができる材料で形成されたら、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス基板のようなハード基板またはポリマー基板のようなソフト基板などがすべて使用されることができる。
【0048】
1つの例示で、粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂層240と第2基板250を順次に積層した後、上記硬化性樹脂を硬化させることができる。上記硬化性樹脂を硬化させる方法は、硬化性樹脂の種類によって例えば、紫外線の照射などの公知された硬化方法を使用して硬化させることができ、特に制限されるものではない。
【0049】
図5に例示的に示されたように、本発明の製造方法では、また、上記第1基板210と樹脂パターン層220の剥離力または硬化性樹脂組成物240と樹脂パターン層220の剥離力を調節することによって、分離される層を選択することができる。
【0050】
例えば、
図5の(e−2)に示されたように、上記硬化性樹脂を硬化させた後に、上記硬化された硬化性樹脂組成物240を上記樹脂パターン層220から分離することができ、これにより、
図1に示された形態の反射型偏光板を得ることができる。
【0051】
また、上記製造方法のさらに他の具現例は、上記製造方法で硬化性樹脂層240及び第2基板250を順次に形成した後、上記硬化性樹脂を硬化させて、上記樹脂パターン層220を上記第1基板210から分離することができ、これにより、
図2に示された形態の反射型偏光板を得ることができる。この場合、上記樹脂パターン層220が粒子230を含むパターン層の保護層として作用することによって、粒子230を含むパターン層の耐久性を向上させ、酸化を防止することができる。また、反射型偏光板の製造時に反射型偏光板の耐久性向上及び酸化防止などのための別途の保護層を形成する工程が要求されないので、費用及び工程上の効率性を増進させることができる。
【0052】
上記で第1基板210と樹脂パターン層220の剥離力または硬化性樹脂組成物240と樹脂パターン層220の剥離力は、例えば、樹脂パターン層220の凹部221に満たされる粒子230の空隙率を制御することによって調節することができる。例えば、上記粒子230の空隙率を35%以上、35%〜50%、40%〜45%に制御されることができる。上記粒子230の空隙率が35%以上に制御される場合、粒子230が含まれたパターン層に含まれた硬化性樹脂の量が相対的に多くなるようになり、これにより、樹脂パターン層220との接着力が高くなって、第1基板210のみを除去することが可能である。1つの例示では、上記のような粒子230の空隙率を制御するための方法として、例えば、上記樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を塗布するとき、上記粒子230が含まれたコーティング溶液で粒子230の含量が少なく含まれるように調節することができる。
【0053】
上記のような本発明の反射型偏光板の製造方法によれば、乾式エッチング工程または蒸着工程のような複雑な工程が要求されず、大面積の反射型偏光板を容易に製造することができる。また、上記反射型偏光板の製造方法によれば、粒子230の自己組立(self−assembly)を利用して隔壁がない微細線幅の凹凸形状のパターンを容易に形成することができ、軟性がある基板や化学的に脆弱なポリマー基板上にも凹凸形状のパターンを形成することができる。
【0054】
本発明は、また、光学素子に関する。光学素子は、基材及び上記基材の一面に形成された上記反射型偏光板を含むことができる。1つの例示で、上記光学素子は、例えば、ディスプレイ装置の輝度を向上させるための輝度向上フィルムに使用されることができる。
【0055】
上記で基材は、光異方性を有することなく、透過率が高い光透過性があるフィルムなら、特に制限されるものではない。透過率は、例えば、85%以上、90%以上であることができる。例えば、上記基材が光異方性を有する場合、複屈折が起き、ディスプレイ装置の輝度が低下することができる。
【0056】
本発明は、また、上記反射型偏光板320を含むディスプレイ装置300、例えば、液晶表示装置(Liqudi Crystal Display、以下、LCDという)に関する。例示的な上記装置300は、上記反射型偏光板320を含むことができる。
【0057】
上記で反射型偏光板320は、例えば、光源310から照射された光から直線に偏光された光を生成するために使用されることができる。偏光板320は、例えば、光源310から照射された光が偏光板に入射し、偏光板320を透過した光が上記ディスプレイパネル330に照射され得るように、装置内にディスプレイパネル330と上記光源310との間に位置することができる。
【0058】
偏光板320としては、光源310から照射された光から直線偏光された光を生成することができるものなら、特別な制限なしに使用されることができる。このような偏光板320としては、ブリュースター角で配置されたガラス板またはワイヤグリッド偏光板などが例示されることができる。
【0059】
図6は、例示的なディスプレイ装置300を模式的に示す図である。
図6に示されたように、1つの例示で上記LCDは、ディスプレイパネル330とディスプレイ液晶パネルの一側に配置され、上記ディスプレイパネルを照明する光源310をさらに含むことができ、前述したように、上記反射型偏光板320が上記ディスプレイパネルと光源との間に配置されていてもよい。また、この場合、上記反射型偏光板の格子が形成された面が上記光源に向けるように配置されることができる。
【0060】
また、
図6に例示的に示されたように、LCDは、例えば、上記ディスプレイパネル330と反射型偏光板320との間に存在する吸収型偏光板340をさらに含むことができる。
【0061】
1つの例示で、上記吸収型偏光板340の光吸収軸と上記反射型偏光板320の格子が互いに平行に配置されていてもよい。上記のような構造で反射型偏光板320は、光源310から出射される光の一部(P偏光)は透過させて、上記吸収型偏光板340側に送り、残りの光(S偏光)は、さらに光源310側に反射させることができる。上記光源310側に反射した光は、さらに反射板に入射し、再反射される過程で偏光成分がない光に転換され、反射型偏光板320に再入射するようになる。これにより、吸収型偏光板340では、P偏光のみを透過するので、S偏光の吸収による光の損失を最小化することができ、このような過程が繰り返されながら装置300の輝度特性が向上することができる。
【0062】
LCDが上記反射型偏光板320を含む限り、他の部品や構造などは、特に制限されず、この分野で公知されているすべての内容が適切に適用されることができる。