特許第6014939号(P6014939)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014939反射型偏光板の製造方法およびディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014939
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】反射型偏光板の製造方法およびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   G02B5/30
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-547116(P2014-547116)
(86)(22)【出願日】2012年12月17日
(65)【公表番号】特表2015-500515(P2015-500515A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】KR2012011027
(87)【国際公開番号】WO2013089537
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0135457
(32)【優先日】2011年12月15日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0147584
(32)【優先日】2012年12月17日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン ミ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ビュン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ブ ゴン
【審査官】 加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−268940(JP,A)
【文献】 特開2007−069604(JP,A)
【文献】 特表2008−529053(JP,A)
【文献】 特開2009−157071(JP,A)
【文献】 特開2005−070456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02F 1/1335 − 1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部及び凸部が形成されている樹脂パターン層の上記凹部に平均粒径が2nm〜100nmの粒子を充填し、上記凹部に上記粒子が充填された樹脂パターン層の上部に硬化性樹脂組成物を塗布すること、および
上記硬化性樹脂組成物を硬化させ、上記粒子及び上記硬化した硬化性樹脂組成物を上記樹脂パターン層から分離することを含み、
下記数式1による上記凹部の空隙率が5%〜50%であり、
[数式1]
空隙率P=(V−V)/V×100
上記数式1で、Vは、上記凹部の全体体積を、Vは、上記凹部において粒子によって占有される体積を示す、反射型偏光板の製造方法。
【請求項2】
上記樹脂パターン層は、基板上に樹脂層を形成し、上記樹脂層を干渉光リソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、極紫外線リソグラフィー、X線リソグラフィーまたはナノインプリンティング方式でパターン化して形成する、請求項に記載の反射型偏光板の製造方法。
【請求項3】
上記粒子の充填は、粒子をスピンコーティング、バーコーティング、ディップコーティング、ドロッブピング、スクリーンプリンティング、インクジェットプリンティング、スロットコーティングまたはスプレイ噴射によって塗布して行う、請求項またはに記載の反射型偏光板の製造方法。
【請求項4】
上記粒子の充填後に充填された粒子を焼成することをさらに含む、請求項からの何れか1項に記載の反射型偏光板の製造方法。
【請求項5】
上記樹脂パターン層は、基板上に形成されており、上記硬化性樹脂組成物を硬化させ、上記樹脂パターン層を上記基板から分離することをさらに含む、請求項からの何れか1項に記載の反射型偏光板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型偏光板、反射型偏光板の製造方法、光学素子及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD(Liquid crystal display)は、液晶パネル及び上記液晶パネルの上部側及び下部側に配置された偏光板を含むことができ、上記偏光板以外にも、多様な機能性光学素子を含むことができる。
【0003】
LCDでは、液晶パネルの各画素別に液晶の配向を変化させて映像を表示することができる。LCDは、自体発光型の素子ではないから、通常、液晶パネルの下部側偏光板の裏面にBLU(Backlight unit)などの光源を位置させ、上記光源から出射される光をパネルに透過させて映像を表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、反射型偏光板、反射型偏光板の製造方法、光学素子及びディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な反射型偏光板は、樹脂層を含むことができ、上記反射型偏光板は、可視光領域の光を線偏光させ、反射型偏光板に入射されないまま反射した光を反射させて、上記反射型偏光板に再入射させることによって、ディスプレイ装置で光の利用効率を高めることができる。以下、添付の図面を参照して、上記反射型偏光板について詳しく説明する。
【0006】
図1は、例示的な反射型偏光板100の断面を模式的に示す図であり、図2は、例示的な上記反射型偏光板100のさらに他の具現例の断面を模式的に示す図である。図1及び図2に示されたように、上記反射型偏光板100は、樹脂層120を含むことができる。
【0007】
1つの例示で、上記樹脂層120は、屈折率が1.1〜2.0であることができる。
【0008】
また、1つの例示で、上記樹脂層120は、バインダー樹脂を含むことができ、例えば、硬化性樹脂が硬化された状態で含まれることができる。上記硬化性樹脂として使用することができる樹脂としては、例えば、多様な常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または光硬化型樹脂組成物を使用することができ、好ましくは、熱硬化型または光硬化型樹脂組成物、より好ましくは、光硬化型樹脂組成物を使用することができる。上記で「硬化された状態」というのは、樹脂組成物に含まれる成分が架橋反応または重合反応などを経て樹脂組成物がハード(hard)状態に転換された場合を意味することができる。また、上記で常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または光硬化型樹脂組成物は、上記のような硬化された状態が常温下で誘導されるか、あるいは適切な湿気の存在下、熱の印加または紫外線のような電磁気波の照射によって誘導されることができる組成物を意味することができる。
【0009】
1つの例示で、上記樹脂組成物は、主材としてアクリル化合物、エポキシ化合物、ウレタン系化合物、フェノール系化合物またはポリエステル系化合物などを含むことができる。上記で「化合物」は、単量体性、オリゴマー性または重合体性化合物であることができる。
【0010】
1つの例示では、上記樹脂組成物として、透明性などの光学的特性に優れていて、黄変などに対する抵抗性に優れたアクリル系樹脂組成物、好ましくは、紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物を使用することができる。
【0011】
紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物は、アクリレートオリゴマー及び希釈用単量体を含むことができ、必要に応じて、硬度確保のために上記希釈用単量体として多官能性アクリレートを使用することができる。上記でアクリレートオリゴマーの例としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステル系アクリレートまたはエーテル系アクリレートなどを挙げることができ、好ましくは、ウレタンアクリレートを使用することができる。この分野では、紫外線硬化型組成物を製造するための多様なアクリレートオリゴマーが知られており、本発明では、上記のような化合物を適切に選択することができる。
【0012】
紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物の製造に使用されることができる希釈用単量体の種類は、この分野で多様に知られており、その1つの好ましい例としては、多官能性アクリレートをあげることができるが、上記希釈用単量体の種類が上記に制限されるものではない。上記多官能性アクリレートの例としては、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペート(neopentylglycol adipate)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバル酸(hydroxyl puivalic acid)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(dicyclopentanyl)ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、アリル(allyl)化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ヘキサヒトロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタン(adamantane)ジ(メタ)アクリレートまたは9、9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(fluorene)などの2官能型アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3官能型ウレタン(メタ)アクリレートまたはトリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどの3官能型アクリレート;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートまたはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型アクリレート;及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレート(例えば、イソシアネート単量体及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの反応物など)(例えば、Kyoeisha社のUA−306IまたはUA−306T)などの6官能型アクリレートなどを挙げることができ、樹脂層120の硬度確保のために、4官能型以上、好ましくは6官能型以上のアクリレートを使用するのが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0013】
紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物を製造するための上記成分の選択や選択された成分の配合の比率などは、特に制限されず、目的する樹脂層120の硬度及びその他物性を考慮して調節されることができる。
【0014】
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて重合開始剤、紫外線遮断剤または吸収剤、帯電防止剤または分散剤などの添加剤が適切に含まれていてもよい。
【0015】
1つの例示で、上記反射型偏光板100の樹脂層120は、図1のように、上記樹脂層120上で格子を形成している凹部121及び凸部122を有することができる。上記で凸部122は、粒子130及び前述した硬化性樹脂を含むことができる。例えば、上記粒子130は、自己組立され、前述した硬化された状態の硬化性樹脂内に所定の空隙を持って分散している状態で上記凸部122に含まれることができる。本明細書で使用される用語「格子」は、平面上に一定間隔で2個以上の溝が設けられており、これにより、複数の凹部121と凸部122が形成されたストライプ形状のパターンが互いに平行に配列された凹凸構造を意味する。また、本明細書で使用される用語「自己組立(self−assembly)」というのは、上記粒子が、粒子に特別なエネルギーなどを加えないとしても、上記粒子の分子間の相互引力、例えばバンデルバルス(Vander Waals力)、Capillary、π−π相互作用、水素結合などの引力によって分子が自発的に集まっている形態の超分子、すなわち分子集合体を形成し、分子サイズ以上の整列されたドメイン(ビルディングブロック、building block)が存在する構造、例えばナノ構造を形成することによって、新しい物性を発揮する現象を意味する。上記で、ナノ構造というのは、ナノサイズの構造を意味し、例えば、ナノワイヤ構造、ナノリボン構造、ナノベルト構造などを意味する。上記のように、自己組立された粒子130が凸部122に含まれることによって、上記凸部122は、粒子130が相互引力によって固定されたナノ構造を有するので、光源及び外部摩擦に露出しても、熱的、物理的に耐久性に優れた反射型偏光板100を提供することができる。
【0016】
上記で下記数式1による凸部122の空隙率は、例えば、5%〜50%、10%〜30%、20%〜50%であることができる。
【0017】
[数式1]
空隙率P=(V−V)/V×100
【0018】
上記数式1で、Vは、凸部122の全体体積を、Vは、凸部122で粒子130によって占有される体積を示す。
【0019】
本明細書で使用される用語「空隙率」というのは、樹脂層120の凸部122で上記粒子130が占有しない部分(以下、空隙と言う)の体積の比率を意味する。すなわち、上記樹脂層120の凸部122において空隙が少なくなるほど、粒子130の体積の比率が高くなり、この場合、空隙率が低くなって、相対的に空隙による光特性の損失が少なくなる。上記空隙率が5%未満の場合は、工程上、具現しにくい問題があり、50%を超過する場合、空隙が過度に大きくて、空隙による光特性の損失が過度に大きくなることができる。1つの例示で、上記粒子130が球形状であり、粒子130のサイズが同一である場合には、上記凸部122において粒子130の空隙率は、例えば、26%〜48%、28%〜30%であることができる。
【0020】
1つの例示で、上記樹脂層120の凸部122に含まれる粒子130の粒径は、2nm〜100nm、例えば、10nm〜80nm、30nm〜90nm、20nm〜50nmであることができる。上記粒子130の粒径が2nm未満であるか、100nmを超過する場合、粒子130が樹脂層120の凸部122のみではなく、樹脂層120の全面部分に付着することができる。
【0021】
上記粒子130は、可視光線領域の吸収性が少なければ、特に制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)粒子、銅(Cu)粒子、クロム(Cr)粒子、白金(Pt)粒子、金(Au)粒子、ニッケル(Ni)粒子、パラジウム(Pd)粒子、タングステン(W)粒子、イリジウム(Ir)粒子、モリブデン(Mo)粒子、鉄(Fe)粒子、チタン(Ti)粒子、クロム(Cr)粒子、コバルト(Co)粒子またはアルミニウム(Al)粒子などの金属粒子またはこれらの合金を使用することができ、1つの例示で、白金、金、銀及びアルミニウムまたはこれらの合金を利用することができ、好ましくは、銀またはアルミニウム粒子を使用することができるが、これに制限されるものではない。上記粒子130は、電気伝導性及び光学性能に優れていて、例えば、アルミニウムの場合、可視光線領域で吸収がほとんどなく、偏光度及び反射特性に顕著に優れている。
【0022】
例示的な上記粒子130の形状は、球形状またはピラミッド(四面体)、キューブ(六面体)またはそれ以上の球に近い多面体であることができ、他の例示的な形態として、円板形状、楕円形状、ロッド(rod)形状であることができるが、特に制限されるものではない。
【0023】
また、1つの例示で、上記粒子130は、図3及び図4のように、コアシェル構造を有することができる。例えば、上記粒子130は、金属または金属合金を含むコア131と、上記コア131の外側に存在し、有機化合物、金属酸化物またはコア131の金属または金属合金とは異なる金属または金属合金を含むシェル132とを含むことができる。上記のように、コアシェル構造の粒子130の場合、上記シェル132部分が粒子間の凝集または凝結が生じないように、粒子の表面特性を調節することができる。
【0024】
1つの例示で、上記有機化合物は、上記コア131の外側に結合されたリガンドまたは高分子化合物であることができる。
【0025】
上記でリガンドは、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、パルミチン酸(palmic acid)、2−ヘキサデカノン(2−hexadecanone)、1−オクタノール(1−octanol)、スパン80(Span 80)、ドデシルアルデヒド(dodecylaldehyde)、1、2−エポキシドデカン(1、2−epoxydodecane)、1、2−エポキシヘキサン(1、2−epoxyhexane)、アラキジルドデカノエート(arachidyldodecanoate)、オクタデシルアミン(octadecylamine)、シラン(silanes)、アルカネチオール(alkanethiols、(HS(CHX、X=CH、−OH、−COOH))、ジアルキルジスルフィド(dialkyldisulfides、(X(CHS−S(CHX))及びジアルキルスルフィド(dialkyl sulfides、(X(CHS(CHX))の中から選択された少なくとも1種以上が例示されることができ、好ましくは、オレイン酸、ステアリン酸などを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0026】
上記高分子化合物としては、フルオロポリマー(fluoropolymer)、ポリエチレングリコール(polyethyleneglycol)、ポリメチルメタクリレート(polymetylmethacrylate)、ポリ乳酸(polylactic acid)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)、ポリスルフィド(polysulfide)、ポリエチレンオキシド(polyethyleneoxide)、1種以上の官能基を含むブロック共重合体及びニトロセルロース(nitrocellulose)の中から選択された少なくとも1種以上が例示されることができ、好ましくは、ポリエチレングリコールを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0027】
図1で例示的に示されたように、上記反射型偏光板100の樹脂層120は、凹部121と凸部122を有する凹凸を含む格子構造を有することができ、上記格子構造で上記凸部122のピッチは、30nm〜300nm、例えば、50nm〜200nm、30nm〜150nmまたは130nm〜300nm、100nm〜180nmであることができる。上記凸部122のピッチが前述した範囲の場合、製造された反射型偏光板100は、可視光線及び紫外線波長帯域に対して優れた偏光消光比と透過率を有することができる。本明細書で使用される用語「偏光消光比」は、一定波長でのP偏光に対する透過率のS偏光に対する透過率に対する比を意味し、偏光消光比が大きいほど偏光分離素子の偏光分離能に優れていることを示す。上記で「S偏光」は、反射型偏光板100に入射される入射光のうち上記格子と平行な電場ベクトルを有する成分を意味し、「P偏光」は、入射光のうち格子に直交する電場ベクトルを有する成分を意味する。また、上記で「ピッチP」は、上記凹部121の幅Wと凸部122の幅を加えた距離を意味する。
【0028】
また、上記構造で凸部122のピッチPに対する上記凸部122の幅Wの比率W/Pは、0.15〜0.8であることができ、例えば、パターンピッチの0.35〜0.65、0.15〜0.5または0.5〜0.8であることができる。上記凸部122のピッチPに対する上記凸部122の幅Wの比率W/Pが前述した範囲の場合、製造された反射型偏光板100は、可視光線及び紫外線波長帯域に対して優れた偏光分離能を得ることができる。
【0029】
上記凸部122のピッチPに対する上記凸部122の高さHの比率H/Pは、0.5〜2、例えば、0.8〜1.2、1.0〜1.8、1.3〜1.5であることができる。上記凸部122のピッチPに対する上記凸部122の高さHの比率(H/P)が上記0.50未満ならS偏光に対する透過度が相対的に高くなって、偏光消光比が低くなることができ、2を超過すれば、P偏光に対する透過度が相対的に低くなって、偏光消光比が低くなることができる。また、本明細書で使用される用語「高さ」は、上記凸部122の高さHを意味する。
【0030】
1つの例示で、上記凹凸の凹部121には、誘電物質(dielectric material)が存在することができる。例示的な上記誘電物質の400nm〜800nm波長の光に対する屈折率は、1.1〜2.0であることができる。上記誘電物質は、前述した範囲の屈折率を有するものなら、特に制限されるものではなく、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムよりなる群から選択される1種または2種以上の複合物または空気などが例示されることができる。1つの例示で、上記誘電物質が空気の場合には、上記凹凸の凹部121は、実質的に空いている状態(empty space)であることができ、後述するように、上記凹凸の上に保護層がさらに含まれる場合、上記保護層は、誘電物質を含むことができる。
【0031】
1つの例示で、上記反射型偏光板100は、基板110をさらに含むことができる。上記基板110は、上記樹脂層120を支持するためのものであって、上記基板110の材料としては、樹脂層120を形成するための硬化性樹脂が硬化後に上記硬化性樹脂と粘着性が維持されることができるものなら、制限なしに使用されることができる。例えば、石英、ガラス基板のようなハード基板またはポリマー基板のようなソフト基板などがすべて使用されることができ、より具体的には、石英、ガラス、ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol)、ポリカーボネート(Poly Carbonate)、エチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate共重合体)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchlroride:PVC)、ポリスチレン(Polystyrene:PS)、ポリエステルスルホン(Polyestersulfone:PES)、ポリエーテルエーテルケトン(Poly eterether ketone)またはポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)などのような材料から形成された基板であることができる。例示的な上記基板110の400nm〜800nmの波長に対する透過率は、例えば85%以上、90%以上であることができる。
【0032】
本発明の反射型偏光板100は、また、図2のように、上記樹脂層120を保護するために、上記凸部122上に形成された保護層140を含むことができる。上記保護層140は、光透過性を示し、透過された光の偏光性を変更させない物質なら、特に制限されるものではなく、例えば、硬化性樹脂組成物、好ましくは、前述した紫外線硬化性樹脂組成物を使用して形成されることができる。例えば、上記紫外線硬化性樹脂は、例えばエポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコンアクリレート系またはアルキルアクリレート系などのアクリレート系オリゴマーに重合開始制を添加して光重合された樹脂が使用されることができるが、これに制限されるものではない。さらに、上記保護層140は、前述したように、誘電物質を含むことができる。
【0033】
1つの例示で、上記保護層140の屈折率は、1.1〜2.0であることができる。
【0034】
本発明は、また、上記反射型偏光板の製造方法に関する。図5は、例示的な上記製造方法を順次に示す図である。
【0035】
図5のように、例示的な上記反射型偏光板の製造方法は、凹部221及び凸部222が形成されている樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を充填し、上記粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂組成物240を塗布することを含むことができる。上記のような方法によって、反射型偏光板を製造する場合、製造された反射型偏光板の凸部に粒子230が自己組立され、相互間の引力によって固定化された構造が形成されるので、優れた偏光分離能を有すると同時に、耐久性に優れた反射型偏光板を製造することができる。また、本出願では、基板上に直接粒子230が凹凸形状のパターン形態を有するようにパターン化することなく、1次的に第1基板上に形成された樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を充填した後、これを第2基板250に転写する方法を使用するので、粒子230が凹凸形状のパターン形態で第2基板250上に配列されることができるので、粒子230の自己組立(self−assembly)による格子パターン形状を工程中に自由に調節することができる。
【0036】
図5に例示的に示されたように、粒子230が塗布される上記第1基板には、凹凸形状の樹脂パターン層220が形成されていてもよく、上記凹凸形状は、凹部221及び凸部222を有することができる。上記で、第1基板は、透明性を有している基材なら、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス、石英(Quartz)またはポリマー基板であることができる。上記でポリマー基板は、例えば、ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol)、ポリカーボネート(Poly Carbonate)、エチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate共重合体)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchlroride:PVC)、ポリスチレン(Polystyrene:PS)、ポリエステルスルホン(Polyestersulfone:PES)、ポリエーテルエーテルケトン(Poly eteretherketone)またはポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)などの樹脂を利用して製造された基板を使用することができる。
上記で第1基板に形成された凹凸形状の樹脂パターン層220は、例えば、第1基板上に前述した紫外線硬化性樹脂組成物を塗布することによって、紫外線硬化性樹脂層を形成し、反射型偏光板に形成しようとするパターンの逆相を上記紫外線硬化性樹脂層にパターニングし、樹脂パターン層220を形成してなることができる。
【0037】
上記で、紫外線硬化性樹脂組成物を塗布するための方法としては、例えば、スピンコーティングまたはスリットコーティングなど技術分野で公知されたコーティング方法を利用することができるが、これに制限されるものではない。また、上記紫外線硬化性樹脂層をパターニングするための方法としては、干渉光リソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、極紫外線リソグラフィーまたはX−線リソグラフィー工程などの技術分野で多様に知られたパターニング方法を利用することができるが、これに制限されるものではない。
【0038】
例示的な上記製造方法では、また、図5のように、粒子230を凹凸形状のパターン形態で第2基板250上に転写するための事前過程であって、上記樹脂パターン層220が形成された第1基板210に粒子230を塗布し、上記樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を充填することができる。
【0039】
上記で粒子230を凹部221に充填する方法としては、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、ディップコーティング、ドロッピング、スクリーンプリンティング、インクジェットプリンティング、スロットコーティングまたはスプレイ噴射などのような当該技術分野によく知られたコーティング方法を通じて樹脂パターン層220の凹部221に充填されることができ、特に制限されるものではない。また、上記粒子230が樹脂パターン層220の凹部221にのみ充填されることができるようにするのために、樹脂パターン層220の表面と粒子230溶液の間の濡れ性や粒子230溶液の溶媒揮発性などを適切に調節することができる。
【0040】
1つの例示で、上記粒子230は、上記樹脂パターン層220の凹部221に充填される前に表面特性が調節されることができる。例えば、1)上記粒子230の表面にリガンドを導入するか、2)上記粒子230の表面を高分子で表面処理するか、または3)遅い酸化を用いた10nm以下の厚さを有する金属酸化物層を形成するか、または上記粒子230とは異なる金属層を上記粒子230の表面に形成し、上記粒子230がコアシェル構造を有するように形成することができる。また、必要に応じては、前述した表面特性調節方法(上記1)〜3)の方法)のうち2つ以上の方法を同時に利用して上記粒子230の表面特性を調節することができる。上記のように、粒子230の表面特性を調節することによって、粒子230の凝集または凝結を最小化することができる。
【0041】
例示的な上記製造方法は、また、上記樹脂パターン層220の凹部221に上記粒子230を充填した後、上記樹脂パターン層220の凹部221以外に充填された粒子230を除去するために追加的なエッチング工程をさらに含むことができる。しかし、上記粒子230の平均粒径が2nm〜100nmに制御される場合、上記追加的なエッチング工程は、含まれなくてもよく、この場合、工程の経済性を高めることができる。
【0042】
1つの例示で、上記粒子230が樹脂パターン層220の凹部221に充填され、上記硬化性樹脂層を形成する前に、上記充填された粒子230を焼成することがさらに行われることができる。上記で焼成温度及び時間のような焼成条件は、使用された粒子230の種類及びサイズによって適切に調節されることができ、一般的には、基板の構造が損傷されない温度範囲内で行われることができる。上記のような焼成段階をさらに行う場合、充填された粒子230の間に溶媒や有機物が除去され、粒子230間の溶融が発生し、粒子230の充填度及び反射率を向上させることができる。
【0043】
図5に例示的に示されたように、上記のように、粒子230が樹脂パターン層220の凹部221に充填されれば、上記粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂層240を形成することができる。上記硬化性樹脂層240は、例えば、前述した硬化性樹脂を上記粒子230が充填された樹脂パターン層220上に塗布して形成することができ、塗布方法は、スピンコーティングまたはスリットコーティングなど技術分野で公知された多様なコーティング方法を硬化性樹脂の種類によって適切に利用することができる。
【0044】
上記硬化性樹脂としては、前述したように、光硬化性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物などが使用されることができ、上記硬化性樹脂組成物は、光透過性を示し、透過した光の偏光性を変更させない物質なら、特に制限されるものではない。
【0045】
上記で硬化性樹脂層240の厚さは、例えば、100nm〜3mm、100nm〜1mm、好ましくは100nm〜5μmであることができる。上記硬化性樹脂層240の厚さが100nm未満の場合、パターンを安定的に転写するのが困難であり、3mmを超過する場合、硬化性樹脂層240での光屈折及び光吸収が大きくなって、光経路が長くなって、反射型偏光板で具現されなければならない光特性が大きく低下することができ、前述した範囲の厚さ範囲で、厚さは薄く、且つ上記樹脂パターン層220に形成された凹凸形状のパターンの転写が安定的に行われることができる。
【0046】
上記のように、粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂組成物240を塗布する場合、上記硬化性樹脂組成物240は、硬化前には流動性に優れているので、第1基板210上の樹脂パターン層220の全面に塗布された上記硬化性樹脂組成物240のうち一部が上記自己組立(self−assembly)された粒子230の空隙を満たすようになり、その後、上記粒子230の空隙を満たした硬化性樹脂が硬化することによって、自己組立された粒子が形成した構造を堅たく固定させることができる。
【0047】
1つの例示で、上記硬化性樹脂層240が形成されれば、上記硬化性樹脂層240を硬化させる前に、上記塗布された硬化性樹脂上に第2基板250を積層することができる。上記第2基板250は、上記硬化性樹脂が硬化後に上記第2基板250と接着性を有することができる材料で形成されたら、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス基板のようなハード基板またはポリマー基板のようなソフト基板などがすべて使用されることができる。
【0048】
1つの例示で、粒子230が充填された樹脂パターン層220上に硬化性樹脂層240と第2基板250を順次に積層した後、上記硬化性樹脂を硬化させることができる。上記硬化性樹脂を硬化させる方法は、硬化性樹脂の種類によって例えば、紫外線の照射などの公知された硬化方法を使用して硬化させることができ、特に制限されるものではない。
【0049】
図5に例示的に示されたように、本発明の製造方法では、また、上記第1基板210と樹脂パターン層220の剥離力または硬化性樹脂組成物240と樹脂パターン層220の剥離力を調節することによって、分離される層を選択することができる。
【0050】
例えば、図5の(e−2)に示されたように、上記硬化性樹脂を硬化させた後に、上記硬化された硬化性樹脂組成物240を上記樹脂パターン層220から分離することができ、これにより、図1に示された形態の反射型偏光板を得ることができる。
【0051】
また、上記製造方法のさらに他の具現例は、上記製造方法で硬化性樹脂層240及び第2基板250を順次に形成した後、上記硬化性樹脂を硬化させて、上記樹脂パターン層220を上記第1基板210から分離することができ、これにより、図2に示された形態の反射型偏光板を得ることができる。この場合、上記樹脂パターン層220が粒子230を含むパターン層の保護層として作用することによって、粒子230を含むパターン層の耐久性を向上させ、酸化を防止することができる。また、反射型偏光板の製造時に反射型偏光板の耐久性向上及び酸化防止などのための別途の保護層を形成する工程が要求されないので、費用及び工程上の効率性を増進させることができる。
【0052】
上記で第1基板210と樹脂パターン層220の剥離力または硬化性樹脂組成物240と樹脂パターン層220の剥離力は、例えば、樹脂パターン層220の凹部221に満たされる粒子230の空隙率を制御することによって調節することができる。例えば、上記粒子230の空隙率を35%以上、35%〜50%、40%〜45%に制御されることができる。上記粒子230の空隙率が35%以上に制御される場合、粒子230が含まれたパターン層に含まれた硬化性樹脂の量が相対的に多くなるようになり、これにより、樹脂パターン層220との接着力が高くなって、第1基板210のみを除去することが可能である。1つの例示では、上記のような粒子230の空隙率を制御するための方法として、例えば、上記樹脂パターン層220の凹部221に粒子230を塗布するとき、上記粒子230が含まれたコーティング溶液で粒子230の含量が少なく含まれるように調節することができる。
【0053】
上記のような本発明の反射型偏光板の製造方法によれば、乾式エッチング工程または蒸着工程のような複雑な工程が要求されず、大面積の反射型偏光板を容易に製造することができる。また、上記反射型偏光板の製造方法によれば、粒子230の自己組立(self−assembly)を利用して隔壁がない微細線幅の凹凸形状のパターンを容易に形成することができ、軟性がある基板や化学的に脆弱なポリマー基板上にも凹凸形状のパターンを形成することができる。
【0054】
本発明は、また、光学素子に関する。光学素子は、基材及び上記基材の一面に形成された上記反射型偏光板を含むことができる。1つの例示で、上記光学素子は、例えば、ディスプレイ装置の輝度を向上させるための輝度向上フィルムに使用されることができる。
【0055】
上記で基材は、光異方性を有することなく、透過率が高い光透過性があるフィルムなら、特に制限されるものではない。透過率は、例えば、85%以上、90%以上であることができる。例えば、上記基材が光異方性を有する場合、複屈折が起き、ディスプレイ装置の輝度が低下することができる。
【0056】
本発明は、また、上記反射型偏光板320を含むディスプレイ装置300、例えば、液晶表示装置(Liqudi Crystal Display、以下、LCDという)に関する。例示的な上記装置300は、上記反射型偏光板320を含むことができる。
【0057】
上記で反射型偏光板320は、例えば、光源310から照射された光から直線に偏光された光を生成するために使用されることができる。偏光板320は、例えば、光源310から照射された光が偏光板に入射し、偏光板320を透過した光が上記ディスプレイパネル330に照射され得るように、装置内にディスプレイパネル330と上記光源310との間に位置することができる。
【0058】
偏光板320としては、光源310から照射された光から直線偏光された光を生成することができるものなら、特別な制限なしに使用されることができる。このような偏光板320としては、ブリュースター角で配置されたガラス板またはワイヤグリッド偏光板などが例示されることができる。
【0059】
図6は、例示的なディスプレイ装置300を模式的に示す図である。図6に示されたように、1つの例示で上記LCDは、ディスプレイパネル330とディスプレイ液晶パネルの一側に配置され、上記ディスプレイパネルを照明する光源310をさらに含むことができ、前述したように、上記反射型偏光板320が上記ディスプレイパネルと光源との間に配置されていてもよい。また、この場合、上記反射型偏光板の格子が形成された面が上記光源に向けるように配置されることができる。
【0060】
また、図6に例示的に示されたように、LCDは、例えば、上記ディスプレイパネル330と反射型偏光板320との間に存在する吸収型偏光板340をさらに含むことができる。
【0061】
1つの例示で、上記吸収型偏光板340の光吸収軸と上記反射型偏光板320の格子が互いに平行に配置されていてもよい。上記のような構造で反射型偏光板320は、光源310から出射される光の一部(P偏光)は透過させて、上記吸収型偏光板340側に送り、残りの光(S偏光)は、さらに光源310側に反射させることができる。上記光源310側に反射した光は、さらに反射板に入射し、再反射される過程で偏光成分がない光に転換され、反射型偏光板320に再入射するようになる。これにより、吸収型偏光板340では、P偏光のみを透過するので、S偏光の吸収による光の損失を最小化することができ、このような過程が繰り返されながら装置300の輝度特性が向上することができる。
【0062】
LCDが上記反射型偏光板320を含む限り、他の部品や構造などは、特に制限されず、この分野で公知されているすべての内容が適切に適用されることができる。
【発明の効果】
【0063】
本発明の反射型偏光板は、光源及び外部摩擦に露出しても、熱的、物理的に耐久性に優れた反射型偏光板を提供することができる。また、本発明の製造方法によれば、高価の装備を使用しなくても、大面積で反射型偏光板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の例示的な反射型偏光板の断面を示す図である。
図2】本発明の例示的な反射型偏光板のさらに他の具現例を示す図である。
図3】本発明の例示的な粒子の形態を示す図である。
図4】本発明の例示的な粒子の形態を示す図である。
図5】本発明の例示的な反射型偏光板の製造方法を順次に示す図である。
図6】本発明の例示的なディスプレイ装置を模式的に示す図である。
図7】実施例1によって製造された例示的な偏光板を撮影したSEM写真である。
図8】実施例2によって製造された例示的な偏光板を撮影したSEM写真である。
図9】比較例によって製造された例示的な偏光板を撮影したSEM写真である。
図10】実施例1及び比較例によって製造された例示的な反射型偏光板の偏光特性を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、実施例及び比較例により前述した内容をさらに詳しく説明するが、本発明の反射型偏光板などの範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0066】
[ナノサイズの粒子が分散したコーティング溶液の製造]
製造例1
平均直径50nmのサイズを有する銀ナノ粒子を3重量%の含量で溶媒エタノールに分散させ、コーティング向上剤であるGlide410を0.05重量%添加し、銀ナノ粒子が分散したコーティング溶液を製造した。
【0067】
製造例2
溶媒に銀ナノ粒子を1重量%の含量で分散させたことを除いて、製造例1と同一の方法で銀ナノ粒子が分散したコーティング溶液を製造した。
【0068】
[反射型偏光板の製作]
実施例1
ガラス基板上に感光剤を塗布した後、Nd−YAG 4th harmomicレーザー(266nm)を利用した干渉リソグラフィー工程を通じてピッチが150nmの格子形態の感光剤パターンを形成した。上記感光剤パターンを形成した後、アルゴンガスを利用して乾式エッチング工程を通じてガラス基板の一部が露出するようにした。次に、CHF及びOガスを10:1の比率で混合した混合ガスを利用してガラス基板の露出した部分をエッチングし、上記感光剤パターンと同一のピッチの格子が形成されたガラス基板を製造した。製造されたガラス基板の格子の上にスピンコーティング法によって500rpmで30秒間紫外線硬化性ポリウレタンアクリレート樹脂組成物を塗布した。その後、上記ポリウレタンアクリレート樹脂組成物の上に第1基板であるポリカーボネート基板(屈折率1.58)をラミネートし、90秒間紫外線を照射した後、上記ガラス基板を分離した後、90秒間さらに紫外線を照射し、上記格子と同一の格子が形成されたポリウレタンアクリレート樹脂パターン層が形成されたポリカーボネート基板を製造した。次に、スピンコーターを利用して1000rpmで45秒間上記製造例で製造されたコーティング溶液をスピンコーティングし、ナノ粒子を上記樹脂パターン層の格子の凹部に充填し、コーティング後、75℃で5分間乾燥し、溶媒を完全に乾燥させ、ナノ粒子を塗布した。乾燥した基板にさらにスピンコーティング法によって500rpmで30秒間紫外線硬化性ポリウレタンアクリレート樹脂組成物を塗布し、第2基板である新しいポリカーボネート基板を上記ポリウレタンアクリレート組成物の上にラミネートした後、紫外線を照射して硬化する過程を繰り返した。その後、上記樹脂パターン層と上記硬化したポリウレタンアクリレート樹脂組成物を分離し、図7のように、凸部に銀ナノ粒子が充填されたピッチが150nmである反射型偏光板を製造した。
【0069】
実施例2
製造例2で製造されたコーティング溶液を樹脂パターン層にコーティングし、ナノ粒子を上記樹脂パターン層の格子の凹部に充填し乾燥した後、乾燥した基板に紫外線硬化性ポリウレタンアクリレート樹脂組成物を塗布し、紫外線硬化後に上記樹脂パターン層と第1基板である上記ポリカーボネート基板を分離することを除いて、実施例1と同一の方法で図8のように凸部に銀ナノ粒子が充填されたピッチが150nmの反射型偏光板を製造した。この際、第1基板の表面にエタノールをコーティングして乾燥し、上記エタノールをポリカーボネートの微細気孔に浸透させることによって、上記樹脂パターン層と第1基板の剥離力が弱くなるように調節した。
【0070】
比較例
実施例1と同一の方法で、第1基板であるポリカーボネート基板上にピッチが150nmのポリウレタンアクリレート樹脂パターン層を形成した後、製造例1で製造されたコーティング溶液を1000rpmで45秒間スピンコーティングし、ナノ粒子を上記樹脂パターン層の格子の凹部に充填し、コーティング後、75℃で5分間乾燥し、溶媒を完全に乾燥させ、ナノ粒子を塗布し、図9のような樹脂パターン層の凹部に銀ナノ粒子が充填された反射型偏光板を製造した。
【0071】
試験例
実施例1、2及び比較例で製造された反射型偏光板について下記方式でその物性を評価した。
【0072】
偏光による透過度の測定
UV−visspectrometer装備にMoxtek社で製作されたクオーツ偏光板(偏光度0.99以上)を載置し、透過度を特定し、正規化 (normalize)した後、実施例1及び比較例の反射型偏光板をクオーツ偏光板と平行及び垂直に載置し、透過度を測定する方法で偏光による実施例1及び比較例の反射型偏光板の透過度を測定し、その結果を図10に示した。
【0073】
図10に示されたように、単純にスピンコーティングだけで樹脂パターン層の凹部に銀ナノ粒子を満たした比較例に比べて、実施例で製造された凸部に銀ナノ粒子が含まれる格子構造の反射型偏光板の偏光特性に優れていることが分かった。すなわち、比較例の場合、実施例とは異なって、ポリウレタンアクリレート樹脂だけで形成された樹脂層の光の吸収による光損失が一部存在した。また、上記反射型偏光板の凹部が、実施例では空気(屈折率1)で満たされるが、比較例の場合、1より大きい屈折率を有する樹脂物質で形成されるので、反射型偏光板の格子内のピッチ間隔が相対的に増加するようになり、これにより、同一波長で反射型偏光板の偏光度が低下することが分かった。
【0074】
前述した実施例の偏光分離素子は、例示的なものであり、上記ナノ粒子の充填率またはナノ粒子の種類を変化させることによって、さらに向上した偏光度を示す反射型偏光板を製造することができる。
【符号の説明】
【0075】
100、320 反射型偏光板
110 基板
120 樹脂層
121、221 凹部
122、222 凸部
130、230 粒子
131 コア
132 シェル
140 保護層
210 第1基板
220 樹脂パターン層
240 硬化性樹脂層
250 第2基板
300 ディスプレイ装置
310 光源
330 ディスプレイパネル
340 吸収型偏光板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10