(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
底面部と壁部を持つ凹部を有し、前記凹部の底面部にある第1パッドと、前記凹部の底面部にあり前記凹部の壁部から離して設けられ前記第1パッドと電気的に絶縁されている第2パッドと、前記凹部の底面部にあり前記凹部の壁部に接して設けられ前記第1パッド及び前記第2パッドと電気的に絶縁されている第3パッドと、を有するパッケージと、
前記第1パッド上に載置され、同一面側に正電極と負電極とを有する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの1つが有する正電極と負電極の一方を前記第2パッドに電気的に接続し他方を前記第3パッドに電気的に接続するワイヤと、を備え、
前記第2パッドは前記第1パッドと前記第3パッドとの間に設けられる発光装置。
底面部と壁部を持つ凹部を有し、前記凹部の底面部にある第1パッドと、前記凹部の底面部にあり前記凹部の壁部から離して設けられ前記第1パッドと電気的に絶縁されている第2パッドと、前記凹部の底面部にあり前記凹部の壁部に接して設けられ前記第1パッド及び前記第2パッドと電気的に絶縁されている第3パッドと、を有するパッケージと、
前記第1パッド上に載置され、対向する面に正電極と負電極とを有し、前記正電極と前記負電極の一方が前記第1パッドに電気的に接続される複数の発光素子と、
前記正電極と前記負電極の他方と前記第2パッドまたは前記第3パッドとを電気的に接続するワイヤと、を備え、
前記第2パッドは前記第1パッドと前記第3パッドとの間に設けられる発光装置。
前記第3パッドと前記第3パッドに隣接する第2パッドとの間において、前記パッケージの表面側にモールド材が設けられ、前記パッケージの裏面側に溝部が設けられている請求項1または2に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、各図面においては、ワイヤなどの部材の図示を適宜省略している。
【0023】
[本発明の第1実施形態に係る発光装置]
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の概略構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図(
図1(a)中のA−A断面)であり、(c)は部分断面図(
図1(b)中の破線で囲んだ部分)である。
【0024】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る発光装置は、凹部Xを有するパッケージ10と、パッケージ10の凹部X内に設けられた複数の発光素子11と、を備える発光装置である。
【0025】
パッケージ10の凹部X内には、1つの第1パッド12、複数の第3パッド13a、及び複数の第2パッド13bが設けられている。第1パッド12と第3パッド13aと第2パッド13bとは、互いに電気的に絶縁されている。なお、第1パッド12、第3パッド13a、及び第2パッド13bの数は特に限定されない。
【0026】
第1パッド12は、凹部X内に設けられ、複数の発光素子11が載置される。本発明の第1実施形態に係る発光装置では、複数の発光素子11が同一面側に正電極及び負電極を有している。
【0027】
第3パッド13aは、凹部Xの内壁に接して設けられ、ワイヤにより発光素子に接続可能な表面を有する。本発明の第1実施形態に係る発光装置では、1つの第3パッド13aの表面に発光素子の正電極又は負電極が接続される。正電極又は負電極のいずれが接続されてもよいし、正電極が接続された第3パッド13aと負電極が接続された第3パッド13aとを混在させてもよい。
【0028】
第2パッド13bは、凹部Xの内壁から離して設けられ、ワイヤにより発光素子に接続可能な表面を有する。本発明の第1実施形態に係る発光装置では、第2パッド13bの表面に発光素子の正電極又は負電極が接続される。正電極又は負電極のいずれが接続されてもよいし、正電極が接続された第2パッド13bと負電極が接続された第2パッド13bとを混在させてもよい。
【0029】
第3パッド13a及び第2パッド13bは、外部電極として使用可能な裏面を有している。本発明の第1実施形態に係る発光装置では、第3パッド13a及び第2パッド13bの裏面を実装用基板(図示せず)の電極に接続する。
【0030】
第3パッド13aの表面及び第2パッド13bの表面には複数の発光素子11のうちの1つが有する正電極又は負電極が接続される。すなわち、1つの発光素子11は、1つの第3パッド13aと1つの第2パッド13bとにそれぞれ接続される。
【0031】
したがって、本発明の第1実施形態に係る発光装置によれば、1つの発光素子11に対して1つの第3パッド13aと1つの第2パッド13bとが割り当てられるため、多数の発光素子11を1つずつ個別に制御することができる。
【0032】
なお、1つの第3パッド13aと1つの第2パッド13bとに割り当てる発光素子11の数を様々に変化させることにより、多数の発光素子11を任意の数ずつ個別に制御することができる。
【0033】
一例を挙げると、例えばN個(Nは2以上の整数)の発光素子11に対して1つの第3パッド13aと1つの第2パッド13bとを割り当てれば、多数の発光素子11をN個ずつ個別に制御することができる。
【0034】
なお、第2パッド13bは、第1パッド12と第3パッド13aとの間に設けられる。このようにすれば、第1パッド12と第3パッド13aの配列方向に第2パッド13bの数を増やすことで、個別に制御可能な発光素子の数を増やすことができる。
【0035】
また、第2パッド13bは、第1パッド12と第3パッド13aとの間に少なくとも1つ設けられていればよいが、後述するように、第2パッド13bを第1パッド12と第3パッド13aとの間に2つ以上設ければ、個別に制御可能な発光素子11の数を増やすことができる。
【0036】
第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間においては、モールド材15(パッケージ10の表面側)と溝部14(パッケージ10の裏面側)とが設けられている。モールド材15は、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとを固着している。溝部14は、第3パッド13a及び第2パッド13bとモールド材15との熱膨張係数の差に起因する応力を抑制し、発光装置の反りを緩和する。
【0037】
溝部14は、パッケージ10の一方の外側面から他方の外側面にまでわたる領域において、様々な箇所に設けられていてもよい。しかしながら、後述するように、パッケージ10の一方の外側面から他方の外側面にまでわたって連続的に設ければ、溝部14により、上記した熱膨張係数の差に起因する応力をより一層抑制して、発光装置の反りをより一層緩和することができる。
【0038】
溝部14は、その内壁にメッキが施されておらず母材が露出している。このため、溝部14の内壁では半田が濡れ難い。したがって、第3パッド13aと第2パッド13bとの裏面を実装用基板(図示せず)の電極に半田で接続するに当たり、隣接する第3パッド13aと第2パッド13bとが半田によって誤って接続されてしまうことを防止することができ、半田接続を容易にできる。
【0039】
なお、溝部14の内壁にメッキを施して半田を濡れやすくすることもできる。この場合は、溝部14の内壁で半田が濡れやすくなるが、半田の量を調整することにより、隣接する第3パッド13aと第2パッド13bとが半田により誤って接続されてしまうことを防止することができ、半田接続を容易にできる。
【0040】
また、
図1では、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間に設けられたモールド材15の厚みが溝部14の深さより薄い場合の一例を示したが、この厚みは、溝部14の深さより厚くてもよい。このようにすれば、発光装置の強度を保つことができる。
【0041】
また、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間において、第3パッド13a、第2パッド13bの側面がモールド材により覆われる部分の厚み(Y2、Y1)は、第3パッド13aの厚み(Y2+Z2)及び第2パッド13bの厚み(Y1+Z1)の1/4以上とすることが好ましく、1/3以上とすることがより好ましい。このようにすれば、パッケージ10の強度を高めることができ、また、パッケージ10と第3パッド13a及び第2パッド13bとの密着性を高めることができる。
【0042】
また、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間において、第3パッド13a、第2パッド13bの側面が露出する部分の厚み(Z2、Z1)は、第3パッド13aの厚み(Y2+Z2)及び第2パッド13bの厚み(Y1+Z1)の2/3以下とすることが好ましく、1/2以下とすることがより好ましい。このようにすれば、後述する切断工程を容易に行うことができる。
【0043】
第2パッド13bは、第1パッド12側(
図1(c)では紙面に向かって右側)の側面においては上側(パッケージ10の表面側)が第1パッド12側に突出しており、第3パッド13a側(
図1(c)では紙面に向かって左側)の側面においては下側(パッケージ10の裏面側)が第3パッド13a側に突出している。
【0044】
したがって、第3パッド13aとこれに隣接する第1パッド12との間隔は、パッケージ10の表面側における方がパッケージ10の裏面側におけるよりも狭くなる。他方、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間隔は、パッケージ10の裏面側における方がパッケージ10の表面側におけるよりも狭くなる。これにより、第2パッド13bがパッケージ10から脱落することを防止することができる。
【0045】
なお、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間隔(モールド材15が存在する箇所)は、0.1mm以上とすることが好ましく、0.15mm以上とすることがより好ましい。このようにすれば、パッケージ10と第3パッド13a及び第2パッド13bとの密着性を得ることができる。
【0046】
また、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間隔(溝部14が存在する箇所)は、0.1mm以上とすることが好ましく、0.15mm以上とすることがより好ましい。このようにすれば、半田材料やメッキなどのマイグレーションによる電気的短絡を防ぐことができ、また、後述する切断工程におけるダイシングを行いやすくして生産性を上げることができる。
【0047】
図2は、本発明の第1実施形態における第2パッドの他の概略構成例を示す図である。
【0048】
図2(a)に示すように、第2パッド13bは、第1パッド12側(
図2(a)では紙面に向かって右側)の側面において上側(パッケージ10の表面側)が第1パッド12側に突出し、第3パッド13a側(
図2(a)では紙面に向かって左側)の側面が平面となるように(すなわち、モールド材15が付着する面と溝部14の内壁とが面一となるように)構成してもよい。
【0049】
このようにすれば、第2パッド13bがパッケージ10の裏面側から脱落することを防止することができる。また、第3パッド13aとモールド材15の密着性が高くなるので、パッケージの反りや、表面や裏面からの応力に対して強くなり、第3パッド13aとモールド材15の境目を起点とするパッケージの割れを防止することができる。
【0050】
また、
図2(b)、
図2(c)に示すように、第2パッド13bは、第1パッド12側(
図2(b)では紙面に向かって右側)の側面において上側(パッケージ10の表面側)が第1パッド12側に突出し、第3パッド13a側(
図2(b)では紙面に向かって左側)の側面において上側(パッケージ10の裏面側)が第3パッド13a側に突出するように構成してもよい。
【0051】
このようにしても、第2パッド13bがパッケージ10の裏面側から脱落することを防止することができる。また、第3パッド13aとモールド材15の密着性が高くなるので、パッケージの反りや、表面、裏面からの応力に対して強くなり、第3パッド13aとモールド材15の境目を起点とするパッケージの割れを防止することができる。
【0052】
また、
図2(c)に示すように、第3パッド13aは、第2パッド13b側(
図2(c)では紙面に向かって右側)の側面において上側(パッケージ10の表面側)が第2パッド13b側に突出するように構成してもよい。
【0053】
このようにすれば、第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間隔(溝部14が存在する箇所)が第3パッド13aとこれに隣接する第2パッド13bとの間隔(モールド材15が存在する箇所)より広くなる。
【0054】
したがって、第3パッド13aと第2パッド13bとの裏面を半田で接続するに当たり、隣接する第3パッド13aと第2パッド13bとが誤って接続されてしまうことを防止することができ、半田接続を容易にできる。
【0055】
なお、
図1、
図2中での図示を省略するが、パッケージ10の凹部X内には封止材が充填される。
【0056】
[本発明の第2実施形態に係る発光装置]
図3は、本発明の第2実施形態に係る発光装置の概略構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図(
図3(a)中のA−A断面)であり、(c)は部分断面図(
図3(b)中の破線で囲んだ部分)である。
【0057】
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る発光装置は、第1パッド12と第3パッド13aとの間において、第2パッド13bが2つ設けられている点で、第2パッド13bが1つ設けられている本発明の第1実施形態に係る発光装置と相違する。
【0058】
本発明の第2実施形態に係る発光装置によれば、本発明の第1実施形態に係る発光装置よりも第2パッド13bの数が増えるため、個別に制御可能な発光素子11の数を増やすことができる。
【0059】
なお、第2パッド13bを第1パッド12と第3パッド13aとの間に3つ以上設ければ、個別に制御可能な発光素子11の数をより一層増やすことができる。
【0060】
[本発明の第3実施形態に係る発光装置]
図4は、本発明の第3実施形態に係る発光装置の概略構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図(
図4(a)中のA−A断面)であり、(c)は部分断面図(
図4(b)中の破線で囲んだ部分)である。
【0061】
図4に示すように、本発明の第3実施形態に係る発光装置は、複数の発光素子11が対向する面に正電極及び負電極を有している点で、複数の発光素子11が同一面側に正電極及び負電極を有している本発明の第1実施形態に係る発光装置と相違する。このようにしても、個別に制御可能な発光素子11の数を増やすことができる。
【0062】
本発明の第3実施形態に係る発光装置では、第1パッド12が発光素子の正電極及び負電極の一方に接続可能な表面と外部電極として使用可能な裏面とを有している。また、第3パッド13a及び第2パッド13bは、発光素子の正電極及び負電極の他方に接続される。また、複数の発光素子11が第1パッド12の表面に表面実装される。
【0063】
本発明の第3実施形態に係る発光装置では、第1パッド12、第3パッド13a、及び第2パッド13bの裏面を実装用基板(図示せず)の電極に接続する。
【0064】
以上、本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る発光装置について説明したが、これらの発光装置によれば、従来とは異なる手段により個別に制御可能な発光素子の数を増やすことができる小型で生産性が高く信頼性の高い発光装置を提供することができる。
【0065】
[各部材]
以下、本発明の実施形態に係る発光装置の各部材について詳細に説明する。
【0066】
(第1パッド12、第3パッド13a、及び第2パッド13b)
第1パッド12、第3パッド13a、及び第2パッド13bは、母材に熱伝導率が高く、電気抵抗が低い材料を用いることが好ましい。例えば、Fe、Fe合金、Cu、Cu合金等が一例として挙げられる。
【0067】
母材の表面には、メッキを施すことにより、ボンディング性、光反射率、半田材料との接続性等を高めることができる。このような材料としては、Ni、Ni合金、Au、Au合金、Pd、Pd合金、Ag、Ag合金、Sn、Sn合金等の少なくとも1つで積層されていることが好ましい。
【0068】
特に、第1パッド12、第3パッド13a、及び第2パッド13bの最表面のメッキは、Ag、Ag合金としてもよく、または、高い反射率が必要な第1パッド12の全面または一部の最表面をAg、Ag合金とし、第3パッド13a及び第2パッド13bの全面または一部の最表面のメッキは、ワイヤとの接続強度を高めるためにAu、Au合金としてもよい。
【0069】
図1に示す例では、第3パッド13a及び第2パッド13bは、パッケージの外縁に対して垂直及び平行方向(
図1(a)でいうと、紙面に向かって縦方向及び横方向)に配列されているが、斜め方向(
図1(a)でいうと、例えば、紙面に向かって、右斜め上方向(左斜め下方向)や右斜め下方向(左斜め上方向))に配列してもよい。
【0070】
また、
図1に示す例では、パッケージ10の凹部X内に露出する第3パッド13a及び第2パッド13bの表面は、第3パッド13a及び第2パッド13bの配列方向における幅が、配列方向に対して垂直方向における幅よりも小さい。これにより、第3パッド13a及び第2パッド13bを密集させることができる。また、第3パッド13a及び第2パッド13bの配列方向に対して垂直方向において、ワイヤを接続する領域の余裕度を確保することができるため、各ワイヤ同士が重ならないようにワイヤを配置することができる。
【0071】
なお、第3パッド13aは、少なくとも1つ設けられていれば足りるが、上記した本発明の実施形態に係る発光装置のように、複数設けられていることが好ましい。
【0072】
(パッケージ)
パッケージ10は、モールド材15を用いて成形される。モールド材15としては、絶縁性部材が好ましく、光反射率の高い部材が好ましく、また、発光素子からの光や、外光などが透過しにくい部材が好ましい。熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などは、モールド材15の一例として好ましく用いることができる。
【0073】
熱硬化性樹脂は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂であることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂は、芳香族ポリアミド、ポリアミド、アクリル樹脂、フッ素樹脂、液晶樹脂などであることが好ましい。
【0074】
また、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は、優れた光反射率、耐光性、耐熱性を発現するために、酸化防止剤、離型材、光反射部材、無機充填材、光安定剤、滑剤、顔料、補強材等の少なくとも1つを含有していることが好ましく、450nmでの光反射率が70%以上あることが好ましい。
【0075】
パッケージ10は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、窒化硼素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウムなどのセラミックスなどの光反射部材を含ませることができる。
【0076】
図1に示す例では、パッケージ10は、凹部Xを形成する壁部10aと、凹部Xの底面を形成する底面部10bとを有しており、壁部10aと底面部10bは、成形時に一体で形成される。ただし、壁部10aと底面部10bは、別個に形成されていてもよく、例えば、モールド材15を用いて成形された底面部10bに、壁部10aを接着材で貼り合わせてもよい。
【0077】
(封止材)
封止材は、光透過性を有する材料を用いる。また、耐熱性が高い材料を用いることが好ましい。例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ハイブリッドシリコーン樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、低融点ガラスなどは、封止材の一例として好ましく用いることができる。
【0078】
封止材には、光を拡散させるために無機の拡散材を含有させてもよい。また、封止材には、所望外の波長をカットする目的で顔料、染料等を含有させることができる。また、封止材には、発光素子からの光を吸収し、波長変換する蛍光物質を含有させることもできる。
【0079】
(蛍光物質)
蛍光物質は、発光素子からの光を吸収し異なる波長の光に変換するものであれば特に限定されない。この蛍光物質を封止部材に含有することで発光素子から放出される波長の光に限らず、白色光等の所望の光を発光する発光装置を提供することができる。
【0080】
具体的に説明すると、蛍光物質は、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
【0081】
より具体的に説明すると、蛍光物質としては、例えば、(Y,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ceや(Ca,Sr,Ba)
2SiO
4:Eu、(Ca,Sr)
2Si
5N
8:Eu、CaAlSiN
3:Eu等を用いることができる。
【0082】
(発光素子)
発光素子11としては、例えば、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる半導体発光素子を用いることができ、より具体的には、窒化物半導体からなる青色発光のLEDチップや、紫外発光のLEDチップ等を用いることができる。
【0083】
窒化物半導体とは、一般式がAl
xGa
yIn
zN、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、X+Y+Z=1)で示されるものであり、例えば、MOCVD法等の気相成長法によって、サファイア、炭化ケイ素などの基板上にInN、AlN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体をエピタキシャル成長させたものである。
【0084】
また、発光素子11としては、窒化物半導体からなるもの以外にもZnO、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlInGaP等の半導体からなるものを用いることができる。これらの半導体の構造としては、n型半導体層、発光層、p型半導体層の順に形成させたものを用い、発光層(活性層)には、多重量子井戸構造や単一量子井戸構造をした積層半導体、あるいはダブルへテロ構造の積層半導体を用いる。
【0085】
半導体層の上面に正負の電極を有する発光素子11には、フェイスアップ構造を採用することができる。
【0086】
(接続材料)
発光素子11の接続材料は、金属接続材料、ダイボンド樹脂を用いることができる。ダイボンド樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、ハイブリッド樹脂といった熱硬化性樹脂を用いることができる。一方、金属接続材料は、例えば、Au、Au合金、AuSn合金、Ag、Ag合金などの半田材料を用いることができる。特に、耐熱性、耐光性が高く信頼性の高い発光装置を得るために、発光素子11は、金属接続材料等を介してダイボンディングパッドに接続されることが好ましい。
【0087】
(ワイヤ)
発光素子11は、導電性のワイヤにより第2パッド13b又は第3パッド13aに接続される。ワイヤとしては、例えば、Au、Au合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、Ag、Ag合金などを用いることができる。
【0088】
(保護素子)
発光装置には、さらに保護素子としてツェナーダイオードを設けることもできる。ツェナーダイオードは、凹部X内に露出する第1パッド12に載置することができる。また、ツェナーダイオードは、凹部X内に露出する第1パッド12に載置され、その上に発光素子11を載置する構成をとることもできる。保護素子は、□280μmサイズの他、□300μmサイズ等も使用することができる。または、ツェナーダイオードによる光吸収による光取り出し効率の低下を小さくするために、ツェナーダイオードを第3パッド13aまたは第2パッド13bに載置し、発光素子11を保護するように、電気的に接続させる構成をとることもできる。
【0089】
(補強材)
パッケージの強度を上げるために、ウィスカー、シリコンパウダー、及び/又はガラス繊維などの補強材をモールド材に添加してもよい。
【実施例1】
【0090】
次に、本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法例について説明する。
【0091】
図5〜
図11は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法例を説明する図である。なお、
図5〜
図9及び
図11は平面図(a)、平面図中のA−A断面を示す断面図(b)、及び断面図中の破線で囲んだ部分を示す部分断面図(c)であり、
図10は裏面図である。
【0092】
(リードフレームの準備)
まず、
図5に示すように、リードフレームを準備する。リードフレームは、第1パッド101と複数のリード102とを有しており、第1パッド101と各リード102との間には空隙103が設けられている。また、各リード102は、リードフレームの表面側に溝部104を有している。
【0093】
(成形工程)
次に、
図6に示すように、リードフレームを用いてパッケージ105を成形する。より具体的な例で説明すると、例えば、
図5で示したリードフレームを金型にセットし、トランスファー成形によりリードフレームにモールド材106を設ける。成形の方法としては、トランスファー成形のほかにも、例えば、射出成形、圧縮成形、押出成形などを用いることができる。
【0094】
モールド材106が成形されたリードフレームにおいては、第1パッド101と各リード102との間にある空隙103にモールド材106が充填される。また、リードフレームの表面側にある溝部104にも、モールド材106が充填される。
【0095】
(硬化工程)
モールド材106が熱硬化性樹脂の場合は、これを十分硬化させるために、モールド材106をオーブンで加熱して硬化させる工程を行うことが好ましい。
【0096】
(バリ取り工程)
ケミカルディッピングや電解処理により、ボンディング面や半田実装面の樹脂バリを浮かし、これを除去することが好ましい。なお、ボンディング面や半田実装面の樹脂バリは、さらに、ウォータージェット、ドライアイスブラスト、研磨材を使用した湿式ブラスト、乾式ブラスト、レーザー等で除去してもよい。
【0097】
(ダイボンド工程)
次に、
図7に示すように、ダイボンダーにより発光素子107をピックアップしてリードフレームの第1パッド101に載置し、オーブンで加熱処理を行って、発光素子107を第1パッド101に接続する。より具体的な例で説明すると、例えば、発光素子107の裏面に半田材料の層を形成して第1パッド101に載置し、リードフレームをオーブンで加熱することにより、発光素子107と第1パッド101とを金属接続する。
【0098】
(ワイヤボンド工程)
次に、
図8に示すように、発光素子107と溝部104により隔てられたリード102上の各部位とをワイヤボンディングによりそれぞれ接続する。より具体的な例で説明すると、例えば、導電性のワイヤ108を用いたワイヤボンダーにより、複数の発光素子107と溝部104により隔てられたリード102上の各部位とをワイヤ108で接続する。
【0099】
(封止工程)
次に、
図9に示すように、パッケージ105の凹部X内を封止材109で封止する。より具体的な例で説明すると、例えば、ポッティング方式による封止、すなわち、蛍光体を分散させた封止材109をシリンジに充填し、そのうちの所定量をパッケージ105の凹部X内に充填し、パッケージ105をオーブンで加熱して充填した封止材109を硬化させ、パッケージ105の凹部X内を封止する。
【0100】
封止の方法としては、上記したポッティング方式のほか、例えば、トランスファー成形、圧縮成形、キャスティング方式、射出成形、押出成形などを用いることができる。
【0101】
(切断工程)
次に、
図10に示すように、リードフレームを裏面側からハーフカットして(
図10中の黒い太線は、ハーフカット線を示す。)、溝部104の底を切断する。より具体的な例で説明すると、例えば、リードフレームを貼り付けたシートをダイシング装置にセットして、溝部104の底をブレードで切断する。
【0102】
これにより、次に後述する
図11(c)で示すように、溝部110ができ、リードが分割される。このため、リードフレームの表面側において溝部104により隔てられたリード102上の各部位が互いに分離された複数の第3パッド111a及び第2パッド111bとなる。
【0103】
第3パッド111aとこれに隣接する第2パッド111bとは、パッケージ10の裏面側において互いに対向する側面が突出している。また、溝部110の上(パッケージ105の表面側)にはモールド材106が充填される。
【0104】
第2パッド111bは、溝部104(溝部110の上)に充填されたモールド材106、又は、溝部104(溝部110の上)に充填されたモールド材106及び空隙103に充填されたモールド材106により包囲され、第1パッド101と第3パッド111aと第2パッド111bとが互いに電気的に絶縁される。
【0105】
溝部110は、ハーフカット線(
図10中の黒い太線)に沿って、パッケージ10の一方の外側面から他方の外側面にまでわたって連続的に設けられる。したがって、第3パッド111a及び第2パッド111bとモールド材106との熱膨張係数の差に起因する応力が抑制され、発光装置の反りが緩和される。
【0106】
切断面(溝部110の内壁)は、リードフレームの母材が露出していてもよいし、メッキを施してもよい。
【0107】
また、切断には、上記したブレードのほか、例えば、レーザー、高圧水、カッターなどを用いることができる。
【0108】
なお、切断工程は、上記した成形工程、または、バリ取り工程の後に行い、その後、ダイボンド工程を行ってもよい。
【0109】
(個片化工程)
次に、
図11に示すように、パッケージ105を個片化して複数の発光装置112に分ける。より具体的な例で説明すると、例えば、リードフレームを貼り付けたシートをダイシング装置にセットして、パッケージ105をブレードで切断して個片化し複数の発光装置112に分ける。
【0110】
個片化には、上記したブレードのほか、例えば、レーザー、高圧水、カッターなどを用いることができる。
【0111】
なお、上記で説明した例では、切断工程後に個片化工程を行うが、本実施形態では、個片化工程後に切断工程を行ってもよい。
【0112】
ただし、上記で説明した例のように切断工程後に個片化工程を行うようにすれば、切断に際して位置ズレが生じ難くなるため(パッケージ105はシート状であるため、個片化すると小さくなり取り扱い難くなるため、切断に際して位置ズレし易くなる。)、第3パッド111a及び第2パッド111bを狙いの位置に対して精度良く切断することができるようになる。したがって、「個片化により小さくなり過ぎないように」との配慮に基づいて個々のパッケージを比較的大きめに余裕を持たせて作製しておく必要がなくなる。
【0113】
このため、上記で説明した例のように切断工程後に個片化工程を行うようにすれば、第3パッド111a及び第2パッド111bが密集した小さいパッケージ105を作製することが可能になる。
【0114】
第2パッド111bの大きさは、溝部104の数を増減させることにより調整可能である。多数の溝部104を設ければ、第2パッド111bの表面積が小さくなるため、第2パッド111bをパッケージ105の凹部X内に多数設けることが可能となり、個別に制御可能な発光素子107の数をさらに増やすことができる。
【0115】
以上説明した本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法例によれば、第2パッド111bを切断により形成するため、パッケージ105の凹部X内において表面積が小さい第2パッド111bを密集させて多数設けることができる。
【0116】
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、これらの説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。