特許第6015150号(P6015150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015150
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】着色感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/029 20060101AFI20161013BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20161013BHJP
   C09B 11/28 20060101ALI20161013BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20161013BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   G03F7/029
   G03F7/004 505
   G03F7/004 501
   C09B11/28 E
   G02B5/20 101
   G02B5/22
【請求項の数】5
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2012-131591(P2012-131591)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-257355(P2013-257355A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】城内 公之
【審査官】 倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/165537(WO,A1)
【文献】 特開2013−205820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/004−7/06;7/075−7/115;
7/16−7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤、樹脂、重合性化合物、重合開始剤及びチオール化合物を含み、
着色剤が、キサンテン染料と青色顔料とを含む着色剤であり、
キサンテン染料が、式(1a)で表される化合物を含む染料であり、
重合開始剤が、ビイミダゾール化合物を含む重合開始剤である着色感光性樹脂組成物。
[式(1a)中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
は、−OH、−SO、−SOH、−SO、−COH、−CO、−CO、−SO又は−SONR10を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRは同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
は、N(R11、Na又はKを表し、4つのR11は同一でも異なってもよい
は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR−で置き換っていてもよく、R及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。
11は、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【請求項2】
式(1a)で表される化合物が、式(2a)で表される化合物である請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
[式(2a)中、R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、−R26又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。R21及びR22は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R23及びR24は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
25は、−SO、−SOH、−SOZ1又は−SONHR26を表す。
m1は、0〜5の整数を表す。m1が2以上のとき、複数のR25は同一でも異なってもよい。
a1は、0又は1の整数を表す。
X1は、ハロゲン原子を表す。
26は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。
Z1は、N(R27、Na又はKを表し、4つのR27は同一でも異なってもよい。
27は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表す。]
【請求項3】
式(1a)で表される化合物が、式(3a)で表される化合物である請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
[式(3a)中、R31及びR32は、互いに独立に、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。
33及びR34は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基又は炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。
31及びR33は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R32及びR34は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR33は同一でも異なってもよく、qが2以上のとき、複数のR34は同一でも異なってもよい。
11は、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物から形成されカラーフィルタ。
【請求項5】
請求項記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
着色感光性樹脂組成物は、液晶表示表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置及びプラズマディスプレイ等の表示装置に使用されるカラーフィルタの製造に用いられている。このような着色感光性樹脂組成物としては、重合開始剤としてN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンのみを含む着色感光性樹脂組成物が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−28236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォトリソグラフ法により着色パターンを形成する際、現像で、基板上の着色感光性樹脂組成物層が剥離するように現像液へ除去されると、その剥離片が着色パターン上に異物として付着したり、現像後の現像液を排出する配管を閉塞させたりする恐れがある。従来から知られる上記の着色感光性樹脂組成物は、上記のような現像性が必ずしも十分に満足できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 着色剤、樹脂、重合性化合物、重合開始剤及びチオール化合物を含み、
着色剤が、キサンテン染料と顔料とを含む着色剤であり、
重合開始剤が、ビイミダゾール化合物を含む重合開始剤である着色感光性樹脂組成物。
[2] キサンテン染料が、式(1a)で表される化合物を含む染料である[1]記載の着色感光性樹脂組成物。
[式(1a)中、R1〜R4は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R1及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
5は、−OH、−SO3-、−SO3H、−SO3-+、−CO2H、−CO2-+、−CO28、−SO38又は−SO2NR910を表す。
6及びR7は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
+は、+N(R114、Na+又はK+を表し、4つのR11は同一でも異なってもよい。。
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
9及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR−で置き換っていてもよく、R9及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。
11は、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
[3] [1]又は[2]記載の着色感光性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[4] [3]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少ない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及びチオール化合物(T)を含む。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、さらに溶剤(E)及び/又はレベリング剤(F)を含むことが好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、重合開始助剤(D1)を含んでもよい。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
【0008】
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、キサンテン染料(A1)と顔料(A2)とを含み、さらにキサンテン染料(A1)以外の染料を含んでもよい。
【0009】
キサンテン染料(A1)は、分子内にキサンテン骨格を有する化合物を含む染料である。キサンテン染料(A1)としては、例えば、C.I.アシッドレッド51(以下、C.I.アシッドレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。他も同様である。)、52、87、92、94、289、388、C.I.アシッドバイオレット9、30、102、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、C.I.ベーシックレッド10(ローダミンB)、11、C.I.ベーシックバイオレット10、11、25、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010−32999号公報に記載のキサンテン染料及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料等が挙げられる。有機溶剤に溶解するものが好ましい。
【0010】
これらの中でも、キサンテン染料(A1)としては、式(1a)で表される化合物(以下、「化合物(1a)」という場合がある。)を含む染料が好ましい。化合物(1a)は、その互変異性体であってもよい。化合物(1a)を用いる場合、キサンテン染料(A1)中の化合物(1a)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。特に、キサンテン染料(A1)として、化合物(1a)のみを使用することが好ましい。
【0011】
[式(1a)中、R1〜R4は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R1及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
5は、−OH、−SO3-、−SO3H、−SO3-+、−CO2H、−CO2-+、−CO28、−SO38又は−SO2NR910を表す。
6及びR7は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
+は、+N(R114、Na+又はK+を表し、4つのR11は同一でも異なってもよい。。
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
9及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR−で置き換っていてもよく、R9及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。
11は、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0012】
式(1a)において、−SO3-が存在する場合、その数は1個である。
【0013】
1〜R4における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
【0014】
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、−R8、−OH、−OR8、−SO3-、−SO3H、−SO3-+、−CO2H、−CO28、−SR8、−SO28、−SO38又は−SO2NR910が挙げられる。これらの中でも、置換基としては、−SO3-、−SO3H、−SO3-+及び−SO2NR910が好ましく、−SO3-+及び−SO2NR910がより好ましい。この場合の−SO3-+としては、−SO3- +N(R114が好ましい。R1〜R4がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物からは、異物の発生が少なく、且つ耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
【0015】
1〜R4及びR8〜R11における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
1〜R4における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
9及びR10における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、ヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0016】
1及びRが一緒になって形成する環、並びにR及びRが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0017】
−OR8としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等が挙げられる。
【0018】
−CO28としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0019】
−SR8としては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等が挙げられる。
−SO28としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等が挙げられる。
−SO38としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等が挙げられる。
【0020】
−SO2NR910としては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
【0021】
は、−COH、−CO2-+、−CO、−SO、−SO、−SOH又はSONHRが好ましく、SO、−SO、−SOH又はSONHRがより好ましい。
mは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0022】
6及びR7における炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。
【0023】
11における炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0024】
+は、+N(R114、Na+又はK+であり、好ましくは+N(R114である。
前記+N(R114としては、4つのR11のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR11の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(1a)中にN(R11が存在する場合、R11がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
【0025】
化合物(1a)としては、式(2a)で表される化合物(以下「化合物(2a)」という場合がある。)が好ましい。化合物(2a)は、その互変異性体であってもよい。
【0026】
[式(2a)中、R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、−R26又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。R21及びR22は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R23及びR24は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
25は、−SO3-、−SO3H、−SO3-Z1+又は−SO2NHR26を表す。
m1は、0〜5の整数を表す。m1が2以上のとき、複数のR25は同一でも異なってもよい。
a1は、0又は1の整数を表す。
X1は、ハロゲン原子を表す。
26は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。
Z1+は、+N(R274、Na+又はK+を表し、4つのR27は同一でも異なってもよい。
27は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表す。]
【0027】
21〜R24における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、前記R1〜R4の芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO3-、−SO3H、−SO3-Z1+、−SO326又は−SO2NHR26で置換されていてもよい。
21〜R24の組合せとしては、R21及びR23が水素原子であり、R22及びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、−SO3-、−SO3H、−SO3-Z1+、−SO326又は−SO2NHR26で置換されているものが好ましい。さらに好ましい組合せは、R21及びR23が水素原子であり、R22及びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、−SO3-Z1+又は−SO2NHR26で置換されていているものである。R21〜R24がこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
【0028】
21及びR22が一緒になって形成する窒素原子を含む環、並びに、R23及びR24が一緒になって形成する窒素原子を含む環としては、R1及びRが一緒になって形成する環と同様のものが挙げられる。中でも、脂肪族複素環が好ましい。該脂肪族複素環としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0029】
26及びR27における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、R8〜R11で飽和炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。
21〜R24が−R26である場合、−R26は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、−SO326及び−SO2NHR26におけるR26としては、炭素数3〜20の分枝鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基がさらに好ましい。R26がこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
【0030】
Z1+は、+N(R274、Na+又はK+であり、好ましくは+N(R274である。
前記+N(R274としては、4つのR27のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR27の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(2a)中にN(R27が存在する場合、R27がこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
【0031】
m1は、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0032】
また、化合物(1a)としては、式(3a)で表される化合物(以下「化合物(3a)」という場合がある。)も好ましい。化合物(3a)は、その互変異性体であってもよい。
【0033】
[式(3a)中、R31及びR32は、互いに独立に、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。
33及びR34は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基又は炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。
31及びR33は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R32及びR34は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR33は同一でも異なってもよく、qが2以上のとき、複数のR34は同一でも異なってもよい。
11は、上記と同じ意味を表す。]
【0034】
31及びR32における炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基としては、R8におけるもののうち炭素数1〜10の基が挙げられる。
置換基として有していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、Rにおけるものと同じ基が挙げられる。
炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
31及びR32は、互いに独立に、炭素数1〜3の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。
【0035】
33及びR34における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
33及びR34における炭素数1〜4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
33及びR34における炭素数1〜4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
33及びR34は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0036】
p及びqは、0〜2の整数が好ましく、0又は1が好ましい。
【0037】
化合物(1a)としては、例えば、式(1−1)〜式(1−43)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R40は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基である。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
上記化合物のうち、式(1−1)〜式(1−23)又は式(1−37)〜式(1−43)で表される化合物は化合物(2a)に相当し、式(1−24)〜式(1−36)のいずれかで表される化合物は化合物(3a)に相当する。
これらの中でも、C.I.アシッドレッド289のスルホンアミド化物、C.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩、C.I.アシッドバイオレット102のスルホンアミド化物又はC.I.アシッドバイオレット102の第四級アンモニウム塩が好ましい。このような化合物としては、例えば、式(1−1)〜式(1−8)、式(1−11)又は式(1−12)で表される化合物等が挙げられる。
また、有機溶媒への溶解性に優れる点で、式(1−24)〜式(1−33)のいずれかで表される化合物も好ましい。
【0047】
キサンテン染料(A1)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
【0048】
キサンテン染料(A1)の含有量は、着色剤(A)の総量に対して、好ましくは0.5〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜40質量%であり、さらに好ましくは0.5〜30質量%である。
【0049】
顔料(A2)としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料等が挙げられる。
【0050】
顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:3、15:6及びC.I.ピグメントバイオレット23がより好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6がさらに好ましい。前記の顔料を含むことで、透過スペクトルの最適化が容易であり、カラーフィルタの耐光性及び耐薬品性が良好になる。
【0051】
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
顔料は、粒径が均一であることが好ましい。顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
【0052】
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料(A2)の総量に対して、好ましくは1質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
【0053】
顔料(A2)の含有量は、着色剤(A)の総量に対して、好ましくは50〜99.5質量%であり、より好ましくは60〜99.5質量%であり、さらに好ましくは70〜99.5質量%である。
【0054】
キサンテン染料(A1)以外の染料(以下「染料(A3)」という場合がある。)は、キサンテン染料(A1)とは異なるものであれば特に限定されず、公知の染料を使用することができ、例えば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0055】
中でも、フタロシアニン染料が好ましく、式(4)で表される化合物がより好ましい。
[式(4)中、Gは炭素数2〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、−O−で置き換わっていてもよい。
は、水素原子、−NR又は−NRを表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
は、ハロゲン化物イオン、BF、PF、ClO、X−CO又はY−SOを表す。
X及びYは、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
pは1〜4の整数を表す。]
式(4)は、式(4−0)で表される化合物に含まれるp個の水素原子が、−SO−NH−G−Jで置換されていることを表す。pが2以上である場合、複数の−SO−NH−G−Jは、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0056】
炭素数2〜12のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等が挙げられる。
−CH−が−O−で置き換わっている炭素数2〜12のアルカンジイル基としては、式(G−1)で表される基及び式(G−2)で表される基が挙げられる。
[式(G−1)及び式(G−2)中、G〜Gは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルカンジイル基を表す。
は、1〜3の整数を表す。
は、0〜3の整数を表す。
ただし、式(G−1)で表される基に含まれる炭素原子及び酸素原子の合計数は、3〜12であり、式(G−2)で表される基に含まれる炭素原子及び酸素原子の合計数は、ぞれぞれ2〜12である。
*は、−NH−との結合手を表す。]
【0057】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
【0058】
−SO−NH−G−Jとしては、例えば下記式で表される基が挙げられる。
【0059】
【0060】
が、式(G−1)で表される基である場合、−SO−NH−G−Jとしては、例えば下記式で表される基が挙げられる。
【0061】
【0062】
が、式(G−2)で表される基である場合、−SO−NH−G−Jとしては、例えば下記式で表される基が挙げられる。
【0063】
【0064】
が、−NRである場合、−SO−NH−G−Jとしては、例えば下記式で表される基が挙げられる。
【0065】
【0066】
【0067】
が、−NRである場合、−SO−NH−G−NRとしては、例えば下記式で表される基が挙げられる。
【0068】
【0069】
【0070】
はハロゲン化物イオン、BF、PF、ClO、X−CO又はY−SOを表す。
X及びYは、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、及びこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等が挙げられる。
炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロデシル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
X−COは、CO基を含む有機物アニオンであり、Y−SOは、SO基を含む有機物アニオンであり、例えば式(Q−1)〜式(Q−4)で表されるアニオンが挙げられる。
[Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。]
としては、X−CO及びY−SOが好ましく、式(Q−4)で表されるアニオンがより好ましい。これらのアニオンであると、式(2)で表される化合物の溶剤への溶解性が高くなる傾向がある。
【0071】
式(4)で表される化合物としては、例えば式(2−1)〜式(2−92)で表される化合物が挙げられる。式(2−1)〜式(2−92)で表される化合物のうち、nが2以上の整数である場合、複数の−SO−NH−G−Jは、それぞれ異なるベンゼン環に結合していることが好ましい。
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
例えば、式(2−24)で表される化合物のさらに具体的な例として、式(2−24−1)及び式(2−24−2)で表される化合物が挙げられる。
【0078】
着色剤(A)が染料(A3)を含む場合、染料(A3)の含有量は、着色剤(A)の総量に対して、0.5質量%以上40質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
【0079】
着色剤(A)がキサンテン染料(A1)及び顔料(A2)からなる着色剤である場合、これらの含有量は、着色剤(A)の総量に対して、それぞれ、
キサンテン染料(A1);0.5質量%以上50質量%以下
顔料(A2);50質量%以上99.5質量%以下
が好ましく、
キサンテン染料(A1);0.5質量%以上40質量%以下
顔料(A2);60質量%以上99.5質量%以下
がより好ましい。
【0080】
着色剤(A)がキサンテン染料(A1)、顔料(A2)及び染料(A3)からなる着色剤である場合、これらの含有量は、着色剤(A)の総量に対して、それぞれ、
キサンテン染料(A1);0.5質量%以上50質量%以下
顔料(A2);49.5質量%以上99質量%以下
染料(A3);0.5質量%以上40質量%以下
が好ましく、
キサンテン染料(A1);0.5質量%以上40質量%以下
顔料(A2);59.5質量%以上99質量%以下
染料(A3);0.5質量%以上30質量%以下
がより好ましい。
【0081】
着色剤(A)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは8〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。着色剤(A)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中に樹脂(B)や重合性化合物(C)を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができる。ここで、本明細書における「固形分の総量」とは、着色感光性樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
【0082】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、例えば、樹脂[K1]〜[K6]が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種(a)(以下「(a)」という場合がある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K2];(a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K3];(a)と(c)との共重合体;
樹脂[K4];(a)と(c)との共重合体に(b)を反応させた樹脂;
樹脂[K5];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させた樹脂;
樹脂[K6];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂。
【0083】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0084】
(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも一種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0085】
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
【0086】
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
【0087】
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0088】
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
【0089】
【0090】
[式(I)及び式(II)中、R及びRは、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
及びXは、単結合、−R−、*−R−O−、*−R−S−又は*−R−NH−を表す。
は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0091】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
及びRとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
【0092】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
及びXとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH−O−及び*−CHCH−O−が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CHCH−O−が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
【0093】
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−11)〜式(I−15)で表される化合物が好ましく、式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−15)で表される化合物がより好ましい。
【0094】
【0095】
【0096】
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−11)〜式(II−15)で表される化合物が好ましく、式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−15)で表される化合物がより好ましい。
【0097】
【0098】
【0099】
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を併用してもよい。式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物を併用する場合、これらの含有比率〔式(I)で表される化合物:式(II)で表される化合物〕はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは20:80〜80:20である。
【0100】
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
【0101】
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0102】
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、着色感光性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1−2)がより好ましい。
【0103】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
【0104】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜60モル%
(b)に由来する構造単位;40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(b)に由来する構造単位;50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色感光性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
【0105】
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0106】
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色感光性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
【0107】
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色感光性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色感光性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色感光性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0108】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜45モル%
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5〜40モル%
(b)に由来する構造単位;5〜80モル%
(c)に由来する構造単位;5〜60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色感光性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
【0109】
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0110】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜60モル%
(c)に由来する構造単位;40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(c)に由来する構造単位;50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0111】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたもの同じ比率であることが好ましい。
【0112】
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5〜80モルが好ましく、より好ましくは10〜75モルである。この範囲にすることにより、着色感光性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0113】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5〜95モル%
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10〜90モル%
(c)に由来する構造単位;10〜90モル%
であることがより好ましい。
【0114】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5〜80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
【0115】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5〜1モルが好ましい。
【0116】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
【0117】
中でも、樹脂(B)は、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体に由来する構造単位とを含む共重合体、すなわち、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましい。
【0118】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000であり、特に好ましくは5,000〜12,000である。分子量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの硬度が向上し、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少ない傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
【0119】
樹脂(B)の酸価は、好ましくは50〜170mg−KOH/gであり、より好ましくは60〜150、さらに好ましくは70〜135mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0120】
樹脂(B)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
【0121】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0122】
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0123】
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250〜1,500以下である。
【0124】
重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
【0125】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であり、重合開始剤(D)は、ビイミダゾール化合物を含む。
【0126】
前記ビイミダゾール化合物は、イミダゾール化合物の二量体であり、式(d6)で表される化合物が好ましい。
[式(d6)中、R〜Rは、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。]
【0127】
炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基及びナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
【0128】
前記ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物又はこれらの混合物が好ましい。
【0129】
重合開始剤(D)は、必要に応じて、ビイミダゾール化合物以外の重合開始剤を含んでもよい。また、必要に応じて、増感剤を重合開始剤(D)とともに用いてもよい。
【0130】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成後の現像液中に剥離片の発生が少ない。
【0131】
<チオール化合物(T)>
チオール化合物(T)は、分子内に−SHを有する化合物である。
【0132】
分子内に−SHを1つ有する化合物としては、例えば、2−スルファニルオキサゾール、2−スルファニルチアゾール、2−スルファニルベンズイミダゾール、2−スルファニルベンゾチアゾール、2−スルファニルベンゾオキサゾール、2−スルファニルニコチン酸、2−スルファニルピリジン、2−スルファニルピリジン−3−オール、2−スルファニルピリジン−N−オキサイド、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−スルファニルピリミジン、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−スルファニルピリミジン、4−アミノ−2−スルファニルピリミジン、6−アミノ−5−ニトロソ−2−チオウラシル、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−スルファニルピリミジン、4,6−ジアミノ−2−スルファニルピリミジン、2,4−ジアミノ−6−スルファニルピリミジン、4,6−ジヒドロキシ−2−スルファニルピリミジン、4,6−ジメチル−2−スルファニルピリミジン、4−ヒドロキシ−2−スルファニル−6−メチルピリミジン、4−ヒドロキシ−2−スルファニル−6−プロピルピリミジン、2−スルファニル−4−メチルピリミジン、2−スルファニルピリミジン、2−チオウラシル、3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−チオール、4,5−ジフェニルイミダゾール−2−チオール、2−スルファニルイミダゾール、2−スルファニル−1−メチルイミダゾール、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−スルファニル−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−スルファニル−1,2,4−トリアゾール、2−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3−スルファニル1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、2−アミノ−5−スルファニル−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,5−ジスルファニル−1,3,4−チアジアゾール、(フラン-2-イル)メタンチオール、2−スルファニル−5−チアゾリドン、2−スルファニルチアゾリン、2−スルファニル−4(3H)−キナゾリノン、1−フェニル−1H−テトラゾール−5−チオール、2−キノリンチオール、2−スルファニル−5−メチルベンズイミダゾール、2−スルファニル−5−ニトロベンズイミダゾール、6−アミノ−2−スルファニルベンゾチアゾール、5−クロロ−2−スルファニルベンゾチアゾール、6−エトキシ−2−スルファニルベンゾチアゾール、6−ニトロ−2−スルファニルベンゾチアゾール、2−スルファニルナフトイミダゾール、2−スルファニルナフトオキサゾール、3−スルファニル−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−6−スルファニルピラゾロ[2,4−d]ピリジン、2−アミノ−6−プリンチオール、6−スルファニルプリン、4−スルファニル−1H−ピラゾロ[2,4−d]ピリミジン等が挙げられる。
【0133】
分子内に−SHを2つ以上有する化合物としては、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ビス(メチルスルファニル)ベンゼン、ブタンジオールビス(3−スルファニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−スルファニルアセテート)、エチレングリコールビス(3−スルファニルアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−スルファニルアセテート)、ブタンジオールビス(3−スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−スルファニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルアセテート)、トリスヒドロキシエチルトリス(3−スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルブチレート)、1,4−ビス(3−スルファニルブチルオキシ)ブタン等が挙げられる。
【0134】
チオール化合物(T)としては、分子内に−SHを1つ有する化合物が好ましい。
チオール化合物(T)の含有量は、重合開始剤(D)100質量部に対して、好ましくは1〜150質量部、より好ましくは5〜100質量部であり、さらに好ましくは8〜70質量部である。チオール化合物(T)の含有量がこの範囲内にあると、感度が高くなり、また現像性が良好になる傾向がある。
【0135】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0136】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0137】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
【0138】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0139】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
【0140】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
【0141】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。
【0142】
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0143】
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル及び3−エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
【0144】
溶剤(E)の含有量は、本発明の着色感光性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色感光性樹脂組成物の固形分の総量は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0145】
<レベリング剤(F)>
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0146】
前記のフッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0147】
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0148】
レベリング剤(F)の含有量は、着色感光性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。尚、この含有量に、前記顔料分散剤の含有量は含まれない。レベリング剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0149】
<その他の成分>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0150】
<着色感光性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、並びに必要に応じて用いられる溶剤(E)、レベリング剤(F)、重合開始助剤(D1)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
キサンテン染料(A1)及び染料(A3)は、予め溶剤(E)の一部又は全部にそれぞれ溶解させて溶液を調製してもよい。該溶液を、孔径0.01〜1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
顔料(A2)は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミル等を用いて分散させることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。このようにして得られた顔料分散液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色感光性樹脂組成物を調製できる。
混合後の着色感光性樹脂組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0151】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色感光性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜6μmである。
【0152】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
【0153】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0154】
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
【0155】
露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
【0156】
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
【0157】
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、特にカラーフィルタを高い歩留まりで製造できるため、該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0158】
以下、実施例によって本発明の着色感光性樹脂組成物について、より詳細に説明する。
例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
以下の合成例において、化合物は、質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で同定した。
【0159】
〔合成例1〕
式(1x)で表される化合物20部とN−エチル−o−トルイジン(和光純薬工業(株)製)200部とを遮光条件下混合し、得られた溶液を110℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、水800部、35%塩酸50部の混合液中に添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾燥し、式(1−24)で表される化合物24部を得た。収率は80%であった。
式(1−24)で表される化合物の同定;
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]603.4
Exact Mass: 602.2
【0160】
〔合成例2〕
N−エチル−o−トルイジンに代えてN−プロピル−2,6−ジメチルアニリンを用いる以外は合成例1と同様にして、式(1−32)で表される化合物を得た。
式(1−32)で表される化合物の同定;
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]659.9
Exact Mass: 658.9
【0161】
〔合成例3〕
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A0−1)で表される化合物及び式(A0−2)表される化合物の混合物(商品名Chugai Aminol Fast Pink R;中外化成製)を15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド8.9部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル10.9部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン12.5部及びトリエチルアミン22.1部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、キサンテン染料1〔式(Aa−1−1)〜式(Aa−1−8)で表される化合物の混合物〕11.3部を得た。
【0162】
【0163】
【0164】
〔合成例4〕
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート371部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で50:50)225部、並びに、ビニルトルエン(異性体混合物)81部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80部に溶解させて調製した混合溶液を4時間かけてフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部に溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。重合開始剤溶液の滴下終了後、85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、樹脂B1(共重合体)溶液を得た。樹脂B1溶液の固形分は37.5%、B型粘度計(23℃)で測定した粘度は246mPa・sであった。樹脂B1の重量平均分子量は1.06×10、分子量分布は2.01、固形分換算の酸価は115mg−KOH/gであった。樹脂B1は、以下の構造単位を有する。
【0165】
〔合成例5〕
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200部及び3−メトキシブチルアセテート105部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60部、並びに、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で50:50)240部を、3−メトキシブチルアセテート140部に溶解して溶液を調製し、該溶液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部を3−メトキシブチルアセテート225部に溶解させた溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、70℃で4時間保持し、その後室温まで冷却して、固形分33質量%の樹脂B2(共重合体)溶液を得た。樹脂B2の重量平均分子量は1.3×10、分子量分布は2.5、固形分換算の酸価は103mg−KOH/gであった。樹脂B2は、以下の構造単位を有する。
【0166】
合成例で得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
【0167】
実施例1〜5及び比較例1
〔着色感光性樹脂組成物の調製〕
表1に示す組成となるように各成分を混合して着色感光性樹脂組成物を得た。
【0168】
【表1】
【0169】
表1中、「A2−1」は、アクリル系顔料分散剤及び「E−12)」欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び「E−22)」欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルと混合し、予め分散させたものを用いた。
「E−11)」欄は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表し、「E−21)」欄は、プロピレングリコールモノメチルエーテル含有量の合計を表す。
【0170】
表1中、各成分は以下のものを表す。樹脂(B)は、固形分換算での含有量(部)を表す。
着色剤(A):A1−1:式(1−32)で表される化合物
着色剤(A):A1−2:キサンテン染料1
着色剤(A):A2−1:C.I.ピグメント・ブルー15:6(顔料)
着色剤(A):A3−1:C.I.ダイレクトブルー264とドデシルベンゼンスルホン酸との塩(オリヱント化学工業(株)製)(フタロシアニン染料)
樹脂(B):B−1:樹脂B1
樹脂(B):B−2:樹脂B2
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製;KAYARAD(登録商標) DPHA)
重合開始剤(D):D−1:下記式で表される化合物の混合物(CHEMCURE−TCDM;ケンブリッジ社製;ビイミダゾール化合物)
重合開始剤(D):D−2:N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製)
チオール化合物(T);2−スルファニルベンゾチアゾール(サンセラー(登録商標)M;三新化学工業(株)製)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E):E−3:乳酸エチル
溶剤(E):E−4:3−メトキシ−1−ブタノール
溶剤(E):E−5:3−メトキシブチルアセテート
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
【0171】
<着色パターンの作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、着色組成物層が形成された基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。光照射後の着色組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に26℃で60秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で20分間ポストベークを行い、着色パターンを得た。
【0172】
<膜厚測定>
得られた着色パターンについて、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定した。
【0173】
<色度評価>
得られた着色パターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と三刺激値Yとを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表2に示す。
【0174】
<剥離片の観察>
着色パターンの作製において、現像後の現像液を目視で観察した。現像液中に着色感光性樹脂組成物由来の剥離片が認められない場合は○、剥離片が認められた場合は×とした。現像液中に着色感光性樹脂組成物由来の剥離片が認められると、パターン上に異物として付着して、不良の原因となる恐れがあるため好ましくない。結果を表2に示す。
【0175】
【表2】
【0176】
実施例6
式(1−32)で表される化合物に代えて式(1−24)で表される化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物を得る。上記と同じ操作を行い、現像液中に剥離片が発生することなく、高明度な着色パターンを得る。
【0177】
上記の結果から、本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、現像後の現像液に剥離片は認められなかった。また、本発明の着色感光性樹脂組成物から製造された着色パターンは、明度が高いことが確認された。このことから、本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、明度に優れるカラーフィルタを高い歩留まりで製造することが可能であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少ない。