(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チャンバー内には、前記基板を前記長尺方向に案内する為の案内ローラーが前記基板の搬送経路に沿って複数設けられ、前記チャンバーの前記第一部分と前記第二部分とが分離及び連結する方向を所定方向としたとき、前記第一部分と前記第二部分とが分離した状態と連結した状態とで、前記複数の案内ローラーの前記所定方向の各位置が異なるように、前記複数の案内ローラーを前記チャンバー内で移動させる、
請求項2に記載の基板処理方法。
前記チャンバー内には、前記基板を支持する案内面から気体を噴出する案内パッドが前記基板の搬送経路に沿って複数設けられ、前記チャンバーの前記第一部分と前記第二部分とが分離及び連結する方向を所定方向としたとき、前記第一部分と前記第二部分とが分離した状態と連結した状態とで、前記複数の案内パッドの前記所定方向の各位置が異なるように、前記複数の案内パッドを前記チャンバー内で移動させる、
請求項2に記載の基板処理方法。
前記差動排気室は、前記基板の前記第1面側に配置される第三部分と、前記基板の前記第2面側に配置される第四部分とが接続した状態、及び分離した状態とに切替え可能に設けられており、
前記基板を前記幅方向に移動させる際は、前記差動排気室の前記第三部分と前記第四部分とを分離して、前記基板が移動する空間を形成する、
請求項6に記載の基板処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理装置FPAの全体構成を示す斜視図である。
図2及び
図3は、基板処理装置FPAの一部の構成について、
図1とは異なる視点から見たときの状態を示す斜視図である。
図1から
図3に示すように、基板処理装置FPAは、帯状に形成され可撓性を有する基板Sを搬送する搬送部1と、基板Sに対して所定の処理を行う処理部2と、搬送部1及び処理部2を統括的に制御する制御部CONTとを有している。基板処理装置FPAは、例えば製造工場の床面FLに載置された基台(ペデスタル)ST上に設けられている。
【0012】
基板処理装置FPAは、帯状に形成され可撓性を有する基板Sの表面に各種処理を実行するロール・トゥ・ロール方式(以下、単に「ロール方式」と表記する)の装置である。基板処理装置FPAは、基板S上に例えば有機EL素子、液晶表示素子等の表示素子(電子デバイス)を形成する場合に用いられる。勿論、これらの素子以外の素子(例えば、ソーラーセル、カラーフィルター、タッチパネル等)を形成するシステムにおいて基板処理装置FPAを用いても構わない。
【0013】
以下、本実施形態に係る基板処理装置FPAの構成を説明するにあたり、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。以下の図においては、XYZ直交座標系のうち床面FLに平行な平面をXY平面としている。XY平面のうち基板Sが移動する方向をY方向とし、Y方向に直交する方向をX方向としている。また、床面FL(XY平面)に垂直な方向をZ軸方向としている。
【0014】
基板処理装置FPAにおいて処理対象となる基板Sとしては、例えば樹脂フィルムやステンレス鋼などの箔(フォイル)を用いることができる。例えば、樹脂フィルムは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ステンレス箔などの材料を用いることができる。
【0015】
基板Sの短尺方向の寸法は例えば50cm〜2m程度に形成されており、長尺方向の寸法(1ロール分の寸法)は例えば10m以上に形成されている。勿論、この寸法は一例に過ぎず、これに限られることは無い。例えば基板Sの短尺方向の寸法が1m以下、又は50cm以下であっても構わないし、2m以上であっても構わない。また、基板Sの長尺方向の寸法が10m以下であっても構わない。
【0016】
基板Sは、例えば1mm以下の厚みを有し、可撓性を有するように形成されている。ここで可撓性とは、例えば基板に少なくとも自重程度の所定の力を加えても線断したり破断したりすることはなく、該基板を撓めることが可能な性質をいう。また、例えば上記所定の力によって屈曲する性質も可撓性に含まれる。また、上記可撓性は、該基板の材質、大きさ、厚さ、又は温度、湿度などの環境、等に応じて変わる。なお、基板Sとしては、1枚の帯状の基板を用いても構わないが、複数の単位基板を接続して帯状に形成される構成としても構わない。
【0017】
基板Sは、比較的高温(例えば200℃程度)の熱を受けても寸法が実質的に変わらない(熱変形が小さい)ように熱膨張係数が比較的小さい方が好ましい。例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合して熱膨張係数を小さくすることができる。無機フィラーの例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素などが挙げられる。
【0018】
基台STは、ベース部STa、脚部STb及び支持台STcを有している。ベース部STaは床面FLに載置されている。脚部STbは、ベース部STa上に複数設けられており、支持台STcを支持している。支持台STcは、例えば矩形に形成されており、X方向に、処理部2が取り付けられる開口部と、その開口部を挟むように設けられた2つの開口部STdが設けられている。すなわち、支持台STcには、X方向に沿って3つの開口部STdが設けられている。3つの開口部STd内には、Y軸方向に平行に延在する案内レール7rが設けられている。案内レール7rは、各開口部STdについてX方向に2つ平行に並んで設けられている。
【0019】
搬送部1は、第一レール3、第二レール4、基板送り出し機構5、基板巻き取り機構6、レール駆動機構(レール駆動部)7及びローラー駆動部8を有している。
【0020】
第一レール3は、支持台STcの+Y側の辺に沿って配置されている。第一レール3は、3つの単位レール3A〜3Cに分割されている。各単位レール3A〜3Cは、支持台STcの3つの開口部STdのそれぞれに対応する位置に配置されている。単位レール3A〜3CのX方向の寸法は、各開口部STdのX方向の寸法に対応した値となっている。
【0021】
第二レール4は、支持台STcの−Y側の辺に沿って配置されている。第二レール4は、3つの単位レール4A〜4Cに分割されている。各単位レール4A〜4Cは、上記の単位レール3A〜3Cと同様、支持台STcの3つの開口部STdのそれぞれに対応する位置に配置されている。単位レール4A〜4CのX方向の寸法は、各開口部STdのX方向の寸法に対応した値となっており、上記の単位レール3A〜3CのX方向の寸法と同一の寸法になっている。
【0022】
第一レール3の単位レール3A〜3C及び第二レール4の単位レール4A〜4Cは、各開口部STdに設けられ、かつY方向に延びた案内レール7rにそれぞれ支持されている。
図1に示す構成では、単位レール3A〜3Cが案内レール7rの+Y側端部に支持されており、単位レール4A〜4Cが案内レール7rの−Y側端部に支持されている。
【0023】
第一レール3の単位レール3A〜3Cと、第二レール4の単位レール4A〜4Cとは、それぞれX方向に平行に配置されている。また、案内レール7rがY軸方向に平行に延在しているため、単位レール3A〜3C及び単位レール4A〜4Cは、互いに平行な状態を維持しつつ案内レール7r上をY方向に移動可能に設けられている。このように、第一レール3及び第二レール4は、案内レール7rによってXY平面に平行な平面上を直線状に移動可能な構成となっている。
【0024】
基板送り出し機構5は、第一レール3上に配置されている。基板送り出し機構5は、ローラー支持部5a及び供給ローラー5bを有している。ローラー支持部5aは、第一レール3上に接続されており、第一レール3に沿ってX方向に移動可能に設けられている。ローラー支持部5aは、第一レール3を構成する単位レール3A〜3Cに亘って移動可能である。
【0025】
供給ローラー5bは、ローラー支持部5aに回転可能に支持されている。供給ローラー5bは、回転軸の方向がX方向に平行な方向に一致するように支持されている。供給ローラー5bには基板Sがロール状に巻きつけられている。供給ローラー5bが回転することにより、この供給ローラー5bに巻きつけられた基板Sが−Y方向に送り出されるようになっている。供給ローラー5bは、モータ等によって回転可能である。
【0026】
基板巻き取り機構6は、第二レール4上に配置されている。基板巻き取り機構6は、ローラー支持部6a及び回収ローラー6bを有している。ローラー支持部6aは、第二レール4上に接続されており、第二レール4に沿ってX方向に移動可能に設けられている。ローラー支持部6aは、ローラー駆動部8のうち第二レール4を構成する単位レール4A〜4Cに亘って移動可能である。
【0027】
回収ローラー6bは、ローラー支持部6aに回転可能に支持されている。回収ローラー6bは、回転軸の方向がX方向に平行な方向に一致するように支持されている。回収ローラー6bには基板Sがロール状に巻きつけられている。回収ローラー6bが回転することにより、この回収ローラー6bに基板Sが巻きつけられるようになっている。回収ローラー6bは、モータ等によって回転可能である。
【0028】
レール駆動機構7は、案内レール7rに沿って第一レール3及び第二レール4をY方向に移動させる。レール駆動機構7は、第一レール3を単位レール3A、3Cごとに駆動可能であると共に、第二レール4を単位レール4A、4Cごとに駆動可能である。制御部CONTは、レール駆動機構7による駆動量、駆動速度及び駆動のタイミングなどを制御可能である。レール駆動機構7は、案内レール7rに沿って、単位レール3Aと単位レール4Aとを互いに近づけたり、互いに離したりすることが可能である。また、レール駆動機構7は、案内レール7rに沿って、単位レール3Cと単位レール4Cとを互いに近づけたり、互いに離したりすることが可能である。
【0029】
ローラー駆動部8は、第一駆動部83及び第二駆動部84を有している。第一駆動部83は、ローラー支持部5aを第一レール3に沿ってX方向に移動させると共に、供給ローラー5bを回転させる。第二駆動部84は、ローラー支持部6aを第二レール4に沿ってX方向に移動させると共に、回収ローラー6bを回転させる。制御部CONTは、第一駆動部83及び第二駆動部84を個別にあるいは同期させて制御することができるようになっている。また、制御部CONTは、第一駆動部83及び第二駆動部84における駆動量、駆動速度、駆動のタイミングなどを制御可能である。
【0030】
処理部2は、
図3に示すように、基板送り出し機構5から供給され基板巻き取り機構6へと搬送される基板Sの移動経路上で、この基板Sの被処理面(第1面)Saに対して処理を行う。処理部2は、チャンバー装置(チャンバー)CB、チャンバー駆動装置25、処理装置10、案内装置30及びアライメント計測装置50を有している。なお、本実施形態では、処理装置10として、印刷機を示している。
【0031】
チャンバー装置CBは、第一レール3と第二レール4との間(本実施形態においては単位レール3Bと単位レール4Bとの間)に配置されている。チャンバー装置CBは、基板Sのうち供給ローラー5bと回収ローラー6bとの間に配置された部分を囲う筐体である。チャンバー装置CBは、基板Sの−Z側の面Sa(被処理面)に設けられた第一部分CB1と、基板Sの+Z側の面Sbに設けられた第二部分CB2とを有している。チャンバー装置CBは、第一部分CB1と第二部分CB2とがZ方向に相対的に分離可能に連結されている。
【0032】
チャンバー装置CBは、基板Sを通過させる通過部26及び27を有している。通過部(第1の通過部)26は、チャンバー装置CBの+Y側の壁部に形成された開口部である。通過部26は、第一部分CB1に形成された凹部26aと、第二部分CB2に形成された凹部26bとで構成される。通過部(第2の通過部)27は、チャンバー装置CBの−Y側の壁部に形成された開口部である。通過部27は、第一部分CB1に形成された凹部27aと、第二部分CB2に形成された凹部27bとで構成される。第一部分CB1と第二部分CB2とが連結された状態においては、この通過部26及び27がチャンバー装置CBに対して開口された状態となる。供給ローラー5bから送り出された基板Sは、通過部26を介してチャンバー装置CBに搬入され、通過部27を介してチャンバー装置CBから搬出される。
【0033】
チャンバー駆動装置25は、支持柱(支持部)25a及び25bと、架橋部材25c及び25dと、昇降機構25e及び25fとを有している。支持柱25aは、基台STの支持台(ステージ)STcのうち第一レール3よりも+Y側に固定されている。支持柱25bは、基台STの支持台(ステージ)STcのうち第二レール4よりも−Y側に固定されている。
【0034】
架橋部材25cは、支持柱25aによって支持されている。架橋部材25cは、チャンバー装置CBの第一部分CB1の+Y側の外壁に固定されている。架橋部材25dは、支持柱25bによって支持されている。架橋部材25dは、チャンバー装置CBの第一部分CB1の−Y側の外壁に固定されている。
【0035】
昇降機構25eは、支持柱25aに設けられており、架橋部材25cに接続されている。昇降機構25eは、支持柱25aに沿ってZ方向に架橋部材25cを移動させる不図示のアクチューエータを有している。昇降機構25fは、支持柱25bに設けられており、架橋部材25dに接続されている。昇降機構25fは、支持柱25bに沿ってZ方向に架橋部材25dを移動させる不図示のアクチューエータを有している。上記のアクチューエータとしては、例えばモータ機構やエアシリンダ機構などが挙げられる。
【0036】
このように、第一部分CB1は、第一レール3及び第二レール4よりもY方向の外側から支持された構成になっている。また、第一部分CB1は、昇降機構25e及び25fにより、支持柱25a及び25bに沿ってZ方向に、架橋部材25c及び25dと一体的に移動するように構成されている。
【0037】
処理装置10は、チャンバー装置CBのうち例えば第二部分CB2に収容されている。処理装置10は、基板Sの被処理面Saに対して例えば有機EL素子を形成するための各種装置を有している。このような装置としては、例えば被処理面Sa上に隔壁を形成するための隔壁形成装置、電極を形成するための電極形成装置、発光層を形成するための発光層形成装置などが挙げられる。より具体的には、液滴塗布装置(例えばインクジェット型塗布装置など)、成膜装置(例えば蒸着装置、スパッタリング装置)、露光装置、現像装置、表面改質装置、洗浄装置、乾燥装置などが挙げられる。これらの各装置は、基板Sの搬送経路に沿って適宜設けられる。本実施形態では、処理装置10は、被処理面Sa上に塗布膜を転写して形成する転写装置(例えば、グラビア印刷機、フレキソ印刷機等)11を有している。
【0038】
転写装置11は、転写ローラー11aと、塗布液貯留部11bと、膜厚調整部11cとを有している。転写ローラー11aは、一部が塗布液貯留部11bに貯留された塗布液11dに付けられた状態となっている。転写ローラー11aは、この状態で回転可能に設けられている。転写装置11は、転写ローラー11aを時計回りに回転させる不図示の回転駆動機構(例えばモータ機構など)を有している。転写装置11は、チャンバー装置CB内の空間のうち例えばY方向の中央よりも+Y側に配置されている。また、チャンバー装置CBの第一部分CB1のうち転写ローラー11aの+X側の壁部には、蓋部11eが設けられている。この蓋部11eは、X方向視で転写ローラー11aよりも大きい寸法に形成されている。このため、蓋部11eを開いた状態においては、第一部分CB1に転写ローラー11aをX方向に出し入れすることができるようになっている。
【0039】
案内装置30は、処理部2内において基板Sを案内する複数の案内ローラーGR及び複数の案内パッドGPを有している。複数の案内ローラーGRは、基板Sの搬送経路に沿って設けられている。複数の案内ローラーGRのうち3つの案内ローラーGR1は、転写ローラー11aに基板Sの被処理面Saを押し当てる押圧ローラーとして機能する。この3つの案内ローラーGR1は、不図示のガイド部材によって位置関係が変化しないように移動可能となっている。
【0040】
また、複数の案内ローラーGRのうち3つの案内ローラーGR2は、塗布液が転写された後の基板Sの裏面Sbを案内する。また、複数(ここでは3つ)の案内パッドGPは、塗布液が転写された後の基板Sの被処理面Saを案内する。複数の案内パッドGPは、それぞれシリンドリカル状の案内面GPaから気体を噴出する不図示の噴出口を複数有しており、案内面GPa上に気体の層を形成することができる構成となっている。この気体の層により、案内面GPaにおいて基板Sの被処理面Saに対して非接触で案内することができるようになっている。案内ローラーGR2と案内パッドGPとは、Y方向に交互に配置されている。
【0041】
また、案内ローラーGR3及びGR4は、第二部分CB2内の固定位置に設けられている。案内ローラーGR5は、第二部分CB2の+Y側に配置されており、Z方向に移動可能に設けられている。案内ローラーGR5は、−Z側に移動することによって案内ローラーGR3との間で基板Sを挟む構成となっている。
【0042】
アライメント計測装置50は、基板Sのエッジ部、又は基板Sに設けられているアライメントマークを計測し、その計測結果に基づいて、基板Sに対してアライメント動作を行う。アライメント計測装置50は、基板Sのエッジ部、又はアライメントマークを検出するアライメントカメラや、このアライメントカメラの検出結果に基づいて基板Sの位置及び姿勢の少なくとも一方を調整する調整装置などを有している。基板Sの位置計測、速度計測として、光学マウスのような方式で、基板S上にレーザ光を投射し、基板S上に生じるスペックルパターンの変化を光電検出する方式を用いることもできる。
【0043】
次に、上記のように構成された基板処理装置FPAの動作を説明する。
図4〜
図14は、基板処理装置FPAの動作を示す図である。
まず、搬送部1のうち供給ローラー5bと回収ローラー6bとの間に基板Sを掛け渡す動作を行う場合について説明する。
【0044】
図4に示すように、制御部CONTは、基板送り出し機構5を第一レール3の単位レール3A上に配置させると共に、基板巻き取り機構6を第二レール4の単位レール4A上に配置させる。この動作により、供給ローラー5bと回収ローラー6bとがY方向に対向するように、かつ、平行に配置される。
【0045】
次に、供給ローラー5bにロール状に巻かれた基板Sを取り付ける。基板Sの先端Sfには、例えば
図4に示す構成ではリーダLfが取り付けられているが、このリーダLfが省略された構成であっても構わない。供給ローラー5bにロール状の基板Sを取り付けた後、制御部CONTは、第二レール4の単位レール4Aを+Y方向へ移動させる。この動作により、供給ローラー5bと回収ローラー6bとが近づくことになる。
【0046】
制御部CONTは、供給ローラー5bと回収ローラー6bとの距離が第一距離D1になった場合、第一駆動部83によって供給ローラー5bを回転させる。この動作により、基板Sの先端Sfが回収ローラー6b側へ送り出され、基板Sの先端Sfが回収ローラー6bに到達してこの回収ローラー6bに巻き掛けられる。なお、基板Sの先端Sfを回収ローラー6bに巻きかける操作は、自動化されていてもよいが、人手によって、先端Sfを回収ローラー6bに、固定テープ等を用いて貼り付けてもよい。
【0047】
制御部CONTは、基板Sの先端Sfが回収ローラー6bに掛けられた後、供給ローラー5bを回転させると共に、基板巻き取り機構6が元の位置に到達するまで、単位レール4Aを−Y方向へ移動させる。この動作により、基板Sの先端Sfが回収ローラー6bに掛けられた状態で−Y方向へ引き出されることになる。
【0048】
基板巻き取り機構6が元の位置に到達した後、制御部CONTは、この基板巻き取り機構6の移動を停止させる。その後、制御部CONTは、
図5に示すように、チャンバー装置CBの第二部分CB2を+Z方向へ移動させ、第一部分CB1と第二部分CB2との間に基板Sが通過可能な隙間を形成する。このとき、供給ローラー5bと回収ローラー6bとの間の掛け渡された基板Sには、Y方向に適度なテンションが与えられ、基板Sが第一部分CB1と第二部分CB2との間の隙間を通れるようにする。基板Sのテンションは、基板巻き取り機構6を制御することによって調整することができる。
【0049】
この状態で、制御部CONTは、
図6に示すように、第一駆動部83及び84によって基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6を同期させて、それぞれ単位レール3B上及び単位レール4B上へ移動させる。この状態では、基板SはZ方向において第一部分CB1の凹部26a及び27aと、第二部分CB2の凹部26b及び27bに挟まれた位置に配置されることになる。
【0050】
制御部CONTは、基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6をそれぞれ単位レール3B及び4B上に配置させた後、
図7に示すように、第二部分CB2を−Z方向へ移動させ、第一部分CB1と第二部分CB2とを連結させる。この状態において、第一部分CB1と第二部分CB2とが接触し、第一部分CB1と第二部分CB2との間の隙間が塞がれる。基板Sは、通過部26においてチャンバー装置CBの内部に入り、通過部27においてチャンバー装置CBから出てくることになる。
【0051】
第一部分CB1と第二部分CB2とを連結させた後、制御部CONTは、チャンバー装置CB内の案内装置30をスタンバイさせる。具体的には、まず
図8に示すように、案内ローラーGR1及びGR2を基板Sの+Z側に配置させ、案内パッドGPを基板Sの−Z側に配置させた状態とする。
図3に示すように、基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6の各々には、供給ローラー5b及び回収ローラー6bの高さを調節するエレベータ5d、6dが設けられ、基板送り出し機構5から基板巻き取り機構6に渡る基板Sがほぼ水平となるように高さ調整される。
【0052】
この状態から、
図9に示すように、案内ローラーGR1を−Z方向に移動させて基板Sを−Z側へ押圧し、被処理面Saを転写ローラー11aに接触させる。また、案内ローラーGR2を−Z方向に移動させると共に、案内パッドGPを+Z側に移動させる。この動作により、チャンバー装置CBの中央部より−Y側においては、基板SがZ方向にチャンバー装置CB内で多数回折り返されて案内される。このため、Y方向に見て基板Sが重なった状態で搬送される。
【0053】
制御部CONTは、転写装置11の処理のタイミングに合わせて供給ローラー5b及び回収ローラー6bを回転させると共に、転写ローラー11aを回転させる。この動作により、供給ローラー5bから基板Sが送り出されると共に、回収ローラー6bで基板Sが巻き取られる状態となり、この状態で転写装置11による塗布膜の転写処理が基板Sの被処理面Saに対して行われることになる。
【0054】
図9に示すように、基板Sの被処理面Saを支持するのは案内パッドGPの案内面GPaであるため、塗布膜に対して非接触の状態で基板Sを搬送することができる。なお、基板Sのうち案内ローラーGR2と案内パッドGPとで案内される部分に対して、例えば加熱装置などの乾燥装置を用いて乾燥させるようにしても構わない。
【0055】
制御部CONTは、転写装置11の処理速度に応じて、供給ローラー5bから回収ローラー6bへと移動する基板Sの移動速度を調整する。
図10に示すように、供給ローラー5bに巻かれた基板Sの巻き径R1と、回収ローラー6bに巻かれた基板Sの巻き径R2と、に応じて、第一駆動部83及び第二駆動部84における駆動速度を調整させる。この動作により、搬送速度が一定のまま基板Sが搬送されることになる。基板Sの速度のモニターは、
図3のアライメント計測装置50が、基板Sに設けられているアライメントマークを計測するタイミング(時間)によっても行われる。また、基板Sの巻き径R1、基板Sの巻き径R2の変化によりエレベータ5d、6dを調整してもよい。
【0056】
制御部CONTは、転写装置11の処理位置や寸法などに応じて、供給ローラー5bと回収ローラー6bとの距離を調整しても構わない。この場合、制御部CONTは、レール駆動機構7によって例えば単位レール3Bあるいは単位レール4BをY方向にそれぞれ移動させるようにする。転写装置11により、表示素子の構成要素の一部が基板S上に順次形成される。
【0057】
図11は、基板Sに対する処理が完了した状態のチャンバー装置CBの様子を示している。この状態から、
図12に示すように、制御部CONTは、チャンバー装置CBの第二部分CB2を+Z側へ移動させ、第一部分CB1と第二部分CB2との間に基板Sが通過可能な隙間を形成する。
【0058】
この状態で、制御部CONTは、
図13に示すように、第一駆動部83及び84の同期制御によって基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6を同期させて、それぞれ単位レール3C上及び単位レール4C上へ移動させる。この動作により、基板Sは第一部分CB1と第二部分CB2とで挟まれた位置から+X側へ退避した状態となる。基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6が単位レール3C上及び単位レール4C上に配置された後、基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6の移動を停止させる。
【0059】
制御部CONTは、基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6の移動を停止させた後、回収ローラー6bを回転させつつ単位レール4Cを+Y方向へ移動させる。この動作により、回収ローラー6bが基板Sを巻き取りながら供給ローラー5bと回収ローラー6bとが再び近づくことになる。
【0060】
制御部CONTは、供給ローラー5bと回収ローラー6bとの距離が第二距離D2になった後、
図14に示すように、第二駆動部84によって供給ローラー5bを回転させる。この場合、第二距離D2については、例えば上記の第一距離D1と等しい距離とすることができる。この動作により、基板Sの後端Seが回収ローラー6b側へ送り出され、基板Sの後端Seが回収ローラー6bに到達してこの回収ローラー6bに巻き掛けられる。なお、基板Sの後端Seには、例えば
図5に示す構成ではリーダLeが取り付けられているが、このリーダLeが省略された構成であっても構わない。
【0061】
制御部CONTは、基板Sの後端Seが回収ローラー6bに掛けられた後、基板巻き取り機構6が元の位置へ移動するまで、単位レール4Cを−Y方向へ移動させる。基板巻き取り機構6が元の位置へ戻った後、回収ローラー6bに巻かれたロール状の基板Sは、次の処理装置へと移動される。あるいは、基板Sに対してすべての処理が行われている場合には、この回収ローラー6bから取り外されて回収される。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、供給ローラー5bから回収ローラー6bへ向けた基板Sの移動方向に対して交差する方向に基板Sがチャンバー装置CBの内部に搬入及び搬出されるように、供給ローラー5b及び回収ローラー6bとチャンバー装置CB及び転写装置11とを相対的に移動させることとしたので、送り出されてから巻き取られるまで掛け渡される基板Sの寸法を一定としつつ基板Sを処理装置10に搬入させ、かつ、基板Sに対して処理を行わせることができる。これにより、送り出されてから巻き取られるまで掛け渡される基板Sの寸法が長くなるのを抑えることができるため、搬送時の基板Sの管理負担を低減することができる。
【0063】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図15は、本実施形態に係る基板処理装置FPA2の構成を示す断面図である。
図15に示すように、本実施形態では、チャンバー装置CBにポンプなどの圧力調整装置(圧力調整部)60が接続されており、チャンバー装置CBの内部の圧力を調整(例えば加圧、減圧)可能な構成となっている。チャンバー装置CBには、処理装置10として、例えば減圧環境下で処理を行うプラズマ装置12が設けられている。チャンバー装置CBの+Y側には差動排気室61及び62が設けられており、チャンバー装置CBの−Y側には差動排気室63及び64が設けられている。各差動排気室61〜64にもポンプが接続される。
【0064】
差動排気室61〜64は、それぞれ基板Sの−Z側に配置された第一部分61a〜64aと、基板Sの+Z側に配置された第二部分61b〜64bとを有している。差動排気室61〜64の第一部分61a〜64aは、チャンバー装置CBの第一部分CB1と一体的に設けられている(第三部分CB3)。差動排気室61〜64の第二部分61b〜64bは、チャンバー装置CBの第二部分CB2と一体的に設けられている(第四部分CB4)。第三部分CB3と第四部分CB4とは、Z方向に分離可能に設けられている。
【0065】
第三部分CB3と第四部分CB4との間には、シール機構65が設けられている。シール機構65は、第三部分CB3と第四部分CB4とが接続された状態において、各差動排気室61〜64の内部、チャンバー装置CBの内部と、基板Sとの間を封止可能な構成(エアタイト状態)となっている。
【0066】
図16は、シール機構65の構成を示す図である。
図16に示すように、シール機構65は、基板SをZ方向に挟む第一エアパッド機構65A及び第二エアパッド機構65Bと、第一エアパッド機構65Aを第二エアパッド機構65B側へ押圧する押圧機構70とを有している。
【0067】
第一エアパッド機構65Aは、−Z側に向けられた面にエア噴出口66a及びエア吸引口66bが設けられたパッド66と、例えば窒素ガスなどのエアを供給する不図示のエア供給部に接続される供給側接続部67と、不図示の吸引ポンプなどに接続される吸引側接続部68とを有している。エア噴出口66aは、パッド66内の流路を介して供給側接続部67に接続されている。エア吸引口66bは、パッド66内の流路を介して吸引側接続部68に接続されている。
【0068】
第二エアパッド機構65Bは、+Z側に向けられた面にエア噴出口166a及びエア吸引口166bが設けられたパッド166と、例えば窒素ガスなどのエアを供給する不図示のエア供給部に接続される供給側接続部167と、不図示の吸引ポンプなどに接続される吸引側接続部168とを有している。エア噴出口166aは、パッド166内の流路を介して供給側接続部167に接続されている。エア吸引口166bは、パッド166内の流路を介して吸引側接続部168に接続されている。
【0069】
本実施形態では、このような構成により、チャンバー装置CBの内部の圧力を調整する場合において、差動排気室が設けられているため、チャンバー装置CBの内部の圧力を安定させることができる。また、第三部分CB3、第四部分CB4及び基板Sの間を高い密閉度で閉塞することができるため、チャンバー装置CBや各差動排気室61〜64に異物が進入するのを防ぐことができる。
【0070】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
図17は、本実施形態に係る基板処理装置FPA3の構成を示す断面図である。
図17に示すように、チャンバー装置CBの第一部分CB1及び第二部分CB2のそれぞれには、収容室開閉機構SLが設けられている。収容室開閉機構SLは、第一部分CB1に取り付けられたスライド機構(開閉部)SL1と、第二部分CB2に取り付けられたスライド機構(開閉部)SL2とを有している。
【0071】
スライド機構SL1は、一対のスライド部材71a及び71bを有している。スライド部材71a及び71bは、X方向に移動可能に設けられている。スライド部材71a及び71bは、第一部分CB1の収容室RM1を開閉可能に設けられている。スライド部材71a及び71bが開いた状態では、収容室RM1が大気開放される。スライド部材71a及び71bが閉じた状態では、収容室RM1が密閉される。
【0072】
スライド部材71a及び71bが開いた状態において、スライド部材71aは第一部分CB1のフランジ部73に設けられたスライド収容部(収容部)73aに収容され、スライド部材71bは第一部分CB1のフランジ部74に設けられたスライド収容部(収容部)74aに収容される。このように、第一部分CB1は、第二部分CB2との接続に用いられるフランジ部73及び74がスライド部材71a及び71bの収容部を兼ねた構成となっている。
【0073】
スライド機構SL2は、一対のスライド部材72a及び72bを有している。スライド部材71a及び71bは、X方向に移動可能に設けられている。スライド部材72a及び72bは、第二部分CB2の収容室RM2を開閉可能に設けられている。スライド部材72a及び72bが開いた状態では、収容室RM2が大気開放されるが、スライド部材72a及び72bは、収容室RM2の減圧状態を維持するために機能する。スライド部材72a及び72bが閉じた状態では、収容室RM2が密閉される。
【0074】
スライド部材72a及び72bが開いた状態において、スライド部材72aは第二部分CB2のフランジ部75に設けられたスライド収容部(収容部)75aに収容され、スライド部材72bは第二部分CB2のフランジ部76に設けられたスライド収容部(収容部)76aに収容される。このように、第二部分CB2は、第一部分CB1との接続に用いられるフランジ部75及び76がスライド部材72a及び72bの収容部を兼ねた構成となっている。
【0075】
第一部分CB1には接続機構77が設けられている。接続機構77は、真空パッキング77a及びエアシール機構77bを有している。第二部分CB2には接続機構78が設けられている。接続機構78は、真空パッキング78a及びエアシール機構78bを有している。第一部分CB1及び第二部分CB2は、この接続機構77及び78によって密閉された状態で接続される構成となっている。
【0076】
また、第一部分CB1には昇降機構79が接続されており、第二部分CB2には昇降機構80が接続されている。この構成により、第一部分CB1及び第二部分CB2は、個別にZ方向に昇降可能である。なお、
図17においては図示を省略しているが、チャンバー装置CBの+Y側及び−Y側には、それぞれ差動排気室85及び86(
図18等参照)が一体的に取り付けられている。
【0077】
また、基板処理装置FPA3は、処理装置10として、第一部分CB1に収容された第一処理装置13と、第二部分CB2に収容された第二処理装置14とを有している。なお、第一処理装置13及び第二処理装置14のうち一方を省いた構成であっても構わない。第一部分CB1及び第二部分CB2には、それぞれ真空ポンプなどの圧力調整装置81及び82が接続されている。第一処理装置13及び第二処理装置14としては、例えば減圧環境下で処理を行うプラズマ装置などが設けられている。
【0078】
次に、上記のように構成された基板処理装置FPA3の動作を説明する。本実施形態では、基板Sに対して処理が終了した状態から、基板Sを交換する際の動作を例に挙げて説明する。
【0079】
図18は、基板Sに対する処理が完了した状態のチャンバー装置CBの様子を示している。基板Sに対する処理が完了した状態では、チャンバー装置CBの内部は減圧状態となっている。この状態で第一部分CB1と第二部分CB2とを分離させる場合、チャンバー装置CBの内部を大気圧に戻す必要がある。次の基板Sに対して処理を行う場合には、再度チャンバー装置CB内を減圧状態とする必要があるため、その分時間が掛かってしまう。
【0080】
そこで、本実施形態では、
図19に示すように、制御部CONTは、まず第二部分CB2に設けられたスライド部材72a及び72bを閉じた状態とする。この動作により、第二部分CB2の収容室RM2(
図17参照)が密閉され、収容室RM2の減圧状態が維持されることになる。
【0081】
スライド部材72a及び72bを閉じた後、又はスライド部材72a及び72bの閉動作と同時に、制御部CONTは、
図20に示すように、第一部分CB1に設けられたスライド部材71a及び71bを閉じた状態とする。この動作により、第一部分CB1の収容室RM1(
図17参照)も密閉され、収容室RM1の減圧状態が維持されることになる。この時点では、スライド部材71a及び71bとスライド部材72a及び72bとで挟まれた空間は減圧状態であるので、この空間のみを大気圧まで戻すような空圧系を作動させる。
【0082】
この状態で、制御部CONTは、差動排気室85及び86の圧力を大気圧に戻した後、
図21に示すように、第一部分CB1を−Z側に移動させ、この第一部分CB1と第二部分CB2とを分離させる。この動作により、スライド部材71a及び71bとスライド部材72a及び72bとで挟まれた空間が大気開放され、第一部分CB1の収容室RM1や第二部分CB2の収容室RM2は大気開放されない。
【0083】
第一部分CB1と第二部分CB2とを分離させた後、制御部CONTは、
図22に示すように、チャンバー装置CBの−X側に待機する基板送り出し機構5及び基板巻き取り機構6を+X方向に移動させ、新たな基板Sを第一部分CB1と第二部分CB2との間に配置させる。その後、制御部CONTは、第一部分CB1を+Z側に移動させて第一部分CB1と第二部分CB2とを接続させる。
【0084】
第一部分CB1と第二部分CB2とを接続させた後、制御部CONTは、スライド部材71a及び71bと、スライド部材72a及び72bとで挟まれた狭い空間に残存する大気を排気するよう空圧系を作動させ、その狭い空間が、第一部分CB1の収容室RM1内や第二部分CB2の収容室RM2内とほぼ同じ減圧状態になったら、スライド部材71a及び71bを開いた状態とすると共に、スライド部材72a及び72bを開いた状態とする。
なお、
図18〜
図22の基板送り出し機構5において、基板Sは、ロールの下側から引き出され、
図17における基板Sの処理面とは逆の面が処理される。
本実施形態では、第一部分CB1と第二部分CB2との分離や接続を、第一部分CB1のみの移動によって行っているが、第二部分CB2のみの移動によってまたは第一部分CB1及び第二部分CB2の移動によって行ってもよい。
【0085】
以上のように、本実施形態によれば、収容室RM1及びRM2の減圧状態を維持したまま新たな基板Sを搬入し、この基板Sに対して処理を開始することができる。これにより、スループットの高い基板処理装置FPA3が得られる。
【0086】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
図23Aは、本実施形態に係る差動排気装置(差動排気室)100の構成を示す図である。
図23Aに示すように、本実施形態では、差動排気装置100が単独で配置されているが、この差動排気装置100は
図18〜22に示した差動排気室85及び86としても組み込めるものである。この差動排気装置100は第一部分101と第二部分102とに分離可能な構成となっている。差動排気装置100は、Z方向に長手となるように形成されている。
【0087】
第一部分101には、この第一部分101の内部を2つの収容室101A及び101Bに仕切る仕切り部101Cが設けられている。また、第一部分101には、収容室101A及び収容室101Bをそれぞれ個別に開閉する開閉部材105及び106が設けられている。開閉部材105及び106が閉じた状態においては、収容室101A及び101Bは密閉された状態となる。
【0088】
第二部分102には、この第二部分102の内部を2つの収容室102A及び102Bに仕切る仕切り部102Cが設けられている。また、第二部分102には、収容室102A及び収容室102Bをそれぞれ個別に開閉する開閉部材107及び108が設けられている。開閉部材107及び108が閉じた状態においては、収容室102A及び102Bは密閉された状態となる。第二部分102は、第一部分101に比べてZ方向の寸法が大きくなるように形成されている。
【0089】
差動排気装置100は、収容室101A及び101Bの容積に比べて、収容室102A及び102Bの容積が大きくなっている。例えば基板Sを乾燥させるエアの吹き付け口を収容室102A及び102Bに配置させる構成としても構わない。また、収容室102A及び102Bの圧力を調整する圧力調整機構や、収容室102A及び102Bの雰囲気を調整する雰囲気調整機構などが設けられた構成であっても構わない。
【0090】
収容室101A及び101Bには、それぞれ基板Sを案内するローラー(又は
図3に示したような案内パッドGP)103及び104が設けられている。ローラー103及び104は、第二部分102の収容室102A及び102Bとの間に跨るようにZ方向に移動可能に設けられている。
【0091】
第一部分101と第二部分102との間には、シール機構109が設けられている。シール機構109は、先の
図16に示した構成と同様に、第一部分101の−Z側端面に設けられた第一パッド109aと、第二部分102の+Z側端面に設けられた第二パッド109bとを有している。第一パッド109a及び第二パッド109bは、基板Sを挟む位置に設けられている。第一パッド109a及び第二パッド109bは、先の
図16と同様に、表面に気体の層を形成する不図示の気体層形成部を有している。
【0092】
上記のように構成された差動排気装置100を用いる場合、
図23Bに示すように、基板Sを挟むように第一部分101と第二部分102とを接続させ、
図17で示したスライド部材71a、71b、72a、72bと同様に機能する開閉部材105〜108を開いた状態とする。その後、ローラー103及び104を−Z側に移動させる。この動作により、基板Sは第一パッド109aの気体層と第二パッド109bの気体層とで挟まれ、非接触の状態で保持されることになる。
【0093】
このように、本実施形態によれば、差動排気装置100をZ方向に長手に形成することにより、差動排気装置100の設置面積を小さくすることができる。この場合、容積の大きい収容室102A及び102Bの圧力や雰囲気を維持しつつ、差動排気装置100を第一部分101と第二部分102とに分離させることができ、基板Sの搬入時の差動排気装置100内の圧力や雰囲気の再設定を省略又は再設定に掛かる時間を削減することができる。このため、基板Sに対して効率的な処理が可能となる。
【0094】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、
図8、
図9に示した第一実施形態において、案内ローラーGR1、GR2、GR5及び案内パッドGPがZ方向に沿って移動する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、
図24のような変形が可能である。
【0095】
図24に示すように、案内ローラーGR1、GR2、GR5及び案内パッドGPをθX方向に傾いた位置に移動する構成とする。これらの案内ローラーGR1、GR2、GR5及び案内パッドGPが移動すると、
図25に示すように、上記第一実施形態における構成に比べて、Z方向にスペースを節約することができる。
【0096】
なお、基板Sを転写ローラー11aに押圧する3つの案内ローラーGR1の位置関係は、第一実施形態における案内ローラーGR1の位置関係と同一となっている。このため、転写ローラー11aによって基板Sに塗布膜が転写される際の条件は、第一実施形態における条件と同様になる。
【0097】
また、
図26に示すように、3つの案内ローラーGR1の各軸受同士が固定部材200によって固定された構成であっても構わない。この場合、
図27に示すように、転写ローラー11aの回転軸回りに固定部材200の角度位置を調整することにより、転写ローラー11aの任意の位置に基板Sを接触させることができる。このため、例えば塗布液の種類に応じて、膜厚調整部11cにより近い位置に基板Sを接触させることができる。これにより、転写ローラー11aに付着した塗布液が乾燥しない間に基板Sに転写することができる。
【0098】
また、例えば
図28に示すように、チャンバー装置CBの通過部26及び通過部27のうち少なくとも一方に基板Sを検出する光センサ300を配置させる構成としても構わない。
【0099】
また、例えば
図28に示すように、チャンバー装置CB内にX方向に乾燥気体を噴射する噴射部303を有する乾燥部305が設けられた構成であっても構わない。この場合、乾燥部305に、噴射部303から転写ローラー11a側への乾燥気体の流れを規制する気流調整板(気流調整部)301を設けてもよい。
【0100】
また、案内ローラーGR2と第二部分CB2の+Z側の壁部(天井部)との間には、案内ローラーGR2の移動に応じて伸縮する蛇腹部302が設けてもよい。この蛇腹部302は、案内パッドGPと第一部分CB1の−Z側の壁部(底部)との間にも設けてもよい。このような構成により、基板Sが案内ローラーGR2と案内パッドGPとに掛けられた状態では、基板Sの経路に沿う位置に伸長した蛇腹が配置されることになる。このため、この蛇腹部302によってY方向への気流が規制されることになる。このように、気流調整板301や蛇腹部302を配置することにより、乾燥気体の流路や気流を調整することができる。
【0101】
また、
図29に示すように、チャンバー装置CBに対して基板Sの移動方向(Y方向)の側方にサブチャンバー装置(予備処理部)SCBが配置された構成であっても構わない。サブチャンバー装置SCBは、チャンバー装置CBと同一の構成となっている。また、サブチャンバー装置SCBには、チャンバー装置CBに収容される構成要素(処理装置10を含む)と同一の構成要素が収容される。このため、チャンバー装置CBを停止させる場合であっても、チャンバー装置CBにおける処理と同一の処理をサブチャンバー装置SCBにおいて行うことができる。この場合、通常はチャンバー装置CBで処理し、処理が終了した基板Sは、サブチャンバー装置SCBをすり抜けて+X方向に出て行くが、チャンバー装置CBを止めてインク充填をするときは、基板Sはチャンバー装置CBをすり抜けてサブチャンバー装置SCBで処理されるように、切り替えられる。