【実施例】
【0046】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
【0047】
[膜形成用塗布液の調製]
<実施例1>
KAYARAD(登録商標)DPEA−12(日本化薬株式会社製、分子量:1080)(以下、本明細書では「DPEA−12」と略称する。)5gにDAROCUR(登録商標)1173(BASFジャパン株式会社製)(以下、本明細書では「DAROCUR1173」と略称する。)を1g(DPEA−12の総質量に対して20phr)加え、インプリント材料PNI−A1を調製した。本実施例において、DPEA−12は(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EO(エチレンオキサイドユニット)が12個である。DAROCUR1173は(B)成分に該当する。
【0048】
<実施例2>
実施例1のDPEA−12をNKエステルATM−4E(新中村化学工業株式会社製、分子量:529)(以下、本明細書では「ATM−4E」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A2を調製した。本実施例において、ATM−4Eは(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが4個である。
【0049】
<実施例3>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−TMPT−3EO(新中村化学工業株式会社製、分子量:428)(以下、本明細書では「A−TMPT−3EO」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A3調製した。本実施例において、A−TMPT−3EOは(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが3個である。
【0050】
<実施例4>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−TMPT−9EO(新中村化学工業株式会社製、分子量:692)(以下、本明細書では「A−TMPT−9EO」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A4を調製した。本実施例において、A−TMPT−9EOは(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが9個である。
【0051】
<実施例5>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−BPE−20(新中村化学工業株式会社製、分子量:1216)(以下、本明細書では「A−BPE−20」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A5を調製した。本実施例において、A−BPE−20は(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが17個である。
【0052】
<実施例6>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−BPE−10(新中村化学工業株式会社製、分子量:776)(以下、本明細書では「A−BPE−10」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A6を調製した。本実施例において、A−BPE−10は(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが10個である。
【0053】
<実施例7>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−BPE−4(新中村化学工業株式会社製、分子量:512)(以下、本明細書では「A−BPE−4」と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A7を調製した。本実施例において、A−BPE−4は(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが4個である。
【0054】
<実施例8>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−400(新中村化学工業株式会社製、分子量:508)(以下、本明細書では「A−400」と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A8を調製した。本実施例において、A−400は(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが9個である。
【0055】
<実施例9>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−200(新中村化学工業株式会社製、分子量:308)(以下、本明細書では「A−200」と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A9を調製した。本実施例において、A−200は(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが4個である。
【0056】
<実施例10>
実施例1のDPEA−12をNKエステル1G(新中村化学工業株式会社製、分子量:198)(以下、本明細書では「1G」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−A10を調製した。本実施例において、1Gは(A)成分に該当し、その1分子当たりのアルキレンオキサイドユニットの数は、EOが1個である。
【0057】
<実施例11>
KAYARAD(登録商標)DPHA(日本化薬株式会社製、分子量:552)(以下、本明細書では「DPHA」と略称する。)4.5gにA−400を0.5g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、10質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A11を調製した。本実施例及び後述する実施例12乃至17において、A−400は(A)成分に該当し、DPHAは炭素原子数2または3のアルキレンオキサイドユニットを有さない(A´)成分に該当し、DAROCUR1173は(B)成分に該当する。
【0058】
<実施例12>
DPHA4gにA−400を1g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、20質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A12を調製した。
【0059】
<実施例13>
DPHA3.5gにA−400を1.5g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、30質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A13を調製した。
【0060】
<実施例14>
DPHA2.5gにA−400を2.5g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、50質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A14を調製した。
【0061】
<実施例15>
DPHA1.5gにA−400を3.5g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、70質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A15を調製した。
【0062】
<実施例16>
DPHA1gにA−400を4g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、80質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A16を調製した。
【0063】
<実施例17>
DPHA0.5gにA−400を4.5g(DPHAとA−400の合計100質量部の内、90質量部)、DAROCUR1173を1g(DPHA及びA−400の総質量に対して20phr)を加え、インプリント材料PNI−A17を調製した。
【0064】
<実施例18>
A−TMPT−9EO2.5gにエポリード(登録商標)GT−401(ダイセル化学工業(株)製、分子量:675)(以下、本明細書では「GT−401」と略称する。)を2.5g、DAROCUR1173を0.5g(A−TMPT−9EOに対して20phr)、IRGACURE PAG103を0.1g(GT−401に対して4phr)を加え、インプリント材料PNI−A18を調製した。本実施例において、A−TMPT−9EOは(A)成分に該当し、GT−401は必要に応じて含有することができるエポキシ化合物に該当し、DAROCUR1173は(B)成分に該当し、IRGACURE PAG103は必要に応じて含有することができる光酸発生剤に該当する。
【0065】
<比較例1>
実施例1のDPEA−12をDPHAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B1を調製した。本比較例において、DPHAは(A´)成分に該当する。
【0066】
<比較例2>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−DPH(新中村化学工業株式会社製)(以下、本明細書では「A−DPH」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B2を調製した。本比較例において、A−DPHは(A´)成分に該当する。
【0067】
<比較例3>
実施例1のDPEA−12をNKエステルA−TMPT(新中村化学工業株式会社製)(以下、本明細書では「A−TMPT」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B3を調製した。本比較例において、A−TMPTは(A´)成分に該当する。
【0068】
<比較例4>
実施例1のDPEA−12をKAYARAD(登録商標)PET−30(日本化薬株式会社製)(以下、本明細書では「PET−30」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B4を調製した。本比較例において、PET−30は(A´)成分に該当する。
【0069】
<比較例5>
実施例1のDPEA−12をペンタエリスリトールトリアクリレート(アルドリッチ社製)(以下、本明細書では「PTA」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B5を調製した。本比較例において、PTAは(A´)成分に該当する。
【0070】
<比較例6>
実施例1のDPEA−12をKAYARAD(登録商標)NPGDA(日本化薬株式会社製)(以下、本明細書では「NPGDA」と略称する。)に変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B6を調製した。本比較例及び後述する比較例7乃至13において、NPGDAは(A´)成分に該当する。
【0071】
<比較例7>
実施例11のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B7を調製した。
【0072】
<比較例8>
実施例12のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B8を調製した。
【0073】
<比較例9>
実施例13のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B9を調製した。
【0074】
<比較例10>
実施例14のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B10を調製した。
【0075】
<比較例11>
実施例15のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B11を調製した。
【0076】
<比較例12>
実施例16のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B12を調製した。
【0077】
<比較例13>
実施例17のA−400をNPGDAに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−B13を調製した。
【0078】
[光インプリント]
インプリント装置は、NM−0801HB(明昌機構株式会社製)を使用した。実施例1乃至実施例18並びに比較例1乃至比較例13で調製したインプリント材料から作製した各光インプリント用膜をパターニング試験した。用いたモールドはシリコン製であり、パターンは100nmのラインアンドスペースパターン(以下、本明細書では「L/S」と略称する。)及び直径100nmのドットパターン(以下、本明細書では「Dot」と略称する。)の2種類を使用した。モールドは事前にオプツール(登録商標)HD(ダイキン工業株式会社製)に浸漬し、温度が90℃、湿度が90RH%の高温高湿装置を用いて1時間処理し、純水でリンス後、エアーで乾燥させたものを使用した。
【0079】
[スチールウール擦傷試験]
試験機は大栄精機(有)製を使用し、♯0000のスチールウールを使用した。荷重は82gとし、そのスチールウールを10往復させた。
擦傷後の傷本数について以下のように示した結果を表1に示す。
0〜5本:A
6〜10本:B
11〜20本:C
21〜30本:D
31〜40本:E
41本以上:F
【0080】
実施例1で得たPNI−A1をガラス基板上にスピンコートし、シリコン製モールドを接着させた状態で、光インプリント装置に設置した。光インプリントは、常時23℃の条件で、a)10秒間かけて1000Nまで加圧、b)高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm
2の露光、c)10秒間かけて除圧、d)モールドと基板を分離して離型、というシーケンスで行い、L/S及びDotが転写された膜をそれぞれ得た。そしてそれぞれの膜について、スチールウール擦傷試験を行った。このとき、L/Sについてはラインと垂直方向に擦傷試験を行った。そして試験後の傷本数を観察した。
【0081】
実施例2で得たPNI−A2を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0082】
実施例3で得たPNI−A3を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0083】
実施例4で得たPNI−A4を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0084】
実施例5で得たPNI−A5を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0085】
実施例6で得たPNI−A6を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0086】
実施例7で得たPNI−A7を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0087】
実施例8で得たPNI−A8を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0088】
実施例9で得たPNI−A9を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0089】
実施例10で得たPNI−A10を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0090】
実施例11で得たPNI−A11を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0091】
実施例12で得たPNI−A12を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0092】
実施例13で得たPNI−A13を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0093】
実施例14で得たPNI−A14を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0094】
実施例15で得たPNI−A15を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0095】
実施例16で得たPNI−A16を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0096】
実施例17で得たPNI−A17を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0097】
実施例18で得たPNI−A18を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリントを行った。そしてL/S及びDotが転写された膜についてそれぞれ100℃で2分間の焼成を行った後にスチールウール擦傷試験を行った。
【0098】
比較例1で得たPNI−B1を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0099】
比較例2で得たPNI−B2を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0100】
比較例3で得たPNI−B3を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0101】
比較例4で得たPNI−B4を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0102】
比較例5で得たPNI−B5を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0103】
比較例6で得たPNI−B6を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0104】
比較例7で得たPNI−B7を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0105】
比較例8で得たPNI−B8を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0106】
比較例9で得たPNI−B9を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0107】
比較例10で得たPNI−B10を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0108】
比較例11で得たPNI−B11を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0109】
比較例12で得たPNI−B12を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0110】
比較例13で得たPNI−B13を使用した以外は上記実施例1で得たインプリント材料を用いた方法と同様の方法で、光インプリント及びスチールウール擦傷試験を行った。
【0111】
【表1】
【表2】
【0112】
表1の結果から、実施例1乃至実施例18はいずれもスチールウール擦傷試験後に発生する傷の本数は10本以下であり、耐擦傷性が確認された。一方、比較例1乃至比較例13はいずれも傷が多数発生し、十分な耐擦傷性は見られなかった。以上の結果から、本発明のインプリント材料を基材に塗布して得られる膜は、インプリント後も耐擦傷性を有するものとなる。