特許第6016186号(P6016186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016186
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】棒状体切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/06 20060101AFI20161013BHJP
   B26D 3/16 20060101ALI20161013BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B26D1/06 Z
   B26D3/16 A
   B26D3/00 601A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-92271(P2012-92271)
(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公開番号】特開2013-220494(P2013-220494A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147968
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 由里子
(72)【発明者】
【氏名】小池 和權
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭44−013191(JP,B1)
【文献】 実開平01−155115(JP,U)
【文献】 特開2000−343320(JP,A)
【文献】 特公昭44−025275(JP,B1)
【文献】 米国特許第04191078(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/06
B26D 3/00
B26D 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に搬送されてくる棒状体を切断する棒状体切断装置であって、
搬送方向に向かって延びる貫通孔を有する支持部材と、
前記支持部材の前記棒状体搬送方向下流側に配置され、該支持部材の下流側面に沿って前記貫通孔を横切るように摺動し、前記貫通孔の開口端との間に棒状体を挟持して切断する切断刃と、を備え、
前記支持部材が複数設けられ、複数の棒状体が同時に切断される、
ことを特徴とする棒状体切断装置。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記棒状体の搬送方向下流に向かって先細りしている、
請求項1に記載の棒状体切断装置。
【請求項3】
前記切断刃が、平刃である、
請求項1または2に記載の棒状体切断装置。
【請求項4】
前記切断刃が、前記棒状体が通る貫通孔を備え、該貫通孔が前記支持部材の貫通孔と整列した状態で、前記棒状体が前記支持部材の貫通孔から該切断刃の貫通孔に挿通され、該切断刃が前記支持部材の下流側面に沿って前記貫通孔を横切るように摺動することによって、前記切断刃の貫通孔が前記支持部材の下流側面によって閉鎖され、前記棒状体の切断が行われる、
請求項1または2に記載の棒状体切断装置。
【請求項5】
前記切断刃の貫通孔が、前記棒状体の搬送方向上流側に向かって先細りしている、
請求項4に記載の棒状体切断装置。
【請求項6】
前記切断刃の貫通孔の前記搬送方向上流側の開口部の直径が、前記支持部材の前記搬送方向下流側の開口部の直径より大径である、
請求項5に記載の棒状体切断装置。
【請求項7】
前記支持部材を前記切断刃に向けて付勢する付勢手段を備えている、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の棒状体切断装置。
【請求項8】
前記支持部材の下流側面に沿った前記切断刃の摺動を案内する案内手段を備えている、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の棒状体切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状体切断装置に関し、詳細には、ロッドレンズ、光ファイバーのような棒状体を切断するための切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続的に製造される屈折率分布型ロッドレンズ、光ファイバー等の小径の棒状体の製造では、連続的に製造される棒状体を順次、所定長に切断していく棒状体切断工程が必要とされる場合がある。
【0003】
このような切断として、上流の製造装置から連続的に繰り出されてくる棒状体を、「まな板」に上方から切断刃を降下させることによって切断する手法がある。
しかしながら、この方法では、棒状体は、降下する切断刃の下方に生じる割れ目によって、割れながら切断(割断)されるため、切断面が平滑な面とならず、切断された棒状体は所望の性能を発揮できないという問題があった。さらにこの方法は微小破断くずが発生し、次工程の精密配列工程に支障をきたすという問題があった。
【0004】
また、ガイド本体に形成されたガイド孔を通過させた光ファイバーを、ガイド本体に沿って摺動する切断刃と、切断刃の下方に配置された支持刃との間で切断する切断装置が提案されている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−306204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の切断装置は、棒状体である光ファイバーを、上下2枚の刃(切断刃と支持刃)の間で切断する装置であるため、切断時に、切断刃と支持刃との刃先が上下に整列するように正確に位置決めされている必要がある。
しかしながら、所望の精度で、この位置決めを行うことは容易ではなく、位置決めが適正に行われていないと、切断された棒状体の切断面に「ささくれ」や、「欠け」が生じるという問題、さらに、切断時に棒状体が跳ねるという問題があった。切断すべき光ファイバーの本数が増加するに従い調整はさらに困難なものになる。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、簡単な機構で、切断面に「ささくれ」や「欠け」等が生じない棒状体切断装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
連続的に搬送されてくる棒状体を切断する棒状体切断装置であって、
搬送方向に向かって延びる貫通孔を有する支持部材と、
前記支持部材の前記棒状体搬送方向下流側に配置され、該支持部材の下流側面に沿って前記貫通孔を横切るように摺動し、前記貫通孔の開口端との間に棒状体を挟持して切断する切断刃と、を備え、
前記支持部材が複数、設けられ、複数の棒状体が同時に切断される、
ことを特徴とする棒状体切断装置が提供される。
【0009】
このような構成によれば、切断刃の位置決めが容易であり、簡単な機構で、切断面に「ささくれ」や「欠け」等が生じない棒状体の切断が可能となる。
【0010】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記貫通孔は、前記棒状体の搬送方向下流に向かって先細りしている。
このような構成によれば、連続的に搬送されてくる棒状体が確実に支持部材の貫通孔に通される。さらに切断後の棒状体の先端部分が刃物に引っかかり棒状体の搬送トラブルを引き起こす懸念が無い。
【0011】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記切断刃が、平刃である。
【0012】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記切断刃が、前記棒状体が通る貫通孔を備え、該貫通孔が前記支持部材の貫通孔と整列した状態で、前記棒状体が前記支持部材の貫通孔から該切断刃の貫通孔に挿通され、該切断刃が前記支持部材の下流側面に沿って前記貫通孔を横切るように摺動することによって、前記切断刃の貫通孔が前記支持部材の下流側面によって閉鎖され、前記棒状体の切断が行われる。
【0013】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記切断刃の貫通孔が、前記棒状体の搬送方向上流側に向かって先細りしている。
【0014】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記切断刃の貫通孔の前記搬送方向上流側の開口部の直径が、前記支持部材の前記搬送方向下流側の開口部の直径より大径である。
【0015】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記支持部材を前記切断刃に向けて付勢する付勢手段を備えている。
このような構成によれば、切断刃が確実に支持部材の下流側面に当接するので、支持部材と切断刃を確実に所定の相対位置関係に配置することができる。
【0016】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記支持部材の下流側面に沿った前記切断刃の摺動を案内する案内手段を備えている。
このような構成によれば、支持部材と切断刃と相対移動の軌跡が一定になり、支持部材と切断刃を確実に所定の相対位置関係に配置することができる。
【発明の効果】
【0018】
このような構成を有する本発明によれば、刃先の精密な調整を必要とせず、簡単な機構で、切断面に「ささくれ」や「欠け」さらに「微小破断くず」等が生じない複数の棒状体切断方法および装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態の棒状体切断装置における切断刃と支持部材との間で切断される状態を模式的に示す断面図である。
図2】本実施形態の棒状体切断装置で使用される支持部材を裏面側から見た斜視図である。
図3図2の支持部材を表面側から見た斜視図である。
図4】支持部材を所定位置に保持する保持具の表面側からの斜視図である。
図5】保持具の裏面側からの斜視図である。
図6a】切断刃が上方位置に配置された状態を示す図面である。
図6b】切断刃および保持具に支持された支持部材を示す、棒状体切断時の棒状体切断装置の状態を模式的に示す断面図である。
図7】本発明の第2の実施形態の棒状体切断装置で使用される切断刃の表面側からの斜視図である。
図8図7の切断刃の裏面側からの斜視図である。
図9】第2の実施形態において、上方位置に配置された切断刃と支持部材の位置関係を示す模式的な断面図である。
図10】第2の実施形態において、下方位置に配置された切断刃と支持部材の位置関係を示す模式的な断面図である。
図11】第2の実施形態において、切断刃および保持具に支持された支持部材を示す、切断刃が上方位置に配置された状態の棒状体切断装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の第1の実施形態の棒状体切断装置について説明する。
【0021】
本実施形態の棒状体切断装置は、上流側の紡糸装置で連続的に製造され、連続的に供給される8本のプラスチック製の屈折率分布型ロッドレンズ原糸を同時に所定長に切断するロッドレンズ原糸(棒状体)切断装置である。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態の棒状体切断装置において同時に切断される8本のロッドレンズ原糸のうちの1本が、切断刃と支持部材との間で切断される状態を模式的に示す断面図であり、図2は、本実施形態の棒状体切断装置で使用される支持部材の裏面側(連続的に供給される棒状体の上流側)から見た斜視図であり、図3は、図2の支持部材を表面側(連続的に供給される棒状体の下流側)から見た斜視図である。
【0023】
図1に示されているように、切断装置1は、断続的に(すなわち所定時間または所定長搬送に1回の割合で)図中の両矢印で示す方向に沿って上下動する切断刃2によって、上流側の紡糸装置で連続的に製造され支持部材4に一定速度で連続的に図中の片矢印で示す方向に沿って供給されてくるロッドレンズ原糸6(棒状体)を所定長に切断していく装置である。なお、このように支持部材が固定され、切断刃が上下動してもよいし、逆に切断刃が固定され、支持部材が上下動してもかまわない。
なお、本実施形態では、棒状体であるロッドレンズ原糸6は、紫外線硬化性の溶融樹脂材料を紡糸して得られる所謂屈折率分布型のロッドレンズ原糸である。
【0024】
図2に示されるように、支持部材4は、略八角形の金属製板状部材であり、中央部に截頭円錐形の凹部8が設けられている。
【0025】
支持部材4の切断刃2と接する側の面(表面)12には、切削刃の摺動による磨耗を低減するため、上下方向(切断刃2の上下動する方向)に延びる断面矩形状の畝状の隆起部18が幅方向中央部に設けられている。
凹部8は、支持部材4の裏面(前記表面12の反対側の面)10から表面12に貫通しており、裏面10には大径の開口14が、表面12には小径開口16が形成されている。したがって、支持部材4においては、凹部8は、裏面10から表面12に貫通して先細りしながら延びる截頭円錐形の貫通孔8となっている。そして、この貫通孔8には、図1に示されているように、切断するロッドレンズ原糸6が挿通される。
【0026】
本実施形態では、支持部材4の貫通孔8の傾斜面と、表面12とのなす角度は、30度〜60度程度であることが好ましい。
【0027】
本実施形態の棒状体切断装置1では、このような構成を有する8つの支持部材4が保持具内に並列配置され、それぞれの支持部材4の貫通孔8に、上流側の紡糸装置で製造され並列状態で連続的に搬送されてくる8本のロッドレンズ原糸6が、1本ずつ挿通され、断続的に切断される。
【0028】
図4は、支持部材4を所定位置に保持する保持具の表面側からの斜視図であり、図5は保持具の裏面側からの斜視図である。
保持具20は、細長い矩形状の金属製の板であり、図4に示されるように、一方の面(表面)の上方部分には、支持部材4を収容する8つの凹部22が所定間隔で長手方向に整列されて設けられている。
【0029】
凹部22の底面24には、バネを収容するための貫通していない穴(座ぐり穴)28が上下2箇所に設けられている。この穴は、左右2箇所または斜め方向左右2箇所に設けてもよい。
更に、底面24の中心には、ロッドレンズ原糸6が挿通される断面円形の貫通孔30が設けられ、貫通孔30は、保持具20の裏面に開口している。貫通孔30は、図6bに示すように、保持具20の表面側よりも裏面側で径が大きくなるようにテーパ部分を有しているが、表面側と裏面側で径が同じ大きさであってもよい。
貫通孔30の径の大きさは、特に制限されないが、支持部材4の裏面10の大径の開口14の径の大きさと略同じであるか、または小さいことが好ましい。
【0030】
図6bに示すように、本実施形態の棒状体切断装置1では、支持部材4は、裏面10が保持具20の凹部22の底面24と向い合うように凹部22内に嵌め込まれる。すなわち、支持部材4は、表面12を外方(片矢印で示されるロッドレンズ原糸6の搬送方向下流方向)に向ける向きで、保持具20に嵌め込まれることになる。このとき、支持部材4は、畝状の隆起部18が上下方向に延びる上下方向の配向とされる。
凹部22内に嵌め込まれた支持部材4は、裏面10が保持部20の凹部22の底面24から間隔を隔てられるように、底面24に設けられている穴28に収容されたバネ26によって外方に向けて付勢される。
【0031】
切断刃2は、保持具20の長さと略等しい長さを有する細長い矩形板状であり、一側端に所謂「平刃」の1枚の刃部32が形成されている。刃部32は、板状の切断刃2の一側縁において、一方の面35が他方の面33に対し所定角度(例えば22.5度)をなすように配置されて形成されている。
【0032】
このような切断刃2は、図示しない上下動機構によって、断続的に(すなわち所定時間または所定長搬送に1回の割合で)、支持部材4の表面12に沿って摺動しながら上方位置と下方位置との間で上下動可能とされている。
【0033】
上方位置(図6)は、切断刃2の下端側部分が、保持具20の凹部内に収容された各支持部材4の上部に重なり、凹部22内でバネによって外方に付勢されている支持部材4が凹部22から押し出されることが防止されるように設定されている。
【0034】
また、下方位置は、切断刃2の刃部が、保持具20の凹部内に収容された各支持部材4の表面12に形成された小径開口16より下方に配置されるように設定されている。
したがって、切断刃2が上方位置から下方位置に移動する際には、切断刃の刃部が、支持部材4の表面12に形成された小径開口16を上下方向に横切ることになる。
【0035】
切断刃が平刃の場合、支持部材の切断刃との摺動部分に畝状の隆起部を設けることにより切断刃の磨耗を畝部のみの局部磨耗に押えることができ、平刃を横方向にシフトし新しい刃部を使用することで刃物の寿命による交換までの使用回数を長く取ることができ低コストにつながる。
【0036】
本実施形態の棒状体切断装置1は、切断刃2の上方位置から下方位置への周期的な移動によって、切断刃2の刃部32が支持部材4の表面12に設けられた小径開口16を周期的に横切って閉鎖し、棒状体切断装置1に一定速度で連続的に供給され、各小径開口16から所定長だけ突出している合計8本のロッドレンズ原糸6を、各支持部材4の小径開口16の縁部との間で同時に切断するように構成されている(図1)。
【0037】
このとき、各支持部材4は、バネによって切断刃2に押圧されているので、各支持部材4と切断刃2との間には、常に、一定の接触状態が維持され、ロッドレンズ原糸の切断が行われることになる。
【0038】
次に本発明の第2の好ましい態様の棒状体切断装置の説明をする。
上述した第1の実施形態では、1枚の切断刃で8本のロッドレンズ原糸を同時に切断する構成であったが、第2実施形態の切断装置では、8つの支持部材のそれぞれと対となる8つの切断刃が独立して設けられ、対となったそれぞれの支持部材と切断刃の間で、ロッドレンズ原糸の切断が行われる。
【0039】
図7は、本発明の第2の実施形態の棒状体切断装置で使用される切断刃の表面側からの斜視図であり、図8は、図7の切断刃の裏面側からの斜視図である。
【0040】
図7および図8に示されるように、本実施形態で使用される切断刃34は、支持部材4と同様の金属製の略八角形の板状部材である。
【0041】
本実施形態の切断刃34にも、第1の実施形態の支持部材と同様に、中央部に截頭円錐形の凹部36が設けられている。凹部36は、切断刃34の表面38から裏面40に貫通しており、表面38には大径の開口42を、裏面40には小径開口44が形成されている。したがって、切断刃34には、表面38から裏面40に貫通して先細りしながら延びる截頭円錐形の貫通孔36が形成されていることになる。
【0042】
本実施形態の棒状体切断装置においても、上記第1の実施形態の棒状体切断装置で使用された支持部材と同一の支持部材が使用されている。本実施形態で使用される切断刃34は、裏面40に形成された小径開口44の直径が、支持部材4の小径開口の直径より大きくなるように構成されている。また、図11に示すように、第1の実施形態において上記説明したのと同様に、支持部材4を保持具20によって保持することができる。
【0043】
本実施形態の棒状体切断装置では、切断刃34は、裏面40が支持部材4の表面に接し、且つ貫通穴が重なるように、保持具の凹部に収容された支持部材4に対して配置され、所定時間または所定長搬送毎に下方位置に移動し、その後、上方位置に戻る。
次に、本実施形態の棒状体切断装置46の動作を説明する。
図9は、上方位置に配置された切断刃と支持部材の位置関係を示す模式的な断面図であり、図10は、下方位置に配置された切断刃と支持部材の位置関係を示す模式的な断面図である。
【0044】
本実施形態では、図9に示される切断刃の上方位置は、切断刃34の貫通孔36の中心と、支持部材の貫通孔8の中心とが整列するように設定されている。この切断刃が上方位置に配置された状態では、図中の片矢印で示す方向に沿って連続的に搬送されてくるロッドレンズ原糸は、整列した支持部材の貫通孔8および切断刃34の貫通孔36を通過して下流側に搬送される。
【0045】
所定時間が経過して、所定長のロッドレンズ原糸が、切断刃34より下流側に搬送されると、切断刃が図9に示された下方位置に移動され、ロッドレンズ原糸が切断される。その後、切断刃は上方位置に戻される。
【0046】
このような切断刃の上下動を繰り返すことによって、連続的な搬送されてくるロッドレンズ原糸が、所定長に切断される。
【0047】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0048】
上述した実施形態において、切断刃を上方から下方に摺動させているが、下方から上方に摺動させてもよい。なお、本発明においては切断刃が固定、支持部材が移動する構成または両方が移動してもかまわない。
【0049】
また、上記各実施形態は、8本のロッドレンズ原糸を同時に切断する構成であるが、支持部材の台数を変更し、他の本数のロッドレンズ原糸を同時に切断する構成でもよい。また、1本のロッドレンズ原糸を切断する構成でもよい。
【符号の説明】
【0050】
1:切断装置、2:切断刃、4:支持部材、6:ロッドレンズ原糸、8:凹部、10:裏面、12:表面、14:大径開口、16:小径開口、18:隆起部、20:保持具、22:凹部、24:底面、26:バネ、28:穴、30:貫通孔、32:刃部、34:切断刃、36:凹部、38:裏面、40:表面、42:大径開口、44:小径開口、46:切断装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11