(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
この種のフック付き物品収納具としては、例えば特許文献1に記載のものが提案されている。特許文献1に記載のものは、
図16に示すように、物品として防虫剤を収納する本体100に、洋服ダンスやクローゼットの棚板110に本体100を吊り下げるためのフック101が一体に設けられており、フック101の上腕片102と支持片103とで棚板110を挟むことで、本体100が棚板110に取り付けられる。しかしながら、この特許文献1に記載のものでは、棚板110の先端が突き当たるフック101の折り返し位置Rが、本体100の幅方向の略中央に位置している。よって、本体100が棚板110に取り付けられた時、本体100の一部分が棚板110の外側に突き出てしまい、この突出部分が洋服ダンスなどを使用する場合に邪魔になるという問題がある。
【0003】
そこで、フック101の折り返し位置Rを本体100の幅方向一端に位置させたフック付き物品収納具が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載のものでは、
図17に示すように、フック101は、棚板110の先端が突き当たる屈曲部104の折り返し位置Rが本体100の幅方向一端に位置しているとともに、先端部105が本体100の幅方向他端まで延びている。本体100は、フック101の先端部105と下部分106とで棚板110を挟むことで、棚板100に対して奥深く位置するように取り付けられる。よって、本体100が棚板110の外側に突き出るのが防止されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載のものでは、フック101の先端部105が本体100の幅方向他端まで延びているので、棚板110への取り付け時にフック101が棚板110の奥に入り込む。そのため、棚板110上に収容物を載置する際にフック101が邪魔になるという問題がある。一方で、フック101の先端部105までの長さを短くすると、フック101による棚板110に対する挟持範囲が狭くなる(フック101により挟持する棚板110の先端からの距離が短くなる)ために、本体100が棚板110から簡単に脱落するおそれがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであり、本体が棚板などの被取付部材に取り付けられた時に被取付部材の外側に突き出ることがないうえ、フックの先端部が被取付部材の奥に入り込むことのないフック付き物品収納具を提供することを目的とする。また、冷蔵庫などに設けられる棚板は、その先端が単なる平坦な板状ではなく、棚板上に載置された収容物が棚板から転落するのを防止するために、その先端の上面が隆起した形状になっているのが一般的である。よって、このような棚板などの先端の形状によらずに、本体を棚板などにしっかりと取り付けることができるフック付き物品収納具を提供することも本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、内部に物品を収納可能な本体と、 前記本体に設けられ、前記本体を板状の被取付部材に取り付けるためのフックと、を備え、 前記フックは、被取付部材の先端が突き当たる屈曲部と、前記屈曲部に連設され前記本体とで被取付部材を挟持する係合部とを有し、
前記屈曲部は、前記本体の上端部に接続されており、前記屈曲部
の折り返し位置が、前記本体の上下方向と直交する幅方向において、前記本体の外側に位置しており、
前記係合部は、被取付部材の上面と当接する先端部を有し、前記係合部の先端部には、前記屈曲部側を向く突起が設けられている、フック付き物品収納具によって達成される。
【0008】
本発明の好ましい実施態様においては、前記係合部は、その先端に位置する先端部が前記本体の幅方向の中央位置よりも前記屈曲部側に位置していることを特徴としている。
【0009】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記本体は、偏平状に形成されるとともに、少なくとも上端部の上端面が平坦面に形成され、前記屈曲部は、前記本体の前記上端部に接続される接続部を有し、前記接続部は、前記本体の前記上端部の上端面と面一になるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記屈曲部は、湾曲状に折り返す円弧状面を備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記係合部は、前記本体に向けて下方に傾斜していることを特徴としている。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記係合部の先端部には、前記屈曲部側を向く突起が設けられていることを特徴としている。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記係合部の先端部および前記突起の少なくとも一方は、被取付部材と当接する下端部が凸形状に形成されていることを特徴としている。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記本体は、表枠体と裏枠体とからなり、前記表枠体および前記裏枠体を開閉させることで、物品を両面から挟んで収納するように構成されており、前記フックが前記表枠体または前記裏枠体のいずれか一方に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るフック付き物品収納具によると、板状の被取付部材の先端が突き当たる屈曲部の折り返し位置が、物品を収納する本体の幅方向外側に位置しているので、被取付部材への取り付け時に、本体が被取付部材の外側に突き出ることを防止できる。よって、冷蔵庫などに使用する場合、被取付部材に取り付けられた本体が邪魔になることがない。そのうえ、フックが被取付部材の奥に入り込むことを防止できるので、例えば被取付部材上に収容物を載置する際にフックが邪魔になることも防止できる。さらに、フックの係合部を本体に向けて下方に傾斜するように形成したり、屈曲部の折り返し位置付近を円弧状面に形成したりすることにより、被取付部材の先端の形状によらずに、本体を被取付部材にしっかりと取り付けることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。
図1および
図2は、本発明の一実施形態に係るフック付き物品収納具1を示しており、
図3〜
図9は、
図1および
図2のフック付き物品収納具1の本体2を展開した状態を示している。フック付き物品収納具1は、例えば、冷蔵庫、洋服ダンス、クローゼット、靴箱などに設けられた水平な棚板や垂直なドアポケットなどの板状の被取付部材に取り付けられることで、内部に収納した物品を、冷蔵庫、洋服ダンス、クローゼット、靴箱などに常駐させるものである。なお、以下の説明では、
図10や
図11の使用状態図で示すように、鉤状のフック3が縦向きとなる方向(つまりは、鉤状に折れ曲がるフック3の対向する一対の腕部32,33が上下に配置される方向)を上下方向としており、さらに、本体2を下にしてフック3を用いて棚板10に吊下状態で取り付ける例を想定し、
図1,10,11に示すXY方向を上下方向(本体2における高さ方向)、VW方向を前後方向(本体2における幅方向)、奥行き方向を左右方向(本体2における厚み方向)、と定義している。
【0018】
フック付き物品収納具1は、内部に物品(図示せず)を収納可能な本体2と、本体2に一体に設けられた鉤状のフック3とからなり、プラスチック成形品で構成されている。本体2は、正面視において外形が略長方形状に形成されているとともに、厚みが薄い偏平状に形成されており、内部にシート状の物品を収納可能な収納空間を有している。なお、本体2の正面視形状は、略長方形状や略正方形状などの略矩形状の他、少なくとも上端部に左右一対の角部を有していて上端面が水平な平坦面となっている形状であれば種々の形状を採用することができる。また、本体2の正面視形状は、上記した上端部に左右一対の角部を有する形状が好ましいが、これ以外にも、円形状や楕円形状などの角部を有していないような形状であっても構わない。
【0019】
収納される物品は、シート状のものであり、例えば、脱臭剤や消臭剤の他、衣料用などの防虫剤、除湿剤、または芳香剤など、種々の薬剤を例示することができる。また、本体2は必ずしも偏平状である必要はなく、例えば本体2を籠状とすることで、薬剤の他にも種々の物品を収納することもできる。本実施形態では、シート状物品として脱臭剤・消臭剤を本体2内に収納し、冷蔵庫や靴箱内の脱臭や消臭のために、フック付き物品収納具1を、例えば冷蔵庫や靴箱の棚板10に取り付ける場合を説明している。脱臭剤・消臭剤としては、消臭機能を有する微粒子活性炭をパルプ繊維と混合して紙の中に抄き込んだ活性炭シート(例えば特開平9−173429号公報参照)を好ましく例示することができる。なお、防虫剤を本体2内に収納して洋服ダンスやクローゼットの棚板10に取り付けることもできる。
【0020】
本実施形態の本体2は、ヒンジ部22を介して開閉可能に連結された正面視略長方形状の表枠体20および裏枠体21で構成されており、シート状物品を両枠体20,21の間に挟んで収納するように構成されている。裏枠体21の内面には、
図3および
図4に示すように、その四隅部に、シート状物品の位置決めのための縦向きおよび横向きの突片24A,24Bが設けられている。また、表枠体20および裏枠体21の内面には、それぞれ嵌合用のピン25および嵌合孔26が設けられているとともに、表枠体20および裏枠体21の周枠20A,21Aにも、
図3および
図4に示すように、それぞれ嵌合用の凹部27および凸部28が設けられている。この嵌合孔26および凹部27に対応するピン25および凸部28をそれぞれ差し込んで嵌合することにより、両枠体20,21が固定される。
【0021】
このように、本実施形態の本体2は、
図3および
図4に示すように、表枠体20と裏枠体21とを広げた状態で、裏枠体21内にシート状物品をセットした後、ヒンジ部22を介して表枠体20を折り曲げ、両枠体20,21を重ね合わせて嵌合固定することで、シート状物品が本体2内に収納される。よって、本体2の開閉が自在であるため、シート状物品の交換を容易に行うことができる。なお、本体2内にシート状物品を収納するための構造は、何も上記した構造のものに限られるものではなく、種々の構造を採用することができ、例えば、本体2のいずれかの端面から本体2内にシート状物品を差し込むように構成してもよい。
【0022】
表枠体20および裏枠体21には、多数の通気孔23が形成されており、本体2内外が多数の通気孔23を介して連通している。また、本体2の高さ方向および幅方向の端面にもスリット29(
図2参照)が形成されており、本体2内外を連通している。この通気孔23およびスリット29により、収納されている物品が脱臭剤・消臭剤の場合には、脱臭・消臭機能を効率よく発揮させることができ、防虫剤の場合には、防虫剤を効率よく揮散させることができる。なお、表枠体20および裏枠体21に形成された多数の通気孔23は、図示例ではデザイン的な模様を形成するように大小に形作られて配置されているが、この通気孔23の形状および配置は任意でよいことは言うまでもない。
【0023】
フック3は、表枠体20または裏枠体21のいずれか一方にのみに設けられており、本実施形態では、裏枠体21の上端部の後方側の角部(上端面と後端面との交差位置)21Bに一体に設けられている。フック3は、冷蔵庫などの水平な棚板10などに本体2を取り付けるためのものであり、棚板10への取り付け時に棚板10の先端が突き当たる屈曲部30と、本体2とで棚板10を挟持する係合部31とを有している。
【0024】
屈曲部30は、略U状に形成されており、上腕部32と下腕部33とを備えている。下腕部33は、本体2に接続する接続部34を有しており、接続部34は、裏枠体21の上端部の後方角部21Bから外側(後側)に、その表面が本体2の上端部の表面(上端面)と面一になるように延びている。屈曲部30の折り返し位置Rは、本体2の幅方向外側(後側)に最も突き出た端部(後端部)2Aよりも外側に位置しており、屈曲部30は本体2の幅方向外側に張り出している。これにより、本体2の棚板10への取り付け時に、本体2は棚板10の内側に納まって、本体2が棚板10の外側に突き出るのが防止される。なお、本体2の外形によっては、例えば、本体2の一部分のみが本体2の幅方向外側に大きく突出しているなど、本体2の外形が異形な場合には、本体2の大部分が屈曲部30の折り返し位置Rの内側に存在していればよく、本体2の全体が必ずしも屈曲部30の折り返し位置Rの内側に存在している必要はない。
【0025】
屈曲部30の折り返し位置Rは、滑らかに湾曲して折り返す円弧状面37に形成されている。なお、折り返し位置Rは、必ずしも円弧状面37に形成されている必要はなく、例えば、略垂直に立ち上がって折り返すような形状、または、係合部31の先端部31Aの上下方向への移動を容易にするために凸凹状の蛇行部を設けた形状などであっても構わない。
【0026】
上腕部32は、屈曲部30から裏枠体21の上端部の後方角部21Bの上方付近まで延び、係合部31が連設されている。係合部31は、その先端に先端部31Aが本体2に向けて延びており、本体2の幅方向の中央位置Lよりも屈曲部30側に位置している。また、係合部31は、本体2に向けて下方に傾斜して延びており、その先端部31Aと本体2の上端部との距離が狭く、棚板10の厚みよりも小さく形成されている。係合部31の先端部31Aと本体2の上端部との距離は、後述するように、使用用途に応じ、冷蔵庫、洋服ダンス、クローゼット、靴箱などの棚板10の厚みを考慮して、フック3が適切な弾性力を有するように、適宜設定することができる。また、係合部31は、水平面に対する傾斜角度α(
図1に示す)が30°〜50°であることが好ましく、図示例では、およそ40°となっている。
【0027】
裏枠体21には、屈曲部30の下腕部33(接続部34も含む)を下方から支持する支持部36が、裏枠体21および下腕部33と一体に設けられている。これにより、本体2を棚板10に取り付ける際に、係合部31の先端部31Aが上方に押し広げられる。しかしながら、屈曲部30の下腕部33が支持部36により支持されているので、係合部31が屈曲部30の上腕部32とともに適度に弾性変形する。その結果、弾性力により、係合部31の先端部31Aと本体2の上端部との間で棚板10を挟持するので、棚板10に本体2を確実に固定することができる。
【0028】
係合部31の先端部31Aには、内向き(屈曲部30側向き)の突起35が一体に設けられている。冷蔵庫などに設けられる棚板10は、その先端が単なる平坦な板状ではなく、棚板10上に載置された収容物が棚板10から転落するのを防止するため、
図10や
図11に示すように、その先端の上面が隆起した形状になっているのが一般的である。よって、係合部31の先端部31Aに、内向きの突起35を設けることで、棚板10の先端の隆起部11に係合部31の先端部31Aを係止させることができ、棚板10から本体2が脱落することを確実に防止することができる。
【0029】
棚板10の上面と当接し得る係合部31の先端部31Aの下端部31Bおよび突起35の下端部35Aは、棚板10の上面との接触面積が小さくなるように、凸形状に形成されていることが好ましい。凸形状としては、先の尖った山形状、先の丸い山形状、または台形状など、棚板10の上面との接触面積が少しでも小さくなるのであれば、種々の形状を適用することができる。
【0030】
次に、上記構成のフック付き物品収納具1を冷蔵庫などの棚板10に取り付けるに際しては、まず、フック3の係合部31の先端部31Aを上方に広げて、棚板10を係合部31と本体2の上端部との間に差し込む。そして、そのまま棚板10の先端がフック3の屈曲部30に突き当たるまで本体2を押し込むと、
図10に示すように、棚板10が、係合部31の弾性力により、本体2の上端部と係合部31の先端部31Aとで挟持されるので、本体2が棚板10にしっかりと固定された状態となる。
【0031】
上記構成のフック付き物品収納具1によると、屈曲部30の折り返し位置Rが本体2の幅方向において、本体2の外側に位置しているので、本体2を棚板10へ取り付けると、本体2の全体が棚板10の内側に納まる。よって、冷蔵庫などを使用する場合に、本体2が棚板10の外側に突き出て、使用の邪魔になることが防止される。具体的には、例えば冷蔵庫の扉の開閉において、本体2が邪魔になることが防止される。
【0032】
また、屈曲部30の折り返し位置Rが本体2の外側に位置しているので、従来例(
図17)のように、フック101の屈曲部104の折り返し位置Rが本体100の幅方向一端に位置している場合と比べて、棚板10を挟持するフック3(係合部31および上腕部32)の腕の長さを長く確保することができる。その結果、フック3(係合部31)の先端部31Aを、本体2の上端部の前方角部21Cまで長く延ばさなくても、フック3による棚板10の挟持範囲を確保することができる。よって、フック3(係合部31)の先端部31Aを棚板10の奥まで入り込ませる必要がなくなる。その結果、先端部31Aの位置を後方側に設定することができるため、棚板10上に収容物を載置する際に、フック3が邪魔になることが防止される。なお、係合部31の先端部31Aは、必ずしも本体2の幅方向の中央位置Lよりも屈曲部30側に位置している必要はない。
【0033】
また、係合部31は、本体2に向けて下方に傾斜するように形成されているので、
図10に示すように、棚板10の先端に隆起部11が形成されている場合であっても、係合部31の先端部31Aが、隆起部11を上方から乗り越えて棚板10の表面に当接する。よって、棚板10の先端に隆起部11が形成されていても、係合部31は、本体2とで棚板10を挟持することができる。これに対して、係合部31が水平に延びている場合(上述した特許文献2のような場合)には、隆起部11が邪魔になって、係合部31の先端部31Aを棚板10の表面に当接させることができないため、棚板10を挟持することができない。
【0034】
また、屈曲部30は円弧状面37を備えているので、例えば
図11のように、棚板10の下面に凹部12が形成されているような場合には、本体2は屈曲部30の円弧状面37に沿って回転して、本体2の上端部の前方角部21Cが棚板10と当接し、係合部31の先端部31Aとの間で棚板10を挟持することができる。このように、本実施形態のフック付き物品収納具1は、屈曲部30が円弧状面37を備えていることで、本体2の向きを自在に変化させることができるので、棚板10の先端の形状によらずに本体2を棚板10にしっかりと取り付けることができる。
【0035】
また、係合部31の先端部31Aには内向きの突起35が設けられているので、突起35が棚板10の隆起部11に確実に係止することで、本体2が棚板10から脱落することを防止できる。
【0036】
また、係合部31の先端部31Aの下端部31Bおよび突起35の下端部35Aは凸形状に形成され、先が線状または幅狭な面状に形成されているので、棚板10の上面と当接する際に、棚板10の上面に対して線接触または狭い範囲で面接触する。従って、突起35と棚板10との摩擦が低減されるので、棚板10に取り付けられた状態において、フック付き物品収納具1を棚板10の左右方向に容易に移動させることができる。
【0037】
また、本体2は、開閉自在な表枠体20および裏枠体21により構成されているので、収納するシート状物品の交換が容易である。そのうえ、フック3は、表枠体20または裏枠体21の一方(本実施形態では裏枠体21)にのみ設けられているため、表枠体20および裏枠体21の両方にそれぞれフックを構成する半割体が設けられていて、両枠体20,21を重ね合わせて各半割体を合体させることで、フックを形成する場合と比べて、フック3の成形が容易であるうえ、フック3の性能を確実に発揮させることができる。例えば、フックを各半割体で構成する場合には、成形の際に半割体が左右非対称となると、フックとして機能せず、また、本実施形態のように単一のユニットからなるフック3と比べると、柔軟性が損なわれるため、弾性力が低下するおそれがある。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、フック3が屈曲部30(上腕部32、下腕部33、接続部34)および係合部31に区分けされているが、これらが境界などで明確に区分けされている必要はない。また、本実施形態では、本体2を下にして、フック3により本体2を棚板10に吊り下げるようにして取り付けているが、本体2を上にして、本体2を棚板10上に載置させるようにして棚板10に取り付けるようにしてもよい。本体2は薄く偏平状であるので、単に棚板10上に偏平状の本体2を載置させただけでは、容易に本体2が転倒してしまうが、本実施形態では、フック3と本体2とで棚板10を挟持しているので、本体2が転倒することなく棚板10上に確実に載置させることができる。
【0039】
また、本実施形態の物品収納具1は水平な棚板10だけでなく、例えば冷蔵庫のドアポケットなどの垂直な板状の被取付部材に対しても、本体2を90度回転させてフック3をドアポケットに上方から係合させることで、本体2を簡単に取り付けることができる。
【0040】
また、本実施形態では、本体2は垂直な縦向きの状態でフック3により被取付部材(棚板10など)に取り付けられるが、
図12に示すように、横倒しの状態の本体2にフック3を一体に設けることで、本体2を水平な横向きの状態でフック3により被取付部材(棚板10など)に取り付けるように構成してもよい。
【0041】
図13〜
図15は、本発明に係るフック付き物品収納具1を複数(図示例では2つ)用いて、例えば冷蔵庫や靴箱などに収容されている収容物Mに対して脱臭・消臭を行う方法の一例を示している。
図13では、同じ棚板10にフック付き物品収納具1を2つ、脱臭・消臭対象となる収容物Mを左右両サイドから囲むようにして取り付けることで、収容物Mに対する脱臭・消臭機能を向上させている。
図13(A)においては、収容物Mが載置されている棚板10よりも一段上方に位置する棚板10に、フック3により本体2を棚板10に吊り下げるようにして、フック付き物品収納具1を2つ取り付けている一方で、
図13(B)においては、収容物Mが載置されている棚板10に、フック3により本体2を棚板10上に載置させるようにして、フック付き物品収納具1を2つ取り付けている。また、
図14では、収容物Mに対してフック付き物品収納具1を対角に取り付けて、収容物Mを囲むことで、収容物Mに対する脱臭・消臭機能を向上させている。
図14においては、収容物Mが載置されている棚板10よりも一段上方に位置する棚板10に、フック3により本体2を棚板10に吊り下げるようにして、フック付き物品収納具1を1つ取り付けている一方で、収容物Mが載置されている棚板10に、フック3により本体2を棚板10上に載置させるようにして、フック付き物品収納具1を1つ取り付けている。また、
図15では、収容物Mに対してフック付き物品収納具1を上下に取り付けて、収容物Mを囲むことで、収容物Mに対する脱臭・消臭機能を向上させている。
図15においては、収容物Mが載置されている棚板10よりも一段上方に位置する棚板10に、フック3により本体2を棚板10に吊り下げるようにして、フック付き物品収納具1を1つ取り付けている一方で、収容物Mが載置されている棚板10よりも一段下方に位置する棚板10に、フック3により本体2を棚板10上に載置させるようにして、フック付き物品収納具1を1つ取り付けている。
【0042】
このように、脱臭・消臭対象となる収容物Mに対して上下、左右、対角に位置するように、冷蔵庫などの棚板1に対して複数のフック付き物品収納具1を自在に取り付けることで、収容物Mをフック付き物品収納具1により囲むことができるので、効果的に収容物Mに対する脱臭・消臭を行うことができる。なお、フック付き物品収納具1の収容物Mに対する配置方法は、何も図示例のものに限定されるものではなく、種々の方法でフック付き物品収納具1を配置することができるのは言うまでもない。例えば、上記した例では、1つの収容物Mを囲むようにしてフック付き物品収納具1を配置しているが、フック付き物品収納具1を棚板10の左右両端に配置して棚板10上の全ての収容物Mを複数のフック付き物品収納具1で囲んだり、あるいは、冷蔵庫や靴箱の対角位置(四隅)や上下左右の十字位置にフック付き物品収納具1を配置して、冷蔵庫や靴箱内の全ての収容物Mを複数のフック付き物品収納具1で囲むことで、冷蔵庫や靴箱全体を消臭・脱臭するようにしてもよい。また、収容物Mの収容配置の仕方によっては、フック付き物品収納具1を棚板10に対して容易に左右に移動させることができるので、フック付き物品収納具1の配置箇所を簡単に変更することもできる。
【0043】
また、冷蔵庫などのドアポケットに対して、フック付き物品収納具1を取り付ける方法を組み合わせることにより、物品Mに対する脱臭・消臭機能を向上させることも可能である。さらに、上記した本体2が垂直な縦向きの状態のフック付き物品収納具1だけでなく、
図12に示すような、本体2が水平な横向きの状態のフック付き物品収納具1を組み合わせることにより、バリエーションに富んだフック付き物品収納具1による消臭・脱臭方法を実現することができる。