特許第6016591号(P6016591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016591
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20161013BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B41J2/17 103
   B41J2/01 305
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-256045(P2012-256045)
(22)【出願日】2012年11月22日
(65)【公開番号】特開2014-100891(P2014-100891A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】地主 有太朗
【審査官】 島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−161840(JP,A)
【文献】 特開平01−157860(JP,A)
【文献】 特開平09−174813(JP,A)
【文献】 特開2005−022398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を保持して回転し前記記録媒体を搬送する搬送体と、
前記搬送体で搬送される前記記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記搬送体における前記記録媒体の保持領域外にそれぞれ設けられた冷却板と前記冷却板を冷却する冷風装置とを含み、前記搬送体に設けられて前記搬送体と共に回転し前記搬送体の搬送面と前記液滴吐出ヘッドの吐出面の間の空気を除湿する除湿手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却板に結露した水分を吸水する吸水部材を有する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体を保持して回転し前記記録媒体を搬送する搬送体と、
前記搬送体で搬送される前記記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記搬送体の搬送面と前記液滴吐出ヘッドの吐出面の間の空気を掻き出すフィンを含み前記搬送体に設けられて前記搬送体と共に回転し、前記搬送面と前記吐出面の間の空気を除湿する除湿手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項4】
前記除湿手段は、前記搬送体における前記記録媒体の保持領域外に設けられ、前記液滴吐出ヘッドの前記吐出面に風を吹き付ける送風装置である、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送体は、前記記録媒体の先端をグリッパで把持して前記記録媒体を回転搬送する回転ドラムであり、
前記送風装置は、前記回転ドラムの前記グリッパが設けられた凹部内に配置されている、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段で搬送される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記搬送手段に設けられ、前記搬送手段の搬送面と前記液滴吐出ヘッドの吐出面の間の空気を除湿する除湿手段と、
を有し、
前記搬送手段は、前記液滴吐出ヘッドの下方を回転移動する無端状搬送機構と、前記無端状搬送機構の外面に設けられ、前記記録媒体を保持して搬送する複数の搬送テーブルと、を含み、
前記除湿手段は、前記液滴吐出ヘッドと対向して前記無端状搬送機構の内側に固定され、前記搬送テーブルの間から前記液滴吐出ヘッドの吐出面に風を吹き付ける送風装置である、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数のノズルを配列させた液滴吐出ヘッドに対して用紙を搬送し、ノズルから用紙に向けて液滴を吐出することにより、用紙上に画像を形成する液滴吐出記録方式の画像形成装置が知られている。
【0003】
このような液滴吐出記録方式の画像形成装置では、装置内の湿気によって液滴吐出ヘッドのノズル面が結露して、液滴の吐出状態が変化することがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、用紙の搬送面と対向する液滴吐出ヘッドの両端部に結露用の冷却面を設けることで、液滴吐出ヘッド周囲の水分を冷却面で結露させ、液滴吐出ヘッドのノズル面の結露を抑制する画像形成装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、液滴吐出ヘッドの側面に斜め下向きに傾けた送風装置を設けることで、液滴吐出ヘッドの下方に風を送り、液滴吐出ヘッドのノズル面の結露を抑制する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−274592号公報
【特許文献2】特開2005−212323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成では、冷却面が液滴吐出ヘッドの両端部に設けられているため、搬送面と液滴吐出ヘッドのノズル面の間の空気は除湿できない。搬送面と液滴吐出ヘッドの間は、液滴の吐出直後に蒸発した水分が留まるので、空気の湿度が高くなり、液滴吐出ヘッドのノズル面に結露が発生してしまう。
【0008】
また、特許文献2の構成でも、送風装置が液滴吐出ヘッドの側面に設けられているため、液滴吐出ヘッドのノズル面に風が十分に行き渡らず、ノズル面の結露を抑制できない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、液滴吐出ヘッドのノズル面の結露を抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様に係る画像形成装置は、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記搬送手段に設けられ、前記搬送手段の搬送面と前記液滴吐出ヘッドの吐出面の間の空気を除湿する除湿手段と、を有する。
【0011】
この構成によれば、除湿手段が搬送手段に設けられているため、除湿手段は液滴吐出ヘッドの吐出面と対向するようになる。これにより、除湿手段は、搬送手段の搬送面との吐出面の間の空気を十分に除湿でき、液滴吐出ヘッドの吐出面の結露を抑制することができる。
【0012】
本発明の第2態様に係る画像形成装置では、第1態様において、前記搬送手段は、前記記録媒体を保持して回転する搬送体であり、前記除湿手段は、前記搬送体と共に回転する。
【0013】
この構成によれば、除湿手段が搬送体と共に回転するため、液滴吐出ヘッドの吐出面の下方を除湿手段が行き来する。これにより、除湿手段の除湿動作のオン/オフ制御を切り替えることなく、搬送面と吐出面の間の除湿のオン/オフを行うことができ、常に除湿を行うことによる吐出面の過乾燥を抑制できる。
【0014】
本発明の第3態様に係る画像形成装置では、第2態様において、前記除湿手段は、前記搬送体における前記記録媒体の保持領域外に設けられ、前記液滴吐出ヘッドの吐出面に風を吹き付ける送風装置である。
【0015】
この構成によれば、送風装置が搬送体における記録媒体の保持領域外に設けられているため、液滴吐出ヘッドから記録媒体に液滴が吐出されない間に、送風装置が回転により液滴吐出ヘッドに対向してこの吐出面に風を吹き付ける。そして、液滴吐出ヘッドから記録媒体に液滴が吐出されている間は、送風装置が液滴吐出ヘッドに対向せず、この吐出面に風を吹き付けないため、風によって液滴の記録媒体へ着弾位置が乱れることを抑制できる。
【0016】
本発明の第4態様に係る画像形成装置では、第3態様において、前記搬送体は、前記記録媒体の先端をグリッパで把持して前記記録媒体を回転搬送する回転ドラムであり、前記送風装置は、前記回転ドラムの前記グリッパが設けられた凹部内に配置されている。
【0017】
この構成によれば、送風装置が、回転ドラムの凹部内に配置されているため、送風装置が回転ドラムの回転の邪魔となることを防止できる。また、この凹部は、グリッパが設けられるためのものであるため、送風装置用に新たに凹部を形成する必要がない。
【0018】
本発明の第5態様に係る画像形成装置では、第2態様において、前記除湿手段は、前記搬送体における前記記録媒体の保持領域外にそれぞれ設けられた、冷却板と前記冷却板を冷却する冷風装置とを含む。
【0019】
この構成によれば、冷風装置により冷却された冷却板に、搬送手段の搬送面と吐出面の間の空気中の水分を結露させることができる。
【0020】
本発明の第6態様に係る画像形成装置では、第5態様において、前記冷却板に結露した水分を吸水する吸水部材を有する。
【0021】
この構成によれば、冷却板に結露した水分が、冷却板の回転によって吸水部材に向かって移動し、吸水部材によって吸水される。
【0022】
本発明の第7態様に係る画像形成装置では、第2態様〜第6態様の何れか1つの態様において、前記除湿部材は、前記搬送体と共に回転して前記搬送面と前記吐出面の間の空気を掻き出すフィンを含む。
【0023】
この構成によれば、搬送体と共に回転して搬送面と吐出面の間の空気をフィンで掻き出すため、除湿部材の動力源を備えなくても、当該空気を除湿することができる。
【0024】
本発明の第8態様に係る画像形成装置では、第1態様において、前記搬送手段は、前記液滴吐出ヘッドの下方を回転移動する無端状搬送機構と、前記無端状搬送機構の外面に設けられ、前記記録媒体を保持して搬送する複数の搬送テーブルと、を含み、前記除湿手段は、前記液滴吐出ヘッドと対向して前記無端状搬送機構の内側に固定され、前記搬送テーブルの間から前記液滴吐出ヘッドの吐出面に風を吹き付ける送風装置である。
【0025】
この構成によれば、搬送機構の内側に固定された送風装置が、無端状搬送機構と共に回転移動する搬送テーブルの間から、液滴吐出ヘッドの吐出面に風を吹き付けることで、無端状搬送機構と液滴吐出ヘッドの吐出面の間の空気を除湿することができる。そして、搬送テーブルが無端状搬送機構と吐出面の間にあるとき、すなわち液滴吐出ヘッドから記録媒体に液滴が吐出されている間は、送風装置による風が搬送テーブルにより遮られるため、吐出面にまで風を吹き付けられない。したがって、風によって液滴の記録媒体への着弾位置が乱れたりすることを抑制できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、液滴吐出ヘッドのノズル面の結露を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1参考例に係る画像形成装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を垂直面で切断した概略側面図である。
図2図1に示す画像記録ドラムを垂直面で切断した側面拡大図である。
図3図2に示す矢印A方向から見た画像記録ドラムの斜視図である。
図4】(A)〜(F)は、本発明の第1参考例に係るインクジェット記録装置の作用について、図1に示す画像記録ドラムを垂直面で切断した側面拡大図を用いて説明する一連の説明図である。
図5】本発明の第2参考例に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラムの斜視図である。
図6】(A)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラムの一部を切り欠いた斜視図である。(B)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラムの側面断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラムの斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
第1参考例
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1参考例に係る画像形成装置について具体的に説明する。なお、全図を通して、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0029】
−−全体構成−−
図1は、本発明の第1参考例に係る画像形成装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を垂直面で切断した概略側面図である。
【0030】
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録媒体)Pに水性UVインク(水性媒体を使用したUV(紫外線)硬化型のインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録する記録装置である。
このインクジェット記録装置10は、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像記録部118と、画像記録部118で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行うインク乾燥処理部20と、用紙PにUV照射処理(定着処理)を行って画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24と、を備えている。
【0031】
〈給紙部〉
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙手段の一例としての給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とで構成される。
【0032】
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
【0033】
記録媒体としての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。
【0034】
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
【0035】
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモータに駆動されて回転する。モータは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
【0036】
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
【0037】
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を搬送される。
【0038】
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネで構成され、搬送面に押圧当接されて設置される。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。
【0039】
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
【0040】
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモータに駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
【0041】
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを外周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
【0042】
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成される。用紙Pの表面に付与する処理液は、後段の画像記録部118で用紙Pに打滴する水性UVインク中の色材(顔料)を凝集させる機能を有する凝集剤である。このような処理液を用紙Pの表面に付与して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
【0043】
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを外周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
【0044】
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、主として、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとで構成される。
【0045】
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に乾燥風(乾燥風)を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とで構成される。
【0046】
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像記録部118へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部118に用紙Pを搬送する。なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ42Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
【0047】
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
【0048】
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて乾燥風を吹き当てて乾燥処理する。これにより、処理液中の溶媒成分が除去されて用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて乾燥風を吹き当てる構成とされている。
【0049】
〈画像記録部〉
画像記録部118は、用紙Pの印刷面にM,K,Y,Cの各色の水性紫外線硬化型色インク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部118は、主として、用紙Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の外周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにM,K,Y,Cの各色のインク滴を吐出する吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成される。なお、上記のように、各インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yから吐出させるインクは、水性UVインクが用いられる。水性UVインクは、打滴後に紫外線(UV)を照射することにより、硬化させることができる。
【0050】
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面52A上には、グリッパ52Bが備えられ、このグリッパ52Bによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Bによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを搬送面としての外周面52Aに巻き掛けながら、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その外周面52Aに多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の外周面52Aに巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、画像記録ドラム52の外周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平滑性をもって用紙Pを搬送することができる。
【0051】
なお、この吸引穴からの吸引は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸引開始位置から所定の吸引終了位置との間で作用する。吸引開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸引終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(たとえば、インク乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
【0052】
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
【0053】
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Bが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。なお、グリッパ52B周りの画像記録ドラム52の詳細については、後述する。
【0054】
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
【0055】
4台のインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。
各インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の外周面52Aに対向するように配置される。これら各インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けて水性UVインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
【0056】
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yによって記録された画像を読み取る。
【0057】
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
【0058】
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Yとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
【0059】
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成される。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
【0060】
〈インク乾燥処理部〉
インク乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの記録面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥処理部20は、主として、画像が記録された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与手段の一例としてのバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pを乾燥処理する乾燥ユニットの一例としてのインク乾燥処理ユニット68とで構成される。
【0061】
チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20、UV照射処理部22、排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像記録部118から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
【0062】
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52に近接して設置される第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ64Dとで構成される。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ64Dは、一対で設けられるチェーン64Cに掛け渡されて設置される。
【0063】
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pをグリッパ64Dで受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置される。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモータが連結される。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモータを駆動することにより走行する。
【0064】
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
【0065】
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
【0066】
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(=用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設される。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとで構成される。
【0067】
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。第2水平搬送経路70Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。傾斜搬送経路70Bは、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間を結ぶように設定される。
【0068】
チェーンガイドは、この第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとを形成するように配設される。具体的には、少なくとも第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとの接合ポイント、及び、傾斜搬送経路70Bと第2水平搬送経路70Cとの接合ポイントに配設される。
【0069】
グリッパ64Dは、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ64Dの取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pをタイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
【0070】
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ64Dで受け取れるようにタイミングが合わせられる。
【0071】
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンションを付与する。このバックテンション付与機構66は、主として、ガイドプレート72と、そのガイドプレート72の上面に形成される多数の吸引穴から空気を吸引する複数の吸引ファン73と、を備えている。また、ガイドプレート72の下面には、吸引した空気を吐き出すための多数の穴が設けられている。
【0072】
ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成される。このガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離離間して配設される。チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、その裏面(画像が記録されていない側の面)が、このガイドプレート72の上面(チェーン64Cと対向する面:摺接面)の上を摺接しながら搬送される。
【0073】
ガイドプレート72の摺接面(上面)には、多数の吸引穴が所定のパターンで多数形成される。上記のように、ガイドプレート72は、中空のボックスプレートで形成される。吸引ファン73は、このガイドプレート72の中空部(内部)を吸引する。これにより、摺接面に形成された吸引穴から空気が吸引される。
【0074】
ガイドプレート72の吸引穴から空気が吸引されることにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの裏面が吸引穴に吸引される(ガイドプレート72に吸着する)。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションが付与される。
【0075】
上記のように、ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを搬送されている間、バックテンションが付与される。なお、本参考例では、吸引ファン73を省略して、バックテンションを付与しないようにすることも可能である。
【0076】
インク乾燥処理ユニット68は、チェーングリッパ64の内部(特に第1水平搬送経路70Aを構成する部位の前半側及び後半側)に設置され、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施す。
また、インク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置されている。
【0077】
〈UV照射処理部〉
UV照射処理部22は、水性UVインクを用いて記録された画像に紫外線(UV)を照射して、画像を定着させる。このUV照射処理部22は、主として、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外線を照射する定着ユニットの一例としてのUV照射ユニット74とで構成される。
【0078】
上記のように、チェーングリッパ64とバックテンション付与機構66は、インク乾燥処理部20、排紙部24と共に共通して使用される。
【0079】
UV照射ユニット74は、チェーングリッパ64の内部(特に傾斜搬送経路70Bを構成する部位)に設置され、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの記録面に紫外線を照射する。このUV照射ユニット74は、紫外線ランプ(UVランプ)を備え、傾斜搬送経路70Bに沿って複数配設される。そして、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの記録面に向けて紫外線を照射する。
【0080】
〈排紙部〉
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、主として、UV照射された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76とで構成される。
【0081】
上記のように、チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20及びUV照射処理部22と共に共通して使用される。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。
【0082】
排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。
【0083】
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
【0084】
−−画像記録ドラム52の詳細−−
次に、画像記録ドラム52の詳細について説明する。図2は、図1に示す画像記録ドラム52を垂直面で切断した側面拡大図である。図3は、図2に示す矢印A方向から見た画像記録ドラム52の斜視図である。
【0085】
画像記録ドラム52は、上述したように、搬送面としての外周面52Aに吸着保持される用紙Pの先端部を挟持するグリッパ52Bを有している。このグリッパ52Bは、画像記録ドラム52の回転軸80をはさんだ2か所の対称位置のそれぞれに設けられており、画像記録ドラム52は二カ所の用紙保持領域82(領域の範囲は図2中の矢印で示す範囲の外周面幅全体である)を有している。
【0086】
各グリッパ52Bには、グリッパ52Bを開閉させるグリッパ動作機構52Cがそれぞれ接続されている。
【0087】
これらグリッパ52Bとグリッパ動作機構52Cは、画像記録ドラム52の回転の邪魔とならないように、外周面52Aの用紙保持領域82外に形成された凹部84内に配置されている。しかしながら、このグリッパ52Bの先端は、用紙Pを把持した状態で凹部84から外周面52Aの外側に突出している。したがって、突出したグリッパ52Bが用紙押さえローラ54の配設位置を通過する際の用紙押さえローラ54との衝突を回避するために、用紙押さえローラ54を画像記録ドラム52から離間させる機構としてカム部52Dが設けられている(図3参照)。
【0088】
グリッパ52B等が配置される凹部84は、矢印A方向から見たとき、図3に示すように画像記録ドラム52の幅方向W1に長い長方形状とされている。
【0089】
凹部84内には、グリッパ52Bとグリッパ動作機構52Cの動作の邪魔とならないように、幅方向W1に沿って複数個(図3では6個)のプロペラファン86が配置されている。
【0090】
プロペラファン86は、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風を吹き付けて、外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を除湿するものである。このプロペラファン86は、画像記録ドラム52にネジ等で接続固定されており、当該画像記録ドラム52と共に回転軸80周りを回転(周回)する。
【0091】
−−作用−−
次に、本発明の第1参考例に係るインクジェット記録装置10の作用について説明する。図4(A)〜図4(F)は、本発明の第1参考例に係るインクジェット記録装置10の作用について、図1に示す画像記録ドラム52を垂直面で切断した側面拡大図を用いて説明する一連の説明図である。
【0092】
図4(A)に示すように、画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取ると、用紙Pを保持しつつ回転軸80周りに矢印B方向に回転して、インク乾燥処理部20へ向かって用紙Pの搬送を開始する。この際、プロペラファン86は、印刷ジョブの開始から終了まで常時動作している。
【0093】
次に、図4(B)に示すように、プロペラファン86は画像記録ドラム52と共に回転して、インクジェットヘッド56Mの下方(直下)を通る。この際、外周面52Aの凹部84にあるプロペラファン86がインクジェットヘッド56Mと対向してそのノズル面56Mnに風W2を吹き付ける。
【0094】
次に、図4(C)に示すように、プロペラファン86は画像記録ドラム52と共に回転して、インクジェットヘッド56Kの下方(直下)を通る。この際、外周面52Aの凹部84にあるプロペラファン86がインクジェットヘッド56Kと対向してそのノズル面56Knに風W2を吹き付ける。
【0095】
次に、図4(D)に示すように、プロペラファン86は画像記録ドラム52と共に回転して、インクジェットヘッド56Cの下方(直下)を通る。この際、外周面52Aの凹部84にあるプロペラファン86がインクジェットヘッド56Cと対向してそのノズル面56Cnに風W2を吹き付ける。
【0096】
次に、図4(E)に示すように、プロペラファン86は画像記録ドラム52と共に回転して、インクジェットヘッド56Yの下方(直下)を通る。この際、外周面52Aの凹部84にあるプロペラファン86がインクジェットヘッド56Yと対向してそのノズル面56Ynに風W2を吹き付ける。
【0097】
次に、図4(F)に示すように、プロペラファン86は画像記録ドラム52と共に回転して、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yから離れ、且つ、用紙Pがインク乾燥処理部20に渡される。なお、このインク乾燥処理部20に渡される用紙Pには、各インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynから、適宜、回転中の画像記録ドラム52に向けて水性UVインクが吐出され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像が記録されている。
そして、印刷ジョブが残っている場合、印刷ジョブが終了するまで、上記説明した図4(A)〜(F)の動作が繰り返し行われ、プロペラファン86が、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの下方を行き来する。
【0098】
以上、本発明の第1参考例に係るインクジェット記録装置10によれば、プロペラファン86が画像記録ドラム52と共に回転して、順次、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yと対向してこれらのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風W2を吹き付ける。これにより、これらの間に水性UVインクの吐出直後に蒸発した水分を含む空気が留まっていても、風W2を吹き付けることによって、その空気を周囲へ吹き飛ばすことができる。この吹き飛ばしにより、外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を十分に除湿でき、これらノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynが結露することを抑制できる。
【0099】
また、プロペラファン86が画像記録ドラム52と共に回転するため、印刷ジョブ中にインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの下方をプロペラファン86が行き来する。これにより、印刷ジョブ中にプロペラファン86のオン/オフ制御を切り替えることなく、外周面52Aとインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yの間の除湿のオン/オフを行うことができ、常に除湿を行うことによるノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの過乾燥を抑制できる。
また、プロペラファン86が画像記録ドラム52と共に回転するため、ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Yn毎にプロペラファン86を設けなくても、各ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風W2を吹き付けることができる。すなわち、用紙Pの搬送方向には複数のプロペラファンを設けたり、大型のプロペラファンを設けなくてよい。
【0100】
また、このプロペラファン86が、外周面52Aの用紙保持領域82外に設けられているため、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yから用紙Pに水性UVインクが吐出されない間に、プロペラファン86が回転によりインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yに対向してこのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風W2を吹き付けることができる。そして、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yから用紙Pに水性UVインクが吐出されている間は、プロペラファン86が回転によりインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yに対向せず、このノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風W2を吹き付けないため、風W2によって水性UVインクの用紙Pへ着弾位置が乱れることを抑制できる。
なお、ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの何れかに風を吹き付ける際であっても、プロペラファン86が対向していない少なくとも1つのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynからは水性UVインクが吐出される場合があるが(例えば、ノズル面56Ynに風W2を吹き付ける際に、ノズル面56Mnからは水性UVインクが吐出される場合等)、風W2を吹き付けるノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynからは、水性UVインクが吐出されないので、上記着弾位置が乱れ難い。
【0101】
また、プロペラファン86は、グリッパ52Bが設けられた凹部84内に配置されているため、プロペラファン86が画像記録ドラム52の回転の邪魔となることを防止できる。また、この凹部84は、グリッパ52Bが設けられるためのものであるため、プロペラファン86用に新たに凹部を形成する必要がない。
【0102】
第2参考例
次に、本発明の第2参考例に係るインクジェット記録装置について説明する。
【0103】
本発明の第2参考例に係るインクジェット記録装置は、画像記録ドラム以外、図1に示すインクジェット記録装置10と同一の構成を有している。図5は、本発明の第2参考例に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラム90の斜視図である。
【0104】
画像記録ドラム90は、画像記録ドラム52と同様、外周面52A、グリッパ52B、グリッパ動作機構52C(図5では不図示)、カム部52D、及び凹部84を有している。
【0105】
この凹部84には、第1参考例で説明したプロペラファン86の代わりに、幅方向W1に長い穴あきパイプ92が配置されている。この穴あきパイプ92の周面には、穴94が幅方向W1に沿って複数形成され、画像記録ドラム52の径方向外側に向かっている。
【0106】
これらの穴94からは、画像記録ドラム52の径方向外側に向かって風W2が吹き出されるようになっている。
【0107】
以上、本発明の第2参考例に係るインクジェット記録装置によれば、第1参考例と同様に、穴あきパイプ92が画像記録ドラム52と共に回転して、順次、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yと対向してこれらのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風W2を吹き付ける。これにより、穴あきパイプ92が、外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を十分に除湿でき、これらノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynが結露することを抑制できる。
【0108】
第1実施形態
次に、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
【0109】
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置は、画像記録ドラム以外、図1に示すインクジェット記録装置10と同一の構成を有している。図6(A)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラム96の一部を切り欠いた斜視図である。図6(B)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラム96の側面断面図である。
【0110】
画像記録ドラム96は、画像記録ドラム52と同様、外周面52A、グリッパ52B、グリッパ動作機構52C(図6では不図示)、カム部52D、及び凹部84を有している。
【0111】
この凹部84には、第2参考例と同様の穴あきパイプ92が配置されている。なお、この穴あきパイプ92に形成された穴94から噴出される風W2は、周囲の温度より低い冷風であることが好ましい。
【0112】
この穴あきパイプ92に対して画像記録ドラム52の径方向外側には、グリッパ52Bの突出部分を除いて凹部84を覆うように冷却板98が設けられている。冷却板98は、周囲の部材、例えばノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynや画像記録ドラム52よりも熱伝導性の高い材料が用いられ、例えばアルミニウムや銅等の金属材料を用いられる。また、この冷却板98は、穴あきパイプ92からの風W2により冷却される。
【0113】
また、冷却板98の周囲(冷却板98自体を含む)、例えば矢印B方向(回転方向)とは逆方向の冷却板98の端部には、スポンジ等の吸水部材100が設けられている。
【0114】
以上、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置によれば、穴あきパイプ92と冷却板98が画像記録ドラム52と共に回転して、順次、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yと対向する。そして、これらと順次対向したとき、穴あきパイプ92により冷却された冷却板98に、外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気中の水分を結露させることができる。これにより、外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を十分に除湿でき、これらノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynが結露することを抑制できる。
【0115】
また、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置によれば、穴あきパイプ92とノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynが対向しても、その間に冷却板98が存在するため、ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに直接風W2を吹き付けない構成となる。これにより、第1参考例第2参考例の構成に比べて、ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの過乾燥や、穴あきパイプ92と対向していないノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynからの水性UVインクの着弾位置の乱れを抑制できる。
【0116】
また、冷却板98に結露した水分は、冷却板98の回転によって端部の吸水部材100に向かって移動し、吸水部材100によって吸水される。このため、冷却板98に結露した水分が蒸発して、外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気の湿度が高くなることを抑制できる。
【0117】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
【0118】
本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置は、画像記録ドラム以外、図1に示すインクジェット記録装置10と同一の構成を有している。図7は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の画像記録ドラム102の斜視図である。
【0119】
画像記録ドラム102は、第2参考例の画像記録ドラム90と同様、外周面52A、グリッパ52B、グリッパ動作機構52C(図7では不図示)、カム部52D、及び凹部84、穴あきパイプ92を有している。
【0120】
凹部84に隣接し、且つ凹部84を挟んでグリッパ52Bと反対側にある外周面52Aからは、画像記録ドラム102の径方向外側に向かって、フィン104が突出されている。
【0121】
このフィン104は、側面視がL字状とされ、画像記録ドラム102と共に回転して外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を、当該間の外へ掻き出すものである。
【0122】
なお、このフィン104は、回転する際に、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yに接触しないように、突出長さが調整されている。また、突出したフィン104が用紙押さえローラ54と接触しないように又は接触しても回転できるように、用紙押さえローラ54が適宜上下移動するようになっている。
【0123】
以上、本発明の第2実施形態によれば、フィン104が外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を掻き出すため、穴あきパイプ92のみ備える第2参考例の構成に比べて、当該空気をより一層除湿することができる。
【0124】
なお、第2実施形態では、穴あきパイプ92を省略することができる。この場合であっても、フィン104が外周面52Aとノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を掻き出すため、除湿用の動力源を備えなくても、当該空気を除湿することができる。
【0125】
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
【0126】
図8は、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置110の概略を示す側面図である。
【0127】
本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置110は、主に、平面状の主面(表面)を有する複数(ここでは10個)のテーブル112を所定の間隔を設けつつ周回軌道に沿って移動させるテーブル移動機構114と、印刷用紙Pをテーブル112に供給する給紙部116と、移動するテーブル112の表面に保持された印刷用紙Pに画像を記録する画像記録部118と、画像が記録された印刷用紙Pを排紙する排紙部120と、から構成される。
【0128】
テーブル移動機構114は、テーブル112を外面に設けて画像記録部118の下方を回転移動(周回移動)する無端状搬送機構であり、回転可能な一対のスプロケット32と、このスプロケット122に巻回されたチェーン124と、チェーン124の内側に設けられ、テーブル112の吸着孔(不図示)を介して排気を行うことにより、用紙Pをテーブル112上に吸着保持する吸着ファン126と、を含んでいる。画像記録部118は、第1参考例と同一のインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yを有している。
【0129】
また、搬送手段としてのテーブル移動機構114には、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yと対向するようにプロペラファン130がチェーン124の内側で固定されている。このプロペラファン130は、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yのノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Yn側に風W2を吹き付ける。
なお、その他の給紙部116や排紙部120等の詳細説明は、省略する。
【0130】
以上、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置110によれば、プロペラファン130が、テーブル移動機構114と共に回転移動するテーブル112の間から、ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynに風W2を吹き付けることができる。これにより、テーブル移動機構114とノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynの間の空気を十分に除湿することができる。
なお、テーブル112がテーブル移動機構114のチェーン124とインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yの間にあるとき、すなわちインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yから用紙Pに水性UVインクが吐出されている間は、風W2がテーブル112により遮られるため、ノズル面56Mn,56Kn,56Cn,56Ynにまで風W2が吹き付けられない。したがって、風W2によって水性UVインクの用紙Pへの着弾位置が乱れたりすることを抑制できる。
【0131】
(変形例)
なお、本発明を複数の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。また、上述の実施形態や下記の変形例は、適宜、組み合わせて実施可能である。
【0132】
例えば、第1実施形態で説明した図6に示す穴あきパイプ92は、除湿部材として機能する冷却板98があれば、省略することができる。また、この穴あきパイプ92の代わりとして、プロペラファンを用いてもよい。
【0133】
また、図6に示す吸水部材100は、冷却板98の周囲の一部にのみ設ける場合を説明したが、冷却板98の周囲全体に設けてもよい。また、吸水部材100を冷却板98の周囲の一部にのみ設ける場合であっても、その場所は限定されない。すなわち、冷却板98自体又はその近傍に設ければよい。さらに、吸水部材100は省略することもできる。
【0134】
また、フィン104は、第2実施形態の画像形成装置に適用する場合を説明したが、第1参考例第1実施形態第3実施形態に適用してもよい。なお、第3実施形態に適用する場合は、テーブル112の先端等にフィン104を設ける。
【0135】
また、第3実施形態で説明したプロペラファン130は固定されている場合を説明したが、テーブル112の用紙保持領域外に設けるようにしてもよい。これにより、プロペラファン130は、第1参考例のプロペラファン86と同様、搬送体としてのテーブル112と共に回転するようになる。
【符号の説明】
【0136】
10 インクジェット記録装置(画像形成装置)
52B グリッパ
52,90,96,102 画像記録ドラム(搬送手段、搬送体、回転ドラム)
52A 外周面(搬送面)
56M,56K,56C,56Y インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
56Mn,56Kn,56Cn,56Yn ノズル面(吐出面)
82 用紙保持領域(保持領域)
84 凹部
86,130 プロペラファン(除湿部材)
92 穴あきパイプ(除湿部材)
98 冷却板(除湿部材)
100 吸水部材
104 フィン(除湿部材)
112 テーブル(搬送手段、搬送体)
114 テーブル移動機構(搬送手段)
P 用紙(記録媒体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8