(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記試験力切換部は、前記複数の重錘の下端部を支持可能に配置され、開口している端部側に向けて幅広になるように形成された切欠部を有するとともに、当該切欠部の開口端部が形成されている方向に進退可能に構成され、
前記試験力切換部を前記切欠部の開口端部が形成されている方向に進退させることで、前記複数の重錘のうち支持する対象の重錘を切り換えることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬さ試験機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、圧子はダイヤモンド等の高価な材料により形成された部品であり、試料との接触による破損事故等を防ぐためにも、試験待機時における圧子先端と試料との距離を大きくとらなければならない。圧子先端と試料との距離を大きくとった場合、試験を行う際の試料までの距離が大きくなるため、圧子軸のストロークを大きくする必要がある。圧子軸は荷重レバーの動作に追従しているため、圧子軸のストロークを大きくすれば当然に荷重レバーの旋回量が大きくなる。
従来の
図10に示す硬さ試験機101の場合、例えば、重錘1031のみ、又は重錘1031と1032、或いは重錘1031、1032、1033を組み合わせることにより、様々な試験力で圧子104を負荷するためには、重錘1031、1032、1033間の隙間P1の大きさを荷重レバー102の旋回による重錘103の動作ストローク以上にする必要がある。このため、圧子軸104aのストロークを大きくした場合、荷重レバー102の旋回による重錘103の動作ストロークはてこ比の分だけ拡大され、更に重錘103の段数分だけ隙間P1の大きさが増加する。例えば、てこ比が10倍、重錘103の段数が10段の場合、圧子軸104aのストロークを1mm増加させようとすると、1mm×10(倍)×(10−1)(段)=90mm分のスペースを確保する必要があるため、試験機全体のコンパクト化を実現することができないという問題がある。
【0007】
また、従来の
図11に示す硬さ試験機201の場合、重錘203を鉛直方向にコンパクト化することは可能であるが、重錘203の水平方向の位置が安定しないという問題がある。具体的には、
図12に示すように、各重錘2031、2032、2033は、各重錘2031、2032、2033間の水平方向の隙間P2分だけ水平方向にずれる余地があり、例えば繰り返し硬さ試験を行った場合などに、位置決めの基準となる軸部材261に対して各重錘2031、2032、2033の水平方向での位置ずれが発生してしまうことがあり、例えば、負荷に使用する重錘と使用しない重錘とが干渉するため、正しい試験力を発生させることができない虞が生じる。
【0008】
本発明は、試験機全体のコンパクト化を実現しつつ、正確な試験力を発生させることが可能な硬さ試験機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
試料の表面に圧子により所定の試験力を負荷してくぼみを形成させ、当該くぼみの寸法を計測することにより試料の硬さを測定する硬さ試験機において、
前記圧子を介して前記試料に前記所定の試験力を負荷する複数の重錘と、
前記複数の重錘に働く重力を前記試験力として前記圧子に伝達する伝達機構部と、
前記試験力を負荷する重錘を切り換えることにより前記試験力の大きさを切り換える試験力切換部と、を備え、
前記複数の重錘は、鉛直方向に積み重ねられて配置され、
前記複数の重錘は、
水平方向中央部を鉛直方向に貫通した中空部と、
直下に配置された重錘を収容可能に形成された収容部と、をそれぞれ備え、
前記重錘の外面には、外テーパ部が設けられ、
前記収容部の内面には、収容された重錘の前記外テーパ部を係止して当該重錘の水平方向の移動を規制する内テーパ部が設けられ、
前記伝達機構部は、
前記中空部を貫通する軸部材と、
前記軸部材の下端部に設けられ、最下の前記重錘の収容部に収容されて当該重錘を係止可能な重錘係止部と、を備え、
前記重錘係止部は、前記最下の重錘の前記内テーパ部を係止して当該最下の重錘の水平方向の移動を規制する係止用テーパ部を備え、
前記中空部と前記軸部材との間に所定の隙間が確保されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の硬さ試験機において、
前記複数の重錘は、鉛直方向に積み重ねられた状態で円錐台形状をなすように形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の硬さ試験機において、
前記試験力切換部は、
前記複数の重錘の下方であって前記複数の重錘と同心上に回転可能に配置され、回転角度に応じて水平方向の幅が変化するように形成されたカム部材と、
前記カム部材を挟んで前記水平方向に互いに点対称となるように配置され、一端部が鉛直軸回りに回動自在な一対の部材により形成され、前記重錘を支持する重錘支持部と、を備え、
前記重錘支持部は、他端部が前記カム部材側に閉じるように常時付勢され、前記カム部材の回転により、前記一端部が回動することにより前記他端部間の距離を変化させて前記複数の重錘のうち支持する対象の重錘を切り換えることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の硬さ試験機において、
前記試験力切換部は、前記複数の重錘の下端部を支持可能に配置され、開口している端部側に向けて幅広になるように形成された切欠部を有するとともに、当該切欠部の開口端部が形成されている方向に進退可能に構成され、
前記試験力切換部を前記切欠部の開口端部が形成されている方向に進退させることで、前記複数の重錘のうち支持する対象の重錘を切り換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の重錘を収容部に収容しながら鉛直方向に積み重ねることができるので、重錘を鉛直方向にコンパクト化することができることとなって、試験機全体のコンパクト化を実現することができる。また、複数の重錘に内テーパ部及び外テーパ部が備えられ、重錘係止部に係止用テーパ部が備えられているので、複数の重錘の水平方向の移動を規制することができることとなって、複数の重錘の水平方向での位置ずれを防止することができ、正確な試験力を発生させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、図中のX方向を左右方向とし、Y方向を前後方向とし、Z方向を上下方向とする。また、X−Y面を水平面とする。
【0016】
硬さ試験機1は、例えば、圧子4の平面形状が矩形状に形成されたビッカース硬さ試験機であり、
図1〜
図7に示すように、伝達機構部としての荷重レバー2と、重錘3と、圧子軸4aの先端部に備えられた圧子4と、試料台5と、試験力切換部としての試験力切換機構6と、を備えて構成されている。
【0017】
荷重レバー2は、前端部が硬さ試験機1の試験機本体1aに回動自在に支持されている。荷重レバー2の後端部には、軸部材21を介して重錘3が吊るされている。荷重レバー2は、重錘3が重力により下方向に移動することにより、時計回り下方向に回動する。そして、この荷重レバー2の下方向への回動に伴って、圧子軸4aに所定の荷重が作用し、圧子軸4aは軸下方向に移動する。
【0018】
重錘3は、複数個(本実施形態では4個)の重錘31、32、33、34が鉛直方向に積み重ねられて配置され、圧子4を介して試料Sに所定の試験力を負荷することができる。そして、重錘3は、試験力切換機構6によって試験力を負荷する重錘31、32、33、34を切り換えることができるようになっている。
【0019】
重錘3は、
図2に示すように、それぞれ異なる所定の重量を有する重錘31、32、33、34が、軽い順に鉛直方向に積み重ねられて配置され、各重錘31、32、33、34が積み重ねられた状態で略円錐台形状をなすように形成されている。各重錘31、32、33、34には、水平方向中央部を鉛直方向に貫通した中空部31a、32a、33a、34aが設けられており、この中空部31a、32a、33a、34aを軸部材21が貫通している。中空部31a、32a、33a、34aは、軸部材21よりも幅広に形成されており、中空部31a、32a、33a、34aと軸部材21との間には隙間Pが形成されるようになっている。また、重錘31、32、33、34は、それぞれ下面に、直下に配置された重錘を収容可能に略凹状に形成された収容部31b、32b、33b、34bを有している。これにより、収容部31bは、重錘31の直下にある重錘32を収容することができ、収容部32bは、重錘32の直下にある重錘33を収容することができ、収容部33bは、重錘33の直下にある重錘34を収容することができるようになっている。また、各収容部31b、32b、33b、34bの内面には、内テーパ部31c、32c、33c、34cが形成され、各重錘31、32、33、34の外面には、外テーパ部31d、32d、33d、34dが形成されている。内テーパ部31c、32c、33cは、収容部31b、32b、33bに収容された重錘32、33、34の外テーパ部32d、33d、34dを係止して当該重錘32、33、34の水平方向の移動を規制する。また、最下の重錘34の収容部34bは、軸部材21の下端部に設けられた重錘係止部22を収容することができるようになっている。重錘係止部22は、最下の重錘34の内テーパ部34cを係止して当該最下の重錘34の水平方向の移動を規制するテーパ部22aが形成されている。これにより、軸部材21を介して、各重錘31、32、33、34を鉛直方向に積み重ねて配置することができるようになっている。即ち、荷重レバー2、軸部材21、及び重錘係止部22は、複数の重錘31、32、33、34に働く重力を試験力として圧子4に伝達する伝達機構部として機能する。
【0020】
なお、重錘3は、重力により下方向に移動する際、荷重レバー2に連動して移動することとなるため、円弧を描くように下方向に移動する。従って、中空部31a、32a、33a、34aと軸部材21との間に形成された隙間P分だけ各重錘31、32、33、34が水平方向にずれる虞が生じる。しかしながら、本実施形態では、内テーパ部31c、32c、33c、34c、外テーパ部31d、32d、33d、34d、及びテーパ部22aが形成されており、重錘31、32、33、34の水平方向の移動が規制されているため、重錘31、32、33、34の水平方向への位置ずれを防止することができるようになっている。
【0021】
圧子軸4aの先端部に備えられた圧子4は、荷重レバー2の回動による圧子軸4aの軸下方向への移動に伴って、下方に設けられた試料台5上に載置された試料Sに向けて移動され、試料Sを所定の試験力で押圧する。圧子4が試料Sを所定の試験力で押圧することにより、試料Sの表面にくぼみが形成される。なお、本実施形態では、圧子4として、ビッカース用の四角錐圧子(対面角が136±0.5°)を使用する。
試料台5は、上面に載置される試料Sを、試料固定部(図示略)で固定する。
【0022】
試験力切換機構6は、
図2〜
図7に示すように、カム部材61と、重錘支持部62と、を備えて構成される。
カム部材61は、平面視S字状に形成され、複数の重錘31、32、33、34の下方であって複数の重錘31、32、33、34と同心上に回転可能に配置されている。カム部材61は、モータ(図示略)などの駆動手段により、S字の中心部に設けられた回転軸61aを中心として水平方向に回転自在に構成されている。カム部材61は、回転角度に応じて水平方向(左右方向)の幅Hが変化するように形成されている。具体的には、カム部材61は、
図2及び
図3に示すように、初期状態において、左右方向の幅Hが最も狭くなるようになっている。また、カム部材61は、
図4〜7に示すように、回転に伴って徐々に左右方向の幅Hが広くなるようになっており、初期状態から90°回転した状態(
図6及び
図7参照)で、左右方向の幅Hが最も広くなるようになっている。
【0023】
重錘支持部62は、一対の略角柱状の部材が、カム部材61を挟んで水平方向に互いに点対称となるように配置されている。重錘支持部62は、一端部が鉛直軸である回転軸62a回りに回動自在な一対の部材により形成されている。重錘支持部62は、バネなどの弾性部材により他端部がカム部材61側に閉じるように常時付勢されている。これにより、重錘支持部62は、カム部材61に常時当接して挟持するようになっている。そして、重錘支持部62は、カム部材61の回転により当該カム部材61の左右方向の幅Hが広くなることに伴って、カム部材61側に閉じる付勢力に抗して外方に広げられるようになっている。即ち、重錘支持部62は、カム部材61の回転により、一端部が回動することにより他端部間の距離を変化させることとなる。
また、重錘支持部62は、上下方向への移動が規制されており、上面に重錘3を載置して支持することができるようになっている(
図2、
図4、
図6参照)。そして、重錘支持部62が、カム部材61の回転に伴って外方に広げられることにより、重錘支持部62上に載置される重錘3の数を調節し、荷重を選択することができるようになっている(
図2〜
図7参照)。即ち、重錘支持部62は、他端部間の距離を変化させて複数の重錘31、32、33、34のうち支持する対象の重錘31、32、33、34を切り換える。
即ち、試験力切換機構6は、試験力を負荷する重錘31、32、33、34を切り換えることにより、試験力を切り換えることができる。
【0024】
次に、本実施形態に係る硬さ試験機1において、試験力切換機構6を利用した試験力の切り換え方法について、
図2〜
図7を参照して説明する。
図2及び
図3に示す初期状態においては、重錘31、32、33、34は全て重錘支持部62上に載置されているため、重錘係止部22に対して荷重がかかっていない。従って、初期状態では、荷重レバー2に対して下方向への荷重がかかっていない状態となっている。
この状態において、使用者は、カム部材61を所定の角度だけ回転させ、重錘支持部62の位置を調節する。
例えば、
図4及び
図5に示すように、重錘支持部62を重錘31及び重錘32が載置される位置に移動させた場合、重錘係止部22に対して重錘33及び重錘34分の荷重がかかるようになる。従って、
図4及び
図5に示す例では、荷重レバー2に対して重錘33及び重錘34分の下方向への荷重がかかるようになる。なお、図示は省略するが、重錘支持部62の位置を重錘31のみが載置される位置に調節すれば、荷重レバー2に対して重錘32、重錘33及び重錘34分の下方向への荷重がかかるようになり、重錘31、重錘32、及び重錘33が載置される位置に調節すれば、荷重レバー2に対して重錘34分の下方向への荷重がかかるようになる。
また、例えば、
図6及び
図7に示すように、カム部材61を初期状態から90°回転させ、重錘支持部62を重錘31、32、33、34がいずれも載置されない位置まで移動させた場合、重錘係止部22に対して全ての重錘31、32、33、34分の荷重がかかるようになる。従って、
図6及び
図7に示す例では、荷重レバー2に対して全ての重錘31、32、33、34分の下方向への荷重がかかるようになる。
以上のように、使用者は、カム部材61を適宜回転させ、重錘支持部62の位置を調節することで、重錘支持部62上に載置される重錘3の数を調節し、荷重レバー2にかかる荷重を選択することができるようになっている。
【0025】
以上のように、本実施形態に係る硬さ試験機1は、圧子4を介して試料Sに所定の試験力を負荷する複数の重錘31、32、33、34と、複数の重錘31、32、33、34に働く重力を試験力として圧子4に伝達する伝達機構部(荷重レバー2、軸部材21、重錘係止部22)と、試験力を負荷する重錘31、32、33、34を切り換えることにより試験力の大きさを切り換える試験力切換機構6と、を備える。そして、複数の重錘31、32、33、34は、鉛直方向に積み重ねられて配置され、水平方向中央部を鉛直方向に貫通した中空部31a、32a、33a、34aと、直下に配置された重錘を収容可能に形成された収容部31b、32b、33b、34bと、をそれぞれ備える。また、重錘31、32、33、34の外面には、外テーパ部31d、32d、33d、34dが設けられ、収容部31b、32b、33b、34bの内面には、収容された重錘32、33、34の外テーパ部32d、33d、34dを係止して当該重錘32、33、34の水平方向の移動を規制する内テーパ部31c、32c、33c、34cが設けられている。また、伝達機構部は、中空部31a、32a、33a、34aを貫通する軸部材21と、軸部材21の下端部に設けられ、最下の重錘34の収容部34bに収容されて当該重錘34を係止可能な重錘係止部22と、を備える。また、重錘係止部22は、最下の重錘34の外テーパ部31d、32d、33d、34dを係止して当該最下の重錘34の水平方向の移動を規制するテーパ部22aを備える。また、中空部31a、32a、33a、34aと軸部材21との間に所定の隙間Pが確保されている。
従って、本実施形態に係る硬さ試験機1によれば、複数の重錘31、32、33、34を収容部31b、32b、33b、34bに収容しながら鉛直方向に積み重ねることができるので、重錘3を鉛直方向にコンパクト化することができることとなって、試験機全体のコンパクト化を実現することができる。また、複数の重錘31、32、33、34に内テーパ部31c、32c、33c、34c及び外テーパ部31d、32d、33d、34dが備えられ、重錘係止部22にテーパ部22aが備えられているので、複数の重錘31、32、33、34の水平方向の移動を規制することができることとなって、複数の重錘31、32、33、34の水平方向での位置ずれを防止することができ、正確な試験力を発生させることができる。
【0026】
また、本実施形態に係る硬さ試験機1によれば、複数の重錘31、32、33、34は、鉛直方向に積み重ねられた状態で円錐台形状をなすように形成されているので、複数の重錘31、32、33、34間の水平方向の隙間を排除することができることとなって、より確実に複数の重錘31、32、33、34の水平方向での位置ずれを防止することができ、より正確な試験力を発生させることができる。
【0027】
また、本実施形態に係る硬さ試験機1は、試験力切換機構6は、複数の重錘31、32、33、34の下方であって複数の重錘31、32、33、34と同心上に回転可能に配置され、回転角度に応じて水平方向の幅が変化するように形成されたカム部材61と、カム部材61を挟んで水平方向に互いに点対称となるように配置され、一端部が回転軸62a回りに回動自在な一対の部材により形成され、重錘31、32、33、34を支持する重錘支持部62と、を備える。そして、重錘支持部62は、他端部がカム部材61側に閉じるように常時付勢され、カム部材61の回転により、一端部が回動することにより他端部間の距離を変化させて複数の重錘31、32、33、34のうち支持する対象の重錘31、32、33、34を切り換える。
従って、本実施形態に係る硬さ試験機1によれば、試験力切換機構6は、カム部材61及び重錘支持部62という簡易な構成で実現されるので、部品数を削減することができることとなって、コストを削減することができる。また、S字状に形成されたカム部材61を利用することにより、最大90°の回転で試験力の切り替えを実現することができることとなって、カム部材61の回転量(回転角度)を容易に把握することができる。
【0028】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0029】
(変形例1)
例えば、
図8に示す例では、実施形態と比べ、重錘3の形状が異なっている。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、
図8に示す例では、重錘7は、それぞれ異なる所定の重量を有する複数個(本例では3個)の重錘71、72、73が鉛直方向に積み重ねられて配置され、各重錘71、72、73が積み重ねられた状態で略円柱形状をなすように形成されている。各重錘71、72、73には、水平方向中央部を鉛直方向に貫通した中空部71a、72a、73aが設けられている。中空部71a、72a、73aは、軸部材21よりも幅広に形成されており、中空部71a、72a、73aと軸部材21との間には隙間Pが形成されるようになっている。また、重錘71、72、73は、それぞれ下面に、直下に配置された重錘を収容可能に略凹状に形成された収容部71b、72b、73bを有している。これにより、収容部71bは、重錘71の直下にある重錘72を収容することができ、収容部72bは、重錘72の直下にある重錘73を収容することができるようになっている。また、収容部73bは、重錘係止部22を収容することができるようになっている。また、各収容部71b、72b、73bの内面には、内テーパ部71c、72c、73cが形成され、各重錘71、72、73の外面には、外テーパ部71d、72d、73dが形成され、最下の重錘73の内テーパ部73cは、重錘係止部22のテーパ部22aに係止されている。これにより、軸部材21を介して、各重錘71、72、73を鉛直方向に積み重ねて配置することができるようになっている。
本変形例1では、内テーパ部71c、72c、73c、外テーパ部71d、72d、73d、及びテーパ部22aが形成されており、重錘71、72、73の水平方向の移動が規制されているため、重錘71、72、73の水平方向への位置ずれを防止することができるようになっている。
そして、重錘7は、実施形態と同様、試験力切換機構6によって試験力を負荷する重錘71、72、73を切り換えることができるようになっている。
【0030】
(変形例2)
また、
図9に示す例では、実施形態と比べ、試験力切換機構6の構造が異なっている。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、
図9については、重錘3の記載を二点鎖線で示すようにしている。
具体的には、
図9に示す例では、試験力切換部としての試験力切換部材8は、複数の重錘31、32、33、34の下端部を支持可能に配置されている。また、試験力切換部材8は、略矩形状の板状部材の一部を切り欠いて切欠部81が形成されて平面視略V字状に形成されたものであり、当該切欠部81の開口端部81aが形成されている方向(水平方向)に進退可能に構成されている。切欠部81は、略凹状に形成され、開口している端部側に向けて幅広になるように形成されている。
【0031】
図9(A)に示す初期状態においては、重錘31、32、33、34は全て試験力切換部材8上に載置されているため、重錘係止部22に対して荷重がかかっていない。従って、初期状態では、荷重レバー2に対して下方向への荷重がかかっていない状態となっている。
例えば、
図9(B)に示すように、試験力切換部材8を重錘31及び重錘32が載置される位置に移動させた場合、重錘係止部22に対して重錘33及び重錘34分の荷重がかかるようになる。従って、
図9(B)に示す例では、荷重レバー2に対して重錘33及び重錘34分の下方向への荷重がかかるようになる。なお、図示は省略するが、試験力切換部材8の位置を重錘31のみが載置される位置に調節すれば、荷重レバー2に対して重錘32、重錘33及び重錘34分の下方向への荷重がかかるようになり、重錘31、重錘32、及び重錘33が載置される位置に調節すれば、荷重レバー2に対して重錘34分の下方向への荷重がかかるようになる。
また、例えば、
図9(C)に示すように、試験力切換部材8を重錘31、32、33、34がいずれも載置されない位置まで移動させた場合、重錘係止部22に対して全ての重錘31、32、33、34分の荷重がかかるようになる。従って、
図9(C)に示す例では、荷重レバー2に対して全ての重錘31、32、33、34分の下方向への荷重がかかるようになる。
以上のように、使用者は、試験力切換部材8の位置を調節することで、試験力切換部材8上に載置される重錘3の数を調節し、荷重レバー2にかかる荷重を選択することができるようになっている。即ち、試験力切換部材8を切欠部81の開口端部81aが形成されている方向に進退させることで、複数の重錘31、32、33、34のうち支持する対象の重錘31、32、33、34を切り換えることができる。
【0032】
以上のように、変形例2に係る硬さ試験機1によれば、試験力切換部材8は、複数の重錘31、32、33、34の下端部を支持可能に配置され、開口している端部側に向けて幅広になるように形成された切欠部81を有するとともに、当該切欠部81の開口端部81aが形成されている方向に進退可能に構成され、試験力切換部材8を切欠部81の開口端部81aが形成されている方向に進退させることで、複数の重錘31、32、33、34のうち支持する対象の重錘31、32、33、34を切り換えるので、一つの部材で試験力の切り替えを実現することができることとなって、よりコストを削減することができる。
【0033】
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、モータなどの駆動手段を制御してカム部材61を回転させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、カム部材61に回転角度の目安を示す目盛を設けるようにし、手動でカム部材61を回転させるようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、カム部材61の回転角度に応じてカム部材61の左右方向の幅Hが変化するように試験力切換機構6を配置しているが、これに限定されるものではない。例えば、カム部材61の回転角度に応じてカム部材61の前後方向の幅が変化するように試験力切換機構6を配置するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、カム部材61の形状としてS字状に形成されたものを例示して説明しているが、これに限定されるものではない。回転角度に応じて水平方向の幅が変化する形状であればいかなる形状であってもよく、例えば、楕円形状であってもよい。
また、上記実施形態では、カム部材61を利用することにより、最大90°の回転で試験力の切り替えを実現することができるようにしているが、これに限定されるものではなく、カム部材の形状を適宜変更することにより、90°以上の回転によっても試験力の切り替えを実現することができる。
【0035】
また、上記実施形態では、重錘3の数を4個、上記変形例1では、重錘7の数を3個の場合を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。重錘の数に関しては試験力を切り換え可能な構成であればよいため、複数個であればいかなる個数で構成されていてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例1では、重錘31、32、33、34及び重錘71、72、73を軽い順に鉛直方向に積み重ねて配置するようにしているが、これに限定されるものではない。重錘31、32、33、34及び重錘71、72、73の各重量は任意であり、例えば、重錘31、32、33、34及び重錘71、72、73を重い順に積み重ねてもよいし、重錘31、32、33、34、及び重錘71、72、73をそれぞれ同重量としてもよい。
【0036】
その他、硬さ試験機1を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。