(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのAr基が、ハロゲン;シアノ;アルキル(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい);および−(Ar4)z(Ar4は、出現するごとに独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールから選択され、zは、少なくとも1であり、zが1を超える場合、複数のAr4基は、連結されて、Ar4基の直鎖または分岐鎖を形成することができる)から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1から13のいずれかに記載のポリマー。
陽極と、陰極と、陽極および陰極の間の発光層と、任意選択により、陽極および陰極の間の、電荷輸送層および電荷阻止層から選択される1つまたは複数の層とを含み、発光層および1つまたは複数の任意選択の層の少なくとも1つが請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリマーを含む、有機発光デバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
相対的に長寿命の三重項励起状態を有することができる三重項励起子の存在は、三重項と三重項または三重項と一重項の相互反応の結果、OLEDの寿命にとって有害になり得るとされている(「寿命」は、OLEDの寿命との関連において本明細書で使用される場合、一定電流におけるOLEDの輝度が、最初の輝度値から、選択された百分率(例えば10%または50%)だけ低下するのにかかる時間の長さを意味し、「寿命」は、三重項励起状態の寿命との関連において本明細書で使用される場合、三重項励起子の半減期を意味する)。米国特許出願第2007/145886号は、三重項と三重項または三重項と一重項の相互反応を防止または低減するために、三重項をクエンチする材料を含むOLEDを開示している。
【0010】
米国特許第5121029号は、ジスチリルベンゼンを含む発光材料を含むエレクトロルミネセントデバイスを開示している。
【0011】
米国特許出願第2005/208322号は、4,4’−ビス(2,2’ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル(DPVBi)からの発光を伴う発光層を含むOLEDを開示している。
【0012】
Polymer(韓国)2002年、26(4)、543〜550頁は、エミッタとしてDPVBiとブレンドされたポリマーホストを開示している。OLEDは、ディスプレイおよび照明への適用に高い将来性を有する。しかし依然として、これらのデバイスの性能を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、OLEDにおいて三重項を有効に受容し、クエンチする化合物を同定した。
【0014】
第1の態様では、本発明は、有機半導体材料、および有機半導体材料の三重項エネルギー準位よりも低い三重項エネルギー準位を有する式(I)の三重項受容材料を含む組成物を提供する。
【0015】
【化1】
式中、各Arは、独立に、置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を表し、nは、1〜3であり、mは、出現するごとに独立に、1〜5であり、qは、0または1であり、各R
3は、独立に、Hまたは置換基から選択され、各R
4は、独立に、Hまたは置換基から選択され、R
4がHでない場合、同じ炭素原子に結合しているR
4および(Ar)
mは、直接結合または二価の基によって連結されていてもよく、R
3がHでない場合、R
3(出現するごとに独立に)および(Ar)
nは、直接結合または二価の基によって連結されていてもよく、nまたはmが少なくとも2である場合、隣接するAr基は、二価の基によって連結されていてもよく、但しq=0である場合、R
3はHではなく、直接結合または二価の基によって(Ar)
nに連結されている。
【0016】
任意選択により、有機半導体材料は、蛍光発光材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔阻止材料および電子阻止材料から選択される。
【0017】
任意選択により、有機半導体材料はポリマーであり、任意選択により、蛍光発光繰返し単位を含む発光ポリマーである。
【0018】
任意選択の一変更形態では、組成物は、有機半導体材料と三重項受容材料のブレンドを含む。
【0019】
別の任意選択の変更形態では、三重項受容材料は、有機半導体材料に、または存在する場合には、組成物の別の成分に化学的に結合している。
【0020】
任意選択により、三重項受容材料は、ポリマーの主鎖中で結合している、またはポリマーの側鎖基もしくは末端基として結合している。
【0021】
任意選択により、q=1である。
【0022】
任意選択により、各R
3は、Hである。
【0023】
任意選択により、各R
4は、Hまたは−(Ar)
mである。
【0024】
任意選択により、q=0である。
【0025】
任意選択により、R
3は、(Ar)
nである。
【0026】
任意選択により、nは、1または2である。
【0027】
任意選択により、二価の連結基は、隣接するAr基
;R
4および(Ar)
m;又はR3および(Ar)nのいずれかを連結しており、
前記二価の連結基は、−(CR
5R
6)
p−、−(SiR
5R
6)
p−、O、NR
5およびPR
5から選択され、R
5およびR
6は、それぞれ独立に、Hまたは置換基から選択され、pは、1〜5、好ましくは1または2である。
【0028】
任意選択により、少なくとも1つのAr基、好ましくはすべてのAr基は、フェニルである。
【0029】
任意選択により、R
3および/またはR
4は、フェニルである。
【0030】
任意選択により、q=0であり、n=1であり、R
3はフェニルであり、R
3および(Ar)
nは、直接結合によって連結されている。
【0031】
任意選択により、R
3および(Ar)
nは、連結されて、任意選択により置換されているフルオレンを形成する。
【0032】
任意選択により、R
5およびR
6は、それぞれ独立に、Hまたは置換基から選択され、その置換基は、
アルキル(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよく、1つまたは複数のH原子は、Fで置き換えられていてよい)、または
アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルもしくはヘテロアリールアルキル(それぞれは、任意選択により、ハロゲン、シアノまたはアルキルで置換されていてよい(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい))
からなる群から選択される。
【0033】
任意選択により、少なくとも1つのAr基は、ハロゲン;シアノ;アルキル(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい);および−(Ar
4)
z(Ar
4は、出現するごとに独立に、任意選択により置換されているアリールまたはヘテロアリールから選択され、zは、少なくとも1、任意選択により1、2または3であり、zが1を超える場合、複数のAr4基は、連結されて、Ar
4基の直鎖または分岐鎖を形成することができる)から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。任意選択により、少なくとも1つの末端Ar基の少なくとも1つのメタ位は、少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0034】
任意選択により、有機半導体材料は、アミンを含む。
【0035】
任意選択により、有機半導体材料は、アミン繰返し単位を含むポリマーである。
【0036】
任意選択により、三重項受容材料は、有機半導体材料に対して、少なくとも0.05mol%、任意選択により0.1mol%の量で存在する。
【0037】
第2の態様では、本発明は、溶媒および本発明の第1の態様の組成物を含む溶液を提供する。
【0038】
第3の態様では、本発明は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間の発光層と、任意選択により、陽極および陰極の間の、電荷輸送層および電荷阻止層から選択される1つまたは複数の層とを含み、発光層および1つまたは複数の任意選択の層の少なくとも1つが第1の態様の組成物を含む、有機発光デバイスを提供する。
【0039】
第4の態様では、本発明は、第2の態様の組成物を堆積させるステップおよび溶媒を蒸発させるステップを含む、第3の態様の有機発光デバイスを形成する方法を提供する。
【0040】
第5の態様では、本発明は、三重項受容単位および発光材料を含む組成物における、有機半導体材料によって発生した三重項励起子を受容するための、任意選択により置換されている式(I)の材料の使用を提供する。
【0041】
【化2】
式中、Ar、n、m、q、R
3およびR
4は、前述の通りであり、R
4がHでない場合、R
4および(Ar)
mは、直接結合または二価の基によって連結されていてもよく、R
3がHでない場合、R
3および(Ar)
nは、直接結合または二価の基によって連結されていてもよく、nまたはmが少なくとも2である場合、隣接するAr基は、二価の基によって連結されていてもよく、但しq=0である場合、R
3はHではなく、(Ar)
nに連結されている。
【0042】
第5の態様の材料は、本発明の第1の態様に関して記載した通りであってよく、第1の態様に関して記載した有機半導体材料を含む組成物において、三重項吸収材料として使用することができる。
【0043】
任意選択により、第5の態様によれば、組成物は、有機半導体材料と、式(I)の材料の物理的混合物を含む。
【0044】
任意選択により、第5の態様によれば、式(I)の材料は、有機半導体材料に化学的に結合している。
【0045】
任意選択により、第5の態様によれば、有機半導体材料は、ポリマーであり、式(I)の材料は、ポリマーの主鎖中で結合している、またはポリマーの側鎖基もしくは末端基として結合している。
【0046】
任意選択により、第5の態様によれば、式(I)の材料は、有機半導体材料によって発生した三重項励起子をクエンチする。
【0047】
任意選択により、第5の態様によれば、式(I)の材料は、有機半導体材料から三重項受容単位に移動した三重項励起子の三重項−三重項消滅を媒介する。
【0048】
第6の態様では、本発明は、ポリマーおよび式(Ia)の発光単位を含む、発光組成物を提供する。
【0049】
【化3】
式中、Ar、n、m、R
3およびR
4は、前述の通りであり、nまたはmが少なくとも2である場合、隣接するAr基は、二価の基によって連結されていてもよい。
【0050】
任意選択により、第6の態様によれば、組成物は、ポリマーと、式(I)の材料のブレンドを含む。
【0051】
任意選択により、第6の態様によれば、式(I)の材料は、ポリマーの主鎖中で結合している、またはポリマーの側鎖基もしくは末端基として結合している。
【0052】
第7の態様では、本発明は、第6の態様の発光組成物を含む有機発光デバイスを提供する。
【0053】
第8の態様では、本発明は、式(Ia)の化合物を提供する。
【0054】
【化4】
式中、Ar、n、m、R
3およびR
4は、請求項1および6〜13のいずれか一項で定義されている通りであり、nまたはmが少なくとも2である場合、隣接するAr基は、二価の基によって連結されていてもよく、少なくとも1つの末端アリール基は、可溶化置換基で置換されている。
【0055】
任意選択により、第8の態様によれば、化合物は、トルエン中で少なくとも10mg/mlの溶解度を有する。
【0056】
任意選択により、第8の態様によれば、少なくとも1つの末端アリール基は、フェニルであり、少なくとも1つの前記可溶化置換基は、フェニルのメタ位に位置している。
【0057】
任意選択により、第8の態様によれば、化合物は、式(II)を有する。
【0058】
【化5】
式中、少なくとも1つのR
3は、直鎖または分岐アルキルまたはアルコキシ、好ましくはアルキルである。
【0059】
第9の態様では、本発明は、1つまたは複数の置換基で任意選択により置換されていてよい、式(VI)の化合物を提供する。
【0060】
【化6】
式中、各Arは、独立に、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
【0061】
任意選択により、第9の態様の材料は、第1の態様に関して記載した有機半導体材料を含む組成物において、三重項吸収材料として使用することができる。
【0062】
任意選択により、第9の態様によれば、1つまたは複数の置換基は、それぞれ独立に、アルキル(アルキル基の1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよく、アルキル基の1つまたは複数のH原子は、Fで置き換えられていてよい)、および−(Ar
4)
z(Ar
4は、出現するごとに独立に、任意選択により置換されているアリールまたはヘテロアリールから選択され、zは、少なくとも1、任意選択により1、2または3であり、zが1を超える場合、複数のAr4基は、連結されて、Ar
4基の直鎖または分岐鎖を形成することができる)から選択される。
【0063】
任意選択により、第9の態様によれば、各Arは、任意選択により置換されているフェニルである。
【0064】
第10の態様では、本発明は、第9の態様の化合物を含む繰返し単位を含むポリマーを提供する。
【0065】
任意選択により、第10の態様によれば、繰返し単位は、式(VIIa)または(VIIb)を含む。
【0066】
【化7】
【0067】
任意選択により、第9の態様の化合物は、金属触媒クロスカップリングに関与することができる少なくとも1つの置換基で置換されている。任意選択により、この置換基は、ボロン酸およびそのエステル、スルホン酸エステル、ならびにハロゲン、好ましくは臭素またはヨウ素から選択される。任意選択により、置換されている化合物は、式(VIIIa)または(VIIIb)を有する。
【0068】
【化8】
式中、各Xは、独立に、金属触媒クロスカップリングに関与することができる少なくとも1つの置換基を表し、rは、1または2である。
【0069】
第11の態様では、本発明は、式(VIIIa)の化合物(rは2である)または式(VIIIb)の化合物を、金属触媒の存在下で重合するステップを含む、第10の態様のポリマーを形成する方法を提供する。
【0070】
本発明の第1の態様では、本発明は、式(I)の三重項受容単位が実質的に発光しない組成物に関することを理解されよう。発光材料の励起一重項状態のエネルギー準位(S
1)は、発光材料のS
1エネルギー準位から三重項受容材料のS
1準位への一重項励起子の任意の実質的な移動を防止するために、対応する三重項受容単位のエネルギー準位以下であり、好ましくはこのエネルギー準位未満である。
【0071】
式(I)の単位が発光材料である本発明の第2の態様の場合は、それとは反対である。
【0072】
「アリール」および「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、それぞれ縮合したおよび縮合していないアリール基およびヘテロアリール基の両方を含む。
【0073】
「三重項受容単位」は、本明細書で使用される場合、発光単位から三重項励起子を受け取ることができる単位を意味する。三重項受容単位は、効率的に機能するために、発光単位の三重項励起状態のエネルギー準位よりもエネルギーが低い、三重項励起状態のエネルギー準位T
1を有する。
【0074】
式(I)の化合物において二重結合の反対端に結合しているR
3およびR
4は、独立に、式(I)の波線の結合によって示される通り、各場合にシスまたはトランス配置で存在することができる。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本発明を、(A)の組成物(式(I)の化合物は三重項受容材料である)および(B)の組成物(式(I)の化合物は発光材料である)に関して以下に詳説する。
【0077】
A.式(I)の化合物による三重項受容
本発明者らは、デバイスの寿命の短縮を引き起こす経路による減衰を低減または排除するために、三重項励起子の減衰を引き起こし得るいくつかの経路を同定した。これには、三重項励起子がクエンチ過程によって非放射減衰する経路、および三重項励起子が三重項−三重項消滅して、非放射クエンチ経路と比較して、より良好なデバイス効率を提供することができる遅延蛍光をもたらす経路が含まれる。
【0078】
いかなる理論にも拘泥するものではないが、生じると思われる三重項クエンチおよび遅延蛍光の機構を、以下に記載する。
【0079】
三重項クエンチ
図1は、例示的なOLEDの第1のエネルギー移動機構を示す。疑わしさを回避するために、本明細書では
図1を含むエネルギー準位の図には、目盛りを記載していない。
図1は、一重項励起状態のエネルギー準位S
1Eおよび一重項基底状態のエネルギー準位S
0Eを有する発光材料が配されたOLEDのエネルギー移動を示している。エネルギーS
1Eを有する一重項励起子は、
図1のS
1EとS
0Eの間の実線矢印によって示した蛍光発光hvによって減衰する。三重項と三重項励起子の相互反応または三重項と一重項励起子の相互反応は、発光材料の上に、「超励起」状態を作り出すことができる。いかなる理論にも拘泥するものではないが、発光材料上にこれらの高エネルギーの「超励起」状態が形成されることは、材料の操作寿命にとって有害になり得ると思われる。しかし、T
1Eより低い励起三重項状態のエネルギー準位T
1Aを有する三重項受容単位を提供することによって、クエンチのために三重項励起子を三重項受容単位に移動させることが可能になり、これは、
図1の点線で示したスピン禁制過程であるT
1EからS
0Eへの放射減衰の代替となる。S
1およびT
1準位は、それぞれ蛍光およびリン光スペクトルから測定され得る。
【0080】
三重項受容単位は、S
1EからS
1Aへの一重項励起子の移動を実質的または完全に防止するために、一重項励起状態のエネルギー準位S
1Eよりも高い一重項励起状態のエネルギー準位S
1Aを有する。好ましくは、S
1Aは、励起子の任意の実質的な逆移動を防止するために、S
1Eより少なくともkT高いエネルギーにある。同様に、T
1Eは、好ましくはT
1Aより少なくともkT高いエネルギーにある。
【0081】
三重項−三重項消滅
図2は、例示的なOLEDの第2のエネルギー移動機構を示す。
【0082】
この実施形態によれば、2つの三重項受容単位間の相互作用によって引き起こされる三重項−三重項消滅(TTA)は、最大2×T
1A(T
1Aは、三重項受容材料の三重項励起状態のエネルギー準位を表す)のエネルギーを有する、三重項−三重項消滅型の一重項励起子をもたらす。2つの三重項受容単位のうち第1の三重項受容単位上に形成されたこの一重項励起子は、S
1AおよびS
1Eよりも高いエネルギーにあるエネルギー準位S
nAを有しており、したがってこの一重項励起子はS
1Aに移動し、次にS
1Eに移動することができ、そこから光hvが遅延蛍光として発光され得る。2つの三重項受容単位のうち第2の三重項受容単位上にある三重項励起子は、基底状態T
0Aに減衰し得る。
【0083】
最初に、T
1Eで形成された三重項励起子は、T
1Aに移動する。T
1Eよりも低いエネルギー準位T
1Aを有する三重項受容材料を提供することによって、T
1EからT
1Aへの励起子の急速な移動が生じ得る。この移動は、
図1の点線矢印で示したスピン禁制過程であるT
1EからS
0Eへの三重項励起子の減衰速度と比較して、相対的に急速である。T
1EとT
1Aの間のエネルギーギャップは、好ましくは、T
1AからT
1Eへの励起子の逆移動を回避するために、kTより大きい。同様に、S
1AとS
1Eの間のエネルギーギャップは、好ましくは、S
1EからS
1Aへの励起子の逆移動を回避するために、kTより大きい。
【0084】
三重項−三重項消滅と競合するT
1A上の三重項励起子の減衰経路は、
図1に関して先に記載した、S
0Aへの非放射(クエンチ)経路である。S
0Aへの減衰ではなくTTAの可能性を最大限にするために、いくつかの対策を取ることができる。特に、
i)三重項吸収材料は、T
1A上の三重項励起子が、相対的に長い寿命τ
TAを有するように選択することができる。相対的に長い寿命とは、S
0Aへの減衰速度が相対的に緩慢であることを意味するだけでなく、TTAの確率が相対的に高いことを意味している。
ii)発光層における三重項吸収材料の濃度は、相対的に高く、例えば1mol%超、例えば0.1〜10mol%の範囲、または1〜10mol%の範囲であってよい。
iii)2つ以上の三重項受容材料は、例えば式(II)の単位に関して以下に記載の通り、近接して配されることができる。
【0085】
これらの対策のそれぞれは、単独で、または組み合わせて使用することができる。
【0086】
図3は、例示的なOLEDの第3のエネルギー移動機構を示す。
【0087】
この場合、三重項−三重項消滅は、三重項受容単位上に位置するエネルギーT
1Aの三重項励起子と、発光材料上に位置するエネルギーT
1Eの三重項励起子との間で生じる。これによって、最大T
1E+T
1Aのエネルギーを有する三重項−三重項消滅型の一重項励起子(TTAS)がもたらされることを理解されよう。この一重項励起子のエネルギー準位S
nAはS
1Eよりも高く、したがってエネルギー準位S
nAは、そのエネルギーをS
1Aに移動し、S
1AからS
1Eに移動することができ、そこから光hvが遅延蛍光として発光され得る。
【0088】
OLEDの駆動中に形成されるクエンチ部位によって三重項がクエンチされることを回避することによって、デバイスの寿命を改善することができる。さらに、安定な遅延蛍光を生成するTTAを利用することによって、すべての三重項励起子がクエンチされるデバイス(
図1に示した通り)と比較して、または遅延蛍光の強度が初期のOLED駆動後に急激に低下し得る、三重項受容単位が存在しないデバイスと比較して、効率を改善する可能性がある。
【0089】
三重項をクエンチする機構および前述の2つのTTA機構の2つまたは3つすべては、同じデバイス内で生じ、TTAの2つの機構のそれぞれからの遅延蛍光の量は、発光材料の濃度、三重項受容単位の濃度、ならびに発光単位および三重項受容単位上の三重項励起子の励起状態の寿命などの因子に依存して決まることを理解されよう。
【0090】
三重項受容単位上に存在する三重項励起子の長い寿命は、別の三重項受容単位上に存在する三重項励起子との消滅によって、または発光材料上に存在する三重項励起子との消滅によって、TTAが生じる可能性を増大するように働くことができるが、他の対策を用いて、TTAの確率をまたさらに増大することができる。
【0091】
例えば、三重項受容単位は、TTAの確率を増大するために、任意選択によりスペーサーによって分離して、近接して配することができる。
【0092】
あるいはまたはさらに、三重項受容単位は、TTAの確率を増大するために、高濃度で配することができる。
【0093】
発光材料から三重項受容材料への三重項励起子の移動速度定数は、三重項励起子のクエンチの移動速度定数を超えるように選択することができる。
【0094】
OLEDの発光層において三重項受容材料を使用することに加えて、またはその代替として、電荷を輸送するまたは電荷を阻止するOLEDの層に、式(I)の三重項受容材料を配することができる。例えば、三重項励起子は、正孔輸送層内で形成され、または正孔輸送層に移動することができ、正孔輸送層の正孔輸送材料の分解を引き起こし得る。式(I)の三重項受容材料は、これらの三重項励起子をクエンチするために、正孔輸送材料に提供することができる。例示目的のために、式(I)の三重項受容材料および発光材料を含む組成物を、以下により詳細に記載するが、この三重項受容材料は、OLEDで使用するときにルミネセンスを生じない電荷輸送材料(例えば、正孔輸送材料または電子輸送材料)と組み合わせて同様に使用することができる。
【0095】
三重項受容材料
三重項受容材料は、発光材料と化学的には結合しないが、物理的にブレンドされる化合物であってよく、発光組成物は、1つまたは複数のさらなる成分、例えば、1つまたは複数の電荷輸送材料、特に1つまたは複数の正孔輸送材料または電子輸送材料を含むことができる。あるいは、三重項受容材料は、発光材料に結合することができ、または存在する場合には、前述の他の成分のいずれかに結合することができる。
【0096】
三重項受容材料が発光材料とブレンドされる場合、その三重項受容材料は、好ましくは可溶化基で置換されている。例示的な三重項受容化合物には、以下の一般式(II)を有する化合物が含まれる。
【0097】
【化9】
式中、mは、前述の通りであり、pは、1〜5、好ましくは1または2であり、R
3は、出現するごとに独立に、Hまたは可溶化置換基であり、但し少なくとも1つのR
3は、可溶化置換基である。好ましい可溶化置換基は、直鎖または分岐アルキルまたはアルコキシ、好ましくはアルキルである。かかる化合物の2つの具体例を、以下に示す。
【0099】
末端アリール基のメタ位における可溶化置換基は、可溶性を改善するのに特に有利になり得る。
【0100】
隣接するアリール基は、以下の例に示す通り連結されていてよく、隣接するフェニル基は、連結されてフルオレン単位を形成する。フルオレン単位の架橋炭素原子には、化合物の可溶性、ガラス転移温度または他の特性を調節するための置換基が提供され得る。
【0102】
先の例では、二重結合の各炭素原子は、置換基を1つだけ担持する。しかし、これらの炭素原子の1つまたは複数は、以下の化合物4,4’−ビス(2,2’ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル(DPVBi)に示す通り、2つの置換基を担持することができる。
【0104】
例示的な三重項受容化合物は、式(I)のqが0である場合、次式を有する。
【0106】
この化合物は、任意選択により、前述の置換基R
5などの1つまたは複数の置換基、特にアルキルなどの1つまたは複数の可溶化置換基で置換されていてよい。
【0107】
発光材料がポリマーである場合、式(I)の単位は、ポリマーの主鎖において繰返し単位の形態で、例えば以下に示す任意選択により置換されている繰返し単位の1つの形態で提供され得る。
【0108】
【化14】
式中、
*は、繰返し単位を連結してポリマー鎖にするための連結点を示す。例示的な繰返し単位には、以下が含まれる。
【0109】
【化15-1】
【化15-2】
式中、
*は、繰返し単位を連結してポリマー鎖にするための連結点を示し、Akは、アルキル、特に分岐または直鎖のC
1〜
10アルキルである。特に好ましいアルキル基は、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシルおよびn−オクチルである。Rは、Hまたは置換基であり、任意選択によりアルキル、または任意選択により置換されているアリールもしくはヘテロアリール、例えば1つもしくは複数のアルキル基で置換されているフェニルである。
【0110】
さらにまたはあるいは、三重項受容材料は、1つまたは複数のフェニル基などの1つまたは複数のアリール基またはヘテロアリール基で置換されていてよい。複数のアリール基またはヘテロアリール基が連結されて、アリーレン基またはヘテロアリーレン基の直鎖または分岐鎖、例えば樹状基を形成することができる。例示的な樹状基には、以下が含まれ、そのそれぞれは、1つまたは複数の置換基、例えば、1つまたは複数のC
1〜
20アルキル基またはC
1〜
20アルコキシ基で置換されていてよい。
【0112】
三重項受容単位は、金属触媒クロスカップリング反応に関与することができる脱離基で置換されている、先に示した繰返し単位を含むモノマーを重合することによって、発光ポリマーの主鎖中に結合することができる。例示的な脱離基には、鈴木または山本重合反応に使用するためのハロゲンおよびボロン酸基またはボロン酸エステル基が含まれる。これらの反応を、以下により詳細に記載する。
【0113】
あるいはまたはさらに、発光材料がポリマーである場合、三重項受容単位は、ポリマー末端基の形態で、またはポリマー主鎖からペンダント状態にある側鎖基の形態で、例えば以下に示す通り、任意選択により置換されている側鎖基または末端基の形態で提供することができる。
【0114】
【化17】
式中、
*は、ポリマーに三重項受容側鎖基または末端基を連結するための連結点を示す。
【0115】
側鎖基または末端基は、ハロゲンまたはボロン酸またはボロン酸エステルなどの金属触媒クロスカップリング反応に関与することができる適切な脱離基で、
*において置換されている化合物を、ポリマー上の脱離基と反応させることによって形成することができる。
【0116】
あるいは側鎖基は、以下に示す通り、側鎖基をモノマーの置換基として提供することによって、発光ポリマーに組み込むことができる。
PG−重合可能な単位−PG
|
三重項受容単位
式中、PGは、前述の脱離基などの重合可能な基、または重合可能な二重結合を表す。スペーサー基、例えばアルキレン鎖は、重合可能な単位を三重項受容単位から分離することができる。例示的な重合可能な単位には、任意選択により置換されているアリーレン、例えばポリフルオレン、特に2,7−連結9,9ジアルキルポリフルオレンまたは2,7−連結9,9ジアリールポリフルオレン;ポリスピロフルオレン、特に2,7−連結ポリ−9,9−スピロフルオレン;ポリインデノフルオレン、特に、2,7−連結ポリインデノフルオレン;ポリフェニレン、特にアルキルまたはアルコキシで置換されているポリ−1,4−フェニレンが含まれる。三重項受容側鎖基を含むポリマーを形成するための例示的なモノマーは、次式を有する。
【0118】
この例では、フルオレンモノマーには、2つの三重項受容単位が提供されているが、あるいは、フルオレンモノマーは、フルオレンの9位においてわずか1個の三重項受容単位で置換されていてよく、他の9位は、Hまたは置換基、例えば下記のR
1であることを理解されよう。
【0119】
例示的なエンドキャップ単位は、次式を有する。
【0121】
前述の通り、TTAおよび遅延蛍光の可能性を増大するために、複数の三重項受容単位を近接して配することができる。例えば、かかる2つの単位は、一般式(III)を有する任意選択により置換されている単位で提供することができる。
TAU−スペーサー−TAU
(III)
式中、「TAU」は、式(I)の三重項受容単位を表し、スペーサーは、共役しているか、または共役していないスペーサー基である。スペーサー基は、2つの三重項受容TAU基を分離し、好ましくはそれらの電子的な特徴を分離する(例えば、HOMOとLUMO)。共役および軌道の重なりの正確な性質に応じて、Spは、任意選択により、置換されているフェニル、ビフェニルまたはフルオレンなどの1つまたは複数のアリーレン基またはヘテロアリーレン基を含むことができる。あるいは、Spは、任意選択により、アルキルなどの共役していない連結基、またはTAU基とTAU基の間に共役経路を提供しない別の分子の連結を含むことができる。
【0122】
式(II)の単位は、発光材料と物理的に混合された別個の化合物であってよく、または発光材料に結合していてもよい。発光材料がポリマーである場合、式(II)の単位は、前述の通り、主鎖の繰返し単位、側鎖基または末端基として結合することができる。
【0123】
あるいはまたはさらには、三重項受容単位は、式(IIb)の繰返し構造を含むオリゴマーもしくはポリマー、またはオリゴマーもしくはポリマーの成分であってよい。
(TAU−スペーサー)
m
(IIb)
式中、mは、少なくとも2である。このオリゴマーまたはポリマーは、発光材料と混合することができ、またはポリマー主鎖内に配されることができる。
【0124】
三重項受容単位と発光ポリマーの結合を先に記載してきたが、三重項受容単位は、同様に、存在する場合には組成物の任意の他の成分と結合し得ることを理解されよう。
【0125】
式(I)の三重項受容単位のLUMO準位は、電子トラップを提供するように選択することができる。例えば、三重項受容単位が、電子輸送材料、または電子輸送機能性を含む発光材料と組み合わせて使用される場合、三重項受容単位は、発光材料または電子輸送材料のLUMO準位より少なくとも0.1eV低いLUMO準位を有することができる。例示的な電子輸送材料は、以下により詳細に記載する通り、アリーレン繰返し単位の鎖、例えばフルオレン繰返し単位の鎖を含む。
【0126】
式(I)の三重項受容単位の濃度は、発光材料に対して任意選択により少なくとも0.05mol%、任意選択により0.1mol%、または少なくとも1mol%、例えば0.1〜10mol%または1〜10mol%の範囲である。三重項受容材料の濃度が高いほど、TTAの可能性は増大する。TTAの可能性を増大するために、三重項受容材料上に存在する励起状態の三重項の寿命は、任意選択により少なくとも1マイクロ秒である。三重項励起子の寿命は、その半減期であり、これは、内容が参照によって本明細書に組み込まれるHandbook of Photochemistry、第2版、Steven L Murov、Ian Carmichael and Gordon L Hugおよびその参考文献に記載の通り、単分子の三重項の寿命を測定するための閃光光分解によって測定することができる。
【0127】
三重項受容材料は、リン光ドーパントとは異なり、吸収された三重項が放射減衰するのにエネルギー的に起こりやすい経路を提供せず、結果として、三重項受容材料によって吸収された三重項励起子のエネルギーは、三重項受容材料から発光の形態で三重項受容材料から実質的に喪失されることはないことを理解されよう。
【0128】
発光材料上、例えば共役した発光ポリマーのポリマー主鎖上の三重項励起子の密度は、以下により詳細に記載する通り、準連続発振(準cw)励起状態の吸収を使用して測定することができる。
【0129】
図4は、本発明の一実施形態によるOLEDの構造を示す。OLEDは、透明ガラスまたはプラスチック基板1と、陽極2と、陰極4と、陽極2および陰極4の間に提供された発光層3とを含む。電荷輸送層、電荷注入層または電荷阻止層などのさらなる層(示さず)は、陽極2および陰極の間に位置することができる。
【0130】
有機半導体材料
適切な有機半導体材料、特に電荷輸送材料および/または発光材料には、低分子、ポリマー材料およびデンドリマー材料、ならびにその組成物が含まれる。層3における使用に適した発光ポリマーまたは電荷輸送ポリマーには、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(アリーレンビニレン)、およびポリフルオレン、特に2,7−連結9,9ジアルキルポリフルオレンまたは2,7−連結9,9ジアリールポリフルオレンなどのポリアリーレン;ポリスピロフルオレン、特に2,7−連結ポリ−9,9−スピロフルオレン;ポリインデノフルオレン、特に2,7−連結ポリインデノフルオレン;ポリフェニレン、特にアルキルまたはアルコキシで置換されているポリ−1,4−フェニレンが含まれる。かかるポリマーは、例えば、Adv.Mater.2000年、12(23)1737〜1750頁およびその参考文献に開示されている。
【0131】
適切な発光ポリマーは、発光繰返し単位を含む発光ホモポリマーであってよく、または例えばWO00/55927に開示の通り、発光繰返し単位と、正孔輸送および/または電子輸送繰返し単位などのさらなる繰返し単位を含むコポリマーであってもよい。各繰返し単位は、ポリマーの主鎖または側鎖に提供される。
【0132】
本発明のデバイスにおいて電荷輸送材料および/または発光材料として使用するためのポリマーは、好ましくは、例えば、Adv.Mater.2000年、12(23)1737〜1750頁およびその参考文献に開示されている通り、アリーレン繰返し単位から選択される繰返し単位を含む。
【0133】
例示的な第1の繰返し単位には、J.Appl.Phys.1996年、79、934頁に開示の1,4−フェニレン繰返し単位;欧州特許第0842208号に開示のフルオレン繰返し単位;例えばMacromolecules 2000年、33(6)、2016〜2020頁に開示のインデノフルオレン繰返し単位;および例えば欧州特許第0707020号に開示のスピロフルオレン繰返し単位が含まれる。これらの繰返し単位のそれぞれは、任意選択により置換されている。置換基の例には、C
1〜
20アルキルまたはアルコキシなどの可溶化基;フッ素、ニトロまたはシアノなどの電子求引基;およびポリマーのガラス転移温度(Tg)を増大する置換基が含まれる。
【0134】
特に好ましいポリマーは、任意選択により置換されている2,7−連結フルオレン、最も好ましくは式IVの繰返し単位を含む。
【0135】
【化20】
式中、R
1およびR
2は、独立に、Hまたは置換基であり、R
1およびR
2は、連結されて、環を形成することができる。R
1およびR
2は、好ましくは、水素;任意選択により置換されているアルキル、例えばC
1〜
20アルキル(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい);任意選択により置換されているアリールもしくはヘテロアリール、例えばフェニル、または直鎖もしくは分岐鎖のアリール基もしくはヘテロアリール基、例えばフェニル基(これらの基のそれぞれは、独立に置換されていてよい)、例えば下記の式(Ar
3)
vの基;ならびに任意選択により置換されているアリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R
1およびR
2の少なくとも1つは、任意選択により置換されているC
4〜
20アルキルまたはアリール、特にフェニル基を含む。
【0136】
Ar
3は、出現するごとに独立に、アリールまたはヘテロアリールから選択され、rは、少なくとも1、任意選択により1、2または3である。
【0137】
R
1またはR
2が、1つまたは複数のアリール基またはヘテロアリール基を含む場合、それらのアリール基またはヘテロアリール基は、
アルキル(アルキル基の1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよく、アルキル基の1つまたは複数のH原子は、Fで置き換えられていてよい)、または1つもしくは複数の基R
4で任意選択により置き換えられているアリールもしくはヘテロアリール、
または1つもしくは複数の基R
4で任意選択により置き換えられているアリールもしくはヘテロアリール、
NR
52、OR
5、SR
5、
フッ素、ニトロおよびシアノ
からなる基R
3から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてよい(式中、各R
4は、独立にアルキルであり、そのアルキル基の1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよく、アルキル基の1つまたは複数のH原子は、Fで置き換えられていてよく、各R
5は、独立に、アルキル、および1つまたは複数のアルキル基で任意選択により置換されているアリールまたはヘテロアリールからからなる群から選択される)。
【0138】
R
1またはR
2が、アリールまたはヘテロアリールである場合、好ましい任意選択の置換基には、アルキル基が含まれる(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい)。
【0139】
置換基R
1およびR
2以外のフルオレン単位の任意選択の置換基は、好ましくは、アルキル(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい)、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、アルコキシ、アルキルチオ、フッ素、シアノおよびアリールアルキルからなる群から選択される。好ましくは、ポリマーは、前述のアリーレン繰返し単位およびアリールアミン繰返し単位、特に繰返し単位Vを含む。
【0140】
【化21】
式中、Ar
1およびAr
2は、任意選択により置換されているアリール基またはヘテロアリール基であり、nは、1以上であり、好ましくは1または2であり、Rは、Hまたは置換基、好ましくは置換基であり、xおよびyは、それぞれ独立に、1、2または3である。Rは、−(Ar
3)
vであってよく、Ar
3は、出現するごとに独立に、アリールまたはヘテロアリールから選択され、vは、少なくとも1、任意選択により1、2または3である。vが1を超える場合、−(Ar
3)
vは、Ar
3基の直鎖または分岐鎖を形成することができる。Rは、好ましくはアルキルまたはアリールまたはヘテロアリール、最も好ましくはアリールまたはヘテロアリールである。Rが1つまたは複数のアリール基またはヘテロアリール基を含む場合を含み、式1の単位のアリール基またはヘテロアリール基のいずれかは、置換されていてよい。好ましい置換基は、アルキル(1つまたは複数の隣接していないC原子は、O、S、置換N、C=Oおよび−COO−で置き換えられていてよい)、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、アルコキシ、アルキルチオ、フッ素、シアノおよびアリールアルキルから選択される。好ましい置換基には、アルキル基およびアルコキシ基が含まれる。式1の繰返し単位のアリール基またはヘテロアリール基のいずれかは、直接結合または二価の連結原子もしくは連結基によって連結されていてもよい。好ましい二価の連結原子および連結基には、O、S、置換Nおよび置換されているCが含まれる。
【0141】
Ar
1、Ar
2およびAr
3は、出現するごとに、好ましくはフェニルであり、各フェニルは、独立に、前述の1つまたは複数の置換基で置換されていてよい。例示的な置換基は、C
1〜
20アルキルなどのアルキルである。
【0142】
式(V)の繰返し単位は、xおよびyが共に1である次式を有することができる。
【0144】
式1を満たす特に好ましい単位には、式1〜3の単位が含まれる。
【0145】
【化23】
式中、Ar
1およびAr
2は、先に定義の通りであり、Ar
3は、任意選択により置換されているアリールまたはヘテロアリールである。存在する場合、Ar
3の好ましい置換基には、アルキル基およびアルコキシ基が含まれる。
【0146】
式(V)の繰返し単位を含むポリマーは、OLEDの層3における発光材料として、またはOLEDの層3もしくは正孔輸送層において使用される正孔輸送材料として使用することができる。
【0147】
ポリマーは、式(V)の1つ、2つまたはそれ以上の異なる繰返し単位を含むことができる。例えば、ポリマーは、正孔輸送をもたらすために、式(V)の1つの繰返し単位を含み、発光をもたらすために、式(V)の別の繰返し単位を含むことができる。
【0148】
アリールアミン繰返し単位は、好ましくは最大30mol%、好ましくは最大20mol%の量で存在する。これらの百分率は、式Vの2つ以上のタイプの繰返し単位が使用される場合に、ポリマー中に存在するアリールアミン単位の総数に適用される。
【0149】
ポリマーは、電荷輸送または発光のために、ヘテロアリーレン繰返し単位を含むことができる。
【0150】
三重項受容単位と電荷輸送材料または発光材料の結合は、それに対応する混合系には利用できない分子内の三重項受容経路をもたらし得るので、三重項受容材料を電荷輸材料または発光材料と混合する場合と比較して、より効率的な三重項受容をもたらすことができる。電荷輸送ポリマーおよび/または発光ポリマーが使用される場合、三重項受容単位は、ポリマーの任意の繰返し単位に結合することができる。例えば、発光ポリマーの場合、三重項受容単位は、ポリマーの発光繰返し単位、ならびに/または存在することができるポリマーの任意の他の繰返し単位、例えば電子輸送繰返し単位および/もしくは正孔輸送繰返し単位に結合することができる。
【0151】
さらに結合は、処理上の理由から有益になり得る。例えば、式(I)の化合物の可溶性が低い場合、この化合物を、可溶性電荷輸送材料または発光材料、特に可溶性電荷輸送ポリマーまたは発光ポリマーに結合させると、その電荷輸送材料または発光材料によって三重項受容単位が溶液に組み込まれ、溶液処理技術を使用してデバイスを製造することができる。さらに、三重項受容単位が相対的に揮発性の材料である場合、デバイスの製造中に三重項受容材料が蒸発する危険性が排除される。このことは、溶液の堆積によって形成される電荷輸送層および発光層が、一般には、デバイスの製造過程の一部として加熱され(例えば、溶媒を蒸発させるために)、それによって揮発性の三重項受容単位が蒸発する確率が増大するので、溶液処理法を使用して形成されるOLEDの場合には特に問題となる。最後に、三重項受容単位を電荷輸送材料または発光材料と結合させることによって、デバイスの性能に有害になり得る、溶液処理されたデバイスにおける相分離効果を防止することができる。
【0152】
発光材料が、発光繰返し単位およびさらなる繰返し単位、例えば式(V)の発光アミン繰返し単位および式(IV)のフルオレン繰返し単位を含む共役ポリマーである場合、ポリマー主鎖への三重項受容単位の共役(例えば、フルオレン繰返し単位との共役による)によって、三重項受容単位のT
1エネルギー準位が低下し、したがって、エミッタ単位から三重項受容単位に三重項励起子を移動させるエネルギーが起こりやすくなる。三重項受容単位のT
1エネルギー準位のこの低下により、三重項受容単位を、このように共役していない三重項受容単位と共に使用するには低すぎるT
1準位を有する発光材料と併用することも可能になる。
【0153】
共役した電荷輸送ポリマーおよび発光ポリマーの好ましい調製方法は、金属錯体触媒の金属原子が、モノマーのアリール基またはヘテロアリール基と脱離基との間に挿入される「金属挿入」を含む。例示的な金属挿入法は、例えばWO00/53656に記載の鈴木重合、および例えば、T.Yamamoto、「Electrically Conducting And Thermally Stable□−Conjugated Poly(arylene)s Prepared by Organometallic Processes」、Progress in Polymer Science 1993年、17、1153〜1205頁に記載の山本重合である。山本重合の場合は、ニッケル錯体触媒が使用され、鈴木重合の場合は、パラジウム錯体触媒が使用される。
【0154】
例えば、山本重合による線状ポリマーの合成では、2つの反応性ハロゲン基を有するモノマーが使用される。同様に、鈴木重合の方法によれば、少なくとも1つの反応基は、ボロン酸またはボロン酸エステルなどのホウ素誘導体基であり、他の反応基はハロゲンである。好ましいハロゲンは、塩素、臭素およびヨウ素、最も好ましくは臭素である。
【0155】
したがって、本願を通して示される繰返し単位は、適切な脱離基を担持するモノマーから導出され得ることが理解されよう。同様に、末端基または側鎖基は、適切な脱離基の反応によって、ポリマーに結合することができる。
【0156】
鈴木重合は、立体規則性のある(regioregular)ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーを調製するために使用することができる。特に、ホモポリマーまたはランダムコポリマーは、1つの反応基がハロゲンであり、他の反応基がホウ素誘導体基である場合に調製することができる。あるいは、ブロックコポリマーまたは立体規則性のあるコポリマー、特にABコポリマーは、第1のモノマーの両方の反応基がホウ素であり、第2のモノマーの両方の反応基がハロゲンである場合に調製することができる。
【0157】
ハロゲン化物の代替として、金属挿入に関与することができる他の脱離基には、トシレート、メシレートおよびトリフレートを含む基が含まれる。
【0158】
発光層3は、発光ポリマーおよび三重項受容単位だけからなることができ、またはこれらの材料を、1つまたは複数のさらなる材料と組み合わせて含むことができる。特に、発光ポリマーは、正孔および/または電子輸送材料とブレンドすることができ、あるいは例えばWO99/48160に開示されている通り、正孔および/または電子輸送材料に共有結合することができる。
【0159】
発光コポリマーは、例えばWO00/55927および米国特許第6353083号に開示されている通り、発光領域と、正孔輸送領域および電子輸送領域の少なくとも一方とを含むことができる。正孔輸送領域および電子輸送領域の一方だけが提供される場合、エレクトロルミネセント領域によって、正孔輸送機能性および電子輸送機能性の他方を提供することもでき、例えば、前述のアミン単位は、正孔輸送と発光の両方の機能性を提供することができる。発光繰返し単位と、正孔輸送繰返し単位および電子輸送繰返し単位の一方または両方とを含む発光コポリマーは、米国特許第6353083号に開示の通り、ポリマー主鎖に前記単位を提供することができ、またはポリマー主鎖からペンダント状態にあるポリマー側鎖基に前記単位を提供することができる。
【0160】
発光ポリマーは、三重項受容単位に対するそのS
1およびT
1エネルギー準位が前述の通りであるという条件で、任意の色を発光することができるが、発光ポリマーは、好ましくは青色発光ポリマーであり、特に、400〜500nm、好ましくは430〜500nmの範囲のピーク波長を有するフォトルミネセント発光を有する材料である。
【0161】
発光層3は、パターン化されていてよく、またはパターン化されていなくてもよい。パターン化されていない層を含むデバイスは、例えば照明光源として使用することができる。白色発光デバイスは、特にこの目的に適している。パターン化された層を含むデバイスは、例えば、アクティブマトリックスディスプレイまたはパッシブマトリックスディスプレイであってよい。アクティブマトリックスディスプレイの場合、パターン化された発光層は、一般に、パターン化された陽極層およびパターン化されていない陰極と組み合わせて使用される。パッシブマトリックスディスプレイの場合、陽極層は、陽極材料の平行なストライプと、その陽極材料に垂直に配列されたエレクトロルミネセント材料および陰極材料の平行なストライプとから形成され、エレクトロルミネセント材料および陰極材料のストライプは、フォトリソグラフィによって形成された絶縁材料(「陰極分離材」)のストライプによって一般に分離されている。
【0162】
B.発光
式(I)の単位が、発光材料として使用される場合、この単位は、ポリマー性ホスト材料などのホスト材料と組み合わせて使用することができ(このホスト材料から一重項励起子を受け取る)、この場合、式(I)の単位のS
1準位は、ホストのS
1準位よりも低く、または少なくともホストのS
1準位以下である。
【0163】
式(I)の単位は、そのホスト材料と物理的に混合されるが、化学的に結合しない化合物であってよい。あるいは、式(I)の単位は、そのホスト材料に化学的に結合することができる。ポリマー性ホスト材料の場合、式(I)の単位は、ポリマー主鎖の繰返し単位として提供することができ、または側鎖基もしくは末端基としてポリマーに結合することができる。式(I)の適切な発光化合物、繰返し単位、側鎖基および末端基は、三重項受容材料に関して先に記載の通りである。
【0164】
この場合の適切なホスト材料には、フルオレンホモポリマーまたはフルオレン単位を含むコポリマー、および式(I)の単位よりも高いS
1準位を有する1つまたは複数のコモノマーの繰返し単位(co-repeat unit)が含まれる。
【0165】
OLEDの例示的な材料、方法およびデバイスの構造を、以下により詳細に記載する。これらの材料、方法およびデバイスの構造は、式(I)の単位を含む単位がエミッタ単位として機能するか、または実質的に発光しない三重項受容単位として機能するかに関わらず、式(I)の単位を含むOLEDに適用することができることを理解されよう。
【0166】
正孔注入層
伝導性有機材料または無機材料から形成することができる伝導性正孔注入層を、陽極2および発光層3の間に提供して、陽極から半導体ポリマーの1つまたは複数の層に正孔を注入するのに役立てることができる。
【0167】
ドープされた有機正孔注入材料の例には、任意選択により置換されているドープされたポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、特に欧州特許第0901176号および欧州特許第0947123号に開示の通りポリスチレンスルホネート(PSS)などの電荷平衡性ポリ酸でドープされたPEDT、ポリアクリル酸またはフッ素化スルホン酸、例えばNafion(登録商標);米国特許第5723873号および米国特許第5798170号に開示のポリアニリン;ならびに任意選択により置換されているポリチオフェンまたはポリ(チエノチオフェン)が含まれる。伝導性無機材料の例には、Journal of Physics D:Applied Physics(1996年)、29(11)、2750〜2753頁に開示されているものなどの、VOx MoOxおよびRuOxなどの遷移金属酸化物が含まれる。
【0168】
電荷輸送層
正孔輸送層は、陽極および発光層の間に提供することができる。同様に、電子輸送層は、陰極および発光層の間に提供することができる。
【0169】
同様に、電子阻止層は、陽極および発光層の間に提供することができ、正孔阻止層は、陰極および発光層の間に提供することができる。輸送層および阻止層は、組み合わせて使用することができる。そのHOMOおよびLUMO準位に応じて、単一層によって、正孔および電子の一方を輸送し、かつ正孔および電子の他方を阻止することができる。
【0170】
存在する場合、陽極2および発光層3の間に位置する正孔輸送層は、好ましくは5.5eV以下、より好ましくは約4.8〜5.5eVのHOMO準位を有する。HOMO準位は、例えばサイクリックボルタンメトリーによって測定することができる。
【0171】
存在する場合、発光層3および陰極4の間に位置する電子輸送層は、好ましくは約3〜3.5eVのLUMO準位を有する。例えば、一酸化ケイ素もしくは二酸化ケイ素の層、または0.2〜2nmの範囲の厚さを有する他の薄い誘電性の層が、発光層3および層4の間に提供される。
【0172】
電荷輸送材料として使用するためのポリマーは、式(IV)のフルオレン単位などのアリーレン単位および前述の他の単位を含むことができる。
【0173】
正孔輸送ポリマーは、アリールアミン繰返し単位、特に前述の式1〜3の繰返し単位などの、式(V)の繰返し単位を含むことができる。このポリマーは、ホモポリマーであってよく、または最大95mol%、好ましくは最大70mol%の量のアリーレン繰返し単位を含むコポリマーであってもよい。これらの百分率は、式(V)の2種類以上の繰返し単位が使用される場合に、ポリマー内に存在するアリールアミン単位の総数に適用される。
【0174】
電荷輸送単位は、ポリマー主鎖またはポリマー側鎖に提供することができる。
【0175】
存在する場合、電荷輸送層は、電荷輸送材料および三重項吸収材料を、前述の変更形態と類似の変更形態で含むことができ、その場合、発光層3は、三重項受容単位を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0176】
陰極
陰極4は、エレクトロルミネセント層に電子を注入することができる仕事関数を有する材料から選択される。陰極とエレクトロルミネセント材料との間に有害な相互反応が生じる可能性があるなどの他の因子も、陰極の選択に影響を及ぼす。陰極は、アルミニウム層などの単一材料からなることができる。
【0177】
あるいは、陰極は、複数の金属を含むことができ、例えばWO98/10621に開示のカルシウムおよびアルミニウムなどの、低仕事関数の材料および高仕事関数の材料の二層;WO98/57381、Appl.Phys.Lett.2002年、81(4)、634頁およびWO02/84759に開示の元素バリウム;またはWO00/48258に開示の、電子注入の一助にするための金属化合物、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物またはフッ化物、例えばフッ化リチウムの薄層;Appl.Phys.Lett.2001年、79(5)、2001頁に開示のフッ化バリウム;ならびに酸化バリウムを含むことができる。デバイスに電子を効率的に注入するために、陰極は、好ましくは3.5eV未満、より好ましくは3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。金属の仕事関数は、例えば、Michaelson、J.Appl.Phys.48(11)、4729頁、1977年に見ることができる。
【0178】
陰極は、不透明または透明であり得る。透明陰極は、アクティブマトリックスデバイスにおいて透明陽極を通過する発光が、発光性画素の下に位置する駆動回路によって少なくとも部分的に阻止されるので、アクティブマトリックスデバイスでは特に有利である。透明陰極は、十分に薄くて透明な電子注入材料の層を含む。一般に、この層の横伝導率は、その薄さの結果として低くなる。この場合、電子注入材料の層は、酸化インジウムスズなどの透明導電性材料のより厚い層と組み合わせて使用される。
【0179】
透明陰極デバイスには、透明陽極が不要であり(当然のことながら、完全に透明なデバイスが望ましい場合を除く)、したがってボトム発光デバイスに使用される透明陽極は、アルミニウム層などの反射材料の層で置き換えるか、または補充できることを理解されよう。透明陰極デバイスの例は、例えばGB2348316に開示されている。
【0180】
封止
OLEDは、湿気および酸素に感受性が高い傾向がある。したがって基板は、好ましくは、デバイスへの湿気および酸素の侵入を防止するための良好なバリア特性を有する。基板は、一般にガラスであるが、特にデバイスの可撓性が望ましい場合には、代替の基板を使用することができる。例えば、基板は、プラスチック層とバリア層が交互になった基板を開示している米国特許第6268695号にみられるようなプラスチック、または欧州特許第0949850号に開示されている薄いガラスおよびプラスチックのラミネートを含むことができる。
【0181】
デバイスは、好ましくは、湿気および酸素の侵入を防止するための封止材(encapsulant)(示さず)で封止される。適切な封止材には、ガラスシート、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素、窒化ケイ素などの適切なバリア特性を有するフィルム、または例えばWO01/81649に開示されているポリマーと誘電体が交互に積み重ねられたもの、または例えばWO01/19142に開示されている気密容器が含まれる。透明陰極デバイスの場合、一酸化ケイ素または二酸化ケイ素などの透明な封止層は、ミクロンレベルの厚さまで堆積することができるが、好ましい一実施形態では、かかる層の厚さは、20〜300nmの範囲である。基板または封止材に浸透することができる任意の大気中の湿気および/または酸素を吸収するためのゲッター材料は、基板および封止材の間に堆積させることができる。
【0182】
溶液処理
発光層3は、真空蒸着および溶媒中溶液からの堆積を含む任意の方法によって堆積させることができる。発光層が、ポリフルオレンなどのポリアリーレンを含む場合、溶液堆積に適した溶媒には、トルエンおよびキシレンなどのモノ−またはポリ−アルキルベンゼンが含まれる。特に好ましい溶液堆積技術には、印刷技術およびコーティング技術、好ましくはスピンコーティングおよびインクジェット印刷が含まれる。
【0183】
スピンコーティングは、特に、エレクトロルミネセント材料のパターン化が不要のデバイス、例えば照明適用または簡単なモノクロセグメントディスプレイに適している。
【0184】
インクジェット印刷は、特に、情報量の多いディスプレイ、特にフルカラーディスプレイに適している。デバイスは、第1の電極上にパターン化された層を提供し、単色(モノクロデバイスの場合)または複数色(多色、特にフルカラーデバイスの場合)の印刷のためにウェルを画定することによって印刷されるインクジェットであり得る。パターン化される層は、一般に、例えば欧州特許第0880303号に記載の通り、ウェルを画定するためにパターン化されるフォトレジスト層である。
【0185】
ウェルの代替として、パターン化された層内に画定されたチャネルに、インクを印刷することができる。特に、フォトレジストは、パターン化してチャネルを形成することができ、そのチャネルは、ウェルとは異なり、複数の画素上に広がり、チャネル端部で閉口していても開口していてもよい。
【0186】
他の溶液堆積技術には、浸漬コーティング、ロール印刷およびスクリーン印刷が含まれる。
【0187】
OLEDの複数の層が溶液処理によって形成される場合、当業者は、例えば1つの層を架橋した後、その後の層を堆積させることによって、または隣接する層の第1の層を形成する材料が、第2の層を堆積させるために使用される溶媒に溶解しないように、隣接する層の材料を選択することによって、隣接する層が混ざり合うのを防止するための技術を認識されよう。
【実施例】
【0188】
材料実施例
式(I)の化合物を、以下の合成法に従って調製した。
【0189】
【化24】
【0190】
三重項をクエンチする材料12、三重項をクエンチするポリマーの末端基または側鎖基を形成するための反応性化合物13、ならびに三重項をクエンチする繰返し単位を形成するモノマー14、16および18を、以下の方法に従って調製した。
【0191】
【化25】
【0192】
化合物2
無水テトラヒドロフラン(1000ml)中、p−キシリレンビス(トリフェニルホスホニウム臭化物)(81.3g、103mmol)およびp−ブロモベンズアルデヒド(38.3g、207mmol)の氷冷溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(22.0g、229mmol)を添加し、反応混合物を、終夜撹拌しながら室温に温めた。水溶液による後処理および還流トルエン中ヨウ素を用いる処理の後、標題化合物を黄色固体として単離した(20.3g、46mmol)。
【0193】
化合物3
−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(200ml)中、化合物2(4.40g、10mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、12ml、30mmol)を添加し、その後イソプロポキシボロン酸ピナコールエステル(5.60g、30mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、酸でクエンチした。カラムクロマトグラフィー(シリカ、トルエン)によって、標題化合物を黄色固体として得た(2.95g、5.5mmol)。
【0194】
化合物5
トルエン(75ml)中、化合物3(1.21g、2.3mmol)、化合物4(1.80g、5.5mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物(0.088g、0.13mmol)の溶液ならびに水酸化テトラエチルアンモニウム(水中20wt%、15ml、20mmol)を還流下で終夜撹拌した。水溶液による後処理の後、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/トルエン)および再結晶によって、標題化合物を黄色固体として得た(0.44g、0.6mmol)。
【0195】
化合物7
無水テトラヒドロフラン(200ml)中、化合物6(10.0g、27mmol)および1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(11.4g、40mmol)、炭酸銀(14.8g、54mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.11g、2.7mmol)の溶液を、終夜還流させた。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン)によって、標題化合物を無色油として得た(4.07g、10mmol)。
【0196】
化合物8
化合物5に記載した手順に従って、化合物3(2.47g、4.6mmol)および化合物7(4.05g、10mmol)を使用して、標題化合物を黄色固体として得た(2.0g、2.2mmol)。
【0197】
化合物10
−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(300ml)中、化合物9(20.0g、29mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、11.5ml、29mmol)を添加し、その後水(10ml、555mmol)を添加した。反応混合物を室温に温めた。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/トルエン)によって、標題化合物を無色油として得た(6.0g、9.7mmol)。
【0198】
化合物11
化合物5に記載した手順に従って、化合物3(1.84g、3.4mmol)および化合物10(4.67g、7.1mmol)を使用して、標題化合物を黄色固体として得た(0.84g、0.6mmol)。
【0199】
化合物12
乾燥テトラヒドロフラン(500ml)を、フルオレン(10.00g、60.16mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(7.43g、66.18mmol)の混合物に窒素下で添加し、室温で5分間撹拌した。次いで、ベンゾフェノン(10.96g、60.16mmol)を固体として添加し、反応混合物を、窒素下で室温においてさらに20時間撹拌した。次いで、塩化アンモニウム水溶液(飽和、200ml)を添加し、水溶液の色が消失するまで撹拌した。ジエチルエーテル(100ml)を添加し、水層を分離し、ジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。混合有機層を水(3×200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物(16.0g)を、ジクロロメタン:ヘキサン(100:200ml)から2回再結晶させ、次にジクロロメタン:アセトニトリル(100:200ml)から再結晶させ、次に真空下で乾燥して、9−(ジフェニルメチレン)−9H−フルオレン(7.34g)の白色結晶を得た。
【0200】
化合物13
化合物12に記載した手順に従って、フルオレン(31.83g、191.5mmol)および3−ブロモベンゾフェノン(50.00g、191.5mmol)を使用し、次にジクロロメタン:ヘキサンから再結晶させた後、標題化合物をオフホワイト色の結晶固体として得た(62.11g、162mmol)。
【0201】
化合物14
乾燥テトラヒドロフラン(200ml)中、化合物13(30.00g、73.29mmol)の溶液を、アセトン/ドライアイス浴中、窒素下で−70℃未満に冷却し、次にn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、28.0ml、70.1mmol)を滴下添加した。反応混合物を−70℃未満にして90分間撹拌し、次に乾燥テトラヒドロフラン(40ml)中、エチル4,4’−ジブロモビフェニル−2−カルボキシレート(11.79g、31.9mmol)の溶液を滴下添加し、反応混合物をさらに40時間撹拌しながら室温に温めた。
【0202】
次いで、塩化アンモニウム水溶液(飽和、50ml)を添加し、20分間撹拌した。次いで、ジエチルエーテル(200ml)を添加し、水層を分離し、ジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。混合有機層を、水(3×100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次に蒸発させた。粗生成物である中間体を、窒素下で乾燥ジクロロメタン(200ml)に溶解し、塩化ナトリウム/氷浴中で冷却した。ボロントリフルオリドエーテラート(38ml)を滴下添加し、暗色溶液を終夜撹拌し、室温に温めた。次に、反応混合物を氷/水(500ml)上に注ぎ、リン酸カリウム水溶液(200ml中20g)を添加し、1時間撹拌した。水層を分離し、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出し、混合有機層を水(2×100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次に蒸発させて、オレンジ色の油を得た。この油をヘキサンと2回研和し、次にトルエン:アセトニトリルから再結晶させて、標題化合物を得た(20.5g、20.9mmol)。
【0203】
化合物15
n−ブチルリチウム(95ml、ヘキサン中2.5M、238mmol)を、乾燥ジエチルエーテル(1.4L)中、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(66.3g、238mmol)の溶液に、氷浴中、窒素下で滴下添加し、次に20分間撹拌した。クロロトリメチルシラン(40ml、過剰)を添加し、徐々に室温に温めながら6時間撹拌した。水(500ml)を添加し、有機層を分離し、水(3×100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、オレンジ色の固体を得た。加熱したヘキサンから再結晶させて、標題化合物を得た(60.7g、73%)。
【0204】
化合物16
n−ブチルリチウム(7.4ml、ヘキサン中2.5M、18mmol)を、乾燥ジエチルエーテル(100ml)中、2,7−ジ−tert−ブチル−9−トリメチルシリルフルオレン(7.11g、20.2mmol)の溶液に、0℃において窒素下でゆっくり添加し、15分間撹拌した。ジブロモベンズアルデヒド(4.87g、18.4mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。水(50ml)を添加し、有機層を分離し、水(3×30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、オレンジ色の油を得た。ヘキサン、アセトニトリルおよびプロパン−2−オールから再結晶させて、標題化合物を得た。
【0205】
化合物17
塩化チオニル(100ml)を、3,5−ジブロモ安息香酸(50.0g、178mmol)に添加し、6時間加熱還流させた。次に、過剰の塩化チオニルを蒸留によって除去し、残りの褐色固体を乾燥テトラヒドロフラン(1L)に溶解し、アセトン/ドライアイス浴中、窒素下で−70℃未満に冷却した。フェニルマグネシウムブロミド溶液(179ml、テトラヒドロフラン中1M、179mmol)を、冷却した反応混合物に滴下添加し、次に4時間撹拌しながら温度を室温に戻した。水(200ml)を注意深く添加した後、ジエチルエーテル(200ml)を添加した。水層を分離し、ジエーテルエーテル(2×50ml)で抽出し、次に混合有機層を水(3×100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。メタノールとの研和によって白色固体が得られ、この白色固体をヘキサンから再結晶させた後、標題化合物を得た(23.66g)。
【0206】
化合物18
化合物12に記載した手順に従って、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(19.37g、69.6mmol)および3,5−ジブロモベンゾフェノン(23.66g、69.6mmol)を使用し、その後、ヘキサンから再結晶させ、シリカカラムクロマトグラフィーにかけ(5%ジクロロメタン:ヘキサンで溶出)、ジクロロメタン:メタノールからさらに再結晶させ、標題化合物を黄色固体として得た(0.90g)。
【0207】
化合物19
【0208】
【化26】
【0209】
化合物19を、化合物18に関して先に示した方法に従って、下記の通り、先に示した中間体17の反応によって調製した。
【0210】
カリウムtert−ブトキシド(39.16g、342mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(400ml)中、フルオレン(58.0g、342mmol)の溶液に窒素下で添加し、完全に溶解するまで室温で撹拌した。次に、反応混合物を−75℃に冷却し、乾燥テトラヒドロフラン(350ml)中、3,5−ジブロモベンゾフェノン(116.3g、342mmol)の溶液を、−70℃未満の温度を維持しながら滴下添加し、次に、終夜撹拌しながら室温に温めた。次に、反応物を冷却し、塩化アンモニウム水溶液(飽和、250ml)を添加し、0℃で20分間撹拌し、次に真空下でテトラヒドロフランを除去した。水(1L)を添加し、ジクロロメタン(3×250ml)で抽出し、混合有機画分を水(3×300ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、褐色油を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン+ジクロロメタンを増加)によって精製した後、ヘキサンと研和し、ジクロロメタン:メタノールから再結晶させて、所望の生成物を薄黄色固体として得た(38.2g)。
【0211】
デバイス実施例1−三重項受容
以下の構造を有するデバイスを形成した。
ITO/HIL/HTL/EL/MF/Al
ITOは、酸化インジウムスズ陽極を表し、HILは、Plextronics Inc.から利用可能な正孔注入材料から形成された正孔注入層であり、HTLは、式(IV)のフルオレン繰返し単位および式(V)のアミン繰返し単位を含むポリマーの正孔輸送層であり、ELは、0.25mol%のDPVBiとブレンドした、式(IV)のフルオレン繰返し単位および式(V)のアミン繰返し単位を含む発光層であり、MFは、フッ化金属であり、MF/Alの二層は、デバイスの陰極を形成する。
【0212】
デバイス実施例2〜4−三重項受容
3つのさらなるデバイスを、DPVBiを0.5、1および3mol%(それぞれデバイス2、3および4)の濃度で提供したことを除き、先の通り調製した。
【0213】
図5に示す通り、デバイス3は、三重項受容化合物が存在しない比較用デバイスのエレクトロルミネセンススペクトル(A)と実質的に同一のエレクトロルミネセンススペクトル(B)を有しており、このことは、三重項受容化合物のS
1エネルギー準位が、ポリマーの発光単位のS
1エネルギー準位よりも高いことを示している。
【0214】
図6に示す通り、T
90寿命(すなわち、一定電流におけるデバイスの輝度が、その元の輝度の90%まで低下するのにかかる時間)は、すべての場合において、例示的デバイス1〜4の方が比較用デバイス(C)よりも長く、寿命の減衰曲線は、平坦になる前に輝度が最初に急激に低下する比較用デバイス(C)の曲線と比較して、著しく平坦である。
【0215】
図7は、デバイス3(点線)および比較用デバイス(実線)の電圧に対する電流密度の特徴が、実質的に同一であることを示している。
【0216】
図8は、デバイス3(点線、E)を比較用デバイス(実線、F)と比較した場合の外部量子効率の低下を示す。このことは、三重項がクエンチされ、その結果発光ポリマー上に存在する三重項の三重項−三重項消滅が生じない本発明の場合に予期されるものであるが、効率は、本明細書で先に記載の通り、三重項−三重項消滅を引き起こすことによって修復され得る。
【0217】
デバイス実施例5
デバイス実施例1の通りにしてデバイスを形成した。このデバイスでは、HTLは、50:50molのコポリマーF8−TFB(ポリ−(9,9−ジオクチルフルオレン−N−(4−(2−ブチル)フェニル)−ジフェニルアミン))を含み、ELは、三重項をクエンチする添加物であるDPVBi(4,4’−ビス(2,2’ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)とブレンドした(1%mol比)95:5molのコポリマーF8−PFB(ポリ−(9,9’−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N’−(4−ブチルフェニル)−ビス−N,N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン))を含む。
【0218】
DPVBiは、スペクトルの赤色−緑色部分の三重項エネルギーを有する(Chen,P.ら、White organic light−emitting devices with a bipolar transport layer between blue fluorescent and orange phosphorescent emitting layers.Appl.Phys.Lett.91、023505−3(2007年);Schwartz,G.、Fehse,K.、Pfeiffer,M.、Walzer,K.&Leo,K.Highly efficient white organic light emitting diodes comprising an interlayer to separate fluorescent and phosphorescent regions.Applied Physics Letters 89、083509(2006年);およびRomanovskii、Y.V.ら、Phosphorescence of pi−conjugated oligomers and polymers.Phys.Rev.Lett.84、1027〜1030頁(2000年)。
【0219】
DPVBiはまた、ルミネセントポリマーと比較して高い一重項エネルギー(3.2eV)を有しており、したがってこの分子は、一重項の発光状態に影響を及ぼすことなくポリマーの三重項を受容する。このことは、この低分子をポリマーに組み込んでも、デバイスのフォトルミネセンスの強度にもスペクトルにも影響がないという観測によって確認される。
【0220】
【化27】
【0221】
一重項および三重項励起子の動力学を、時間分解エレクトロルミネセンス、ならびに準cwおよび時間分解励起状態の吸収を使用して研究した。励起状態の吸収技術は、他所に記載されており(King,S.、Rothe,C.&Monkman,A.Triplet build in and decay of isolated polyspirobifluorene chains in dilute solution.J.Chem.Phys.121、10803〜10808頁(2004年)、およびDhoot,A.S.、Ginger,D.S.、Beljonne,D.、Shuai,Z.&Greenham,N.C.Triplet formation and decay in conjugated polymer devices.Chemical Physics Letters 360、195〜201頁(2002年))、ポリフルオレンの三重項状態は、これらの技術を用いて、三重項状態に起因する780nmにピークを有する強力な励起状態の吸収の特性によって十分に特徴付けられている(King,S.、Rothe,C.&Monkman,A.Triplet build in and decay of isolated polyspirobifluorene chains in dilute solution.J.Chem.Phys.121、10803〜10808頁(2004年)およびRothe,C.、King,S.M.、Dias,F.&Monkman,A.P.Triplet exciton state and related phenomena in the beta−phase of poly(9,9−dioctyl)fluorene.Physical Review B70(2004年))。ポリフルオレン三重項集団の調査を780nmで実施したが、当業者は、この調査を他の発光材料に合わせて、それらの材料の励起状態の吸収特性に基づいて改変する方法を理解されよう。
【0222】
図9は、デバイス実施例5の外部量子効率(EQE)(菱形)と、三重項をクエンチする添加物が存在しない比較用デバイスの外部量子効率(四角)を示す。三重項をクエンチする添加物を含むデバイスは、高電圧で約20%のピークEQEの著しい低下を示す。効率の喪失は、デバイスのエレクトロルミネセンスのスペクトルが変化することなく生じる。したがって、一重項エネルギーから予期され得る通り、添加物は、一重項励起子をクエンチせず、かつデバイスの発光に関与することもない。いかなる理論にも拘泥するものではないが、効率の喪失は、発光ポリマーから三重項がクエンチされることによりTTA成分の除去が引き起こされることに起因して生じると思われる。
【0223】
ポリマー主鎖上の三重項励起子の密度は、先に概説の通り、準cw励起状態の吸収を使用して測定される。
【0224】
図10は、三重項クエンチャーを含むポリマー主鎖上(菱形、円形)および含まないポリマー主鎖上(四角)両方の三重項密度を示し、添加物を含むデバイスでは、フルオレン主鎖上の三重項密度は、約10分の1低く、したがって添加物は、すべてのデバイス駆動電圧において、ポリマーからの三重項をクエンチするのに非常に効率的である。共役ポリマーにおける三重項励起状態の吸収の消衰係数についての文献による値は、10
-16〜10
-15cm
2の範囲であり、これにより、標準のデバイスでは50mAcm
-2の一般的な駆動電流において10
16〜10
17cm
-3の三重項密度が生じ、減衰は、発光性一重項励起子の生成をもたらす三重項の互いの二分子の消滅が大部分を占めている。
【0225】
図11は、デバイス実施例2のターンオフ中の時間分解エレクトロルミネセンス(白四角、白丸)を、時間分解三重項過渡吸収(黒四角)およびその二乗(黒丸)と比較して示す。点線は、同じ勾配である。また、デバイス電流がスイッチオフされた250ns後に、−10v200nsの持続期間の逆バイアスパルスがデバイスに適用されるときの、エレクトロルミネセンスのターンオフに対する効果も示す。
【0226】
電流をターンオフした後、最初に、デバイスのRC時定数に類似の時間尺度で輝度の急速な減衰が生じ、次にELの残留信号が生じるが、この信号は、元の全エレクトロルミネセンスの約30%を占め、数マイクロ秒で減衰する。一般に、OLEDの緩慢な過渡発光は、深いトラップもしくは界面電荷層からの電荷の再結合、またはTTAのいずれかに帰する(Kondakov,D.Y.Characterization of triplet−triplet annihilation in organic light−emitting diodes based on anthracene derivatives.J.Appl.Phys.102、114504〜5頁(2007年)、Sinha,S.、Rothe,C、Guentner,R.、Scherf,U.&Monkman,A.P.Electrophosphorescence and Delayed Electroluminescence from Pristine Polyfluorene Thin Film Devices at Low Temperature.Physical Review Letters 90、127402頁(2003年)、およびSinha,S.、Monkman,A.P.、Guntner,R.&Scherf,U.Space−charge−mediated delayed electroluminescence from polyfluorene thin films.Appl.Phys.Lett.82、4693〜4695頁(2003年)参照)。
【0227】
2つの機構を区別するために、同じ過渡エレクトロルミネセンスのトレースを、デバイス電流をターンオフした100ns後に、10vの逆バイアスパルスを印加して測定したが、このパルスは、輝度の減衰に寄与する任意のトラップ電荷を除去するか、または少なくとも著しく撹乱する。データは、一重項励起子の電場によるクエンチに起因して、逆バイアスパルス中に発光がわずかにクエンチされるが、逆バイアスパルス後のELの減衰が、標準の減衰形と比較して変わらないことを示している。したがって、トラップ電荷の再結合は、残留輝度信号の著しい原因ではないと結論付けることができる(Popovic,Z.D.&Aziz,H.Delayed electroluminescence in small−molecule−based organic light−emitting diodes:Evidence for triplet−triplet annihilation and recombination−center−mediated light−generation mechanism.J.Appl.Phys.98、013510−5(2005年)))。さらに、残留ルミネッセンスの形状を三重項密度と比較すると(
図11に示す)、2つのことが観測される。まず、三重項の減衰の時間尺度は、ELの減衰に類似しているが、より重要なことには、残留輝度の減衰の近似勾配は、三重項密度の二乗の勾配と非常に類似している。この観測は、ELの残留減衰が、発光性一重項励起子をもたらす二分子の三重項−三重項消滅反応に起因することの強力な証拠である。三重項は、それらの固有に高い励起子結合エネルギーに起因して、電場に対して一重項よりもかなり安定であることから、三重項励起子の密度は、10vの逆バイアスパルスを印加しても著しくクエンチされないことに留意することは、有益である(Rothe,C.、King,S.M.&Monkman,A.P.Electric−field−induced singlet and triplet exciton quenching in films of the conjugated polymer polyspirobifluorene.Phys.Rev.B72、085220(2005年)およびDeussen,M.、Scheidler,M.&Bassler,H.Electric−Field−Induced Photoluminescence Quenching in Thin−Film Light−Emitting−Diodes Based on Poly(Phenyl−P−Phenylene Vinylene).Synth.Met.73、123〜129頁(1995年))。
【0228】
図12は、三重項をクエンチする添加物を含むデバイス(点線)および含まないデバイス(実線)両方のエレクトロルミネセンス減衰を示しているが、寿命に対する効果は明らかであり、T90が約5倍改善され、最終的なデバイスの寿命が3倍を超えて改善される。寿命試験中のデバイスの効率を示す
図5の下パネルは、寿命試験の初期にはTTAの寄与による追加の効率の高まりが失われているものの、その後、2つのデバイスの減衰が著しく類似していることを明示している。
【0229】
この寿命の延長に対するコストは、TTAの完全な除去によりEQEが20%低下であり、それよりもこの初期の減衰を安定化することの方がかなり重要である。さらなる変更形態では、前述の通り安定なTTAを利用することによって、高い効率および長寿命の両方が達成され得る。
【0230】
デバイス実施例6−三重項受容
青色発光ポリマーを、WO00/53656に記載の方法を使用して、以下のモノマーの鈴木重合によって調製した。
【0231】
【表1-1】
【表1-2】
【0232】
不斉置換されているフルオレンを含有するモノマーを、以下のスキームに従って調製した。
【0233】
【化28】
(i)a)n−BuLi、THF、−76℃、b)2,7−ジブロモフルオレノン、−76℃からr.t.、(ii)Et
3SiH、TFA、ヘキサン、r.t.、(iii)Mel、KOH、DMSO/H
20、r.t。
【0234】
【化29】
【0235】
フェノキサジン系モノマーを、WO2010/001982に開示の方法に従って調製した。
【0236】
以下の構造を有するデバイスを、これらのポリマーを用いて形成した。
ITO/HIL/HTL/LE/陰極
HILは、正孔注入材料を含む正孔注入層であり、HTLは、式(IV)のフルオレン繰返し単位および式(V)のアミン繰返し単位を含む発光ポリマーをスピンコーティングすることによって形成された正孔輸送層であり、LEは、ポリマー実施例1、ポリマー実施例2または比較用ポリマー1をスピンコーティングすることによって形成された発光層であり、陰極は、発光層と接触しているフッ化金属層と、そのフッ化金属層の上に形成されたアルミニウム層を含む。
【0237】
図13に関して、ポリマー実施例1(破線)およびポリマー実施例2(点線)における三重項をクエンチする繰返し単位1および2の存在は、比較用ポリマー1(実線)と比較して、それぞれポリマーの発光に対して効果がほとんどないまたは効果が全くないことがわかるが、このことは、三重項をクエンチする繰返し単位1および2が、実質的に発光性でないことを示している。
【0238】
図14に関して、比較用ポリマー1、ポリマー実施例1およびポリマー実施例2の電流密度は、類似している。
【0239】
図15に関して、ポリマー実施例1およびポリマー実施例2では、比較用ポリマー1と比較して外部量子効率(EQE)の低下が観測される。このことは、三重項がクエンチされ、その結果発光ポリマー上に存在する三重項の三重項−三重項消滅が生じない本発明の場合に予期されるものであるが、効率は、本明細書で先に記載の通り、三重項−三重項消滅を引き起こすことによって修復され得る。
【0240】
図16に関して、半減期(すなわち、一定電流におけるデバイスの輝度が、その初期の輝度の50%に低下するのにかかる時間)を測定した。ポリマー実施例1および2を含有するデバイスの半減期(点線および破線)は、比較用ポリマー1を含有するデバイスの半減期(実線)の約2倍または2倍を超える。
【0241】
式(I)の化合物からの発光
図17は、ホストポリマーだけのフォトルミネセントスペクトル(実線)およびDPVBiを含む組成物におけるフォトルミネセントスペクトル(点線)を示している。この組成物は、発光材料がDBVBiである発光デバイスにおいて使用することができる。
【0242】
本発明を、特定の例示的な実施形態に関して記載してきたが、本明細書に開示の特徴の様々な改変、変更および/または組合せは、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかになることを理解されよう。