(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3に記載の表示装置では、タッチパネルの表面に透光部材(ハードコートフィルムに相当する)を接着剤層及び粘着剤層を介して貼り合わせるのは、余分な手間を要することからコスト上昇の原因となり、安価な表示装置には採用できないという問題があった。また、特許文献3に記載の表示装置では、液晶装置の外周を囲むような厚さが5〜10μm程度の遮光層が形成されているが、遮光層の印刷段差の影響が及ばないように、接着剤層及び粘着剤層の領域が配設されている。
【0010】
また、特許文献4には、アクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂からなる透明な保護板と、印刷部との段差を透明性樹脂で埋めて平坦化し、さらに両面テープあるいは透明性を有する接着剤で、保護板をディスプレイ表面に貼り合わせることが開示されている。
特許文献4によると、光硬化性樹脂の膜厚は、印刷層の厚みの2倍以上の膜厚とするのが好ましいとしているが、光硬化性樹脂を用いて行う平坦化の方法は、具体的なことが詳細に記載されていない。
【0011】
また、特許文献5には、特定の貯蔵弾性率を有する粘着剤層を介して、タッチパネルの表面に、光遮光層(アイコンの印刷層に相当する)を有する表面保護層(保護フィルムに相当する)を貼り合わせることが開示されている。この粘着剤層を使用すると気泡を生じないとしているが、表面保護層をタッチパネルに貼り合わせた後、表面保護層、もしくは、タッチパネルの反対側から紫外線照射して、粘着剤を硬化させるとしていて、光遮光層の裏側に紫外線が充分に照射されないという問題があった。
【0012】
また、特許文献6には、特定の貯蔵弾性率を有する透明粘着シートを介して、タッチパネルの表面に、黒色印刷層(アイコンの印刷層に相当する)を有する表面透明板(保護フィルムに相当する)を貼り合わせることが開示されている。
液晶表示パネルとプラスチック板(保護透明板)との接着面において発泡が生じないとしている。しかし、透明粘着シートを介して、透明プラスチックからなる保護透明板を液晶パネルに接着しているため、黒色印刷層の段差が生じている隅部において、気泡が残ることを避けることができないという問題があった。
【0013】
また、特許文献7には、外部枠が形成された意匠パネルを、両面テープを介してタッチパネルに貼り合わせることが開示されている。
両面テープの貼付面が、全体として略平面となるため、意匠パネルと両面テープとの間に気泡が生じないとしている。しかし、両面テープを介して意匠パネルをタッチパネルに貼り合わせているため、外枠部の印刷層の段差が生じている隅部において、気泡が残ることを避けることができないという問題があった。
【0014】
また、特許文献8,9に開示された画像表示パネルは、気泡の発生を低下させることは可能であるが、得られるパネルは、荷重を加えると窪みが生じ易いという問題があった。
【0015】
また、特許文献10〜12に開示された発明は、いずれも感圧接着フィルムや感圧接着テープに関するものであり、基材と粘着剤層とを同時に硬化させて製造することが開示されている。しかし、これらの場合、基材層は、テープに応力緩和性などを付与するために、粘着剤層に比べて厚く塗工する必要があり、そのため、基材層の樹脂組成物の溶液の粘度を、粘着剤組成物の溶液の粘度よりも高くしている。
従って、特許文献10〜12に開示された発明を用いて、ハードコートフィルムの印刷層の施されていない部分の上部を、粘度の高い光硬化型樹脂組成物で埋める場合には、印刷層の段差が生じている隅部において、気泡が残ることを避けることができない。
【0016】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、印刷段差に起因する光学的な歪みが少なく、かつ、気泡の残存が少なく、荷重を加えても窪みが生じ難いアイコンシートの製造
方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の課題を解決するため、本発明は、ハードコートフィルムの片面に、印刷層及び粘着剤層を有するアイコンシートの製造方法であって、基材の一方の面又は両面に、ハードコート層を形成したハードコートフィルムを使用し、一方の面にハードコート層を形成している場合には他方の面に、両面にハードコート層を形成している場合にはどちらか一方の面に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成し、次いで、前記ハードコートフィルムの前記印刷層を形成した面の、前記印刷層の施されていない部分の上部、及び前記印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を塗布して2層の液体層を形成した後、光照射することにより、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成することを特徴とするアイコンシートの製造方法を提供する。
【0018】
本発明のアイコンシートの製造方法において、前記粘着剤層の表面に、剥離処理された剥離フィルムが配設されていることが好ましい。
【0019】
また本発明は、ハードコートフィルムの片面に、印刷層及び粘着剤層を有するアイコンシートの製造方法であって、基材の一方の面にハードコート層を形成し、他方の面に印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成したハードコートフィルムの長尺のロール体、あるいは、両面にハードコート層を形成しどちらか一方の面に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成した、長尺のハードコートフィルムのロール体と、長尺の剥離フィルムのロール体とを準備した後、前記ハードコートフィルムの前記長尺のロール体から繰り出しながら、前記ハードコートフィルムの前記印刷層を形成している面の、前記印刷層の施されていない部分の上部、及び前記印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を連続的に塗布して2層の液体層を形成する工程、前記2層の液体層の上に、前記長尺の剥離フィルムのロール体から繰り出された剥離フィルムを貼り合せる工程、前記剥離フィルムの上から光照射する光照射工程、及び乾燥工程を経て、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成して、長尺のアイコンシートを得ることを特徴とするアイコンシートの製造方法を提供する。
【0020】
また本発明は、前記アイコンシートの製造方法により得られたアイコンシートを提供する。
【0021】
本発明のアイコンシートにおいて、硬化樹脂層と、粘着剤層との界面に混合層を有することが好ましい。
【0022】
また本発明は、前記アイコンシートが、前記粘着剤層を介して貼り合わせてなるタッチパネルを提供する。
【0023】
また本発明は、タッチパネルが組み込まれてなる電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明のアイコンシートの製造方法は、ハードコートフィルムの印刷層を形成している面の、印刷層の施されていない部分の上部、及び印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を連続的に塗布して2層の液体層を形成した後、光照射して、樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成してアイコンシートを得る構成としたので、印刷段差に起因する光学的な歪みが少なく、かつ、気泡の残存が少なく、荷重を加えても窪みが生じ難いアイコンシートを効率良く製造することができる。
また、印刷段差を、光硬化性樹脂を用いて埋めているので、ハードコート層に荷重を加えてもアイコンシートに窪みが生じ難い。
また、本発明に係わるハードコートフィルムは、粘着剤層の柔軟さに関係なく印刷段差を埋めることができるため、粘着力を強化した柔軟な粘着剤層だけではなく、硬い再剥離用の粘着剤層や、粘着剤層を転写できないような非常に硬い物性を有した微粘着力の粘着剤層を使用できる。
【0025】
また、本発明のハードコートフィルムは、タッチパネルの保護用として用いる飛散防止フィルムや、静電容量型タッチパネルのITO面に貼合するアイコンシートとして好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0028】
本発明のアイコンシートの製造方法は、ハードコートフィルムの片面に、印刷層及び粘着剤層を有するアイコンシートの製造方法であって、基材の一方の面又は両面に、ハードコート層を形成したハードコートフィルムを使用し、一方の面にハードコート層を形成している場合には他方の面に、両面にハードコート層を形成している場合にはどちらか一方の面に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成し、次いで、前記ハードコートフィルムの前記印刷層を形成した面の、前記印刷層の施されていない部分の上部、及び前記印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を塗布して2層の液体層を形成した後、光照射することにより、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成することを特徴とする。
また、本発明のアイコンシートの製造方法は、ハードコートフィルムの片面に、印刷層及び粘着剤層を有するアイコンシートの製造方法であって、基材の一方の面にハードコート層を形成し、他方の面に印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成したハードコートフィルムの長尺のロール体、あるいは、両面にハードコート層を形成しどちらか一方の面に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成した、長尺のハードコートフィルムのロール体と、長尺の剥離フィルムのロール体とを準備した後、前記ハードコートフィルムの前記長尺のロール体から繰り出しながら、前記ハードコートフィルムの前記印刷層を形成している面の、前記印刷層の施されていない部分の上部、及び前記印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を連続的に塗布して2層の液体層を形成する工程、前記2層の液体層の上に、前記長尺の剥離フィルムのロール体から繰り出された剥離フィルムを貼り合せる工程、前記剥離フィルムの上から光照射する光照射工程、及び乾燥工程を経て、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成して、長尺のアイコンシートを得ることを特徴とする。
【0029】
(ハードコートフィルム)
本発明のアイコンシートの製造方法に使用されるハードコートフィルムは、基材となる透明樹脂フィルムの一方又は両方の面に、ハードコート層を有するものが用いられる。
前記透明樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)樹脂フィルム、環状ポリオレフィン(COP)系樹脂フィルムからなる、透明性を有し、且つ耐熱性樹脂フィルム群の中から選択された1種であることが好ましい。特に、価格が比較的に安価で透明性が高いことからポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムが好適に使用される。
透明樹脂フィルムの厚さは、10〜250μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。透明樹脂フィルムの厚さが、10μmより薄いと取扱い性に欠けるので好ましくない。また、透明樹脂フィルムの厚さが、250μmより厚いと透明性が低下し、コストも高くなり、またハードコートフィルムの製造工程での加工適性が悪くなるので好ましくない。以上の点から透明樹脂フィルムの厚さは、10〜250μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。また、透明樹脂フィルムとハードコート層との密着性を向上させる目的で、透明樹脂フィルムの表面上に適宜の易接着性の樹脂層を積層することや、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施しても良い。また、透明樹脂フィルムとハードコート層の間に下地層を設けても良い。
【0030】
(ハードコート層)
透明樹脂フィルムに形成されるハードコート層は、タッチパネルの表面を覆う部材に使用できる程度のハードコート性があればよく、通常、鉛筆硬度試験での測定値が2H以上であれば実用上問題ない。ハードコート層に使用される樹脂には、特に制限はなく、シリコーン系、メラミン系等の熱硬化型ハードコート樹脂や、シリコーン系、アクリル系等の紫外線硬化型ハードコート樹脂等が使用できる。また、本発明のハードコートフィルムには、透明樹脂フィルムの片面または両面にハードコート層が形成される。透明樹脂フィルムの片面のみにハードコート層を形成した場合には、熱膨張による反りや撓みなどが生じ易くなる。性能よりも価格が優先されて、安価なハードコートフィルムが必要とされる場合を除いて、透明樹脂フィルムの両面にハードコート層を形成するのが好ましい。
また、ハードコート層の厚さは、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。ハードコート層の厚さが1μmより薄いと、ハードコート性が得られず耐擦傷性が低下し、紫外線硬化型ハードコート樹脂を用いる場合には硬化不良を生じ易くなる。
また、ハードコート層の厚さが10μmより厚いと、ハードコート層にクラックが発生し易くなり、ハードコートフィルム自体がカールし易くなるので好ましくない。
また、ハードコート層には、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの各種の機能を付与するための添加剤を、必要に応じて添加してもよい。透明樹脂基材の表面にハードコート層を形成する方法は、リバースコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の従来公知の方法が使用できる。
また、ハードコート層の上に、印刷層及び粘着剤層が積層される場合には、ハードコート層と印刷層及び粘着剤層との密着性を向上させる目的で、ハードコート層の表面上に適宜の易接着性の下地層を積層することや、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施しても良い。
【0031】
(黒枠及び/又はアイコンの印刷層)
本発明は、ハードコートフィルムの片面に、印刷層及び粘着剤層を有するアイコンシートの製造方法に関するものである。
本発明に係わるアイコンシートにおいて、印刷層により形成される黒枠は、タッチパネルの背後に設けられている表示パネル(液晶パネルのバックライトなど)から照射される照明光が、表示パネルの周囲から漏出するのを抑制するため、表示パネルの周囲部を遮光するために設けられている。また、印刷層により形成されるアイコンは、タッチパネルの画面上に表示されるアイコン(特定の機能、操作、項目等を入力または選択するための図柄、文字、記号等の表示)のうち、頻繁に使用されるものを固定させて図示するために設けられている。
印刷層による黒枠及び/又はアイコンの形成は、遮光性の黒色顔料を含有する樹脂組成物からなる塗料をスクリーン印刷、凹版印刷などにより塗布・乾燥することで、遮光性の被膜を形成することにより行なう。黒色顔料としては、カーボンブラック、黒鉛、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガンからなる群より選択される一種又は二種以上を複合して用いることができる。これらの黒色顔料のうち、特に、カーボンブラックが好適に使用される。黒色顔料(光吸収材)の好ましい粒子径の分布範囲は0.01〜0.5μmの範囲であり、より好ましくは0.05〜0.3μmの範囲である。なお、遮光層の色調を、無彩色もしくは好ましい色調に調整するために、必要に応じて複数種の他の色材を使用しても良い。また、印刷層により黒枠を形成するには、例えば、黒色顔料としてカーボンブラックを分散させたアクリル樹脂系の塗料を用い、印刷層の膜厚を10〜50μmとすることにより黒枠を形成することができる。この印刷層は、黒色に限定される必要性はなく、光沢のある樹脂や白色、各種の有彩色など様々な色を選択することが可能である。
【0032】
(光硬化型粘着剤組成物)
本発明のアイコンシートの製造方法において、粘着剤層を形成するために使用される光硬化型粘着剤組成物は、特に限定されない。
光硬化型粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系高分子と、アクリル系モノマーと、光重合開始剤とを必須成分とするアクリルシロップタイプの光硬化型粘着剤組成物、あるいは、ウレタンアクリレート系ポリマー及び/又はウレタンアクリレートからなる主剤と、アクリル系モノマーと、光重合開始剤とを必須成分とし、必要に応じて架橋剤、添加剤などを添加して調製されたウレタンアクリル系の光硬化型粘着剤組成物を使用できる。
これらの光硬化型粘着剤組成物は、光硬化時に粘着性を発現して固化し、粘着剤層となる。
アクリルシロップタイプの光硬化剤粘着剤組成物は、重合を冷却や酸素導入で急激に終了させるか、重合時に使用する有機溶剤を揮発させる工程が入るため、安定した組成物得ることが、ウレタンアクリル系の光硬化剤粘着剤組成物より難しい。そのため、ウレタンアクリル系の光硬化型粘着剤組成物が好ましい。
【0033】
この光硬化型粘着剤組成物の主成分であるウレタンアクリレート系ポリマー及び/又はウレタンアクリレートからなる主剤としては、例えば1分子中に2個以上のNCO基を有する化合物1モルに対して2モル以上のヒドロキシル基含有アクリル系モノマーを反応させて得られる、1分子中に1個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物が挙げられる。ここで、ヒドロキシル基含有アクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、1分子中2個以上のNCO基を有する化合物としては、ジイソシナネート等のポリイソシアネート化合物とジオール等のポリオール化合物とを反応させて得られる分子量が500〜50000程度のオリゴマーが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートや、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0034】
ポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;グリセリン、ペンタエリトリトール等の3価以上のポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリエーテル型ジオール;上記ジオールと、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸とを反応して得られるポリエステル型のジオール等、が挙げられる。
さらに前記光硬化型粘着剤組成物では、ウレタンアクリレートの少なくとも1種類に(メタ)アクリレートの少なくとも1種類が含有されていても構わない。本発明の効果を損なわない限度において、さらに他のモノマーを添加することもできる。(メタ)アクリレートとして、例えば、一般式CH
2=CR
1−COOR
2(式中、R
1は水素又はメチル基、R
2は炭素数1〜14のアルキル基を示す。)で表わされるアルキル(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマーが上げられる。前記一般式CH
2=CR
1−COOR
2で表わされるアルキル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらを単独で又は二種以上を併用して使用することができる。このうち2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。なお、これらのアルキル基R
2は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。他にアルコキシシリル基を含有する非アクリル系モノマーとしては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、非アクリル系モノマー等、種々の化合物を用いることができる。添加モノマーは、(メタ)アクリル基やビニル基等の光重合性基を1分子に1つ有する、単官能性モノマーが好ましい。
【0035】
前記光硬化型粘着剤組成物は、塗布加工時に粘度を下げる希釈剤の役割として、アクリル系モノマーの少なくとも1種類を含有することが通常であるが、アクリル系モノマー成分を入れ過ぎると、UV照射量を増やす必要があるため、アクリル系モノマーの添加量を樹脂成分の50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下にすることが好ましい。
また、樹脂中に有機溶媒が残留すると、残留した有機溶媒が、黒枠の印刷層が形成されたハードコートフィルムの印刷層に対して汚損を起こすことがある。そのため、印刷層の塗料用材料にはUV硬化剤や架橋剤を使用して事前に耐溶媒性を上げておくことが必要となる。
また、ウレタンアクリレート系のUV硬化樹脂やアクリルシロップは、光重合開始剤を添加した後は、室内光や太陽光に含まれる紫外光がアクリルシロップに作用すると重合反応が進行する恐れがあり、管理が難しくなるため、光重合開始剤は、後工程である塗布工程のなるべく直前に添加することが好ましい。これは、アクリルシロップが有機溶媒に溶解している樹脂溶液でも同様の扱いで、注意すべきは光重合開始剤が何らかの外的要因で塗布・製膜前に反応を開始してしまうことを防ぐことである。
【0036】
前記光硬化型粘着剤組成物に使用される光重合開始剤(重合触媒)は、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、アセトフェノン、p−(tert−ブチル)1’,1’,1’−トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシルシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシル2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシル2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシルベンゾフェノン、ヒドロキシルプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種類のみを用いても良く、また、2種類以上を併用しても良い。光重合開始剤の含有量は、重合性化合物の全量を100質量%とする質量百分率において、0.005〜5質量%であることが好ましく、0.01〜2質量%であることが特に好ましい。光重合開始剤の含有量が0.005質量%以上であれば、重合性化合物を短時間に重合でき、5質量%以下であれば、光重合開始剤の残渣が硬化物中に残存しにくい。
【0037】
前記光硬化性樹脂組成物には、任意成分としてアクリル系ポリマーを架橋するために架橋剤を添加しても良い。架橋剤に含まれる官能基の基数は、必要な粘着剤組成物の物性によって選択し、また、必要に応じて、架橋剤の添加量を調整することが可能である。
2官能性の架橋剤としては、架橋反応する官能基を1分子中に2つ有する化合物であれば、特に限定されない。このような2官能性の架橋剤としては、例えば、2官能性エポキシ化合物、2官能性イソシアネート等が挙げられる。
2官能性エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族の2官能性エポキシ化合物や、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、レゾルシンジグリシジルエーテル等の芳香族の2官能性エポキシ化合物が挙げられる。2官能性エポキシ化合物のエポキシ基は、アクリル系ポリマーのカルボキシル基と架橋反応することができる。
2官能性イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族の2官能性イソシアネートや、トリレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族の2官能性イソシアネートが挙げられる。2官能性イソシアネートのNCO基は、アクリル系ポリマーのカルボキシル基やヒドロキシル基と架橋反応することができる。
2官能性の架橋剤の含有量は、アクリル系ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる範囲で、例えば、アクリル系ポリマー100質量部に対して0.5〜3.0質量部が好ましく、1.0〜3.0質量部がより好ましい。
官能基数は2官能に限定されることは無く、必要な粘着性物性(粘着力、硬さなど)を調整するために3官能性以上の架橋剤を使用することが可能である。
【0038】
本発明のアイコンシートに使用されている粘着剤層において、粘着剤の被着体に対する粘着力を、被着体の状態に合わせて調整すること、被着体がガラス板である場合での密着力を向上させること、粘着剤層の耐久性を向上させること、などの観点から粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、老化防止剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を、必要に応じて添加することも可能である。
粘着付与剤としては、例えば、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。軟化剤としては、例えば、液状ポリエーテル、グリコールエステル、液状ポリテルペン、液状ポリアクリレート、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル等が挙げられる。
【0039】
(光硬化型樹脂組成物)
本発明のアイコンシートの製造方法において、硬化樹脂層を形成するために使用される光硬化型樹脂組成物は、特に限定されないが、汎用性に優れ、価格が安価であることなどから、ウレタンアクリレート系の光硬化型樹脂組成物が好ましい。このウレタンアクリレート系の光硬化型樹脂組成物としては、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
これらの光硬化型樹脂組成物は、光硬化時に粘着性を発現しないで固化し、硬化樹脂層となる。
【0040】
前記ウレタンアクリル系の光硬化型樹脂組成物の調製に使用される、ウレタンアクリレート系ポリマー及び/又はウレタンアクリレートからなる主剤、アクリル系モノマー、光重合開始剤の各必須成分、及び、必要に応じて架橋剤、添加剤などは、前述した粘着剤層を形成するためのウレタンアクリル系の光硬化型粘着剤組成物の調製に使用されるウレタンアクリレート系ポリマー及び/又はウレタンアクリレートからなる主剤、アクリル系モノマー、光重合開始剤の各必須成分、及び、必要に応じて架橋剤、添加剤と同様の材料を用いて調製される。
ただし、硬化樹脂層を形成するために使用されるウレタンアクリル系の光硬化型樹脂組成物は、光硬化時に粘着性を発現しないで固化する前記主剤、アクリル系モノマー、光重合開始剤の各必須成分、及び、必要に応じて架橋剤、添加剤などを選択した組成物が用いられる。
【0041】
(剥離フィルム)
本発明のアイコンシートの粘着剤層には、被着体に貼り合わせる作業工程において、粘着剤層の表面に作業環境中のダストなどが付着して汚損するのを防止するため、被着体に貼り合わせる直前まで、粘着剤層の上に基材の表面に剥離処理された剥離フィルム(保護フィルムとも呼ばれる)を積層して保管するのが好ましい。また、本発明のアイコンシートの粘着剤層の上に剥離フィルムを積層する場合、コストアップの要因となるが、本発明のアイコンシートは、粘着剤層の上に剥離フィルムを貼り合わせた状態で製品出荷されるのが好ましい。剥離フィルムは、本発明のアイコンシートを製造した後の品質検査を行う際に、ゴミなどの付着や、汚損の有無を確認検査できるように、透明樹脂フィルムに剥離処理剤を塗布して剥離処理されてなるものが好ましい。透明樹脂フィルムとしては、価格が比較的に安価で透明性が高いことからポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムが好適に使用される。透明樹脂フィルムの厚みは、10〜250μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。また、剥離処理の方法は特に限定されず、既に広く用いられているシリコーン系剥離剤、付加反応型シリコーン系剥離剤などを用いても良い。
【0042】
(アイコンシート)
本発明のアイコンシートは、基材の一方の面又は両面に、ハードコート層を形成したハードコートフィルムを使用し、一方の面にハードコート層を形成している場合には他方の面に、両面にハードコート層を形成している場合にはどちらか一方の面に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成し、次いで、前記ハードコートフィルムの前記印刷層を形成した面の、前記印刷層の施されていない部分の上部、及び前記印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を塗布して2層の液体層を形成した後、光照射することにより、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成することによって得られる。前記粘着剤層の露出している面には、剥離フィルムを設けておくことが好ましい。
【0043】
前記印刷層を形成した面に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を塗布する場合、いずれか一方の層をコーティングし、その後他方の層をコーティングしてもよいし、多層コーティング法によって2層を同時にコーティングしてもよい。
また、印刷層を形成した面に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を塗布し、2層の未硬化組成物の層を形成した後、これらに紫外線を照射して直ちに光硬化させてもよいし、2層の未硬化組成物の層を形成した後、暫く放置した後に光硬化させてもよい。未硬化組成物の層を形成した後、暫く放置することで、硬化樹脂層を形成するための光硬化型樹脂組成物の層と、粘着剤層を形成するための光硬化型粘着剤組成物とが界面で混ざり合い、これらの層の間に組成物混合層が形成される。そして、前記組成物混合層が形成された後、これらの層を光硬化させることによって、硬化樹脂層と、粘着剤層との間に混合樹脂層が形成されて、硬化樹脂層と粘着剤層との層間接着強度を高めることができ、これら層間で剥離が生じ難くなる。
【0044】
また、本発明のアイコンシートは、基材の一方の面にハードコート層を形成し、他方の面に印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成したハードコートフィルムの長尺のロール体、あるいは、両面にハードコート層を形成しどちらか一方の面に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層を形成した、長尺のハードコートフィルムのロール体と、長尺の剥離フィルムのロール体とを準備した後、前記ハードコートフィルムの前記長尺のロール体から繰り出しながら、前記ハードコートフィルムの前記印刷層を形成している面の、前記印刷層の施されていない部分の上部、及び前記印刷層の上部に、流動性を有する光硬化型樹脂組成物、及び流動性を有する光硬化型粘着剤組成物を連続的に塗布して2層の液体層を形成した後、前記粘着組成物の上に、前記長尺の剥離フィルムのロール体から繰り出された剥離フィルムを貼り合せる工程、前記剥離フィルムの上から光照射する光照射工程、及び乾燥工程を経て、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成して、長尺のアイコンシートを得る方法により製造することができる。
【0045】
図1は、本発明のアイコンシートの一例を示す図である。
本例のアイコンシート1は、ハードコート層7を有する透明樹脂フィルム2に、印刷により枠、及び/又はアイコンからなる印刷層3が形成されたハードコートフィルムと、その印刷層3を形成した面側に、硬化樹脂層4と、粘着剤層5と、剥離フィルム6とを順に積層した構成になっている。
【0046】
このアイコンシート1において、前記透明樹脂フィルム2の厚みは、25μm〜188μmの範囲であることが好ましく、38μm〜125μmの範囲がより好ましい。38μm未満では光学用のPETが無いことと、作業性が著しく悪くなるためである。188μm以上では鉛筆硬度や窪み対策にはなるものの最終製品の厚みを薄くする事に逆行するためである。
また、印刷層3の厚みは、5μm〜60μmの範囲であることが好ましく、10μm〜30μmの範囲がより好ましい。この範囲は、印刷層が薄いと色の隠ぺい性、見栄えが悪くなり、厚すぎると大幅なコストアップとなるためである。
また、硬化樹脂層4の厚みは、1μm〜30μmの範囲であることが好ましく、3μm〜15μmの範囲がより好ましい。3μm未満の場合は窪み発生の防止効果を出すためにはより硬い材料を使用する必要があるが、硬化時の収縮によるカールがきつくなり適さない。カールが少ない材料が見つかった場合は、その限りではない。粘着層5も含め印刷層3より厚くなっていれば良いため上限は無いが、最終製品としての厚くなってしまうと、薄膜軽量化を達成出来ないため、15μ程度に抑える必要がある。
の厚みを厚くしてしまうため好ましくない。
また、粘着剤層5の厚みは、5μm〜30μmの範囲が好ましく、10μm〜25μmの範囲がより好ましい。薄すぎると粘着力や保持力の低下がみられ、厚すぎると薄膜軽量化が図れずコストアップにもつながる。
【実施例】
【0047】
<印刷層を有するハードコートフィルムの作製>
透明樹脂フィルムとして、厚みが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用いており、ハードコート層が両面に形成されているハードコートフィルム(DIC株式会社製、品名HC7125F−TP)を使用した。該ハードコートフィルムの片面に、シルク印刷機を用いて、黒色の顔料系のインキ(セイコーアドバンス社製、HACシリーズ、コンク710ブラック)を、乾燥後の厚みが15μmとなるように印刷・乾燥して、縦横の寸法が約115mm×約60mm(黒枠内の表示領域の寸法が約90mm×約53mm)の、黒枠の印刷層が形成されたハードコートフィルムAを作製した。
得られたハードコートフィルムAは、黒枠の印刷層の厚みが15μmであり、黒枠の印刷層による段差高さ(以下、印刷段差の高さという)を有している。
【0048】
(実施例1)
前記ハードコートフィルムAを用いて、印刷層による黒枠の形成されていない部分の上部、及び印刷層による黒枠の上部に、流動性を有するウレタンアクリル系UV硬化型樹脂組成物を、前記ハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが、硬化後に10μmとなるように塗布して光硬化性樹脂組成物を積層した。
その上に、ウレタンアクリレートを主成分とするウレタンアクリレート系の流動性を有するUV硬化型粘着剤組成物(ケースエム株式会社製、T−470型)を、前記ハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に25μmとなるように塗布して光硬化性粘着剤組成物層を積層した。さらに、窒素パージ雰囲気下でUV照射を行い、ウレタンアクリレート系の光硬化型樹脂組成物からなる硬化樹脂層と粘着剤層とを同時に硬化させて、ハードコートフィルムAの印刷層側の面上に硬化樹脂層と粘着剤層とを形成し、実施例1のアイコンシートを得た。
このように、実施例1では、前記樹脂組成物及び前記粘着剤組成物を硬化させ、前記樹脂組成物から形成された硬化樹脂層と前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを同時に形成した。
【0049】
(実施例2)
前記ハードコートフィルムAを用いて、印刷層による黒枠の形成されていない部分の上部、及び印刷層による黒枠の上部に、ウレタンアクリル系UV硬化型樹脂組成物を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に5μmとなるように塗布して光硬化性樹脂組成物を積層した。
その上に、ウレタンアクリレートを主成分とするウレタンアクリレート系のUV硬化型粘着剤組成物(ケースエム株式会社製、T−470型)を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に27μmとなるように塗布して粘着剤組成物層を積層した。さらに、窒素パージ雰囲気下でUV照射を行い、ウレタンアクリレート系の光硬化型樹脂組成物からなる硬化樹脂層と粘着剤層とを同時に硬化させて、ハードコートフィルムAの印刷層側の面上に硬化樹脂層と粘着剤層とを形成し、実施例2のアイコンシートを得た。
【0050】
(実施例3)
前記ハードコートフィルムAを用いて、印刷層による黒枠の形成されていない部分の上部、及び印刷層による黒枠の上部に、ウレタンアクリル系UV硬化型樹脂組成物を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に3μmとなるように塗布して光硬化性樹脂組成物を積層した。
その上に、ウレタンアクリレートを主成分とするウレタンアクリレート系のUV硬化型粘着剤組成物(ケースエム株式会社製、T−470型)を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に27μmとなるように塗布して粘着剤組成物層を積層した。さらに、窒素パージ雰囲気下でUV照射を行い、ウレタンアクリレート系の光硬化型樹脂組成物からなる硬化樹脂層と粘着剤層とを同時に硬化させて、ハードコートフィルムAの印刷層側の面上に硬化樹脂層と粘着剤層とを形成し、実施例3のアイコンシートを得た。
【0051】
(実施例4)
前記ハードコートフィルムAを用いて、印刷層による黒枠の形成されていない部分の上部、及び印刷層による黒枠の上部に、ウレタンアクリル系UV硬化型樹脂組成物を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に15μmとなるように塗布して光硬化性樹脂組成物を積層した。
その上に、ウレタンアクリレートを主成分とするウレタンアクリレート系のUV硬化型粘着剤組成物(ケースエム株式会社製、T−470型)を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に27μmとなるように塗布して粘着剤組成物層を積層した。さらに、窒素パージ雰囲気下でUV照射を行い、ウレタンアクリレート系の光硬化型樹脂組成物からなる硬化樹脂層と粘着剤層とを同時に硬化させて、ハードコートフィルムAの印刷層側の面上に硬化樹脂層と粘着剤層とを形成し、実施例4のアイコンシートを得た。
【0052】
(比較例1)
縦横の寸法が約115mm×約60mmであり、厚みが50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に、シリコーンによる剥離処理を行った後、実施例で使用したウレタンアクリレートを主成分とするウレタンアクリレート系のUV硬化型粘着剤組成物(ケースエム株式会社製、T−470型)を、硬化後の厚みが25μmとなるように塗布して粘着剤組成物層を積層した。さらに、窒素パージ雰囲気下でUV照射を行うことにより硬化させて光学用透明粘着剤層を形成した。その後、その光学用透明粘着剤層の上に、シリコーンによる剥離処理を行って剥離剤層が形成された、厚みが38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの剥離処理面を重ねて貼合することにより、比較例1の光学用透明粘着剤層の転写フィルム(両面粘着テープ)を得た。
得られた比較例1の光学用透明粘着剤層の転写フィルム(両面粘着テープ)を用いて、厚みが25μmの光学用透明粘着剤層を、黒枠の印刷層を有するハードコートフィルムA(15μmの印刷段差を有する)の印刷層が形成された面に貼合して積層し、比較例1のアイコンシートを得た。
得られた比較例1のアイコンシートは、印刷段差の部分で気泡が多数発生した。
【0053】
(比較例2)
前記ハードコートフィルムAを用いて、印刷層による黒枠の形成されていない部分の上部、及び印刷層による黒枠の上部に、ウレタンアクリレートを主成分とするウレタンアクリレート系のUV硬化型粘着剤組成物(ケースエム株式会社製、T−470型)を、印刷層を有するハードコートフィルムAの透明樹脂フィルム表面からの厚みが硬化後に27μmとなるように塗布して粘着剤組成物層を積層した。さらに、窒素パージ雰囲気下でUV照射を行い、ウレタンアクリレート系のUV硬化型樹脂組成物を硬化させて、光学用透明粘着剤層を形成し、比較例2のアイコンシートを得た。
【0054】
(貼合後の気泡確認試験)
貼合装置(株式会社クライムプロダクツ製、製品名:小型枚葉貼合機、型式:SE320)を使用して、作製した実施例1から4及び比較例1、2のアイコンシートを、ITOフィルム(中井工業株式会社製、製品名:メタフォース125R2×A、表面抵抗値250Ω/m
2)を粘着テープで貼合したガラス板のITO面に貼合する作業を行なった。
【0055】
(窪み試験)
貼合後の気泡確認試験で作製したサンプルで、荷重を1kgとした以外は、K5400−1に準じた鉛筆硬度試験を実施した。その結果、実施例1、2、比較例1では鉛筆硬度2Hを満足し、さらに鉛筆でこすった部分に窪みは目視で確認できなかった。しかし、比較例2では鉛筆硬度2Hは満たすものの、目視で窪みが確認された。
【0056】
【表1】
【0057】
実施例1〜4のアイコンシートについては、透明樹脂フィルムと印刷層の黒枠との印刷段差が有る部分に気泡の発生を生じることなく貼合することができた。
しかし、比較例1,2のアイコンシートについては、透明樹脂フィルムと印刷層の黒枠との印刷段差が有る部分の印刷段差を埋めることができず、気泡が発生していた。
また、比較例1,2のアイコンシートについては、その後のオートクレーブ処理(40℃×0.5mMPa×15分間)により、発生した気泡を全体的に減少させることができたが、目視で確認できる程度の大きさの気泡は残っていた。これは、比較例1のアイコンシートについては、粘着剤厚み/印刷段差の距離=35μm/15μm=2.3であり、印刷段差の距離に比べて粘着剤厚みが大きくて凹凸の吸収が容易であることと、粘着剤層の粘着力が低く、且つ粘着剤が固いためである。また、比較例2のアイコンシートについては、粘着力は高いものの、粘着剤厚み/印刷段差の距離=65μm/41μm=1.6であり、印刷段差の距離に比べて粘着剤厚みが大きくて凹凸の吸収が困難であることが原因と思われる。
【0058】
本発明に関連した特許出願である、特願2010−026814号は、本発明の発明者らに拠るものであるが、該出願明細書に示した実施例8の結果から判断すると、本発明のアイコンシートで使用している粘着剤層の貯蔵弾性率を適用した場合、印刷段差を埋める粘着層の厚みは、印刷段差距離の10倍以上の厚みが必要であると考えられる(例えば、該出願明細書の実施例8では、20μmの印刷段差を200μmの厚みの粘着剤層で埋めている)。しかし、本発明のアイコンシートでは、透明樹脂フィルムに、可撓性を有しており柔軟に変形可能な、厚みが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用いていることから、印刷の段差を埋める粘着層の厚みは、印刷段差距離の10倍未満であっても、印刷段差の距離を埋めても気泡の発生を伴わないで貼合できたと考えられる。
【0059】
従来の粘着剤層を有するアイコンシートでは、印刷段差を有する被着体に貼合する場合、粘着力を強化した柔軟な粘着剤層を用いることで、強引にアイコンシートを構成する粘着剤層および基材フィルムを変形させて貼合させるため、基材フィルムの歪みだけではなく、印刷段差の周辺部には粘着剤層の密度が高い箇所が発生するが、印刷段差の周辺部から離れた箇所では粘着剤層の密度が低くなるという問題があった。
その結果、生じた粘着剤層の密度の差によって、透過光線が屈折してしまい画像表示体からの映像が歪んで見えることがある。例えば、従来の粘着剤層を有するアイコンシートをディスプレイの表面に貼合した場合、画像が表示されていない状態では、反射光が歪んでしまい、ガラスを用いた場合のような平滑性を出せないため意匠性も低下するという問題があった。
【0060】
本発明に係わるアイコンシートは、黒枠及び/又はアイコンの印刷層からなる段差の形成されていない部分(ディスプレイの画像が表示される部分)の上部と、黒枠及び/又はアイコンの印刷されている部分(ディスプレイの画像が非表示の部分)の上部とで、異なる厚みの粘着剤層を有しており、かつ粘着剤層の表面は、印刷段差の距離よりも厚みの差が無い状態となるため、ハードコート層の表面は物理的な凹凸形状、及び光学的な歪みが低減されている。
また、本発明に係わるアイコンシートは、粘着剤層の柔軟さに関係なく印刷段差を埋めることができるため、粘着力を強化した柔軟な粘着剤層だけではなく、硬い再剥離用の粘着剤層や、粘着剤層が転写しないような非常に硬い微粘着力の粘着剤層を使用することが可能である。
また、本発明のアイコンシートを被着体に貼り合わせるときには、手作業による貼り合わせを行わないで、例えば、前記の貼合装置を用いることにより、作業性の向上が図れるのでより好ましい。