特許第6019042号(P6019042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019042レーザ液滴プラズマ照明器による光学結像システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019042
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】レーザ液滴プラズマ照明器による光学結像システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20161020BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20161020BHJP
   G02B 21/16 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20161020BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
   G02B21/06
   G02B21/16
   G01N21/84 E
   H01L21/66 J
【請求項の数】25
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-554464(P2013-554464)
(86)(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公表番号】特表2014-511482(P2014-511482A)
(43)【公表日】2014年5月15日
(86)【国際出願番号】US2012023149
(87)【国際公開番号】WO2012112290
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2015年1月29日
(31)【優先権主張番号】13/026,926
(32)【優先日】2011年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソラーズ リチャード ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】デュラント ステファン ピー
(72)【発明者】
【氏名】ホワン ショウ−フェイ
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−532829(JP,A)
【文献】 特開2003−114200(JP,A)
【文献】 特開2001−116900(JP,A)
【文献】 特表2008−534963(JP,A)
【文献】 特開2003−045774(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/067021(WO,A1)
【文献】 TOMIE, Toshihisa,Tin lasar-produced plasma as the light source for extreme ultraviolet lithograpy high-volume manufacturing: history, ideal plasma, present status, and prospects,Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS,SPIE,2012年 6月11日,Vol. 11(2), 021109,pp. 021109-1 - 021109-9,doi:10.1117/1.JMM.11.2.021109
【文献】 ABHARI, R. S., et al.,Lasar-produced plasma light source for extreme-ultraviolet lithography applications,Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS,SPIE,2012年 6月11日,Vol. 11(2), 021114,pp. 021114-1 - 021114-13,doi:10.1117/1.JMM.11.2.021114
【文献】 BENK, M., et al.,Brilliance scaling of discharge sources for extreme-ultraviolet and soft x-ray radiation for metrology applications,Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS,SPIE,2012年 6月15日,Vol. 11(2), 021106,pp. 021106-1 - 021106-7,doi:10.1117/1.JMM.11.2.021106
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G02B 19/00−21/00
G02B 21/06−21/36
H01L 21/027
H01L 21/30
H01L 21/46
H01L 21/64−21/66
IEEE Xplore
SPIE Digital Library
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
光源を備え、前記光源は、
フィード材の液滴のシーケンスを吐出する液滴発生器と、
前記フィード材の液滴に向けられる励起光を生成するレーザとを備え、前記励起光と前記フィード材の液滴との相互作用は、前記液滴をイオン化させ、それにより、照明光を放出するプラズマを形成し、前記照明光は、約40ナノメートル〜約200ナノメートルのスペクトル領域内の光を含み、前記照明光は、40ナノメートル〜55ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有し、前記照明光は、試料を照明するために使用可能である装置。
【請求項2】
前記励起光は、1ナノ秒と40ナノ秒との間のパルス持続期間を有する固体レーザによって生成される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記励起光の波長は約1ミクロンである請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記固体レーザによって生成されるパルスのエネルギーは、1ミリジュールと20ミリジュールとの間にある請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記固体レーザは、イッテルビウム(Yb)ベース固体レーザおよびネオジウム(N)ベース固体レーザからなる群から取得される請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記フィード材は、希ガス、アルカリ金属、および金属ハロゲン化物の任意のものを含む請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記プラズマは、8エレクトロンボルトと20エレクトロンボルトとの間の温度に達する請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記照明光は、100ナノメートル〜200ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有する請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フィード材は、水素化物分子組成物または酸化物分子組成物内にGa、In、C、Si、Zn、Cu、およびOのうちの任意のものを含む請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記フィード材は、SiH、SiO、O、CH、HO、およびCOから取得される請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記プラズマは、4エレクトロンボルトと10エレクトロンボルトとの間の温度に達する請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記試料を照明するために使用可能である前記プラズマによって放出される前記照明光を採取する集光器と、
前記試料に入射する前記照明光に応答して前記試料から放出される被収集光を採取し拡大し、前記被収集光を検出器に向ける対物レンズとをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記対物レンズは、前記照明光を前記試料に向け、前記照明光および前記被収集光は、前記対物レンズの瞳面内で空間的に分離された領域を占める請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記対物レンズは、前記照明光を前記試料に向け、前記照明光および前記被収集光は、前記対物レンズの瞳面内で空間的にオーバラップした領域を占める請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記照明光を前記集光器から前記試料に向ける少なくとも1つの照明光学部品(optics)をさらに備え、前記対物レンズの瞳面は、被収集光だけを含む請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記照明光を前記集光器から、不均一プロファイルを有する前記対物レンズの少なくとも1つの反射要素に向ける少なくとも1つの照明光学部品をさらに備え、前記要素の第1の部分は、前記照明光を前記試料に反射させ、前記要素の第2の部分は、前記照明光に応答して前記試料から放出される前記被収集光を採取する請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記検出器は、シリコン時間遅延および積分(TDI)センサである請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記試料は、パターン付き半導体ウェハである請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記プラズマの幾何学的形状は、前記対物レンズのエタンデュに実質的に一致するサイズに作られる請求項12に記載の装置。
【請求項20】
半導体ウェハ検査のためのシステムであって、
光源であって、
フィード材の液滴のシーケンスを吐出する液滴発生器、および、
前記フィード材の液滴に向けられる励起光を生成するレーザを備え、前記励起光と前記フィード材の液滴との相互作用は、前記液滴をイオン化させて、照明光を放出するプラズマを形成する、光源と、
試料に入射する前記照明光に応答して前記試料から放出される被収集光を採取し拡大し、前記被収集光を検出器に向ける対物レンズとを備え、前記照明光は、40ナノメートル〜55ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有するシステム。
【請求項21】
前記対物レンズは、前記被収集光の光学経路内に複数の反射要素を備え、前記複数の反射要素は、MgFでオーバコートされたアルミニウムで構築される請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記照明光は、100ナノメートル〜200ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有する請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記対物レンズは、前記被収集光の光学経路内に複数の反射要素を備え、前記複数の反射要素は、Sc/Si材料対でコーティングされ、ブラッグミラー配置で構成される請求項22に記載の装置。
【請求項24】
半導体ウェハを検査する方法であって、
フィード材の液滴のシーケンスを吐出すること、
レーザによって生成される励起光を前記フィード材の液滴にフォーカスすることであって、それにより、照明光を放出するプラズマを点火させる、フォーカスすること、および、
前記照明光によって照明される半導体ウェハから反射される光を検出することを含み、前記照明光は、40ナノメートル〜55ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有する方法。
【請求項25】
方法であって、
フィード材の液滴のシーケンスを吐出すること、および、
レーザによって生成される励起光を前記フィード材の液滴にフォーカスすることであって、それにより、40ナノメートル〜55ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有する照明光を放出するプラズマを点火させる、フォーカスすることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
述べる実施形態は、顕微鏡用の照明源およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスは、通常、基板またはウェハに適用される処理ステップのシーケンスによって作製される。半導体デバイスの種々のフィーチャおよび複数の構造レベルは、これらの処理ステップによって形成される。たとえば、リソグラフィは、半導体ウェハ上でパターンを生成することを含む1つの半導体作製プロセスである。半導体作製プロセスのさらなる例は、化学的機械的研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むがそれに限定されない。複数の半導体デバイスを、単一の半導体ウェハ上で作製し、その後、個々の半導体デバイスに分離することができる。
【0003】
ウェハ上の欠陥を検出して高歩留りを促進するために、検査プロセスは、半導体製造プロセスの中の種々のステップにて使用される。半導体ウェハなどのスペキュラまたは半スペキュラ表面を検査するとき、明視野(bright field)(BF)モダリティを、パターン付きウェハ検査と欠陥検討の両方を実施するために使用することができる。BF検査システムでは、収集光学部品は、検査下の表面によってスペキュラ反射された光のかなりの部分を収集光学部品が取込むように配置される。可変BF検査システムは、システムの欠陥感度を最大にするために、高放射強度照明および高い開口数(numerical aperture)(NA)を必要とする。
【0004】
現行のウェハ検査システムは、通常、高い開口数(NA)を有し、260ナノメートルほどの短い波長を有する深紫外線(DUV)放射の照明源を使用する。一般に、検査システム欠陥感度は、照明光の波長を対物レンズのNAで割った値に比例する。NAのさらなる改善がない場合、現行の検査ツールの欠陥感度は、照明源の波長によって制限される。
【0005】
広帯域結像ツールの場合、照明光は、通常、カタディオプトリック対物レンズ(反射光学要素と屈折光学要素の組合せ)を通してウェハに送出される。狭帯域結像ツールの場合、照明光は、通常、透過対物レンズまたは顕微鏡を通してウェハに送出される。そのため、現行のBF検査ツールは、反射光学要素を含む光学サブシステムを使用する。
【0006】
BF検査システムのいくつかの例では、照明光を、アークランプによって提供することができる。たとえば、電極ベースの比較的高い強度の放電アークランプが、検査システムにおいて使用される。しかし、これらの光源は、複数の欠点を有する。たとえば、電極ベースの比較的高い強度の放電アークランプは、電極からの電流密度に関する静電的制約による放射強度限界およびパワー限界、黒体エミッタとしてのガスの放射率の制限、カソードにおける比較的大きな電流密度の存在による耐火材から作られた電極の比較的早い腐食、および必要とされる放出電流で比較的長い期間にわたってドーパントを制御できないこと(耐火カソードの動作温度を低くする可能性がある)を有する。
【0007】
いくつかの他の例では、照明光は、レーザによって直接提供することができる。1つのアプローチは、長波長源の短波長への高調波アップコンバージョンであった。しかし、確実に維持(sustain)されうる平均パワーは、通常、1ワット未満であり、高スループットで高分解能のBFウェハ検査に必要とされる10〜100ワット平均パワーよりかなり低い。別の例では、高い平均パワーを有するエキシマレーザが開発されたが、短波長におけるエキシマレーザのカイネティクスは、これらのデバイスを低繰返しレート(たとえば、数kHz以下)に制限する。さらに、これらのレーザは、極短(たとえば、数ナノ秒)パルスレーザである。低繰返しレートと短パルス持続時間の組合せは、ウェハを構築するために使用される材料(たとえば、SiO2、Si、金属、およびレジスト材料)の損傷限界をはるかに超えるフルエンスが検査下のウェハに送出されることをもたらす。
【0008】
いくつかの他の例では、照明光を、レーザによってポンピングされるインコヒーレント光源(たとえば、レーザ維持プラズマ)によって提供することができる。レーザ維持プラズマは、レーザプラズマより低い温度の作動ガスによって囲まれる高圧バルブ内で生成される。レーザ維持プラズマによって、かなりの放射輝度の改善が得られるが、これらのプラズマの温度は、一般に、これらのランプ内での光物理学的プロセスおよび動力学的プロセスによって制限される。これらのプラズマ内の純粋な原子およびイオン放出は、連続波長またはパルス状ポンプ源を使用すると、一般に、200nmより長い波長に限定される。エキシマ放出は、171nmの波長放出(たとえば、キセノンエキシマ放出)の場合、レーザ維持プラズマ内で構成されうるが、これらの供給源は、通常、狭帯域で、パワーが制限され、放射輝度が制限される。171ナノメートルのエキシマ放出は、低圧(たとえば、3バール以下)で最適化し、171nm放出のパワーは、高放射輝度について必要とされる高圧で大幅に減じる。結果として、高圧バルブ内の単純なガス混合物は、高スループットで高分解能のBFウェハ検査をサポートするのに十分な放射輝度と平均パワーによって、200nmを超える波長カバリジを維持することができるだけである。
【0009】
極紫外線(extreme ultraviolet)(EUV)リソグラフィの領域における開発努力は、高パワーレベル(照明器の中間フォーカスで210ワットの平均パワー)で13ナノメートルに中心を持つ狭帯域放射を放出する光源に的が絞られる。EUVリソグラフィ用の光源は、レーザ液滴プラズマアーキテクチャを使用して開発された。たとえば、100kHz以上のパルス繰返し周波数で動作する、キセノン、錫、リチウム液滴ターゲットは、COコヒーレント源によってポンピングされる。実現される光は、高パワーである(たとえば、照明器の中間フォーカスで210ワットの平均パワーが、13ナノメートルのリソグラフィツールについての目標である)。しかし、半導体ウェハを構成する材料は、13ナノメートルの狭帯域光に対して反射性をほとんど全く示さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0228288号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
BF検査用途のための、必要とされる放射輝度と平均パワーを有する短波長照明源が必要とされる。好ましくは、こうした供給源は、照明される試料に対する損傷を回避するために、連続波長であるかまたは連続波長に近くあるべきである。さらに、こうした供給源に適合する製造可能な対物レンズおよびセンサが、実行可能なBF検査システムを実現するために必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
明視野ウェハ検査システムは、40ナノメートル以下の波長で検査するのに十分な放射強度を有する光を生成するレーザ液滴プラズマ(laser droplet plasma)(LDP)光源を含む。LDP源は、フィード材の液滴を吐出する液滴発生器を含む。レーザによって生成される励起光は、フィード材の液滴にフォーカスされる。励起光と液滴との相互作用は、40ナノメートル〜200ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−sr、いくつかの例では、1kW/mm−srより大きい放射強度を有する照明光を放出するプラズマを生成する。
【0013】
第1の実施形態では、LDP光源は、100ナノメートル〜200ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−sr、いくつかの例では、1kW/mm−srより大きい放射強度を有する照明光を生成する。約1ミクロンの波長および1ナノ秒と40ナノ秒との間のパルス持続時間を有する固体レーザは、1ミリジュールと20ミリジュールとの間のパルスエネルギーを有する励起光を生成する。これらのエネルギーレベルでは、サイズが約50ミクロンの適したフィード材の液滴を、4〜10eVのプラズマ温度を有するプラズマになるようイオン化させることができる。適したフィード材は、Ga、In、C、Si、Zn、Cu、およびOを含むが、それに限定されない。特に、適したフィード材は、水素化物分子組成物または酸化物分子組成物内にGa、In、C、Si、Zn、Cu、およびOのうちの任意のものを含むことができる。1つの非制限的な例では、適したフィード材は、SiH、SiO、O、CH、HO、およびCOを含むことができる。他の例では、適したフィード材は、希ガス、アルカリ、およびハロゲン化物を含む。
【0014】
これらの波長で半導体ウェハを検査するように動作可能な検査システムは、プラズマによって放出される照明光を効率的に収集し、照明光をウェハに向け、ウェハから放出される結像用光を収集し拡大する光学要素を含む。吸収損失を最小にするために、MgF2をオーバコートしたアルミニウムから構築される全反射光学サブシステムが提示される。
【0015】
第2の実施形態では、LDP光源は、40ナノメートル〜55ナノメートルのスペクトル範囲内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有する照明光を生成する。約1ミクロンの波長および1ナノ秒と40ナノ秒との間のパルス持続時間を有する固体レーザは、1ミリジュールと20ミリジュールとの間のパルスエネルギーを有する励起光を生成する。これらのエネルギーレベルでは、サイズが約50ミクロンの適したフィード材の液滴を、8〜20eVのプラズマ温度を有するプラズマになるようイオン化させることができる。適したフィード材は、希ガス、アルカリ金属、および金属ハロゲン化物を含むが、それに限定されない。
【0016】
これらの波長で半導体ウェハを検査するように動作可能な検査システムは、プラズマによって放出される照明光を効率的に収集し、照明光をウェハに向け、ウェハから放出される結像用光を収集し拡大する光学要素を含む。吸収損失を最小にするために、スカンジウムおよびシリコンの交互層を有する多層ブラッグミラーを含む全反射光学サブシステムが提示される。
【0017】
上記は、要約であり、そのため、必然的に、詳細の簡略化、一般化、および省略を含む。その結果、要約は例証に過ぎず、いずれの点でも制限的でないことを当業者は認識するであろう。特許請求の範囲によってだけ規定される、他の態様、発明の特徴、および本明細書で述べるデバイスおよび/またはプロセスの利点は、本明細書で述べる非制限的な詳細な説明において明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】半導体デバイス作製で一般に使用される材料の反射率特性を示すプロットである。
図2】レーザ液滴プラズマ光源110を含むウェハ検査システム100を示す簡略化線図である。
図3】種々のプラズマ温度における炭素の放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図4】種々のプラズマ温度における亜鉛の放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図5】種々のプラズマ温度におけるシリコンの放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図6】種々のプラズマ温度における銅の放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図7】種々のプラズマ密度におけるナトリウムの放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図8】種々のプラズマ密度におけるカリウムの放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図9】種々のプラズマ温度および密度におけるアルゴンの放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図10】種々のプラズマ温度におけるクリプトンの放出強度を示すシミュレーション結果のプロットである。
図11A】照明光125および被収集光135が、瞳面131内の空間的に分離した領域を占める対物レンズ130を示す簡略化線図である。
図11B】照明光125および被収集光135が、瞳面131内の空間的に分離した領域を占める対物レンズ130を示す簡略化線図である。
図12A】照明光125および被収集光135が、瞳面131内の空間的にオーバラップした領域を占める対物レンズ130を示す簡略化線図である。
図12B】照明光125および被収集光135が、瞳面131内の空間的にオーバラップした領域を占める対物レンズ130を示す簡略化線図である。
図13】第1の実施形態における対物レンズ130内への照明光の斜め入射を示す簡略化線図である。
図14】第2の実施形態における対物レンズ130内への照明光の斜め入射を示す簡略化線図である。
図15】極在化した駆動および信号処理回路要素を含む例示的なTDIセンサモジュールを示す線図である。
図16】TDIセンサモジュールの例示的なモジュール式アレイを示す線図である。
図17】TDIセンサモジュールの例示的なモジュール式アレイを示す線図である。
図18】レーザ液滴プラズマから生成される照明光によって照明される半導体ウェハを検査する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の背景の例およびいくつかの実施形態に対して、ここで詳細に参照が行われ、その例は、添付図面に示される。
【0020】
図1は、半導体デバイスの作製で一般に利用されるいくつかの材料の空気材料界面における垂直入射反射率を示すプロット280を示す。図1は、各材料に入射する光の波長の関数としての、シリコン(Si)、二酸化シリコン(SiO)、銅(Cu)、炭素(C)、およびタングステン(W)の反射率を示す。一般に、波長の100ナノメートル〜200ナノメートルの範囲のこれらの材料のそれぞれの反射率は、より長い波長(たとえば、現行のBF検査システムで使用される260ナノメートルより長い波長)の反射率と同様である。そのため、反射光の観点から、100ナノメートル〜200ナノメートルの範囲の照明源は、260ナノメートルを超えるものを放出する供給源と比較して著しく不利になるべきでない。47ナノメートルの近くの屈折率は約5%である。100ナノメートルと200ナノメートルとの間の範囲より著しく低いが、47ナノメートルの近くに中心を持つ狭帯域範囲(たとえば、10ナノメートル波長帯)内の照明光に対するこれらの材料の応答は、検査のために依然として有用である。
【0021】
10W/mm−srより大きい放射強度を有する、40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内の放出を含むインコヒーレント放射源が開示される。さらに、その光源を利用する例示的なウェハ検査システムが開示される。光源は、液滴発生器によって液滴のシーケンスとして吐出されるフィード材を含む。いくつかの実施形態では、レーザの出力は、液滴にフォーカスされて、40ナノメートルと55ナノメートルとの間のスペクトル領域内の光を放出するプラズマを生成する。いくつかの他の実施形態では、レーザの出力は、液滴にフォーカスされて、100ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内の光を放出するプラズマを生成する。
【0022】
図2は、40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内の照明光を使用してウェハを検査するように構成されたウェハ検査システム100を示す。ウェハ検査システム100は、40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内の照明光を生成するレーザ液滴プラズマ(LDP)光源110を含む。照明光は、ウェハ140まで送られ、結像対物レンズ130は、反射照明光を検出器160に向ける。いくつかの実施形態では、光源110によって生成される照明光は、集光器120によって採取され、少なくとも1つの照明光学部品125によって対物レンズ130に送られる。いくつかの実施形態では、照明光学部品125および結像対物レンズ130は、主に同じ要素からなり、また、実質的に同じである。いくつかの他の実施形態では、光源110によって生成される照明光は、集光器120によって採取され、少なくとも1つの照明光学部品125によって、結像対物レンズ130の要素を通して最初に向けられることなく試料140に直接送られる。試料140は、試料140に入射する照明光に応答して結像光を放出する。しかし、結像光は、被収集光として採取され、結像対物レンズ130によって拡大される。いくつかの実施形態では、対物レンズ130は、試料140から収集される画像をさらに拡大するズーム光学部品150によって、被収集光を結像検出器160に送る。検出器160は、結像光を受取り、光を電気信号に変換する。検出器160は、プロセッサ170によるさらなる画像処理のためにプロセッサ170に電気信号を通信する。いくつかの実施形態では、試料140は、負圧または静電メカニズムによって位置決めシステム180に固着される。こうして、試料140は、対物レンズ130の下に柔軟に位置決めされる。
【0023】
一態様では、LDP光源110は、40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内で10W/mm−srより大きい放射強度を有する40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル範囲内の広帯域放射を放出する。こうした放射は、広帯域光学顕微鏡において結像されるパターン付き半導体ウェハのBF検査に適しており、広帯域光学顕微鏡は、高スループット(たとえば、少なくとも5ウェハ/時間)で、100ミクロン〜数ミリメートルの視野にわたって結像できる。
【0024】
いくつかの実施形態では、LDP光源110は、100ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内で10W/mm−srより大きい放射強度を有する光を放出する、4〜10eV温度範囲内のプラズマ115を生成する。いくつかの他の実施形態では、LDP光源110は、40ナノメートルと55ナノメートルとの間のスペクトル領域内で少なくとも10W/mm−srの放射強度を有する光を放出する、8〜20eV温度範囲内のプラズマ115を生成する。いくつかの実施形態では、1kW/mm−srほどの高い放射強度を達成することができる。
【0025】
図2に示すように、LDP光源110は、液滴発生器111およびレーザ113を含む。液滴発生器111は、フィード材112の液滴のシーケンスを吐出する。レーザ113は、フィード材112の液滴にフォーカスする励起光116を生成する。励起光は、フィード材112の液滴をイオン化させて、照明光を放出するプラズマを形成する。いくつかの実施形態では、液滴発生器111は、市販のインクジェット技術に基づく高周波流体吐出器である。一例では、液滴発生器111は、50キロヘルツと200キロヘルツとの間のレートでフィード材112の公称的に50ミクロン液滴のシーケンスを吐出する。他の例では、液滴サイズは、25ミクロンと100ミクロンとの間で変動する場合がある。いくつかの実施形態では、レーザ113は、1ナノ秒と40ナノ秒との間、より具体的には5ナノ秒と20ナノ秒との間のパルス持続時間を有する固体レーザである。固体レーザ113の出力波長は、約1マイクロメートル(たとえば、0.9マイクロメートルと1.1マイクロメートルとの間)である。固体レーザ113は、1パルス当たり1ミリジュールと20ミリジュールとの間、より具体的には1パルス当たり3ミリジュールと10ミリジュールとの間を生成する。いくつかの実施形態では、固体レーザ113は、イッテルビウム(Yb)ベース固体レーザである。いくつかの他の実施形態では、固体レーザ113は、ネオジウム(Nb)ベース固体レーザである。
【0026】
いくつかの実施形態では、わずかな電荷を、液滴発生器111によって吐出される各液滴の粒子に印加することができ、制御可能な電界を、液滴飛翔経路に導入することができる。こうして、各液滴は、制御可能な電界によって操向されて、レーザ113によって生成される励起光経路内に各液滴を精密に配置することができる。
【0027】
40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内で10W/mm−srより大きい放射強度を有するレーザ液滴プラズマから照明光をうるために、適した材料が選択されなければならず、その材料は、十分に高いプラズマ密度で十分に高いプラズマ温度に加熱されなければならない。液滴プラズマの温度は、イオン化レーザパルス内の光子の数を、レーザ113によって励起されるペレットまたは液滴内の原子の数に一致させることによって決定されうる。たとえば、レーザプラズマ115用のターゲットとして使用される液体銅液滴は、4eV(またはそれより高い)プラズマ温度まで励起されると、大量の広帯域100〜200nm放射を生成しうる。これらのプラズマ温度は、約5〜10mJ/パルスのレーザパルスエネルギーによって、または、これらのパルスエネルギーに近い範囲で得ることができる。プラズマを点火するために、ほぼ5e9W/cm〜1e10W/cmのフルエンスが供給されることが必要である。そのため、プラズマを点火すると共にそれを維持するために、レーザ113は、1ナノ秒と40ナノ秒との間のパルス長を有するべきである。TRUMPF Group(ドイツ)によって製造される市販の薄ディスクレーザは、この目的のために適する。市販の薄ディスクレーザは、プラズマ115を点火しそれを維持するために動作することができるが、単純な発振器から注入シード式マスタ発振器パワー増幅器(master oscillator power amplifier)(MOPA)へのこのレーザタイプの修正は、所望の動作条件をより厳密に生成する。
【0028】
非制限的な例として、図3〜6は、100ナノメートル〜200ナノメートルの範囲内のレーザプラズマから高い放射強度放射を生成するための、フィード材112として適する異なる材料を示す。図3は、炭素のシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット200を示す。強度が、4eV、8eV、および10eVのプラズマ温度について、波長の関数としてプロットされる。図4は、亜鉛のシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット210を示す。強度が、2eV、4eV、8eV、および10eVのプラズマ温度について、波長の関数としてプロットされる。図5は、シリコンのシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット220を示す。強度が、1e―3g/cm3のプラズマ密度において2eV、4eV、8eV、および10eVのプラズマ温度について、波長の関数としてプロットされる。図6は、銅のシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット230を示す。強度が、4eV、8eV、および10eVのプラズマ温度について、波長の関数としてプロットされる。図3〜6に示す4つ全ての材料は、プラズマ温度が増加すると、100ナノメートル〜200ナノメートルの範囲内の放出の増加を示す。しかし、変換効率は、プラズマ温度と共に増加しない。たとえば、銅は、8または10eVより4eVにおいて高い変換効率を示す。同様に、亜鉛は、4eVにおいて100ナノメートル〜200ナノメートルの良好な変換効率を示すが、最大放出についての波長は、温度が8eVおよび10eVまで増加すると、150nm未満までシフトする。こうして、光源110の所望の広帯域放出スペクトルを、フィード材のプラズマ温度を変動させることによって調整することができる。
【0029】
炭素、シリコン、亜鉛、および銅に加えて、いろいろな種類のフィード材が、100ナノメートル〜200ナノメートルの範囲内のレーザプラズマから高放射強度を生成するのに適する場合がある。たとえば、ガリウム、インジウム、酸素、およびヒ素が適する場合がある。さらに、リン酸塩または塩化物が(たとえば、水によって)ドープされて、適したフィード材の液滴を生成することができる。同様に、金属ハロゲン化物およびアルカリ金属がドープされて、適したフィード材の液滴を生成することができる。適したフィード材は、Ga、In、C、Si、Zn、Cu、およびOを含むが、それに限定されない。特に、適したフィード材は、水素化物分子組成物または酸化物分子組成物内にGa、In、C、Si、Zn、Cu、およびOのうちの任意のものを含むことができる。1つの非制限的な例では、適したフィード材は、SiH、SiO、O、CH、HO、およびCOを含むことができる。他の例では、適したフィード材は、希ガス、アルカリ、およびハロゲン化物を含む。
【0030】
40ナノメートルと55ナノメートルとの間のスペクトル領域内で10W/mm−srより大きい放射強度を有するレーザ液滴プラズマから照明光をうるために、適した材料が選択されなければならず、その材料は、十分に高いプラズマ密度で十分に高いプラズマ温度に加熱されなければならない。
【0031】
非制限的な例として、図7〜10は、40ナノメートル〜55ナノメートルの範囲内のレーザプラズマから高放射強度を生成するための、フィード材112として適する異なる材料を示す。図7は、ナトリウムのシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット240を示す。強度が、12eVのプラズマ温度における1e−3g/cm、1e−4g/cm、および1e−5g/cmのプラズマ密度について波長の関数としてプロットされる。図8は、カリウムのシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット250を示す。強度が、12eVのプラズマ温度における1e−3g/cm、1e−4g/cm、および1e−5g/cmのプラズマ密度について波長の関数としてプロットされる。図9は、アルゴンのシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット260を示す。強度が、12eVのプラズマ温度における1e−4g/cmおよび1e−5g/cmのプラズマ密度について、また、10eVのプラズマ温度における1e−4g/cmのプラズマ密度について波長の関数としてプロットされる。図10は、クリプトンのシミュレートされたプラズマ放出スペクトルのプロット270を示す。強度が、1e−5g/cmのプラズマ密度における10eVおよび12eVのプラズマ温度について波長の関数としてプロットされる。カリウム、ナトリウム、およびアルゴンは全て、特にプラズマ密度が1e−5g/cmに近づき、プラズマ温度が12eVに近づくにつれて、40ナノメートル〜55ナノメートルの範囲の有用な量の放出を示す。しかし、クリプトンは、有用な量の放出を生じるために20eVに近いプラズマ温度まで駆動されなければならない。
【0032】
カリウム、ナトリウム、およびアルゴンに加えて、いろいろな種類のフィード材が、40ナノメートル〜55ナノメートルの範囲内のレーザプラズマから高放射強度を生成するのに適する場合がある。たとえば、金属ハロゲン化物およびアルカリ金属は、ほぼ8eVと20eVとの間のプラズマ温度によって48nmに近い放射を生成するための実用的なフィード材の2つのファミリである。さらに、適したフィード材は、Ga、In、C、Si、Zn、Cu、およびOを含むが、それに限定されない。特に、適したフィード材は、水素化物分子組成物または酸化物分子組成物内にGa、In、C、Si、Zn、Cu、およびOのうちの任意のものを含むことができる。1つの非制限的な例では、適したフィード材は、SiH、SiO、O、CH、HO、およびCOを含むことができる。他の例では、適したフィード材は、希ガスを含む。
【0033】
図2に示すように、光源110によって生成される照明光は、ウェハを効果的に照明し結像させるために、複数の光学コンポーネントと相互作用しなければならない。現在のところ、屈折または透過光学コンポーネントを、40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内の光を効率的に操作するために使用することができない。これらの波長の光は、知られている透過材料によってあまりにも容易に吸収される。結果として、反射光学コンポーネントだけが、システム100内で40ナノメートルと200ナノメートルとの間のスペクトル領域内の光を効率的に操作するために使用される。さらに、各要素の表面当たりの反射率は、高速動作時に検出器160が十分な画像信号を採取できるように、適した範囲内に保持されなければならない。光源110が、100ナノメートルと200ナノメートルとの間の光を生成する実施形態では、バルクアルミニウムベースの広帯域コーティング式光学対物レンズ、集光器、ズーム、および照明サブシステムが適する。特に、MgFをオーバコートしたアルミニウムミラーは、100〜200nmからそれより長い波長について十分な性能を与える。
【0034】
光源110が、40ナノメートルと55ナノメートルとの間の光を生成する実施形態では、47nm光について適切な反射率の差を有する材料対の複数層のスタックを有するブラッグミラーが適する。さらに、材料対は、この波長の放射が、選択された材料の複数(たとえば、40以上)の対形成層内でそれほど吸収されないように、47ナノメートルにおいて適切に大きな表皮厚さを持たなければならない。スカンジウム/シリコン(Sc/Si)材料対が、47ナノメートル光について、適切な反射率および十分な帯域幅、したがって、対物レンズ照明角度公差を与えることが立証された。これらの波長の放射を反射するのに適した反射コーティングの分析は、1)S. Yulin, F. Schafers, T. Feigl, およびN. Kaiser著「Enhanced reflectivity and stability of Sc/Si multilayers」 Advances in Mirror Technology for X-ray, EUV Lithography, Laser, and Other Applications in Proc. Of SPIE, Vol. 5193 0277-786X(2004)(その全体が参照により本明細書に組込まれる)、および、2)A. Aquila, F. Salmassi, Y. Liu, およびE. Gullikson著, Optics Express Vol. 17(24), ♯117387(2009)(その全体が参照により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0035】
集光器120は、プラズマ115から生成される照明光を採取するために任意の適した形状とすることができる。適した例は、楕円集光器および複数の表面輪郭を有する集光器を含む。プラズマから放出される光を収集するための例示的な技法は、KLA−Tencor Technologies Corp.に対して2010年4月27日に発行された米国特許第7,705,331号に記載されるており、その特許の全体が参照により本明細書に組込まれる。
【0036】
図2に示すように、検査システム100は、プラズマ115を生成するために液滴に直接フォーカスされる単一レーザを含む。しかし、検査システム100は、2つ以上のレーザを含むことができ、各レーザは、異なるようにまたは同じになるように構成される。たとえば、レーザを、同じ時間または異なる時間に液滴に向けられうる異なる特性を有する光を生成するように構成することができる。別の例では、レーザを、同じ方向または異なる方向から液滴に光を向けるように構成することができる。励起光をターゲットに向けるための例示的な技法は、上述した米国特許第7,705,331号に記載されており、その特許の全体が参照により本明細書に組込まれる。
【0037】
照明光を、照明光学部品125によって送ることができる。照明光学部品125は、照明光を試料または対物レンズに効率的に送るために、中空光学均質化器または反射光チューブを含むことができる。短波長光(たとえば、波長が40ナノメートルと200ナノメートルとの間の光)を送るための例示的な技法は、出願人KLA−Tencor Corp.によるものであり、国際公開第WO2010/148293 A2で2010年12月23日に公開された国際特許出願第PCT/US2010/039150号に記載されており、その特許の全体が参照により本明細書に組込まれる。
【0038】
実行可能なBF検査システムは、適切な視野を持ち、歪が、十分にウェハ検査ツールによって許容される結像要件内にあるよう設計された結像対物レンズを必要とする。先に論じたように、実行可能なBF検査システムは、大きなNAを有する対物レンズ130を含む。いくつかの例では、NAは、0.7より大きいとすることができる。他の例では、NAは、0.9より大きいとすることができる。高NAに加えて、対物レンズ130を通る光経路は、好ましくは、各相互作用に関連する吸収損失を最小にするために反射表面との最小数の相互作用を含むべきである。4ミラー、4パス設計を使用する、全反射コンポーネントを有する対物レンズのための例示的な設計は、KLA−Tencor Technologies Corp.に対して2008年4月1日に発行された米国特許第7,351,980号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組込まれる。さらに、4ミラー、6パス設計を使用する、全反射コンポーネントを有する対物レンズのための例示的な設計は、Carl Zeiss SMT AGに譲渡され、米国特許公開第2010/0188738 A1号の下で2010年7月29日に公開された米国特許出願第12/568,483号に記載されており、その特許出願全体が参照により本明細書に組込まれる。
【0039】
照明方向は、ウェハ上の構造が検査システム100によってどれほど分解されるかに影響を及ぼす。図11〜14は、ウェハ140の斜め照明のいくつかの例を示す。
【0040】
図11Aは、4ミラー、4パス構成の対物レンズを示す。図11Bは、対物レンズ130の瞳面131を示す。この実施形態では、対物レンズ130は、照明光125をウェハ140に向け、ウェハ140から被収集光135を採取する。しかし、照明光125および被収集光135は、瞳面131内の空間的に分離した領域を占める。示すように、対物レンズ130の全体は、0.8のNAを有する。照明瞳132は、瞳面131を通過する照明光125の断面図を示す。示すように、照明NAは0.4である。同様に、収集瞳133は、瞳面131を通過する被収集光135の断面図を示す。示すように、結像NAは0.4である。収集瞳を照明瞳から分離して維持することによって、オブスキュレーションが最小にされるが、それは、結像用のNAの減少と引き換えに行われる。さらに、照明および収集は、0.8対物レンズNA内で動き回ることができる。
【0041】
図12Aは、4ミラー、4パス構成の対物レンズ130を示す。図12Bは、対物レンズ130の瞳面131を示す。この実施形態では、対物レンズ130は、照明光125をウェハ140に向け、ウェハ140から被収集光135を採取する。しかし、照明光125および被収集光135は、瞳面131内の空間的にオーバラップする領域を占める。示すように、対物レンズ130の全体は、0.8のNAを有する。照明瞳132は、瞳面131を通過する照明光125の断面図を示す。示すように、照明NAは0.32である。同様に、収集瞳133は、瞳面131を通過する被収集光135の断面図を示す。示すように、結像NAは0.8である。しかし、収集瞳と照明瞳とをオーバラップさせることによって、照明と結像との間のビーム分割が使用される必要がある、または、結像用の利用可能なNAを制限するオブスキュレーションが起こる。
【0042】
図13は、4ミラー、4パス構成の対物レンズ130を示す。この実施形態では、照明光125は、対物レンズ130の反射表面136と137との間で斜めに挿入され、反射表面137のアパーチャ138を通過してウェハ140に達する。こうして、照明光は、
ウェハ140に直接送られ、そのとき、オブスキュレーションは非常にわずかな量に過ぎず、また、対物レンズ130のほぼ全体が結像のために利用可能である。
【0043】
図14は、照明光125の斜め挿入の別の例を示す。この実施形態では、照明光125は、反射要素139から反射し、反射表面136の一部分136.1に達する。部分136.1は、反射表面136の他の部分と異なる表面幾何形状を含むことができる。さらに、いくつかの例では、部分136.1は、対物レンズ130によるウェハ140からの光の収集に関与しないように位置決めされる。部分136.1に入射する照明光125は、反射し、アパーチャ138を通ってウェハ140に向けられる。そのため、照明光は、対物レンズ130の反射表面136と137との間で斜めに挿入され、反射要素137のアパーチャ138を通過する。こうして、照明光は、ウェハ140に直接送られ、そのとき、オブスキュレーションは非常にわずかな量に過ぎず、また、対物レンズ130のほぼ全体が結像のために利用可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、先に論じた光学構成は、照明のために特に最適化される反射要素の1つまたは複数の不均一光学特性を有することができる。たとえば、照明経路内の露光エネルギーが高いため、コーティングを、コーティング耐久性を増加させるように最適化することができる。
【0045】
一実施形態では、検出器160は、有利には、複数のTDIセンサモジュールと共に実装されうる。各TDIセンサモジュールは、駆動および信号処理用の局所化回路要素を含みうる。これらのTDIセンサモジュールを含むモジュールアレイは、同等のエリアの大型モノリシックデバイスに対して、駆動および処理要件を減少させながら、デバイス製造可能性を増加させうる。例示的なTDIセンサモジュールおよびモジュール式アレイは、2009年10月7日にKLA−Tencor Corporationにより出願され、参照により本明細書に組み込まれる「TDI Circuitry For High Speed Inspection」という名称の米国特許出願第12/575,376号に記載される。
【0046】
図15は、局所化駆動および信号処理回路要素(本明細書では、局所化回路とも呼ばれる)を含む例示的なTDIセンサモジュール800の上面図を示す。具体的には、TDIセンサモジュール800は、TDIセンサ802、TDIセンサ802からの信号を処理するための処理回路803、タイミングおよびシリアルドライブ回路804、およびピクセルゲートドライバ回路805を含む。
【0047】
一実施形態では、処理回路803は、相関2重サンプリング(CDS)機能および他のアナログフロントエンド(AFE)機能(たとえば、アナログ利得制御)、アナログ・デジタル変換(ADC)、ならびに、背景レベル補正、ピクセル毎の利得およびオフセット補正、線形性補正、ルックアップテーブル(LUT)、およびデータ圧縮などのデジタル後処理を提供することができる。その処理は、固定であるか、または、検査システムからのおそらくはリアルタイムのさらなる入力に依存して、サブピクセル補間、デジタル飽和を防止するためのアナログ利得制御、画像位置シフト、および画像空間歪み補正などの機能を実施することができる。一実施形態では、局所化処理回路803は、取込まれる種々の画像をアナログ領域またはデジタル領域で操作し(以下で、さらに詳細に述べられる)、それにより、検査システムの画像分析コンピュータ内の通信帯域および処理帯域を節約しうる。
【0048】
タイミングおよびシリアルドライブ回路804は、TDI用のクロックタイミングおよびドライブを制御しうる。リセットパルス生成、多相シリアルレジスタクロック生成、およびADC同期化などの特徴を含むことができる。これにより、高いクロック駆動速度で高SNR(信号対雑音比)を達成するのに必要とされる非常に正確なタイミングが可能になる。
【0049】
ピクセルゲートドライバ回路805は、データ取込みを検査画像運動および他のTDIセンサと同期化するために、緩徐であるが高い電流のTDIゲートドライブ信号を提供する。ピクセルゲートドライバ回路805は、通常、矩形波および/または正弦波の3相または4相ドライブ波形を提供することができる。より一般的に、ピクセルゲートドライバ回路805は、デジタル・アナログ変換を利用して、任意の関数を生成し、それにより、センサの電荷輸送、熱分散、およびSNRを最適化することができる。参照により本明細書に組み込まれる「Continuous Clocking Of TDI Sensors」という名称の米国特許出願第10/992,063号は、このデジタル・アナログ変換をさらに詳細に記載する。
【0050】
有利には、局所化駆動回路は、各TDIセンサモジュールが、ドライバ(すなわち、ドライバ804および805)のそれ自体の個々のセットを有することを意味する。これらの個々のドライバは、著しく少ない電流を必要とし、したがって、従来の大面積TDIセンサドライバよりも著しく小さい可能性がある。特に、(TDIセンサモジュールに関連する)複数の小型ドライバからの、高信頼性高電流波形を局所的に分配することは、たとえ総合的な電流要件が同じときでも、1つの大型ドライバから波形を分配することよりずっとスケーラブルである。
【0051】
一実施形態では、処理回路803、タイミングおよびシリアルドライブ回路804、およびピクセルゲートドライブ回路805のそれぞれは、PCB(印刷回路基板)801上のTDIセンサ802の周りに位置決めされる集積回路上に実装されうる。駆動/処理回路を実装するのに使用されるICの数が、実施形態に基づいて変化しうることに留意された。一実施形態では、PCB801は、多層セラミック基板を利用して実装されうる。図16は、PCB801に接続されるデータ送受信器807(たとえば、10ギガビット光送受信器)を含む例示的なPCB801の側面図を示し、PCB801は、TDIセンサモジュール800の駆動/処理回路と通信状態にある配線(簡略化のために示さない)を含む。PCBは、センサシステムのための超高真空界面を提供し、信号および電力が、センサ側の高品質真空領域とファイバ側の低品質真空領域または大気圧に近い領域との間を通過するのを可能にすることができることに留意されたい。一実施形態では、光ファイバ806がデータ送受信器807に取り付けられて、TDIセンサモジュール800とシステムレベル検査コンポーネント808との間の駆動/処理データの通信が可能にされうる。別の実施形態では、低電圧差動シグナリング(LVDS)または同様の電気的シグナリングおよびデジタル多重化を使用して、TDIセンサモジュール800からのデジタルデータが基板外に送信されうる。特定のプロトコルが、工業規格から選択されうる、または、電子または光高速デジタル通信の専門家により処方されうる。
【0052】
図17は、TDIセンサモジュール901の例示的なモジュール式アレイ900(センサモジュールアレイとも呼ばれる)を示す。TDIセンサの周りに位置決めされる駆動/処理回路が、既定の空間を占めることに留意されたい。そのため、隣接する行内のTDIセンサは、連続スキャニング構成で使用されるときに、少なくとも100%の画像カバリジが達成されるように整列されうる。たとえば、図9に示す一実施形態では、上部の行を、下部の行に対してオフセットさせることができ、それにより、TDIセンサは、隣接する行の駆動/処理回路により生成されるギャップ内に位置決めされる。画像カバリジ内に全くギャップがないことを保証するために、各TDIの幅は、TDIセンサ間の空間以上である。この構成では、被検査ウェハが、TDI画像スキャン方向902に移動するとき、センサモジュールアレイ900は、完全な画像取込みを保証しうる。
【0053】
一実施形態では、隣接行による、TDIセンサ間の或る最小オーバラップは、冗長なデータを提供しうる。この冗長データは、たとえば、TDIセンサモジュール901により生成される画像データの正確な整列が保証しうる。最小オーバラップの一実施形態では、検査システムは、エッジピクセル用に使用されるデータを1つのTDIセンサモジュールから任意に選択しうる。別の実施形態では、検出システムは、サブピクセルデジタル処理を使用して、複数のTDIセンサモジュールからのデータを結合し整列させて、エッジピクセル付近のデータ品質の改善を達成しうる。
【0054】
モジュール式アレイ900用の有効データレートは、単一の大型TDIセンサよりも著しく高くありうることに留意されたい。このレートは、モジュール式アレイが、単一のTDIセンサ内で実際に製造されうるものよりも大きい、出力チャネルの有効総合サイズおよび数を有しうるために達成される。さらに、TDIセンサモジュールの任意の数の行がモジュール式アレイ内に含まれうる、すなわち、TDIセンサモジュールがスケーリングを容易にすることに留意されたい。このスケーリングは、さらなるシステム柔軟性および性能をもたらす。
【0055】
別の実施形態では、検出データの集積は、TDIセンサモジュールの列を整列することによって増加しうる。たとえば、図17は、TDIセンサモジュール1010の3行1001、1002、1003、および1004を含む例示的なモジュール式アレイ1000を示す。この実施形態では、行1001〜1003は、同じ(または、非常に類似する)光学画像データのサンプルを取込み処理する。そのため、モジュール式アレイ1000は、有利には、被検査ウェハの各スワスについてデータストリームを提供しうる。この集積化は、普通なら検査に困難さをもたらすことになる、プラズマ光源(そのショット発生のため、本質的に不安定である)に関連する変動を最小にしうる。この構成はまた、プラズマ光源サブシステムについての均一性および安定性要件を低減することができ、検査システムの製造可能性および動作寿命を改善する。
【0056】
この実施形態におけるセンサ間のギャップによって抜ける被検査表面の他の部分は、ギャップ距離だけウェハを(左または右に)シフトさせ、次に、別のスワスをカバーするために別のTDI画像スキャンを実施することによって検査されうる。これは、インターリーブ構成と呼ばれる。TDIセンサモジュールの列間の間隔は、TDI画像スキャンを補償することによって変動しうる、すなわち、間隔が大きくなればなるほど、TDI画像スキャンの数(従って、スワスの数)が増えることに留意されたい。さらに、単一行のTDIセンサモジュールがいくつかの実施形態で使用されうることにさらに留意されたい。その場合、TDIセンサモジュール間の間隔は、100%の検査カバリジを提供するのに必要なスワスの数を決定する。
【0057】
検査のためにモジュール式アレイを使用する1つの利点は、被検査表面が、部分的に照明される必要があるだけであることである。この分散照明はまた、有利には、その照明に関連する熱を分散することができ、それにより、熱を隣接する冷たいエリアにより迅速に消散させ、従って、高速検査中に被検査表面を損傷する可能性を低減する。
【0058】
モジュール式アレイを使用する別の利点は、信号対雑音比(SNR)の増加である。可視光の場合、光子のエネルギーは、一般に、1つの電子を伝導状態に励起するのに十分であることに留意されたい。すなわち、1つの光子は、通常、せいぜい1つの信号生成電子をもたらす。しかし、光子のエネルギーが高くなるにつれて、さらなる電子が、伝導状態に入り、収集されうる。そのために、1ピクセル当たりの所与のTDIセンサ電子ウェル容量について、最大光子検出レベルは、短波長光(たとえば、40〜200ナノメートルの波長範囲内の光)について事実上減少する。同様に、光子ショット雑音についての画像SNRが、被収集光子の平方根に比例するため、SNRは、短波長光について減少することになる。
【0059】
上述したモジュール式アレイは、有利には、検査システムの雑音特性(すなわち、SNR)を改善しうる。具体的には、冗長画像データを収集する2つのTDIセンサモジュールを有することは、SNRを2の平方根だけ改善することができ、拡張によって、冗長データを収集するN個のTDIセンサを有することは、SNRをNの平方根だけ改善しうる。
【0060】
TDIセンサモジュールおよびTDIセンサアレイが、詳細に上述されるが、検査システム100は、TDIの代わりに、フラッシュオンザフライモード(一連の静止画像を生成する)または従来のCCD(電荷結合素子)フレーム転送読出しを実施するセンサモジュール/アレイを含みうることに留意されたい。
【0061】
図18は、半導体ウェハを検査する方法500を示す。第1のステップ(ステップ501)にて、フィード材の液滴のシーケンスが吐出される。第2のステップ(ステップ502)にて、レーザによって生成される励起光が、フィード材の液滴にフォーカスされて、照明光を放出するプラズマを点火する。第3のステップ(ステップ503)にて、照明光によって照明される半導体ウェハから反射される光が検出される。
【0062】
本明細書で使用されるように、用語「試料(specimen)」は、一般に、ウェハを指す。しかし、本明細書で述べる方法およびシステムが使用されて、当技術分野で知られている任意の他の試料の照明を提供することができることが理解される。
【0063】
或る特定の実施形態が、教育的な目的で上述されるが、本特許文書の教示は、一般的な適用可能性を有し、上述した特定の実施形態に限定されない。たとえば、システム100は、2つ以上の光源(示さず)を含むことができる。光源を、異なるようにまたは同じになるように構成することができる。たとえば、光源を、同じ時間または異なる時間に同じ入射角度または異なる入射角度で試料に向けられうる異なる特性を有する光を生成するように構成することができる。光源を、本明細書で述べる実施形態の任意の実施形態に従って構成することができる。さらに、光源のうちの1つの光源を、本明細書で述べる実施形態の任意の実施形態に従って構成することができ、別の光源は、当技術分野で知られている任意の他の光源とすることができる。したがって、述べた実施形態の種々の特徴の種々の変更、改造、および組合せは、特許請求の範囲で述べる本発明の範囲から逸脱することなく実施されうる。
図15
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