(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の開示は、本発明の異なる特徴を実施するための異なる実施例または例を提供する。以下で説明される要素と配置の特定の例は本開示を簡潔にする。これらは単なる例に過ぎず、これに限定されない。例えば、以下の描写で、第一の層部が第二の層部上またはその上に形成されるというのは、第一の層部と第二の層部が直接接触する実施例を含んでも良く、また、第一の層部と第二の層部が直接接触していない、すなわち第一の層部と第二の層部間に追加の層部が形成される実施例を含んでも良い。このほか、本開示は、各種例中で、参照符号および/または文字が重複している。これは、本開示を簡潔にし、説明を分かりやすくするためのものであり、各種実施例および/または構成間の関係を決定するものではない。本技術分野を熟知するものなら分かるように、ここで明確に記述されていなくても、各種同等の実施例を設計することにより、本発明の原理を実現することができる。
【0011】
本発明の一つまたはそれ以上の実施例中で得られる装置は、イメージセンサーを有する半導体装置である。この例の装置は、裏面照射型(BSI)イメージセンサー装置を含む。以下の開示は、この装置を例として本発明の各種実施例を説明する。しかし、特定の範囲を除いて、本発明は特定種の装置に限定するものではない。
【0012】
さらに、ここで描写される図式中、単一のBSIユニットだけしか表示されていないが、ウェハ上に多数のBSIユニットを製造してもよく、このようなBSIユニットと開示されるBSIユニットは同じかまたは類似する。ここで描写される実施例は、単一のBSIユニットだけに対応しているが、実際には、以下の工程はウェハレベルの工程を含み、これらの工程は、ウェハ全体に応用されて、多数のBSIユニットをウェハ上に形成する。
【0013】
好ましい態様中、BSIイメージセンサー装置は、正面と背面を有するシリコン基板を含む。電気的なルーティングのための多層相互接続(MLI)構造が正面に形成される。MLIは、配線間絶縁(IMD)層により分離される複数の金属層部を含む。キャリアウァハは、正面のMLI 構造上に形成されたパッシベーション層に接合する。
【0014】
好ましい態様中、シリコン基板の背面は、放射感知領域、遮蔽領域およびボンディング領域を含む。放射感知領域は、放射感知装置、例えば、可視光または非可視光を感知する装置を含む。ある実施例中、放射感知装置は半導体基板正面上に形成される。
【0015】
ボンディング領域は、半導体装置の背面上のトレンチ中に形成されるボンディングパッドを含む。トレンチはMLI中の金属層部を露出し、ボンディングパッドが、金属層部と接触するように形成される。ボンディングワイヤは、ボンディングパッドとキャリアウェハ上に形成される電気接点を接続する。このような電気的接続は、センサーから装置以外の別の素子に通信を提供することができる。
【0016】
本装置は、さらに、遮蔽領域中に形成される金属シールド構造を含む。この例では、金属シールドは、ボンディング領域と放射感知領域間のシリコン基板を被覆する金属部分を含む。金属シールドの機能の一つは、幾つかの光子が放射感知装置に衝突するのを阻止して、光学クロストークを減少または消去することである。
【0017】
従来の装置とは異なり、この実施例は、別の工程で製造される金属シールドとボンディングパッドを含む。このような特徴は、一つまたはそれ以上の効果を提供する。例えば、ある実施例では、ボンディングパッドの厚さは、金属シールドの厚さに比べて増加するようにされても良い。金属シールドの厚さ減少は、カラーフィルター工程中で生じるストライプ欠陥の減少に有利である。さらに、ボンディングパッドの厚さの増加は、剥離とパッケージ失敗の発生防止を助ける。しかし、実施例の範囲は、ボンディングパッドが金属シールドより厚い装置に限定されず、別の実施例では、厚さ関係が反対でも良い。
【0018】
別の実施例は、上述の例のBSI装置を含むイメージセンサー装置のウェハレベルの製造方法を含む。この例の方法は、金属シールドの形成前に、ボンディングパッドを形成する工程を含む。別の例の方法は、ボンディングパッドの形成前に、金属シールドを形成する工程を含む。どちらかの実施例では、二つの別々のマスク工程を用いて、このような背面金属層部を形成する。よって、各種実施例は、ある厚さの金属シールド構造および別の厚さのボンディングパッドを製造することができ、単一の厚さのボンディングパッドとシールドを形成するのではない。さらに、各種実施例は、金属シールドおよびボンディングパッドが異なる材料である装置を含んでも良い。
【0019】
さらに、工程は、ボンディングワイヤを用いて、キャリア基板上のボンディングパッドと導体パッドを電気的に接続し、カラーフィルターを形成し、カラーフィルターと放射センサー上にマイクロレンズを形成する工程を含む。このほか、ある実施例は、ウェハをダイシングし、後にパッケージされる独立したダイを形成する工程を含む。各種実施例は以下でさらに詳細に説明する。
【0020】
図1を参照して、本発明の各種態様による半導体装置の製造方法100を説明する。方法100は、ボンディングパッドの形成前に、金属シールドを形成する工程を含む。
【0021】
方法100は、工程102で、正面と背面を有する装置基板を用意し、装置基板の正面と背面は、それぞれ、半導体装置の正面と背面と対応している。続いて、工程104で、例えば、正面側工程を用いて、センサーを装置基板に形成する。また、工程104で、金属層部(例えば、MLI中の金属層部)とパッシベーション層を、装置基板上に形成する。その後、工程106で、キャリア基板を用意し、装置基板の正面に接合する。工程108で、透明の第一バッファ層を装置基板の背面上に形成する。
【0022】
続いて、工程110で、堆積とエッチングを含む第一工程を実行して、第一バッファ層上にシールド構造を形成する。第一工程は、第一バッファ層上に金属層を堆積し、その後、金属層をパターン化して、シールド構造を形成する工程を含む。工程112で、第二バッファ層をシールド構造上に形成する。工程114で、堆積とエッチングを含む第二工程を実行し、トレンチ中のボンディングパッドをパターン化する。工程114で、第二工程は、別の金属層を堆積し、金属層をパターン化して、ボンディングパッドを形成する工程を含む。工程114で、第二バッファ層は、さらに、ボンディングパッド構造のパターン化工程で、シールド構造を保護する。工程116で、パッシベーション層を、第二バッファ層、ボンディングパッドおよびシールド構造上に形成する。工程116で、さらに、エッチング工程は、パッシベーション層の一部を除去して、ボンディングパッドと放射感知領域を露出する。
【0023】
図2は、本発明の各種態様による半導体装置の製造方法200を示す。方法200は、金属シールドの形成前に、ボンディングパッドを形成する工程を含む。
【0024】
工程202〜208は、
図1の工程102〜108と同じである。方法200は、工程202で、正面と背面を有する装置基板を用意する。工程204で、例えば、正面側工程を用いて、センサーを装置基板に形成する。また、工程204で、金属層(例えば、MLI中)とパッシベーション層を装置基板上に形成する。工程206で、キャリア基板を用意して、装置基板の正面に接合する。工程208で、透明の第一バッファ層を装置基板の背面上に形成する。
【0025】
工程210で、第一工程を実行して、ボンディングパッドを背面に形成する。例えば、工程210は、金属層を第一バッファ層上に堆積し、金属層をパターン化して、ボンディングパッド構造を形成する工程を含む。工程212で、第二バッファ層を、第一バッファ層とボンディングパッド上に形成する。工程214で、第二工程を実行して、シールド構造を第二バッファ層上に形成する。工程214で、第二金属層を堆積し、パターン化して、シールド構造を形成する。第二バッファ層は、第二金属層をパターン化し、シールド構造を形成する間、ボンディングパッド領域を保護する。工程216で、パッシベーション層を、第二バッファ層、ボンディングパッドおよびシールド構造上に形成する。さらに、工程216で、エッチング工程を実行して、パッシベーション層の一部(および場合によっては、第二バッファ層の一部)を除去して、ボンディングパッドと放射感知領域を露出する。
【0026】
方法100および/または方法200の前、期間中、あるいは後に、追加工程を実行することができ、他の実施例では上述のある工程を代替または取り消すことができる。以下で描写される半導体装置の各種実施例(
図3〜
図8)は、
図1の方法100に基づいて製造され、半導体装置の別の実施例(
図9〜
図14)は、
図2の方法200に基づいて製造される。
【0027】
図3〜
図8は、
図1の方法100に基づいた裏面照射型(BSI)イメージセンサー装置300の半導体装置を製造する一実施例の各種段階の断面図である。イメージセンサー装置300は、イメージセンサー装置300の背面に入射する放射(例えば、光線)の強度を感知および記録する画素(センサー)を含む。イメージセンサー装置300は、電荷結合素子(charge-coupled device、CCD)、相補型金属酸化膜半導体(complimentary metal oxide semiconductor、CMOS) イメージセンサー(CIS)、能動ピクセルセンサー(APS)または受動ピクセルセンサーを含む。イメージセンサー装置300は、さらに、追加回路(図示しない)と入力端/出力端(図示しない)を含み、センサーに隣接して、センサーに動作環境を提供し、センサーと外部の通信をサポートする。
図3〜
図14は簡潔化され、よって、本発明の概念がさらに容易に理解でき、また、これらの図は、実寸に基づいて描かれていないことが理解できる。
【0028】
図3を参照すると、BSIイメージセンサー装置300は装置基板310を含む。装置基板310は正面312と背面314を有する。装置基板310は、p型ドーパント、例えばボロンをドープしたシリコン基板(例えば、p型基板)である。あるいはまた、装置基板310は別の適切な半導体材料でも良い。例えば、装置基板310は、n型ドーパント、例えば、リンまたはヒ素をドープしたシリコン基板(n型基板)でも良い。装置基板310は、別の元素半導体、例えば、ゲルマニウムやダイヤモンド、および/または、化合物半導体、および/または合金半導体を含んでも良い。さらに、装置基板310はエピタキシャル層(epi layer、図示しない)を含んでも良いし、特性改善のために歪みが加えられても良いし、シリコンオンインシュレータ(SOI,図示しない) 構造を含んでも良い。
【0029】
装置基板310は、ボンディング領域316、遮蔽領域317および放射感知領域318を含む。
図3の破線は、領域間のおおよその境界を示す。放射感知領域318は、放射感知装置が形成される装置基板310の領域である。放射感知領域318は、例えば、センサー320を含む。センサー320は、放射、例えば、入射光(以下では光線、可視光または非可視光と称する)を感知するように動作可能であり、入射光は、装置基板310の背面314に入射する。本実施例では、センサー320はフォトダイオードを含む。別の実施例では、センサー320は、pinフォトダイオード、フォトゲート、リセットトランジスタ、ソースフォロアートランジスタ、トランスファートランジスタ等を含んでも良い。さらに、ある実施例は、複数のセンサーを有しても良いし、それぞれのセンサーは、異なる接合深さ、厚さ等を有するように変更されても良い。簡潔にするため、
図3では、1つのセンサー320だけが示されているが、任意の数のセンサーが装置基板310に実装されても良いことが理解できる。1個以上のセンサーが実装される時、放射感知領域は、隣接するセンサー間の電気と光の分離を提供する隔離構造を含む。
【0030】
遮蔽領域317は、BSIイメージセンサー装置300の一つまたはそれ以上のシールド構造が形成される領域であり、後続の処理工程で形成される。ボンディング領域316は、BSIイメージセンサー装置300の一つまたはそれ以上のボンディングパッドが形成される領域であり、後続の処理工程で形成され、BSIイメージセンサー装置300と外部装置間の電気的接続が構築される。これらの領域316、317および318は、装置基板310の上下に垂直に延伸することが理解できる。
【0031】
図3を参照すると、層間絶縁膜(ILD)322がBSIイメージセンサー装置300の正面312に形成される。ILD322は、どのような誘電材料を含んでも良い。例えば、ILD322は、酸化ケイ素またはその他の誘電体を含んでも良い。ILD322は、例えば、化学気相成長(chemical vapor deposition、CVD)、高密度プラズマCVD(high density plasma chemical vapor deposition、HDPCVD)、プラズマCVD(plasma enhanced chemical vapor deposition、PECVD)、原子層堆積(ALD)、物理気相成長(physical vapor deposition、PVD)、それらの組み合わせまたは別の適切な工程により形成される。
【0032】
相互接続構造が装置基板310の正面に形成される。相互接続構造は、パターン化された誘電体層332、334および導電層342を含み、イメージセンサー装置300の各種ドープ層、回路および入力端/出力端間の相互接続を提供する。本実施例では、相互接続構造は、層間絶縁膜(ILD)層332および配線間絶縁(IMD)層334を含む。ILD層332とIMD層334は、適切な誘電材料を含む。例えば、本実施例では、ILD層332とIMD層334は低誘電率(low dielectric constant、low-k)材料を含み、この材料の誘電率は熱酸化ケイ素より低く、その他の高い誘電率の誘電材料も使用することができる。誘電材料は、CVD、HDPCVDおよびPECVD、それらの組み合わせまたは別の適切な工程により形成される。
【0033】
IMD層334は、コンタクト(図示しない)、バイアス(図示しない)および金属層部342を含む。図を簡潔にするため、一個のIMD層と一個の相互接続金属層部だけが
図3で示されているが、任意の数(n-number)のIMD層および相互接続金属層部が実施できるものである。ここで示されるIMD層は単なる説明のものであり、金属層部およびバイアス/コンタクトの実際の配置と構成は設計の必要性によって変更しても良いことが理解できる。
【0034】
導電層部、例えば、コンタクト、バイアスおよび相互接続構造の金属層部342は、導電材料、例えば、アルミニウム、アルミニウム/シリコン/銅合金、チタニウム、窒化チタン、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイドまたはそれらの組み合わせを含み、アルミニウム相互接続と称される。アルミニウム相互接続は、CVD、HDPCVD、PECVD、ALD、PVD、それらの組み合わせまたはその他の適切な工程を含む工程により形成される。アルミニウム相互接続を形成する別の製造技術は、垂直接続(例えば、バイアス/コンタクト)および水平接続(例えば、金属層部)のために導電材料をパターン化するためのフォトリソグラフィ工程およびエッチングを含んでも良い。あるいはまた、銅多層相互接続を用いて、金属パターンを形成しても良い。銅相互接続構造は、銅、銅合金、チタニウム、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイドまたはそれらの組み合わせを含む。銅相互接続は、CVD、スパッタリング、めっきまたはその他の適切な工程を含む技術により形成される。
【0035】
図3を参照すると、本実施例では、パッシベーション層350が相互接続構造上に形成される。相互接続構造が2層以上である場合、パッシベーション層350は、最上面の一層上に形成される。パッシベーション層350は、どのような誘電材料を含んでも良い。本実施例では、パッシベーション層350は、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む。パッシベーション層350は、CVD、HDPCVD、PECVD、それらの組み合わせまたはその他の適切な工程により形成される。化学機械研磨(CMP)工程により、パッシベーション層350が平坦化されて、円滑な平面を形成する。
【0036】
図4を参照すると、パッシベーション層350を介して、キャリア基板360と装置基板310が接合され、装置基板310の背面314の処理が実行される。本実施例のキャリア基板360は装置基板310と同様に、シリコン材料を含む。あるいはまた、キャリア基板360はガラス基板または別の適切な材料を含んでも良い。キャリア基板360は、分子力、従来技術である直接接合(direct bonding)または光学的な熱融着(optical fusion bonding)、あるいは従来の別の接合技術、例えば、金属拡散または陽極接合により、装置基板310に接合される。
【0037】
図4を参照すると、パッシベーション層350は、装置基板310とキャリア基板360間に電気的遮蔽を提供する。キャリア基板360は、装置基板310の正面312上に形成される各種層、例えば、センサー320に保護を提供する。キャリア基板360は、装置基板310の背面314を処理する場合の機械的強度と支持も提供する。
【0038】
接合後、装置基板310とキャリア基板360に、接合強度を増加するため、任意でアニールを実行することができる。薄化工程を実行して、背面314から、装置基板310を薄化しても良い。薄化工程は、機械的研削工程および化学的薄化工程を含んでも良い。機械的研削工程で、まず、相当量の基板材料が装置基板310から除去される。その後、化学的薄化工程は、装置基板310の背面314に化学エッチングを適用し、装置基板310を厚さ362になるまで薄化する。装置基板310の厚さ362は約1μm〜約6μmである。本実施例では、厚さ362は約2μmであるが、別の適切な厚さが用いられても良い。本発明で開示される特定の厚さは単なる説明に過ぎず、応用のタイプとイメージセンサー装置300の設計要求に基づいて、その他の厚さを実施することができることが理解できる。反射防止膜(ARC)層363が装置基板310の背面314上に形成される。
【0039】
図5を参照すると、バッファ層364が装置基板310の背面314上に形成される。ある実施例では、バッファ層364は透明である。バッファ層364はどのような誘電材料を含んでも良い。本実施例では、バッファ層364は、適切な工程、例えば、CVDにより形成される。バッファ層364は適切な厚さを有する。
【0040】
図5を参照すると、続いて、シールド構造376を形成する。シールド構造376は、金属材料、例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム-銅、チタニウム、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、タングステンまたはそれらの合金を含み、既知の適切な技術、例えば、PVD、CVD、それらの組み合わせまたは別の適切な技術により形成される。従来の技術により、シールド構造376の材料をパターン化し、図示されるような幅と配置を提供する。シールド構造376の厚さは、約500オングストローム〜約10000オングストロームであるが、別の実施例では、異なる厚さを使用しても良い。
【0041】
図6を参照すると、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程が、ボンディング領域316で実行されて、一部の装置基板310、ARC層363およびバッファ層364が除去される。フォトリソグラフィ工程は、フォトレジスト層をARC層363上に形成し、各種マスキング、露光、ベーキングおよび洗い流し工程を実行して、パターン化されたフォトレジストマスク(図示しない)を形成する工程を含む。別のエッチング工程で、パターン化されたフォトレジストマスクは、その下のARC層および装置基板310の部分を保護し、ARC層と装置基板310から材料を除去する。材料の除去後、フォトレジストマスクが剥がされることが理解できる。エッチング工程は、従来のエッチング工程、例えば、ドライエッチングまたはウェットエッチング工程を含むことができる。
【0042】
図6を参照すると、バッファ層382が背面314上に形成される。この例では、バッファ層382がバッファ層364上に形成されると共に、遮蔽領域317内のシールド構造376を被覆する。さらに、この例では、バッファ層382は透明である。バッファ層382はどのような誘電材料を含んでも良い。バッファ層382は、例えば、CVDまたは別の適切な技術により形成される。
【0043】
図7を参照すると、さらに、フォトリソグラフィおよびエッチング工程が実行されて、ボンディング領域316で、幅Aのトレンチ370が形成される。トレンチ370は、バッファ層382、隔離層(ILD層)322およびILD層332を介して延伸して、金属層部342の一部を露出する。トレンチ370は、エッチング工程、例えば、従来のドライエッチングまたはウェットエッチング工程により形成される。本実施例では、トレンチ370はドライエッチング工程により形成され、幅Aは、約5μm〜約100μmである。トレンチ370の深さは、相互接続構造の金属層部の総数に基づき、よって、単一の金属層部の例よりも、トレンチ370の深さを変化させることができることが理解できる。
【0044】
図8を参照すると、別の金属層が形成され、パターン化されて、ボンディングパッド374が形成される。ボンディングパッド374 は、約1000オングストローム〜12000オングストローム以上の厚さBを有する。本実施例では、ボンディングパッド374の厚さBとシールド構造376の厚さは全く異なる。特に、ボンディングパッド374の厚さBはシールド構造376より大きい。シールド構造376と同様に、ボンディングパッド374は、金属材料、例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム-銅、チタニウム、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、タングステンまたはそれらの合金を含み、従来の適切な技術、例えば、PVDまたは別の適切な技術を用いて形成される。しかし、実施例によっては、ボンディングパッド374とシールド構造376は二つの異なる工程を使用するので、それらは異なる材料で構成されても良い。
【0045】
図8に示されるように、ボンディングパッド374は、トレンチ370内の金属層部342と接触する。これにより、イメージセンサー装置300とイメージセンサー装置300以外の装置間の電気的接続は、ボンディングパッド374により構築される。簡潔にするため、一つの金属層部342だけが示されているが、任意の数(n-number)の金属層部が相互接続構造で実装されることが理解できる。ボンディングパッド374とトレンチ370も、MLI構造の実施例中の最上層の金属層部に延伸することが理解できる。
【0046】
パッシベーション層384がバッファ層382上に形成され、ボンディングパッド374を被覆する。パッシベーション層384はどのような誘電材料を含んでも良い。本実施例では、パッシベーション層384は、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む。パッシベーション層384は、例えば、CVDまたは別の適切な技術により形成される。その後、ボンディング領域316中のパッシベーション層384の一部が、ウェットエッチング工程またはドライエッチング工程を含む従来の適切なフォトリソグラフィおよびエッチング工程によりパターン化され、ボンディングパッド374の頂部を露出する。
【0047】
図示されていないが、追加工程を実行して、イメージセンサー装置300の製造を完成する。例えば、カラーフィルター(図示しない)が放射感知領域318内に形成される。カラーフィルターは、光線が直接その上を通過するように設置される。カラーフィルターは、色のスペクトル(赤色、緑色および青色)に対応する光線の特定波長域をフィルタリングするための染料系(または顔料系)のポリマーまたは樹脂を含む。その後、マイクロレンズ(図示しない)がカラーフィルター上に形成されて、装置基板310中の特定の放射感知領域、例えば、センサー320に導くように集光する。マイクロレンズは、マイクロレンズに用いられる材料の屈折率およびセンサー表面からの距離に基づいて、様々な配置で設置され、各種形状を有する。カラーフィルターまたはマイクロレンズの形成前、装置基板310は、任意のレーザーアニール(laser annealing)工程を受けても良いことが理解できる。
【0048】
上述のように、別の実施例は、最初に、ボンディングパッドを形成した後、シールド構造を形成している。
図9〜
図14はそのような実施例を示す図で、イメージセンサー装置900はイメージセンサー装置300と同様(
図2-
図8)である。以下の実施例では、同様の材料が用いられ、同様の工程が用いられて、このような材料をパターン化することが理解できる。よって、完全な工程は以下の例では重複して説明しない。
【0049】
図9において、トレンチ970が、
図7と同様の工程を用いて形成される。さらに、幅A’は、
図7の幅Aと同じかまたは類似している。
【0050】
図10において、金属層が堆積され、パターン化されてボンディングパッド374が形成され、ボンディングパッド374の厚さは
図8のボンディングパッド374の厚さと一致する。
【0051】
図11において、酸化物が再堆積されて、バッファ層364を厚くする。
図11において、バッファ層364はボンディングパッド374を被覆する。
【0052】
図12において、金属層995がバッファ層364上に形成される。金属層995の材料は、上述のシールド構造376と同じか類似する。
図13において、金属層995がパターン化され、シールド構造376が形成される。シールド構造376の厚さは、
図5のシールド構造376の厚さと一致する。
【0053】
図14において、パッシベーション層384が、シールド構造376とバッファ層364上に堆積される。その後、バッファ層364とパッシベーション層384がパターン化され、ボンディングパッド374の頂部を露出させる。工程は、さらに、カラーフィルター処理、マイクロレンズの適用、ダイシング等の工程を含む処理工程を含む。
【0054】
従来技術と比較すると、上記の実施例は一つまたはそれ以上の長所を含む。例えば、本発明のある実施例は、別々の工程で、シールド構造とボンディングパッドを製造するので、ボンディングパッドおよびシールド構造は、それぞれ、異なる厚さおよび/または材料を用いることができる。例えば、ある実施例は、相対的に薄いシールド構造を製造して、ストライプ欠陥を減少または消去し、同時に、相対的に厚いボンディングパッドを製造して、剥離を減少または消去する。
【0055】
以上で、多数の異なる実施例を提供し、本発明の異なる特徴を実施した。上述の素子と配置の特定の例は、本開示を簡潔にしている。これらは、単なる例に過ぎず、本発明を限定するものではない。よって、本発明の領域を脱しない範囲内で、ここで開示される素子が配置、組み合わされ、または、実施例と異なる方式で設置することができる。
【0056】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変更や置換を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で規定した内容を基準とする。