特許第6019105号(P6019105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019105
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】光学的終点検出システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20161020BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20161020BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H01L21/205
   H01L21/02 Z
   H01L21/302 103
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-508603(P2014-508603)
(86)(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公表番号】特表2014-518009(P2014-518009A)
(43)【公表日】2014年7月24日
(86)【国際出願番号】US2012035469
(87)【国際公開番号】WO2012149331
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】61/480,839
(32)【優先日】2011年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/440,564
(32)【優先日】2012年4月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン, バラスブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】石井 才人
(72)【発明者】
【氏名】ハンター, アーロン ミューア
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−140655(JP,A)
【文献】 特開2002−246320(JP,A)
【文献】 特開2006−287228(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3138693(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0228473(US,A1)
【文献】 特開2002−057149(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0057149(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/02
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
終点検出システムを有する処理システムであって、
プロセスチャンバ内で実行されるプロセスに起因して定期的な洗浄を必要とする蓋と内面を有する前記プロセスチャンバと、
前記蓋及び前記蓋の下に堆積した材料から反射される光を検出するように位置決めされる光検出器、および
前記光検出器に結合され、前記検出された反射光に基づいて洗浄プロセスの終点を決定するように構成されるコントローラ
を備える終点検出システムと
を有する処理システム。
【請求項2】
記蓋の上に光を照射するように位置決めされた光源
をさらに備える、請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記光源はレーザ、発光ダイオード(LED)またはランプを含む、請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記光源は周囲光を含む、請求項2に記載の処理システム。
【請求項5】
前記光源は単一の光波長を放射する、請求項2に記載の処理システム。
【請求項6】
前記光源は複数の光波長を放射する、請求項2に記載の処理システム。
【請求項7】
記蓋は石英蓋であり、前記光源は、前記プロセスチャンバの外部に配置され、前記蓋及び前記蓋の下に堆積された前記材料上に、石英を通り抜ける波長の光を照射する、請求項2に記載の処理システム。
【請求項8】
前記光検出器はフォトダイオードまたはカメラのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の処理システム。
【請求項9】
前記光検出器は、前記プロセスチャンバの蓋、または前記プロセスチャンバのライナのいずれかから反射される光を検出するように位置決めされている、請求項1から8のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項10】
種々の場所において、前記内面の清浄度を測定するように構成された複数の光源および光検出器
をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項11】
プロセスチャンバ内で実行されるプロセスを監視する方法であって、
プロセスチャンバ内で洗浄プロセスを実行して、前記プロセスチャンバ内で実行されたプロセスの結果として生じる、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の内面上に堆積された材料を除去することと、
前記プロセスチャンバの蓋と前記蓋の下に堆積された材料上に光を照射することと、
前記蓋と前記蓋の下に堆積された前記材料から反射される前記光を検出することと、
前記検出された光に基づいて前記洗浄プロセスを終了することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記光は、前記蓋上に照射するレーザ、発光ダイオード(LED)、ランプまたは周囲光のうちの1つまたは複数からの光を含み、前記光を検出することは、
フォトダイオードまたはカメラのうちの1つまたは複数を含む光検出器を用いて、前記蓋と前記蓋の下の前記材料から反射される前記光を検出することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記蓋上に光を照射することは、
相対的に高いパーセンテージの堆積された材料が堆積された領域内の前記上に前記光を照射することをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記光を検出することは、前記蓋と前記蓋の下の前記材料から反射する前記光の結果として生じる干渉パターン、もしくは前記蓋の下の前記材料から反射する前記光の強度のうちのいずれかまたは両方を検出することを含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項15】
命令を記憶しているコンピュータ可読媒体であって、前記命令が実行されるとき、請求項11から14のいずれか一項に記載の、プロセスチャンバ内で実行されるプロセスを監視する方法が実行される、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板プロセスチャンバにおける通常の処理によって、プロセスチャンバ壁に種々の堆積物が形成される。これらの堆積物は一般に、基板が存在しないチャンバ内で実行される洗浄プロセスによって除去される。例えば、エピタキシャル堆積システムにおいて用いられる1つのそのような洗浄プロセスは、塩化水素(HCl)および高温を伴う。
【0003】
洗浄プロセスは、確実にプロセスチャンバ内面および構成要素が清浄状態になるようにするほど十分な時間にわたって実行されなければならない。場合によっては、洗浄プロセスを実行する時間が長すぎる場合があり、望ましくない堆積物を除去するだけでなく、チャンバ表面および構成要素を著しく劣化させる恐れもある。一方、洗浄プロセスを実行する時間が短すぎる場合には、プロセスチャンバ表面上に著しい量の堆積物が残留する場合があり、結果として、プロセスドリフトおよび/または欠陥(例えば、粒子)が増加する。したがって、一般には、プロセスドリフトおよび増加する欠陥を許容することと、チャンバ構成要素の寿命を延ばす必要性との間のバランスがとられる。
【0004】
そのバランス点を見つける1つの方法は、長時間経った後に目視観察を実行することである。しかしながら、これは一般に、主観的なプロセスであり、間違いを起こしやすい。バランス点を見つける別の方法は、(基板が処理されているときの)プロセス/欠陥傾向に頼る。しかしながら、これは長い時間を要し、基板およびリソースを無駄に使用してしまうことになる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明人らは、チャンバ洗浄プロセスの終点を決定する改善された方法および装置を実現した。
【0006】
プロセスチャンバ洗浄プロセスの終点を決定する方法および装置が提供される。いくつかの実施形態では、終点検出システムを有する処理システムは、プロセスチャンバ内で実行されるプロセスに起因して定期的な洗浄を必要とする内面を有するプロセスチャンバと、プロセスチャンバの第1の内面から反射される光を検出するように位置決めされた光検出器、および光検出器に結合され、検出された反射光に基づいて洗浄プロセスの終点を決定するように構成されたコントローラを含む終点検出システムとを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ内で実行される洗浄プロセスを監視する方法が、プロセスチャンバ内で洗浄プロセスを実行して、プロセスチャンバ内で実行されたプロセスからの結果として生じる、プロセスチャンバの1つまたは複数の内面上に堆積された材料を除去することと、洗浄された第1の内面上に光を照射することと、第1の内面から反射された光を検出することと、検出された光に基づいて洗浄プロセスを終了することとを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体を提供することができ、命令が実行されるときに、処理システムが、プロセスチャンバ内で実行される洗浄プロセスを監視する方法を実行する。その方法は、本明細書において開示される実施形態のいずれかを含むことができる。
【0009】
本発明の他の実施形態および更なる実施形態が以下に記述される。
【0010】
上記において簡潔に要約され、後にさらに詳細に説明される本発明の実施形態は、添付の図面に示される本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、本発明は他の同じく実効的な実施形態を受け入れることができるので、添付の図面が本発明の典型的な実施形態のみを示すこと、それゆえ、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による、半導体基板プロセスチャンバの概略的な断面図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバ内で実行されているプロセスを監視する方法を示す図である。
図3A】堆積材料がその上に配設されているプロセスチャンバ表面の一部分から反射される光を示す図である。
図3B】ほとんど、または全く堆積材料がその上に配設されてないプロセスチャンバ表面の一部分から反射される光を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解するのを容易にするために、複数の図面に共通する同一の要素を指定するために、可能であれば、同一の参照番号が使用されている。図面は縮尺通りに描かれず、明確にするために簡略化される場合がある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳述されなくても、他の実施形態に有益に組み込まれる場合があることが企図される。
【0013】
本発明の実施形態は、プロセスチャンバ洗浄プロセスの終点を決定する方法および装置に関連する。その方法および装置の実施形態は、有利にも、プロセスチャンバ洗浄が不十分であることに起因するプロセスドリフトおよび欠陥を最小限に抑えながら、洗浄プロセスからのプロセスチャンバ構成要素への摩耗を最小限に抑えることができるように、洗浄プロセスに対する正確な終点検出を提供することができる。
【0014】
種々のプロセスチャンバが、本明細書において提供される教示による変更形態から利益を受けることができる。図1は、本明細書において開示される本発明の方法を実行するのに適している、本発明のいくつかの実施形態による半導体基板プロセスチャンバ100の概略的な断面図である。図示される実施形態において、プロセスチャンバ100は、エピタキシャルシリコン堆積プロセスを実行するのに適合する。そのような1つの適したリアクタは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials, Inc.から市販されるRP Epiリアクタである。また、本発明の方法は、他のプロセスを実行する他のプロセスチャンバにおいても利用することができる。
【0015】
代替の実施形態では、プロセスチャンバ100は、集積半導体デバイスおよび回路の製造時に実行される数あるプロセスの中でも、堆積プロセス、エッチングプロセス、プラズマ強化堆積プロセスおよび/またはプラズマ強化エッチングプロセス、並びに熱プロセスのうちの少なくとも1つを実行するのに適合することができる。具体的には、そのようなプロセスは、限定はしないが、急速加熱プロセス(RTP)、化学気相堆積(CVD)プロセス、アニールプロセス等を含むことができる。
【0016】
プロセスチャンバ100は、例示的には、チャンバ本体110と、支援システム130と、コントローラ140とを備える。チャンバ本体110は概して、上側部分102、下側部分104および密閉体120を含む。
【0017】
上側部分102は下側部分104上に配置され、蓋106と、クランプリング108と、ライナ116と、底板112と、1つまたは複数の上側ランプ136および1つまたは複数の下側ランプ138と、上側高温計156とを含む。いくつかの実施形態では、蓋106はドーム型の形状因子を有する。しかしながら、他の形状因子(例えば、平坦な蓋または逆曲線の蓋)を有する蓋も考えられる。下側部分104はプロセスガス吸気口114および排気口118に結合され、底板アセンブリ121と、下側ドーム132と、基板支持体124と、予熱リング122と、基板リフトアセンブリ160、基板支持アセンブリ164と、1つまたは複数の上側ランプ152および1つまたは複数の下側ランプ154と、下側高温計158とを備える。用語「リング」は、予熱リング122のようなプロセスチャンバの特定の構成要素を示すために用いられるが、これらの構成要素の形状は円形である必要はなく、限定はしないが、長方形、多角形、長円形等を含む任意の形状を含むことができる。
【0018】
基板支持アセンブリ164は概して、基板支持体124に結合される複数の支持ピン166を有する支持ブラケット134を含む。基板リフトアセンブリ160は、基板リフトシャフト126と、基板リフトシャフト126のそれぞれのパッド127上に選択的に載置される複数のリフトピンモジュール161とを備える。いくつかの実施形態では、リフトピンモジュール161は、オプションの土台129と、土台129に結合されるリフトピン128とを備える。代替的には、リフトピン128の底部はパッド127上に直接載置することができる。さらに、リフトピン128を昇降する他の機構も利用することができる。リフトピン128の上側部分は、基板支持体124内の第1の開口部162を貫通して移動可能に配置される。動作時に、基板リフトシャフト126は、リフトピン128に係合するように動かされる。係合されるとき、リフトピン128は、基板支持体124の上方に基板125を持ち上げることができるか、または基板支持体124上に基板125を下ろすことができる。
【0019】
支援システム130は、プロセスチャンバ100内で所定のプロセス(例えば、エピタキシャルシリコン膜を成長させる)を実行し、監視するために用いられる構成要素を含む。そのような構成要素は概して、プロセスチャンバ100の種々のサブシステム(例えば、1つまたは複数のガスパネル、ガス分配コンジット、真空および排気サブシステム等)およびデバイス(例えば、電源、プロセス制御機器等)を含む。
【0020】
処理中に、基板125が基板支持体124上に配置される。ランプ136、138、152および154は赤外線(IR)放射(例えば、熱)源であり、動作時に、基板125にわたって所定の温度分布を生成する。いくつかの実施形態では、蓋106、クランプリング116および下側ドーム132は石英から形成される。しかしながら、他のIR透過材料およびプロセス適合材料を用いて、これらの構成要素を形成することもできる。
【0021】
基板を処理する結果として、望ましくないことに、プロセスチャンバの内面(ライナ116、蓋106等)上に材料が堆積する場合がある。プロセスチャンバ内面上に堆積された材料を除去し損なうと、望ましくないことに、プロセスドリフト、および/または基板上の欠陥形成につながる恐れがある。したがって、プロセスチャンバの内面から堆積された材料の少なくとも或る量を除去するために、洗浄プロセスが定期的に実行される。例えば、いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、洗浄されるべき表面を、その表面から堆積された材料を除去する反応物に暴露することによって洗浄することができる。例えば、エピタキシャル堆積システムにおいて用いられる、1つのそのような洗浄プロセスは、表面を高温に加熱しながら、その表面を塩酸(HCl)に暴露することを含む。
【0022】
プロセスチャンバ洗浄が不十分であることに起因するプロセスドリフトおよび欠陥を最小限に抑えながら、洗浄プロセスからのプロセスチャンバ構成要素への摩耗を最小限に抑えることができるような、洗浄プロセスの正確な終点検出を提供するために、プロセスチャンバ100は、終点検出システム180をさらに備える。終点検出システム180は、洗浄プロセスの所望の終点を決定するのを容易にする。
【0023】
終点検出システム180は概して光源182を含む。光源182は、所望のプロセスチャンバ表面からの検出可能な反射を与える任意の適切な光源とすることができる。例えば、光源182は、レーザ、発光ダイオード(LED)、ランプまたは周囲光とすることができる。いくつかの実施形態では、光源182は、単一の光波長を与えることができる。いくつかの実施形態では、光源182は、複数の光波長を与えることができる。複数の波長は、1つまたは複数の連続した帯域内で与えることができるか、または複数の離散した波長の中から与えることができる。いくつかの実施形態では、光源は、約405nmまたは450nm(例えば、青色光)、532nm(例えば、緑色光)、633nm、650nmまたは670nm(例えば、赤色光)等の波長を有する光を与えることができる。いくつかの実施形態では、光源は、最大凡そシリコンバンドギャップ(例えば、約1.2μm)までのいずれか1つまたは複数の波長を有する光を与えることができる。
【0024】
図1に示される実施形態では、光源182は光をドーム106上に照射するように構成される。いくつかの実施形態では、光源182は、相対的に高いパーセンテージの堆積された材料が堆積された領域においてドーム106上に光を照射するように構成され、したがって、観測された領域が清浄状態であるとわかると、プロセスチャンバ表面の残りの部分も恐らく清浄状態である。光源は、ドーム106だけでなく、プロセスチャンバの任意の所望の部分上に光を照射するように位置決めすることができる。例えば、光源は、ライナ116上に、下側ドーム132上に、またはその上に材料が堆積されており、かつ堆積された材料およびその下のプロセスチャンバ表面が異なる様態で光を反射する限り洗浄されるべきである任意の他のプロセスチャンバ表面上に光を照射するように位置決めすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、終点検出システム180は光検出器184をさらに含むことができる。光検出器は、カメラ、フォトダイオードを基にする光検出器等とすることができる。光源および光検出器のいずれか、または両方とともに光学系、レンズ、コリメータ、フィルタ等のオプションの構成要素を設けて、プロセスチャンバ表面に、および/またはプロセスチャンバ表面から光を誘導することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、光検出器および光源は共通のハウジング内に配置される。いくつかの実施形態では、光検出器および光源は光を与え、光を検出するようにそれぞれ位置決めされる別々の構成要素とすることができる。光源182および光検出器184は、概して、監視されるべきプロセスチャンバ表面の所望の部分に光が与えられ、反射光が光検出器上に突き当たるようないずれかの場所に、位置決めすることができる。例えば、光源および光検出器は、図1に示されるように、互いに近接して配置することができるか、またはチャンバ表面の所望の場所(蓋106等)に浅い角度で光を与えるためにチャンバの両側に位置決めすることを含めて、さらに離れて配置することができる。いくつかの実施形態では、複数の光源、およびオプションで複数の光検出器を終点検出システム内に設けて、プロセスチャンバの種々の場所において、堆積された材料の被覆厚およびプロセスチャンバ表面の清浄度を測定することができる。
【0027】
例えば、上記のエピタキシャル堆積プロセスチャンバは石英蓋106を含み、その蓋に望ましくない材料が堆積する。概して、堆積された材料によって材料が堆積されていなければ、透明で、透過性である蓋106が、茶色みがかった外観を呈するようになる。いくつかの実施形態では、特定の(例えば、約532nmの緑色レーザポインタのような)波長を有する光が蓋106上に照射される場合がある。これにより、光は蓋106から、かつ蓋106の下の茶色みがかった被覆から反射する。合成された光線によって干渉パターンが生じ、その干渉パターンをカメラによって、フォトダイオードを基にする検出器によって、または目視によって検出することができる。蓋106エリアが清浄状態であるとき、蓋106上に茶色みがかった被覆は存在せず、単一の鏡面反射が観測されるので、干渉パターンは形成されない。
【0028】
コントローラ140を用いて、上記のようなチャンバ100の制御を容易にすることができる。例えば、コントローラ140は、プロセスチャンバ、制御システム130および終点検出システム180のような種々のプロセスチャンバ構成要素に結合することができる。コントローラ140は、種々のチャンバおよびサブプロセッサを制御するために工業環境において用いられる任意の形の汎用コンピュータプロセッサの1つとすることができる。コントローラ140は、中央処理装置(CPU)142、メモリ144、およびCPU142用の支援回路146を備えており、プロセスチャンバ100の種々の構成要素に結合され、本明細書において記述されるような洗浄終点検出プロセスの制御を容易にする。いくつかの実施形態では、コントローラ140は、プロセスの状態を視覚的に指示するか、または操作者が洗浄プロセスの状態を視覚的に決定できるように検出された光を表示するディスプレイをさらに含むことができる。
【0029】
メモリ144はCPU142に結合される。メモリ144、すなわち、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)などのすぐに利用できるメモリ、フロッピィディスク、ハードディスク、またはローカルもしくはリモートに位置する任意の他の形のデジタルストレージのうちの1つまたは複数とすることができる。支援回路146は、従来通りにプロセッサを支援するためにCPU142に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、およびサブシステム等を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェアルーチンがCPU142によって実行されるときに、リアクタが本発明のプロセスを実行する。そのソフトウェアルーチンは概して、メモリ144に記憶することができる。ソフトウェアルーチンは、CPU142によって制御されるハードウェアからリモートに位置する第2のCPU(図示せず)によって記憶し、かつ/または実行することもできる。
【0030】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアルーチンは、プロセスチャンバ内で洗浄プロセスが実行されている間に実行することができる。ソフトウェアルーチン304がCPU142によって実行されるとき、汎用コンピュータが、エッチングプロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)140に変わる。本発明のプロセスはソフトウェアルーチンとして実施されるように論じられるが、本明細書において開示される方法ステップのうちのいくつかは、ハードウェアにおいて、およびソフトウェアコントローラによって実行される場合もある。したがって、本発明の実施形態は、コンピュータシステム上で実行されるようなソフトウェアにおいて、特定用途向け集積回路もしくは他のタイプのハードウェア実施態様のようなハードウェアにおいて、またはソフトウェアおよびハードウェアの組合せにおいて実施することができる。
【0031】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバ内で実行されるプロセスを監視する方法200を示す。方法200は概して、202において開始し、202において、プロセスチャンバ内で、プロセスチャンバの内面上に材料が堆積するプロセスが実行される。内面上に十分な量の材料が堆積された後に、または洗浄プロセスが望まれるたびに、その方法は204に続くことができ、204において、洗浄プロセスを実行して、プロセスチャンバ内面から堆積した材料を除去することができる。
【0032】
洗浄プロセスが実行されている間に、206において示されるように、洗浄プロセスによって洗浄された第1の内面上に光を照射することができる。その光は、先に論じられた光源のいずれかによって与えることができ、連続的に与えることも、または定期的に与えることもできる。
【0033】
208において、第1のプロセスチャンバ表面から反射された光を検出することができる。反射光は、パターン、光強度等に基づいて検出することができ、例えば、プロセスチャンバの操作者によって目視で、または先に論じられたような検出器によって検出することができる。
【0034】
210において、洗浄プロセスは、検出された光に基づいて終了することができる。例えば、検出された光が干渉パターンを示す場合には、堆積された材料が第1のプロセスチャンバ表面上に残っているので、洗浄プロセスを継続することができる。しかしながら、検出された光が干渉パターンを示さない場合には(例えば、単数の鏡面反射が観測される場合には)、堆積された材料が第1のプロセスチャンバ表面からほとんど除去されたので、洗浄プロセスを終了することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、複数の異なる単数の光波長を与えることができ、干渉パターンをさらに解析して被覆厚を割り出すことができる。例えば、円形リング(例えば、干渉パターン)のサイズを用いて、厚みの差を割り出すことができる。複数の波長を用いて、三角法により測定し、特定の厚みを求めることができる。いくつかの実施形態では、フォトダイオードを基にする検出器を用いて、特定の堆積された材料に特有の反射を割り出すことができる。例えば、堆積物を区別するために特定波長を用いることによって、シリコン堆積物(1.1eVのバンドギャップを有する)をゲルマニウム堆積物(0.67eVのバンドギャップを有する)と区別することができる。異なるバンドギャップを有する他の材料も同じようにして識別することができる。
【0036】
例えば、図3Aおよび図3Bはそれぞれ、堆積材料がその上に配設されているプロセスチャンバ表面の一部分から反射される光、およびほとんど、または全く堆積材料がその上に配設されてないプロセスチャンバ表面の一部分から反射される光を示す図である。図3Aは、材料がその上に堆積されているプロセスチャンバ表面の一部分310を示す。図から明らかであるように、プロセスチャンバ表面および堆積された材料から光が反射するときに、反射パターン312が形成される。図3Bは、ほとんど、または全く材料がその上に堆積されてないプロセスチャンバ表面部分320を示す。図から明らかであるように、堆積された材料が存在しない場合にプロセスチャンバ表面から光が反射するときに、単一の鏡面反射322が形成される。
【0037】
図3Aおよび図3Bは、プロセスチャンバの透過性の石英蓋を通して光を照射するときのこうした効果を示すが、この同じ効果は、他の材料から形成されるチャンバ構成要素に関して観測されており、利用することができる。さらに、表面から反射され、検出された光の解析は干渉パターンに限定される必要はない。例えば、反射光の強度の変化を用いて、堆積された材料がプロセスチャンバ表面から十分に除去された時点を決定することもできる。
【0038】
石英表面からの反射に関して上記に記述されたが、上記の方法および装置を用いて、他の材料から形成されるプロセスチャンバ内面を洗浄するために用いられる洗浄プロセスの終点を決定することもできる。例えば、本発明の方法を用いて、アルミニウムまたはステンレス鋼チャンバ表面(または堆積された材料による表面の被覆率の関数として反射が変化する任意のそのような金属表面)、放射率変化が被覆厚の関数として得られるセラミック表面(SiC、Al等)、光沢のある金表面の固有の汚れが(光沢があるときの鏡面反射性と比べて)非鏡面反射パターンを生成する金めっき表面等を洗浄する場合の終点を検出することができる。
【0039】
これまでの説明は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態および更なる実施形態を考案することができる。
図1
図2
図3A
図3B