特許第6019125号(P6019125)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019125信頼性が向上した電池モジュールアセンブリ及びこれを含む中大型電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019125
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】信頼性が向上した電池モジュールアセンブリ及びこれを含む中大型電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20161020BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H01M2/10 Y
   H01M2/10 S
   H01M2/20 A
   H01M2/10 K
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-534495(P2014-534495)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2014-531730(P2014-531730A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】KR2012010882
(87)【国際公開番号】WO2013089470
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年4月8日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0134170
(32)【優先日】2011年12月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ブムヒュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ダルモ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
【審査官】 佐藤 知絵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−529217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の板状型電池セルを含む電池モジュールアセンブリであって、
一つ以上の電池セルで構成された各セルユニットが二つ以上電気的に連結されている電池モジュール;
前記各セルユニットを側面に直立させた状態で、最外側に位置する各セルユニットの一面が外部に露出するように、各セルユニットの外周面を覆っている一対の上部ケース及び下部ケース;
前記上部ケースと下部ケースを互いに締結・固定するために、上部ケースの上面及び下部ケースの下面に電池モジュールアセンブリの上下方向に形成されている一つ以上の第1の締結口;及び
電池モジュールアセンブリの位置固定及び装着のために、上部ケースの前面及び/または後面及び下部ケースの前面及び/または後面に板厚方向に形成されている二つ以上の第2の締結口;
を含むことを特徴とする電池モジュールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の締結口または第2の締結口は、内周面に締結用ねじ山が形成されている構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の締結口は、上部ケースまたは下部ケースの外面から湾入された構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の締結口は、上部ケースの前面及び/または後面及び下部ケースの前面及び/または後面側に開放された円弧状からなることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項5】
前記電池モジュールは、二つまたはそれ以上の電池セルで構成された各セルユニットが並列に連結されている構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項6】
前記セルユニットの各電極端子はバスバーによって互いに電気的に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項7】
前記電池モジュールの前面で各セルユニットを電気的に連結するためのバスバーアセンブリをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項8】
前記バスバーアセンブリは、
(a)電気絶縁性の素材からなっており、電池モジュールの前面に装着され、下記の一対の本体部を含むカバープレート;及び
(b)カバープレート上に装着された状態で平面上に‘L’字状の一側に外部入出力端子が形成されており、他側に二つ以上のバスバーが分枝されている一対の本体部;
を含んでおり、
前記一対の本体部は、電池モジュールの上下方向において互いに向かい合う構造で配列されていることを特徴とする、請求項7に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項9】
前記板状型電池セルは、角形二次電池またはパウチ型二次電池であることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項10】
前記パウチ型二次電池は、樹脂層及び金属層を含むラミネートシートの電池ケースに陽極/分離膜/陰極構造の電極組立体が内蔵されており、前記電池ケースの一側端部に陽極端子及び陰極端子が突出している構造からなることを特徴とする、請求項9に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項11】
前記電池セルの電極端子部位を除いた外周面に絶縁テープが付着していることを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項12】
前記セルユニットは、各電池セルが互いに密着した状態で金属ハウジングに内蔵されている構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュールアセンブリ。
【請求項13】
請求項1による電池モジュールアセンブリを二つ以上含む電池パックであって、
各電池モジュールアセンブリの相互締結または下記の各支持部材に対する位置固定及び装着のための締結部材が結合される一つ以上の第2の締結口が上部ケースの後面または下部ケースの後面に形成されており、
前記各電池モジュールアセンブリは、互いに密着した状態で配列されて一つの電池モジュールアセンブリ積層体を形成しており、
前記電池モジュールアセンブリ積層体の両側外郭に位置し、前記締結部材と結合されて電池モジュールアセンブリ積層体を固定する第1の支持部材及び第2の支持部材を含むことを特徴とする電池パック。
【請求項14】
前記電池パックは、電池モジュールアセンブリ積層体の下面に位置し、第1の支持部材及び第2の支持部材と結合される構造の第3の支持部材をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の電池パック。
【請求項15】
前記締結部材は、長さ方向に対する垂直断面上に角形、円形または楕円形の棒状であることを特徴とする、請求項13に記載の電池パック。
【請求項16】
前記第2の締結口は、締結部材の外面形状に対応する形状に形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の電池パック。
【請求項17】
請求項13による電池パックを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項18】
前記デバイスは、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、または、プラグインハイブリッド電気自動車の電源として使用されることを特徴とする、請求項17に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信頼性が向上した電池モジュールアセンブリ及びこれを含む中大型電池パックに関し、より詳細には、一つ以上の板状型電池セルを含む電池モジュールアセンブリであって、一つ以上の電池セルで構成された各セルユニットが電気的に二つ以上連結されている電池モジュール;前記各セルユニットを側面に直立させた状態で、最外側に位置する各セルユニットの一面が外部に露出するように、各セルユニットの外周面を覆っている一対の上部ケース及び下部ケース;前記上部ケースと下部ケースを互いに締結・固定するために、上部ケースの上面及び下部ケースの下面に互いに対面する方向に垂直に形成されている一つ以上の第1の締結口;及び電池モジュールアセンブリの位置固定及び装着のために、上部ケースの前面及び/または後面及び下部ケースの前面及び/または後面に板厚方向に形成されている二つ以上の第2の締結口;を含むことを特徴とする電池モジュールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、充放電が可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広範囲に使用されている。また、二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両、ディーゼル車両などの大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの動力源としても注目されている。
【0003】
各小型モバイル機器にはデバイス1台当たり一つまたは二つないし三つの電池セルが使用される一方、自動車などの中大型デバイスには、高出力大容量の必要性により、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池パックが使用される。
【0004】
中大型電池パックは、可能な限り小さいサイズと重量で製造されることが好ましいので、高い集積度で充積することができ、容量に対比して重量の小さい角形電池、パウチ型電池などが中大型電池パックの電池セルとして主に使用されている。特に、アルミニウムラミネートシートなどを外装部材として使用するパウチ型電池は、重量が小さく、製造費用が低く、形態の変形が容易であるという利点により、最近、多くの関心を集めている。
【0005】
また、中大型電池パックが所定の装置及びデバイスで要求される出力及び容量を提供するためには、多数の電池セルを直列方式または直列及び並列方式で電気的に連結しなければならなく、外力に対して安定的な構造を維持しなければならない。
【0006】
具体的に、各電池セルを並列方式で連結する場合、前記電池セルのそれぞれの電極端子は、1個の溶接点で1:1溶接によって連結される。
【0007】
しかし、3個以上の電池セルが積層された状態で並列連結をなす場合、3個以上の電極端子間の連結が必要であるので、その構造が複雑なだけでなく、同一の部位の溶接時に内部抵抗が増加するという問題が発生する。
【0008】
一方、一般に、従来の電池パックは、動的安定性を確保するために各電池モジュールをベースプレートに固定し、適正な個数の電池モジュールに対してエンドプレート、サポートバーなどの部材を使用して製造される。
【0009】
しかし、前記構造の電池パックは、各電池モジュールを装着するにおいて空間制約を多く有しており、多くの個数の電池モジュールが共に構成される場合、全体的な電池パックの構造的安定性が低下するという問題を有する。
【0010】
また、従来の電池パックの場合、動的安定性を確保するために各電池モジュールをベースプレートにボルトやナットで固定することによって上下方向の移動を防止し、エンドプレートとサポートバーを通じて長さ方向を固定する形態で構成されている。
【0011】
しかし、前記構造の電池パックは、多数のボルトやナットなどの締結部材を使用して各電池モジュールをベースプレートに装着するので、組立工程が煩雑なだけでなく、前記締結部材に対する空間を確保しなければならないので、空間上の制約及び前記各締結部材の重量的な制約を有している。
【0012】
したがって、前記の各問題を解決できるコンパクトな構造の電池パックが非常に必要な実情にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記のような従来技術の問題と過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0014】
具体的に、本発明の目的は、各電池モジュールを固定するための新規の締結構造により、組立工程を簡素化し、全体的にコンパクトでありながら軽い重量の電池モジュールアセンブリを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、各セルユニットを2個の単位で電気的に連結する溶接が可能なバスバーを提供することによって、溶接信頼性を向上させ、内部抵抗を最小化した構造の電池モジュールアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書において、下記の電池モジュールアセンブリは、各セルユニットが任意の平面を基準に高さ方向に隣接して配列されている構造からなっている。
【0017】
本発明に係る電池モジュールを構成している電池セルは、各電極端子が一側端部に形成されている板状型電池セルであって、略直六面体形状であり、各電極端子が形成されている面を前面と定義し、前面と対向する反対面を後面と定義する。また、前面と後面を除いた各面のうち最も広い二つの面を平面及び底面と定義し、前面、後面、平面及び底面を除いた残りの二つの面を側面と定義する。
【0018】
したがって、上部ケース及び下部ケースは、電池セルの両側面を覆う構造で組み立てられ、上部ケース及び下部ケースの前面及び後面は、電池セルの前面及び後面と同一の方向の面と定義される。
【0019】
また、下記の第1の締結口の形成方向である‘垂直方向’は、前記セルユニットの直立方向に対して平行な方向を意味し、下記の第2の締結口の形成方向である‘水平方向’は、前記各セルユニットの配列方向に対して平行な方向を意味する。
【0020】
本発明に係る電池モジュールアセンブリは、
一つ以上の板状型電池セルを含む電池モジュールアセンブリであって、
一つ以上の電池セルで構成された各セルユニットが電気的に二つ以上連結されている電池モジュール;
前記各セルユニットを側面に直立させた状態で、最外側に位置する各セルユニットの一面が外部に露出するように、各セルユニットの外周面を覆っている一対の上部ケース及び下部ケース;
前記上部ケースと下部ケースを互いに締結・固定するために、上部ケースの上面及び下部ケースの下面に互いに対面する方向に垂直に形成されている一つ以上の第1の締結口;及び
電池モジュールアセンブリの位置固定及び装着のために、上部ケースの前面及び/または後面及び下部ケースの前面及び/または後面に板厚方向に形成されている二つ以上の第2の締結口;
を含んで構成されている。
【0021】
具体的に、外部に露出した各セルユニットの一面は、電池セルの平面または底面に対応する面と定義される。
【0022】
すなわち、本発明の電池モジュールアセンブリは、最小限の部材を使用して各セルユニットを上部ケースと下部ケース内に結合できるので、組み立てを容易に行うことができ、結果的に電池パックの空間を最適化することができ、電池パックの重量を減少させることができる。特に、ラックなどの棚構造で組み立てて電池パックを構成する場合、固定及び装着を容易に行うことによって、全体的な構造的安定性を確保することができる。
【0023】
一つの好ましい例において、前記第1の締結口または第2の締結口は、内周面に締結用ねじ山が形成されている構造からなっており、前記締結口にボルトなどの部材を容易に挿入して締結することによって、ラックなどの構造の電池パックを容易に構成することができる。
【0024】
他の具体的な例において、前記第2の締結口は、上部ケースまたは下部ケースの外面から湾入された構造であり、場合に応じて、前記第2の締結口は、上部ケースの前面及び/または後面及び下部ケースの前面及び/または後面側に開放された円弧状からなる構造であり得る。
【0025】
このような構造の第2の締結口は、前記電池モジュールアセンブリの位置固定及び装着のための締結部材が結合される構造であり得る。
【0026】
一方、前記電池モジュールは、二つまたはそれ以上の電池セルで構成された各セルユニットが並列に連結されている構造であり得る。
【0027】
更に他の具体的な例において、前記セルユニットの各電極端子は、バスバーによって互いに電気的に連結されている構造であり得る。
【0028】
更に他の具体的な例において、前記電池モジュールの前面で各セルユニットを電気的に連結するためのバスバーアセンブリをさらに含むことができる。
【0029】
この場合、前記セルユニットは、偶数個の電池セルで構成することができる。すなわち、電池モジュールの容量を考慮して並列連結を含む場合、多数の電極端子の相互間または電極端子とバスバーとの間の溶接時、同一の部位に同時に溶接が行われるので、溶接部位での内部抵抗の増加が不可避である。
【0030】
その一方、本発明の電池モジュールアセンブリは、前記セルユニットの各電池セルを2個の単位で区分して並列に連結することによって、溶接部位の溶接信頼性を向上させることができ、偶数単位での並列構成の拡張が容易である。
【0031】
前記セルユニットの各電極端子は、バスバーによって互いに電気的に連結することができ、前記2個以上の偶数単位で形成されるセルユニットによって溶接を容易に行うことができる。
【0032】
一つの好ましい例において、前記バスバーアセンブリは、
(a)電気絶縁性の素材からなっており、電池モジュールの前面に装着され、下記の一対の本体部を含むカバープレート;及び
(b)カバープレート上に装着された状態で平面上に‘L’字状の一側に外部入出力端子が形成されており、他側に二つ以上のバスバーが分枝されている一対の本体部;
を含んでおり、
前記一対の本体部は、電池モジュールの上下方向において互いに向かい合う構造で配列することができる。
【0033】
前記本体部は、好ましくは、カバープレートにインサート射出形成によって結合することができる。
【0034】
また、前記本体部には、好ましくは、電池モジュールアセンブリの各外部入出力端子間の短絡を防止するための段差が形成されており、このような段差を適用して外部入出力端子の位置を設定することができる。
【0035】
前記電池セルは、電池モジュールの構成のために充積されたとき、全体のサイズを最小化できるように薄い厚さと相対的に広い幅及び長さを有する二次電池である。このような二次電池の好ましい例としては、樹脂層及び金属層を含むラミネートシートの電池ケースに陽極/分離膜/陰極構造の電極組立体が内蔵されており、前記電池ケースの両端または一端に陽極端子及び陰極端子が突出している構造の二次電池を挙げることができ、具体的に、アルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに電極組立体が内蔵されている構造であり得る。このような構造の二次電池を‘パウチ型電池セル’と称することもある。
【0036】
一つの好ましい例において、前記セルユニットは、各電池セルが互いに密着した状態で金属ハウジングに内蔵される構造からなり得る。
【0037】
前記構造において、金属ハウジングは、二つまたはそれ以上の電池セル、及び前記陽極端子及び陰極端子の部位を除いては、電池セル積層体の外面全体を覆うように互いに結合することができる。したがって、前記金属ハウジングは、機械的剛性の低い電池セルを保護しながら、充放電時の反復的な膨張及び収縮の変化を抑制し、電池セルのシーリング部位の分離を防止する。
【0038】
具体的に、前記金属ハウジングは、電池セル積層体の外面形状に対応する内面構造を有しており、特に、別途の締結部材を必要としない組立締結方式で結合される構造からなり得る。このような金属ハウジングにおける断面結合部の代表的な例としては、金属ハウジングを互いに対面するように接触させた状態で加圧したとき、弾力的な結合によって噛み合うように形成された雄雌締結構造を挙げることができる。
【0039】
一方、二次電池の場合、充放電過程で発熱現象が起こり、このように発生した熱を外部に効果的に放出することは、電池の寿命を延ばし、安全性を担保する側面で重要な要素として作用するようになる。したがって、前記金属ハウジングは、内部の電池セルで発生する熱がより容易に外部に放出されるように、高い熱伝導性の金属板材からなることが好ましい。
【0040】
場合に応じては、前記電池セルの電極端子部位を除いた外周面には縁テープを付着させることができる。したがって、電池セルと前記金属ハウジングなどの他の部材との接触による絶縁抵抗の破壊問題を未然に防止することができる。
【0041】
また、本発明は、
前記電池モジュールアセンブリを二つ以上含む電池パックであって、
各電池モジュールアセンブリの相互締結または下記の各支持部材に対する位置固定及び装着のための締結部材が結合される一つ以上の第2の締結口が上部ケースの後面または下部ケースの後面に形成されており、
前記各電池モジュールアセンブリは、互いに密着した状態で配列されて一つの電池モジュールアセンブリ積層体を形成しており、
前記電池モジュールアセンブリ積層体の両側外郭に位置し、前記締結部材と結合されて電池モジュールアセンブリ積層体を固定する第1の支持部材及び第2の支持部材を含むことを特徴とする電池パックを提供する。
【0042】
したがって、本発明に係る電池パックは、電池パックを構成するにおいて電池モジュールの固定及び装着を容易に行うことができ、全体的な構造的安定性を確保することができる。
【0043】
一つの具体的な例において、前記電池パックは、電池モジュールアセンブリ積層体の下面に位置し、第1の支持部材及び第2の支持部材と結合される構造の第3の支持部材をさらに含む構造であり得る。
【0044】
具体的に、第1の支持部材、第2の支持部材及び第3の支持部材は、板状型金属板材で製作することができ、自体の剛性を高めるように凹凸構造のビードを一つ以上含むことができる。
【0045】
また、前記各支持部材間の結合は、外部振動または外力によって内部に装着された各電池モジュールが離脱または分離することを防止できる手段であれば特別に制限されないが、例えば、ボルティング、圧入、フック結合、または溶接などの手段によって達成することができる。
【0046】
更に他の具体的な例において、前記締結部材は、長さ方向に対する垂直断面上に角形、円形または楕円形の棒状であり、前記第2の締結口は、締結部材の外面形状に対応する形状に形成することができる。
【0047】
したがって、前記棒状部材を第2の締結口に装着することによって、電池パックを構成するにおいて電池モジュールの固定及び装着を容易に行うと同時に、全体的な構造的安定性を確保することができる。
【0048】
また、本発明は、電池パックを含むデバイスを提供する。
【0049】
前記デバイスは、上述したような電池モジュールアセンブリの装着効率性、構造的安定性などを考慮すると、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電力貯蔵装置などであることが好ましいが、適用範囲がこれらのみに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明に係る電池モジュールアセンブリの斜視図である。
図2図1の電池モジュールアセンブリの分解斜視図である。
図3図1の電池モジュールアセンブリの正面図である。
図4図1の電池モジュールアセンブリの側面図である。
図5】セルユニットの模式図である。
図6図5の電池セルの部分拡大図である。
図7】バスバーアセンブリの斜視図である。
図8図7の一対の本体部の斜視図である。
図9】本発明に係る電池パックの斜視図である。
図10】本発明に係る電池パックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下では、本発明の実施例を図面を参照して説明するが、これは、本発明のより容易な理解のためのものであって、本発明の範疇がそれによって限定されることはない。
【0052】
図1は、本発明の一つの実施例に係る電池モジュールアセンブリの斜視図で、図2は、図1の電池モジュールアセンブリの分解斜視図である。
【0053】
これら図面を参照すると、電池モジュールアセンブリ300は、2個の電池セル10で構成された各セルユニット100が並列に4個連結されている電池モジュール200;各セルユニット100を側面に直立させた状態で上部及び下部を覆っている一対の上部ケース210及び下部ケース220;電池モジュール200の前面で各セルユニット100を電気的に並列に連結するためのバスバーアセンブリ230;及び上部ケース210の上面及び下部ケース220の下面に形成されている第1の締結口211;及び上部ケース210の前面及び下部ケース220の前面に形成されている各締結口212、222;を含んでいる。
【0054】
図3は、図1の電池モジュールアセンブリの正面図で、図4は、図1の電池モジュールアセンブリの側面図である。
【0055】
これら図面を図1及び図2と共に参照すると、各締結口211、212、222は、内周面に締結用ねじ山(図示せず)が形成されている構造からなっており、各締結口211、212、222にボルト250を挿入し、上部ケース210及び下部ケース220を締結・固定することができる。
【0056】
また、電池モジュール200の配列方向に対して水平方向(図3のA方向)に上部ケース210の後面及び下部ケース220の後面に第2の締結口240、241を形成しており、電池モジュールアセンブリ300の位置固定及び装着のための締結部材(図9の440参照)を第2の締結口240、241に結合することができる。
【0057】
図5は、セルユニットの斜視図で、図6は、図5の電池セルの部分拡大図である。
【0058】
これら図面を参照すると、セルユニット100は、2個の電池セル10で構成されており、電池セル10の電極端子11部位を除いた外周面に絶縁テープ15が付着しているので、電池セル10と金属ハウジング120との接触による絶縁抵抗の破壊問題を未然に防止することができる。
【0059】
具体的に、2個の電池セル10の外面全体を覆う構造の一対の高強度金属ハウジング120が示されているが、金属ハウジング120は、機械的剛性の低い電池セル10を保護しながら充放電時の反復的な膨張及び収縮の変化を抑制し、電池セル10のシーリング部位の分離を防止する。金属ハウジング120は、一対の左側ハウジング121及び右側ハウジング122からなっており、別途の締結部材を使用せずに互いに結合される構造であり得る。
【0060】
図7は、本発明の一つの実施例に係るバスバーアセンブリの斜視図で、図8は、図7の一対の本体部の斜視図である。
【0061】
これら図面を以前の各図面と共に参照すると、バスバーアセンブリ230は、カバープレート231及び本体部232からなっている。
【0062】
カバープレート231は、電気絶縁性の素材からなっており、電池モジュール200の前面に装着され、一対の本体部232を含んでいるので、セルユニット100の各電極端子11は、バスバー233によって互いに電気的に連結される。
【0063】
本体部232は、カバープレート231にインサート射出形成で結合されている状態で平面上に‘L’字状の一側に外部入出力端子234が形成されており、他側に二つ以上のバスバー233が分枝されている。
【0064】
一対の本体部232、232’は、電池モジュール200の配列方向に対して水平方向(図3のA方向)に互いに向かい合う構造で配列されている。
【0065】
本体部232には、各外部入出力端子234、234’間の短絡を防止するための段差が形成されており、このような段差を適用して外部入出力端子234、234’の位置を設定することができる。
【0066】
図9及び図10は、本発明に係る電池パックの斜視図である。
【0067】
これら図面を図2及び図4と共に参照すると、第1の支持部材410、第2の支持部材420及び第3の支持部材430で構成された電池パックケースの内部に各電池モジュールアセンブリ300が装着されている。また、各電池モジュールアセンブリ300は、各丸棒状締結部材440と第2の締結口240、241との結合により、さらに安定的且つ堅固に電池パックケースの内部に装着されている。
【0068】
また、電池パックケースは、図9及び図10に示したように、各電池モジュールアセンブリ300をラックなどの棚構造で組み立てて電池パックを構成するので、各電池モジュールアセンブリ300に対する固定及び装着を容易に行うことによって、全体的な構造的安定性を確保することができる。
【0069】
以上、本発明の実施例を図面を参照して説明したが、本発明の属した分野で通常の知識を有する者であれば前記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る電池モジュールアセンブリは、第1の締結口によって上部ケース及び下部ケースを固定し、第2の締結口によって電池モジュールアセンブリの位置固定及び装着を行うことによって、電池モジュールアセンブリの組み立てを容易に行うことができ、空間活用度が高く、電池パックを構成するにおいて電池モジュールの固定及び装着を容易に行うことによって全体的な構造的安定性を確保できる電池パックを製造することができる。
【0071】
また、本発明に係る電池モジュールアセンブリは、各セルユニットを2個の単位で並列に連結する溶接が可能なバスバーを提供することによって、溶接信頼性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 ・・・電池セル
11 ・・・電極端子
15 ・・・絶縁テープ
100 ・・・セルユニット
120 ・・・金属ハウジング
200 ・・・電池モジュール
210 ・・・上部ケース
211,212,222 ・・・第1の締結口
220 ・・・下部ケース
230 ・・・バスバーアセンブリ
231 ・・・カバープレート
232,232’ ・・・本体部
234,234’ ・・・外部入出力端子
240,241 ・・・第2の締結口
300 ・・・電池モジュールアセンブリ
410 ・・・第1の支持部材
420 ・・・第2の支持部材
430 ・・・第3の支持部材
440 ・・・締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10