(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収性物品の製造方法であって、
液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材であって、前記吸収性本体における前記長手方向の各端部に固定された前記一対のベルト部材と、前記幅方向の両側にそれぞれ形成された脚回り開口部と、を有した完成前の状態の吸収性物品を生成することと、
前記吸収性本体の肌側面が内側となるように、二つ折り装置が前記吸収性本体を前記長手方向の所定位置で二つ折りすることと、
前記二つ折りすることを行いながら、突出装置が前記一対のベルト部材を前記幅方向の外側に移動することによって、前記吸収性本体よりも前記幅方向の外側に前記ベルト部材を突出させることと、を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法である。
【0011】
このような吸収性物品の製造方法によれば、上記の完成前の状態の吸収性物品を、パンツ型状態へと容易且つ確実に形態変更可能となる。
【0012】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記完成前の状態において、前記一対のベルト部材同士の間には、前記幅方向の間隙が形成されているのが望ましい。
【0013】
このような吸収性物品の製造方法によれば、一対のベルト部材をそれぞれ幅方向の外側に円滑に移動可能となる。すなわち、仮に、一対のベルト部材が重なり合っている場合には、上述の外側への移動時に、一対のベルト部材同士の間に摺動起因の摩擦抵抗力が生じ得て、当該摩擦抵抗力は、上記の外側への移動を阻害するが、この点につき、上記のように間隙を形成していれば、かかる摩擦抵抗力の発生を確実に防ぐことができる。そして、その結果、一対のベルト部材を円滑に外側に移動することができる。
【0014】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記完成前の状態においては、前記一対のベルト部材における前記幅方向の内側の端部は、前記幅方向に折り返されているのが望ましい。
【0015】
このような吸収性物品の製造方法によれば、ベルト部材の上記端部は幅方向に折り返されていて、ベルト部材の曲げ剛性が高くなっている。よって、上記二つ折りすることにおいては、ベルト部材は、自身の曲げ剛性に基づいて、幅方向の外側に広がるような形状になり易く、これにより、上記の幅方向の外側へのベルト部材の移動を円滑に行えるようになる。
【0016】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記完成前の状態においては、前記ベルト部材には、前記長手方向に沿って糸状弾性部材が前記長手方向に伸長状態で固定されているとともに、前記ベルト部材及び前記吸収性本体の前記長手方向の収縮変形を規制するように前記ベルト部材及び前記吸収性本体は所定の保持力で保持されており、
前記二つ折りすることにおいては、前記保持力を小さくすることにより、前記糸状弾性部材の収縮力に基づいて前記吸収性本体が前記長手方向に収縮しながら二つ折りされていくのが望ましい。
【0017】
このような吸収性物品の製造方法によれば、上記の二つ折りすることにおいては、上記の保持力を小さくするので、保持力により吸収性本体の二つ折りが阻害される事態を速やかに回避することができる。そして、これにより、吸収性本体を円滑に二つ折りすることができる。
また、保持力を小さくした際には、上記の糸状弾性部材の収縮力に基づいて、ベルト部材には上記幅方向に沿った皺が形成される。そして、当該皺は、ベルト部材が幅方向の外側に移動するように誘導し得て、これにより、ベルト部材を速やかに外側に移動することができる。
【0018】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記完成前の状態においては、前記ベルト部材には、前記長手方向の伸縮性を有した補強シートが前記長手方向に伸長された状態で前記長手方向に沿って重ね合わせられて固定されているとともに、前記ベルト部材及び前記補強シートの両者を貫通して前記脚回り開口部が形成されているのが望ましい。
【0019】
このような吸収性物品の製造方法によれば、上記の二つ折りの際には、糸状弾性部材の収縮力に加えて補強シートの収縮力もベルト部材に作用して、これにより、ベルト部材には上記の幅方向に沿った皺がより強く形成される。そして、当該皺は、ベルト部材が幅方向の外側に移動するように誘導し得て、これにより、ベルト部材を速やかに外側に移動することができる。
【0020】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記二つ折りすることにおいては、前記二つ折り装置が、前記吸収性本体の前記所定位置に対して、前記吸収性本体の肌側から非肌側へ向かう方向の外力を付与することにより、前記吸収性本体を前記所定位置で二つ折りするのが望ましい。
【0021】
このような吸収性物品の製造方法によれば、吸収性本体を確実に二つ折りすることができる。
【0022】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記完成前の状態において、前記一対のベルト部材同士の間には、前記幅方向の間隙が形成されており、
前記二つ折り装置は、前記間隙を通って、前記吸収性本体の前記所定位置に肌側から当接して非肌側へと押し込む押し込み部材を有し、
前記押し込み部材において前記所定位置と対向する先端部には、気体を噴射する噴射孔が設けられているのが望ましい。
【0023】
このような吸収性物品の製造方法によれば、押し込み部材の先端部から気体を噴射するので、上記の所定位置に当該先端部が当接する際に与え得る吸収性本体へのダメージを軽減することができる。
【0024】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記突出させることにおいては、前記突出装置が、前記一対のベルト部材に対して、それぞれ、前記幅方向の外側を向いた外力を付与することにより、前記ベルト部材を前記幅方向の外側に移動するのが望ましい。
【0025】
このような吸収性物品の製造方法によれば、ベルト部材を上記幅方向の外側に確実に突出させることが可能となる。
【0026】
また、
吸収性物品の製造装置であって、
液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材であって、前記吸収性本体における前記長手方向の各端部に固定された前記一対のベルト部材と、前記幅方向の両側にそれぞれ形成された脚回り開口部と、を有した完成前の状態の吸収性物品を生成する装置と、
前記吸収性本体の肌側面が内側となるように前記吸収性本体を前記長手方向の所定位置で二つ折りする二つ折り装置と、
前記吸収性本体を二つ折りする際に、前記一対のベルト部材を前記幅方向の外側に移動することによって、前記吸収性本体よりも前記幅方向の外側に前記ベルト部材を突出させる突出装置と、を有することを特徴とする吸収性物品の製造装置である。
【0027】
このような吸収性物品の製造装置によれば、前述した製造方法の場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0028】
===第1実施形態===
第1実施形態の吸収性物品の製造方法及び製造装置は、例えば、吸収性物品の一例としての使い捨ておむつ1の製造ラインで使用される。
図2は、同おむつ1の一例としてのパンツ型状態のおむつ1を腹側から見た概略正面図である。
図3は、完成前の状態たる延板状態のおむつ1をベルト部材30側から見た概略平面図であり、
図4は、同おむつ1を吸収性本体10側から見た概略平面図である。また、
図5は、
図3中のV−V断面図である。
【0029】
このおむつ1は、製造工程の最終段階において
図3のような平坦に延びた延板状態(完成前の状態に相当)になっている。詳しくは、先ず、着用対象者の股間に配されるべき吸収性本体10は、互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有したシート状部材であり、長手方向の各端部10eLa,10eLbがそれぞれ略V字形の先細り形状となっている。また、着用対象者の主に胴回り部に配されるべき一対のベルト部材30,30は、吸収性本体10の肌側面に重ね合わせられつつ、吸収性本体10の長手方向と交差する上記幅方向に並んで配置されている。そして、各ベルト部材30,30は、それぞれ、脚回り開口部30HL,30HLを有する。また、
図3及び
図5に示すように、各ベルト部材30は、当該ベルト部材30を幅方向に折り返すための折り返し線L30であって、同ベルト部材30の幅方向の両端部30ew1,30ew2が上記折り返し線L30よりも幅方向の内側に位置するように折り返すための同折り返し線L30を有し、そして、当該折り返し線L30で折り返されたベルト部材30は、上記の両端部30ew1,30ew2のうちで幅方向の外側に位置する端部30ew2を介して、吸収性本体10の幅方向の端部10ewにホットメルト接着剤等で固定の一例として接合されている。また、各ベルト部材30,30は、吸収性本体10の略V字形の上記各端部10eLa,10eLbでも溶着等で接合されている。
【0030】
そして、このような延板状態から、一対のベルト部材30,30において内側に位置する各端部30ew1,30ew1同士を幅方向の両側に開きながら(つまり、幅方向の外側に移動しながら)、各ベルト部材30を長手方向の略中央位置CLL30で二つ折りする過程で、吸収性本体10を長手方向の略中央位置CLL10で二つ折りすれば、各ベルト部材30,30における幅方向の内側の端部30ew1,30ew1同士が互いに共同しておむつ1の胴回り開口部1HBを形成するとともに、各ベルト部材30,30の脚回り開口部30HL,30HLがそれぞれ吸収性本体10の幅方向の両側に位置した状態となって、これにより、
図2に示すようなパンツ型のおむつ1として着用可能な状態となる。
【0031】
なお、以下では、主に
図3の延板状態のおむつ1を参照しながら、各構成部品10,30,30について説明するが、この延板状態における吸収性本体10の長手方向、幅方向、及び厚さ方向は、それぞれ、同延板状態のおむつ1の長手方向、幅方向、及び厚さ方向と概ね一致している。そのため、以下の説明では、これらの各方向のことを単に「長手方向」、「幅方向」、及び「厚さ方向」と言う。また、長手方向については、一方側が着用対象者の腹側に位置し、他方側が着用対象者の背側に位置することから、一方側のことを「腹側」とも言い、他方側のことを「背側」とも言う。更に、厚さ方向に関しては、着用対象者に接触する側のことを「肌側」とも言い、その逆側のことを「非肌側」とも言う。また、幅方向のことを「左右方向」とも言う。
【0032】
図3及び
図5に示すように、吸収性本体10は、長手方向の各端部10eLa,10eLbがそれぞれ平面視略V字形に先細った形状のシート状部材であり、吸収体11と、同吸収体11を肌側から覆って設けられたトップシート13(肌側シートに相当)と、同吸収体11を非肌側から覆って設けられたバックシート15(非肌側シートに相当)と、を有する。
そして、これら各部材13,11,15は、それぞれ、厚さ方向に隣接する部材と、ホットメルト接着剤等で接合されている。なお、同接着剤の塗布パターンとしては、Ωパターンやスパイラルパターン、ストライプパターン等を例示できて、このことは、後で出てくる他の接着剤についても同様である。
【0033】
吸収体11は、液体吸収性の吸収性コア11cと、同コア11cの外周面を被覆する不図示のコアラップシートと、を有する。吸収性コア11cは、所定の液体吸収性素材を所定形状の一例としての平面視略砂時計形状に成形した成形体である。液体吸収性素材としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を例示できて、この例では、同素材として所定範囲の坪量(g/m
2)のパルプ繊維と所定範囲の坪量(g/m
2)のSAPとの両者を混合して使用しているが、何等これに限らない。また、コアラップシートには、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを使用可能である。更に、吸収性コア11cの形状は、何等上記の平面視略砂時計形状に限らず、他の形状でも良い。
【0034】
トップシート13は、例えばエアスルー不織布等の液透過性シートで形成され、その平面サイズは、吸収体11の長手方向の両側及び幅方向の両側から突出するようなサイズである。また、長手方向の各端部は、それぞれ吸収性本体10の各端部10eLa,10eLbを構成することから、その形状は、それぞれ長手方向の腹側又は背側に進むに従って幅方向の寸法が小さくなった前述の略V字形の先細り形状をなしている。
【0035】
また、バックシート15も、吸収体11の長手方向の両側及び幅方向の両側から突出するような平面サイズのシートであり、そして、トップシート13と同様に、長手方向の各端部はそれぞれ吸収性本体10の各端部10eLa,10eLbを構成していることから、その形状は、それぞれ長手方向の腹側又は背側に進むに従って幅方向の寸法が小さくなった前述の略V字形の先細り形状をなしている。そして、これらトップシート13とバックシート15とは、互いの両端部の略V字形が概ね揃うように厚さ方向に重ね合わせられていて、これにより、これらシート13,15同士の間に吸収体11が保持されている。
【0036】
なお、バックシート15の素材例としては、
図5に示すように、ポリエチレン(PE)フィルム又はポリプロピレン(PP)フィルム等の液不透過性の防漏シート15fと、防漏シート15fの非肌側に貼り合わされた不織布製の外装シート15nとを有した二層構造のラミネートシート15を挙げることができて、ここでは、これが使用されているが、一定の防漏性を有していれば、何等これに限らない。また、この例では、外装シート15nの平面サイズよりも防漏シート15fの平面サイズの方が小さくなっていて、これにより、外装シート15nの外周縁よりも長手方向の内側及び幅方向の内側に防漏シート15fが収まっているが、何等これに限らず、互いに同サイズでも良い。
【0037】
図6Aは、説明の都合上、
図3の延板状態のおむつ1において一部の接合を解いて肌側面が見えるように展開した状態の概略平面図である。すなわち、同
図6Aは、吸収性本体10の長手方向の両端部10eLa,10eLbと各ベルト部材30,30との接合を解くとともに、各ベルト部材30,30をそれぞれ幅方向の外側に開いた展開状態の概略平面図である。そして、同
図6Aでは、吸収性本体10の肌側及びベルト部材30の肌側が見えている。また、
図6Bは、
図6A中のB−B断面図である。ちなみに、これら
図6A及び
図6Bは、皺等のギャザーが無くなるまでおむつ1を長手方向及び幅方向に伸長した状態の図であり、このことは、前述の
図3乃至
図5並びに後述の
図18乃至
図22についても同様である。
【0038】
図6A及び
図6Bに示すように、一対のベルト部材30,30は、それぞれ、長手方向に長いシート状部材であり、この例では、不織布31,32を厚さ方向に二枚重ねにして形成されている。また、既述のように、一対のベルト部材30,30のどちらも、幅方向の所定位置に長手方向に沿って設定された折り返し線L30,L30によって、
図6A及び
図6Bの状態から
図3及び
図5の状態へと幅方向の内側に折り返されていて、これにより、同
図3及び
図5に示すように、一方のベルト部材30が、吸収性本体10の肌側面における左側部分に重ね合わせられ、また、他方のベルト部材30が、同肌側面における右側部分に重ね合わせられていて、これら一対のベルト部材30,30同士は、吸収性本体10の幅方向の中心位置CLW10に関して鏡像関係となっている。また、この折り返された状態においては、ベルト部材30の幅方向の両端部30ew1,30ew2は、どちらも、折り返し線L30よりも幅方向の内側に位置している。そして、
図5に示すように、これら両端部30ew1,30ew2のうちで厚さ方向の吸収性本体10に近い方の端部30ew2が、遠い方の端部30ew1よりも幅方向の外側に位置していて、当該近い方の端部30ew2が、吸収性本体10の肌側面をなすトップシート13の幅方向の端部13ewに長手方向の略全長に亘ってホットメルト接着剤等で接合されている。なお、
図5中では、トップシート13の端部13ewのみにベルト部材30が接合されているように示されているが、何等これに限らない。すなわち、この
図5のように、バックシート15の端部15ewがトップシート13の端部13ewよりも幅方向の外側に突出している場合には、当該バックシート15の端部15ewもベルト部材30に接合されていても良い。
また、
図3及び
図5に示すように、この例では、一対のベルト部材30,30同士の間には幅方向の間隙D30が形成されていて、かかる間隙D30からは吸収性本体10の肌側面の一部が外方に露出している。そして、このことは、後述する製造方法において、延板状態のおむつ1をパンツ型状態に形態変更する際に関係し、これについては後述する。
【0039】
更に、これも一部既述の内容であるが、
図3に示すように各ベルト部材30の長手方向の両端部30eLa,30eLbは、それぞれ、吸収性本体10の略V字形の両端部10eLa,10eLbにおける幅方向の各半部に重ね合わせられて固定されている。そのため、ベルト部材30の両端部30eLa,30eLbの形状は、それぞれ、上記の略V字形の両端部10eLa,10eLbにおける幅方向の各半部に重なるように傾斜形状をなしていて、これにより、ベルト部材30の長手方向の各端部30eLa,30eLbは、対応する吸収性本体10の各端部10eLa,10eLbと厚さ方向に重なった状態で溶着等により接合されている。
【0040】
また、この例では、
図2のパンツ型状態とされた際には、
図3の延板状態のおむつ1の一対のベルト部材30,30のどちらについても、幅方向の内側の端部30ew1,30ew1が胴回り開口部1HBとなる。そのため、当該端部30ew1,30ew1に着用対象者の肌ストレス軽減用の端部仕舞い構造を付与する目的で、当該端部30ew1,30ew1は、
図5のように一回だけ幅方向に折り返されてホットメルト接着剤等で当該折り返し状態に固定されている。但し、何等これに限らず、二回以上折り返しても良いし、或いは、端部30ew1を折り返さずに当該端部仕舞い構造を省略しても良い。
【0041】
一方、
図6Aに示すように、脚回り開口部30HLは、前述の折り返し線L30を幅方向に跨ぐような形状でベルト部材30を厚さ方向に貫通して形成されている。そして、この例では、同脚回り開口部30HLは、上記の折り返し線L30に関して線対称ではない非対称形状に形成され、当該非対称形状は、着用対象者の脚回り形状を考慮して決定される。よって、着用対象者の脚回りへの良好なフィット性を奏することができる。
【0042】
また、
図6A及び
図6Bに示すように、ベルト部材30に伸縮性を付与する目的で、ベルト部材30に係る2枚の不織布31,32同士の間には、長手方向に沿って糸ゴム等の複数の糸状弾性部材35,35…が幅方向に並んで介挿されている。すなわち、かかる糸状弾性部材35,35…は、長手方向に所定の伸長倍率まで伸長された状態で同不織布31,32にホットメルト接着剤等で固定されていて、これにより、各ベルト部材30,30には長手方向の伸縮性が付与されている。
【0043】
更に、この例では、
図6A及び
図6Bに示すように、脚回り開口部30HLを補強する目的で補強シート40(
図3、
図4、
図6A中のドット模様の部分を参照)が設けられている。すなわち、ベルト部材30に係る二枚の不織布31,32同士の間には、脚回り開口部30HLと同形の開口を有した帯状の補強シート40が介挿されていて、これにより、脚回り開口部30HLの周縁部は、その全周に亘って補強されている。また、この例では、当該補強シート40として、例えば自然長の1.5倍〜4.0倍の任意倍率まで破断せずに伸長可能な伸縮性を有した伸縮性シートが使用されている。そして、かかる補強シート40も、長手方向に所定の伸長倍率まで伸長された状態で同不織布31,32にホットメルト接着剤等で固定されている。よって、当該補強シート40も、脚回り開口部30HLへのギャザーの形成に有効に寄与し得る。なお、かかる伸縮性シートの一例としては、ポリウレタン系エラストマー等の略弾性を示すエラストマー繊維とポリオレフィン系樹脂等の略非弾性を示す熱可塑性樹脂繊維とを有した不織布に対して所謂ギア延伸加工を施して伸縮性が発現した不織布を例示できて、この例では、これを使用しているが、何等これに限らない。例えば、上記の繊維を有した織布でも良いし、或いは、ゴム系樹脂などのエラストマー材料を含む伸縮性フィルムでも良い。
【0044】
図7乃至
図15は、このおむつ1の製造方法の説明図である。このおむつ1は、製造ラインにおいて所謂「縦流し法」で製造される。縦流し法では、吸収性本体10の長手方向を搬送方向としておむつ1の中間製品を搬送する間に、順次種々の加工や他の部品の接合等を行って、これにより、
図3の延板状態のおむつ1の生成を通じて最終的に
図2のパンツ型状態のおむつ1を製造する。なお、
図7乃至
図12中では、紙面の都合上、中間製品をおむつ一つ分の単票状に図示しているが、実際の中間製品は、搬送方向に連続した連続体又は連続シートの状態にある。
また、中間製品の搬送は、サクションベルトコンベア等のベルトコンベアや搬送ローラー等の周知の搬送装置(不図示)を用いてなされる。そして、以下では、特段の説明が無い限り、これらの搬送装置が適宜使用されているものとする。更に、既述のように、搬送方向は吸収性本体10の長手方向に沿っていることから、当該搬送方向は、吸収性本体10の厚さ方向及び幅方向と直交している。そして、ここでは、この製造ラインにおいて、上記の幅方向に対応する方向のことを「CD方向」とも言う。
【0045】
この第1実施形態の製造方法は、
図3の延板状態のおむつ1を生成する工程と、この延板状態のおむつ1を
図2の如きパンツ型状態へと形態変更する工程と、に大別される。以下、各工程について説明する。
【0046】
<<<<延板状態のおむつ1の生成工程>>>>
この工程は、更に、以下の六つの工程に分けられる。
【0047】
第1工程:吸収性本体の連続体10aの生成工程
第2工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程
第3工程:吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程
第4工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの折り返し工程
第5工程:折り返し状態の固定工程
第6工程:製品ピッチP1での分断工程
[第1工程:吸収性本体の連続体10aの生成工程]
図7に示すように、この工程では、概ね複数の吸収性本体10,10…が長手方向に連続してなる吸収性本体の連続体10aを生成し、生成された吸収性本体の連続体10aをその連続方向を搬送方向として搬送する。
【0048】
詳しくは、先ず、
図7の左図のように、バックシート15の連続シート15aを、その連続方向を搬送方向として搬送する。なお、この例では、バックシート15に係る外装シート15nは搬送方向に連続した連続シート15naであるが、防漏シート15fの方は、外装シート15nの連続シート15na上に製品ピッチP1で離散的に配置された単票状シート15fとなっている。但し、何等これに限らない。すなわち、防漏シート15fも、搬送方向に連続した連続シートであっても良い。
【0049】
次に、不図示の積繊装置等を用いて生成した吸収体11を、同
図7の中央図のように、各防漏シート15fに一つずつ載置してホットメルト接着剤等で接合する。なお、かかる載置処理は、不図示の回転ドラム装置等により行われる。
また、これと同時並行又はこの後に、同
図7の右図のように各吸収体11の肌側面に向けてトップシート13を、搬送方向に沿った連続シート13aの形態で供給し、同肌側面をトップシート13の連続シート13aで覆ってホットメルト接着剤等で接合する。そして、これにより、吸収性本体の連続体10aが生成される。
【0050】
なお、積繊装置の一例としては、回転ドラムの外周面に形成された凹部の底面にダクトから散布される液体吸収性素材を吸着させて吸収性コア11cを生成する周知の装置を挙げることができ、また、回転ドラム装置の一例としては、吸収体11を吸着保持可能な外周面を有した周知の回転ドラムを挙げることができる。但し、何等これに限らない。
【0051】
[第2工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程]
図8乃至
図10に示すように、この工程は、上述の第1工程の「吸収性本体の連続体10aの生成工程」とは、上下流関係の無い同時並行処理可能な工程とされている。そして、この工程では、一対のベルト部材の連続体30a,30aを生成する。なお、ベルト部材の連続体30aとは、概ね複数のベルト部材30,30…が長手方向に連続したものである。
【0052】
先ず、
図8の左図に示すように、ベルト部材の連続体30aの主に非肌側面となる非肌側基材シート30sha1として、一枚の不織布31が、搬送方向に連続した連続シート31aの形態で上流工程から搬送される。そして、この非肌側基材シート30sha1からは、最終的にベルト部材の連続体30a,30aの一対分の非肌側面が生成されることから、当該非肌側基材シート30sha1のCD方向の寸法は、ベルト部材の連続体30aのCD方向の寸法の概ね二倍の大きさの広幅サイズとされている。なお、このことは、後で出てくる肌側基材シート30sha2についても同様である。
【0053】
次に、
図8の右図に示すように、搬送方向に搬送される非肌側基材シート30sha1は、搬送方向の所定位置に設定された補強シート40の供給位置PS1を通過する。そして、その通過時には、同シート30sha1の肌側面に向けて、一対の補強シート40,40が搬送方向に連続した連続シート40a,40aの形態でCD方向に並んで供給されて、非肌側基材シート30sha1の肌側面にホットメルト接着剤等で接合される。ここで、この接合時には、各補強シートの連続シート40a,40aは、それぞれ前述の伸長倍率で伸長された状態にあって、この伸長された状態のまま非肌側基材シート30sha1の肌側面に接合される。そして、これにより、
図2のおむつ1の状態においては脚回り開口部30HLにギャザーが形成されるようになる。
【0054】
次に、
図9の左図に示すように、非肌側基材シート30sha1は、上記の供給位置PS1よりも搬送方向の下流に設定された糸状弾性部材35の供給位置PS2を通過する。そして、その通過時には、同シート30sha1の肌側面に向けて、糸状弾性部材35,35…が搬送方向に連続した連続体35a,35a…の形態でCD方向に並んで供給されて、非肌側基材シート30sha1の肌側面にホットメルト接着剤等で接合される。ここで、この接合時には、各糸状弾性部材の連続体35a,35a…は、それぞれ所定の伸長倍率で伸長された状態にあって、この伸長された状態のまま非肌側基材シート30sha1の肌側面に接合される。そして、これにより、
図2のパンツ型状態においては、ベルト部材30に伸縮性が付与される。
【0055】
次に、
図9の中央図に示すように、非肌側基材シート30sha1は、ベルト部材の連続体30aの肌側面となる肌側基材シート30sha2の供給位置PS3を通過する。そして、その通過時には、非肌側基材シート30sha1の肌側面に向けて、肌側基材シート30sha2として一枚の不織布32が、搬送方向に連続した連続シート32aの形態で供給されて、同肌側面にホットメルト接着剤等で接合される。そして、これにより、二枚の基材シートたる非肌側基材シート30sha1と肌側基材シート30sha2との間に、補強シートの連続シート40aと糸状弾性部材の連続体35aとが介挿された状態の基材シート30shaが生成される。
【0056】
そうしたら、基材シート30shaは、上記の供給位置PS2よりも搬送方向の下流に配された端部折り返し装置(不図示)を通過する。そして、その通過時には、端部折り返し装置によって、同シート30shaにおけるCD方向の各端部30shaew1,30shaew1が、
図9の中央図の状態から右図の状態へとCD方向の内側に折り返されるとともに、当該折り返し状態にホットメルト接着剤等で固定されて、これにより、基材シート30shaにおいて胴回り開口部1HBに相当する各端部30shaew1,30shaew1には、前述の端部仕舞い構造が付与される。なお、端部折り返し装置の一例としては、各端部30shaew1,30shaew1に当接して折り返すための折り返し用プレートを有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0057】
次に、基材シート30shaは、端部折り返し装置よりも搬送方向の下流に配されたスリッター装置(不図示)を通過する。そして、その通過時には、スリッター装置によって、同
図10の左図の状態から中央図の状態へと基材シート30shaはCD方向の中央位置で二分割されて、これにより、CD方向の寸法が半分の大きさの狭幅の基材シート30sa,30saが一対生成される。なお、スリッター装置の一例としては、回転刃を有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0058】
次に、一対の狭幅の基材シート30sa,30saは、スリッター装置よりも搬送方向の下流に配された拡幅装置(不図示)を通過する。そして、その通過時には、拡幅装置によって、狭幅の各基材シート30sa,30saはそれぞれCD方向の外側に移動されて、これにより、同中央図に示すように、各基材シート30sa,30sa同士の間には、吸収性本体の連続体10aのCD方向の寸法よりも若干小さい間隔D30saが形成される。なお、これは、この後になされる吸収性本体の連続体10aの合流時に、同連続体10aのCD方向の各端部10aew,10aewに各基材シート30sa,30saを接合するための下準備である。また、拡幅装置の一例としては、回転方向が搬送方向よりもCD方向の外側に傾いたローラーをCD方向の両側の各位置にそれぞれ有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0059】
そうしたら、この互いの間にCD方向の間隔D30saを有した状態の狭幅の各基材シート30sa,30saは、搬送方向に沿って搬送されて、これにより、拡幅装置よりも搬送方向の下流に配されたダイカッター装置(不図示)を通過する。そして、その通過時にダイカッター装置は、同
図10の右図に示すように、各基材シート30sa,30sa及び補強シートの連続シート40a,40aに対して、搬送方向に製品ピッチP1で並ぶように脚回り開口部30HL,30HLを形成して、これにより、一対のベルト部材の連続体30a,30aが生成される。
【0060】
ここで、同右図に示すように、当該脚回り開口部30HLは、補強シートの連続シート40aに収まるように形成される。よって、脚回り開口部30HLの周縁部を全周に亘って補強シートの連続シート40aで補強することができて、その結果、脚回り開口部30HLでの破断を確実に防ぐことができる。
【0061】
なお、かかるダイカッター装置の一例としては、抜き刃態様のカッターロール及びアンビルロールを有した周知の装置(不図示)を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0062】
[第3工程:吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程]
この工程は、上記の第2工程たる「一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程」の搬送方向の下流に直結されている。すなわち、
図11の左図に示すように、当該一対のベルト部材の連続体30a,30aの搬送経路には、搬送方向の所定位置において吸収性本体の連続体10aが合流している。そして、この合流の際に、吸収性本体の連続体10aの肌側面をなすトップシートの連続シート13aにおけるCD方向の各端部13aew,13aewに、各ベルト部材の連続体30a,30aのCD方向の内側の端部30aew2,30aew2がそれぞれホットメルト接着剤等で接合されて一体化される。
【0063】
[第4工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの折り返し線L30,L30での折り返し工程]
図11の左図及び右図に示すように、この工程では、一対のベルト部材の連続体30a,30aにそれぞれ規定された前述の折り返し線L30,L30で、同連続体30a,30aをそれぞれCD方向の内側に折り返し、これにより、CD方向の一方側及び他方側に位置する各ベルト部材の連続体30a,30aを、それぞれ吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に重ね合わせる。
【0064】
かかる折り返し処理は、不図示の周知の折り返し装置によって行われる。すなわち、搬送方向の所定位置に配された折り返し装置の折り返し用プレート部材の位置を、吸収性本体の連続体10aに接合された一対のベルト部材の連続体30a,30aが通過する際に、上記の折り返し用プレート部材を一対のベルト部材の連続体30a,30aの各折り返し線L30,L30或いはその近傍部分に当てることにより、当該折り返し線L30,L30で一対のベルト部材の連続体30a,30aを折り返す。
【0065】
[第5工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aを折り返し状態に固定する固定工程]
図12の左図に示すように、この工程では、一対のベルト部材の連続体30a,30aを上述の折り返し状態に固定する。すなわち、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に、それぞれ各ベルト部材の連続体30a,30aが重ね合わせられた状態に固定する。
【0066】
かかる固定は、同
図12の左図のように、吸収性本体10の腹側の端部10eLa及び背側の端部10eLbに相当する位置で吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとを接合することでなされる。そして、かかる接合処理は、エンボスロール及びアンビルロールを有した周知のヒートシール装置(不図示)で行うことができる。すなわち、一対のベルト部材の連続体30a,30aが重ね合わせられた吸収性本体の連続体10aが、搬送方向におけるヒートシール装置の位置を通過する際には、エンボスロールの外周面の凸部及びアンビルロールの外周面により、吸収性本体10の腹側の端部10eLa及び背側の端部10eLbに相当する位置で吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとが一緒に厚さ方向に挟圧されて圧着の一種の溶着で接合される。そして、当該接合された痕跡として、吸収性本体10の腹側の端部10eLa及び背側の端部10eLbに相当する位置には、それぞれ略V字形の溶着部ja,jbが形成される。
【0067】
[第6工程:製品ピッチP1での分断工程]
図12の右図に示すように、この工程では、上述の略V字形の溶着部ja,jbで一対のベルト部材の連続体30a,30aが接合された吸収性本体の連続体10aを搬送方向に沿って搬送中に、当該吸収性本体の連続体10a及び一対のベルト部材の連続体30a,30aをおむつ1の製品ピッチP1で分断するとともに、略V字形の溶着部ja,jbの近傍位置で略三角形の端材T,T…を切除する。そして、これにより、
図3の延板状のおむつ1が生成される。なお、かかる分断・切除処理は、カッターロールとアンビルロールとを有した周知のカッター装置(不図示)で行うことができるが、何等これに限らない。
【0068】
<<<延板状態からパンツ型状態へのおむつ1の形態変更工程>>>
図13A乃至
図13Cは、当該形態変更工程の説明図である。
図13Aは、同工程の概略側面図である。
図13Bは、
図13A中のB−B矢視でおむつ1の状態を示す概略図であり、
図13Cは、
図13A中のC−C矢視でおむつ1の状態を示す概略図である。
【0069】
この工程は、上記の「延板状態のおむつ1の生成工程」の搬送方向の下流に配されている。そのため、上述の生成工程からは、複数の延板状態のおむつ1,1…が搬送方向に所定ピッチP1nで並んで搬送される。そして、この工程では、
図3の延板状態のおむつ1を、
図2のようなパンツ型状態に形態変更し、形態変更したおむつ1を包装工程などの不図示の下工程に向けて搬送する。
【0070】
ここで、この工程でおむつ1の搬送に供する搬送装置60には、おむつ1を延板状態に保持可能な保持機能を有した搬送装置60が使用されている。この理由は、仮におむつ1を保持しない場合には、同おむつ1のベルト部材30等に搬送方向に伸長状態で固定されている糸状弾性部材35の収縮力に基づいておむつ1が搬送方向(長手方向)に収縮してしまい、その結果、パンツ型状態への形態変更処理に支障を来す恐れがあるためである。
【0071】
この例では、かかる搬送装置60として、サクションベルトコンベア60が使用されている。すなわち、同装置60は、搬送方向に沿って駆動周回する無端ベルト61を有し、無端ベルト61には、複数の吸気孔(不図示)が格子状パターン等の適宜な配置パターンで形成されていて、同孔の吸気に基づいて同ベルト61の外周面は吸着力(保持力に相当)を帯びている。よって、無端ベルト61の外周面に当接した各おむつ1,1…は、搬送方向に伸長された状態たる延板状態に上記吸着力で保持されながら、搬送方向に沿って所定ピッチP1nで搬送される。ちなみに、上述の収縮現象は、少なくとも前述の第6工程のカッター装置によって単票状のおむつ1に分断された直後から起こり得る。そのため、望ましくは、少なくとも上記カッター装置の上流位置からサクションベルトコンベアが使用されていると良く、ここでは、そのようにしている。
【0072】
また、この例では、吸収性本体10の肌側面が上下方向の上方を向いているが、ここで行うべき二つ折り処理は、吸収性本体10の肌側面が内側(内周側)になるように同本体10を長手方向の略中央位置CLL10で折り曲げるものである。そのため、この例では、かかる二つ折り処理を行い易くする目的で、サクションベルトコンベア60は、おむつ1を無端ベルト61の下方に吊り下げた状態で搬送している。すなわち、
図13Aに示すように、このコンベア60よりも搬送方向の上流側に位置するサクションベルトコンベア60aでは、その上方におむつ1,1…を載置して搬送しているが、このサクションベルトコンベア60では、上記の上流側のコンベア60aから送られるおむつ1,1…を、上方から無端ベルト61の外周面で吸着して受け取って、これにより、これらおむつ1,1,…を下方に吊り下げた状態で搬送方向に搬送する。但し、何等これに限らない。例えば、上下反転機構等によって、延板状態のおむつ1を上下反転して、吸収性本体10の肌側面を下方に向けた場合には、当該おむつ1を無端ベルト61の上方に載置して搬送しても良い。
【0073】
一方、サクションベルトコンベア60の搬送経路の所定位置P60Nには、形態変更装置70が配されている。形態変更装置70は、サクションベルトコンベア60の搬送経路が不連続となる不連続位置P60Nに対応させて設けられている。すなわち、同ベルトコンベア60は、上流側コンベア60uと、当該上流側コンベア60uよりも搬送方向の下流側に配される下流側コンベア60dとを有しているが、これらコンベア60u,60d同士の間には、搬送方向に隙間G60が形成されている。そして、当該隙間G60の位置を上記の不連続位置P60Nとして同位置P60Nに対応させて形態変更装置70が配されている。
【0074】
形態変更装置70は、上記の隙間G60の位置を延板状態のおむつ1が通過する際に、その吸収性本体10における長手方向の略中央位置CLL10(
図3)を同本体10の肌側から非肌側の方へと押し込むことにより、同本体10を二つ折りする押し込み機構73(二つ折り装置に相当)と、上記の吸収性本体10が二つ折りされる過程で一対のベルト部材30,30をそれぞれCD方向の外側へ移動することにより、各ベルト部材30,30を吸収性本体10よりもCD方向の外側に突出した状態に引き出す引き出し機構76(突出装置に相当し、
図13A中では不図示)と、上記の押し込み機構73で押し込まれて二つ折りされる吸収性本体10を、同本体10における二つ折りの折り曲げ部10Bから引き込んで搬送する一対のニップロール80,80と、これら一対のニップロール80,80から送られる二つ折り状態のおむつ1を受け取って更に下流へと搬送するベルトコンベア85と、を有している。そして、これら各構成73,76,80,80,85の各駆動源をコンピュータやシーケンサー等の適宜なコントローラが制御することにより、おむつ1の形態が変更される。
【0075】
図14A乃至
図14Dは、かかる形態変更装置70が延板状態のおむつ1をパンツ型状態に形態変更する様子を示す概略図である。なお、
図14A乃至
図14Dの何れの図も、左図に概略側面図を示し、右図には、左図中のZ−Z矢視図を示している。また、
図15には、押し込み機構73及び引き出し機構76の説明図を示している。
【0076】
図15に示すように、押し込み機構73は、例えば、エアシリンダー等の駆動源(不図示)と、当該駆動源から駆動力を得て上流コンベア60uでの搬送方向と交差する方向たるおむつ1の厚さ方向に往復移動する押し込み部材73aと、を有している。そして、かかる往復移動のストロークにおける前進限Pf1は、押し込み部材73aの先端部73aeが上記ニップロール80,80の近傍に位置するように設定される一方、後退限Pb1は、押し込み部材73aの先端部73aeが上記の隙間G60(
図13A)に収まるような位置に設定されている。
よって、
図14Aに示すようにおむつ1が上記隙間G60の位置を通過する際には、後退限Pb1に位置する押し込み部材73aの先端部73aeが前進して吸収性本体10の略中央位置CLL10に肌側から当接しておむつ1をニップロール80,80の方へと押し込んで、これにより、
図14B及び
図14Cに示すように、同本体10の肌側面が内側となるように同本体10を二つ折りしながら同おむつ1をニップロール80,80に送り込む。そして、同
図14Cに示すように前進限Pf1に到達した押し込み部材73aは、
図14Dに示すように速やかに後退限Pb1へと後退して、次のおむつ1が上記の隙間G60の位置に到達するまで同後退限Pb1で待機する。
【0077】
ここで、
図14Aの如く上記隙間G60の位置をおむつ1が通過する際には、おむつ1は延板状態にあるが、この延板状態においては、おむつ1の一対のベルト部材30,30同士の間にはCD方向の間隙D30(
図3、
図15)が形成されている。そして、これにより、
図14Aに示すように、当該間隙D30を介して吸収性本体10の肌側面は、押し込み部材73a側に露出している。よって、押し込み部材73aの先端部73aeは、ベルト部材30,30に概ね引っ掛かること無く吸収性本体10の肌側面に速やかに当接することができて、その結果、吸収性本体10の二つ折り処理を円滑に行うことができる。
【0078】
また、この例では、
図14Aに示すように、延板状態のおむつ1が、上流側コンベア60uと下流側コンベア60dとの両者に掛け渡される位置における各無端ベルト61u,61dの吸気力たる保持力(搬送方向に単位長さ当たりの保持力(N/m))が、他の位置の保持力よりも小さくなっている。よって、当該掛け渡される位置に到達したおむつ1を押し込み部材73aが前方(下方)に押し込むと、
図14Bに示すように、速やかにおむつ1は無端ベルト61u,61dから離脱していくとともに、その離脱過程で、おむつ1の糸状弾性部材35の収縮力の作用も相俟っておむつ1は速やかに二つ折り状態になっていき、その結果、略二つ折り状態のおむつ1が、押し込み部材73aからニップロール80,80へと円滑に引き渡されることになる。但し、何等これに限らない。すなわち、搬送方向の略全長に亘って保持力(N/m)の大きさが一定でも良い。
【0079】
更に、望ましくは、
図15の押し込み部材73aの先端部73aeに空気等の気体を噴射する噴射孔(不図示)を設け、当該噴射孔からおむつ1の吸収性本体10の上記略中央位置CLL10に向けて気体を噴射すると良い。そして、このようにすれば、当該略中央位置CLL10に押し込み部材73aの先端部73aeが当接する際に与え得る吸収性本体10へのダメージを軽減することができる。
【0080】
図15に示すように、引き出し機構76は、例えば、エアシリンダー等の駆動源(不図示)を有し、また、この駆動源から駆動力を得て、押し込み部材73aの往復移動方向とCD方向との合成方向に往復移動する棒部材76a,76aをCD方向の両側に有している。そして、各棒部材76a,76aは、上記往復移動方向における後退限Pb2では、CD方向の内側に位置し、前進側Pf2では、CD方向の外側に位置するように往復移動する。
【0081】
よって、
図14Aに示すように上記の隙間G60の位置を跨いだ状態のおむつ1が、押し込み部材73aによって前方へ押し込まれる際には、同じく後退限Pb2で待機していた各棒部材76a,76aも、前方へ移動しておむつ1のベルト部材30,30同士の間のCD方向の間隙D30に入る。そして、
図14Bに示すように押し込み部材73aの前進動作と連動して、各棒部材76a,76aは前方且つCD方向の外側へと移動し、これにより、
図14Cに示すように各棒部材76a,76aが前進限Pf2に到達するまでに、おむつ1の各ベルト部材30,30(より詳しくは、各ベルト部材30,30の長手方向(搬送方向)の略中央部30CL,30CL(
図13B、
図14B))は、各棒部材76a,76aによってCD方向の外側へ移動されて吸収性本体10よりもCD方向の外側に突出した状態まで引き出される。一方、
図14Cに示すように前進限Pf2まで到達した各棒部材76a,76aは、押し込み部材73aの後退動作と連動して、後方且つCD方向の内側へと移動し、これにより、
図14Dに示すように後退限Pb2まで戻る。そして、
図14Aに示すように次のおむつ1が上記の隙間G60の位置に到達するまで、後退限Pb2の位置で待機する。
【0082】
なお、ここで、
図15に示す間隙D30、すなわち、前述の延板状態において一対のベルト部材30,30同士の間に形成されるCD方向の間隙D30に基づけば、各ベルト部材30,30のCD方向の外側への移動を、より円滑に行えるようになる。すなわち、仮に一対のベルト部材30,30同士の間に間隙D30が無くてこれらベルト部材30,30同士が厚さ方向に重なり合っている場合には、上述のCD方向の移動時に、一対のベルト部材30,30同士の間に摺動起因の摩擦抵抗力が生じ得て、当該摩擦抵抗力は、上記の外側に移動することを阻害する。しかし、この点につき、
図15のようにCD方向の間隙D30が形成されていれば、かかる摩擦抵抗力の発生を確実に防ぐことができる。そして、その結果、一対のベルト部材30,30を円滑に外側へ移動できるようになる。
【0083】
また、この例では、前述のように着用対象者への肌ストレス軽減目的で、
図5に示すように各ベルト部材30におけるCD方向の内側の端部30ew1はCD方向に折り返されてホットメルト接着剤等で折り返し状態に固定されている。そして、これにより、ベルト部材30の曲げ剛性は高くなっている。よって、
図14Bに示すように吸収性本体10を二つ折りする際には、ベルト部材30は、自身の曲げ剛性に基づいてCD方向の外側に広がるような形状になり易く、このことも、上記のベルト部材30のCD方向の外側への円滑な移動に有効に寄与する。
【0084】
更に、この例では、
図3及び
図5に示すように、ベルト部材30には、糸状弾性部材35だけでなく脚回り開口部30HLの補強シート40も伸長状態で固定されている。そのため、
図14A及び
図14Bに示すような二つ折りの際には、糸状弾性部材35の収縮力に加えて補強シート40の収縮力もベルト部材30に作用して、これにより、ベルト部材30には、CD方向に沿った皺が深く形成される。そして、当該皺は、ベルト部材30がCD方向の外側に移動するように誘導し得て、その結果、ベルト部材30は速やかに外側に移動可能となる。
【0085】
図13Aに示すように、一対のニップロール80,80は、それぞれCD方向に沿った回転軸C80,C80回りに回転可能に定位置に支持されており、そして、かかる定位置は、押し込み機構73に係る押し込み部材73aの前進限Pf1(
図15)の近傍位置とされている。また、これら一対のニップロール80,80は、サーボモータ等の不図示の駆動源から駆動力を得て駆動回転する。よって、
図13Aのように押し込み部材73aから送られるパンツ型状態のおむつ1を速やかに受け取って、これを厚さ方向に挟圧しながら、下流のベルトコンベア85へと送り出す。そして、同コンベア85は、パンツ型状態のおむつ1を包装工程などの下工程へ搬送する。
【0086】
ところで、この第1実施形態では、引き出し機構76は、棒部材76a,76a及びその駆動源を有していたが、何等これに限らない。すなわち、おむつ1の一対のベルト部材30,30に対して、それぞれ、CD方向の外側を向いた外力を付与することにより、各ベルト部材30,30をCD方向の外側に移動することが可能な装置であれば、上記以外の装置を用いても良い。
図16A及び
図16Bは、かかる引き出し機構76の変形例の説明図である。
図16Aに示すように、この変形例では、上述の棒部材76a,76a及びその駆動源に代えて、CD方向の両側に拡縮変形する拡縮部材76b,76bが、押し込み部材73aにおけるCD方向の両側の各部分にそれぞれ搭載されていて、これにより、各拡縮部材76b,76bは、押し込み部材73aと一体となって前進動作及び後退動作をする。そして、後退限Pb1では、各拡縮部材76b,76bは、
図16AのようにCD方向に縮小した状態となっていて、これにより、前進動作において押し込み部材73aの先端部73aeが吸収性本体10の略中央位置CLL10に当たる際に、各拡縮部材76b,76bは、一対のベルト部材30,30同士の間のCD方向の間隙D30に速やかに入り込む。そして、前進限Pf1へ向けて前進する間には、
図16Bに示すように、各拡縮部材76b,76bは、それぞれCD方向に拡大して、これにより、対応する各ベルト部材30,30をCD方向の外側に移動する。一方、前進限Pf1に到達したら、各拡縮部材76b,76bは、押し込み部材73aと一緒に後退をするが、この後退中に、CD方向に縮小する。そして、次のおむつ1が上記の隙間G60の位置に到達するまで縮小状態で待機する。
【0087】
かかる拡縮部材76bの具体例としては、同
図16A及び
図16Bに示すようなパンタグラフ状部材76b1と、パンタグラフ状部材76b1を拡縮駆動するエアシリンダー等の駆動源(不図示)とを有したものでも良いし、或いは、不図示であるが、伸縮性の袋部材の内部への気体の給排操作によって同袋部材を膨張収縮変形させるものでも良い。
【0088】
更には、上記の拡縮部材76bに代えて、押し込み部材73aにおけるCD方向の両側の各部分に、空気などの気体を噴射する噴射孔(不図示)を設け、後退限Pb1から前進中の押し込み部材73aの先端部73aeが吸収性本体10の略中央位置CLL10に当接した時点で、上記噴射孔から気体を噴射することにより、一対のベルト部材30,30をそれぞれCD方向の外側に移動するようにしても良い。
【0089】
===第2実施形態===
図17は、第2実施形態の製造方法の手順を示す概略平面図である。
前述の第1実施形態では、
図11に示すように、一対のベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ吸収性本体の連続体10aのCD方向の各端部10aew,10aewにホットメルト接着剤等で接合後に、各ベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ折り返し線L30で折り返していたが、この第2実施形態では、
図17に示すように、各ベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ折り返し線L30で折り返した後に、各ベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ吸収性本体の連続体10aのCD方向の各端部10aewにホットメルト接着剤等で接合している。そして、主にこの点で上述の第1実施形態と相違し、これ以外の点は概ね同じである。そのため、以下では、主にこの相違点について説明し、同じ内容の説明については省略する。
【0090】
先ず、この第2実施形態の製造方法でも、
図17の左図のように、第1実施形態の第2工程たる「一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程」と同じ工程を経て、一対のベルト部材の連続体30a,30aが生成される。そして、この時点では、一対のベルト部材の連続体30a,30aは、これら連続体30a,30a同士の間に吸収性本体の連続体10aのCD方向の寸法よりも若干小さい間隔D30saを有した状態で搬送方向に搬送されている。
【0091】
次に、この状態で一対のベルト部材の連続体30a,30aを搬送方向に搬送しながら、同
図17の中央図のように、一対のベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ折り返し線L30,L30でCD方向の内側に折り返す。そして、これにより、CD方向の一方側及び他方側に位置する各ベルト部材の連続体30a,30aは、それぞれ、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に対向可能な状態となる。
【0092】
そうしたら、それよりも搬送方向の下流の位置で、当該一対のベルト部材の連続体30a,30aの搬送経路には、同
図17の右図のように吸収性本体の連続体10aが合流する。なお、この吸収性本体の連続体10aの生成については、第1実施形態の第1工程と同じ工程を経てなされる。
そして、この合流時には、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に、それぞれ、CD方向の一方側及び他方側に位置する各ベルト部材の連続体30a,30aが重ね合わせられるとともに、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の各端部10aew,10aewと、各ベルト部材の連続体30a,30aにおいてこれら各端部10aew,10aewと対向する部分とがホットメルト接着剤等で接合されて、これにより、一対のベルト部材の連続体30a,30aと吸収性本体の連続体10aとは、第1実施形態における第4工程を経た直後の状態となる。
よって、これ以降については、前述の第1実施形態の場合と同様に、
図12の第5工程と第6工程とを経て、その結果、
図3の延板状態のおむつ1が製造される。
【0093】
ちなみに、これら第1実施形態および第2実施形態では、ベルト部材の連続体30aを折り返し線L30でCD方向に折り返していたが、何等これに限らない。すなわち、
図18の断面図に模式的に示すように、脚回り開口部30HLが貫通形成されたベルト部材の連続体30aを折り返さずに、同連続体30aのCD方向の端部30aew2を吸収性本体の連続体10aのCD方向の端部10aewにホットメルト接着剤等で接合しても良い。
【0094】
更に、場合によっては、上記の折り返し線L30の省略に加えて、ベルト部材30への脚回り開口部30HLの貫通形成を省略しても良い。但し、この場合には、ベルト部材30は、吸収性本体10における長手方向の両端部10eLa,10eLbとは接合されるが、ベルト部材30の幅方向の外側の端部30ew2と吸収性本体10の幅方向の両端部10ewとの接合についてはなされない。そして、これら端部30ew2,10ew同士が離間可能に構成されることで、当該端部30ew2,10ew同士の間が、前述の脚回り開口部30HLの代わりに脚回り開口部として機能することになる。
【0095】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0096】
上述の第1実施形態では、
図13Aに示すように、二つ折り装置の一例として押し込み機構73を例示したが、何等これに限らない。すなわち、吸収性本体10の略中央位置CLL10などの所定位置CLL10に対して、吸収性本体10の肌側から非肌側へ向かう方向の外力を付与することにより、同本体10を二つ折りすることが可能な装置であれば、これ以外の装置を用いても良い。例えば、吸収性本体10を上記所定位置CLL10で非肌側から摘まむとともに、摘まんだ状態で非肌側の方へ移動することにより、吸収性本体10を二つ折りする装置を使用しても良いし、或いは、おむつ1が前述の隙間G60の位置を通過する際に、吸収性本体10の上記所定位置CLL10に向けて空気等の気体を断続的に噴射することにより、上記の外力を付与しても良い。
【0097】
上述の第1実施形態では、
図19Aの概略断面図に示すように、延板状態のおむつ1の生成工程における第3工程、すなわち「吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程」においては、ベルト部材の連続体30a,30aを主にトップシートの連続シート13aにおけるCD方向の各端部13aew,13aewに接合していたが、何等これに限らない。すなわち、
図19Bの概略断面図に示すように、ベルト部材の連続体30a,30aを主にバックシートの連続シート15aにおけるCD方向の各端部15aew,15aewに接合しても良い。なお、この場合には、上記の第3工程においては、バックシートの連続シート15aの平面サイズが、
図19Bに示すように、トップシートの連続シート13aよりもCD方向の両側に突出するような平面サイズにされているとともに、当該バックシートの連続シート15aのうちでCD方向の両側に突出する各部分15aew,15aewに、それぞれ、各ベルト部材の連続体30a,30aが接合されることになる。また、このことは前述の第2実施形態についても同様であり、その内容については、上述の記載内容に基づいて容易に想到可能であるので、その説明については省略する。ちなみに、ベルト部材の連続体30aが、トップシートの連続シート13aとバックシートの連続シート15aとの両者に接合される場合の上記の「主に接合されるシート」の意味は、「ベルト部材の連続体30aへの接合面積が大きい方のシート」と言う意味である。例えば、前者たる
図19Aの例では、上記の接合面積を比べた場合に、バックシートの連続シート15aよりもトップシートの連続シート13aの方が大きいことから、主にトップシートの連続シート13aに接合されていると言っている一方、後者たる
図19Bの例では、上記の接合面積を比べた場合に、トップシートの連続シート13aよりもバックシートの連続シート15aの方が大きいことから、主にバックシートの連続シート15aに接合されていると言っている。
【0098】
上述の第1実施形態では、
図19Aの概略断面図に示すように、一対のベルト部材の連続体30a,30aと吸収性本体の連続体10aとをそれぞれ生成した後に、これら一対のベルト部材の連続体30a,30aと吸収性本体の連続体10aとを接合していたが、何等これに限らない。例えば、
図20A及び
図20Bの概略断面図に示すように、吸収性本体の連続体10aの生成前に、同連続体10aを構成するトップシートの連続シート13a又はバックシートの連続シート15aに一対のベルト部材の連続体30a,30aを接合しても良い。詳しくは、
図20Aに示すように、トップシートの連続シート13aの非肌側面におけるCD方向の各端部13aew,13aewにそれぞれ各ベルト部材の連続体30a,30aを接合した後に、吸収体11が接合されたバックシートの連続シート15aが、トップシートの連続シート13aとベルト部材の連続体30a,30aとに対してそれぞれ非肌側から重ね合わせられて接合されても良いし、或いは、
図20Bに示すように、吸収体11が肌側面に載置固定されたバックシートの連続シート15aの肌側面におけるCD方向の各端部15aew,15aewに、それぞれ各ベルト部材の連続体30a,30aを接合した後に、トップシートの連続シート13aが、バックシートの連続シート15aと吸収体11とベルト部材の連続体30a,30aとに対してそれぞれ肌側から重ね合わせられて接合されても良い。そして、このようにした場合には、
図20Cの概略断面図の構造のおむつ1を製造可能となる。すなわち、ベルト部材30の幅方向の各端部30ew2,30ew2が吸収性本体10のトップシート13とバックシート15との間に介挿された構造のおむつ1を製造可能となる。
上述の実施形態では、
図6Aに示すように、脚回り開口部30HLの形状は、吸収性本体10の長手方向に沿った直線に関して非対称形状とされていたが、何等これに限らず、対称形状でも良い。また、上述の実施形態では、脚回り開口部30HLは、ダイカッター装置の抜き刃等で打ち抜かれて形成されていた。すなわち、脚回り開口部30HLと同形状の抜き屑を生じながら、同脚回り開口部30HLは形成されていたが、何等これに限らない。すなわち、場合によっては、脚回り開口部30HLを、スリットの形態、つまり、直線、曲線、角張ったジグザク線、及び丸みを帯びた波線等の切断線の形態で形成しても良く、この場合には、脚回り開口部30HLを形成する際に抜き屑は生じない。
【0099】
上述の実施形態では、
図11に示すように、ベルト部材の基材シート30saに脚回り開口部30HLを形成した後に、同基材シート30saを折り返し線L30でCD方向の内側に折り返していたが、何等これに限らない。例えば、折り返した後に、折り返し線L30を含むように脚回り開口部30HLを形成しても良い。そして、この場合には、搬送方向たる長手方向に沿った直線に関して線対称な形状の脚回り開口部30HLが形成されることになる。
【0100】
上述の実施形態では、
図5及び
図6Bに示すように、不織布31,32を二枚重ねにしてベルト部材30を形成していて、これにより、
図9の中央図に示すように、ベルト部材の連続体30aに係る基材シート30sha(30sa)は、非肌側面をなす非肌側基材シート30sha1と肌側面をなす肌側基材シート30sha2とを有していたが、何等これに限らない。すなわち、非肌側基材シート30sha1及び肌側基材シート30sha2のうちのどちらか一方のシートのみでも良いし、或いは、非肌側基材シート30sha1及び肌側基材シート30sha2に加えて更に別の基材シートを一枚または複数枚積層しても良い。また、更に言えば、上記の不織布に代えて、織布やフィルムを用いて基材シート30sha(30sa)を形成しても良い。
【0101】
上述の実施形態では、
図6Aに示すように、折り返し線L30を幅方向(CD方向)に跨ぐようにベルト部材30に脚回り開口部30HLを形成していたが、何等これに限らない。すなわち、
図21Aに示すように、ベルト部材30において折り返し線L30と吸収性本体10との間の部分に脚回り開口部30HLを形成しても良いし、或いは、
図21Bに示すように、ベルト部材30において折り返し線L30と胴回り開口部1HBとなる端部30ew1との間の部分に脚回り開口部30HLを形成しても良い。
更に言えば、ベルト部材30に脚回り開口部30HLを形成する代わりに、
図22に示すように、吸収性本体10における幅方向の両側の部分にそれぞれ脚回り開口部10HL,10HLを形成しても良い。
【0102】
上述の実施形態では、
図6Aに示すように、ベルト部材30に折り返し線L30を設定していたが、何等これに限らない。例えば、
図22に示すように、上記の折り返し線L30,L30に代えて、吸収性本体10における幅方向の両側の部分にそれぞれ折り返し線L10,L10を設定しても良い。
【解決手段】吸収性物品の製造方法である。液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材であって、前記吸収性本体における前記長手方向の各端部に固定された前記一対のベルト部材と、前記幅方向の両側にそれぞれ形成された脚回り開口部と、を有した完成前の状態の吸収性物品を生成することと、前記吸収性本体の肌側面が内側となるように、二つ折り装置が前記吸収性本体を前記長手方向の所定位置で二つ折りすることと、前記二つ折りすることを行いながら、突出装置が前記一対のベルト部材を前記幅方向の外側に移動することによって、前記吸収性本体よりも前記幅方向の外側に前記ベルト部材を突出させることと、を有する。