(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記第1の所定時間経過後、前記第2の所定時間までは前記振れ補正を時間経過に従って減衰させ、かつ、前記補正光学系を前記ロック手段による前記繋止される位置に概移動させること
を特徴とする請求項3乃至4記載の振れ補正レンズ。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を具体的例を用いて説明する。尚、補正レンズを光軸に直交する2方向に可動する手段、補正レンズの位置検出メカ等は従来技術を用いるものとして、それ以外の従来技術との相違部分を説明し、又、振れの検出、補正レンズの位置検出、駆動等のメカ、及び、回路等でヨーイング方向とピッチング方向で2方向必要なものがあるが各方向で同様の構成となるため、説明は1方向のみとする。
【0034】
図1は本発明を一眼レフカメラに応用した振れ補正カメラの実施形態を示すブロック図であり、カメラボディ1と、それに着脱可能な振れ補正機能を有するレンズ鏡筒2より構成される。
【0035】
カメラボディ1内には、ワンチップマイクロコンピュータであるボディMCU20があり、カメラ側の全動作を制御する。ボディMCU20には、レリーズ釦(不図示)の半押しによりオンする半押しスイッチ23、及び、レリーズ釦の全押しによりオンする全押しスイッチ24、オン状態で振れ補正関連の動作を含めたほぼ全てのカメラボディ側の動作が許可され、オフ状態ではほぼ全てのカメラ側の動作を禁止する為のメインスイッチ22、フィルム給送回路25、ミラーアップ駆動回路26、及び、レンズ間通信回路21が接続されている。
【0036】
ボディMCU20は、メインスイッチ22、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識可能で、又、レンズ間通信回路21を通じて、レンズ鏡筒2が装着された状態でレンズ鏡筒と通信を行うことができる。又、ボディMCU20は、フィルム給送回路25を通じてフィルム給送モータ27を制御し、撮影フィルムの巻き上げ、巻き戻し等の制御を行う。又、ボディMCU20は、ミラーアップ駆動回路26を通じてミラー駆動モータ28を制御し、ミラー(不図示)をアップ、或いは、ダウンさせることができる。
【0037】
その他、カメラボディ1には、撮影フィルムに露光させるシャッタ機構(不図示)があり、公知の技術による駆動回路を用いてボディMCU20により制御がなされる。また、各回路を動作させる為、及び、レンズ鏡筒2に供給す為の電源、その他電気的な回路等が必要であるが、本発明の主意には関連しないため省略する。
【0038】
一方、レンズ鏡筒2は以下から構成される。
【0039】
3,4、5は、撮影レンズで、その内の4は補正レンズであり、振れ補正光学系駆動手段34により振れ補正の動作を行う為に光軸6と直交する平面内でその可動範囲内でシフト可能なよう構成される。13は、補正レンズ位置検出回路であり、補正レンズ4の位置を検出する。
【0040】
14は、補正レンズ駆動回路であり、振れ補正の動作時、及び、補正レンズ4をその可動範囲の概中央付近に繋止する場合に補正レンズ4を駆動する為の回路である。後述のレンズMCU10からの補正レンズ目標位置信号と補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号とにより、補正レンズ4を補正レンズ目標位置に保つ様にフィードバック制御する。
【0041】
補正レンズ4のその可動範囲の概中央に繋止するロック手段としては、前述の従来技術による
図2に示されるロック機構を用い、15は、電磁ロック駆動回路であり、
図2に示されるラッチソレノイドを構成するコイル33の通電を制御する。
【0042】
12は、振れ検出回路であり、レンズ鏡筒2に生じた振れを検出する。例えば、レンズ鏡筒2に生じた振れによる角速度を検出し、それを振れ信号として出力する。
【0043】
16は、書き換え可能な不揮発性記憶手段としてのEEPROMであり、振れ補正関連の調整値、或いは、本発明に関わる所定のパラメタを記憶する。
【0044】
又、レンズ鏡筒2には、
図8に示される通り、振れ補正モードセレクタが取り付けられていている。振れ補正モードセレクタには、ユーザが操作する部材で、振れ補正を行う状態(振れ補正オン)と振れ補正を行わない状態(振れ補正オフ)の状態を持ち、本振れ補正モードセレクタは、17の振れ補正モードスイッチa、及び、18の振れ補正モードスイッチbに連動する。
図8に示される通り、振れ補正モードセレクタを”振れ補正オン”とすると、振れ補正モードスイッチa17は”オン状態”、振れ補正モードスイッチb18は”オフ状態”であり、又、”振れ補正オフ”とすると、振れ補正モードスイッチa17は”オフ状態”、振れ補正モードスイッチSWb16は”オン状態”となる。
振れ補正モードセレクタは、公知の技術により、”振れ補正オン”から”振れ補正オフ”の状態へ、又、その逆の”振れ補正オフ”から”振れ補正オン”の状態へ変化させる場合、適当なクリック感によりその中間位置には停止しないような構成をとり、又、その中間位置にある場合、振れ補正モードスイッチa17、及び、振れ補正モードスイッチb18は共に”オフ状態”となり、”振れ補正オン”から”振れ補正オフ”への変化、及び、その逆への変化を認識可能なように構成する。
【0045】
又、10は、ワンチップマイクロコンピュータで構成されるレンズMCUであり、振れ補正モードスイッチa17、振れ補正モードスイッチb18の状態を認識すると共に、レンズ内の全ての回路を制御し、又、本レンズ鏡筒2がカメラボディ1に装着された状態で、ボディ間通信回路11を通じてカメラボディ1との通信を行う。又、本レンズ鏡筒内の回路の電源は、公知の技術によりカメラボディ1から供給されるものとする。
【0046】
次に、
図3、
図4、及び、
図5を用いて第1の問題、つまり、ファインダの見栄え、及び、それに関連した問題の解決の具体的方法を記す。
図3、
図4、及び、
図5は、カメラボディ1のメインスイッチ22、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態とカメラボディ1からレンズ鏡筒2への指示と、その指示に対するレンズ鏡筒2の動作を示すタイミングチャートである。
【0047】
図3でこれを説明する。まず、カメラボディ1側の動作を記す。カメラボディ1の動作は、全てボディMCU20により行われ、以下ボディMCU20の動作を示す。ボディMCU20は、メインスイッチ22、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識し、本例では、メインスイッチ22は既にオン状態となっていて、タイミングt10に於いて半押しスイッチ23がオンしたことを認識する。ボディMCU20は、タイミングt10で半押しスイッチ23がオンしていることを認識すると、レンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”振れ補正開始指示”をする。又、ボディMCU20は、半押しスイッチ23がオフしたタイミングt14にて、レンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて”振れ補正終了指示”をする。
【0048】
一方、ボディMCU20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズMCU10によりその動作が行われる。本
図3の動作が開始されるタイミングで、補正レンズ4は、既に電磁ロック駆動回路15、及び、
図2で示される電磁ロック機構により、その可動範囲の概中央に繋止、つまりは、電磁ロックされた状態であるものとする。レンズMCU10は、タイミングt11に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”振れ補正開始指示”を受けると、タイミングt12に於いて補正レンズ駆動回路14に、電磁ロックを解除しやすいよう、現在の補正レンズ位置より若干、その位置を浮かせた位置に保持するよう指示する。具体的には、レンズMCU10は、タイミングt11の於ける補正レンズ4の位置を補正レンズ位置検出回路13からの信号により認識し、それより若干、浮かせた位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御する。次に、レンズMCU10は、タイミングt12から所定時間T4(t12〜t13)だけ経過したタイミングt13まで電磁ロック駆動回路15を通じて電磁ロック用ラッチソレノイドのコイル33に電磁ロックが解除される方向(
図3の例では+方向に通電している)に通電を行う。
このことにより、
図2で示される電磁ロック機構により、電磁ロックピン31が、電磁ロック穴30aから抜かれ、補正レンズ4は、その定められた可動範囲内で自由に可動可能な状態となる。
図3に示された”補正レンズ可動範囲上限”、及び、”補正レンズ可動範囲下限”は、
図2で示される”電磁ロックされた状態”でのロック穴30aのガタ量分の補正レンズの可動範囲から、”電磁ロックが解除された状態”での補正レンズ4の可動範囲が広がるのを模式的に示したものである。次に、タイミングt11からタイミングt13までの電磁ロック解除動作が終了すると、レンズMCU10は、タイミングt13から振れ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じた振れ量信号に応じて、像面、或いは、撮像面での振れを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、或いは、撮像面の手振れによる振れが補正される。
【0049】
次に、レンズMCU10は、タイミングt14に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”振れ補正終了指示”を受けると、t15に於いてEEPROM16から所定時間T1(t16〜t17)、及び、T2(t17〜t18)を読み込み、EEPROMの読み込みの終了したタイミングt16から読み込まれたT1時間が経過したタイミングt17までの間は、タイミングt13から開始された振れ補正の動作を引き続き行い、タイミングt17から時間T1が経過したタイミングt17から補正レンズ目標位置を数1により算出する。
【0050】
(数1)
補正レンズ目標位置=W×LC+(W−1)×LC0
ここで、Wは数2で算出される補正レンズ目標位置重み付け比率であり、タイミングt17からの経過時間tに比例して減少する関数であり、タイミングt17にてW=1、タイミングt18にてW=0となる。
【0051】
(数2)
W=(T2−t)/T2
LCは、振れ補正量であり、振れ検出回路12の出力から算出され、補正レンズ駆動回路14にこの量を補正レンズ目標位置として指示した場合には、タイミングt13からタイミングt17まで行われている振れ補正の動作と同様、像面、或いは、撮像面の手振れが適正に行われる。又、LC0は、
図2に示される電磁ロック機構により、補正レンズ4が電磁ロックする時の目標位置となる電磁ロックセンタ位置であり、
図2に於けるロック穴30aのガタの中心位置とする。T2は、タイミングt15からタイミングt16でEEPROM16から読み込まれた値である。このことにより、タイミングt17からタイミングt18までの間、補正レンズ目標位置は、タイミングt17からの経過時刻に応じて徐々に振れ補正のゲインが減少し、かつ、次第に電磁ロックセンタ位置LC0に近づいて行き、タイミングt18にて電磁ロックセンタ位置LC0となり、補正レンズ駆動回路14により、補正レンズ目標位置に補正レンズ4が制御される。
【0052】
次に、タイミングt18からは、補正レンズ目標位置を電磁ロックセンタ位置LC0に保ち、補正レンズ位置検出回路13により検出された補正レンズ位置が所定範囲に、具体的には、電磁ロックセンタ位置LC0を基準に±所定値ΔLlock1の範囲に所定時間T3(t18〜t19)継続して位置したか否かを判定し、タイミングt19にてそれを満たした為、電磁ロック駆動回路15を通じて電磁ロック用ラッチソレノイドのコイル33に電磁ロックがかかる方向(
図3の例では−方向に通電している)に通電を所定時間T5(t19〜t20)だけ行う。このことにより、
図2で示される電磁ロック機構により、ロックピン31が、ロック穴30aに挿入され、補正レンズ4はその可動範囲の概中央に電磁ロックされる。
【0053】
なお、所定値ΔLlock1は、少なくとも
図2で示されるロック穴39aの片側のガタ量よりも小さい値に設定し、また補正レンズ4の位置が所定時間T3の間連続してこの範囲に位置することで、タイミングt19からの電磁ロック用ラッチソレノイドのコイル33への通電により確実にロックピン31がロック穴30aに挿入されることを判断している。
【0054】
以上、
図3を用いて述べた通り、レリーズ釦の半押しによりオンする半押しスイッチ23のオンにて振れ補正動作が開始され、又、半押しを解除し、半押しスイッチ23がオフすると、所定時間T1間、振れ補正を継続し、その後、所定時間T2間、振れ補正のゲインが時間と共に減少すると共に補正レンズ4がその可動範囲の概中央の電磁ロックセンタ位置にセンタリングされ、電磁ロック機構により補正レンズ4は、その可動範囲の概中央に電磁ロックされる。従来技術では、振れ補正の終了時、振れ補正のゲインをそのまま時間と共に減少させるだけであったが、所定時間T1間に振れ補正を継続し、その後、所定時間T2をかけて振れ補正のゲインを減少させるようにした為、従来技術によるものより、ファインダ像にて観測するユーザに違和感を与えない。又、この所定時間T1、及び、T2は、書き換え可能な不揮発性記憶手段であるEEPROM16により読み込まれた値としている為、本実施の形態によるレンズ鏡筒を、例えば、ユーザがサービスセンタ等に持ち込めば、公知の技術によりこのEEPROM16に書き込まれている所定値T1,及び、T2を書き換えることが可能であり、1人1人のユーザの感覚に合わせて最適化することが可能であり、さらに従来技術に比べ、半押しをオフした後の振れ補正の終了時のファインダ像の感触を良くすることができる。
【0055】
次に、
図4を用いて振れ補正の動作中にカメラボディ1のメインスイッチ22がオフした場合の動作を記す。
図4におけるタイミングt30からタイミングt36までの動作は、
図3に於けるタイミングt10からタイミングt16までの動作と同様であり、説明を省き、タイミングt37からの動作を記す。まず、カメラボディ1側の動作を記す。カメラボディ1の動作は、全てボディMCU20により行われ、以下ボディMCU20の動作を示す。ボディMCU20は、タイミングt37に於いてメインスイッチ22がオフしたことを認識し、レンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて”電磁ロック指示”をする。
【0056】
一方、ボディMCU20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズMCU10によりその動作が行われる。タイミングt37時点で、
図3と同様、カメラボディ1からの”振れ補正終了指示”に従い、所定時間T1の間に行われる振れ補正を行っていて、まだ、所定時間T1が経過していない状態である。
【0057】
カメラボディ1からタイミングt37に於いて”電磁ロック指示”がなされると、レンズMCU10は、タイミングt38からは、補正レンズ目標位置を数3により算出する。
【0058】
(数3)
補正レンズ目標位置=W’×LC+(W’−1)×LC0
ここで、W’は数4で算出される補正レンズ目標位置重み付け比率であり、タイミングt38からの経過時間tに比例して減少する関数であり、タイミングt38にてW’=1、タイミングt39にてW’=0となる。
【0059】
(数4)
W’=(T2’−t)/T2’
LCは、振れ補正量であり、振れ検出回路12の出力から算出され、もし、補正レンズ駆動回路14にこの量を補正レンズ目標位置として指示した場合にはタイミングt33からタイミングt38まで行われている振れ補正の動作と同様、像面、或いは、撮像面の手振れによる振れが適正に行われる。又、LC0は、
図2に示される電磁ロック機構により、補正レンズ4が電磁ロックする時の目標位置となる電磁ロックセンタ位置であり、
図2に於けるロック穴30aのガタの中心位置とする。T2’は、
図3で示される例で用いた所定値T2より短い値とする。このことにより、タイミングt38からタイミングt39までは、補正レンズ目標位置は、タイミングt38からの経過時刻に応じて徐々に振れ補正のゲインが減少し、かつ、次第に電磁ロックセンタ位置LC0に近づいて行き、タイミングt39にて電磁ロックセンタ位置LC0となり、補正レンズ駆動回路14により、その補正レンズ目標位置に補正レンズ4が制御される。
【0060】
次に、タイミングt39からタイミングt41の補正レンズの電磁ロックの動作は
図3と同様である為、省略する。
【0061】
次に、
図5を用いて振れ補正の動作中にカメラボディ1のメインスイッチ22がオフした場合の他の実施形態を示す。
図5におけるカメラボディ1の動作、及び、タイミングt50からタイミングt57までのレンズ鏡筒2の動作は、
図4に示される動作と同様であるため、その相違のみ以下に記す。
【0062】
レンズMCU10は、タイミングt57時点で、
図4と同様、カメラボディ1からの”振れ補正終了指示”に従い、所定時間T1の間に行われる振れ補正を行っていて、まだ、所定時間T1が経過していない状態である。
【0063】
カメラボディ1からタイミングt57に於いて”電磁ロック指示”がなされると、レンズMCU10は、タイミングt58からは、補正レンズ目標位置を数5により算出する。
【0064】
(数5)
補正レンズ目標位置=LR0+(LC0−LR0)×t/T2”
ここで、tは、タイミングt58からの経過時間、LC0は、
図2に示される電磁ロック機構により、補正レンズ4が電磁ロックする時の目標位置となる電磁ロックセンタ位置であり、
図2に於けるロック穴30aのガタの中心位置、LR0は、タイミングt58に於ける補正レンズ位置検出回路13により出力される補正レンズ位置である。又、T2”は、
図3で示される例で用いた所定値T2より短い値とする。
【0065】
このことにより、タイミングt58からタイミングt59までは、補正レンズ目標位置は、タイミングt58からの経過時刻に応じて徐々に電磁ロックセンタ位置LC0に近づいて行き、タイミングt59にて電磁ロックセンタ位置LC0となり、補正レンズ駆動回路14により、その補正レンズ目標位置に補正レンズ4が制御される。
【0066】
次に、タイミングt59からタイミングt61の補正レンズの電磁ロックの動作は
図3と同様である為、省略する。
【0067】
以上、
図4、及び、
図5を用いて述べた通り、
図3で述べたと同様にレリーズ釦の半押し操作が解除され、半押しスイッチ23がオフしたことに応じて、所定時間T1だけ、振れ補正の動作を行い、その後、所定時間T2をかけて徐々に振れ補正の動作を終了するが、カメラボディ1のメインスイッチ22がオフされた場合には、少なくとも
図3で示される振れ補正の動作の終了時に比べ、より早く振れ補正の動作を終了し、補正レンズ4をその可動範囲の概中心位置へと電磁ロックする。このことにより、ユーザがカメラの電源をオフしようとしてカメラ電源スイッチをオフしても、しばらく振れ補正が行われてしまい、ユーザに違和感を与えてしまう問題が解決される。
【0068】
次に、
図8を用いて振れ補正の動作中にレンズ鏡筒2の振れ補正モードセレクタが”振れ補正オン”状態から”振れ補正オフ”状態に変化した場合の実施形態を示す。
【0069】
レンズMCU10は、タイミングt120時点で、
図3と同様、カメラボディ1からの”振れ補正開始指示”に従い、振れ補正の動作をしている状態である。
【0070】
レンズMCU10は、タイミングt120に於いて振れ補正モードセレクタの状態が、”振れ補正オン状態(振れ補正モードスイッチaがオン、振れ補正モードスイッチbがオフの状態)”から”中間位置状態(振れ補正モードスイッチaがオフ、振れ補正モードスイッチbがオフの状態)状態”へと変化したため、レンズMCU10は、タイミングt120からは、補正レンズ目標位置を前述の
図5におけるタイミングt58からタイミングt59と同様に数5により算出し、その後、補正レンズ目標位置が電磁ロックセンタ位置に達したタイミングt121以降は補正レンズ目標位置を電磁ロックセンタ位置に保持する。ここで、tは、タイミングt120からの経過時間、LC0は、
図2に示される電磁ロック機構により、補正レンズ4が電磁ロックする時の目標位置となる電磁ロックセンタ位置であり、
図2に於けるロック穴30aのガタの中心位置、LR0は、タイミングt120に於ける補正レンズ位置検出回路13により出力される補正レンズ位置である。又、T2”は、
図8で示される例で用いた所定値T2より短い値とする。この場合、
図5に示されるメインスイッチ22がオフした場合と同様の値とした。
【0071】
このことにより、タイミングt120からタイミングt121までは、補正レンズ目標位置は、タイミングt120からの経過時刻に応じて徐々に電磁ロックセンタ位置LC0に近づいて行き、タイミングt121にて電磁ロックセンタ位置LC0となり、それ以降、その位置に保持される。又、補正レンズ駆動回路14のより、その補正レンズ目標位置に補正レンズ4が制御される。
【0072】
次に、レンズMCU10は、タイミングt122にて振れ補正モードセレクタの状態が、”中間位置状態(振れ補正モードスイッチaがオフ、振れ補正モードスイッチbがオフの状態)状態”から、”振れ補正オフ状態(振れ補正モードスイッチaがオフ、振れ補正モードスイッチbがオンの状態)”へと変化したため、レンズMCU10は、タイミングt122からは、補正レンズ4を電磁ロックする動作を行う。タイミングt122からタイミングt124までのレンズMCU10の行う補正レンズ4の電磁ロックの動作は、
図5におけるタイミングt59からタイミングt61までの動作と同様であるため、説明を省く。
【0073】
以上、
図8を用いて述べた通り、振れ補正の動作が行われている間に、振れ補正モードセレクタが”振れ補正オン”状態から”振れ補正オフ”状態に変化した場合、
図5で示されるカメラボディ1のメインスイッチ22がオフした場合と同様、少なくとも
図3で示される振れ補正の動作の終了時に比べ、より早く振れ補正の動作を終了し、補正レンズ4をその可動範囲の概中心位置へと電磁ロックする。又、振れ補正モードセレクタが、”振れ補正オン状態”から”振れ補正オフ状態”に変化する途中の”中間位置状態”へ変化した時点で、既に補正レンズ4を電磁ロックセンタ位置にセンタリングし、その位置に保持されている為、振れ補正モードセレクタが”振れ補正オフ状態”に変化した時点で補正レンズをセンタリングする必要がなく、さらにより敏速に補正レンズ4の電磁ロックを行うこ
とができる。
【0074】
このことにより、ユーザが振れ補正をオフしようとして、振れ補正モードセレクタをオフしても、しばらく振れ補正が行われてしまい、ユーザに違和感を与えてしまう問題が解決される。
【0075】
次に、
図6を用いて第2の問題、つまり、補正レンズ4が何らかの原因で電磁ロックされなかった場合の問題の解決方法を記す。
【0076】
まず、カメラボディ1側の動作を記す。カメラボディ1の動作は、全てボディMCU20により行われ、以下ボディMCU20の動作を示す。ボディMCU20は、メインスイッチ22、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識し、本例では、まずメインスイッチ22はオフした状態にあるものとする。タイミングt70に於いて、メインスイッチ22がオンされ、この時、半押しスイッチ23、及び、全押しスイッチ24はオフの状態であった場合、タイミングt71から例えば所定間隔でレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”電磁ロック指示”を繰り返し行う。又、メインスイッチ22がオフされたタイミングt78からタイミングt79まではレンズ鏡筒2へ対して”電磁ロック指示”は行わず、再度、メインスイッチ22がオンされたタイミングt79以降、タイミングt80,タイミングt81、タイミングt82と例えば所定時間間隔でレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”電磁ロック指示”を繰り返し行う。
【0077】
一方、ボディMCU20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズMCU10によりその動作が行われる。本
図6の動作が開始されるタイミングで、補正レンズ4は、何らかの原因で電磁ロックが解除された状態となっていて、補正レンズ4は、重力によりその可動範囲のメカ端に移動した(落ちた)状態となっている。レンズMCU10は、タイミングt71に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”電磁ロック指示”を受けると、補正レンズ4が電磁ロックされているか否かを、補正レンズ位置検出回路13の信号により、補正レンズ4の位置を認識し、補正レンズ位置が電磁ロックセンタ位置を基準として所定範囲±ΔLlock2内にあるか否かを判定し、本場合、補正レンズ4が所定範囲±ΔLlock2の範囲にないとして、補正レンズ4は電磁ロックされていないと判断し、補正レンズ目標位置を数6により算出する。
【0078】
(数6)
補正レンズ目標位置=LR0+(LC0−LR0)×t/T7
ここで、tは、タイミングt71からの経過時間、LC0は、
図2に示される電磁ロック機構により、補正レンズ4が電磁ロックする時の目標位置となる電磁ロックセンタ位置であり、
図2に於けるロック穴30aのガタの中心位置、LR0は、タイミングt71に於ける補正レンズ位置検出回路13により出力される補正レンズ位置である。又、T7は、適当な所定値とする。
【0079】
算出された補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示することで、タイミングt71から所定時間T7経過したタイミングt72に於いて補正レンズ4は、ほぼ電磁ロックセンタ位置LC0に達し、その後、タイミングt72からは、
図3に於けるタイミングt18からタイミングt20に於ける電磁ロックの動作と同様の動作により、補正レンズ4を
図2で示される電磁ロック機構により、ロックピン31が、ロック穴30aに挿入され、補正レンズ4はその可動範囲の概中央に電磁ロックされる。
【0080】
尚、補正レンズ4が電磁ロックされているか否かを判定する所定範囲±Llock2は、
図2で示されるロック穴30aに起因するガタ量よりは大きい値とし、補正レンズ4の位置がこの範囲におさまらない場合には、補正レンズ4が電磁ロックされていないと見なせる値とする。
【0081】
又、レンズMCU10は、同様にタイミングt77、タイミングt80、タイミングt81、及び、タイミングt82に於いてもカメラボディ1から”電磁ロック指示”がなされるが、この場合には、補正レンズ4の位置が電磁ロックセンタ位置LC0に対して所定範囲±ΔLlock2内にあるため、補正レンズ4は電磁ロックがなされているとして、再度の電磁ロックさせる動作は行わない。
【0082】
以上、
図6で示されたカメラボディ1、及び、レンズ鏡筒2の動作により、何らかの原因で補正レンズが電磁ロックされないで、重力落下した状態にある場合、カメラボディ1のメインスイッチ22がオンの状態で、或いは、オフ状態にあっても、ユーザがメインスイッチ22をオンすることで復帰し、補正レンズ4は確実に電磁ロックされる。又、本問題解決の為に特別回路等の追加等が必要なく、コストアップすることもない。
【0083】
次に、第3の問題、つまり、露光時の振れ補正に関する問題を解決するための実施形態を
図7を用いて説明する。
【0084】
図7は、露光時のカメラボディ1のレンズ鏡筒2への指示とその指示に対するレンズ鏡筒2の動作を示すタイミングチャートである。
【0085】
まず、カメラボディ1側の動作を記す。カメラボディ1の動作は、全てボディMCU20により行われ、以下ボディMCU20の動作を示す。ボディMCU20は、半押しスイッチ23、全押しスイッチ24の状態を認識し、本例では、半押しスイッチ23は既にオン状態となっていて、タイミングt100に於いて全押しスイッチ24がオンしたことを認識すると、レンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”振れ補正停止指示”を指示した後、所定時間T13経過した後、ミラーアップの為にミラー駆動回路26を通じてミラー駆動用モータ28の駆動を開始する。続いて、そのタイミングから少なくともミラー駆動用モータ28の駆動開始により電池電圧への影響が概略おさまるだけの所定時間T14経過したタイミングt102に於いて、レンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて”露光時振れ補正開始指示”をすると共に、本タイミングt102から露光開始までの時間、
図7の例では所定時間T10をレンズ鏡筒2にレンズ間通信回路21を通じて指示する。
【0086】
次に、ボディMCU20は、ミラーアップがほぼ終了するタイミングでミラー駆動回路26を通じてミラー駆動モータ28を逆通電し、タイミングt105にてシャッタを開閉し、フィルムへの露光を行う。その後、タイミングt106にてシャッタの開閉が終了すると、タイミングt107にてレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”振れ補正停止指示”を指示した後、所定時間T15経過したタイミングt109にて、ミラーダウンの為にミラー駆動回路26を通じてミラー駆動用モータ28の駆動を開始すると共に、フィルム巻き上げの為にフィルム給送回路25を通じてフィルム給送モータ27の駆動を開始する。その後、ボディMCU20は、ミラーダウン、及び、フィルム巻き上げの動作をタイミングt110にて終了すると、タイミングt111にてレンズ間通信回路21を通じてレンズ鏡筒2に”振れ補正開始指示”を指示する。尚、
図7の例では、露光終了後のミラーダウンの動作終了時、及び、フィルム巻き上げの終了時にそれぞれミラー駆動用モータ28、フィルム給送モータ27に逆通電を所定時間印加し、急激にブレーキをかけるようにしている。これにより、カメラボディ1の電源電圧は、急激にその電圧が降下している。又、このタイミングと振れ補正の開始とが重ならないようにタイミングt110でミラー駆動用モータ28、フィルム給送モータ27の通電が終了した後のタイミングt111にて振れ補正の開始をレンズ鏡筒2に指示するようにしている。尚、ミラーダウンの動作終了時、及び、フィルム巻き上げの終了時にそれぞれミラー駆動用モータ28、フィルム給送モータ27のどちらか、或いは、両方ともに逆通電を用いたブレーキを施さない場合には、ミラーダウンの為のミラー駆動用モータ28の通電終了、或いは、フィルム巻き上げの為のフィルム給送モータ27への通電終了のどちらかのタイミングにて振れ補正の開始をレンズ鏡筒2に指示するようにしても構わない。
【0087】
一方、ボディMCU20の上記の指示に対してレンズ鏡筒2は以下のように動作を行う。レンズ鏡筒2の全ての動作は、レンズMCU10によりその動作が行われる。本
図7の動作が開始されるタイミングで、既にカメラボディ1からの指示により、振れ補正の動作を行っているものとする。
【0088】
レンズMCU10は、タイミングt100に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”振れ補正停止指示”を受けると、タイミングt101に於いて補正レンズ駆動回路15に、現在の補正レンズ位置を維持するよう指示する。具体的には、レンズMCU10は、タイミングt101に於ける補正レンズ4の位置を補正レンズ位置検出回路13からの信号により認識し、その位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御する。
【0089】
次に、レンズMCU10は、タイミングt102に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”露光時振れ補正開始指示”、及び、”露光開始までの時間T10”を受けると、タイミングt103から、時間T10で示される露光時刻(タイミングt105に相当する)に対して露光時の為の振れ補正の動作が少なくとも安定するのに必要な所定時間T11を残したタイミングt104までの間、補正レンズ4をその可動範囲のセンタ位置へとセンタリングする。具体的には、補正レンズ駆動回路15に、補正レンズ4の可動範囲の中央位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。或いは、
図7に示されるとおり、
図6のタイミングt71からタイミングt72と同様、補正レンズ目標位置をタイミングt103の補正レンズ位置を起点に、補正レンズ4の可動範囲中央位置を終点とした直線状に変化させることで、補正レンズ4をセンタリングしても構わない。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御し、タイミングt103からタイミングt104までの時間が十分にあれば補正レンズ4は、その可動範囲の概中央にセンタリングされ、又、タイムラグが短いカメラボディが装着された場合にも、極力、補正レンズ4は、その可動範囲の概中央にセンタリングされることとなる。
【0090】
次に、レンズMCU10は、カメラボディ1から指示された露光開始タイミングのタイミングt105の所定時間T11前のタイミングt104から露光の為の振れ補正を開始し、具体的には、振れ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じた振れ量信号に応じて、像面、或いは、撮像面での振れを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、或いは、撮像面の手振れによる振れが補正される。
【0091】
次に、レンズMCU10は、タイミングt107に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”振れ補正停止指示”を受けると、タイミングt108に於いて補正レンズ駆動回路14に、現在の補正レンズ位置を維持するよう指示する。具体的には、レンズMCU10は、タイミングt108に於ける補正レンズ4の位置を補正レンズ位置検出回路13からの信号により認識し、その位置を補正レンズ目標位置として補正レンズ駆動回路14に指示する。これにより、補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置に補正レンズ4が位置するようフィードバック制御する。
【0092】
次に、レンズMCU10は、タイミングt111に於いて、ボディ間通信回路11を通じてボディMCU20からの”振れ補正開始指示”を受けると、タイミングt112に於いて補正レンズ駆動回路15に、振れ検出回路12により検出されたレンズ鏡筒2に生じた振れ量信号に応じて、像面、或いは、撮像面での振れを補正するよう補正レンズ4を駆動すべく、補正レンズ目標位置を補正レンズ駆動回路14に指示する。補正レンズ駆動回路14は、指示された補正レンズ目標位置と、補正レンズ位置検出回路13からの補正レンズ位置信号を元に補正レンズ4を駆動し、像面、或いは、撮像面の手振れによる振れが補正される。
【0093】
以上、
図7に示されるカメラボディ1、及び、それに装着されたレンズ鏡筒2の動作により、補正レンズ4は、露光直前でセンタリングされ、その可動範囲のほぼ中央から振れ補正が開始される為、振れ補正可能な振れの量が大きく保てる。又、露光時の振れ補正の可能な補正レンズの範囲をメカ的に大きくすることも、コストアップすることも無しに実現できる。又、レリーズスイッチの全押しから露光までのタイムラグを変化させず、かつ、カメラボディによりこのタイムラグが異なってもそのタイムラグの時間に合わせ、補正レンズ4を露光前にその可動範囲の概中央位置にセンタリングされる。例えば、タイムラグが短いカメラボディが装着された場合には、少なくとも露光時刻に振れ補正が安定するまの時間T11を確保した上でできる限り補正レンズ4を可動範囲の概中央位置にセンタリングすることができ、タイムラグが長いカメラボディが装着された場合には、無論、補正レンズ4は、可動範囲の概中央位置にセンタリングされる。
【0094】
又、カメラボディ1の電源の負荷が大きいタイミング、具体的には、ミラーアップ、ダウンの為のミラーアップ駆動モータ28、フィルム給送モータ27の駆動開始、及び、駆動停止タイミングでは、振れ補正を停止し、補正レンズ4をその位置に保持している為、振れ補正の動作とカメラボディ1の大電流消費タイミングが重ならず、カメラボディ1の電池電圧が急激に下がってしまい、カメラボディ1の電気回路が正常に動作しなくなり、つまりは、振れ補正の動作が正常に動作しないばかりか、カメラボディ1の動作、例えば、露光の動作、巻き上げの動作等に異常を与えることがなくなった。