特許第6019906号(P6019906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019906
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】発光装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20161020BHJP
   H01L 33/52 20100101ALI20161020BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20161020BHJP
【FI】
   H01L33/60
   H01L33/52
   H01L33/50
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-175475(P2012-175475)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-36063(P2014-36063A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119301
【弁理士】
【氏名又は名称】蟹田 昌之
(72)【発明者】
【氏名】岡 祐太
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−004519(JP,A)
【文献】 特開2011−071242(JP,A)
【文献】 特許第4932064(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0193651(US,A1)
【文献】 特開2011−049516(JP,A)
【文献】 特開2008−282754(JP,A)
【文献】 特開2010−272653(JP,A)
【文献】 特開平05−121786(JP,A)
【文献】 特開2009−135485(JP,A)
【文献】 特開2009−238729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に実装された複数の発光素子と、前記複数の発光素子を囲む第1樹脂と、前記第1樹脂で囲まれた領域を仕切る仕切り部を有する第2樹脂と、を備える発光装置であって、
前記第1樹脂は光反射性樹脂であり、
前記第2樹脂は、透光性樹脂であり、前記仕切り部と繋がり且つ前記第1樹脂上で前記第1樹脂に沿って形成された終端部を有する、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子の一部は前記第2樹脂の仕切り部によって被覆されていることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2樹脂は2本隣接して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記隣接して形成されている2本の第2樹脂は、その終端部が、前記第1樹脂上で前記第1樹脂に沿って互い反対方向に向かって形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1樹脂に囲まれた領域は、前記仕切り部によって隔てられた第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域に実装された発光素子は、第1蛍光体を含有する第1封止部材によって封止され、
前記第2領域に実装された発光素子は、第2蛍光体を含有する第2封止部材によって封止される、
ことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
複数の発光素子が基板上に実装された発光装置の製造方法であって、
第1ノズルから第1樹脂を吐出させることにより前記複数の発光素子を囲む第1樹脂を前記基板上に塗布する第1樹脂形成工程と、
第2ノズルから第2樹脂を吐出させることにより前記第1樹脂で囲まれた領域の内側から外側に向かって前記基板上に前記第2樹脂を塗布した後、前記第2樹脂の吐出を止めて前記第2ノズルを前記第1樹脂に沿って移動させることにより前記第2ノズルから前記第2樹脂を切り離す第2樹脂形成工程と、
前記第2樹脂形成工程を繰り返すことにより、前記第1樹脂で囲まれた領域を前記第2樹脂で仕切る工程と、をし、
前記第1樹脂は光反射性樹脂であり、
前記第2樹脂は透光性樹脂である、
ことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記複数の発光素子の一部は前記第2樹脂によって被覆されることを特徴とする請求項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2樹脂は2本隣接して塗布されることを特徴とする請求項6または7に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記隣接する2本の第2樹脂を塗布した際に、前記第1樹脂上で前記第1樹脂に沿って互い反対方向に向けて前記第2ノズルを移動させることにより、それらの終端部を前記第1樹脂上で前記第1樹脂に沿って互い反対方向に向けて付着させる、ことを特徴とする請求項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1樹脂に囲まれた領域は、前記第2樹脂によって隔てられた第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域に実装された発光素子を第1蛍光体を含有する第1封止部材によって封止する工程と、
前記第2領域に実装された発光素子を第2蛍光体を含有する第2封止部材によって封止する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に樹脂性枠を環状に設け、この樹脂性枠に囲まれた部分を樹脂性隔壁で2個以上の区域に仕切り、各区域に発光部をそれぞれ形成した発光装置が提案された(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−4519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の発光装置は、まだまだ大型である。
【0005】
そこで、本発明は、従来よりも小型の発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。すなわち、基板と、前記基板上に実装された複数の発光素子と、前記複数の発光素子を囲む第1樹脂と、前記第1樹脂で囲まれた領域を仕切る仕切り部を有する第2樹脂と、を備える発光装置であって、前記第2樹脂は、前記仕切り部と繋がり且つ前記第1樹脂上で前記第1樹脂に沿って形成された終端部を有する、ことを特徴とする発光装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置の概略斜視図である。
図2A】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図である。
図2B】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図である。
図2C】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図である。
図2D】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図である。
図2E】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図である。
図2F】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る発光装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の概略斜視図である。
【0010】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る発光装置10は、基板20と、基板20上に実装された複数の発光素子30と(発光素子30は、第2樹脂50、第1封止部材60及び第2封止部材70によって被覆されているため、図1中には現れていない。)、複数の発光素子30を囲む第1樹脂40と、第1樹脂40で囲まれた領域を仕切る仕切り部50aを有する第2樹脂50と、複数の発光素子30を被覆する第1封止部材60及び第2封止部材70と、基板20上に設けられた複数の発光素子30に接続される配線パターン80と、を備えている。
【0011】
ここで、第2樹脂50は、終端部50bを有している。この終端部50bは、仕切り部50aと繋がり、且つ、第1樹脂40上で第1樹脂40に沿って形成されている。このような終端部50bを本発明の第1実施形態に係る発光装置10が有しているのは、次の理由による。
【0012】
すなわち、一般に樹脂を塗布する場合には、ノズルから樹脂を吐出してこれを基板上に塗布することになる。しかしながら、樹脂は、一定の粘性を有するため、これを所定の位置に塗布し終えても、ノズルから直ちに切り離すことができない。つまり、ノズルからの樹脂の吐出を止めてもノズルと樹脂はつながっているので、ノズルと樹脂を切り離すにはノズルをさらに移動させて余分な樹脂を基板に付着させる必要がある。したがって、その分だけ、基板上の領域が無駄に使用されてしまう。
【0013】
そこで、本発明の第1実施形態に係る発光装置10では、第1樹脂40については、複数の発光素子30を囲む形状に形成することにより、これを塗布し終えた際の余分な樹脂を第1樹脂40そのものに付着させることとし(より具体的には、余分な樹脂を終端部40bとして第1樹脂40の始端部40a上で第1樹脂40の始端部40aに沿って付着させる。なお、第1樹脂40の始端部40aと終端部40bとについては図2A乃至Fを参照。)、第2樹脂50については、第1樹脂40で囲まれた領域の内側から外側に向かって第1樹脂40に達するまでこれを塗布して仕切り部50aとした後、その余分な樹脂を終端部50bとして第1樹脂40上で第1樹脂40に沿って付着させることとした。
【0014】
このようにすれば、第1樹脂40及び第2樹脂50の余分な樹脂が基板20上に付着しないため、これらを付着させるための領域を基板20上に確保する必要がなくなり、基板20を小型化することができ、ひいては、従来よりも小型の発光装置を提供することが可能となる。
【0015】
なお、第2樹脂50を形成した後に第1樹脂40を形成する形態によっても、小型の発光装置を得ることは可能である(つまり、第2樹脂50の終端部50bを第1樹脂40の下に形成してもよい。)。しかし、この形態の場合、第1樹脂40と第2樹脂50が交差する部位において、第2樹脂50が第1樹脂40の形成方向に引っ張られてしまい、第2樹脂50を所望の形状に保つことが難しい。したがって、本発明の第1実施形態のように、第1樹脂40を形成した後に第2樹脂50を形成する(つまり、第2樹脂50の終端部50bを第1樹脂40上に形成する)ことが好ましい。
【0016】
以下、各部材の構成について詳細に説明する。
【0017】
[基板]
基板20には、例えば、セラミックス(Al、AlNなど)、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂などを用いることができる。
【0018】
[第1樹脂、第2樹脂]
第1樹脂40には、例えば、TiO、Al、ZrO、MgOなどの反射部材を含有したフェノール樹脂、エポキシ樹脂、BT樹脂、PPA樹脂、またはシリコン樹脂などの光反射性樹脂を用いることができる。また、第2樹脂50には、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、またはユリア樹脂などの光反射性樹脂や透光性樹脂を用いることができる。第2樹脂50には、着色剤や光拡散剤などを含有させてもよい。
【0019】
第2樹脂50に透光性樹脂を用いる場合、第2樹脂50において、隣接する領域(後述する第1領域20a、第2領域20b、第3領域20c、及び第4領域20d)の光を混色させることができる。また、複数の発光素子30のうちの一部が透光性の第2樹脂50で被覆されている場合、発光素子30からの光は第2樹脂50内を特に伝わり易い。
【0020】
この時、第2樹脂50が、第1樹脂40の外側まで形成されていると、駆動時において、第1樹脂40の外側で光っているように見えるので見た目を損ねてしまう。
【0021】
しかし、本発明の第1実施形態に係る発光装置10では、第2樹脂50の終端部50bを仕切り部50aと一直線に形成するのではなく、仕切り部50aから曲げて第1樹脂40と重ねて形成している。したがって、第1樹脂40の外側で、第2樹脂50内を伝わった光が放出されることがなく、見た目にも優れた発光装置とすることができる。
【0022】
なお、第2樹脂50が第1樹脂40の下に形成される場合は、第2樹脂50の終端部50bが第1樹脂40で被覆されていれば、駆動時において、第1樹脂40の外側で光っているように見えることはない。
【0023】
第2樹脂50の太さは第1樹脂40の太さよりも細くすることができる。こうすることで、第2樹脂50が第1樹脂40と重ねて形成される場合に、第2樹脂50が第1樹脂40の外側へ垂れる(第2樹脂50が第1樹脂40の下に形成される場合は、第1樹脂40の外側にはみ出す)ことを抑制しやすくなる。第1樹脂40の太さは、好ましくは0.5mm〜1.5mm、より好ましくは0.8mm〜1.2mmであり、第2樹脂50の太さは、好ましくは0.4mm〜1.4mm、より好ましくは0.7mm〜1.1mmである。
【0024】
第1樹脂40に囲まれた領域は、第2樹脂50の仕切り部50aによって隔てられた第1領域20a、第2領域20b、第3領域20c、及び第4領域20dを有している。本発明の第1実施形態では、第1樹脂40で囲まれた領域の形状を円形としているが、四角形、六角形、八角形などの多角形とすることもできる。また、本発明の第1実施形態では、4つの領域に隔てられる形態について説明するが、第1樹脂40に囲まれた領域は、第2樹脂50の仕切り部50aにより、2つの領域や3つの領域に隔てることもでき、また5つ以上の領域に隔てることもできる。
【0025】
[発光素子]
発光素子30は、第1領域20a、第2領域20b、第3領域20c、第4領域20d、及びこれらの領域間に生じた間隙(第2樹脂50の仕切り部50aが設けられた領域)に実装されている。複数の発光素子30の一部(各領域間に生じた間隙に実装された発光素子30)は、第2樹脂50の仕切り部50aによって被覆されている。発光素子30には、例えば、青色、青緑色、緑色、赤色などの光を発する各種発光ダイオードを用いることができる。
【0026】
本発明の第1実施形態では、第1領域20a乃至第4領域20dに実装された発光素子30に青色の光を発する発光素子を用い、各領域間に生じた間隙(第2樹脂50の仕切り部50aが設けられた領域)に実装された発光素子30には青緑色の光を発する発光素子を用いている。
【0027】
第1領域20a及び第3領域20cに実装された発光素子30は第1封止部材60に含まれる第1蛍光体(図示せず)を励起するためのものであり、第2領域20b及び第4領域20dに実装された発光素子30は第2封止部材70に含まれる第2蛍光体(図示せず)を励起するためのものである。また、各領域間に生じた間隙(第2樹脂50の仕切り部50aが設けられた領域)に実装された発光素子30は演色性をさらに向上させるためのものである。
【0028】
なお、上記は一例であって、どの領域に何色の光を発する発光素子を実装するかは、発光装置全体としての輝度や演色性などを総合的に考慮して決めればよい。
【0029】
[蛍光体、封止部材]
第1領域20a及び第3領域20cに実装された発光素子30は、第1蛍光体(図示せず)を含有する第1封止部材60によって封止され、第2領域20b及び第4領域20dに実装された発光素子30は、第2蛍光体(図示せず)を含有する第2封止部材70によって封止される。
【0030】
なお、例えば、第1蛍光体(図示せず)としては黄色に発光するYAG系蛍光体を用い、第2蛍光体(図示せず)としては赤色に発光するCASN系蛍光体を用いることができる。このようにすれば、一領域に発光色の異なる複数の蛍光体を混在しないため、蛍光体の二重励起が抑制され、輝度の高い発光装置を提供することが可能となる。また、発光装置10全体として発光色の異なる2種の蛍光体(黄色と赤色)を用いているので、一定以上の演色性を得ることができる。
【0031】
第1封止部材60や第2封止部材70には、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、またはユリア樹脂などを用いることができる。また、第1封止部材60や第2封止部材70には、着色剤、光拡散剤などを含有させてもよい。なお、第1封止部材60と第2封止部材70とには、異なる種類の封止部材を用いてもよい。
【0032】
なお、第1封止部材60と第2封止部材70とを被覆する被覆部材を設けてもよい。このような被覆部材は、例えば、第1樹脂40の外縁よりも内側に設けられ、第1領域20a、第2領域20b、第3領域20c、第4領域20d、及び第2樹脂50の仕切り部50aが設けられた領域をすべて一体として被覆する。被覆部材の材料としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂などを用いることができる。被覆部材には、着色剤、光拡散剤などを含有させてもよい。
【0033】
[配線パターン]
配線パターン80としては、Auなどを用いることができる。
【0034】
[製造方法]
図2A乃至Fは、本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する図であり、各図において、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)中のA-A断面図である。
【0035】
図2で示されるように、本発明の第1実施形態では、以下で説明する工程により、複数の発光素子30が実装された基板20上に第1樹脂40及び第2樹脂50を形成する。
【0036】
(第1樹脂形成工程)
まず、図2Aで示したように、第1ノズル100aから第1樹脂40を吐出させることにより複数の発光素子30を囲む第1樹脂40を基板20上に塗布する。
【0037】
その後、図2Bで示したように、第1樹脂40の吐出を止めて第1ノズル100aを第1樹脂40に沿って移動させることにより第1ノズル100aから第1樹脂40を切り離す。これにより、第1樹脂40の始端部40a上に第1樹脂40の終端部40bが形成される。このようにすれば、第1樹脂40を塗布する際に余分な樹脂が基板20に付着しない。
【0038】
(第2樹脂形成工程)
次に、図2Cで示したように、第2ノズル100bから第2樹脂50を吐出させることにより第1樹脂40で囲まれた領域の内側から外側に向かって基板20上に第2樹脂50を塗布する。
【0039】
その後、図2Dで示したように、第2樹脂50の吐出を止めて第2ノズル100bを第1樹脂40に沿って移動させることにより第2ノズル100bから第2樹脂50を切り離す。これにより、第1樹脂40上に第2樹脂50の終端部50bが形成される。このようにすれば、第2樹脂50を塗布する際に余分な樹脂が基板20に付着しない。
【0040】
(繰り返し)
次に、図2Eで示したように、第2樹脂形成工程を繰り返すことにより、第1樹脂40で囲まれた領域を第2樹脂50で仕切る。これにより、第2樹脂50の仕切り部50aが形成され、第1樹脂40に囲まれた領域が第1領域20a、第2領域20b、第3領域20c、及び第4領域20dに隔てられる。また、複数の発光素子30の一部(各領域間に生じた間隙に実装された発光素子30)が第2樹脂50の仕切り部50aによって被覆される。なお、本発明の実施形態では、第2樹脂50の始端部を重ねることにより4つの第2樹脂50を繋げている。第2樹脂50は一定の流動性があるので、重ねた部分であってもその表面はほぼ平坦となっている。
【0041】
(封止工程)
そして、図2Fで示したように、第1領域20a及び第3領域20cに実装された発光素子30を第1蛍光体(図示せず)を含有する第1封止部材60によって封止し、第2領域20b及び第4領域20dに実装された発光素子30を第2蛍光体(図示せず)を含有する第2封止部材70によって封止する。
【0042】
図3は、本発明の第2実施形態に係る発光装置の概略斜視図である。
【0043】
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る発光装置110は、第2樹脂50が2本隣接して形成されている点で、本発明の第1実施形態に係る発光装置と相違する。
【0044】
上記したように、複数の発光素子30の一部は、第2樹脂50の仕切り部50aによって被覆されるところ、本発明の第2実施形態に係る発光装置によれば、複数の発光素子30が多少ずれて配置されていても、これらを漏れ無く被覆することが可能となる。また、図3では、隣接する2本の第2樹脂50の仕切り部50aが分離した状態を示しているが、隣接する2本の第2樹脂50の仕切り部50aが部分的に重なってもよいことは言うまでもない。
【0045】
なお、隣接して形成されている2本の第2樹脂50は、その終端部50bが、第1樹脂40上で第1樹脂40に沿って互い反対方向に向けて付着されている。したがって、本発明の第2実施形態に係る発光装置110によれば、第2樹脂50の終端部50bが嵩張らず、小型の発光装置を提供することが可能となる。
【0046】
第1樹脂40上で第1樹脂40に沿って互い反対方向に向けて第2ノズル100bを移動させれば、隣接して形成されている2本の第2樹脂50の終端部50bを、第1樹脂40上で第1樹脂40に沿って互い反対方向に向けて付着させることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
10 発光装置
20 基板
20a 第1領域
20b 第2領域
20c 第3領域
20d 第4領域
30 発光素子
40 第1樹脂
40a 始端部
40b 終端部
50 第2樹脂
50a 仕切り部
50b 終端部
60 第1封止部材
70 第2封止部材
80 配線パターン
100a 第1ノズル
100b 第2ノズル
110 発光装置
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3