(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021105
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】服薬管理システム
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20161020BHJP
G06Q 50/24 20120101ALI20161020BHJP
【FI】
A61J7/00 Z
G06Q50/24
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-231332(P2012-231332)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-83057(P2014-83057A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591199741
【氏名又は名称】株式会社プロップ
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(73)【特許権者】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100069981
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 精孝
(74)【代理人】
【識別番号】100087860
【弁理士】
【氏名又は名称】長内 行雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166224
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 成夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 光也
(72)【発明者】
【氏名】大野 優子
(72)【発明者】
【氏名】山田 憲嗣
(72)【発明者】
【氏名】吉村 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 愛子
(72)【発明者】
【氏名】大畠 覚
(72)【発明者】
【氏名】小山田 安利
【審査官】
増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−030934(JP,A)
【文献】
特開昭63−160898(JP,A)
【文献】
特開2003−225284(JP,A)
【文献】
特開2010−005344(JP,A)
【文献】
特開2003−016182(JP,A)
【文献】
特開2011−200677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00−04
G06Q 50/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装された薬が収納され、服薬者ごとに配置される薬収納装置と、
服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を薬収納装置ごとに記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶される服薬情報を薬収納装置ごとに入力する入力手段と、
薬収納装置の薬を服薬者が服用したか否かを検知する服薬検知手段と、
服薬者の服薬を管理する管理者側に設けられた管理者側端末機と、
記憶手段に記憶された服薬情報と服薬検知手段の服薬検知結果情報を管理者側端末機に出力可能な出力手段とを備え、
前記薬収納装置は、薬が取り出された薬殻を受容する薬殻受容部と、薬殻受容部に薬殻が投入されたことを検知する薬殻センサとを有し、
前記服薬検知手段は、薬殻センサによって薬殻受容部への薬殻の投入が検知されたときに服薬者が薬を服用したものとして検知する
ことを特徴とする服薬管理システム。
【請求項2】
前記管理者側端末機として管理者が携帯可能な携帯端末機を備え、
前記薬収納装置に前記記憶手段及び前記服薬検知手段を設けるとともに、携帯端末機に前記記憶手段及び表示手段を設け、
薬収納装置と携帯端末機とを無線による服薬情報及び服薬検知結果情報の送受信を可能に構成した
ことを特徴とする請求項1記載の服薬管理システム。
【請求項3】
前記管理者側端末機として所定の場所に設置される主端末機を備え、
主端末機に前記記憶手段、入力手段及び表示手段を設け、
主端末機と携帯端末機とを無線による服薬情報及び服薬検知結果情報の送受信を可能に構成した
ことを特徴とする請求項2記載の服薬管理システム。
【請求項4】
前記薬収納装置の薬が服薬者によって服用されなかったことを所定の場所に報知する報知手段を備えた
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の服薬管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば病院等の医療施設、介護施設、自宅等において、薬の服用を必要とする患者に対し、薬の飲み忘れ防止や誤投薬防止等の服薬管理を行うための服薬管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院等の医療施設において、薬の服用を必要とする入院患者に対しては、患者ごとに用意された薬を看護師が患者まで持って行き、決められた時刻に服用するよう指示をしている。しかしながら、患者が薬を飲み忘れたり、故意に服薬を怠るなど、患者任せにしては服薬を徹底することができず、効果的な治療ができないという問題があった。一方、病院内では多くの入院患者に投薬する必要があるため、各患者一人ひとりの服薬状況を看護師が確認に行くことは困難であり、決まった時間に服薬するように指導できないという問題があった。
【0003】
そこで、従来では、薬を収納する薬収納部と、薬収納部の開閉を検知する開閉センサとを備えた薬箱を患者ごとに配置し、予め設定された服薬時刻に薬が服用されたか否かを薬収納部の開閉センサによって検知することにより、患者の服薬を管理するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−310715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来例では、服薬時刻に薬が服用されなかった場合は、アラームで患者に知らせることにより、患者に服薬を促すようにしているが、患者が実際に薬を服用したか否かの管理までは行うことができず、結局、自己管理に頼らざるを得ないという問題点があった。また、薬箱には患者ごとに用意された薬を毎日投入する必要があるが、薬の種類や数量は患者ごとに異なるため、患者数の多い病院では薬箱への薬の準備作業が煩雑になるという問題点もあった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、服薬者が薬を服用したか否かの管理を管理者によって行うことができるとともに、管理者による薬の準備作業を効率的に行うこともできる服薬管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の服薬管理システムは、前記目的を達成するために、
包装された薬が収納され、服薬者ごとに配置される薬収納装置と、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を薬収納装置ごとに記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶される服薬情報を薬収納装置ごとに入力する入力手段と、薬収納装置の薬を服薬者が服用したか否かを検知する服薬検知手段と、服薬者の服薬を管理する管理者側に設けられた管理者側端末機と、記憶手段に記憶された服薬情報と服薬検知手段の服薬検知結果情報を管理者側端末機に出力可能な出力手段とを備え
、前記薬収納装置は、薬が取り出された薬殻を受容する薬殻受容部と、薬殻受容部に薬殻が投入されたことを検知する薬殻センサとを有し、前記服薬検知手段は、薬殻センサによって薬殻受容部への薬殻の投入が検知されたときに服薬者が薬を服用したものとして検知することを特徴としている。
【0008】
これにより、薬収納装置の薬を服薬者が服用したか否かが服薬検知手段によって検知され、その服薬検知結果情報が管理者側端末機から出力されることから、服薬者が薬を服用したか否かの管理を管理者が行うことが可能となる。また、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報が管理者側端末機から出力されることから、薬収納装置に収納する薬の服薬情報の確認が容易になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、服薬者が実際に薬を服用したか否かの管理を管理者によって容易に行うことができるので、薬を飲まなかった患者への指導を効果的に行うことができ、薬の飲み忘れの防止を図ることができる。また、薬収納装置に収納する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報の確認を管理者が容易に行うことができるので、管理者による薬の準備作業を効率的に行うことができるとともに、誤投薬の防止を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態を示す服薬管理システムの構成図
【
図3】薬収納装置、主端末機及び携帯端末機の構成図
【
図8】本発明の他の実施形態を示す服薬管理システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図7は本発明の一実施形態を示すもので、例えば病院の入院患者に対する服薬の管理を行うための服薬管理システムに関するものである。
【0012】
この服薬管理システムは、薬1を服用する服薬者(患者)ごとに配置される薬収納装置10と、病院の所定の場所に設置される管理者側端末機としての主端末機20と、管理者が携帯可能な他の管理者側端末機としての携帯端末機30とを備えている。
【0013】
薬収納装置10は、包装された薬1を収納する薬トレイ11と、薬トレイ11の薬1を搬出する薬搬出部12と、薬1から取り出された中身1aを受容する薬受容部13と、中身1aが取り出された薬1の薬殻1bを受容する薬殻受容部14と、薬殻受容部14から薬殻1bを回収する薬殻回収部15とを備え、病院の病室2に配置されている。
【0014】
薬トレイ11は、内部が複数の収納部11aに仕切られており、各収納部11aには、一日分の薬として、朝、昼、夕方、就寝前に服用する薬1がそれぞれ収納されている。薬トレイ11は、薬収納装置10に出し入れ自在に設けられており、薬収納装置10のトレイ受け11bに装填されるようになっている。薬トレイ11には周知のRFIDタグ11cが取り付けられており、トレイ受け11bにはRFIDタグ11bの記憶情報を読み取る周知のタグリーダ11cが設けられている。この場合、薬トレイ11のRFIDタグ11cには、その薬トレイ11が用いられる薬収納装置10の識別情報(ID)が記憶されており、他の薬トレイ11が誤って装填されると、図示しないブザーによって警報が出力されるようになっている。
【0015】
薬搬出部12は、薬1を搬出する搬出口12aを有し、薬トレイ11の薬1を各収納部11aごとに搬出口12aに搬出するように構成されている。
【0016】
薬受容部13は、受け皿状に形成され、薬1から取り出された中身1aを一時的に受容するために設けられている。
【0017】
薬殻受容部14は、受け皿状に形成され、中身1aが取り出された薬1の薬殻1bを受容するようになっている。この場合、薬殻受容部14は、例えば底面を開閉することにより、薬殻1bを排出するようになっている。また、薬殻受容部14には、薬殻1bを検知する薬殻センサ14aが設けられ、薬殻センサ14aは、例えば周知の光センサや重量センサによって薬殻1bの有無を検知するようになっている。
【0018】
薬殻回収部15は、薬殻受容部14から排出された薬殻1bを受容可能に形成され、服用済みの薬1の薬殻1bを回収するようになっている。
【0019】
また、薬収納装置10は、赤外線通信等の無線により携帯端末機30と信号を送受信する送受信機16と、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を記憶する記憶部17と、薬収納装置10の動作を制御する第1の制御部18とを備えている。
【0020】
主端末機20は、例えば据置型のパーソナルコンピュータからなり、例えば病院内のナースステーション3と薬局4にそれぞれ設置されている。主端末機20は、赤外線通信等の無線により携帯端末機30と信号を送受信する送受信機21と、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を記憶する記憶部22と、記憶部22に記憶される服薬情報を薬収納装置10ごとに入力する入力部23と、記憶部22に記憶された情報を薬収納装置10ごとに出力可能な出力部24と、主端末機20の動作を制御する第2の制御部25とを備えている。この場合、出力部24は、ディスプレイ装置の画面出力装置やプリンタ等からなる。また、ナースステーション3の主端末機20と薬局4の主端末機20とは、ネットワーク回線等を通じて互いに接続され、記憶部22に記憶される情報が互いに一致するように同期している。
【0021】
携帯端末機30は、例えばモバイル型またはタブレット型のパーソナルコンピュータからなり、例えば病院内の複数の看護師がそれぞれ携帯するようになっている。携帯端末機30は、赤外線通信等の無線により主端末機20及び薬収納装置10と信号を送受信する送受信機31と、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を記憶する記憶部32と、記憶部32に記憶される服薬情報を薬収納装置10ごとに入力する入力部33と、記憶部32に記憶された情報を薬収納装置10ごとに出力する出力部34と、携帯端末機30の動作を制御する第3の制御部35とを備えている。この場合、出力部24は、携帯端末機30の画面出力部からなる。
【0022】
以上のように構成された服薬管理システムにおいては、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報がナースステーション3の主端末機20に薬収納装置10ごとに入力され、主端末機20の記憶部22に記憶される。この場合、ナースステーション3の主端末機20は薬局4の主端末機20と同期しているので、各主端末機20の服薬情報は互いに一致している。また、服薬者ごとの服薬情報は、薬収納装置10ごとに付与されたIDによって管理される。
【0023】
一方、携帯端末機30は、看護師によって携帯され、薬収納装置10に収納される薬の準備作業に用いられる。即ち、携帯端末機30を携帯する看護師により、ナースステーション3の主端末機20の服薬情報が無線通信により携帯端末機30に取り込まれ、携帯端末機30の記憶部32に記憶される。尚、薬局4の主端末機20にも同じ服薬情報が記憶されているので、薬局4の主端末機20から服薬情報を携帯端末機30に取り込むことも可能である。
【0024】
次に、薬局4の主端末機20から服薬者ごとの服薬情報が出力され、服薬情報に基づいて服薬者ごとに薬トレイ11に薬1が収納される。その際、携帯端末機30の出力部34に服薬情報を表示することにより、携帯端末機30を見ながら薬トレイ11への薬1の収納作業を行うことも可能である。このようにして薬1が収納された薬トレイ11は、ナースステーション3に搬送される。
【0025】
次に、看護師が薬トレイ11を服薬者の薬収納装置10まで持って行き、薬トレイ11が服薬者の薬収納装置10に装填される。その際、薬収納装置10のタグリーダ11cによって読み取られた薬トレイ11のRFIDタグ11cのIDが薬収納装置10のIDと一致していない場合は警報が出力されるので、他の服薬者の薬トレイ11が誤って装填されることはない。続いて、看護師により、携帯端末機30の服薬情報が薬収納装置10に無線通信により送信される。これにより、携帯端末機30の服薬情報が薬収納装置10の記憶部17に記憶され、薬収納装置10の設定が完了する。その際、その薬収納装置10の服薬情報を携帯端末機30の出力部34に表示することにより、例えば画像により薬の種類を確認することができる。また、後述するように、服薬者による前日の服薬結果を確認することも可能である。更に、例えば服薬時刻を変更する場合など、服薬情報を携帯端末機30の入力部33によって書き換えることも可能である。
【0026】
ここで、服薬者が薬収納装置10の薬1を服用する際の第1の制御部18の動作について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
まず、前述のように携帯端末機30の服薬情報を受信すると(S1)、携帯端末機30の服薬情報を記憶部17に記憶する(S2)。次に、服薬情報に設定されている服薬時刻になると(S3)、
図5に示すように服薬時刻に対応する薬トレイ11の収納部11aから薬搬出部12によって薬1を搬出口12aに搬出し(S4)、タイマにより所定時間T(例えば30分)の計時を開始する(S5)。ここで、
図6に示すように、服薬者は、搬出口12aから薬1を取り出し、薬1の中身1aを一旦薬受容部13に入れ、薬殻受容部14に薬殻1bを入れた後、薬受容部13の薬1の中身1aを服用する。その際、時間Tが経過する前に(S6)、薬殻受容部14に薬殻1bが投入されたことを薬殻センサ14aによって検知すると(S7)、服薬者が薬1を服用したものとして、服薬検知結果を「服薬あり」とする(S8)。次に、
図7に示すように薬殻受容部14により薬殻1bを排出して薬殻回収部15に回収した後(S9)、服薬検知結果を記憶部17に記憶する(S10)。また、前記ステップS6及びS7において、薬殻受容部14に薬殻1bが投入されたことが検知されずに時間Tが経過した場合は、服薬者が薬1を服用しなかったものとして、服薬検知結果を「服薬なし」とし(S11)、服薬検知結果を記憶部17に記憶する。そして、前記ステップS3に戻り、次の服薬時刻になったら前記ステップS3〜S11の動作を再び行う。尚、前述のように、時間Tが経過する前に薬殻受容部14に薬殻1bが投入された否かを判定する処理は、服薬者が薬1を服用したか否かを検知する服薬検知手段を構成している。
【0028】
次に、一日分の薬の服用時刻が経過し、例えば翌日の朝になると、看護師により、前述のように携帯端末機30を用いて薬収納装置10に新たな薬が収納される。その際、携帯端末機30の服薬情報を薬収納装置10に送信すると、携帯端末機30の服薬情報が薬収納装置10の記憶部17に記憶されるとともに、薬収納装置10の記憶部17に記憶されている前日の服薬検知結果情報が携帯端末機30に送信され、服薬検知結果が携帯端末機30の出力部34に表示される。これにより、看護師が服薬者の前で前日の服薬検知結果を確認することができるので、薬を服用していない場合には、服薬を怠らないよう直接指導することができる。また、看護師がナースステーション3に戻った際、薬収納装置10から携帯端末機30に読み取った服薬検知結果情報を携帯端末機30からナースステーション3の主端末機20に送信することにより、服薬検知結果情報が主端末機20の記憶部22に記憶され、主端末機20及び他の携帯端末機30で服薬検知結果情報の共有が可能となる。
【0029】
このように、本実施形態の服薬管理システムによれば、服薬者ごとに配置される薬収納装置10と、服薬者が服用する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を薬収納装置10ごとに記憶する記憶部17,22,32と、記憶部17,22,32に記憶される服薬情報を薬収納装置10ごとに入力する入力部23,33と、薬収納装置10の薬を服薬者が服用したか否かを検知する服薬検知手段と、服薬者の服薬を管理する管理者側に設けられた管理者側端末機とを備え、記憶部17,22,32に記憶された服薬情報と服薬検知手段の服薬検知結果情報を管理者側端末機から出力するようにしたので、服用者が薬を服用したか否かを管理者側端末機によって確認することができ、管理者側によって服薬の管理を容易かつ確実に行うことができる。これにより、薬を飲まなかった患者への指導を効果的に行うことができ、薬の飲み忘れの防止を図ることができる。また、薬収納装置10に収納する薬の種類、数量及び服用時刻を含む服薬情報を管理者側端末機によって確認することができるので、薬の準備作業を効率的に行うことができるとともに、誤投薬の防止を図ることもできる。
【0030】
また、管理者側端末機として管理者が携帯可能な携帯端末機30を備え、薬収納装置10に記憶部17及び服薬検知手段を設けるとともに、携帯端末機30に記憶部32及び出力部34を設け、薬収納装置10と携帯端末機30とを無線により服薬情報及び服薬検知結果情報の送受信を可能に構成したので、看護婦や医師等の管理者が携帯端末機30を用いて服薬管理を容易に行うことができ、病院等の規模の大きい施設で用いる場合に極めて有利である。
【0031】
更に、管理者側端末機として所定の場所に設置される主端末機20を備え、主端末機20に記憶部22、入力部23及び出力部24を設け、主端末機20と携帯端末機30とを無線により服薬情報及び服薬検知結果情報の送受信を可能に構成したので、看護婦、医師、薬剤師等の管理者がナースステーション3や薬局4に設置された主端末機20を用いて服薬管理を容易に行うことができ、病院等の規模の大きい施設で用いる場合に極めて有利である。
【0032】
図8は本発明の他の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一の構成部分には同質の符号を付して示す。
【0033】
同図に示す服薬管理システムは、いわゆるナースコールとしての報知装置40を備えている。この報知装置40はナースステーション3に配置され、病室2の患者ごとに設けられた呼出スイッチ41に配線42を介して接続されている。即ち、病室2の患者が呼出スイッチ41を押すと、ナースステーション3の報知装置40が鳴り、看護師を呼び出すようになっている。
【0034】
本実施形態では、前記薬収納装置10が配線42を介して報知装置40に接続されており、薬収納装置10の薬を服薬者が服用しなかったことを前記服薬検知手段によって検知すると、報知装置40を作動させるようになっている。具体的には、前記第1の制御部18の動作ステップS6及びS7において、薬殻受容部14に薬殻1bが投入されたことが検知されずに時間Tが経過した場合は、報知装置40を作動させる処理を加える。
【0035】
これにより、服薬者が薬1を服用しなかったと判定された場合は、報知装置40によってナースコールがされるので、呼び出された看護師によって速やかに薬の服用を促すことができる。
【符号の説明】
【0036】
1…薬、2…病室、3…ナースステーション、4…薬局、10…薬収納装置、17…記憶部、20…主端末機、22…記憶部、23…入力部、24…出力部、30…携帯端末機、32…記憶部、33…入力部、34…出力部、40…報知装置。