(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0020】
なお、本願でいう厚さとは、リチウムイオン二次電池を構成する集電箔の表面に対して垂直な方向における各構造体の長さを指す。
【0021】
以下に、本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の製造方法および製造装置について、
図1を用いて説明する。本実施の形態では、リチウムイオン二次電池の小型化に伴い、セパレータとなる絶縁材料層を薄く設計する場合であっても、電極材料層と絶縁材料層の界面近傍の混合層を薄くできる方法を説明する。
図1は、本実施の形態における片面塗布型の電極板製造装置の構成を示す図である。つまり、
図1は、本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の製造装置を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の製造装置は、電極板である集電箔EPを送り出す集電箔送り出しロールRL1と、集電箔EPを巻き取る巻き取りロールRL4とを有している。薄い板状の金属箔である集電箔EPは、集電箔送り出しロールRL1と、巻き取りロールRL4との間で、ローラRL2、RL3などの複数のローラに支えられながら搬送される。ここでは、集電箔EPを一定速度で搬送するため当該複数のローラを、ローラ搬送系、つまり搬送部と呼ぶ。
【0023】
集電箔EPの搬送経路には、集電箔送り出しロールRL1側から巻き取りロールRL4側に向かって順に、コータDC1、コータDC2、固化室SD内の噴霧ノズルSPRおよび乾燥室DRYが配置されている。搬送される集電箔EPは、コータDC1とローラRL2との間、コータDC2とローラRL3との間、固化室SD内、および、乾燥室DRY内の順に通る。
【0024】
リチウムイオン二次電池を構成する正極および負極のそれぞれは、集電箔EPの材料および集電箔EPに塗工する膜の材料等に違いがあるが、基本的に同様の工程により製造される。このため、以下では、正極および負極のそれぞれの製造工程を分けずに説明する。例えば、後述する塗工材料である電極材料ESは、正極用の材料である場合と、負極用の材料である場合とを含んでおり、それぞれの場合において、異なる材料により構成される。ここで、正極の製造工程において、正極用の材料からなる集電箔EPおよび塗工材料を用い、負極の製造工程のみに用いられる材料を使用しないことは、いうまでもない。負極の製造工程においても同様に、正極の製造工程のみに用いられる材料は使用しない。
【0025】
本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の製造工程では、まず、リチウムイオン二次電池の正極または負極を形成するための電極材料ESを調整する。次に、調整したスラリ状の電極材料ESを、ローラRL2に対向するように配置された第1の塗工部であるコータDC1を用いて、集電箔送り出しロールRL1から供給される集電箔EPの表面上に薄く、均一に塗工する。以下では、この工程を第1の塗工工程と呼ぶ。また、第1の塗工工程により集電箔EP上に塗布された電極材料ESからなる膜を、電極材料層または第1塗布膜と呼ぶ。上記第1の塗工部には、例えばスリットダイコータを用いることができるが、電極材料ESを供給する装置として、他の装置を用いてもよい。
【0026】
次に、第1塗布膜の表面上に、ローラRL3に対向するように設けられた第2の塗工部であるコータDC2から供給される絶縁材料IF1を薄く、均一に塗工する。この工程を第2の塗工工程と呼ぶ。また、第2の塗工工程により第1塗布膜上に塗布された絶縁材料IF1からなる膜を、絶縁材料層または第2塗布膜と呼ぶ。第2の塗工部には、例えばスリットダイコータなどを用いることができる。なお、
図1では第1塗布膜および第2塗布膜を図示していない。
【0027】
ここで、絶縁材料IF1は、電極材料層である第1塗布膜の表面層のバインダ成分を析出させる成分を含有している。ここでは、バインダ成分を析出させる成分を固化材または固化液と呼ぶ。本実施の形態のリチウムイオン二次電池の特徴の一つは、上記のように、絶縁材料IF1が固化材を含んでいることにある。第2の塗工工程では、固化材を含む絶縁材料IF1が第1塗布膜の表面に接する。当該固化材が第1塗布膜の表面層に接触すると、固化液は第1塗布膜内の溶剤に溶解しながら第1塗布膜内に侵入する。
【0028】
これにより、第1塗布膜の表面層で固化液濃度が増加すると、第1塗布膜内のバインダの溶解度が減少するため、バインダが析出し、第1塗布膜の表面層のみ固定化される。つまり、第1塗布膜の表面層のバインダが析出することで、電極材料である第1塗布膜を構成する活物質が固定される。よって、第1塗布膜の表面層が固化することで、第1塗布膜上の第2塗布膜内に、第1塗布膜を構成する活物質が混入することを防ぐことができる。なお、第1塗布膜の表面層とは、第1塗布膜の表面を含む当該表面の近傍の第1塗布膜を意味する。
【0029】
また、バインダは、第1塗布膜の乾燥後に、第1塗布膜を構成する粉末成分間を結着し、さらに、粉末成分と集電箔との間を結着する役割を有している成分である。また、電極材料に導電助剤が含まれている場合には、バインダは当該粉末と導電助剤とを結着する役割を有する。第1塗布膜を構成する粉末は、例えば正極活物質粉末または負極活物質粉末である。
【0030】
次に、固化室SD内の噴霧ノズルSPRから、電極材料層内のバインダを析出させる成分、つまり固化材を含有する噴霧液LIQを、第1塗布膜および第2塗布膜からなる積層膜に供給する。ここでは、噴霧ノズルSPRから噴霧液LIQを噴霧する。これにより、電極材料層である第1塗布膜の内部のバインダが析出することで、第1塗布膜の表面層のみでなく、第1塗布膜の内部の活物質も固定される。つまり、この固化工程では、電極材料層である第1塗布膜の全体が固化される。なお、本願では、固化室SD内の噴霧ノズルSPRを用いて固化材である噴霧液LIQを噴霧し、噴霧対象の塗布膜を固化させる構成を固化部と呼ぶ。
【0031】
次に、集電箔EPを、熱風乾燥炉である乾燥室DRY内に搬送する。乾燥室DRY内では、第1塗布膜中および第2塗布膜中の溶剤成分および固化液を加熱して蒸発させることで、第1塗布膜および第2塗布膜を乾燥・固化させ、電極層と絶縁層を一括で形成する。以下では、この工程を乾燥工程と呼ぶ。すなわち、第1塗布膜は乾燥工程により電極層となり、第2塗布膜は乾燥工程により絶縁層、つまりセパレータとなる。これにより、集電箔EPと、集電箔EPの片面に順に積層された電極層および絶縁層からなる電極板、つまり正極板または負極板が形成される。その後、当該電極板は巻き取りロールRL4に巻き取られる。なお、本願では電極、正極、および負極を、それぞれ電板、正極板、および負極板と呼ぶ場合がある。
【0032】
上記の乾燥工程の後は、集電箔EPに対し、圧縮または切断などの加工工程を行うことで、フィルム状の正極または負極の電極板を製造する。その後、電極セルの組立工程では、捲回と呼ばれる工程で、上記の工程により形成されたフィルム状の正極電極板および負極電極板から、電池セルに必要な大きさの正極および負極を切り出す。このとき、正極電極板と負極電極板とを分離するためのセパレータである絶縁層は、正極電極板および負極電極板とともに切り出される。続いて、電極層上にセパレータが積層された正極電極板および負極電極板を重ねた後、この正極電極板および負極電極板を含む積層体を捲き合わせる。
【0033】
次に、捲き合わせた正極、負極を含む電極対の群を組み立てて溶接する。この溶接工程では、例えば、正極集電タブにアルミニウムリボンを捲きつけ、このアルミニウムリボンに正極集電タブを超音波溶着で接続する。その後、溶接したこれら電極対の群を電池缶内に配置した後、電解液を注入する。続いて、電池缶を完全に密閉することで、リチウムイオン二次電池の電池セルを形成する。
【0034】
電池セル検査工程では、セル組立工程にて作成されたリチウムイオン二次電池のセルを繰り返し充放電する。これにより、電池セルの性能および信頼性に関する単電池検査工程を行う。単電池検査工程では、例えば、電池セルの容量もしくは電圧の検査、または、充電時もしくは放電時の電流もしくは電圧などの検査を行う。これにより、リチウムイオン二次電池の電池セル、つまり単電池が完成する。
【0035】
以下では、本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池を製造するために用いられる各材料について説明する。
【0036】
本実施の形態における電極材料ESは、充放電によりリチウムイオンの放出・吸蔵が可能な正極活物質粉末または負極活物質粉末を含んでいる。また、電極材料ESは、乾燥後に粉末成分間を結着し、または粉末成分と集電箔との間を結着するためのバインダ成分を含んでいる。また、場合により、電極材料ESは導電助剤の粉末を含んでいる。
【0037】
正極板を形成する場合、第1の塗工工程において塗布する電極材料ES、つまり正極材料は、例えば、リチウム含有複合酸化物からなる活物質と、導電助剤であるカーボンとを混合した混合物を含むものである。当該正極材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンからなる結着材(バインダ)をNメチルピロリドン(NMP:N-methylpyrrolidone)に溶解させた溶液に、当該混合物を混練したスラリである。
【0038】
正極の製造工程において、絶縁材料IF1には、スチレンブタジエンゴムからなる結着材(バインダ)を、電極材料の表面層のバインダ成分を析出させる成分、つまり固化材の一つであるエタノール添加水に溶解させた溶液に、シリカ(SiO
2)の粉体を混練したスラリを用いる。また、固化部である固化室SDで供給する固化液である噴霧液LIQには、電極材料のバインダ成分を析出させる成分、つまり固化材の一つであるエタノール添加水を用いる。
【0039】
また、負極板を形成する場合、第1の塗工工程において塗布する電極材料ES、つまり負極材料は、例えば炭素材料(カーボン材料)からなる負極活物質を含むものである。当該負極材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンからなる結着材(バインダ)を、Nメチルピロリドン(NMP)に溶解させた溶液に、当該負極活物質を混練したスラリである。
【0040】
負極の製造工程において、絶縁材料IF1には、スチレンブタジエンゴムからなる結着材(バインダ)を、電極材料の表面層のバインダ成分を析出させる成分、つまり固化材の一つであるエタノール添加水に溶解させた溶液に、シリカ(SiO
2)の粉体を混練したスラリを用いる。また、固化室SDで供給する固化液である噴霧液LIQには、電極材料のバインダ成分を析出させる成分、つまり固化材の一つであるエタノール添加水を用いる。
【0041】
以下に、上述した各材料の具体例を示す。
【0042】
本実施の形態で用いる正極活物質には、コバルト酸リチウムもしくはMn(マンガン)などを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物、またはNi(ニッケル)、Co(コバルト)もしくはMn(マンガン)を含む複合酸化物などを使用することができる。また、正極活物質には、オリビン型リン酸鉄などのオリビン型化合物を使用することもできる。ただし、正極活物質はこれらの材料に限定されず、他の材料を用いてもよい。マンガンを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は熱的安定性に優れているため、例えば、安全性の高い電池を構成することができる。
【0043】
また、正極活物質には、マンガンを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物のみを用いてもよいが、他の正極活物質を併用してもよい。他の正極活物質としては、例えば、Li
1+xMO
2(−0.1<x<0.1)で表わされるオリビン型化合物などが挙げられる。この式における金属Mの例としては、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、Zr(ジルコニウム)またはTi(チタン)などが挙げられる。
【0044】
また、正極活物質には、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO
2またはLiNi
1−xCo
x−yAl
yO
2(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などを用いることができる。また、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物には、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物などを用いることができる。Co、NiおよびMnを含む酸化物としては、例えば、LiMn
1/3Ni
1/3Co
1/3O
2、LiMn
5/12Ni
5/12Co
1/6O
2、または、LiNi
3/5Mn
1/5Co
1/5O
2などが挙げられる。
【0045】
上記導電助剤は、正極電極膜に含有させる電子伝導助剤として用いるものであり、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、またはカーボンナノチューブなどの炭素材料であることが好ましい。上記の炭素材料の中でも、添加量と導電性の効果、および塗布用正極合剤スラリの製造性の点から、アセチレンブラックが特に好ましい。この導電助剤は負極電極膜に含有させることも可能である。
【0046】
上記結着材であるバインダは、上記の活物質と導電助剤とを互いに結着させるためのバインダを含有していることが好ましい。バインダの材料としては、例えば、ポリビニリデンフルオライド系ポリマー、またはゴム系ポリマーなどが好適に用いられる。ポリビニリデンフルオライド系ポリマーは、例えば、主成分がモノマーであるビニリデンフルオライドを80質量%以上含有する含フッ素モノマー群の重合体である。上記ポリマーは、2種以上を併用してもよい。また、本実施の形態のバインダは、溶媒に溶解した溶液の形態で供されるものが好ましい。
【0047】
上記ポリビニリデンフルオライド系ポリマーを合成するための含フッ素モノマー群としては、ビニリデンフルオライド、または、ビニリデンフルオライドと他のモノマーとの混合物で、ビニリデンフルオライドを80質量%以上含有するモノマー混合物などが挙げられる。
【0048】
他のモノマーとしては、例えば、ビニルフルオライド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、またはフルオロアルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0049】
上記のゴム系ポリマーとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR:Styrene-Butadiene Rubber)、エチレンプロピレンジエンゴム、またはフッ素ゴムなどが挙げられる。
【0050】
電極材料層、つまり第1塗布膜中におけるバインダの含有量は、乾燥後の電極層を基準として0.1質量%以上であって、10質量%以下であることが望ましい。より好ましくは、バインダの含有量は、0.3質量%以上であって、5質量%以下であることが望ましい。バインダの含有量が少なすぎると、本実施の形態のプレ固化工程における固化が不十分となるばかりでなく、乾燥後の電極膜の機械的強度が不足し、電極層が集電箔から剥離する問題が生じる。また、バインダの含有量が多すぎると、電極層中の活物質量が減少して、電池容量が低くなるおそれがある。
【0051】
また、本実施の形態で用いる絶縁材料IF1には、アルミナ(Al
2O
3)またはシリカ(SiO
2)などの無機酸化物を使用することができる。また、ポリプロピレンまたはポリエチレンの微粒子を混合したスラリを用いることで、絶縁層にシャットダウン性を持たせることもできる。絶縁層は多孔質フィルムであり、完成したリチウムイオン二次電池においては、絶縁層の空孔内に電解液が保持され、電極間のリチウムイオン伝導の通路を構成する。ここでいうシャットダウン性とは、リチウムイオン二次電池が異常発熱した場合に、絶縁層が溶融して孔を塞ぐ機能を指す。このシャットダウン機能により、絶縁層内におけるリチウムイオンの透過を遮断することで、電池内の反応が停止し、電池温度のさらなる上昇を防ぐことができる。
【0052】
また、絶縁材料IF1に用いる無機酸化物粒子を決着させるためのバインダとして、樹脂を用いる。バインダは、負極においても正極と同様に、上述したポリビニリデンフルオライド系ポリマーまたはゴム系ポリマーなどが好適に用いられる。
【0053】
また、本実施の形態において、絶縁材料IF1に含まれる固化液の材料は、第1塗布膜中の溶剤およびバインダに対して適切に選択したものを用いることが重要である。固化液は第1塗布膜中のバインダ成分の溶解性、溶剤相互の溶解性を考慮して選択されるべきである。一般的な溶剤系のスラリで使用される第1塗布膜中の溶剤は、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、もしくはγ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶剤、またはこれらの混合液が挙げられる。これらの溶剤に対する相互溶解性および使用するバインダの溶解度を考慮すると、固化液としては、水、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類もしくはこれらの混合液を選択できるが、ここに挙げた例に限定されるわけではない。
【0054】
また、固化室SD内の噴霧ノズルSPRから、固化液、つまり噴霧液LIQを均一に噴霧するためには、第1塗布膜および第2塗布膜からなる積層膜と固化液との濡れ性も考慮して固化液を選択するべきである。噴霧液LIQには、例えば、水とアルコールの混合物を用いることが好ましい。これは、第1塗布膜および第2塗布膜からなる積層膜と、固化液との濡れ性が悪い場合、当該積層膜の表面に、固化液が複数箇所に分散して島状に付着し、当該積層膜の表面に均一に固化液を供給することができないためである。つまり、噴霧液LIQを構成する固化液は、当該積層膜の表面との親和性が良い成分である必要がある。
【0055】
当該混合物内のアルコールの濃度は、例えば20〜80%であることが望ましい。ただし、より好ましくは、当該アルコールの濃度が40〜60%であることが望ましい。アルコールの濃度が上記の濃度範囲よりも低い場合、上記積層膜と固化液との濡れ性が悪化する。また、アルコールの濃度が上記の濃度範囲よりも高い場合、可燃性のアルコールの濃度上昇により固化液の取り扱いが困難となり、製造工程等における爆発の危険性が増す。
【0056】
噴霧液LIQを構成する固化液が、上記積層膜の表面、つまり第2塗布膜の表面との濡れ性が高い場合、つまり親和性が良好な場合、噴霧液LIQは、水のみにより構成されていてもよい。また、固化液を安全に取り扱うことができる場合、噴霧液LIQは、アルコールのみにより構成されていてもよい。
【0057】
具体的に、本実施の形態で負極板を形成する場合、電極材料ESを構成する負極活物質には、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛、または膨張黒鉛などの黒鉛材料を用いることができる。また、負極活物質には、ピッチを焼成して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料を用いることができる。また、負極活物質には、フルフリルアルコール樹脂(PFA:Poly Furfuryl Alcohol)またはポリパラフェニレン(PPP:Poly-Para-Phenylen)などと、フェノール樹脂とを低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料を用いることができる。
【0058】
また、上記の炭素材料の他に、Li(リチウム)またはリチウム含有化合物なども、負極活物質として用いることができる。このリチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金、または、Si(シリコン)、Sn(スズ)などのLi(リチウム)と合金化が可能な元素を含む合金が挙げられる。さらに、Sn酸化物やSi酸化物などの酸化物系材料も、負極活物質に用いることが可能である。この酸化物系材料は、Li(リチウム)を含んでいなくともよい。
【0059】
本実施の形態で用いる集電箔EPはシート状の箔に限定されることはなく、その基体としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼、チタン(Ti)などの純金属または合金性導電材料を用いることができる。集電箔EPには、例えば、網、パンチドメタル、フォームメタル、または、板状に加工した箔などが用いられる。集電箔EPを構成する導電性基体の厚みは、例えば、5〜30μmとする。
【0060】
ここで、本実施の形態の製造方法における電極層と絶縁層の界面に形成される混合層を
図2に示し、
図3に、当該混合層の厚さの評価を行った結果を示す。当該評価は、完成した電極板の断面を切り出し、SEM(Scanning Electron Microscope)で観察した像から混合層の厚さを算出することで行う。
【0061】
図2に、リチウムイオン二次電池を構成する電極板の断面図を示す。
図2に示すように、集電箔EP上には、厚さL1の電極層ELと、厚さL2のセパレータである絶縁層SELとが、順に積層されている。電極層ELは、上述した第1塗布膜を乾燥させて形成した膜であり、絶縁層SELは、上述した第2塗布膜を乾燥させて形成した膜である。
【0062】
また、電極層ELと絶縁層SELとの界面近傍には、電極層ELの構成材料と絶縁層SELの構成材料とが混ざって形成された、厚さL3の混合層MIXが形成されている。
図2では、混合層MIXの上端と下端をそれぞれ破線で示している。混合層MIXは、電極層ELと絶縁層SELとの界面を含む領域であって、電極層ELの内部から絶縁層SELの内部に亘って形成されている。本実施の形態の場合、乾燥工程後の正極板を構成する電極層の厚さL1は、例えば30〜500μmであり、絶縁層の厚さL2は、例えば10〜20μmである。
【0063】
また、
図2に示す断面図を基に、混合層MIXの膜厚を上記SEM観察により評価した結果を、
図3に示す。
図3は、上述した本実施の形態のリチウムイオン二次電池と、後述する第2の比較例のリチウムイオン二次電池とのそれぞれの混合層MIX(
図2参照)の厚さと、集電箔の搬送速度との関係を示すグラフである。
図3に示すグラフの縦軸は混合層の膜厚を示し、横軸は集電箔の搬送速度を示している。
【0064】
本発明者らは、上記評価を行った結果、下記の事項を見出した。
【0065】
すなわち、
図3に四角のプロットで示すように、後述する第2の比較例では、集電箔の搬送速度により、混合層の膜厚が変化している。つまり、集電箔の搬送速度が遅い程、混合層MIXの厚さが大きくなっている。これに対し、集電箔の搬送速度は100m/minとしても、混合層の厚さは10μm以下とならない。また、実用的な集電箔の搬送速度でも、混合層の厚さは10μm以上となる。
【0066】
混合層MIXは、絶縁層SELに電極層ELが混ざることで、絶縁性を失った膜である。混合層MIXが比較的大きい厚さで形成された場合、絶縁機能を持つ絶縁層SELの厚さが、本来意図した厚さより薄くなるおそれがある。また、絶縁層SELを薄膜化した際に、絶縁層SELの上部で、混合層MIXを構成する電極材料が露出するおそれがある。つまり、絶縁層を薄膜化しようとすると、短絡発生の可能性が高くなる。
【0067】
これに対し、
図3に丸いプロットで示すように、本実施の形態の製造方法の混合層MIXの厚さL3(
図2参照)は、集電箔の搬送速度によらず、常に4μm以下になっている。このことから、本発明者らは、本実施の形態の製造方法により形成したリチウムイオン二次電池であれば、絶縁層SEL(
図2参照)を薄膜化する場合に、短絡の発生を防ぐことができることを見出した。
【0068】
図1を用いて説明した上記の製造工程では、集電箔EPの片面に、電極材料ESおよび絶縁材料IF1を順に塗工して、正極または負極の電極シートを製造する例を記載した。集電箔EPの両面のそれぞれに電極材料ESおよび絶縁材料IF1を塗工する場合には、上述した製造工程の後、巻き取りロールRL4に巻き取られた電極シートを反転させて、再度同一の工程を経て、集電箔EPの上記片面の反対側の面を塗工することが考えられる。
【0069】
ここで、リチウムイオン二次電池の基本的な動作原理について、
図4を用いて説明する。
図4は、リチウムイオン二次電池の構造を示す模式図である。
【0070】
リチウムイオン二次電池は、
図4に示すように、非水電解質二次電池の一種であり、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。正極材量である活物質PAにはリチウム金属酸化物を用い、負極材料である活物質NAにはグラファイトなどの炭素材を用いている。また、電解質からなる電解液ELQには炭酸エチレンなどの有機溶剤とヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF
6)などのリチウム塩とを用いる。電池内では、充電時にリチウムイオンは正極PEから出て負極NEに入り、放電時には逆に、リチウムイオンは負極NEから出て正極PEに入る。正極PEの集電箔には、Al(アルミニウム)からなるAl箔AFが用いられ、負極NEの集電箔には、Cu(銅)からなるCu箔CFが用いられている。
【0071】
リチウムイオン二次電池は、例えば、正極材料を塗工した正極板と、負極材料を塗工した負極板と、正極板と負極板の接触を防止するポリマフィルムなどのセパレータSPとを捲回した電極捲回体を備えている。そして、リチウムイオン二次電池は、この電極捲回体が外装缶に挿入されるとともに、外装缶内に電解液が注入された構成を有している。つまり、リチウムイオン二次電池は、金属箔に正極材料を塗工した正極板と、金属箔に負極材料を塗工した負極板とが帯状に形成され、帯状に形成された正極板と負極板とが直接接触しないように、セパレータを介して重ねられた積層体を有している。この積層体を捲回することで、渦巻状の断面を有する上記電極捲回体が形成される。
【0072】
以下では、第1の比較例のリチウムイオン二次電池の製造方法を説明する。
【0073】
図5は、リチウムイオン二次電池が製造されるまでの具体的な工程を模式的に示すフローチャートである。
図5に示すように、リチウムイオン二次電池の製造工程は、正極電極シート製造工程と負極電極シート製造工程と電池セルの組立工程とモジュール組立工程とを含んでいる。
【0074】
第1の比較例におけるリチウムイオン二次電池の製造工程では、まず、電極材料を調整する。リチウムイオン二次電池の正極または負極を構成する電極層を形成するために用いる電極材料は、充放電によりリチウムイオンの放出・吸蔵が可能な活物質と導電助剤の粉末を、これらの粉末を結着させるためのバインダおよび溶剤などと混練・分散し(
図5に示す混練・調合工程)、これにより形成した高粘度スラリ状の液体である。次に、フィルム状の金属箔に当該スラリ材料を塗工し、続いて乾燥する(
図5に示す塗工工程)。その後、スラリ材料が塗工された金属箔に圧縮または切断などの加工を行い(
図5に示す加工工程)、フィルム状の正極電極シートを形成する。
【0075】
一方、負極電極シート製造工程は、上述した正極電極シート製造工程と同様の手順で行われる。ただし、上述した正極電極シート製造工程で用いた各種材料と、負極電極シート製造工程で用いる各種材料とは、異なる場合がある。つまり、まず、負極材料の原料となる各種材料を混練および調合してスラリ材料(負極材料)を作成する(
図5に示す混練・調合工程)。その後、フィルム状の金属箔に当該スラリ材料を塗工、乾燥する(
図5に示す塗工工程)。続いて、スラリ材料が塗工された金属箔に圧縮または切断などの加工を行い(
図5に示す加工工程)、フィルム状の負極電極シートを製造する。
【0076】
その後、電極セル組立工程では、捲回と呼ばれる工程で、上記の正極電極シートおよび負極電極シートから、電池セルに必要な大きさの正極および負極を切り出す。また、これとともに、上記の正極電極シートと負極電極シートとを分離するためのフィルム状のセパレータ材料から電池セルに必要な大きさのセパレータを切り出し、正極および負極に、切り出したセパレータを挟んで重ねて捲き合わせる(
図5に示す捲回工程)。その後、捲き合わせた正極、負極およびセパレータからなる電極対の群を組み立てて溶接する(
図5に示す溶接・組立工程)。その後、溶接したこれら電極対の群を、電解液が注入(
図5に示す注液工程)された電池缶内に配置した後、電池缶を完全に密閉する(
図5に示す封口工程)。これにより、電池セルを作成する。
【0077】
電池セル検査工程では、セル組立工程にて作成されたリチウムイオン二次電池のセルを繰り返し充放電する(
図5に示す充放電工程)。これにより、電池セルの性能および信頼性に関する単電池検査工程を行う(
図5に示す単電池検査工程)。単電池検査工程では、例えば、電池セルの容量もしくは電圧の検査、または、充電時もしくは放電時の電流もしくは電圧などの検査を行う。これにより、リチウムイオン二次電池の電池セル、つまり単電池が完成する。
【0078】
次に、モジュール組立工程では、電池セルを複数個直列に組み合わせて電池モジュールを構成し、さらに、充/放電制御用コントローラを接続して電池システムを構成する(
図5に示すモジュール組立工程)。その後、モジュール検査工程において、モジュール組立工程において組み立てられた電池モジュールの性能および信頼性に関する検査を行う(
図5に示すモジュール検査工程)。このモジュール検査工程では、例えば、電池モジュールの容量もしくは電圧の検査、または、充電時もしくは放電時の電流もしくは電圧などの検査を行う。
【0079】
本実施の形態のリチウムイオン二次電池の製造方法および製造装置では、正極または負極の電極シート製造工程において、電極材料層の上に絶縁材料層を塗布し、その後乾燥工程を行うことで、電極層と、セパレータである絶縁層とが一体となった電極板を形成することができる。このため、上記第1の比較例に対し、電池セル組立工程において、セパレータを捲回する工程において、加工したセパレータを用意する工程を省略することができる。これにより、リチウムイオン二次電池の製造工程のスループットを向上させることができる。
【0080】
以下では、第2の比較例のリチウムイオン二次電池の製造方法について、
図6を用いて説明する。
図6は、第2の比較例におけるリチウムイオン二次電池の製造装置を示す模式図である。
【0081】
図6に、第2の比較例における片面塗布型電極板製造装置の構成を示す。キャリア材である集電箔EPの片面に電極材料ES、および絶縁材料IF2を塗布する製造工程例を示す。第2の比較例の製造工程は、電極シートの片面に対して塗工を行うものである。第2の比較例の製造工程では、まず、集電箔送り出しロールRL1から送り出される集電箔EPの一方の面に対し、ローラRL2に対抗するコータDC1から供給される電極材料ESが塗工される。
【0082】
続いて、塗工された電極材料ES上に、ローラRL3と対抗する位置のコータDC2から供給される絶縁材料IF2が塗工される。次に、集電箔EPが乾燥室DRYを通過することで、電極材料ESおよび絶縁材料IF2が乾燥され、巻き取りロールRL4に巻き取られ、正極電極シートが製造される。この乾燥工程では、電極材料ESからなる第1塗布膜が乾燥することで電極層となり、絶縁材料IF2からなる第2塗布膜が乾燥することで絶縁層、つまりセパレータとなる。
【0083】
以上のように、スラリ状の正極材料と絶縁材料を重ねて塗布した後、乾燥室DRYによる加熱・乾燥工程を経て、両方の塗布膜を同時に乾燥、固着させることができるため、第2の比較例は第1の比較例に比べて製造工程の効率がよい。
【0084】
しかし、第2の比較例のように、集電箔の上にスラリ状の電極材料と絶縁材料とを連続して塗布した場合、
図2に示すように、電極板の集電箔EPの上に塗布された電極層ELと絶縁層SELとの界面近傍に、絶縁機能が失われた混合層MIXが形成される。本発明者らは、混合層MIXが、
図3を用いて説明したスリットダイコータの塗工圧力に起因して生じる層であることを見出した。
図3に四角のプロットで示すように、第2の比較例において生じた混合層MIX(
図2参照)の膜厚は、集電箔の搬送速度により変化する。つまり、集電箔の搬送速度が遅い程、コータによる圧力が特定の箇所の塗布膜に加わる時間が長くなるため、混合層MIXの厚さも大きくなる。集電箔の搬送速度を、比較的速い100m/minとしても、混合層MIXの厚さは10μm以上となる。
【0085】
混合層MIXが比較的大きい厚さで形成された場合、絶縁機能を持つ絶縁層SELの厚さが、本来意図した厚さより薄くなること、および、絶縁層SELを薄膜化した際に、絶縁層SELの上部で、混合層MIXを構成する電極材料が露出する可能性があることが問題となる。
【0086】
以上に述べた第2の比較例のように、電極層とセパレータ(絶縁層)との隙間をなくすことで内部短絡を防止し、かつ、リチウムイオン二次電池の生産性を向上させ、また、リチウムイオン二次電池の製造装置をコンパクト化することが考えられるが、この構成では、上記混合層の問題により、絶縁層の薄膜化が困難となる。すなわち、第2の比較例では、リチウムイオン二次電池の高容量化および小型化が困難である問題がある。
【0087】
以下では、
図1を用いて説明した本実施の形態の効果について説明する。
【0088】
上述した第2の比較例に対し、本実施の形態のリチウムイオン二次電池の製造方法は、
図1に示すように、電極層となる1層目の第1塗布膜を塗工した後、絶縁層となる2層目の第2塗布膜として、固化材を含む絶縁材料IF1を塗工している。これにより、第1塗布膜の表面層が固化される。このように、絶縁材料IF1を塗工する際に、第1塗布膜の表面層を固化することで、電極材料ESと絶縁材料IF1とが混ざり、混合層MIX(
図2参照)が大きい厚さで形成されることを防ぐことができる。
【0089】
また、本実施の形態では、上記塗工工程の後、固化室SDにおいて固化材である噴霧液LIQを第1塗布膜および第2塗布膜に供給することで、第1塗布膜および第2塗布膜を完全に固化させる。これにより、乾燥室DRYにおける乾燥工程において、電極材料ESおよび絶縁材料IF1のそれぞれの内部のバインダが流動することに起因して、電極材料ESと絶縁材料IF1とが混ざり、混合層MIX(
図2参照)が大きい厚さで形成されることを防ぐことができる。
【0090】
上記のように、本実施の形態では、
図2に示す混合層MIXの厚さL3を、第2の比較例と比べて小さくすることができる。具体的には、混合層MIXの厚さを5μm未満とすることができる。一方、第2の比較例では、実用的な集電箔の搬送速度であっても、混合層MIXの厚さL3は10μm以上となるため、絶縁層SELの厚さL2を薄くすると、正極および負極間での短絡発生の可能性が高くなる。
【0091】
したがって、本実施の形態では、絶縁層であるセパレータを薄膜化しても短絡の危険性を防ぐことができるため、リチウムイオン二次電池の信頼性を向上させることができる。また、短絡を防ぎつつ、絶縁層であるセパレータを薄膜化することができるため、リチウムイオン二次電池の小型化を可能とすることができる。したがって、リチウムイオン二次電池の性能を向上させることができる。
【0092】
また、本実施の形態では、
図1に示すように、乾燥工程の前に、噴霧液LIQを供給することで、各塗布膜を完全に固化させているため、高速に乾燥工程を行なう場合であっても、第1塗布膜内の電極材料および第2塗布膜内の絶縁材料の移動を抑えることができる。つまり、固化室SDを用いた固化工程を行わない場合、第1塗布膜の内部および第2塗布膜は乾燥時に液状であるため、乾燥工程中において各膜内のバインダなどの成分が移動することで、各膜内に対流または拡散が生じる。このため、乾燥後の電極材料ESの分布にばらつきが生じ、混合層MIX(
図2参照)が大きい厚さで形成されるおそれがある。この場合、上記バインダの移動または再融解などに起因する、電極材料ESの対流または拡散を抑えるためには、蒸発速度を抑えることが必要である。しかし、蒸発速度を遅くすると、乾燥時間が長時間化する問題が生じる。
【0093】
これに対し、本実施の形態では、乾燥工程前に固化室SDにおいて各塗布膜をその内部まで完全に固化するため、乾燥室DRYにおける乾燥工程中に電極材料ESが移動することを防ぐことができ、溶剤などの蒸発速度を上げることが可能になる。したがって、乾燥時間の短縮が可能であり、また、乾燥設備の小型化が可能となる。これにより、リチウムイオン二次電池の製造工程におけるスループットを向上させることができる。また、乾燥時間の短縮または乾燥設備の小型化により、リチウムイオン二次電池の製造コストを低減することができる。
【0094】
なお、上記の効果は、正極材料からなる正極電極板でのみ得られるのではなく、負極電極板でも同様の効果を得ることができる。本実施の形態において説明した製造装置および製造方法は、本実施の形態を実施する際の具体例を示したものに過ぎず、その技術思想または主要な特徴から逸脱しなければ、様々な形の実施の形態であっても、上記効果を得ることができる。
【0095】
また、ここではリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、リチウムイオン二次電池に限らず、本実施の形態の効果は、例えば、正極、負極、および、正極と負極とを電気的に分離するセパレータを備える蓄電デバイスに幅広く適用することができる。当該蓄電デバイスとして、例えば、他の形式の電池、またはキャパシタなどが挙げられる。
【0096】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。