特許第6021916号(P6021916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021916
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】画像表示装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20161027BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20161027BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20161027BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G02F1/133 535
   G09G3/20 611A
   G09G3/20 642F
   G09G3/34 J
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-525834(P2014-525834)
(86)(22)【出願日】2013年7月17日
(86)【国際出願番号】JP2013069370
(87)【国際公開番号】WO2014014005
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2014年12月22日
【審判番号】不服2016-1525(P2016-1525/J1)
【審判請求日】2016年2月2日
(31)【優先権主張番号】特願2012-160669(P2012-160669)
(32)【優先日】2012年7月19日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 幹夫
【合議体】
【審判長】 清水 稔
【審判官】 中塚 直樹
【審判官】 須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−53264(JP,A)
【文献】 特開2010−152174(JP,A)
【文献】 特開2007−334313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得した画像を表示する透過型表示パネルと、
前記透過型表示パネルの背面に配設され、該透過型表示パネルに対するバックライトを分割されたセグメント毎に輝度制御可能なバックライトユニットと、
前記画像取得手段により取得した画像の、前記バックライトユニットの各セグメントに対応する複数の画素の代表輝度値をそれぞれ算出する代表輝度値算出手段と、
前記透過型表示パネルの表面に照射される光の照度を測定する照度検出手段と、
代表輝度値と当該代表輝度値に対応して設定されるバックライト輝度との関係を示すバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得手段であって、前記照度検出手段により検出された照度が第1の閾値より高く、かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下の場合に表示用の画像の画像データ値に対応する表示輝度がリニアに近づく第2のバックライト輝度特性を取得し、前記検出された照度が前記第1の閾値以下の場合に表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度を前記第2のバックライト輝度特性より低く設定する第1のバックライト輝度特性を取得し、前記検出された照度が前記第2の閾値より高い場合に表示用の画像の中輝度部のバックライト輝度を前記第2のバックライト輝度特性より高く設定する第3のバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得手段と、
前記バックライト輝度特性取得手段により取得されたバックライト輝度特性と前記代表輝度値算出手段により算出された各セグメントに対応する代表輝度値とに基づいて、前記バックライトユニットの各セグメントの輝度を制御する制御手段と、
を備えた画像表示装置。
【請求項2】
前記バックライト輝度特性取得手段は、
前記第1、第2及び第3のバックライト輝度特性を含む複数のバックライト輝度特性を記憶するバックライト輝度特性記憶手段と、
前記照度検出手段により検出された照度に基づいて前記バックライト輝度特性記憶手段に記憶された複数のバックライト輝度特性から1つのバックライト輝度特性を選択するバックライト輝度特性選択手段と、
を備えた請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第3のバックライト輝度特性は、表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度が前記第2のバックライト輝度特性より低く設定される請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示用の画像の低輝度部は、最大輝度を100%とすると、13%未満であり、前記表示用の画像の中輝度部は、13%以上40%以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記照度検出手段は、前記透過型表示パネルの複数の表示領域の各表面照度をそれぞれ検出し、
前記バックライト輝度特性取得手段は、前記照度検出手段により検出された複数の表示領域の各表面照度に基づいて、前記透過型表示パネルの表示領域毎にそれぞれ1つのバックライト輝度特性を取得する請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記照度検出手段は、前記透過型表示パネルの外周部に複数設置され、複数の照度検出手段の検出出力により前記透過型表示パネルの複数の表示領域の各表面照度をそれぞれ検出する請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記バックライト輝度特性取得手段は、前記照度検出手段により検出された複数の表示領域の各表面照度及び各表面照度の統計量に基づいて、前記透過型表示パネルの表示領域毎にそれぞれ1つのバックライト輝度特性を取得し、又は前記透過型表示パネルの全表示領域に対して1つのバックライト輝度特性を取得する請求項5又は6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記透過型表示パネルの複数の表示領域は、画面中央の1つの領域と、この1つの領域に接する画面周囲の複数の領域とからなる請求項5から7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
表示用の画像に基づいて透過型表示パネルを制御し、かつ該透過型表示パネルの背面に配設されたバックライトユニットを構成する複数のセグメントの輝度を個別に制御する画像表示方法であって、
表示用の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得した画像に基づいて前記透過型表示パネルを制御する工程と、
前記画像取得工程により取得した画像の、前記バックライトユニットの各セグメントに対応する複数の画素の代表輝度値をそれぞれ算出する代表輝度値算出工程と、
前記透過型表示パネルの表面に照射される光の照度を測定する照度検出工程と、
代表輝度値と当該代表輝度値に対応して設定されるバックライト輝度との関係を示すバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得工程であって、前記照度検出工程により検出された照度が第1の閾値より高く、かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下の場合に表示用の画像の画像データ値に対応する表示輝度がリニアに近づく第2のバックライト輝度特性を取得し、前記検出された照度が前記第1の閾値以下の場合に表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度を前記第2のバックライト輝度特性より低く設定する第1のバックライト輝度特性を取得し、前記検出された照度が前記第2の閾値より高い場合に表示用の画像の中輝度部のバックライト輝度を前記第2のバックライト輝度特性より高く設定する第3のバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得工程と、
前記バックライト輝度特性取得工程により取得されたバックライト輝度特性と前記代表輝度値算出工程により算出された各セグメントに対応する代表輝度値とに基づいて、前記バックライトユニットの各セグメントの輝度を制御する制御工程と、
を含む画像表示方法。
【請求項10】
前記バックライト輝度特性取得工程は、
前記第1、第2及び第3のバックライト輝度特性を含む複数のバックライト輝度特性を記憶するバックライト輝度特性記憶手段を準備する工程と、
前記照度検出工程により検出された照度に基づいて前記バックライト輝度特性記憶手段に記憶された複数のバックライト輝度特性から1つのバックライト輝度特性を選択するバックライト輝度特性選択工程と、
を含む請求項9に記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記第3のバックライト輝度特性は、表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度が前記第2のバックライト輝度特性より低く設定される請求項9又は10に記載の画像表示方法。
【請求項12】
前記表示用の画像の低輝度部は、最大輝度を100%とすると、13%未満であり、前記表示用の画像の中輝度部は、13%以上40%以下である請求項9から11のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置及び方法に係り、特に透過型表示パネルのバックライト輝度を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルの背面に配設されたバックライトユニットの各セグメントのバックライト輝度を個別に制御する機能(バックライトローカルディミング(BLD)機能)を備えた液晶表示装置が提案されている(特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1に記載の液晶表示装置は、表示装置周辺の照度を測定し、測定した照度が予め設定された閾値(例えば、200〜1000lx(ルクス))よりも低い場合には、バックライトローカルディミング制御を行い(BLD機能をONにし)、測定した照度が予め設定された閾値よりも高い場合には、バックライトローカルディミング制御を行わずに(BLD機能をOFFにし)、各セグメントの発光輝度が均一になるようにしている。
【0004】
即ち、照度が低い場合には、バックライトローカルディミング制御を行うことで、局所的なコントラスト感を向上させることができる。一方、照度が高い場合には、バックライトローカルディミング制御を行ってもコントラスト感がほとんど変わらない。このため、各発光ダイオード(LED)に流す電流を一定にし、LEDの光束の劣化のばらつきが大きくならないようにしている。
【0005】
特許文献2に記載の表示装置は、液晶パネルの表面の照度を、バックライトユニットの各セグメントに対応づけられた表示/センサユニットにより検知し、検知した照度に応じた補正値で補正したバックライト輝度となるように各セグメントを発光させる。これにより、液晶パネルの一部が対象物の影になっている場合に、外光の照度が小さい影の部分の輝度を上げて影の映り込みを抑制できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−204825号公報
【特許文献2】特開2011−48198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明は、周囲が明るい時にバックライトローカルディミング制御をOFFにするため、視認性が低くなる。また、特許文献1に記載の発明は、各セグメントを均一に発光させるため、消費電力も高くなるという問題がある。
【0008】
特許文献2に記載の発明は、液晶パネルの表面の照度をバックライトユニットのセグメント毎に検知する必要があり、多数の表示/センサユニットを表示装置に設ける必要がある。また、外光が比較的均一な場合、低照度と検知されると、バックライト輝度を全体的に上げることになる。このため、不要に高輝度となり、かつ消費電力が増大するという問題がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、周囲の明るさによらず高品位で視認性の高い画像を表示することができ、かつ低消費電力を実現することができる画像表示装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明の一の態様に係る画像表示装置は、表示用の画像を取得する画像取得手段と、画像取得手段により取得した画像を表示する透過型表示パネルと、透過型表示パネルの背面に配設され、透過型表示パネルに対するバックライトを分割されたセグメント毎に輝度制御可能なバックライトユニットと、画像取得手段により取得した画像の、バックライトユニットの各セグメントに対応する複数の画素の代表輝度値をそれぞれ算出する代表輝度値算出手段と、代表輝度値と代表輝度値に対応して設定されるバックライト輝度との関係を示すバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得手段であって、照度検出手段により検出された照度が第1の閾値より高く、かつ第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下の場合に表示用の画像の画像データ値に対応する表示輝度がリニアに近づく第2のバックライト輝度特性を取得し、検出された照度が第1の閾値以下の場合に表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度を第2のバックライト輝度特性より低く設定する第1のバックライト輝度特性を取得し、検出された照度が第2の閾値より高い場合に表示用の画像の中輝度部のバックライト輝度を第2のバックライト輝度特性より高く設定する第3のバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得手段と、バックライト輝度特性取得手段により取得されたバックライト輝度特性と代表輝度値算出手段により算出された各セグメントに対応する代表輝度値とに基づいて、バックライトユニットの各セグメントの輝度を制御する制御手段と、を備えている。
【0011】
本発明の一の態様によれば、透過型表示パネルの表面に照射される光の照度(即ち、周囲の明るさ)に応じて最適な階調特性になるように表示輝度を制御する。表示輝度は、画像データ値に対応する透過型表示パネルの透過率とバックライト輝度との掛け算により決定されるが、本発明はバックライトユニットの各セグメントの輝度を制御することにより表示輝度の階調特性が、周囲の明るさに対して最適になるようにしている。
【0012】
特に本発明は、検出した照度が第1の閾値より高く、かつ第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下の時(透過型表示パネルの表面の照度が通常の照度の時)、表示用の画像の画像データ値に対応する表示輝度がリニアに近づく第2のバックライト輝度特性を取得し、取得した第2のバックライト輝度特性に応じて各セグメントのバックライト輝度を個別に制御(バックライトローカルディミング(BLD)制御)を行う。また、検出した照度が第1の閾値以下のとき(透過型表示パネルの表面の照度が低いとき)、表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度を第2のバックライト輝度特性より低く設定する第1のバックライト輝度特性を取得し、取得した第1のバックライト輝度特性に応じてBLD制御を行う。即ち、低輝度部に対応するセグメントのバックライト輝度を通常のBLD制御よりも低くすることで、低輝度部の画質を高品位で視認性を高くし、かつ低消費電力化を図っている。更に、検出した照度が第2の閾値より高いとき(透過型表示パネルの表面の照度が高いとき)、表示用の画像の中輝度部のバックライト輝度を第2のバックライト輝度特性より高く設定する第3のバックライト輝度特性を取得し、取得した第3のバックライト輝度特性に応じてBLD制御を行う。即ち、中輝度部に対応するセグメントのバックライト輝度を通常のBLD制御よりも高くすることで、高照度時の視認範囲を拡大できるようにしている。
【0013】
本発明の他の態様に係る画像表示装置において、バックライト輝度特性取得手段は、第1、第2及び第3のバックライト輝度特性を含む複数のバックライト輝度特性を記憶するバックライト輝度特性記憶手段と、照度検出手段により検出された照度に基づいてバックライト輝度特性記憶手段に記憶された複数のバックライト輝度特性から1つのバックライト輝度特性を選択するバックライト輝度特性選択手段と、を備えることが好ましい。
【0014】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、第3のバックライト輝度特性は、表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度が第2のバックライト輝度特性より低く設定されることが好ましい。高照度時に視認不能な低輝度部に対するバックライト輝度を第2のバックライト輝度特性よりも低くすることにより、より好ましくは第1のバックライト輝度特性よりも低くすることにより低消費電力化を図っている。
【0015】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、表示用の画像の最大輝度を100%とすると、低輝度部は13%未満であり、中輝度部は13%以上40%以下であることが好ましい。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、照度検出手段は、透過型表示パネルの複数の表示領域の各表面照度をそれぞれ検出し、バックライト輝度特性取得手段は、照度検出手段により検出された複数の表示領域の各表面照度に基づいて、透過型表示パネルの表示領域毎にそれぞれ1つのバックライト輝度特性を取得することが好ましい。透過型表示パネルの表面照度が一律でない場合を考慮し、透過型表示パネルの複数の表示領域の各表面照度をそれぞれ検出し、表示領域毎に適切なバックライト輝度特性を取得し、取得したバックライト輝度特性に応じたBLD制御を行う。
【0017】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、照度検出手段は、透過型表示パネルの外周部に複数設置され、複数の照度検出手段の検出出力により透過型表示パネルの複数の表示領域の各表面照度をそれぞれ検出することが好ましい。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、バックライト輝度特性取得手段は、照度検出手段により検出された複数の表示領域の各表面照度及び各表面照度の統計量に基づいて、透過型表示パネルの表示領域毎にそれぞれ1つのバックライト輝度特性を取得し、又は透過型表示パネルの全表示領域に対して1つのバックライト輝度特性を取得することが好ましい。
【0019】
各表面照度の統計量に基づいて複数の表示領域の表面照度の差異が小さい場合(例えば、各表面照度の標準偏差が小さい場合)には、全表示領域の平均照度により一律のバックライト輝度特性を取得する。一方、複数の表示領域の表面照度の差異が大きい場合には、表示領域毎にバックライト輝度特性を取得する。
【0020】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、透過型表示パネルの複数の表示領域は、画面中央の1つの領域と、この1つの領域に接する画面周囲の複数の領域とからなることが好ましい。画面中央には重要な画像が表示されることが多い。これにより、画面中央の画像に対して異なるバックライト輝度特性によるBLD制御が混在しないようにすることができる。
【0021】
本発明の更に他の態様に係る発明は、表示用の画像に基づいて透過型表示パネルを制御し、かつ透過型表示パネルの背面に配設されたバックライトユニットを構成する複数のセグメントの輝度を個別に制御する画像表示方法であって、表示用の画像を取得する画像取得工程と、画像取得工程により取得した画像に基づいて透過型表示パネルを制御する工程と、画像取得工程により取得した画像の、バックライトユニットの各セグメントに対応する複数の画素の代表輝度値をそれぞれ算出する代表輝度値算出工程と、透過型表示パネルの表面に照射される光の照度を測定する照度検出工程と、代表輝度値と代表輝度値に対応して設定されるバックライト輝度との関係を示すバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得工程であって、照度検出工程により検出された照度が第1の閾値より高く、かつ第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下の場合に表示用の画像の画像データ値に対応する表示輝度がリニアに近づく第2のバックライト輝度特性を取得し、検出された照度が第1の閾値以下の場合に表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度を記第2のバックライト輝度特性より低く設定する第1のバックライト輝度特性を取得し、検出された照度が第2の閾値より高い場合に表示用の画像の中輝度部のバックライト輝度を第2のバックライト輝度特性より高く設定する第3のバックライト輝度特性を取得するバックライト輝度特性取得工程と、バックライト輝度特性取得工程により取得されたバックライト輝度特性と代表輝度値算出工程により算出された各セグメントに対応する代表輝度値とに基づいて、バックライトユニットの各セグメントの輝度を制御する制御工程と、を含んでいる。
【0022】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、バックライト輝度特性取得工程は、第1、第2及び第3のバックライト輝度特性を含む複数のバックライト輝度特性を記憶するバックライト輝度特性記憶手段を準備する工程と、照度検出工程により検出された照度に基づいてバックライト輝度特性記憶手段に記憶された複数のバックライト輝度特性から1つのバックライト輝度特性を選択するバックライト輝度特性選択工程と、を含むことが好ましい。
【0023】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、第3のバックライト輝度特性は、表示用の画像の低輝度部のバックライト輝度が第2のバックライト輝度特性より低く設定されることが好ましい。
【0024】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、表示用の画像の最大輝度を100%とすると、低輝度部は13%未満であり、中輝度部は13%以上40%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、周囲の明るさに応じて最適な階調特性になるように表示輝度を制御するようにしたため、周囲の明るさによらず高品位で視認性の高い画像を表示することができ、かつ低消費電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る画像表示装置の実施の形態を示すブロック図
図2図1に示した液晶表示部の斜視図
図3】LCDパネルの各表示領域及び照度検出部の取付位置を示す図
図4】入力する画像データの画素値とその表示輝度との関係を示すグラフであり、特に3つの表示階調特性を示すグラフ
図5A】入力する画像データの画素値により制御されるLCDパネルの透過率を示すグラフ
図5B】入力する画像データの画素値により制御される通常の照度時のバックライト輝度設定テーブルを示すグラフ
図6図5Bに示したリニアな表示階調を得るためのバックライト輝度設定テーブルT2(D)に対する低照度時及び高照度時におけるバックライト輝度設定テーブルT2(D)及びT3(D)を示すグラフ
図7】画像表示装置の要部ブロック部
図8】セグメントm内の輝度分布の一例を示すグラフ及び輝度分布に応じたムラ補正を示す図
図9】画像表示方法の実施形態を示すフローチャートであり、特にバックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)、及びT3(D)から1つのバックライト輝度設定テーブルを選択する方法を示すフローチャート
図10】暗い環境下で選択されるバックライト輝度設定テーブルT1を示すグラフ
図11】明るい環境下で選択されるバックライト輝度設定テーブルT1を示すグラフ
図12】画像表示装置の他の実施形態であるスマートフォンの外観図
図13】スマートフォンの要部構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に従って本発明に係る画像表示装置及び方法の実施の形態について説明する。
【0028】
[画像表示装置の構成]
図1は本発明に係る画像表示装置の実施の形態を示すブロック図であり、図2図1に示した液晶表示部の斜視図である。
【0029】
図1に示す画像表示装置1は、バックライトローカルディミング(BLD)機能を備えたディスプレイである。画像表示装置1は、中央処理装置(CPU)10、メモリ12(バックライト輝度特性記憶手段)、操作部14、液晶(LCD)表示部16(LCDパネル16a(透過型表示パネル)、バックライトユニット(LEDアレイ)16b)、映像信号生成部20、輝度分布推定部22、LCD制御部24、LCD駆動部26、バックライト制御信号生成部28(代表輝度値算出手段、バックライト輝度特性取得手段、バックライト輝度特性選択手段、制御手段)、発光ダイオード(LED)ドライバ30、画像ストレージ32、及び照度検出部I(照度検出手段)を備えている。
【0030】
CPU10は、操作部14からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って画像表示装置全体の動作を統括制御するもので、画像ストレージ32に保存された画像ファイルを取得し、画像ファイルに格納された圧縮画像データ(例えば、モーションJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮された動画データ、JPEG圧縮された静止画データ)を伸張し、伸張した画像データを取得する画像取得機能を含んでいる。
【0031】
メモリ12は、揮発性メモリであるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)と、書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory、記憶手段)を含んでいる。SDRAMは、CPU10による制御プログラムの実行時におけるワークエリアとして、また、再生する画像データを一時保持する記憶エリアとして使用される。一方、EEPROMには、BLD制御プログラムを含むプログラム、BLD制御に使用するテーブル(バックライト輝度設定テーブルT1−T3)、各種のパラメータ等が記憶されている。
【0032】
LCD表示部16は、透過型のLCDパネル16aと、バックライトユニット16bとを備えている。バックライトユニット16bは、図2に示すようにLCDパネル16aの背面に配設され、LEDセグメント(以下、単に「セグメント」という)毎に1つのLEDが配列されたLEDアレイから構成されており、セグメント毎に発光輝度(バックライト輝度)が制御可能になっている。即ち、バックライトユニット16bは、セグメント毎にバックライト輝度を個別に制御するBLD制御が適用されるものである。
【0033】
映像信号生成部20は、メモリ12に一時的に記憶された画像データをLCDパネル16aに表示するための映像信号に変換し、また、LCD表示部16のガンマ特性に応じた再生階調変換(逆ガンマ補正)し、これをLCD制御部24に出力する。LCD制御部24の他の入力には、輝度分布推定部22からセグメント毎のバックライト輝度のムラを補正するための補正値が入力されている。LCD制御部24は、映像信号生成部20から入力する映像信号を輝度分布推定部22から入力する補正値により補正してLCD駆動部26を出力する。LCD駆動部26は、LCD制御部24から加えられる映像信号に対応する制御信号によりLCDパネル16aを駆動し、LCD素子(表示素子)毎にその透過率を制御する。
【0034】
一方、バックライト制御信号生成部28は、バックライトユニット16bの各セグメントに対応する複数の画素の代表輝度値(例えば、複数の画素の最大値、平均値等)を算出する代表輝度値算出手段、バックライト輝度設定部、及びバックライト制御部(制御手段)等を含んでいる。バックライト制御信号生成部28は、LCD表示部16に再生表示させる画像、及び照度検出部Iにより検出されたLCDパネル16aの表示領域の照度に基づいて、各セグメントの輝度を制御するためのバックライト制御信号を生成する。尚、バックライト制御信号生成部28の詳細については後述する。
【0035】
LEDドライバ30は、バックライト制御信号生成部28から加えられるバックライト制御信号によりバックライトユニット16bのセグメントを個別に駆動し、各セグメントからそれぞれBLD制御されたバックライトを発光させる。
【0036】
画像ストレージ32は、例えば、ハードディスク装置などにより構成され、LCD表示部16に表示するための動画又は静止画の画像ファイルが格納されている。尚、画像ストレージ32は、装置に内蔵されたものに限らず、インターフェースを介して接続されるメモリカード等の外部記録媒体でもよい。
【0037】
照度検出部Iは、図3に示すように4つの照度検出部I〜Iからなり、各照度検出部I〜Iは、それぞれLCDパネル16aの外周部の4辺の中央部に配設され、LCDパネル16aの複数の領域1〜4に照射される光の照度を検出する。尚、LCDパネル16aの画面中央の領域5の照度は、その周囲の4つの領域1〜4の照度の平均値により算出される。
【0038】
[BLD制御]
次に、本発明に係る画像表示装置1のBLD制御の概要について説明する。
【0039】
図4は入力する画像データDの画素値(8ビットのデータ)とその表示輝度Bとの関係を示すグラフであり、この実施形態では、3つの表示階調B1,B2,B3に関して示している。
【0040】
表示階調B2は、入力する画像データDの画素値に対してリニアな表示階調特性をもっている。表示階調B1は、入力する画像データDの低輝度の画素値に対して、表示階調B2に比べて低い(下に凸)の表示階調特性をもっている。表示階調B3は、入力する画像データDの低輝度の画素値に対して、表示階調B1よりも更に低い表示階調特性をもち、かつ画像データDの中輝度の画素値に対して、表示階調B2に比べて高い(上に凸)の表示階調特性をもっている。
【0041】
ここで、低輝度に相当する画像データ値は、8ビットのデータ(0〜255)に対して、例えば32以下、中輝度に相当する画像データ値は33から100付近に設定することが好ましい。尚、画像の最大輝度を100%とすると、低輝度の画像は13%未満であり、中輝度の画像は13%以上40%以下である。
【0042】
次に、リニアな表示階調B2を得るためのBLD制御について説明する。
【0043】
図5Aは入力する画像データDの画素値により制御される、LCDパネル16aの透過率を示すグラフである。
【0044】
図5Aに示すようにLCDパネル16aの透過率は、一般にリニアな特性にならず、低輝度部の透過率が高くなる。このLCDパネル16aを均一なバックライトで照射すると、低輝度部が黒く見えない、いわゆる黒浮きが発生する。
【0045】
本発明では、LCDパネル16aの表面の照度が通常の環境下の中間照度(例えば、リビングの照度は100lxから900lxと言われている)の場合には、LCDパネル16aの透過率特性に合わせて、表示階調B2がリニアになるようにバックライト輝度を制御する。
【0046】
ここで、画像データ値Dに対する表示階調をリニアにするためのバックライト輝度設定値BL(D)は、画像データ値D、バックライト輝度設定値BL(D)、LCDパネル16aの透過率をTr(D)、及び所定の係数をkとすると、次式で求められる。
【0047】
[数1]
BL(D)=k×D/Tr(D)
図5Bはリニアな表示階調B2を得るためのバックライト輝度設定テーブルT2(D)を示している。このバックライト輝度設定テーブルT2(D)は、[数1]式から求めることができる。尚、図4上で、中間照度時のLCDパネル16aの反射輝度をR2とすると、この反射輝度R2よりも高い表示輝度Bの画像が視認範囲になる。
【0048】
一方、図4の表示階調B1は、暗い環境向けの表示階調特性を示している。暗い室内の照度は、一般的に251x以下となる。この照度の条件は、例えば、映画館での鑑賞やリバーサルフイルムをライトボックスを使用して暗室で見るときの条件に相当する。この条件においては、LCDパネル16aの表面で反射される外光の輝度は低くなる(図4の反射輝度R1)。この場合、画像の低輝度部(いわゆるシャドー部)に相当する表示輝度を低く抑えた表示階調B1の特性で表示することで、映画やフイルムに近い良好な画質となる。
【0049】
また、図4の表示階調B3は、明るい環境向けの表示階調特性を示している。明るい室内の照度は、昼間で外光が差し込む室内の照度に相当し、900lx以上となる。この環境においては、LCDパネル16aの表面で反射される外光の輝度は高くなる(図4の反射輝度R3)。この場合、反射輝度R3以下の見えない領域が大きくなり、視認性が低下する。このため、中間輝度部の表示輝度を表示階調B2よりも高くする表示階調B3の特性で表示することで、高照度時の視認範囲を中間照度時に比べて範囲Eだけ拡大する。また、高照度の環境下においては、反射輝度R3以下の表示輝度をもつ画素は判別が困難となる。そこで、表示階調B3は、低輝度部のバックライト輝度をできるだけ低い値に設定する(消費電力を抑える)ために、低輝度部の表示輝度を表示階調B2よりも低い特性で表示し、より好ましくは低輝度部の表示輝度を表示階調B1よりも低い特性で表示する。
【0050】
図6は、図5Bに示したリニアな表示階調B2を得るためのバックライト輝度設定テーブルT2(D)と、低照度時の表示階調B1を得るためのバックライト輝度設定テーブルT1(D)と、高照度時の表示階調B3を得るためのバックライト輝度設定テーブルT3(D)とを示すグラフである。
【0051】
図6に示すように低照度時のバックライト輝度設定テーブルT1(D)は、低輝度部に対応するバックライト輝度設定値が、中間照度時のバックライト輝度設定テーブルT2(D)よりも低く設定されている。また、高照度時のバックライト輝度設定テーブルT3(D)は、中輝度部に対応するバックライト輝度設定値が、中間照度時のバックライト輝度設定テーブルT2(D)よりも高く設定され、かつ低輝度部に対応するバックライト輝度設定値が、バックライト輝度設定テーブルT2(D)よりも低く設定されている。尚、図6上では、高照度時のバックライト輝度設定テーブルT3(D)の低輝度部に対応するバックライト輝度設定値は、低照度時のバックライト輝度設定テーブルT1(D)よりも低く設定されている。
【0052】
LCDパネル16aに表示される画像の表示輝度は、画像データDに応じてLCD素子毎に制御された透過率(図5A参照)と、バックライト輝度設定テーブルT1(D)〜T3(D)に応じて制御される、LCDパネル16aの背面のバックライト輝度との掛け算により決まるが、上記のバックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)、又はT3(D)にしたがってバックライト輝度を制御することにより、図4の表示階調B1、B2、又はB3に示した特性が得られる。
【0053】
次に、本発明に係る画像表示装置1のBLD制御について説明する。
【0054】
図7は画像表示装置1の要部ブロック部である。図7中の再生階調変換部40は、図1に示した映像信号生成部20に含まれ、ムラ補正部56は、LCD制御部24に含まれる。また、代表輝度値算出部44、照度分布判定部46及びバックライト輝度設定部48は、図1に示したバックライト制御信号生成部28に含まれる。
【0055】
図7において、再生階調変換部40は、入力する画像データ(圧縮データの場合、伸張処理後のYCデータをRGBデータに変換したデータ)を所定の表示階調変換、例えば2.2乗することで、画像データが撮影される際の階調変換、例えば0.45乗と掛け合わせてリニア特性の画素データD0に変換する。この階調変換は、記憶部42に記憶された逆ガンマの階調変換特性を有するγテーブルを使用して行われる。
【0056】
一画面に表示される画素データD0は、代表輝度値算出部44に加えられる。画素データD0は、バックライト輝度が制御可能な区域(セグメント)に分割される。1セグメントに含まれる画素データは、例えば水平128画素、垂直128画素となる。代表輝度値算出部44は、各セグメントを代表する画素値(代表輝度値)を算出する。本実施例では、セグメント内のピーク値Dpを代表値とする。
【0057】
照度検出部I(I〜I)は、図3に示したようにLCDパネル16aの4つの領域1〜4の照度をそれぞれ検出し、検出した照度情報を照度分布判定部46に出力する。照度分布判定部46は、4つの領域1〜4の照度の平均値Saを算出し、その平均値Saを画面中央の領域5の照度とする。また、5つの領域1〜5の照度の標準偏差Sdを算出し、各領域の照度のばらつきを算出する。領域1〜5の照度の差異が小さい場合(標準偏差Saが小さい場合)には、全領域の平均照度を示す照度情報をバックライト輝度設定部48に出力する。一方、領域1〜5の照度の差異が大きい場合(標準偏差Saが大きい場合)には、各領域1〜5の照度を示す照度情報をバックライト輝度設定部48に出力する。
【0058】
バックライト輝度設定部48の他の入力には、代表輝度値算出部44から各セグメントを代表する代表輝度値が加えられるようになっており、バックライト輝度設定部48は、照度分布判定部46から入力する照度情報と、代表輝度値算出部44から入力する代表輝度値とに基づいて各セグメントのバックライト輝度を設定する。
【0059】
即ち、バックライト輝度設定部48は、代表輝度値のセグメントが属する領域の照度情報に基づいて、図6に示した複数のバックライト輝度設定テーブルT1(D),T2(D),T3(D)が記憶された記憶部50から1つのバックライト輝度設定テーブルを選択し、選択したバックライト輝度設定テーブルから代表輝度値に対応するバックライト輝度設定値を読み出し、代表輝度値のセグメントにおけるバックライト輝度設定値BLとする。
【0060】
バックライト輝度設定部48によりセグメント毎のバックライト輝度設定値BLが設定されると、そのバックライト輝度設定値BLがLEDドライバ30に出力される。LEDドライバ30は、バックライト輝度設定値BLに基づいてバックライトユニット16bのセグメントの各輝度を個別に制御(BLD制御)する。
【0061】
一方、輝度分布推定部22は、各セグメントのバックライト輝度が設定されると、バックライトの輝度分布を推定する。即ち、あるセグメントのバックライト輝度と、その周囲のセグメントのバックライト輝度とが異なる場合、バックライト輝度に段差(バックライト輝度にムラ)が生じる。輝度分布推定部22は、推定したバックライトの輝度分布の情報をムラ補正部56に出力する。
【0062】
ムラ補正部56には、画素データD0が加えられており、ムラ補正部56は、輝度分布推定部22から入力するバックライトの輝度分布の情報に基づいてバックライト輝度のムラを補正すべく画素データを補正する。
【0063】
いま、リニアな表示階調B2を得るためのバックライト輝度設定テーブルT2(D)が選択されると(図5B参照)、表示輝度が画像データDに対してリニアとなるようにセグメント内の代表輝度値(画素値のピーク値Dp)に対して、セグメントのバックライト輝度BLpが設定される。
【0064】
図8の(a)部はセグメントm内の輝度分布の一例を示すグラフである。尚、図8の(a)部では、簡単のために輝度分布を一次元で示している。
【0065】
セグメントmの画素値のピーク値Dpに対して、セグメントmのバックライト輝度BLpが設定されると、バックライト輝度BLpが設定されたセグメントm内のバックライト輝度は、例えば図8の(a)部に示すような輝度分布をもつ。この分布は、バックライト輝度BLp及び周辺セグメントの設定輝度、及びバックライト部の光学特性から推定することができる。セグメントmの画素位置(i)におけるバックライト輝度値BL(i)は、輝度分布から求められる。本実施例ではバックライト輝度BL(i)は、バックライト輝度BLpより低くなり、輝度ムラとなる。輝度ムラを補正するためのムラ補正処理を以下に示す。
【0066】
バックライト輝度設定テーブルT2(D)から、バックライト輝度値BL(i)に相当する画素データ値D0(i)が求められる(図5B)。
【0067】
この画素データ値D0(i)と、バックライト輝度BL(i)と、バックライト輝度BLpから以下の式により、画素データ値D0(i)を画素データ値D1(i)に補正することで、輝度ムラを低減する。
【0068】
[数2]
D1(i)=D0(i)×BLp/BL(i)
このようにセグメントm内の全画素についてD1を求めると、図8の(b)部の点線に示すような画素値に変換される。
【0069】
輝度分布推定部22及びムラ補正部56(図4)は、上記のムラ補正処理を行う。
【0070】
ムラ補正部56によりバックライトの輝度ムラに対応する補正がされた画素データD1は、LCDパネル16aに出力され、画素データD1に応じてLCD素子毎の透過率が制御される。
【0071】
[画像表示方法]
次に、本発明に係る画像表示方法について説明する。
【0072】
図9は本発明に係る画像表示方法の実施形態を示すフローチャートであり、特にバックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)、及びT3(D)から1つのバックライト輝度設定テーブルを選択する方法に関して示している。
【0073】
図9において、LCDパネル16aの5つの領域1〜5(図3)のうちの領域番号を示すパラメータnを1に設定し(ステップS10)、また、各領域1〜4の照度検出値S(1)〜S(4)として照度検出部I〜Iの出力値を設定する(ステップS12)。
【0074】
続いて、各照度検出値S(1)〜S(4)の平均値を算出し、算出した平均値をSaとし、また、各照度検出値S(1)〜S(4)の標準偏差を算出し、算出した標準偏差をSdとする(ステップS14)。
【0075】
標準偏差Sdが所定の値C1よりも大きいか否かを判別し(ステップS16)、値C1以下と判別されると(「No」の場合)、ステップS18に遷移させる。ここで、値C1は、各照度検出値S(1)〜S(4)のばらつきが大きいか否かを判別するための値である。
【0076】
標準偏差Sdが値C1以下と判別されると、LCDパネル16aの各領域1〜4の照度検出値S(1)〜S(4)のばらつきが小さいため、全表示領域に対して一律のバックライト輝度設定テーブルが設定される。
【0077】
即ち、ステップS18では、各領域1〜4の照度検出値S(1)〜S(4)の平均値SaをLCDパネル16aの表面の照度とし、平均値Saが第1の閾値L1より小さいか否か(即ち、(通常の環境よりも)暗い環境か否か)を判別する。平均値Saが第1の閾値L1より小さいと判別されると(「Yes」の場合)、全表示領域に対してバックライト輝度設定テーブルT1を適用する(ステップS20,図10)。
【0078】
ステップS22では、平均値Saが第1の閾値L1以上第2の閾値L2以下か否か(通常の環境か否か)を判別する。平均値Saが第1の閾値L1以上第2の閾値L2以下と判別されると(「Yes」の場合)、全表示領域に対してバックライト輝度設定テーブルT2を適用する(ステップS24、図5B)。
【0079】
ステップS26では、平均値Saが第2の閾値L2よりも大きいか否か(即ち、(通常の環境よりも)明るい環境か否か)を判別する。平均値Saが第2の閾値L2よりも大きいと判別されると(「Yes」の場合)、全表示領域に対してバックライト輝度設定テーブルT3を適用する(ステップS28、図11)。
【0080】
一方、ステップS16において、標準偏差Sdが所定の値C1よりも大きいと判別されると(「Yes」の場合)、LCDパネル16aの各領域1〜4の照度のばらつきが大きいため、以下に示すように領域毎に適用するバックライト輝度設定テーブルを選択する。
【0081】
即ち、ステップS30では、領域n(n:1〜4)の照度検出値S(n)が第1の閾値L1より小さいか否かを判別する。照度検出値S(n)が第1の閾値L1より小さいと判別されると(「Yes」の場合)、領域nに対してバックライト輝度設定テーブルT1を適用する(ステップS32,図10)。
【0082】
ステップS34では、領域nの照度検出値S(n)が第1の閾値L1以上第2の閾値L2以下か否かを判別する。照度検出値S(n)が第1の閾値L1以上第2の閾値L2以下と判別されると(「Yes」の場合)、領域nに対してバックライト輝度設定テーブルT2を適用する(ステップS36、図5B)。
【0083】
ステップS38では、領域nの照度検出値S(n)が第2の閾値L2よりも大きいか否かを判別する。領域nの照度検出値S(n)が第2の閾値L2よりも大きいと判別されると(「Yes」の場合)、領域nに対してバックライト輝度設定テーブルT3を適用する(ステップS40、図11)。
【0084】
領域nに対してバックライト輝度設定テーブルが選択されると、領域番号のパラメータnが4(n=4)か否か判別される(ステップS42)。n=4でない場合(「No」の場合)、更にnが5以上か否かが判別される(ステップS44)、nが5以上でない場合には、nを1だけインクリメントし(ステップS46)、ステップS30に遷移させる。
【0085】
一方、ステップS42において、n=4と判別されると(「Yes」の場合)、nを1だけインクリメントする(ステップS48)。即ち、n=5とし、画面中央の領域5の領域番号を設定する。続いて、領域5の照度検出値S(n)として平均値Saを設定し(ステップS50)、ステップS30に遷移させる。
【0086】
LCDパネル16aの領域1〜5に対するバックライト輝度設定テーブルがそれぞれ選択されると、n=5となるため、ステップS44では「Yes」と判別され、バックライト輝度設定テーブルの選択が終了する。
【0087】
このようにして、全表示領域に対して一律のバックライト輝度設定テーブルが選択され、又は領域毎にバックライト輝度設定テーブルが選択されると、選択されたバックライト輝度設定テーブルとセグメント毎の代表輝度値とに基づいて各セグメントのバックライト輝度が制御される。
【0088】
前述したように暗い環境下ではバックライト輝度設定テーブルT2が選択され、表示階調が、図4に示した表示階調B1の特性となるBLD制御が行われる。即ち、低輝度部のバックライト輝度を通常の表示階調B2よりも低くし、低輝度部の画質を高品位で視認性を高くし、かつ低消費電力化を図るようにしている。また、明るい環境下ではバックライト輝度設定テーブルT3が選択され、表示階調が、図4に示した表示階調B3の特性となるBLD制御が行われる。即ち、中輝度部のバックライト輝度を通常の表示階調B2よりも高くし、視認範囲を拡大し、かつ視認できない低輝度部のバックライト輝度をできるだけ低くし、低消費電力化を図るようにしている。
【0089】
また、画像表示装置1の他の実施形態としては、例えば、カメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機が挙げられる。以下、スマートフォンを例に挙げ、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0090】
<スマートフォンの構成>
図12は、画像表示装置1の他の実施形態であるスマートフォン500の外観を示すものである。図12に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532、操作部540と、カメラ部541とを備えている。尚、筐体502の構成はこれに限定されない。例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用することもできる。
【0091】
図13は、図12に示すスマートフォン500の構成を示すブロック図である。図13に示すように、スマートフォン500は、無線通信部510と、表示入力部520と、通話部530と、操作部540と、カメラ部541と、記憶部550と、外部入出力部560と、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501とを備える。また、スマートフォン500の主たる機能として、基地局装置BSと移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0092】
無線通信部510は、主制御部501の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0093】
表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画及び動画)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。生成された3D画像を鑑賞する場合には、表示パネル521は、3D表示パネルであることが好ましい。
【0094】
表示パネル521は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。本例の表示パネル521は、バックライトユニットを有するLCDパネルからなり、バックライトローカルディミング(BLD)機能を備えている。
【0095】
操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。操作パネル522をユーザの指や尖筆によって操作すると、操作パネル522は、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。
【0096】
図12に示すように、スマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しているが、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。この配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
【0097】
尚、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル522で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
【0098】
通話部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備え、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力したり、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力するものである。また、図12に示すように、例えば、スピーカ531を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン532を筐体502の側面に搭載することができる。
【0099】
操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図12に示すように、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の表示部の下部、下側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0100】
記憶部550は、主制御部501の制御プログラムや制御データ、バックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)及びT3(D)(図6参照)、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部552により構成される。尚、記憶部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、Micro SD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
【0101】
外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
【0102】
スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン500の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
【0103】
GPS受信部570は、主制御部501の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン500の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
【0104】
モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。
【0105】
電源部590は、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
【0106】
主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記憶部550が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0107】
また、主制御部501は、表示パネル521の表面照度に応じて、記憶部550に記憶されているバックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)及びT3(D)のうちのいずれか1つのテーブルを選択し、選択したテーブルにしたがってバックライトユニットのBLD制御を行う。尚、表示パネル521の表示領域の照度は、専用の照度検出部を設けて検出するようにしてもよいし、カメラ部541により検出するようにしてもよい。
【0108】
アプリケーション処理機能は、記憶部550が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能、本発明に係るBLD制御機能などがある。
【0109】
また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部520に表示する機能のことをいう。
【0110】
更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。
【0111】
表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
【0112】
また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0113】
更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル522の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
【0114】
また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
【0115】
カメラ部541は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge-Coupled Device)などの撮像素子を用いて電子撮影するデジタルカメラである。また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができる。図12に示すスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らない。カメラ部541は、例えば、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、あるいは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。尚、複数のカメラ部541が搭載されている場合には、撮影に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮影したり、あるいは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮影することもできる。
【0116】
また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541で取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力のひとつとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、あるいは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
【0117】
[その他]
この実施形態では、3つのバックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)又はT3(D)からLCDパネル16aの表面照度に基づいて1つのバックライト輝度設定テーブル(即ち、バックライト輝度特性)を選択するようにしたが、バックライト輝度特性は3つに限らない。
【0118】
また、この実施形態では、バックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)又はT3(D)は、予め記憶部50に記憶されており、この記憶部50から照度検出部Iで検出した照度に応じて適宜のバックライト輝度設定テーブルを選択するようにしたが、これに限らず、例えば、バックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)又はT3(D)の特性を示す計算式、又は計算式に使用するパラメータを記憶しておき、照度検出部で検出した照度に応じて適宜の計算式、又はパラメータを使用して、バックライト輝度設定テーブルT1(D)、T2(D)又はT3(D)に対応するバックライト輝度特性を算出するようにしてもよい。
【0119】
更に複数の照度検出部I〜Iを設ける場合に限らず、1つの照度検出部によりLCDパネルの表示領域全体の照度を検出し、又は全表示領域を複数に分割した領域毎に照度を検出するようにしてもよい。
【0120】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0121】
1…画像表示装置、10…中央処理装置(CPU)、12…メモリ、16…LCD表示部、16a…LCDパネル、16b…バックライトユニット、20…映像信号生成部、22…輝度分布推定部、24…LCD制御部、26…LCD駆動部、28…バックライト制御信号生成部、30…LEDドライバ、32…画像ストレージ、34…タグ情報解析部、42、50…記憶部、44…代表輝度値算出部、46…照度分布判定部、48…バックライト輝度設定部、56…ムラ補正部、I、I〜I…照度検出部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
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図9
図10
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図13