特許第6022019号(P6022019)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテル・コーポレーションの特許一覧

特許6022019無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法
<>
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000002
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000003
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000004
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000005
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000006
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000007
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000008
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000009
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000010
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000011
  • 特許6022019-無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6022019
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】無線アクセスネットワークにおいて遅延を低減するためのユーザ機器および方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20161027BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20161027BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20161027BHJP
【FI】
   H04W72/12 150
   H04W72/04 150
   H04W8/24
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-217000(P2015-217000)
(22)【出願日】2015年11月4日
(62)【分割の表示】特願2015-500444(P2015-500444)の分割
【原出願日】2013年2月21日
(65)【公開番号】特開2016-42726(P2016-42726A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2015年11月19日
(31)【優先権主張番号】61/612,188
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/625,977
(32)【優先日】2012年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ズ、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァニサンビー、ラス
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0176984(US,A1)
【文献】 特表2012−528494(JP,A)
【文献】 特表2013−502160(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0044880(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0137618(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0269393(US,A1)
【文献】 特表2010−510712(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0249583(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0292901(US,A1)
【文献】 特許第5861219(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であり、
前記UEはハードウェア処理回路を備え、
前記ハードウェア処理回路は、
後にスケジューリングされたアップリンク認可で拡張型ノードB(eNB)へ送信するために遅延バッファ状況報告(D−BSR)媒体アクセス制御(MAC)制御要素を生成し、
前記D−BSR MAC制御要素の送信に応答してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を受信し、
前記D−BSR MAC制御要素は延値のインジケータ少なくとも含み、
前記認可は、前記遅延値の経過後すぐに前記eNBから受信され、帯域幅割り当てを含む、
UE。
【請求項2】
前記ハードウェア処理回路は、前記UEで実行されている1または複数のアプリケーションのための帯域幅を要求すべく、前記D−BSRを生成する、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記UEで実行されている前記1または複数のアプリケーションのいずれに対しても、遅延なしのBSRがトリガされない場合に、前記D−BSRが生成される、請求項2に記載のUE。
【請求項4】
前記ハードウェア処理回路は、予測バッファサイズのインジケータを含むよう前記D−BSR MAC制御要素をさらに構成し、
前記eNBから受信された前記認可は、前記予測バッファサイズに十分な帯域幅割り当てを含む、請求項3に記載のUE。
【請求項5】
前記ハードウェア処理回路は、前記UEが前記遅延させられた認可を予期している場合に、アプリケーション層からの新たなアップリンクパケットの受信に応答してアップリンク認可を要求することを避けるように前記UEを構成する、請求項に記載のUE。
【請求項6】
現在のバッファサイズがゼロである場合、および前記UEが前記予測バッファサイズに基づいて、前記UEで実行されている複数のアプリケーションからのアップリンクパケットを有するであろうと前記UEが予想する場合に、前記UEは、前記最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために前記D−BSR MAC制御要素を生成する、請求項に記載のUE。
【請求項7】
前記現在のバッファサイズがゼロではない場合、前記UEは、前記最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために遅延なしのBSR制御要素を生成し、
前記遅延なしのBSR制御要素は少なくとも前記現在のバッファサイズを示し、
前記遅延なしのBSR制御要素は、切り捨てられたBSRと、短いBSRと、長いBSRとのうち1つを示すLCIDインデックスを含む、請求項に記載のUE。
【請求項8】
前記UEは、前記UEで実行されている1または複数のアプリケーションに関するアップリンクトラフィック情報に少なくとも部分的に基づいて前記遅延値および前記予測バッファサイズを決定し、
前記アップリンクトラフィック情報は、前記1または複数のアプリケーションに関するパケットまたはビット生成レート、パケット到着間隔(PAI)、およびパケットサイズ(PS)情報のうち1または複数を含む、請求項に記載のUE。
【請求項9】
記UEは、サービス品質(QoS)クラス識別子(QCI)を用いて数のデータフローがベアラーへマッピングされる無線アクセスネットワーク内で動作する、請求項に記載のUE。
【請求項10】
前記UEは、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し、平均パケット遅延(APD)を示し、およびダウンリンクバッファサイズを示すダウンリンク輻輳およびバッファ報告(DCBR)を前記eNBから受信し、
前記UEは、輻輳が存在することを示す前記DCBRの受信に応答して、トラフィックレートの低減と、輻輳緩和と、遅延低減とのうち1または複数に関して1または複数のアプリケーションへ前記DCBRからの情報を報告する、請求項に記載のUE。
【請求項11】
前記DCBRは、DCBR MAC制御要素の一部として受信され、
前記DCBRは、輻輳インジケータ(CI)と、平均パケット遅延(APD)インジケータと、ダウンリンクバッファサイズ(DBS)インジケータとを含み、
前記CIは、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し、
前記DCBR MAC制御要素は、DCBRを示す論理チャネル識別子(LCID)インデックスを含む、請求項10に記載のUE。
【請求項12】
ユーザ機器(UE)によって実行される、3GPP LTEネットワークにおいてアップリンク帯域幅を要求する方法であり、
前記方法は、
後にスケジューリングされたアップリンク認可で拡張型ノードB(eNB)へ送信するために遅延バッファ状況報告(D−BSR)媒体アクセス制御(MAC)制御要素を生成する段階と、
前記D−BSR MAC制御要素の送信に応答してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を受信する段階と
を備え、
前記D−BSR MAC制御要素は延値のインジケータ少なくとも含み、
前記可は、前記遅延値の経過後すぐに前記eNBから受信され、帯域幅割り当てを含む、
方法。
【請求項13】
前記UEで実行されている1または複数のアプリケーションのための帯域幅を要求すべく、前記D−BSRが生成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記UEで実行されている前記1または複数のアプリケーションのいずれに対しても、遅延なしのBSRがトリガされない場合に、前記D−BSRが生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
予測バッファサイズのインジケータを含むよう前記D−BSR MAC制御要素を構成する段階をさらに備え、
前記eNBから受信された前記認可は、前記予測バッファサイズに十分な帯域幅割り当てを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
3GPP LTEネットワークにおいてアップリンク帯域幅を要求するユーザ機器(UE)の1または複数のプロセッサによる実行のための複数の命令を有するプログラムであり、
前記複数の命令は、
最後にスケジューリングされたアップリンク認可で拡張型ノードB(eNB)へ送信するために遅延バッファ状況報告(D−BSR)媒体アクセス制御(MAC)制御要素を生成する段階と、
前記D−BSR MAC制御要素の送信に応答してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を受信する段階とを、前記1または複数のプロセッサに実行させ、
前記D−BSR MAC制御要素は遅延値のインジケータを少なくとも含み、
前記認可は、前記遅延値の経過後すぐに前記eNBから受信され、帯域幅割り当てを含む、
プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本願は、2012年3月16日に提出された米国仮特許出願第61/612,188号の優先権に関する便益を主張する、2012年9月25日に提出された米国特許出願第13/625,977号の優先権に関する便益を主張する。これら米国仮特許出願および米国特許出願は、それら全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0002】
実施形態は無線通信に関する。いくつかの実施形態は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)Universal Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)Long−Term−Evolution(LTE)ネットワーク(E−UTRAN)を含む無線アクセスネットワークにおけるパケットスケジューリングに関する。いくつかの実施形態は、LTEネットワークのEvolved Packet Core(EPC)に関する。
【背景技術】
【0003】
無線アクセスネットワーク(RAN)において、ユーザ機器(UE)などの通信局は従来、アップリンクパケットを送信する準備が出来たときにアップリンク帯域幅の認可を要求する。この技術の1つの課題は、UEが、アップリンク認可を要求する前に、そのアプリケーション層から新たなアップリンクパケットが到達するのを待機しなければならないということである。このことにより、遅延センシティブなリアルタイムアプリケーションにとって特に課題となり得る遅延が生じる。スマートフォン、タブレット、およびノートブックデバイスなどのポータブルインターネットデバイスの普及と共に、様々なアプリケーションのパケットは、デフォルトのベアラーを用いてオーバーザトップ(OTT)で届けられる。これらのアプリケーションは、EPCにとってトランスペアレントであり、このことが、それらアプリケーション、特に遅延センシティブなアプリケーションに関するサービス品質(QoS)レベルの条件をサポートすることを困難にしている。
【0004】
したがって、必要なのは、アップリンク帯域幅の認可の要求に関連する遅延を含む、RANにおける遅延を低減する、または取り除くことを促すUEおよび方法である。また必要なのは、遅延センシティブなリアルタイムアプリケーションでの使用に適した、遅延を低減する、または取り除くUEおよび方法である。アプリケーション、特にEPCにおいてトランスペアレントである遅延センシティブなアプリケーションに関して向上させられたQoSサポートを提供するシステムおよび方法に対する一般的なニーズがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】いくつかの実施形態に係る無線アクセスネットワークの要素を図示する。
【0006】
図2】いくつかの実施形態に係る様々なベアラーを図示する。
【0007】
図3】いくつかの実施形態に係るLTEプロトコルスタックを図示する。
【0008】
図4】いくつかの実施形態に係るアップリンク共有チャネルのための論理チャネル識別子(LCID)値を例示する表である。
【0009】
図5】いくつかの実施形態に係る遅延バッファ状況報告(D−BSR)媒体アクセス制御(MAC)制御要素を図示する。
【0010】
図6】いくつかの実施形態に係る遅延値インデキシングを例示する表である。
【0011】
図7】いくつかの実施形態に係るダウンリンク輻輳およびバッファ報告(DCBR)制御要素を図示する。
【0012】
図8A】いくつかの実施形態に係る平均パケット遅延(APD)インデキシングを例示する表である。
【0013】
図8B】いくつかの実施形態に係るダウンリンクバッファサイズ(DBS)インデキシングを例示する表である。
【0014】
図9】いくつかの実施形態に係るダウンリンク共有チャネルに関するLCID値を例示する表である。
【0015】
図10】いくつかの実施形態に係るトラフィック特性(TC)パラメータマッピング(PTM)の優先度を例示する表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明および図面は、当業者が特定の実施形態を実施出来るよう十分にそれら実施形態を示している。他の実施形態は、構造的な、論理的な、電気的な、処理上の、および他の変更を組み込み得る。いくつかの実施形態の一部または特徴は、他の実施形態の一部または特徴に含まれ得、またはそれらと入れ替えられ得る。請求項に明記される実施形態は、それら請求項の利用可能な同等物を全て包含する。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態に係る無線アクセスネットワークの要素を図示する。無線アクセスネットワーク100は、1または複数の無線通信チャネル上で無線通信を行うユーザ機器(UE)102と拡張型ノードB(eNB)104とを含み得る。無線アクセスネットワーク100において、データフローは、QoSクラス識別子(QCI)を用いてベアラーへマッピングされ得る。LTEの実施形態において、eNB104は、LTEプロトコルスタック114を含み得、UE102は、LTEプロトコルスタック112を含み得る。LTEプロトコルスタック112、114は、eNB104とUE102とが3GPP LTEプロトコルに準拠して通信することを可能とするよう構成され得る。LTEプロトコルスタックは、本明細書に説明される処理を実行するよう構成された処理回路を備え得る。
【0018】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、リアルタイムのOTTアプリケーションにとって特に有益であり得る遅延の低減のために、3GPP LTE無線アクセスネットワークへ適用可能であり得る改善を提供する。いくつかの実施形態は、アップリンクの遅延バッファ状況報告を提供することにより遅延を低減する。いくつかの実施形態は、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告を提供することにより遅延を低減する。いくつかの実施形態は、トラフィック特性ベースのUE間/QCI内優先順位付けを提供することにより遅延を低減する。これらの実施形態は以下により詳細に説明される。
【0019】
アップリンクの遅延バッファ状況報告の実施形態によると、UE102は、(サービスするeNBであり得る)eNB104がアップリンク認可のスケジューリングを遅延させる最短時間を示す遅延値を決定し得る。UE102は、予測バッファサイズを決定し、最後にスケジューリングされたアップリンク(UL)認可(つまり、前のUL認可)によるeNB104への送信のために遅延バッファ状況報告(D−BSR)MAC制御要素を生成し得る。これらの実施形態において、D−BSR制御要素は、遅延値のインジケータと予測バッファサイズのインジケータとを少なくとも含み得る。予測バッファサイズは、遅延値により示される近い将来においてUE102が必要とするであろうと予想する認可量を示し得る。
【0020】
これらの実施形態において、D−BSR MAC制御要素は遅延させられたアップリンク認可を要求するのに用いられる。遅延値は、eNB104がアップリンク認可のスケジューリングを遅延させる最短時間を示し得る。バッファサイズを予測し、アップリンク認可の遅延させられたスケジューリングを要求することにより、アップリンク認可を要求する前に、UE102は、そのアプリケーション層から新たなアップリンクパケットが到達するのを待機しなくてもよいかもしれない。従来、現在のバッファサイズがゼロの場合、送信の準備が出来ているアップリンクパケットがないので、UEはアップリンク認可を要求しない。
【0021】
実施形態によると、UE102はeNB104からアップリンク認可を受信し得る。アップリンク認可に応答して、他のタイプのBSRがトリガされていない場合、UE102は、データペイロードとD−BSR MAC制御要素とを含むMACプロトコルデータユニット(PDU)をeNB104へ送信し得る。これらの実施形態において、D−BSR MAC制御要素の遅延値およびバッファサイズは、UE102上でローカルに実行されるアプリケーションにより決定または提供され得る、最少パケットサイズおよび最大到達間隔などの情報に基づいてUE102により設定され得る。eNB104がD−BSR MAC制御要素と共にパケットを受信した場合、eNB104は、D−BSR MAC制御要素の情報に基づいて、最少の遅延および認可サイズを用いてアップリンク認可をスケジューリングし得る。これらの実施形態は以下により詳細に説明する。
【0022】
いくつかの実施形態において、データフローはQCIを用いてベアラーへマッピングされて、進化型パケットシステム(EPS)ベアラーを介したエンドツーエンドQoSサポートを提供し得る。いくつかの実施形態において、QCIの特性は、3GPP Technical Specification(TS)23.203に準拠し得るが、このことは必須ではない。これらの実施形態において、無線アクセスネットワーク100は、オープンインタフェースを含む全インターネットプロトコル(IP)コアネットワークを提供し得、EPCと呼ばれ得る。EPCは、より高いスループット、より低いレイテンシ、3GPPネットワークと非3GPPネットワークとの間の単純化されたモビリティ、向上させられたサービス制御およびプロビジョニング、および、ネットワークリソースの効率的な使用を提供し得る。
【0023】
図2は、いくつかの実施形態に係る様々なベアラーを図示する。これらの実施形態において、データフローは、QCIを用いてベアラー200へマッピングされる。図2に図示されるように、E−UTRAN無線アクセスベアラー(E−RAB)207は、UE102とEPCとの間でEPSベアラー211のパケットを転送し得る。E−RAB207が存在する場合、E−RAB207とEPSベアラー211との間には1対1のマッピングがあり得る。データ無線ベアラー203は、UE102とeNB104との間でEPSベアラー211のパケットを転送し得る。データ無線ベアラーが存在する場合、データ無線ベアラー203とEPSベアラーまたはE−RAB207との間には1対1のマッピングがあり得る。S1ベアラー205は、eNB104とサービスするゲートウェイ(S−GW)106との間でE−RAB207のパケットを転送し得る。S5/S8ベアラー209は、S−GW106とパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P−GW)108との間でEPSベアラー211のパケットを転送し得る。
【0024】
UE102は、アップリンクにおけるデータフローとデータ無線ベアラーとの間の結び付きを作成する、アップリンクパケットフィルタとデータ無線ベアラーとの間のマッピングを格納し得る。UEにおけるアップリンクのトラフィックフローテンプレート(TFT)は、アップリンク方向に、データフローをEPSベアラーと結び付け得る。複数のデータフローが同じEPSベアラーへ多重化され得る。P−GWにおけるダウンリンクのTFTは、ダウンリンク方向に、データフローをEPSベアラーと結び付け得る。複数のダウンリンクパケットフィルタをダウンリンクのTFTに含めることにより、複数のデータフローが同じEPSベアラーへ多重化され得る。P−GW108は、ダウンリンクにおけるS5/S8ベアラーとデータフローとの間の結び付きを作成する、ダウンリンクパケットフィルタとS5/S8ベアラー209との間のマッピングを格納し得る。
【0025】
eNB104は、アップリンクおよびダウンリンクの両方におけるデータ無線ベアラーとS1ベアラーとの間の結び付きを作成する、データ無線ベアラー203とS1ベアラー205との間の1対1のマッピングを格納し得る。S−GW106は、アップリンクおよびダウンリンクの両方におけるS1ベアラーとS5/S8ベアラーとの間の結び付きを作成する、S1ベアラー205とS5/S8ベアラー209との間の1対1のマッピングを格納し得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、データフローのパケットは、デフォルトのベアラー(つまり、QCI=9)を用いてOTTで届けられる。そのようなアプリケーションの例には、ネットワーク上で利用されるスマートフォン、タブレット、またはウルトラブックなどのポータブルインターネットデバイスで実行され得るアプリケーションが含まれる。QoS条件がネットワークまたはモバイルオペレータに(例えば、場合によっては暗号化に起因して)知られないかもしれないので、これらのアプリケーションにより生成されるデータパケットは、OTTで(つまり、デフォルトのベアラーを用いて)届けられ得る。OTTで届けられ得る何らかの遅延センシティブなリアルタイムアプリケーションの例には、Skype、FaceTime、GoogleTalk、およびボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)が含まれ、それぞれが、ウェブブラウズまたは電子メールなど非リアルタイムアプリケーションとは区別され得る、遅延およびスループットに関して異なるQoS条件を有する。D−BSRの使用により、OTTで届けられるリアルタイムアプリケーションに関連する何らかの遅延を低減し得る。
【0027】
図3は、いくつかの実施形態に係るLTEプロトコルスタックを図示する。LTEプロトコルスタック300はLTEプロトコルスタック112(図1)、およびLTEプロトコルスタック114(図1)としての使用に適し得るが、他の構成も適し得る。
【0028】
LTEチャネルは3つのタイプのデータチャネルに分類され得る。論理チャネルは、搬送する情報のタイプにより規定される。論理チャネルは制御およびトラフィックチャネルに分類される。転送チャネルは、情報がどのように、およびどのような特性で送信されるかにより規定される。物理チャネルは、データを送信するのに用いられる物理リソースにより規定される。転送チャネルは物理チャネルにマッピングされる。データチャネルはさらに、制御チャネルおよびトラフィックチャネルに分けられる。トラフィックチャネルは、ユーザプレーンの情報を搬送し、制御チャネルは制御プレーンの情報を搬送し得る。無線ベアラーチャネルは、UE102とeNB104との間でEPSベアラーのパケットを転送する。
【0029】
LTE層3は、無線リソース制御(RRC)層を含む。LTE RRC層は、システム情報のブロードキャストを提供し、MAC、無線リンク制御(RLC)、およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層を構成し、モビリティ機能およびQoS管理機能を実行する。さらに、RRCはUEとネットワークとの間の制御プレーンシグナリングを担当する。RRCは、ブロードキャストされた、アクセス層および非アクセス層(NAS)メッセージの転送に関するシステム情報、ページング、RRC接続の確立および切断、セキュリティキー管理、ハンドオーバ―、システム間モビリティに関するUE測定、QoSなどを処理する。NASは、ネットワーク接続、認証、ベアラーの確立およびセットアップ、モビリティ管理などの制御目的のためにUEとネットワーク側のモビリティ管理エンティティ(MME)(図示せず)との間の通信を提供する。またNASは、UEの認証およびセキュリティ制御を実行し、ページングメッセージの一部を生成する。
【0030】
層3は層2と接し、層1とも直接的に接する。層2はMAC、RLC、およびPDCPに分割される。MACはアドレス指定およびチャネルアクセス制御メカニズムを提供する。またMACは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)誤り訂正、同じUEに関する論理チャネルの優先順位付け、UE間の動的なスケジューリングなどを管理する。RLCは、トラフィックをフォーマット化し、転送するのに用いられる。さらにRLCは、PDCPのPDUを転送し、提供される信頼性に応じて3つの異なるモードのうち1つで動作し得る。このモードに応じて、RLCは自動再送要求(ARQ)誤り訂正、PDUのセグメント化/連結、順序通りの配信の順番変更、重複検出などを提供出来る。PDCPは、ユーザプレーンのIPパケットのヘッダの圧縮(解凍)を担当する。PDCPは、RRCのデータの転送に暗号化および完全性保護を提供し、IPパケットのIP層の転送に関しては、ヘッダ圧縮、暗号化により、およびRRCのモードに応じて、ハンドオーバ―の間の自身のサービスデータユニット(SDU)の順序通りの配信、重複検出、および、再送を提供する。
【0031】
層1は物理(PHY)層であり、ネットワークの基本的なネットワーキングハードウェア送信技術を提供する。PHY層は、論理的な通信要求を、変調、ビット同期、多重化、イコライゼーション、順方向誤り訂正などのハードウェア固有の処理へ変換する。物理層は、無線インタフェース上でMACの転送チャネルからの情報を搬送し、RRC層に関して、リンク適応(AMC),パワー制御、セル検索(初期同期およびハンドオーバ―の目的のために)、他の測定(LTEシステム内、およびシステム間)を処理する。
【0032】
図4は、いくつかの実施形態に係るアップリンク共有チャネルのためのLCID値を例示する表である。これらの実施形態において、UE102(図1)は、遅延バッファ状況報告に関する制御要素を示すLCIDインデックス402をさらに含むようD−BSR MAC制御要素を構成し得る。言い換えると、LCIDインデックス402は、MAC制御要素がD−BSR MAC制御要素であることを示し得る。これらの実施形態において、図4に例示されるインデックス「01011」などの所定のLCIDインデックス404は、D−BSR MAC制御要素がD−BSRに関する情報を含み、D−BSR制御要素(表に例示されるような他のタイプのMAC制御要素ではなく)であることを示すべく用いられ得る。遅延なしの、または従来のBSR制御要素は、切り捨てられたBSR406、短いBSR408、および長いBSR410のうち1つを示すLCIDインデックスを含み得る。
【0033】
図5は、いくつかの実施形態に係るD−BSR MAC制御要素を図示する。これらの実施形態において、D−BSR MAC制御要素500は、制御要素500のLCG IDを示す論理チャネルグループ(LCG)識別子(ID)フィールド502を含み得る。LCG IDフィールド502は、制御要素が遅延させられたアップリンク認可を要求しているD−BSR MAC制御要素であることを示す、図4に例示されるインデックス「01011」など所定のLCIDインデックス404(図4)を含み得る。またD−BSR MAC制御要素500は、遅延値のインジケータ504および予測バッファサイズのインジケータ506を少なくとも含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、D−BSR MAC制御要素500はMAC制御フレームとして見なされ得る。D−BSR MAC制御要素500は、アップリンク帯域幅の遅延させられた認可の要求であり得る。いくつかの実施形態において、D−BSR MAC制御要素500は、UE102から、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)上のeNB104へ送信され得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。
【0035】
図6は、いくつかの実施形態に係る遅延値インデキシングを例示する表である。選択された遅延値604に関するインデックス602は、インジケータ504(図5)に関してD−BSR MAC制御要素500(図5)に含まれ得る。表はUE102(図1)のメモリに格納され得る。
【0036】
実施形態によると、UE102は、eNB104がアップリンク認可のスケジューリングを遅延させる時間を示す遅延値604を決定し得る。またUE102は、インジケータ504により示すための予測バッファサイズを決定し、最後にスケジューリングされたアップリンク認可でeNB104へ送信するためにD−BSR MAC制御要素500を生成し得る。上記にて説明したように、D−BSR MAC制御要素500は、遅延値604のインジケータ504および予測バッファサイズのインジケータ506を少なくとも含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、遅延値604は、eNB104がアップリンク認可のスケジューリングを遅延させる最短時間を示し得る。いくつかの実施形態において、予測バッファサイズは、遅延値604により示される近い将来に必要であるであろうとUE102が予想するアップリンク認可の量を示す。
【0038】
いくつかの実施形態において、UE102は、(D−BSR MAC制御要素500の送信に応答して)遅延させられた認可を予期している場合に、アプリケーション層からの新たなアップリンクパケットの受信に応答して、追加のアップリンク認可を要求することを避けるよう構成され得る。これらの実施形態は、以下により詳細に説明される。
【0039】
いくつかの実施形態において、UE102は、D−BSR MAC制御要素500の送信に応答してアップリンク帯域幅に関する遅延させられた認可を受信し得る。認可は遅延値604の経過後すぐにeNB104から受信され得、予測バッファサイズ506を処理するのに十分な帯域幅割り当てを含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、現在のバッファサイズがゼロである場合、および予測バッファサイズに基づいて(つまり、予測バッファサイズがゼロより大きいので)UEが直ぐに(例えば、120ミリ秒より短い時間で)アップリンクパケットを有するであろうと予想(例えば、予測または決定)する場合、UE102は、最後にスケジューリングされたアップリンク認可でeNB104へ送信するためにD−BSR MAC制御要素500を生成し得る。これらの実施形態において、バッファ状況報告は、現在のアップリンクバッファが空であり、よって、アップリンク送信の準備が出来た何らかのパケットをUE102が有さないことを示し得る。しかし、D−BSR MAC制御要素500は、予測バッファサイズを示すよう構成される。これらの実施形態において、D−BSR MAC制御要素500は現在のバッファサイズがゼロの場合にのみ用いられ得る。そうでなければ、従来の、または遅延なしのBSR制御要素が用いられ得る。これらの実施形態において、予測バッファサイズは、アップリンク送信のためにパケットを生成しているUE上で実行され得るアプリケーションに基づいて決定され得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、現在のバッファサイズがゼロである場合、および予測バッファサイズに基づいてパケットを取得するであろうとUE102が予想しない場合、UEは、最後にスケジューリングされた認可でeNB104へ送信するためにD−BSR MAC制御要素500を生成することを避け得る。この状況において、予測バッファサイズさゼロであり得る。しかし、現在のバッファサイズはゼロであるか、またはゼロより大きいものであり得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、UE102は、現在のバッファサイズがゼロではない場合に、最後にスケジューリングされたアップリンク認可でeNB104へ送信するために遅延なしのBSR制御要素を生成し得る。遅延なしのBSR制御要素は現在のバッファサイズを少なくとも示し得る。遅延なしのBSR制御要素は、従来のBSR制御要素であり得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。遅延なしのBSR制御要素は、図4に図示されるように切り捨てられたBSR406、短いBSR408、および長いBSR410のうち1つを示すLCIDインデックスを含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、UE102は、他のタイプのBSRがトリガされた場合、D−BSR MAC制御フレーム500を生成することを避け得る。これらの実施形態において、UE102は、他のタイプの(遅延なしの)BSRがトリガされない場合、D−BSR MAC制御フレーム500を生成し得る。遅延なしのBSRは、UEにおける現在のバッファサイズがゼロでない場合にトリガされ得る。D−BSR報告に関して本明細書に開示される実施形態は、現在のバッファサイズがゼロである場合に何ら認可が要求またはスケジューリングされず、UE102に、アップリンク認可を要求する前に、将来の(新たな)アップリンクパケットがUE102のアプリケーション層から到達するのまで待機させる何らかの従来のBSR報告とは異なる。D−BSR MAC制御要素500を使用することにより、新たなパケットがアプリケーション層から到達した時点とeNB104がアップリンク認可をスケジューリングする時点との間の遅延を低減し得る。D−BSR MAC制御要素500を使用することにより、この遅延はゼロ、またはゼロに近いものまで低減され得る。
【0044】
従来、eNB104は、報告されたバッファサイズに基づいて認可をスケジューリングする前に(少なくとも)この遅延の分だけ待機しなければならなかった。しかし例示的な実施形態によると、tにおいて、UE102は、遅延が100ミリ秒に設定され、バッファサイズが100バイトに設定されて、eNB104へD−BSR MAC制御要素を送信し得る。その後、eNB104はt+100ミリ秒の後に、100バイトをスケジューリングし得る。いくつかの実施形態において、遅延値504は、アップリンク認可をスケジューリングする前にeNB104が待機する最少時間量を示す。本実施例において、eNB104は、t+200ミリ秒(100ミリ秒以上の何らかの値)で認可をスケジューリングし得るが、t+99ミリ秒では認可をスケジューリングしない。
【0045】
いくつかの実施形態において、UE102は、UE102で実行される1または複数のアプリケーションに関するアップリンクトラフィック情報に少なくとも部分的に基づいて、遅延値604および予測バッファサイズ(つまり、D−BSR MAC制御要素500に含めるための)を決定するよう構成され得る。アップリンクトラフィック情報は、1または複数のアプリケーションに関するパケットまたはビット生成レート、パケット到着間隔(PAI)、およびパケットサイズ(PS)情報のうち1または複数を含む。これらの実施形態において、UE102は、UE102でローカルに実行されているアプリケーションにより決定または提供され得る、最少PSおよび最大到達間隔などの情報に基づき遅延値および予測バッファサイズを決定し得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、遅延値604は、パケット到着間隔、最後のパケット到着時間、および最後の認可到達時間に基づいて決定され得る。予測バッファサイズはパケットサイズに基づき得る。これらの実施形態において、遅延値604はアップリンク認可要求遅延値であり得る。
【0047】
VoIPアプリケーションがUE102上で実行されており、20ミリ秒のPAIおよび200バイトのPSで固定ビットレート(CBR)でトラフィックを生成している例示的な実施形態において、UE102は、遅延値604および予測バッファサイズを以下のように決定し得る。遅延値は、式z−(y−x)に基づき計算され得、予測バッファサイズは、「s」に設定され得る。ここで「x」は、最後のパケット到着時間(より上位の層からセルラーモデムに到達するパケット)を表し、「y」は、最後の認可到達時間を表し(認可はD−BSRおよびバッファ内の最後のパケットをスケジューリングするのに用いられる)、「z」は、知られているPAIを表し、sは知られているPSを表す。遅延値604は、UE102のメモリに格納され得る、図6に図示されるような表などの表から選択され得る。これらの実施形態において、表から選択される遅延値は、計算される遅延値以上であり得る。例えば、21ミリ秒の遅延値が計算された場合、40ミリ秒の遅延値が表から選択され得る。選択された遅延値に関するインデックス602は、インジケータ504に関してD−BSR MAC制御要素500に含められ得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、D−BSR MAC制御要素500は、1または複数のデータフローに関してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を要求するのに用いられ得る。例えば、UE102は、データフローがQCIを用いてベアラーにマッピングされる無線アクセスネットワーク(LTEネットワークなど)内で動作するよう構成され得る。データフローは、デフォルトのベアラーを用いて(例えば、QCI=9)OTTアプリケーションに関連付けられ得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されず、D−BSR MAC制御要素500は、他のQCI値を有するデータフローに関してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を要求するのに用いられ得る。これらの実施形態において、各帯域幅の要求は、D−BSR MAC制御要素500のLCG IDフィールド502において特定され得るLCGに関連し得る。いくつかの実施形態において、QCIに関わらずUEに関する全てのデータトラフィックが同じLCGで送信され得る。
【0049】
いくつかのダウンリンク輻輳およびバッファ報告の実施形態において、UE102は、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告をアクティブ化し、eNB104からDCBRを受信すべく、eNB104へ要求を送信するよう構成され得る。DCBRは、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し得、平均パケット遅延およびダウンリンクバッファサイズを示し得る。DCBRは、EPSベアラーの特定のQCIのダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し得る。輻輳が存在することを示すDCBRを受信したことに応答して、UE102は、トラフィックレートの低減、輻輳緩和、および/または遅延低減に関して、DCBRからの情報をそのアプリケーションのうち1または複数(上位層で動作している)へ報告し得る。これらの実施形態は以下により詳細に説明される。
【0050】
図7はいくつかの実施形態に係るDCBR制御要素を図示する。DCBRは、輻輳インジケータ(CI)702、平均パケット遅延(APD)インジケータ704、およびDBSインジケータ706を含み得るDCBR MAC制御要素700の一部としてUE102(図1)により受信され得る。CI702は、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在すか否かを示し得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、DCBR MAC制御要素700は、制御要素がダウンリンク輻輳およびバッファ報告に関するものであることを示すLCIDインデックス904(図9)を含み得る。いくつかの実施形態において、DCBR MAC制御要素700は、フィールド502(図5)と同様であり得るLCG IDフィールド(別個には図示されていない)を含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、DCBR MAC制御要素700は、MAC PDUの一部として、またはMAC PDUと併せてダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)上でeNB104からUE102によって受信され得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。これらの実施形態において、APDインジケータ704は、ダウンリンクの平均パケット遅延を示し、DBSインジケータ706は、ダウンリンクバッファにおける残りのバイトの数を示す。
【0053】
いくつかの実施形態において、輻輳は、例えば、そのダウンリンク送信キューに基づいてeNB104により検出され得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。いくつかの実施形態において、輻輳は、ダウンリンク送信キューのキューイング遅延が閾値(例えば、20ミリ秒)より長い期間の間、継続して閾値(例えば、200ミリ秒)を超えた場合に検出され得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。
【0054】
例示的な実施形態において、平均パケット遅延は、N個(例えば、N=100)の送信パケット毎に測定され得、バッファサイズは、DCBR MAC制御要素700が作成された際の残りのバイトの数を示し得る。図8Aおよび図8Bの表は、APD804およびDBS806がDCBR MAC制御要素700に含めるために如何にエンコードされるかの例である。例示的な実施形態において、CIインジケータ702は、輻輳が存在しない、またはもはや存在しないことを示すゼロに設定され得、輻輳が検出されたことを示す他の値に設定され得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、eNB104は、UE102からのダウンリンク輻輳およびバッファ報告をアクティブ化するRRCメッセージを受信し得る。メッセージは、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告がアクティブ化されることになるEPSベアラーのQCIを示し得る。eNB104は、UE102に関して示されるQCIのダウンリンクトラフィックをモニタリングして、輻輳が存在するか否かを決定し得、MAC PDUと併せてDCBR MAC制御要素700をUE102へ送信し得る。QCIは、デフォルトのベアラー(例えば、QCI=9)を示し得るが、このことは必須ではなく他のQCIが示され得る。DCBR MAC制御要素700は、EPSベアラーの特定されたQCIのダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し得、APDを示し得、およびダウンリンクバッファサイズを示し得る。輻輳が存在することを示すDCBR MAC制御要素700を受信したことに応答して、UE102は、(上位層で動作している)そのアプリケーションのうち1または複数へ、トラフィックレートの低減、輻輳緩和、および/または遅延低減に関してDCBR MAC制御要素700からの情報を報告し得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、eNB104は、示されるQCIを有するダウンリンクトラフィックのダウンリンクバッファサイズが増加する場合に、UE102へDCBR MAC制御要素700をMAC PDUと共に継続して送信するよう構成され得る。eNB104は、示されるQCIを有するダウンリンクトラフィックのダウンリンクバッファサイズが増加しない場合に、DCBR MAC制御要素700なしでMAC PDUを送信し得る。
【0057】
ダウンリンク輻輳がもはや検出されない場合、eNB104は、輻輳がもはや存在しない(つまり、CIがゼロに設定され得る)ことを示すMAC PDUと共にUE102へDCBR MAC制御要素700を送信し得る。この場合、DCBR MAC制御要素700は、現在の平均パケット遅延および現在のダウンリンクバッファサイズを含み得る。これらの実施形態において、UE102は、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告を非アクティブ化するRRCメッセージを送信するよう構成され得る。ダウンリンク輻輳およびバッファ報告を非アクティブ化するメッセージは、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告がアクティブ化された後であり、UE102がもはやeNB104からダウンリンク輻輳およびバッファ報告を受信することを希望しないどの時点であってもUE102から送信され得る。ダウンリンク輻輳およびバッファ報告を非アクティブ化するRRCメッセージを受信したことに応答して、eNB104は、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告を非アクティブ化し得、更なるDCBR MAC制御フレームを送信することを避け得る。
【0058】
図9は、いくつかの実施形態に係るダウンリンク共有チャネルに関するLCID値を例示する表である。これらの実施形態において、DCBR MAC制御要素700(図7)は、制御要素がダウンリンク輻輳およびバッファ報告のためのものであることを示すインデックス「01011」などLCIDインデックス904を含み得る。
【0059】
図10は、いくつかの実施形態に係るPTMの優先度を例示する表である。これらのPTMの実施形態において、UE102(図1)およびeNB104(図1)は、トラフィック特性(TC)ベースのUE間/QCI内優先順位付け(TCUP)を実行するよう構成され得る。これらの実施形態において、eNB104は、UE102が自身のアプリケーションにそれらのトラフィックを調整するよう知らせることを可能とするべく、UE102へUE間/QCI内トラフィック特性を送信し得る。例えば、eNB104は、軽い実時間トラフィックと重い非実時間トラフィックとの両方のタイプが同じQCIを有している場合であっても、軽い実時間トラフィックを優先し得る。トラフィック特性の例には、最大トラフィックバーストサイズおよび最大継続トラフィックレートが含まれ得るが、他のトラフィック特性も用いられ得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、UE102は、EPSベアラーのQCIに関してTCUPをアクティブ化すべくRRC要求メッセージをeNB104へ送信し得る。UE102は、要求されたQCIに関するトラフィック特性パラメータマッピング(例えば、PTM)の優先度を示すRRC応答メッセージをeNB104から受信し得る。RRC応答は、UE間/QCI内優先度およびTCパラメータを示し得る。UE102は、PTMに基づいて、要求されたQCIを有するアップリンクトラフィックを調整し得る。これらの実施形態において、UE102により送信されたRRC要求メッセージは、TCUPがアクティブとなるEPSベアラーのQCIを示し得る。これらの実施形態において、RRC応答メッセージは、eNB104がTCUPの要求を受け入れた場合に、eNB104から送信され得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、UE間/QCI内優先度およびTCパラメータは、最大トラフィックバーストサイズ1004および最大継続トラフィックレート1006のうち1または複数に関するUE間/QCI内優先度1002を含み得る。この例は図10に図示されているこれらの実施形態において、アップリンクトラフィックの調整は、UE102上で動作している1または複数のアプリケーションに対して、パラメータに基づきアップリンクトラフィックを調整するよう命令することを含み得る。
【0062】
図10に例示される例において、9であるQCIを有するUEに関するトラフィックは、最大トラフィックバーストが<200バイトであり、その最大継続トラフィックレートが<10kBpsである場合に、スケジューリングにおいてより高い優先度を与えられる。いくつかの実施形態において、PTMは、UEのチャネル品質およびモビリティ特性に応じ得るUE固有であり得る。PTMを如何に特定するかについての詳細は、個別のeNBの実施次第である。
【0063】
いくつかの実施形態において、ネットワーク負荷の変化、UEチャネル品質の変化、または他の理由によりマッピングを更新する必要がある場合、eNB104は、RRCメッセージをUE102へ送信し得る。UE102は、TCUPを非アクティブ化するべくRRCメッセージも送信し得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、UE102(図3)の物理層は、1または複数のアンテナを用いて信号をeNBへ/から送受信するための物理層回路を含み得る。UE102は、他にもあるうちチャネル推定器を含み得る処理回路も含み得る。UE102はメモリも含み得る。処理回路は、eNBへ送信するために、以下に説明されるいくつかの異なるフィードバック値を決定するよう構成され得る。処理回路はMAC層も含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、UE102は、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリポート、複数のアンテナ、グラフィックプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、スピーカ、および他のモバイルデバイス要素のうち1または複数を含み得る。ディスプレイはタッチスクリーンを含む液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンであり得る。UE102により利用される1または複数のアンテナは、例えば、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、または、無線周波数(RF)信号の送信に適した他のタイプのアンテナを含む1または複数の方向性または全方向性アンテナを備え得る。いくつかの実施形態において、2またはそれより多くのアンテナの代わりに、複数の開口を有する単一のアンテナが用いられ得る。これらの実施形態において、各開口は別個のアンテナと見なされ得る。いくつかの多入力多出力(MIMO)の実施形態において、アンテナは、空間ダイバーシティ、および、アンテナのうちそれぞれと、送信局のアンテナとの間で生じ得る異なるチャネル特性を活用するべく有効に分離され得る。いくつかのMIMOの実施形態において、アンテナは、最大で波長の1/10だけ、またはそれより大きく分離され得る。
【0066】
UE102はいくつかの別個の機能要素を有するものとして示されているが、それら機能要素のうち1または複数は組み合わせられ得、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含む処理要素などソフトウェア構成の要素、および/または他のハードウェア要素と組み合わせにより実装され得る。例えば、いくつかの要素は、1または複数のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、および、本明細書に説明される機能を少なくとも実行する様々なハードウェアおよびロジック回路の組み合わせを備え得る。いくつかの実施形態において、機能要素は、1または複数の処理要素で動作する1または複数の処理を指し得る。
【0067】
実施形態は、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェアとのうち1つ、またはこれらの組み合わせにおいて実装され得る。実施形態は、本明細書に説明される処理を実行するべく少なくとも1つのプロセッサにより読み取られ実行され得るコンピュータ可読記憶媒体に格納される命令としても実装され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)が可読な形態で情報を格納するための何らかの非一時的メカニズムを含み得る。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、および他の記憶デバイスおよび媒体を含み得る。これらの実施形態においてUE102の1または複数のプロセッサは、本明細書に説明される処理を実行するための命令で構成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、UE102は、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)通信技術に従ってマルチキャリア通信チャネル上で直交周波数分割多重化(OFDM)通信信号を受信するよう構成され得る。OFDM信号は複数の直交するサブキャリアを備え得る。
【0069】
いくつかのLTEの実施形態において、無線リソースの基本単位は、物理リソースブロック(PRB)である。PRBは周波数領域において12サブキャリア×時間領域において0.5ミリ秒を備え得る。PRBは(時間領域において)ペアで割り当てられ得る。これらの実施形態において、PRBは複数のリソース要素(RE)を備え得る。REは1つのサブキャリア×1つのシンボルを備え得る。
【0070】
復調参照信号(DM−RS)、チャネル状態情報参照信号(CIS−RS)、および/または共通参照信号(CRS)を含む2つのタイプの参照信号がeNBにより送信され得る。DM−RSはデータ復調のためにUEにより用いられ得る。参照信号は所定のPRBにおいて送信され得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、OFDMA技術は、異なるアップリンクおよびダウンリンクスペクトルを用いる周波数領域二重化(FDD)技術、アップリンクおよびダウンリンクに関して同じスペクトルを用いる時間領域二重化(TDD)技術であり得る。
【0072】
いくつかの他の実施形態において、UE102およびeNB104は、スペクトル拡散変調(例えば、直接シーケンス符号分割多重アクセス(DS−CDMA)、および/または周波数ホッピング符号分割多重アクセス(FH−CDMA))、時分割多重化(TDM)変調、および/または周波数分割多重(FDM)変調など1または複数の他の変調技術を用いて送信された信号を通信するよう構成され得るが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態において、UE102は、パーソナルデジタルアシスタント(PDA),無線通信機能を有するラップトップまたはポータブルコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話、無線ヘッドセット、ポケベル、インスタントメッセージングデバイス、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、医療機器(例えば、心拍数モニタ、血圧計、その他)、若しくは情報を無線で送受信し得る他のデバイスなどポータブル無線通信デバイスの一部であり得る。
【0074】
いくつかのLTEの実施形態において、UE102は、閉ループ空間多重化送信モードのためにチャネル適応を実行するために用いられ得るいくつかの異なるフィードバック値を計算し得る。これらのフィードバック値は、チャネル品質インジケータ(CQI)、ランクインジケータ(RI)、およびプリコーディング行列インジケータ(PMI)を含み得る。CQIにより、送信機は、いくつかの変調アルファベットおよびコードレートの組み合わせのうち1つを選択する。RIは、現在のMIMOチャネルに関する有用な送信層の数について送信機に知らせ、PMIは、送信機において適用されるプリコーディング行列(送信アンテナの数に応じて)のコードブックインデックスを示す。eNBにより用いられるコードレートは、CQIに基づき得る。PMIは、UEにより計算されeNBへ報告されるベクトルであり得る。いくつかの実施形態において、UEは、CQI/PMIまたはRIを含むフォーマット2、2a、または2bの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を送信し得る。
【0075】
これらの実施形態において、CQIは、UE102が経験するダウンリンクモバイル無線チャネル品質の情報であり得る。CQIは、UE102がeNBに対して、結果として得られる転送ブロックエラーレートが10%など特定の値を超えないよう任意の無線リンク品質に用いるのに最適な変調スキームおよびコードレートを提案することを可能とする。いくつかの実施形態において、UEは、システム帯域幅のチャネル品質を参照する広帯域CQI値を報告し得る。UEは、より上位の層により構成され得る特定数のリソースブロックのサブバンド毎のサブバンドCQI値も報告し得る。サブバンドのセット全体がシステム帯域幅を網羅し得る。空間多重化の場合、コードワード毎のCQIが報告され得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、PMIは任意の無線状況に関してeNBにより用いられることになる最適なプリコーディング行列を示し得る。PMI値はコードブックテーブルを参照する。ネットワークは、PMI報告により表される数のリソースブロックを構成する。いくつかの実施形態において、システム帯域幅を網羅すべく複数のPMI報告が提供され得る。PMI報告は、閉ループ空間多重化、マルチユーザMIMO、および閉ループランク1プリコーディングMIMOモードに関しても提供され得る。
【0077】
いくつかの協調マルチポイント(CoMP)の実施形態において、ネットワークは、リモート無線ヘッド(RRH)など2またはそれより多くの協調/協働ポイントが共同で送信する、UEへの共同送信に関して構成され得る。これらの実施形態において、共同送信は、MIMO送信であり得、協調ポイントは共同のビーム形成を実行するよう構成される。
【0078】
読者が技術的開示の本質および概要を確認出来るようにする要約を要求する37 C.F.R.Section1.72(b)に従って、要約が提供される。要約が請求項の範囲および意味を限定または解釈するために用いられることがないとの理解のもと、要約は提出される。ここにおいて以下の請求項は詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立している。
本実施形態の例を下記の各項目として示す。
[項目1]
ユーザ機器(UE)であり、
前記UEは処理回路を備え、
前記処理回路は、
拡張型ノードB(eNB)がアップリンク認可のスケジューリングを遅延させる時間を示す遅延値を決定し、
最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために遅延バッファ状況報告(D−BSR)媒体アクセス制御(MAC)制御要素を生成し、
前記D−BSR MAC制御要素は前記遅延値のインジケータと、予測バッファサイズのインジケータとを少なくとも含み、
前記D−BSR MAC制御要素は、アップリンク帯域幅の遅延させられた認可を求める要求である、UE。
[項目2]
前記処理回路は、遅延バッファ状況報告のための制御要素を示す論理チャネル識別子(LCID)インデックスをさらに含むよう前記D−BSR MAC制御要素をさらに構成する、項目1に記載のUE。
[項目3]
前記UEは、前記D−BSR MAC制御要素の送信に応答してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を受信し、
前記認可は、前記遅延値の経過後すぐに前記eNBから受信され、前記予測バッファサイズを処理するのに十分な帯域幅割り当てを含む、項目2に記載のUE。
[項目4]
前記予測バッファサイズは、前記UEが前記遅延値に示される近い将来に必要であるであろうと前記UEが予想するアップリンク認可の量を示し、
前記UEは、遅延させられた認可を予期している場合にアプリケーション層からの新たなアップリンクパケットの受信に応答してアップリンク認可を要求することを避ける、項目3に記載のUE。
[項目5]
現在のバッファサイズがゼロである場合、および前記UEが前記予測バッファサイズに基づいてアップリンクパケットを有するであろうと前記UEが予想する場合に、前記UEは、前記最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために前記D−BSR MAC制御要素を生成する、項目3または4に記載のUE。
[項目6]
前記現在のバッファサイズがゼロである場合、および前記UEが前記予測バッファサイズに基づいてパケットを有するであろうと前記UEが予想しない場合、前記UEは、前記最後にスケジューリングされた認可で前記eNBへ送信するために前記D−BSR MAC制御要素を生成することを避ける、項目5に記載のUE。
[項目7]
前記現在のバッファサイズがゼロではない場合、前記UEは、前記最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために遅延なしのBSR制御要素を生成し、
前記遅延なしのBSR制御要素は少なくとも前記現在のバッファサイズを示し、
前記遅延なしのBSR制御要素は、切り捨てられたBSRと、短いBSRと、長いBSRとのうち1つを示すLCIDインデックスを含む、項目5に記載のUE。
[項目8]
前記処理回路は、前記UEで実行されている1または複数のアプリケーションに関するアップリンクトラフィック情報に少なくとも部分的に基づいて前記遅延値および前記予測バッファサイズを決定し、
前記アップリンクトラフィック情報は、前記1または複数のアプリケーションに関するパケットまたはビット生成レート、パケット到着間隔(PAI)、およびパケットサイズ(PS)情報のうち1または複数を含む、項目1から7のいずれか1項に記載のUE。
[項目9]
前記D−BSR MAC制御要素は、複数のデータフローのためのアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を要求しており、
前記UEは、サービス品質(QoS)クラス識別子(QCI)を用いて前記複数のデータフローがベアラーへマッピングされる無線アクセスネットワーク内で動作する、項目1から8のいずれか1項に記載のUE。
[項目10]
前記UEは、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し、平均パケット遅延(APD)を示し、およびダウンリンクバッファサイズを示すダウンリンク輻輳およびバッファ報告(DCBR)を前記eNBから受信し、
前記UEは、輻輳が存在することを示す前記DCBRの受信に応答して、トラフィックレートの低減と、輻輳緩和と、遅延低減とのうち1または複数に関して1または複数のアプリケーションへ前記DCBRからの情報を報告する、項目1から9のいずれか1項に記載のUE。
[項目11]
前記DCBRは、DCBR MAC制御要素の一部として受信され、
前記DCBRは、輻輳インジケータ(CI)と、平均パケット遅延(APD)インジケータと、ダウンリンクバッファサイズ(DBS)インジケータとを含み、
前記CIは、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し、
前記DCBR MAC制御要素は、DCBRを示す論理チャネル識別子(LCID)インデックスを含む、項目10に記載のUE。
[項目12]
無線アクセスネットワークにおける遅延を低減する方法であり、
前記方法は、
拡張型ノードB(eNB)がアップリンク認可のスケジューリングを遅延させる時間を示す遅延値を決定する段階と、
最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために遅延バッファ状況報告(D−BSR)媒体アクセス制御(MAC)制御要素を生成する段階と、
前記D−BSR MAC制御要素の送信に応答してアップリンク帯域幅の遅延させられた認可を受信する段階と
を備え、
前記D−BSR MAC制御要素は前記遅延値のインジケータと、予測バッファサイズのインジケータとを少なくとも含み、
前記遅延させられた認可は、前記遅延値の経過後すぐに前記eNBから受信される、方法。
[項目13]
前記予測バッファサイズを決定する段階と、
遅延バッファ状況報告のための制御要素を示す論理チャネル識別子(LCID)インデックスを含むよう前記D−BSR MAC制御要素を構成する段階と
をさらに備える、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記遅延させられた認可は、前記予測バッファサイズを処理するのに十分な帯域幅割り当てを含む、項目12または13に記載の方法。
[項目15]
前記予測バッファサイズは、UEが前記遅延値に示される近い将来に必要であるであろうと前記UEが予想するアップリンク認可の量を示し、
前記方法は、遅延させられた認可を予期している場合にアプリケーション層からの新たなアップリンクパケットの受信に応答してアップリンク認可を要求することを避ける段階を備える、項目12から14のいずれか1項に記載の方法。
[項目16]
現在のバッファサイズがゼロである場合、およびUEが前記予測バッファサイズに基づいてアップリンクパケットを有するであろうと前記UEが予想する場合に、前記UEは、前記最後にスケジューリングされたアップリンク認可で前記eNBへ送信するために前記D−BSR MAC制御要素を生成する、項目12から15のいずれか1項に記載の方法。
[項目17]
処理回路を備える拡張型ノードB(eNB)であり、
前記処理回路は、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告をアクティブ化する無線リソース制御メッセージ(RRCメッセージ)をユーザ機器(UE)から受信し、
前記RRCメッセージは、前記ダウンリンク輻輳およびバッファ報告がアクティブ化されることになるベアラーのサービス品質(QoS)クラス識別子(QCI)を示し、
前記処理回路は、
輻輳が存在するか否かを決定するべく、示される前記QCIのダウンリンクトラフィックをモニタリングし、
媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)(MAC PDU)と併せて前記UEへダウンリンク輻輳およびバッファ報告(DCBR)を送信し、
前記DCBRは、特定された前記QCIのダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し、平均パケット遅延を示し、ダウンリンクバッファサイズを示し、
輻輳が存在することを示すDCBRの受信に応答して、前記UEは、トラフィックレートの低減と、輻輳緩和と、遅延低減とのうち1または複数に関して1または複数のアプリケーションへ前記DCBRからの情報を報告する、eNB。
[項目18]
前記DCBRは、輻輳インジケータと、平均パケット遅延インジケータと、ダウンリンクバッファサイズ(DBS)インジケータとを含むDCBR MAC制御要素の一部として含まれ、
前記輻輳インジケータは、ダウンリンクトラフィックの輻輳が存在するか否かを示し、
前記DCBR MAC制御要素は、ダウンリンク輻輳およびバッファ報告を示す論理チャネル識別子(LCID)インデックスを含む、項目17に記載のeNB。
[項目19]
前記QCIはデフォルトのベアラーを示し、
前記eNBはさらに、
示される前記QCIを有するダウンリンクトラフィックの前記ダウンリンクバッファサイズが増加する場合に、前記UEへDCBRを複数のMAC PDUと共に継続して送信し、
前記示されるQCIを有するダウンリンクトラフィックの前記ダウンリンクバッファサイズが増加しない間にDCBRなしで複数のMAC PDUを送信し、
ダウンリンク輻輳がもはや検出されない場合に、輻輳がもはや存在しないことを示し現在の平均パケット遅延とダウンリンクバッファサイズとを含むMAC PDUと共に前記UEへDCBRを送信する、項目17または18に記載のeNB。
[項目20]
トラフィック特性ベースのUE間優先順位付け(TCUP)の方法であり、
前記方法は、
進化型パケットシステム(EPS)ベアラーのサービス品質(QoS)クラス識別子(QCI)に関してTCUPをアクティブ化すべく、無線リソース制御(RRC)要求メッセージを拡張型ノードB(eNB)へ送信する段階と、
要求されたQCIに関するトラフィック特性マッピング(PTM)の優先度を示すRRC応答メッセージを前記eNBから受信する段階と、
前記PTMに基づいて前記要求されたQCIを有するアップリンクトラフィックの送信を調整する段階と
を備え、
前記RRC応答メッセージは、UE間/QCI内優先度と複数のトラフィック特性パラメータとを示す、方法。
[項目21]
前記UE間/QCI内優先度および前記複数のトラフィック特性パラメータは、最大トラフィックバーストサイズと最大継続トラフィックレートとのうち1または複数に関するUE間/QCI内優先度を含み、
前記調整する段階は、前記UE間/QCI内優先度と前記複数のトラフィック特性パラメータとに基づきアップリンクトラフィックを調整すべく、前記UE上で動作する1または複数のアプリケーションに命令する段階を有する、項目20に記載の方法。
[項目22]
前記調整する段階は、最大トラフィックバーストサイズと最大継続トラフィックレートとのうち一方に基づき前記要求されたQCIの複数のフローのパケットの複数の優先順位付けを行う段階を有する、項目21に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10