(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記S20ステップとS30ステップは、前記分離膜の一側の縁部部位と、その反対側である他側の縁部部位とに対して行われることを特徴とする請求項1に記載の電極組立体の固定方法。
前記電極と前記分離膜との接着は、前記電極と前記分離膜に圧力を加えることによる接着、または前記電極と前記分離膜に圧力と熱を加えることによる接着であることを特徴とする請求項8に記載の電極組立体の固定方法。
前記第1分離膜は、前記第1電極と前記第2電極に向かい合う両面に前記コーティング物質がコーティングされ、前記第2分離膜は、前記第2電極に向かい合う一面にのみ前記コーティング物質がコーティングされることを特徴とする請求項13に記載の電極組立体の固定方法。
前記第1分離膜は、前記第1電極と前記第2電極に向かい合う両面に前記コーティング物質がコーティングされ、前記第2分離膜は、前記第2電極に向かい合う一面とその反対面に前記コーティング物質がコーティングされ、
前記電極組立体に備えられた複数個の基本単位体は、前記第2分離膜のコーティング物質によって互いに接着されていることを特徴とする請求項13に記載の電極組立体の固定方法。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、化石燃料を用いる従来のガソリン車、ディーゼル車などの大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、パラレル型ハイブリッド電気自動車(PHEV)などの動力源としても注目されているが、自動車などのような中大型デバイスには、高出力、大容量の必要性によって、多数のバッテリーセルを電気的に接続した中大型電池モジュールが用いられる。
【0003】
ところが、中大型電池モジュールは、可能な限り小さく且つ軽く製造されることが好ましいので、高集積度で充積することが出来、容量に比べて軽い角型電池、ポーチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に用いられている。
【0004】
電池セルのケース内には電極組立体が収容されており、一般的には、正極/分離膜/負極構造の電極組立体がどのような構造からなされているかによって分類される。
【0005】
代表的に、長手シート型の正極等と負極等を分離膜が介在された状態で巻取りした構造からなるゼリーロール(巻取り型)電極組立体、所定大きさの単位で切り取った多数の正極と負極とを分離膜を介在した状態で順次積層したスタック型(積層型)電極組立体、及び、スタック/折り畳み型電極組立体に分類することができる。
【0006】
本出願人の韓国公開特許第2001-0082058号、第2001-0082059号及び第2001-0082060号に開示されているスタック/折り畳み型電極組立体は、正極/分離膜/負極が順次積層された構造であるフルセル(full cell)を単位セルとして有し、複数個のフルセルが長手分離膜シート上に配置された状態でフルセル等が互いに重なり合うことができるよう、分離膜シートを単位長さほど繰り返し巻取り製造する。このような、スタック/折り畳み型電極組立体の場合、全てのフルセルの外殻が分離膜シートによって囲まれているので、電極組立体の構造をなす各層間の相対位置は固定されている。
【0007】
一方、スタック型電極組立体は、複数個の電極と複数個の分離膜とが交互に積層された構造を有する。
【0008】
このようなスタック型電極組立体の場合、通常、分離膜が電極よりも横及び縦の幅がさらに広く製造され、分離膜の横又は縦の幅に対応する幅を有するマガジン又はジグに分離膜を積層し、その上に電極を積層するステップを繰り返し行って、スタック型電極組立体を製造することとなる。スタック/折り畳み型電極組立体とは異なり、電極及び分離膜の間の相対位置が固定されていないため、各層間の相対位置を固定するため、電極組立体の側面をテープを用いて覆う方式を一般的に用いる。
【0009】
図1は、従来の技術に係るスタック型電極組立体に備えられた複数個の分離膜の端部が不規則に折り畳まれた状態を示す側面図であり、スタック型電極組立体の側面をテープを用いて覆うとき、
図1に示したような場合が頻繁に発生する。
【0010】
さらに詳細に説明すると、電極1、2と分離膜3とが交互に積層された構造を有する電極組立体の側面をテープ(図示せず)で押すと、下に向かって折り畳まれた分離膜3Aと、上に向かって折り畳まれた分離膜3C、3Dとが存在し、Aで表示された円の部分のように、電極2と電極1との間に分離膜3Bが巻き込まれる場合も発生することがある。
【0011】
この場合、Aで表示された部分に位置する分離膜3Bを介在したまま互いに向かい合う電極1、2は、互いに当接して短絡が発生する可能性が高い。
【0012】
このように、積層方式を用いて製造した電極組立体の側面をテープで覆う過程中に、電極組立体をなす各電極間の短絡により製品の不良が発生する可能性が高いとの問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図を参照しつつ、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施例により制限されるか限定されるものではない。
【0021】
本明細書及び請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的且つ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するため用語の概念を適切に定義することができるとの原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【0022】
図における各構成要素、またはその構成要素をなす特定の部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のため誇張且つ省略されるか、概略的に示された。したがって、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映しているわけではない。関連の公知機能或いは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要にぼかすと判断される場合には、そのような説明は省略する。
【0023】
本発明に係る電極組立体の固定方法は、複数個の電極111、113と、該電極111、113より広い面積を有する複数個の分離膜112、114とが交互に積層された構造を有する電極組立体100を製造するステップ(S10);電極111、113及び分離膜112、114が積層された方向に対して傾いている中央区間を有する固定用テープTを分離膜112、114の縁部側に配置するステップ(S20);及び固定用テープTの中央区間に分離膜112、114の縁部部位を押しつつ、固定用テープTを電極組立体100に付着するステップ(S30);を含むことができる。
【0024】
ここで、S10ステップを介して製造される電極組立体100は、通常のスタック型電極組立体になってもよく、少なくとも1つの基本単位体を含む電極組立体になってもよい。後者に係る電極組立体の構造、及びこれを製造する方式に対しては後で詳しく説明する。
【0025】
図2は、本発明に係る電極組立体の固定方法のS20ステップを示す図である。
【0026】
図2に示す通り、電極組立体100は、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113、第2分離膜114が順次積層された構造を有し、第1電極111が正極であるとき第2電極113は負極であり、第1電極111が負極であるとき第2電極113は正極となる。
【0027】
固定用テープTは高分子材質で形成されてもよく、該固定用テープTはテープ付着器具(MA)によって移動することができる。
【0028】
ここでテープ付着器具(MA)は、固定用テープTを電極組立体100に付着するために固定用テープTを移動させる器具を言い、テープ付着器具(MA)は、固定用テープTの中央区間が傾くことができるよう、固定用テープTの両端部を把持する第1把持部G1と、第2把持部G2とを備える。例えば、
図2に示す通り、第1把持部G1は第2把持部G2よりさらに多く突出されてもよく、固定用テープTの両端部が第1把持部G1の端部と第2把持部G2の端部とに把持されると、固定用テープTの中央区間は自ずから傾斜した状態となる。
【0029】
図3は、固定用テープの中央区間が分離膜の縁部部位を押し始めた状態を示す図であり、
図4は、固定用テープの中央区間が分離膜の縁部部位に付着された状態を示す図である。
【0030】
固定用テープTの中央区間が分離膜112、114の縁部部位に接近して接触することになると(すなわち、
図2の状態から
図3の状態になると)、分離膜112、114の縁部部位は固定用テープTの中央区間によって押さえられるようになる。
【0031】
図3の状態はS30ステップの初期状態であって、固定用テープTの中央区間は、分離膜112、114の縁部部位を斜めに押して下方に折れるようにする。
【0032】
固定用テープTの中央区間が分離膜112、114の縁部部位を
図3に示されたものよりもさらに多く押すと、
図4に示すように固定用テープTの中央区間が分離膜112、114の縁部部位に付着される。
【0033】
一方、
図4の状態であるとき、固定用テープTの上端は、第1把持部G1によって電極組立体100の上面に付着され始めるが、第2把持部G2は第1把持部G1よりも長さが短いため、まだ固定用テープTの下端を電極組立体100の下面に付着する状態に進入する前である。
【0034】
図5は、固定用テープTの両端部を電極組立体100の上面及び下面に付着している状態を示す図である。
【0035】
図4に示された状態でテープ付着器具(MA)が右側に平行移動すると
図5の状態となるが、第1把持部G1は、固定用テープTの上端を電極組立体100の上面に付着完了する直前の状態であり、第2把持部G2は、固定用テープTの下端を電極組立体100の下面に略半分程度付着した状態である。
【0036】
図5に示された状態でテープ付着器具(MA)が右側にさらに多く平行移動すると、固定用テープTの上端と下端がそれぞれ第1把持部G1と第2把持部G2とによって順序通りに電極組立体100の上面と下面に付着完了され得る。
【0037】
前で検討した
図2は、本発明に係る電極組立体の固定方法のS20ステップに該当し、
図3から
図5は、本発明に係る電極組立体の固定方法のS30ステップに該当する。
【0038】
また、S30ステップは、2ステップに分けてみることができるが、この2ステップのうち、先ず固定用テープTの中央区間を電極組立体100の側面に付着するステップ(S31)が行われ、次に固定用テープTの両端部を電極組立体100の上面と下面に付着するステップ(S32)が行われる。
【0039】
S30ステップの詳細なステップに対しては、
図6から
図8を参照して説明する。
【0040】
図6は固定用テープの例示的な第1移動軌跡を示す図であり、この場合、S30ステップの全ての詳細なステップは、固定用テープTが電極組立体100に向かって平行移動することによって行われる。
【0041】
すなわち、S31ステップは、固定用テープTを電極111、113及び分離膜112、114の接触面方向に沿って移動させることによってなされ、S32ステップも継続して固定用テープTを電極111、113及び分離膜112、114の接触面方向に沿って移動させることによってなされる。結局、
図6に示された矢印の方向に沿って固定用テープTを平行移動させることによって固定用テープTの中央区間が電極組立体100の側面に付着され、次いで矢印の方向に沿って固定用テープTを平行移動させると、固定用テープTの両端部も電極組立体100の上面と下面に付着完了される。
【0042】
図7は固定用テープTの例示的な第2移動軌跡を示す図であり、この場合、S31ステップは、固定用テープTが
図7に示された3つの矢印のうち、最も左側の矢印の方向と中央の矢印の方向とに沿って順序通りに移動することによってなされる。結局、S31ステップは、固定用テープTを電極111、113及び分離膜112、114の接触面方向に沿って移動させるステップと、固定用テープTの中央区間が複数個の分離膜112、114の縁部部位を全て同じ方向(
図7を基準には下の方向)に折り畳むことができるよう、固定用テープTを電極組立体100の側下方に向かって移動させるステップとによって行われる。そして、S32ステップは、
図7に示された3つの矢印のうち、最も右側の矢印の方向に沿って固定用テープTを平行移動させることによって行われる。
【0043】
8は固定用テープTの例示的な第3移動軌跡を示す図であり、この場合、S31ステップは、
図8に示された矢印のうち左側の矢印の方向に沿って移動することによってなされる。すなわち、S31ステップは、固定用テープTの中央区間が複数個の分離膜112、114の縁部部位を全て同じ方向(
図8を基準には下の方向)に折り畳むことができるよう、固定用テープTを電極組立体100の側下方に向かって移動させるステップによって行われる。そして、S32ステップは、前で説明した第2移動軌跡と同一である。
【0044】
第1、第2、第3移動軌跡でS31ステップは相違するが、S32ステップはテープ付着器具(MA)が第1把持部G1と第2把持部G2とに把持された固定用テープTの両端部を電極111、113及び分離膜112、114の接触面方向に沿って移動させることによって行われるとの点において全て同一である。
【0045】
図2から
図8を介して、固定用テープTで分離膜112、114の左側の縁部部位を折って固定する場合を説明したが、分離膜112、114の右側の縁部部位も前で説明したのと同様の方式で折って固定できることは勿論であり、言い換えれば、S20ステップとS30ステップは分離膜112、114の両側の縁部部位に対して行うことができる。
【0046】
今まで、第1把持部G1が第2把持部G2に比べてより多く突出されているテープ付着器具(MA)を基準に説明したが、第2把持部G2が第1把持部G1に比べてさらに多く突出しているテープ付着器具(MA)を用いることも可能であり、この場合、S31ステップでは、固定用テープTの中央区間が分離膜112、114の縁部部位を上方に折ることになる。
【0047】
前述した本発明に係る電極組立体の固定方法によれば、S20ステップ及びS30ステップを経つつ、分離膜112、114の縁部が全て同じ方向に折られることとなる。したがって、分離膜3が不規則に折られる従来の技術に係るスタック型電極組立体(
図1を参照)で発生し得る電極1、2間の短絡現象が発生せず、製品の不良が発生しないとの効果がある。
【0048】
また、固定用テープTを電極組立体100の上面、側面、下面に付着することによって各層の相対的な位置を固定すると共に、電極111、113間の短絡防止の処理を共に行うことができるとの効果がある。
【0049】
今まではS10ステップによって製造される電極組立体100に対して、単に複数個の電極111、113と、該電極111、113より広い面積を有する分離膜112、114とが交互に積層された構造を有するものとして説明したが、以下では、少なくとも1つの基本単位体110を含む電極組立体100の多様な構造と、基本単位体110を製造する例示的な工程とに対し説明する。
【0050】
基本単位体110は、第1電極111/第1分離膜112/第2電極113/第2分離膜114の順に各層を積層した構造を含む構造で製造され得る。
【0051】
S10ステップで製造される電極組立体100は、少なくとも1つの基本単位体110a、110b(
図9及び
図10を参照)を含む。
【0052】
基本単位体110は、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が順次積層されて形成される。このように基本単位体110は、基本的に4層構造を有する。より具体的に基本単位体110は、
図9で示しているように、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が上側から下側に順次積層されて形成されるか、または
図10で示しているように、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が下側から上側に順次積層して形成されてよい。このとき、第1電極111と第2電極113は、互いに反対の電極である。例えば、第1電極111が正極である場合、第2電極113は負極である。もちろん、この逆であってもよい。
【0053】
基本単位体110に備えられた第1電極111は集電体及び活物質層(活物質)を備え、活物質層は集電体の両面に塗布される。これと同様に、基本単位体110に備えられた第2電極113も集電体及び活物質層(活物質)を備え、活物質層は集電体の両面に塗布される。
【0054】
一方、基本単位体110を製造する工程は、次のような連続工程からなされ得る(
図11を参照)。先ず、第1電極材料121、第1分離膜材料122、第2電極材料123及び第2分離膜材料124を準備する。ここで、電極材料121、123は、以下で検討してみるところのように、所定大きさに切断されて電極111、113を形成する。これは、分離膜材料122、124も同様である。工程の自動化のために電極材料121、123と分離膜材料122、124は、ロールに巻取られている形態を有し得る。このように材料等を準備した後、第1電極材料121をカッターC
1を介して所定大きさに切断する。そして、第2電極材料123もカッターC
2を介して所定大きさに切断する。その後、所定大きさの第1電極材料121を第1分離膜材料122の上に供給する。そして、所定大きさの第2電極材料123も第2分離膜材料124の上に供給する。その後、材料等を全て共にラミネーターL
1、L
2に供給する。
【0055】
電極組立体100は、前で検討してみたように、基本単位体110が繰り返し積層されて形成される。ところが、基本単位体110を構成する電極と分離膜が互いに分離されるのであれば、基本単位体110を繰り返し積層することが非常に難しくなるはずである。したがって、基本単位体110に備えられた電極と分離膜は互いに接着されることが好ましく、ラミネーターL
1、L
2は、このように電極と分離膜を互いに接着するために用いられる。すなわち、ラミネーターL
1、L
2は、材料等に圧力を加えるか、または熱と圧力を加えて電極材料と分離膜材料を互いに接着する。このように、電極材料と分離膜材料は、ラミネーターL
1、L
2によってラミネーティング工程を介して互いに接着され、このような接着により基本単位体110は一層安定的に自分の形状を維持することができる。
【0056】
各層のラミネーティング以後には、第1分離膜材料122と第2分離膜材料124をカッターC
3を介して所定大きさに切断する。このような切断で基本単位体110が形成され得る。さらに必要に応じて基本単位体110に対する各種検査を行うこともできる。例えば、厚さ検査、ビジョン検査、ショート検査などの検査をさらに行なうこともできる。
【0057】
基本単位体110を製造する工程は、前記のように連続工程で行われてよいが、必ずしも連続工程で行われなければならないものではない。すなわち、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114を適したサイズに先ずカッティングした後、これらを積層して基本単位体110を形成することも勿論可能である。
【0058】
一方、分離膜112、114または分離膜材料122、124は、接着力を有するコーティング物質で表面がコーティングされ得る。このとき、コーティング物質は無機物粒子とバインダー高分子の混合物であり得る。ここで無機物粒子は、分離膜の熱的安定性を向上させることができる。すなわち、無機物粒子は高温で分離膜が収縮することを防止することができる。そしてバインダー高分子は無機物粒子を固定させることができ、これによりバインダー高分子の間に固定された無機物粒子等の間には、所定の気孔構造が形成され得る。このような気孔構造により、無機物粒子が分離膜にコーティングされていたとしても、正極から負極にイオンが円滑に移動することができる。また、バインダー高分子は、無機物粒子を分離膜に安定的に維持させて分離膜の機械的安定性も向上させることができる。さらに、バインダー高分子は分離膜を電極により安定的に接着させることができる。参考に、分離膜は、ポリオレフィン系の分離膜基材で形成され得る。
【0059】
ところが、
図9と
図10で示しているように、第1分離膜112は、両面に電極111、113が位置するのに反し、第2分離膜114は一面にのみ電極113が位置する。したがって、第1分離膜112は、両面にコーティング物質がコーティング可能であり、第2分離膜114は一面にのみコーティング物質がコーティング可能である。すなわち、第1分離膜112は、第1電極111と第2電極113に向かい合う両面にコーティング物質がコーティング可能であり、第2分離膜114は第2電極113に向かい合う一面にのみコーティング物質がコーティング可能である。
【0060】
このようにコーティング物質による接着は、基本単位体110内でなされることで十分である。したがって、前で検討してみたように、第2分離膜114は一面にのみコーティングがなされても構わない。但し、基本単位体110同士もヒートプレス(heat press)などの方法で互いに接着され得るので、必要に応じて第2分離膜114も両面にコーティングがなされ得る。すなわち、第2分離膜114も第2電極113に向かい合う一面とその反対面にコーティング物質がコーティングされ得る。このような場合、上側に位置する基本単位体110とその直ぐ下に位置する基本単位体110は、第2分離膜114の外面のコーティング物質を介して互いに接着され得る。
【0061】
参考に、接着力を有するコーティング物質を分離膜に塗布した場合、所定の物体で分離膜に直接圧力を加えることは好ましくない。分離膜は、通常、電極よりも外側に長く延長される。したがって、第1分離膜112の末端と第2分離膜114の末端とを互いに結合させようとの試みがあり得る。例えば、第1分離膜112の末端と第2分離膜114の末端とを超音波溶着で互いに融着させようとの試みがあり得、超音波溶着の場合、ホーン(horn)で対象を直接加圧する必要がある。しかし、このようにホーンで分離膜の末端を直接加圧すると、接着力を有するコーティング物質により分離膜にホーンがくっ付くことがあり得る。これにより、装置の故障をもたらし得る。したがって、接着力を有するコーティング物質を分離膜に塗布した場合、所定の物体で分離膜に直接圧力を加える工程を適用することは好ましくない。
【0062】
さらに、基本単位体110が、必ず4層構造を有しなければならないものではない。例えば、基本単位体110は、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113、第2分離膜114、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が順次積層されて形成される8層構造を有することもできる。すなわち、基本単位体110は4層構造が繰り返し積層されて形成される構造を有することもできる。前で検討してみたように、電極組立体100は基本単位体110が繰り返し積層されて形成される。したがって、4層構造を繰り返し積層して電極組立体100を形成することもできるが、例えば8層構造を繰り返し積層して電極組立体100を形成することもできる。
【0063】
一方、電極組立体100は、第1補助単位体130と第2補助単位体140のうち少なくともいずれか一つをさらに含むことができる。先ず、第1補助単位体130に対して検討してみる。基本単位体110は、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が上側から下側に、または下側から上側に順次積層されて形成される。したがって、このような基本単位体110が繰り返し積層されて電極組立体100が形成されると、電極組立体100の最も上側(
図9を参照)、または最も下側(
図10を参照)に第1電極111、116(以下「第1末端電極」と記す)が位置することとなる(第1末端電極は正極であってもよく、負極であってもよい) 。第1補助単位体130は、このような第1末端電極116にさらに積層される。
【0064】
より具体的に第1補助単位体130aは、
図12に示す通り、第1電極111が正極で第2電極113が負極であると、第1末端電極116から順次、すなわち第1末端電極116から外側(
図12を基準に上側)に分離膜114、負極113、分離膜112及び正極111が順次積層されて形成され得る。また、第1補助単位体130bは、
図13に示す通り、第1電極111が負極で第2電極113が正極であると、第1末端電極116から順次、すなわち第1末端電極116から外側に分離膜114及び正極113が順次積層されて形成され得る。電極組立体100は、
図12または
図13に示す通り、第1補助単位体130により第1末端電極116側の最も外側に正極を位置させることができる。
【0065】
一般に、電極は集電体と活物質層(活物質)とを備え、活物質層は集電体の両面に塗布される。これに伴い、
図12を基準に正極の活物質層のうち集電体の下側に位置した活物質層は、分離膜を媒介に負極の活物質層のうち集電体の上側に位置した活物質層と互いに反応する。ところが、基本単位体110を同一に形成した後、これを順次積層して電極組立体100を形成すると、電極組立体100の最も上側または最も下側に位置した第1末端電極は、他の第1電極111と同一に集電体の両面に活物質層を備えるしかない。しかし、第1末端電極が集電体の両面に活物質層を塗布した構造を有する場合、第1末端電極の活物質層のうち外側に位置した活物質層は他の活物質層と反応することができない。したがって、活物質層が浪費される問題がもたらされる。
【0066】
第1補助単位体130は、このような問題を解決するためのものである。すなわち、第1補助単位体130は基本単位体110と別に形成される。したがって、第1補助単位体130は、集電体の一面にのみ活物質層が形成された正極を備えることができる。すなわち、第1補助単位体130は、集電体の両面のうち基本単位体110に向かい合う一面(
図12を基準に下側に向かい合う一面)にのみ活物質層がコーティングされた正極を備えることができる。結果的に、第1末端電極116にさらに第1補助単位体130を積層して電極組立体100を形成すると、第1末端電極116側の最も外側に断面(片面)だけコーティングされた正極を位置させることができる。したがって、活物質層が浪費される問題を解決することができる。そして、正極は(例えば)ニッケルイオンを放出する構成なので、最も外側に正極を位置させることが電池の容量に有利である。
【0067】
次に、第2補助単位体140に対して検討してみる。第2補助単位体140は、基本的に第1補助単位体130と同一の役割を果たす。より具体的に説明する。基本単位体110は、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が上側から下側に、または下側から上側に順次積層されて形成される。したがって、このような基本単位体110が繰り返し積層されて電極組立体100が形成されると、電極組立体100の最も上側(
図10を参照)、または最も下側(
図9を参照)に第2分離膜114、117(以下「第2末端分離膜」と記す)が位置することになる。第2補助単位体140は、このような第2末端分離膜117にさらに積層される。
【0068】
より具体的に第2補助単位体140aは、
図14に示す通り、第1電極111が正極で第2電極113が負極である場合、正極111で形成され得る。また、第2補助単位体140bは、
図15に示す通り、第1電極111が負極で第2電極113が正極である場合、第2末端分離膜117から順次、すなわち第2末端分離膜117から外側(
図15を基準に下側)に負極111、分離膜112及び正極113が順次積層されて形成され得る。第2補助単位体140も第1補助単位体130と同様に集電体の両面のうち基本単位体110に向かい合う一面(
図15を基準に上側に向かい合う一面)にのみ活物質層がコーティングされた正極を備えることができる。結果的に、第2末端分離膜117に第2補助単位体140をさらに積層して電極組立体100を形成すると、第2末端分離膜117側の最も外側に断面(片面)だけコーティングされた正極を位置させることができる。
【0069】
参考に、
図12と
図13、そして
図14と
図15は、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が上側から下側に順次積層された場合を例示している。これとは逆に、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が下側から上側に順次積層された場合も、前で説明したところと同様に説明可能である。そして、第1補助単位体130と第2補助単位体140は、必要に応じて最も外側に分離膜をさらに含むこともできる。一例として、最も外側に位置した正極がケースと電気的に絶縁される必要がある場合、第1補助単位体130と第2補助単位体140は正極の外側に分離膜をさらに含むことができる。同じ理由で、
図14に示す通り、第2補助単位体140が積層されている側の反対側(すなわち、
図14の電極組立体100の最上側)に露出されている正極にも分離膜がさらに含まれ得る。
【0070】
一方、
図16から
図18に示す通り、電極組立体100を形成することが好ましい。先ず、
図16に示す通り、電極組立体100eを形成することができる。基本単位体110bは、下側から上側に第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が順次積層されて形成され得る。このとき、第1電極111は正極であってもよく、第2電極113は負極であってもよい。そして、第1補助単位体130cは、第1末端電極116から順次、すなわち、
図16を基準に上側から下側に分離膜114、負極113、分離膜112及び正極111が積層されて形成され得る。このとき、第1補助単位体130cの正極111は、基本単位体110bに向かい合う一面にのみ活物質層が形成され得る。
【0071】
また、第2補助単位体140cは、第2末端分離膜117から順次、すなわち、
図16を基準に下側から上側に正極111(第1正極)、分離膜112、負極113、分離膜114及び正極118(第2正極)が積層されて形成され得る。このとき、第2補助単位体140cの正極のうち最も外側に位置した正極118(第2正極)は、基本単位体110bに向かい合う一面にのみ活物質層が形成され得る。参考に、補助単位体が分離膜を含むと単位体の整列に有利である。
【0072】
次に、
図17に示す通り、電極組立体100fを形成することができる。基本単位体110bは、下側から上側に第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が順次積層されて形成され得る。このとき、第1電極111は正極であってもよく、第2電極113は負極であってもよい。そして、第1補助単位体130dは、第1末端電極116から順次分離膜114、負極113及び分離膜112が積層されて形成され得る。このとき、第2補助単位体は備えられなくても構わない。参考に、負極は電位差によりポーチ外装材のアルミニウム層と反応を起こし得る。したがって、負極は、分離膜を介してポーチ外装材から絶縁されることが好ましい。
【0073】
最後に、
図18に示す通り、電極組立体100gを形成することができる。基本単位体110cは、上側から下側に第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が積層されて形成され得る。このとき、第1電極111は負極であってもよく、第2電極113は正極であってもよい。そして、第2補助単位体140dは、第2末端分離膜117から順次負極111、分離膜112、正極113、分離膜114及び負極119が順に積層されて形成され得る。このとき、第1補助単位体は備えられなくても構わない。
【0074】
一方、本発明の好ましい実施例に係る電極組立体の製造方法のS40ステップは、基本単位体110を複数層だけ積層する場合を説明しているが、これは説明の便宜のためのものであるだけで、電極組立体100が基本単位体110だけからなるとのことを意味するものではない。すなわち、一層または複数層の基本単位体100の上面や下面または上下面に補助単位体130、140を基本単位体100と共に積層及び整列することもS40ステップに含まれるものであることを明らかにしておく。
【0075】
前述したような本発明の詳細な説明では、具体的な実施例に関して説明した。しかし、本発明の範疇から脱しない限度内ではいくつかの変形が可能である。本発明の技術的思想は、本発明の記述した実施例に限定されて定められてはならず、特許請求の範囲だけでなく、本特許請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。