(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第1のカウンタ部のカウント値と、前記第2のカウンタ部のカウント値とが、一致する場合に正常と判定し、不一致であり、かつ該不一致の回数が所定のしきい値を超えた場合にバルブ異常と判定する請求項1に記載の処理装置。
前記第1のカウンタ部及び前記第2のカウンタ部は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットに設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の処理装置。
前記第3のカウンタ部は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットに設けられている請求項5から8のいずれか1項に記載の処理装置。
前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値と、が一致する場合に正常と判定し、不一致であり、該不一致の回数が所定のしきい値を超えた場合にバルブ異常と判定する請求項15に記載のバルブ動作確認方法。
前記第1のカウント値及び前記第2のカウント値は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットにより生成されるものである請求項15から17のいずれか1項に記載のバルブ動作確認方法。
前記第3のカウント値は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットにより生成されるものである請求項19から22のいずれか1項に記載のバルブ動作確認方法。
被処理体に対し、複数の種類のガスを交互に供給して成膜を行うALD(Atomic Layer Deposition)プロセスにおいて実行されるものである請求項15から27のいずれか1項に記載のバルブ動作確認方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、処理容器内へガスを供給するガス供給システムにおけるバルブの動作状態を把握し、バルブの異常をリアルタイムで検出、もしくは、未然に回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の処理装置は、被処理体を収容する処理容器と、
前記処理容器内に供給される処理ガスの種類に対応して複数系統に設けられたガス供給路と、
前記複数系統のガス供給路のそれぞれに配設されて前記ガス供給路の開閉を行う複数のバルブと、
前記複数のバルブをそれぞれ独立して電気的に駆動するバルブ駆動部と、
前記バルブの開閉動作をそれぞれ独立してモニタするセンサ部と、
前記バルブ駆動部による開閉動作の信号及び前記センサ部からの前記バルブの開閉の検出信号に基づき、前記バルブの動作状態を判定する制御部と、
を備えている。
【0014】
本発明の処理装置は、前記バルブ駆動部への開閉動作の指令信号を取得し、開閉回数をカウントする第1のカウンタ部と、
前記センサ部から、前記バルブの開閉の検出信号を取得し、開閉回数をカウントする第2のカウンタ部と、
をさらに備えていてもよく、
前記制御部は、前記第1のカウンタ部のカウント値と、前記第2のカウンタ部のカウント値と、を参照して、前記バルブの動作状態を判定する。
【0015】
また、本発明の処理装置において、前記制御部は、前記第1のカウンタ部のカウント値と、前記第2のカウンタ部のカウント値とが、一致する場合に正常と判定し、不一致の場合にバルブ異常と判定してもよい。あるいは、前記制御部は、前記第1のカウンタ部のカウント値と、前記第2のカウンタ部のカウント値とが、一致する場合に正常と判定し、不一致であり、かつ該不一致の回数が所定のしきい値を超えた場合にバルブ異常と判定してもよい。さらに、前記第1のカウンタ部及び前記第2のカウンタ部は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットに設けられていてもよい。
【0016】
また、本発明の処理装置は、前記バルブ駆動部の開閉動作の信号と、前記センサ部からのバルブの開閉の検出信号と、の時間差をカウントする第3のカウンタ部を、さらに備えていてもよく、前記制御部は、前記第3のカウンタ部のカウント値を参照して、前記バルブの動作状態を判定するものであってもよい。この場合、前記第3のカウンタ部の前記カウント値が、前記バルブ駆動部からの開放動作の信号と、前記センサ部からのバルブ開放の検出信号との時間差のカウント値であってもよく、あるいは、前記第3のカウンタ部の前記カウント値が、前記バルブ駆動部からの閉動作の信号と、前記センサ部からのバルブ閉の検出信号との時間差のカウント値であってもよい。さらに、前記制御部は、前記第3のカウンタ部の前記カウント値の最大値又は最小値を参照して判定を行うものであってもよい。
【0017】
また、本発明の処理装置において、前記第3のカウンタ部は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットに設けられていてもよい。また、前記下位の制御ユニットは、複数のバルブのうち、一つのバルブの前記カウント値がしきい値を超えた場合、前記複数のバルブのうち1つ以上を閉状態にしてもよい。
【0018】
また、本発明の処理装置は、前記センサ部から、前記複数のバルブの開閉の検出信号をそれぞれ取得し、2つ以上のバルブの同時開放を検出してその回数をカウントする第4のカウンタ部、をさらに備えていてもよく、前記制御部は、前記第4のカウンタ部のカウント値を参照して、前記バルブの動作状態を判定するものであってもよい。
【0019】
また、本発明の処理装置は、前記バルブ駆動部への開閉動作の指令信号を取得し、開放時間の長さを計測する第1のタイマ部をさらに備えていてもよく、前記制御部は、前記第1のタイマ部による計測時間を参照して、前記バルブへの動作の指令状態を判定するものであってもよい。
【0020】
また、本発明の処理装置は、前記センサ部から、前記バルブの開閉の検出信号を取得し、開放時間の長さを計測する第2のタイマ部をさらに備えていてもよく、前記制御部は、前記第2のタイマ部による計測時間を参照して、前記バルブの動作状態を判定するものであってもよい。
【0021】
また、本発明の処理装置は、被処理体に対し、複数の種類のガスを交互に供給して成膜を行うALD(Atomic Layer Deposition)装置であってもよい。
【0022】
本発明のバルブ動作確認方法は、被処理体を収容する処理容器と、
前記処理容器内に供給される処理ガスの種類に対応して複数系統に設けられたガス供給路と、
前記複数系統のガス供給路のそれぞれに配設されて前記ガス供給路の開閉を行う複数のバルブと、
前記複数のバルブをそれぞれ独立して電気的に駆動するバルブ駆動部と、
前記バルブの開閉動作をそれぞれ独立してモニタするセンサ部と、
前記バルブの動作状態を判定する制御部と、
を備えた処理装置において前記複数のバルブの動作状態を判定する。このバルブ動作確認方法において、前記制御部は、前記バルブ駆動部への開閉動作の指令信号及び前記センサ部からの前記バルブの開閉の検出信号に基づき、前記バルブの動作状態を判定する。
【0023】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、前記バルブ駆動部への開閉動作の指令信号を取得し、その開閉回数をカウントして第1のカウント値を得るステップと、
前記センサ部から、前記バルブの開閉の検出信号を取得し、その開閉回数をカウントして第2のカウント値を得るステップと、
前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値と、に基づき、前記バルブの動作状態を判定するステップと、を含んでいてもよい。
【0024】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値と、が一致する場合に正常と判定し、不一致の場合にバルブ異常と判定してもよい。あるいは、前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値と、が一致する場合に正常と判定し、不一致であり、該不一致の回数が所定のしきい値を超えた場合にバルブ異常と判定してもよい。さらに、前記第1のカウント値及び前記第2のカウント値は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットにより生成されるものであってもよい。
【0025】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、前記バルブ駆動部の開閉動作の信号と、前記センサ部からのバルブの開閉の検出信号と、の時間差をカウントして第3のカウント値を得るステップと、
前記第3のカウント値を参照して、前記バルブの動作状態を判定するステップと、
を含むものであってもよい。この場合、前記第3のカウント値が、前記バルブ駆動部への開放動作の指令信号と、前記センサ部からのバルブ開放の検出信号と、の時間差のカウント値であってもよい。あるいは、前記第3のカウント値が、前記バルブ駆動部への閉動作の指令信号と、前記センサ部からのバルブ閉の検出信号と、の時間差であってもよい。
【0026】
また、本発明のバルブ動作確認方法において、前記制御部は、前記第3のカウント値の最大値又は最小値を参照して判定を行うものであってもよい。
【0027】
また、本発明のバルブ動作確認方法において、前記第3のカウント値は、前記制御部と信号の送受信が可能に接続されてその制御を受けるとともに、前記制御部とエンドデバイスとの間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットにより生成されるものであってもよい。また、前記下位の制御ユニットは、複数のバルブのうち、一つのバルブの前記第3のカウント値がしきい値を超えた場合、前記複数のバルブのうち1つ以上を閉状態にしてもよい。
【0028】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、前記センサ部から、前記複数のバルブの開閉の検出信号をそれぞれ取得することにより、2つ以上のバルブの同時開放を検出し、その回数をカウントして第4のカウント値を得るステップと、
前記第4のカウント値を参照して、前記バルブの動作状態を判定するステップと、を含んでいてもよい。
【0029】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、前記バルブ駆動部への開閉動作の指令信号を取得し、その開放時間の長さを計測して第1の計測時間を得るステップと、前記第1の計測時間に基づき、前記バルブへの動作の指令状態を判定するステップと、を含んでいてもよい。
【0030】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、前記センサ部から、前記バルブの開閉の検出信号を取得し、その開放時間の長さを計測して第2の計測時間を得るステップと、前記第2の計測時間に基づき、前記バルブの動作状態を判定するステップと、を含んでいてもよい。
【0031】
また、本発明のバルブ動作確認方法は、被処理体に対し、複数の種類のガスを交互に供給して成膜を行うALD(Atomic Layer Deposition)プロセスにおいて実行されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、バルブ駆動部による開閉動作の信号及びセンサ部からのバルブの開閉の検出信号に基づき、バルブの動作を確認することにより、バルブの開閉の異常を迅速に検出し、もしくは未然に回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
[第1の実施の形態]
<成膜装置の構成例>
まず、
図1を参照して第1の実施の形態に係る処理装置について説明を行う。
図1は、例えば基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す)Wに対し、ALD法による成膜処理を行なうように構成された成膜装置100の概略の構成例を示した。この成膜装置100は、気密に構成された略円筒状の処理容器1を有している。処理容器1の中には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのサセプタ3が配備されている。サセプタ3は、円筒状の支持部材5により支持されている。また、サセプタ3には、図示しないヒータが埋め込まれており、このヒータに給電することにより、ウエハWを所定の温度に加熱する。
【0036】
処理容器1の天壁1aには、ガス導入部11が設けられている。このガス導入部11には、図示しないガス吐出孔が形成されている。また、ガス導入部11には、ガス供給路である配管13が接続されている。この配管13は、配管31,41,51,61が合流したものであり、これら配管31,41,51,61は、それぞれ成膜原料ガス等を供給するガス供給源20に接続されている。
【0037】
図1の成膜装置100では、ウエハW表面にALD法によりTiN膜を形成する場合を例示している。この場合、ガス供給源20は、パージガス源としてのN
2ガス供給源30、反応ガス源としてのNH
3ガス供給源40、原料ガス源としてのTiCl
4ガス供給源50、別のパージガス源としてのN
2ガス供給源60を有している。
【0038】
N
2ガス供給源30は、配管31、13を介してガス導入部11に接続されている。配管31には、バルブ33、流量制御のためのMFC(マスフローコントローラ)35及びチャンババルブ37が設けられている。
【0039】
NH
3ガス供給源40は、配管41、13を介してガス導入部11に接続されている。配管41には、バルブ43、流量制御のためのMFC(マスフローコントローラ)45及びチャンババルブ47が設けられている。また、配管41において、チャンババルブ47よりもNH
3ガス供給源40に近いガスの供給方向上流側には、バッファタンク48が設けられている。バッファタンク48には、内部の圧力を計測する圧力計48Aが付設されている。
【0040】
TiCl
4ガス供給源50は、配管51、13を介してガス導入部11に接続されている。TiCl
4ガス供給源50は、図示しない気化器を備えている。配管51には、バルブ53、流量制御のためのMFC(マスフローコントローラ)55及びチャンババルブ57が設けられている。また、配管51において、チャンババルブ57よりもTiCl
4ガス供給源50に近いガスの供給方向上流側には、バッファタンク58が設けられている。バッファタンク58には、内部の圧力を計測する圧力計58Aが付設されている。
【0041】
N
2ガス供給源60は、配管61、13を介してガス導入部11に接続されている。配管61には、バルブ63、流量制御のためのMFC(マスフローコントローラ)65及びチャンババルブ67が設けられている。
【0042】
チャンババルブ37,47,57,67は、それぞれ、配管31,41,51,61において、処理容器1に最も近接した位置に設けられたバルブである。これら、チャンババルブ37,47,57,67を開放することによって、処理容器1内への各ガスの導入が行われ、チャンババルブ37,47,57,67を閉じることによって、処理容器1内への各ガスの導入が停止される。
【0043】
チャンババルブ37,47,57,67は、いずれも高速での開閉が可能な電磁弁(ソレノイドバルブ)である。
図1では、説明の便宜上、各チャンババルブ37,47,57,67について、バルブ駆動部としてのソレノイド37a,47a,57a,67aを図示している。なお、ソレノイド37a,47a,57a,67aは、チャンババルブ37,47,57,67の一構成部分である。
【0044】
また、各チャンババルブ37,47,57,67には、センサ部として、例えばポジションセンサなどからなるチャンババルブセンサ(CVセンサ)39,49,59,69が配備されている。CVセンサ39,49,59,69は、それぞれ、ソレノイド37a,47a,57a,67aによって駆動される各チャンババルブ37,47,57,67の開閉状態をモニタする。
【0045】
なお、
図1の成膜装置100では、反応ガス、原料ガス及びパージガスの供給源を示しているが、ガス供給源20は、例えば処理容器1内をクリーニングするためのクリーニングガス供給源などの他のガス源、配管、バルブ等を有していてもよい。
【0046】
処理容器1の底壁1bには、排気口1cが形成されており、この排気口1cには排気管71を介して排気装置70が接続されている。そしてこの排気装置70を作動させることにより処理容器1内を所定の真空度まで減圧することができるように構成されている。
【0047】
<制御系統の構成例>
次に、成膜装置100における制御系統の概要について、
図1、
図2及び
図3を参照しながら説明する。成膜装置100は、後述するように、モジュールコントローラ(Module Controller;MC)401によって、処理容器1内で所定の処理が行えるように制御されている。
【0048】
図2は、成膜装置100を含む基板処理システム(図示せず)における制御系統の中で、ALDプロセスを行う成膜装置100の制御に関連する部分の概略を示している。基板処理システムにおける全体の制御や、プロセスシップとしての成膜装置100を構成する各構成部すなわちエンドデバイス201の制御は、制御部300によって行われる。ここで、エンドデバイス201としては、例えば
図1に示した成膜装置100におけるチャンババルブ37,47,57,67(ソレノイド37a,47a,57a,67a)、MFC35,45,55,65、CVセンサ39,49,59,69、排気装置70などを挙げることができる。
【0049】
図2に示したように、制御部300は、主要な構成として、成膜装置100をはじめ、基板処理システムの各処理装置に対応して設けられた個別の制御部である複数のMC401と、基板処理システム全体を制御する統括制御部であるEC(Equipment Controller)301と、EC301に接続されたユーザーインターフェース501とを備えている。なお、MC401は、基板処理システムにおいて、成膜装置100だけでなく、例えば、他の処理を行う処理装置や、ロードロック室、ローダーユニットにも配備することが可能であり、これらもEC301の下で統括されるが、ここでは図示および説明を省略する。
【0050】
(EC)
EC301は、各MC401を統括して基板処理システム全体の動作を制御する統括制御部である。EC301は、CPU(中央演算装置)303と、揮発性メモリとしてのRAM305と、記憶部としてのハードディスク装置307と、を有している。EC301と各MC401は、システム内LAN(Local Area Network)503により接続されている。システム内LAN503は、スイッチングハブ(HUB)505を有している。このスイッチングハブ505は、EC301からの制御信号に応じてEC301の接続先としてのMC401の切り替えを行う。
【0051】
また、EC301は、LAN601を介して基板処理システムが設置されている工場全体の製造工程を管理するMES(Manufacturing Execution System)としてのホストコンピュータ603に接続されている。ホストコンピュータ603は制御部300と連携して工場における種々の工程に関するリアルタイム情報を基幹業務システム(図示省略)にフィードバックすると共に、工場全体の負荷等を考慮して工程に関する判断を行う。
【0052】
また、EC301には、ユーザーインターフェース501も接続されている。ユーザーインターフェース501は、工程管理者が基板処理システムを管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板処理システムの稼働状況を可視化して表示するディスプレイ、メカニカルスイッチ等を有している。
【0053】
EC301は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(以下、単に記憶媒体と記す。)507に対して情報を記録し、また記憶媒体507より情報を読み取ることができるようになっている。制御プログラムやレシピは、例えば、記憶媒体507に格納された状態のものを記憶部としてのハードディスク装置307にインストールすることによって利用することができる。記憶媒体507としては、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD等を使用することができる。また、上記レシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用することも可能である。
【0054】
EC301では、ユーザーインターフェース501においてユーザ等によって指定されたウエハWの処理方法に関するレシピを含むプログラム(ソフトウェア)をCPU303がハードディスク装置307や記憶媒体507から読み出す。そして、EC301から各MC401にそのプログラムを送信することにより、各MC401によって成膜装置100をはじめとする処理装置での処理を制御できるように構成されている。以下、成膜装置100と、これを制御するMC401との関係について説明する。
【0055】
(MC)
MC401は、成膜装置100の動作を制御する個別の制御部として設けられている。MC401は、
図3に示したように、CPU403と、RAMなどの揮発性メモリ部405と、I/O情報記憶部としての不揮発性メモリ部407と、I/O制御部409と、を有している。
【0056】
MC401の不揮発性メモリ部407は、例えばSRAM、MRAM、EEPROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリにより構成されている。不揮発性メモリ部407には、成膜装置100における種々の履歴情報例えばサセプタ3におけるヒータの交換時間、排気装置70の稼動時間などが保存される。また、不揮発性メモリ部407は、I/O情報記憶部としても機能し、後述するようにMC401と各エンドデバイス201との間で取り交される各種のI/O情報(特に、デジタル・アウトプット情報DOおよびアナログ・アウトプット情報AO)を不揮発性メモリ部407に随時書き込んで保存できるように構成されている。
【0057】
(I/Oモジュール)
MC401のI/O制御部409は、I/O(入出力)モジュール413に種々の制御信号を送出したり、I/Oモジュール413から各エンドデバイス201に関するステータス情報などの信号を受け取ったりする。MC401による各エンドデバイス201の制御は、I/Oモジュール413を介して行われる。I/Oモジュール413は、各エンドデバイス201への制御信号及びエンドデバイス201からの入力信号の伝達を行う。各MC401は、ネットワーク411を介してそれぞれI/Oモジュール413に接続されている。各MC401に接続されるネットワーク411は、例えばチャンネルCH0,CH1,CH2のような複数の系統を有している。
【0058】
I/Oモジュール413は、成膜装置100を構成する各エンドデバイス201に接続された複数のI/Oボード415を有している。このI/Oボード415は、MC401の支配のもとで動作する下位の制御ユニットである。I/Oモジュール413におけるデジタル信号、アナログ信号及びシリアル信号の入出力の制御は、これらのI/Oボード415において行われる。なお、
図1、
図2では、便宜上、一部のエンドデバイス201(ソレノイド37a,47a、CVセンサ39,49)とI/Oボード415との接続のみを代表的に図示している。
【0059】
I/Oボード415において管理される入出力情報は、デジタル・インプット情報DI、デジタル・アウトプット情報DO、アナログ・インプット情報AI、アナログ・アウトプット情報AOの4種を含んでいる。デジタル・インプット情報DIは、制御系統の下位に位置する各エンドデバイス201から制御系統の上位に位置するMC401へインプットされるデジタル情報に関する。デジタル・アウトプット情報DOは、制御系統の上位に位置するMC401から制御系統の下位に位置する各エンドデバイス201へアウトプットされるデジタル情報に関する。アナログ・インプット情報AIは、各エンドデバイス201からMC401へインプットされるアナログ情報に関する。アナログ・アウトプット情報AOは、MC401から各エンドデバイス201へアウトプットされるアナログ情報に関する。
【0060】
デジタル・インプット情報DIおよびアナログ・インプット情報AIには、例えば各エンドデバイス201のステータスに関する情報が含まれている。デジタル・アウトプット情報DOおよびアナログ・アウトプット情報AOには、例えば各エンドデバイス201へのプロセス条件等に関する値の設定や指令(コマンド)が含まれている。なお、デジタル情報としては、各チャンババルブ37、47、57、67(ソレノイド37a,47a,57a,67a)の開閉、排気装置70のON/OFFや排気系統におけるバルブ(図示せず)の開閉などの情報が例示される。また、アナログ情報としては、サセプタ3におけるヒータ(図示せず)の設定温度、MFC35、45、55、65における設定流量などの情報が例示される。
【0061】
上記4種の入出力情報DI,DO,AI,AOは、それぞれの内容に対応してI/Oアドレスが付与されている。各I/Oアドレスには、例えば16ビット(0〜15)のデジタル情報またはアナログ情報が含まれている。アナログ情報は、例えば0〜FFFの16進数で表される。また、各I/Oアドレスには、I/Oアドレス番号Addrが割り当てられている。前記のとおり、各MC401に接続されるネットワーク411は、複数のチャンネル例えばCH0,CH1,CH2…を有している。また、各I/Oボード415には、数字の1から始まるノード番号Nodeが割り当てられている。従って、チャンネル番号と、1〜n(nは整数)までのノード番号Nodeと、I/Oアドレス番号Addrという3種類のパラメータによって、4種の入出力情報DI,DO,AI,AOのI/Oアドレスを特定できるようになっている。なお、各入出力情報の詳細な内容については図示および説明を省略する。
【0062】
(カウンタ部)
本実施の形態の成膜装置100では、I/Oボード415に、バルブ開閉回数カウント手段として、2つのカウンタ部を有している。一つ目のカウンタ部は、チャンババルブ37,47,57,67におけるソレノイド37a,47a,57a,67aの駆動DO信号(CVソレノイドDO)のフィードバックDI信号を受けて各ソレノイド37a,47a,57a,67aの駆動回数(つまり、チャンババルブ37,47,57,67の開閉回数)をカウントする第1のカウンタ部としてのDO開閉カウンタ421である。
図2では、代表的に、ソレノイド37a、47aに関するDO開閉カウンタ421をI/Oボード415内に図示している。二つ目のカウンタ部は、チャンババルブ37,47,57,67にそれぞれ付設された各CVセンサ39,49,59,69からのDI信号を受けてチャンババルブ37,47,57,67の開閉回数をカウントする第2のカウンタ部としてのDI開閉カウンタ423である。
図2では、代表的に、CVセンサ39,49に関するDI開閉カウンタ423をI/Oボード415内に図示している。これら2つのカウンタ部は、例えばI/Oボード415に搭載したFPGA(Field Programmable Gate Array)などのファームウエアを利用して設けられている。DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423の詳細については、後述する。
【0063】
以上の構成を有する制御部300では、複数のエンドデバイス201に接続されたI/Oボード415がモジュール化されてI/Oモジュール413を構成している。そして、このI/Oモジュール413がMC401及びスイッチングハブ505を介してEC301に接続されている。このように、複数のエンドデバイス201がEC301に直接接続されることなく、I/Oモジュール413およびMC401を介在させて接続した構成によって、制御系統の階層化が実現されている。また、本実施の形態では、上記EC301→MC401→I/Oモジュール413→エンドデバイス201という制御系統の基本的な構成を維持しながら、MC401より下位の制御ユニットであるI/Oボード415に、DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423を設け、チャンババルブ37,47,57,67の開閉回数をカウントする構成としている。すなわち、MC401よりもチャンババルブ37,47,57,67により近い下位の制御ユニットを用いてチャンババルブ37,47,57,67の開閉回数をカウントし、その結果をMC401が読み取ることができるようになっている。これにより、成膜装置100でALDプロセスを実施する間に、高速で開閉されるチャンババルブ37,47,57,67の開閉状態を、開閉毎にMC401が確認するのではなく、ALDにおける1サイクルの所定回数毎もしくは任意のステップ毎や1枚のウエハWの処理毎等の一定期間毎に積算された開閉回数を確認すればよいので、MC401に高負荷を与えることなく、的確に、バルブの開閉動作を確認することができる。
【0064】
<ALDプロセス>
成膜装置100では、サセプタ3にウエハWを載置した状態で、図示しないヒータによりウエハWを加熱しつつ、ガス導入部11からウエハWへ向けて処理ガスを供給することにより、ウエハWの表面に所定の薄膜をALD法により成膜することができる。例えばTiN膜のALD法による成膜では、以下の1)〜7)の一連の工程(ステップ)を1サイクルとして、複数のサイクルを繰り返し行うことによって薄膜を堆積させることができる。
【0065】
1サイクルのALDプロセス:
1)チャンババルブ57を開放し、TiCl
4ガス供給源50から処理容器1内へ原料ガスとしてのTiCl
4ガスを供給してTiCl
4をウエハW表面に付着させる。
2)チャンババルブ57を閉じ、TiCl
4ガスの供給を停止する。
3)チャンババルブ67を開放し、N
2ガス供給源60から処理容器1内へN
2ガスを導入し、処理容器1内をパージすることにより残留したTiCl
4ガスを排除する。
4)チャンババルブ67を閉じ、N
2ガスの供給を停止する。
5)チャンババルブ47を開放し、NH
3ガス供給源40から処理容器1内へ反応ガスとしてのNH
3ガスを供給し、ウエハW表面に付着しているTiCl
4と反応させて薄い一層のTiN膜を形成する。
6)チャンババルブ47を閉じ、NH
3ガスの供給を停止する。
7)チャンババルブ37を開放し、N
2ガス供給源30から処理容器1内へN
2ガスを導入し、処理容器1内をパージすることにより残留したNH
3ガスを排除する。
【0066】
ALDプロセスでは、上記サイクルを繰り返すため、良好な成膜処理を行うためには、ガスの供給と停止を短時間で間欠的に繰り返し正確に行う必要がある。そのため、特にチャンババルブ37,47,57,67の開閉頻度が著しく多くなり、故障や、構成部品の劣化などによる動作異常等の不具合がCVD法に比べ格段に生じやすくなる。従って、ALDプロセスでは、チャンババルブ37,47,57,67の異常を迅速に検出し、もしくは未然に回避することが重要となる。本実施の形態では、I/Oボード415に上記DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423を設けることによって、チャンババルブ37,47,57,67の不具合を早期に判定することができる。
【0067】
<チャンババルブ動作状態の検出>
図4Aは、チャンババルブ開閉の制御系統とCVセンサの制御系統を抜粋して示したものである。
図4Bは、DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423によるカウントの原理を示すタイミングチャートである。
図4Bには、チャンババルブの開閉のタイミングと、CVセンサで検出された開閉の検出信号との関係も示している。ここでは代表的に、チャンババルブ37及びCVセンサ39を例に挙げて説明する。
【0068】
成膜装置100でALDプロセスが行われている間、チャンババルブ37を駆動させるために、MC401からのデジタル・アウトプット情報であるCVソレノイドDO信号が、信号伝達手段であるフォトカプラ80Aを介してチャンババルブ37のソレノイド37aに伝達される。同時に、この駆動信号は、信号伝達手段であるフォトカプラ80Bを介して、MC401へデジタル・インプット情報DIとしてフィードバックされる。このフィードバックDI信号の一部をI/Oボード415上のDO開閉カウンタ421で受け取り、チャンババルブ37の開閉回数としてカウントする。
【0069】
一方、成膜装置100でALDプロセスが行われている間、CVセンサ39は、バルブ開閉の物理的な検出信号であるCVセンサDI信号を、フォトカプラ80Cを介して、MC401へデジタル・インプット情報DIとして送信する。このCVセンサDI信号の一部をI/Oボード415上のDI開閉カウンタ423で受け取り、チャンババルブ37の開閉回数としてカウントする。
【0070】
図4Bのタイミングチャートでは、フィードバックDI信号(CVソレノイドDO信号と同じ波形である)の矩形部分の立上がりは、チャンババルブ37を開放する指令信号を意味し、立下がりは、チャンババルブ37を閉じる指令信号を意味している。
図4Bでは、フィードバックDI信号の立上がりと、DO開閉カウンタ421におけるカウント値(A)との対応関係を破線の矢印で示している。同様に、CVセンサDI信号の矩形部分の立上がりは、チャンババルブ37が開放されたことを検出する信号を意味し、立下がりは、チャンババルブ37が閉じられたことを検出する信号を意味している。
図4Bでは、CVセンサDI信号の立上がりと、DI開閉カウンタ423におけるカウント値(B)との対応関係を破線の矢印で示している。なお、
図4Bでは、DO開閉カウンタ421におけるカウント値(A)=DI開閉カウンタ423におけるカウント値(B)=4である。
【0071】
DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423は、いずれも16ビットのカウンタであり、
図4Bに示すように、MC401からの開始(START)/停止(STOP)指令によりカウント開始/停止し、リセット(RESET)指令により0クリアされる。成膜装置100では、例えば1枚のウエハWの処理の開始/終了に合わせてカウントをSTART/STOPさせることができるし、予め設定した複数毎のウエハWの処理の間カウントを継続することも可能である。あるいは、1枚のウエハWの処理の中のALDサイクル単位、もしくはALDのステップ単位でカウントをSTART/STOPさせることも可能であり、この場合1枚のウエハWに対する処理の実行中に異常を検出することができる。DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423のカウント値は、16ビットのデータとして、MC401へ送信される。
【0072】
(判定方法)
DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423に基づくチャンババルブ37の動作状態の判定は、例えば、MC401のソフトウェア(レシピ)によるチャンババルブ37の開閉指令回数(ソレノイド37aの駆動指令回数)をX、DO開閉カウンタ421のカウント値をA、DI開閉カウンタ423のカウント値をBとしたとき、以下のように行うことができる。この判定は、MC401の別のソフトウェア(レシピ)により行うことができる。
X=A=B:正常
X≠A:DO開閉カウンタ421、CVソレノイドDO回路及びフォトカプラ80Aの不具合あり
A≠B:チャンババルブ37に関連する異常あり
【0073】
ここで、「チャンババルブ37に関連する異常」とは、正確には、チャンババルブ37、ソレノイド37a、CVセンサ39、これらに関する配線、配管31,13等の不具合を意味する。上記A≠Bとなり、異常が検出された場合は、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイにその旨を表示したり、成膜装置100におけるALDプロセスを中止する制御信号をMC401がエンドデバイス201に送出したりする、といった処理を行うことができる。判定に際しては、A≠Bのときに、カウント値Aとカウント値Bの差(つまり、チャンババルブ37の指令開閉回数と検出開閉回数との差)が所定のしきい値に達しない場合は、ALDプロセスを継続し、カウント値Aとカウント値Bの差が所定のしきい値を超えた場合に、バルブ異常としてALDプロセスを中止するように設定してもよい。カウント値Aとカウント値Bの差が極めて小さい場合には、ALDプロセスに与える影響も少ないと考えられるためである。MC401によるカウント値の読み取りはALDプロセス中(カウント中)でも可能であり、リアルタイムでチャンババルブ37の動作状態の検出が可能である。
【0074】
ここで、本実施の形態におけるチャンババルブ37の動作状態の判定方法の手順の一例を
図5に示した。
図5に示した手順は、DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423の差分を所定のしきい値と比較する場合を例に挙げている。
図5において、まず、ステップS1では、MC401がDO開閉カウンタ421によるカウント値Aを取得する。次に、ステップS2では、MC401がDI開閉カウンタ423によるカウント値Bを取得する。次に、ステップS3では、MC401が二つのカウント値の差分を演算し、その絶対値|A−B|が予め設定された所定のしきい値を超えたか否かを判定する。このステップS3におけるカウント値の演算と判定は、判定手段として機能するMC401により行われる。また、ステップS3で用いるしきい値は、例えばMC401の不揮発性メモリ部407に保存されたものを用いることができる。なお、MC401は、DI開閉カウンタ423によるカウント値Bを取得した後、DO開閉カウンタ421によるカウント値Aを取得してもよいし、カウント値A、Bを同時に取得してもよい。
【0075】
ステップS3で、絶対値|A−B|が予め設定された所定のしきい値を超えた(Yes)と判定された場合は、次にステップS4で、MC401が制御信号を送出し、例えばALDプロセスを中止させる。なお、ステップS4では、直ちにALDプロセスを停止せずに、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイに警告表示を行うなどの他の処理を実施してもよい。
【0076】
一方、ステップS3で絶対値|A−B|が予め設定された所定のしきい値を超えていない(No)と判定された場合は、再びステップS1に戻る。そして、例えば1枚のウエハWに対する成膜処理が終了するか、あるいは、ステップS3で絶対値|A−B|が予め設定された所定のしきい値を超えた(Yes)と判定されるまで、
図5の手順を繰り返すことができる。
【0077】
このように、本実施の形態の成膜装置100では、チャンババルブ37の開閉回数を直接監視対象とするため、チャンババルブ37に関連する異常や、その兆候を迅速かつ確実に検出することができる。また、高速で開閉を繰り返すチャンババルブ37の開閉回数を直接監視対象とするために、本実施の形態では、MC401とエンドデバイス201との間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットであるI/Oボード415にDO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423を設けることにより、MC401との間の通信データ量を抑制し、チャンババルブ37の不具合の検出を迅速に行うことが可能になっている。
【0078】
以上、チャンババルブ37を例示して説明したが、チャンババルブ47,57,67の開閉の動作状態についても、DO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423を利用して同様の判定が可能である。上記TiN膜のALD成膜プロセスの場合、各チャンババルブ37,47,57,67の開閉の切り替えの最小時間を50msとすると、1サイクル(N
2ガスパージ→TiCl
4ガス供給→N
2ガスパージ→NH
3ガス供給)の処理は、200msとなる。従って、16ビットのDO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423では、200ms×2
16=218分までのカウントが可能になる。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態の成膜装置100では、MC401の下位に属する制御ユニットであるI/Oボード415内にチャンババルブ37,47,57,67の開閉に関係するDO開閉カウンタ421及びDI開閉カウンタ423を設けている。そして、これらDO開閉カウンタ421のカウント値A並びにDI開閉カウンタ423のカウント値Bを利用して、高速に開閉が切り替えられるチャンババルブ37,47,57,67の動作状態を迅速に検出することができる。
【0080】
[第2の実施の形態]
次に、
図6〜10を参照して、本発明の第2の実施の形態の成膜装置について説明する。本実施の形態では、
図6に示したように、MC401よりも下位に属する制御ユニットであるI/Oボード415に、各ソレノイド37a,47a,57a,67aの駆動DO信号のフィードバックDI信号と、各CVセンサ39,49,59,69からのDI信号との間の相対的時間差を計測する第3のカウンタ部として、2つのカウンタ部を設けている。一つ目のカウンタ部は、上記2つのDI信号の時間差によって得られるチャンババルブ37,47,57,67の立上がり遅延時間を計測する立上がり遅延時間カウンタ431である。二つ目のカウンタ部は、上記2つのDI信号の時間差によって得られるチャンババルブ37,47,57,67の立下がり遅延時間を計測する立下がり遅延時間カウンタ433である。ここで、「立上がり」はバルブの開放動作を意味し、「立下がり」はバルブの閉動作を意味する。本実施の形態の成膜装置において、上記2つのカウンタ部以外の構成は、第1の実施の形態の成膜装置100と同様であるため、以下の説明では相違点を中心に説明する。
【0081】
図7Aは、チャンババルブの開閉の制御系統とCVセンサの制御系統を抜粋して示したものである。
図7Bは、立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433によるカウントの原理を示すタイミングチャートである。
図7Bには、チャンババルブの開閉のタイミングと、CVセンサで検出された開閉の検出信号との関係も示している。ここでは代表的に、チャンババルブ37及びCVセンサ39を例に挙げて説明する。
【0082】
成膜装置でALDプロセスが行われている間、チャンババルブ37を駆動させるために、MC401からのデジタル・アウトプット情報であるCVソレノイドDO信号は、フォトカプラ80Aを介してチャンババルブ37のソレノイド37aに伝達される。同時に、この駆動信号は、フォトカプラ80Bを介して、MC401へデジタル・インプット情報DIとしてフィードバックされる。このフィードバックDI信号の一部をI/Oボード415上の立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433でそれぞれ受け取る。
【0083】
一方、成膜装置100でALDプロセスが行われている間、CVセンサ39は、バルブ開閉の検出信号であるCVセンサDI信号を、フォトカプラ80Cを介して、MC401へデジタル・インプット情報DIとして送信する。このCVセンサDI信号の一部をI/Oボード415上の立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433でそれぞれ受け取る。
【0084】
立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433では、それぞれが、上記2つの信号の時間差をカウントする。すなわち、立上がり遅延時間カウンタ431では、フィードバックDI信号とCVセンサDI信号との立上がりの時間差(遅延時間)を求めていき、立下がり遅延時間カウンタ433では、両信号の立下がりの時間差(遅延時間)を求めていく。
【0085】
図7Bのタイミングチャートでは、フィードバックDI信号(CVソレノイドDO信号と同じ波形である)の矩形部分の立上がりは、チャンババルブ37を開放する指令信号を意味し、立下がりは、チャンババルブ37を閉じる指令信号を意味している。同様に、CVセンサDI信号の矩形部分の立上がりは、チャンババルブ37が物理的に開放されたことを検出する信号を意味し、立下がりは、チャンババルブ37が物理的に閉じられたことを検出する信号を意味している。
図7Bでは、立上がり遅延時間カウンタ431で計測される立上がり遅延時間をΔta(Δta1、Δta2、Δta3、Δta4・・・)で示し、立下がり遅延時間カウンタ433で計測される立下がり遅延時間をΔtb(Δtb1、Δtb2、Δtb3、Δtb4・・・)で示している。さらに、
図7Bでは、立上がり遅延時間カウンタ431で計測されたCVセンサDI信号の立上がりのタイミングと、カウントされる立上がり遅延時間Δta(Δta1、Δta2、Δta3、Δta4・・・)との対応関係を破線の矢印で示している。また、
図7Bでは、立下がり遅延時間カウンタ433で計測されたフィードバックDI信号の立下がりのタイミングと、カウントされる立下がり遅延時間Δtb(Δtb1、Δtb2、Δtb3、Δtb4・・・)との対応関係を破線の矢印で示している。
【0086】
立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433は、いずれも16ビットのカウンタであり、
図7Bに示すように、MC401からのSTART/STOP指令によりカウント開始/停止される。立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433のサンプリングクロックは、例えば0.1msとすることができる。立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433で得られたカウント値は、16ビットのデータとして、MC401へ送信される。また、付加的な機能として、立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433に記憶部を設けてΔta、Δtbの値の最大値及び/又は最小値を求めてMC401へ送信するようにしても良い。その場合、これらの値は
図7Bに示すように、MC401からのSTART/STOP指令により記憶を開始/停止し、RESET指令により0クリアされる。本実施の形態の成膜装置100において、例えば1枚のウエハWの処理の開始/終了に合わせてΔta、Δtbの値の最大値や最小値を求めたり、予め設定した複数毎のウエハWの処理の間のこれらの値を求めることも可能である。
【0087】
(判定方法)
立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433に基づくチャンババルブ37の動作状態の判定は、例えば、あらかじめ正常動作時の遅延時間Δta、Δtbの値を測定しておき、実動作時に観測されたΔta、Δtbの値をそれぞれ正常動作時のΔta、Δtbと比較することによって可能となる。そして、実動作時のΔta、Δtbの値が、正常動作時のΔta、Δtbの値から大きく異なるようであれば、ソレノイド37aを含むチャンババルブ37の劣化、CVセンサ39の位置ずれ、調整ずれ等の可能性があると判定することができる。この場合、実動作時に観測された遅延時間Δta、Δtbの値を予め設定された遅延時間のしきい値と比較してもよい。さらに、実動作時に観測されたΔta、Δtbの値の最大値及び/又は最小値を、予め設定された遅延時間の最大値又は最小値のしきい値と比較してもよい。
【0088】
以上の判定は、MC401のソフトウェア(レシピ)により行うことができる。チャンババルブ37の不具合が検出された場合は、MC401が制御信号を送出し、例えば成膜装置100におけるALDプロセスを中止するといった処理を行うことができる。カウント値の読み取りはカウント中でも可能であり、リアルタイムでチャンババルブ37の動作状態のモニタが可能である。また、16ビットの立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433では、上記Δta及びΔtbを、それぞれ0.1ms×2
16=6.5秒までカウントすることが可能である。
【0089】
ここで、本実施の形態におけるチャンババルブ37の動作状態の判定方法の手順の一例を
図8に示した。なお、
図8に示した手順は、立上がり遅延時間カウンタ431による遅延時間を所定のしきい値と比較する場合を例に挙げているが、立下がり遅延時間カウンタ433による遅延時間についても同様の判定が可能であるし、立上がり遅延時間カウンタ431による遅延時間と立下がり遅延時間カウンタ433による遅延時間の両方に基づいて判定をおこなってもよい。
【0090】
図8において、まず、ステップS11では、MC401が立上がり遅延時間カウンタ431による遅延時間Δtaを取得する。次に、ステップS12では、MC401が遅延時間Δtaが予め設定された所定のしきい値を超えたか否かを判定する。このステップS12におけるしきい値との比較は、判定手段として機能するMC401により行われる。また、ステップS12で用いるしきい値は、正常動作時の遅延時間Δtaに基づき設定することが可能であり、例えば正常動作時の遅延時間Δtaの最大値に基づき設定することができる。このしきい値は、例えばMC401の不揮発性メモリ部407に保存されたものを用いることができる。
【0091】
ステップS12で、遅延時間Δtaがしきい値を超えた(Yes)と判定された場合は、次にステップS13で、MC401が制御信号を送出し、例えばALDプロセスを中止させる。なお、ステップS13では、直ちにALDプロセスを停止せずに、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイに警告表示を行うなどの他の処理を実施してもよい。
【0092】
一方、ステップS12で遅延時間Δtaがしきい値を超えていない(No)と判定された場合は、再びステップS11に戻る。そして、例えば1枚のウエハWに対する成膜処理が終了するか、あるいはステップS12で、遅延時間Δtaがしきい値を超えた(Yes)と判定されるまで
図8の手順を繰り返すことができる。
【0093】
このように、本実施の形態の成膜装置では、チャンババルブ37の開閉動作の遅延時間を監視対象とするため、チャンババルブ37が故障して開閉不能になる前に、予兆の段階で検出することができる。また、高速で開閉を繰り返すチャンババルブ37の開閉動作の遅延時間を監視対象とするために、本実施の形態では、MC401とエンドデバイス201との間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットであるI/Oボード415に立上がり遅延時間カウンタ431及び立下がり遅延時間カウンタ433を設けている。これにより、MC401との間の通信データ量を抑制し、チャンババルブ37の開閉動作の遅延時間を正確に求めることが可能になっている。
【0094】
以上、チャンババルブ37を例示して説明したが、チャンババルブ47,57,67の開閉動作についても、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433を利用して同様の判定が可能である。
【0095】
本実施の形態によれば、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433により計測される遅延時間Δta、Δtbに基づき、チャンババルブ37,47,57,67の動作状態を検出することができる。遅延時間Δta、Δtbを利用することによって、チャンババルブ37,47,57,67の開閉回数として現れない異常の兆候(部品の劣化など)を把握できるため、チャンババルブ37,47,57,67の不具合の発生を未然に回避することが可能になる。
【0096】
本実施の形態の成膜装置における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0097】
<変形例>
次に、第2の実施の形態の変形例について、
図9及び
図10を参照して説明する。本変形例では、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433により計測される立上がり遅延時間Δta、立下がり遅延時間Δtbのいずれかの値が所定のしきい値を超えた場合に、1つ以上のチャンババルブを強制的に閉じるように制御する。
図9は、チャンババルブの開閉の制御系統とCVセンサの制御系統を抜粋して示したものである。
図10は、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433によるカウントの原理を示すタイミングチャートである。
図10には、チャンババルブの開閉のタイミングと、CVセンサで検出された開閉の検出信号との関係も示している。ここでは代表的に、チャンババルブ37及びCVセンサ39を例に挙げて説明する。
【0098】
図9において、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433は、例えば、いずれも8ビットのカウンタであり、1ms単位で上記と同様に遅延時間Δta、Δtbを計測する。8ビットのカウンタでは、1ms×2
8=256msまでの遅延時間Δta、Δtbの計測が可能である。
【0099】
本変形例では、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433によって計測された遅延時間Δta、Δtbの値を、予め設定された遅延時間のしきい値と比較する。そして、チャンババルブ37の遅延時間Δta、Δtbのいずれかの値がしきい値を超えた場合は、例えば、プロセス処理に影響を及ぼすバルブとしてチャンババルブ47,57を強制的に閉じる(強制CLOSE)。
図10では、Δtb2の値がしきい値を超えた場合を示している。なお、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433によって計測された遅延時間Δta、Δtbの値の最大値及び/又は最小値を、予め設定された遅延時間のしきい値と比較してもよい。しきい値は、MC401のソフトウェア(レシピ)からのアナログ・アウトプット情報AOにより取得できる。しきい値の設定が0(なし)の場合は、強制CLOSEは実行されない。
【0100】
強制CLOSEの指令は、
図9に示すように、立上がり遅延時間カウンタ431又は立下がり遅延時間カウンタ433において、強制CLOSEを指令するCVソレノイドDO信号を生成し、ソレノイド47a,57aへ同時に送信することにより行われる。これにより、チャンババルブ47,57が閉じられる。また、チャンババルブ47,57を強制CLOSEした場合は、MC401へデジタル・インプット情報DIとして通知する。チャンババルブ47,57の強制CLOSE及びMC401へのDI通知は、MC401のソフトウェア(レシピ)からのデジタル・アウトプット情報DOにより、リセットが行われるまで保持される。
【0101】
本変形例では、I/Oボード415に、チャンババルブ37,47,57,67のうち、1つ以上を強制CLOSEさせる機能を持たせることによって、チャンババルブ37,47,57,67のいずれか1つでも不具合が生じた場合に、そのままALDプロセスを続行させることなく即時停止させる。これにより、歩留まりの低下を最小限に抑えることができる。
【0102】
以上、チャンババルブ37を例示して説明したが、立上がり遅延時間カウンタ431及び/又は立下がり遅延時間カウンタ433を利用することにより、チャンババルブ47,57,67の開閉動作に基づいても、上記同様に強制CLOSEの制御が可能である。
【0103】
[第3の実施の形態]
次に、
図11〜
図13を参照して、本発明の第3の実施の形態の成膜装置について説明する。本実施の形態の成膜装置は、2つ以上のチャンババルブが同時開放されている状態を検出してカウントするカウンタ部を備えている。具体的には、
図11に示したように、MC401よりも下位に属する制御ユニットであるI/Oボード415に、CVセンサ39,49,59,69からの各CVセンサDI信号に基づき、チャンババルブ37,47,57,67のうち2つ以上が同時開放されている状態を検出し、カウントする第4のカウンタ部としての同時開放カウンタ441を設けている。本実施の形態の成膜装置において、上記カウンタ部以外の構成は、第1の実施の形態の成膜装置100と同様であるため、以下の説明では相違点を中心に説明する。
【0104】
ALDプロセスでは、上記一連の工程を1サイクルとして、複数のサイクルを繰り返し行うために、各チャンババルブ37,47,57,67を交互に開閉する必要がある。しかし、例えばチャンババルブ47とチャンババルブ57が同時に開放されると、処理容器1内に、TiCl
4ガスとNH
3ガスが同時に供給されることになり、ALDプロセスではなく、通常のCVDプロセスになってしまう。このような不具合が高頻度で発生する事態を回避するため、本実施の形態の成膜装置では、
図11に示すように、I/Oボード415に、同時開放カウンタ441を設けている。同時開放カウンタ441は、CVセンサ39,49,59,69からのチャンババルブ37,47,57,67の開閉の検出信号を取得し、チャンババルブ37,47,57,67のうち、プロセス上、同時に開くことが好ましくない2以上のバルブが同時に開放されていることを検出し、カウントする。
【0105】
図12は、同時開放カウンタ441を含むCVセンサの制御系統を抜粋して示したものである。各チャンババルブ37,47,57,67の開閉の検出信号は、それぞれ対応するCVセンサ39,49,59,69から、CVセンサDI信号として、MC401へ送信される。例えば、あるチャンババルブ(例えば、チャンババルブ37)の開閉の検出信号は、フォトカプラ80Cを介して、CVセンサDI信号として、MC401へ送信される。同様に、他のCVセンサ49,59,69についても、チャンババルブ47,57,67の開閉の検出信号は、それぞれCVセンサDI信号(
図12では、「他のCVセンサDI」として総括して図示している)として、フォトカプラ80Cを介して、MC401へ送信される。そこで、各CVセンサ39,49,59,69からのCVセンサDI信号の一部をI/Oボード415の同時開放カウンタ441で受け取り、比較参照することにより、2以上のチャンババルブ37,47,57,67の同時開放を検出することができる。同時開放カウンタ441は、2以上のチャンババルブ37,47,57,67が同時開放された場合に、その回数をカウントする。なお、同時開放カウンタ441では、チャンババルブ37,47,57,67のすべての組み合わせについて同時開放をモニタする必要はなく、例えばチャンババルブ47とチャンババルブ57のように、任意の2つ以上を選択して同時開放をモニタしてもよい。
【0106】
同時開放カウンタ441は、例えば、4ビットのカウンタであり、0〜15の値をカウントできるように構成されている。
図12に示すように、同時開放カウンタ441による同時開放のモニタは、MC401からの開始(START)/停止(STOP)指令により開始/停止し、リセット(RESET)指令によりクリアされる。同時開放カウンタ441によるチャンババルブ37,47,57,67の同時開放のモニタ結果は、16ビットのAI信号として上位の制御部であるMC401へ送信される。なお、同時開放カウンタ441では、チャンババルブ37,47,57,67毎にカウント値のAI信号を用意しても良いし、複数のチャンババルブ37,47,57,67のカウント値をあるビット毎に区切ることによって、1つのAI信号によってMC401へ伝達するようにしてもよい。MC401側では、同時開放カウンタ441によるカウント値をいつでも参照することができる。
【0107】
本実施の形態の成膜装置では、例えば1枚のウエハWの処理の開始/終了に合わせて同時開放カウンタ441によるカウントをSTART/STOPさせることができるし、予め設定した複数毎のウエハWの処理の間カウントを継続することも可能である。あるいは、1枚のウエハWの処理の中のALDサイクル単位、もしくはALDのステップ単位で同時開放カウンタ441によるカウントをSTART/STOPさせることも可能であり、この場合1枚のウエハWに対する処理の実行中に異常を検出することができる。
【0108】
(判定)
同時開放カウンタ441によるチャンババルブ37,47,57,67の同時開放のモニタ結果に基づく判定は、MC401のソフトウェア(レシピ)により行うことができる。この場合、例えば、読み取ったカウント値が0(ゼロ)でない場合に「異常」と判断することができる。チャンババルブ37,47,57,67のいずれか2つ以上に同時開放の異常が検出された場合は、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイにその旨を表示したり、成膜装置100におけるALDプロセスを中止する制御信号をMC401がエンドデバイス201に送出したりする、といった処理を行うことができる。なお、同時開放のモニタ結果に基づく判定は、プロセス結果に影響を及ぼさない程度の同時開放カウント値を予め実験により求めておき、その値に基づき設定されたしきい値と、同時開放カウンタ441によるカウント値とを比較することによって行ってもよい。この場合、判定に用いるしきい値は、チャンババルブ37,47,57,67によって供給が制御されるガス種の組み合わせを考慮して異なる値に設定してもよい。このように、本実施の形態では、I/Oボード415に同時開放カウンタ441を設けることによって、2以上のチャンババルブ37,47,57,67が同時に予定しない開放動作を行う異常を検出することができる。
【0109】
ここで、本実施の形態におけるチャンババルブ37,47,57,67の動作状態の判定方法の手順の一例を
図13に示した。
図13において、まず、ステップS21では、MC401が同時開放カウンタ441によりカウントされた同時開放カウント値を取得する。次に、ステップS22では、MC401が、ステップS21で取得された同時開放カウント値が0(ゼロ)でないか否かを判定する。ここで、チャンババルブ37,47,57,67のうち2つ以上の同時開放が1度でも生じた場合は、0(ゼロ)でない(Yes)と判定される。このステップS22における判定は、判定手段として機能するMC401により行われる。
【0110】
ステップS22で、同時開放カウント値が0(ゼロ)でない(Yes)と判定された場合は、次にステップS23で、MC401が制御信号を送出し、例えばALDプロセスを中止させる。なお、ステップS23では、直ちにALDプロセスを停止せずに、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイに警告表示を行うなどの他の処理を実施してもよい。
【0111】
一方、ステップS22で同時開放カウント値が0(ゼロ)である(No)と判定された場合は、再びステップS21に戻る。そして、例えば1枚のウエハWに対する成膜処理が終了するか、あるいはステップS22で、同時開放カウント値が0(ゼロ)でない(Yes)と判定されるまで
図13の手順を繰り返すことができる。
【0112】
本実施の形態の成膜装置における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0113】
[第4の実施の形態]
次に、
図14〜
図17を参照して、本発明の第4の実施の形態の成膜装置について説明する。本実施の形態では、
図14に示したように、MC401よりも下位に属する制御ユニットであるI/Oボード415に2種類のタイマ部を設けている。一つ目のタイマ部は、各ソレノイド37a,47a,57a,67aの駆動DO信号からのフィードバックDI信号の時間的長さを計測する第1のタイマ部としてのDOタイマ451である。二つ目のタイマ部は、各CVセンサ39,49,59,69からのDI信号の時間的長さを計測する第2のタイマ部としてのDIタイマ453である。本実施の形態の成膜装置において、上記2つのタイマ部以外の構成は、第1の実施の形態の成膜装置100と同様であるため、以下の説明では相違点を中心に説明する。
【0114】
図15Aは、本実施の形態におけるチャンババルブの開閉の制御系統とCVセンサの制御系統を抜粋して示したものである。
図15Bは、DOタイマ451及びDIタイマ453による計測原理を示すタイミングチャートである。
図15Bには、チャンババルブの開閉のタイミングと、CVセンサで検出された開閉の検出信号との関係も示している。ここでは代表的に、チャンババルブ37及びCVセンサ39を例に挙げて説明する。
【0115】
成膜装置でALDプロセスが行われている間、チャンババルブ37を駆動させるために、MC401からのデジタル・アウトプット情報であるCVソレノイドDO信号は、フォトカプラ80Aを介してチャンババルブ37のソレノイド37aに伝達される。同時に、この駆動信号は、フォトカプラ80Bを介して、MC401へデジタル・インプット情報DIとしてフィードバックされる。このフィードバックDI信号の一部をI/Oボード415上のDOタイマ451で受け取り、その長さ(時間)を計測する。
【0116】
一方、成膜装置100でALDプロセスが行われている間、CVセンサ39は、バルブ開閉の検出信号であるCVセンサDI信号を、フォトカプラ80Cを介して、MC401へデジタル・インプット情報DIとして送信する。このCVセンサDI信号の一部をI/Oボード415上のDIタイマ453で受け取り、その長さ(時間)を計測する。
【0117】
図15Bのタイミングチャートでは、チャンババルブ37の駆動を制御するソフトウェアによるDO駆動タイミングをΔtで示している。このソフトウェアによるDO駆動タイミングΔtは、ソフトウェア上で設定されたチャンババルブ37の開放時間に相当する。また、
図15Bでは、CVソレノイドDO信号(フィードバックDI信号と同じ波形である)の矩形部分の立上がりは、チャンババルブ37を開放する指令信号を意味し、立下がりは、チャンババルブ37を閉じる指令信号を意味している。従って、CVソレノイドDO信号の矩形部分の立上がりから立下がりまでの期間が、レシピに基づくMC401の指令によってチャンババルブ37が開放されているはずの時間(指令開放時間)に相当する。
図15Bでは、このCVソレノイドDO信号の矩形部分の立上がりから立下がりまでの期間である指令開放時間を記号Δtc(Δtc1,Δtc2,Δtc3,Δtc4,・・・)で示している。
【0118】
同様に、CVセンサDI信号の矩形部分の立上がりは、チャンババルブ37が物理的に開放されたことを検出する信号を意味し、立下がりは、チャンババルブ37が物理的に閉じられたことを検出する信号を意味している。従って、CVセンサDI信号の矩形部分の立上がりから立下がりまでの期間が、チャンババルブ37が開放されている時間(検出開放時間)に相当する。
図15Bでは、このCVセンサDI信号の矩形部分の立上がりから立下がりまでの期間である検出開放時間を記号Δtd(Δtd1,Δtd2,Δtd3,Δtd4,・・・)で示している。
【0119】
なお、
図15Bでは、CVソレノイドDO信号の立下りのタイミングと、DOタイマ451で計測される指令開放時間Δtc(Δtc1,Δtc2,Δtc3,Δtc4,・・・)の始点との対応関係を破線の矢印で示している。また、
図15Bでは、CVセンサDI信号の立下りのタイミングと、DIタイマ453で計測される検出開放時間Δtd(Δtd1,Δtd2,Δtd3,Δtd4,・・・)の始点との対応関係を破線の矢印で示している。
【0120】
DOタイマ451及びDIタイマ453は、いずれも16ビットのタイマであり、
図15Bに示すように、MC401からのSTART/STOP指令により計測開始/停止される。DOタイマ451及びDIタイマ453のサンプリングクロックは、例えば0.1msとすることができる。DOタイマ451及びDIタイマ453で得られた計測時間値は、16ビットのデータとして、MC401へ送信される。また、付加的な機能として、DOタイマ451及びDIタイマ453に記憶部を設けて指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値の最大値及び/又は最小値を求めてMC401へ送信するようにしても良い。その場合、これらの値は
図15Bに示すように、MC401からのSTART/STOP指令により記憶を開始/停止し、RESET指令により0クリアされる。本実施の形態の成膜装置100において、例えば1枚のウエハWの処理の開始/終了に合わせて指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値の最大値や最小値を求めたり、予め設定した複数毎のウエハWの処理の間のこれらの値を求めることも可能である。また、本実施の形態では、チャンババルブ37の開閉間隔が一定の場合に効果的に正常/異常を判定できるため、特にALDプロセスの中で同じ時間間隔でチャンババルブ37の開閉を繰り返す工程を対象として指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdを検出することが好ましい。
【0121】
(判定方法)
DOタイマ451及び/又はDIタイマ453に基づくチャンババルブ37の動作状態の判定は、例えば、あらかじめ正常動作時の指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値を測定しておき、実動作時に観測された値をそれぞれ正常動作時の値と比較することによって行うことができる。そして、実動作時の指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値が、正常動作時の指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値から大きく異なるようであれば、例えば、チャンババルブ37の動作を制御するソフトウェアの不備やソフトウェアのタスク優先順位の不備、ソレノイド37aを含むチャンババルブ37の劣化、CVセンサ39の位置ずれ、調整ずれ等の可能性があると判定することができる。この場合、実動作時に観測された指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値を予め設定されたしきい値と比較してもよい。さらに、実動作時に観測された指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値の最大値及び/又は最小値を、予め設定された最大値又は最小値のしきい値と比較してもよい。また、DOタイマ451及び/又はDIタイマ453に基づくチャンババルブ37の動作状態の判定は、例えば、ソフトウェアのDO駆動タイミングΔtと、観測されたCVソレノイドDOの指令開放時間Δtcと、観測されたCVセンサDIの検出開放時間Δtdと、の3つの値のうち、2つ以上を用いて行うこともできる。例えば、ソフトウェアのDO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcの値が大きく異なるようであれば、(1)制御ソフトウェアの時間精度、及び/又は(2)I/Oボード415内の信号の遅れなどの問題が存在している可能性が推測される。また、指令開放時間Δtcと検出開放時間Δtdの値が大きく異なるようであれば、(3)ソレノイド37aとチャンババルブ37の機械的動きの連携の遅れ、及び/又は(4)CVセンサ39の調整のずれ、などの問題が存在している可能性が推測される。上記ソフトウェアのDO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの比較、又は、指令開放時間Δtcと検出開放時間Δtdとの比較においては、これらの差分を予め設定されたしきい値と比較してもよい。
【0122】
以上の判定は、MC401のソフトウェア(レシピ)により行うことができる。上記ソフトウェアやチャンババルブ37の不具合が検出された場合は、MC401が制御信号を送出し、例えば成膜装置100におけるALDプロセスを中止するといった処理を行うことができる。MC401による、DOタイマ451からの指令開放時間Δtcの読み取り、及びDIタイマ453からの検出開放時間Δtdの読み取りは、タイマによる計測中でも可能であり、リアルタイムで上記ソフトウェアやチャンババルブ37の動作状態のモニタが可能である。また、16ビットのDOタイマ451及びDIタイマ453では、上記指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdを、それぞれ0.1ms×2
16=6.5秒まで計測することが可能である。
【0123】
ここで、本実施の形態におけるチャンババルブ37の動作状態の判定方法の手順の一例を
図16A,16Bに示した。
図16Aにおいて、まず、ステップS31では、MC401がDIタイマ453による検出開放時間Δtdを取得する。次に、ステップS32では、MC401によって、検出開放時間Δtdが予め設定された範囲外であるか否かを判定する。このステップS32における設定範囲との比較は、判定手段として機能するMC401により行われる。また、ステップS32で用いる設定範囲は、正常動作時の検出開放時間Δtdの変動幅に基づき設定することが可能であり、例えば正常動作時の検出開放時間Δtdの最小値と最大値に基づき設定することができる。この設定範囲は、例えばMC401の不揮発性メモリ部407に保存されたものを用いることができる。
【0124】
ステップS32で、検出開放時間Δtdが設定範囲外(Yes)と判定された場合は、チャンババルブ37の開放時間が一定ではなく、長すぎるか、逆に短すぎることになり、成膜装置100で行われる成膜プロセスに悪影響を与える可能性が高い。従って、ステップS32で、検出開放時間Δtdが設定範囲外(Yes)と判定された場合は、次にステップS33で、MC401が制御信号を送出し、例えばALDプロセスを中止させることができる。なお、ステップS33では、直ちにALDプロセスを停止せずに、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイに警告表示を行うなどの他の処理を実施してもよい。
【0125】
一方、ステップS32で検出開放時間Δtdが設定範囲外ではない(No)と判定された場合は、再びステップS31に戻る。そして、例えば1枚のウエハWに対する成膜処理が終了するか、あるいはステップS32で、検出開放時間Δtdが設定範囲外(Yes)と判定されるまで
図16Aの手順を繰り返すことができる。
【0126】
図16Aに例示した手順は、DIタイマ453による検出開放時間Δtdを設定範囲(所定の最小しきい値と最大しきい値を含む範囲)と比較する場合を例に挙げているが、DOタイマ451による指令開放時間Δtcについても同様の判定が可能である。また、指令開放時間Δtcと検出開放時間Δtdとの両方に基づいて判定をおこなってもよい。例えば、指令開放時間Δtcと検出開放時間Δtdの両方を求め、両者の値を比較することによって判定を行ってもよい。
【0127】
次に、
図16Bを参照しながら、チャンババルブ37の駆動を制御するソフトウェアによるDO駆動タイミングΔtとDOタイマ451による指令開放時間Δtcを指標とする判定方法の手順の一例を説明する。まず、ステップS41では、MC401がソフトウェアにより設定されているDO駆動タイミングΔtを取得する。次に、ステップS42では、MC401がDOタイマ451による指令開放時間Δtcを取得する。次に、ステップS43では、DO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分を演算し、その絶対値が、予め設定されたしきい値を超えたか否かを判定する。このステップS43におけるしきい値との比較は、判定手段として機能するMC401により行われる。また、ステップS43で用いるしきい値は、正常動作時のDO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分に基づき設定することが可能であり、例えば正常動作時のDO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分の最大値に基づき設定することができる。このしきい値は、例えばMC401の不揮発性メモリ部407に保存されたものを用いることができる。
【0128】
ステップS43で、DO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分の絶対値がしきい値を超えた(Yes)と判定された場合は、上記の(1)制御ソフトウェアの時間精度、(2)I/Oボード415内の信号の遅れ等のソフトウェアに関する不具合が発生している可能性がある。例えば、MC401では、複数のソフトウェアによって同時にタスクを実行するマルチタスク処理が行われるため、タスク処理の優先順位の設定が不適切であると、チャンババルブ37を高速で開閉させるための制御信号であるCVソレノイドDOがレシピで定めた開閉タイミングに間に合わない等の不具合が発生している可能性が高い。このようなソフトウェア上の問題を放置すると、チャンババルブ37の現実の開閉動作に遅延が生じ、信頼性の高いALDプロセスの実現が困難になる可能性がある。従って、ステップS43で、DO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分の絶対値がしきい値を超えた(Yes)と判定された場合は、次にステップS44で、MC401が制御信号を送出し、例えばALDプロセスを中止させることができる。なお、ステップS44では、直ちにALDプロセスを停止せずに、例えば、ユーザーインターフェース501のディスプレイに警告表示を行うなどの他の処理を実施してもよい。
【0129】
一方、ステップS43でDO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分の絶対値がしきい値を超えていない(No)と判定された場合は、再びステップS41に戻る。そして、例えば1枚のウエハWに対する成膜処理が終了するか、あるいはステップS43で、DO駆動タイミングΔtと指令開放時間Δtcとの差分の絶対値がしきい値を超えた(Yes)と判定されるまで
図16Bの手順を繰り返すことができる。
【0130】
以上のように、本実施の形態の成膜装置100では、チャンババルブ37の指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdの値を監視対象とするため、チャンババルブ37が故障して開閉不能になる前に、不具合を予兆の段階で検出することができるだけでなく、制御系統の上位に位置するMC401のソフトウェアの不備等による動作指令の異常についても早期に検出が可能になる。また、高速で開閉を繰り返すチャンババルブ37の指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdを監視対象とするために、本実施の形態では、MC401とエンドデバイス201との間の入出力信号を制御する下位の制御ユニットであるI/Oボード415にDOタイマ451及びDIタイマ453を設けている。これにより、MC401との間の通信データ量を抑制し、チャンババルブ37の開放時間を正確に求めることが可能になっている。
【0131】
以上、チャンババルブ37を例示して説明したが、チャンババルブ47,57,67の開閉動作についても、DOタイマ451及び/又はDIタイマ453を利用して同様の判定が可能である。
【0132】
本実施の形態によれば、DOタイマ451及び/又はDIタイマ453により計測される指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdに基づき、チャンババルブ37,47,57,67の動作状態を検出することができる。指令開放時間Δtc及び/又は検出開放時間Δtdを利用することによって、チャンババルブ37,47,57,67の開閉回数として現れない異常の兆候(部品の劣化など)やソフトウェアの異常などを把握できるため、チャンババルブ37,47,57,67の開閉動作に関連する不具合の発生を未然に回避することが可能になる。
【0133】
本実施の形態の成膜装置における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0134】
<変形例>
次に、第4の実施の形態の変形例について、
図17を参照して説明する。本変形例では、チャンババルブ37,47,57,67の動作状態の判定や、ソフトウェアの不備による動作指令の異常の判定を、I/Oボード415において行うようにした。すなわち、本変形例では、
図17に示すように、上記判定に用いるしきい値を、MC401よりも下位の制御部であるI/Oボード415内に設定しておく。ここで、DOタイマ451には第1のしきい値を、DIタイマ453には第2のしきい値を、それぞれ設定することができる。なお、第1のしきい値と第2のしきい値は、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。そして、DOタイマ451及び/又はDIタイマ453に、I/Oボード415内に設定された上記第1のしきい値及び/又は第2のしきい値(設定範囲を含む)を入力し、DOタイマ451及び/又はDIタイマ453において上記のような手順(例えば
図16A)に基づく判定を行う。DOタイマ451及び/又はDIタイマ453での判定結果は、判定結果のDI情報として、MC401へ送出され、必要な場合は、例えばALDプロセスの中止等の必要な措置が取られる。このように、MC401に対する下位の制御部であるI/Oボード415でチャンババルブ37,47,57,67の動作状態の判定や、ソフトウェアの不備による動作指令の異常の判定を行うことによって、MC401とI/Oボード415との間の通信データ量のさらなる抑制や、MC401内の判定に伴うソフトウェアの負荷の軽減を実現することができる。
【0135】
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、半導体ウエハに限らず、例えば液晶表示装置、有機ELディスプレイ、薄膜太陽電池パネル等に用いられる大型のガラス基板等を処理する処理装置にも適用できる。