特許第6023744号(P6023744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6023744論理番号サービス制御システムおよび論理番号サービス制御システムの動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6023744
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】論理番号サービス制御システムおよび論理番号サービス制御システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20161027BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20161027BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20161027BHJP
【FI】
   H04M3/00 B
   H04M3/42 E
   H04L12/70 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-87248(P2014-87248)
(22)【出願日】2014年4月21日
(65)【公開番号】特開2015-207899(P2015-207899A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100129230
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 理恵
(72)【発明者】
【氏名】内條 正志
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−166253(JP,A)
【文献】 特開2007−228362(JP,A)
【文献】 特開2007−110637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/26
12/50−12/955
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 3/58− 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションサーバと加入者サーバを含む論理番号サービス制御システムであって、
前記アプリケーションサーバは、論理番号に物理番号が対応づけられた対応表を備え、
前記加入者サーバは、複数の電話端末を収容しており、かつ、前記電話端末の物理番号と前記電話端末に着信を行う場合に受信する論理番号とを対応づけた対応表を備え、当該対応表においては、1つ以上の論理番号のそれぞれに複数の物理番号が対応づけられ、
前記アプリケーションサーバは、
発側の電話端末での発信要求の際に前記電話端末に入力された論理番号を受信した場合は、前記アプリケーションサーバの対応表において当該論理番号に対応づけられた物理番号と共に、受信した論理番号を前記加入者サーバに送信し、
前記加入者サーバは、
前記アプリケーションサーバから受信した論理番号が前記加入者サーバの対応表の前記論理番号の1つと同じ場合は、前記加入者サーバの対応表において当該1つの論理番号に対応づけられた物理番号に対応する電話端末であり、かつ、使用されていない電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行う
ことを特徴とする論理番号サービス制御システム。
【請求項2】
前記加入者サーバの対応表において、各物理番号には優先順位が設定され、
前記加入者サーバは、
前記アプリケーションサーバから受信した論理番号が前記加入者サーバの対応表の前記論理番号の1つと同じ場合は、前記加入者サーバの対応表において当該1つの論理番号に対応づけられた物理番号に対応する電話端末であり、かつ、使用されていない電話端末から最も高い優先順位の電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行う
ことを特徴とする請求項1記載の論理番号サービス制御システム。
【請求項3】
請求項1記載の論理番号サービス制御システムの動作方法であって、
前記アプリケーションサーバが、
発側の電話端末での発信要求の際に前記電話端末に入力された論理番号を受信した場合は、前記アプリケーションサーバの対応表において当該論理番号に対応づけられた物理番号と共に、受信した論理番号を前記加入者サーバに送信するステップと、
前記加入者サーバが、
前記アプリケーションサーバから受信した論理番号が前記加入者サーバの対応表の前記論理番号の1つと同じ場合は、前記加入者サーバの対応表において当該1つの論理番号に対応づけられた物理番号に対応する電話端末であり、かつ、使用されていない電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行うステップと
を含むことを特徴とする論理番号サービス制御システムの動作方法。
【請求項4】
請求項2記載の論理番号サービス制御システムの動作方法であって、
前記アプリケーションサーバが、
発側の電話端末での発信要求の際に前記電話端末に入力された論理番号を受信した場合は、前記アプリケーションサーバの対応表において当該論理番号に対応づけられた物理番号と共に、受信した論理番号を前記加入者サーバに送信するステップと、
前記加入者サーバが、
前記アプリケーションサーバから受信した論理番号が前記加入者サーバの対応表の前記論理番号の1つと同じ場合、前記加入者サーバの対応表において当該1つの論理番号に対応づけられた物理番号に対応する電話端末であり、かつ、使用されていない電話端末から最も高い優先順位の電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行うステップと
を含むことを特徴とする論理番号サービス制御システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、論理番号を用いたサービスのカスタマイズ性と制御性の向上を図れる論理番号サービス制御システムおよび論理番号サービス制御システムの動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
VoIP(Voice over Internet Protocol)網において、フリーダイヤル/ナビダイヤル等のサービス提供に際し、VoIP網側のサービス制御機能にて論理番号(ダイヤル番号)毎に着信先の番号へ変換し、かつ、接続している。また、論理番号毎に付加サービス制御を実施し、振分け、空塞管理等実施している。
【0003】
一方、複数の論理番号サービスを契約している加入者にとっては、複数の論理番号を一体とした接続制御を行えないと共に、サービス制御のカスタマイズの範囲はVoIP網側の提供機能に限定される。また、VoIP網側の空塞管理は論理番号に着信された呼のみを対象とするが、直接着信端末にかかってきた呼に対しては管理不可となり、最適な振分け制御等を実施できない場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「フリーダイヤル」、[online]、NTTコミュニケーションズ、[平成26年4月3日検索]、インターネット<URL:http://www.ntt.com/freedial/index.html>
【非特許文献2】「アスタリスク」、[online]、NTTソフトウェア、[平成26年4月3日検索]、インターネット<URL:http://www.ntts.co.jp/products/asterisk/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、論理番号を用いたサービスのカスタマイズ性と制御性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、アプリケーションサーバと加入者サーバを含む論理番号サービス制御システムであって、前記アプリケーションサーバは、論理番号に物理番号が対応づけられた対応表を備え、前記加入者サーバは、複数の電話端末を収容しており、かつ、前記電話端末の物理番号と前記電話端末に着信を行う場合に受信する論理番号とを対応づけた対応表を備え、当該対応表においては、1つ以上の論理番号のそれぞれに複数の物理番号が対応づけられ、前記アプリケーションサーバは、発側の電話端末での発信要求の際に前記電話端末に入力された論理番号を受信した場合は、前記アプリケーションサーバの対応表において当該論理番号に対応づけられた物理番号と共に、受信した論理番号を前記加入者サーバに送信し、前記加入者サーバは、前記アプリケーションサーバから受信した論理番号が前記加入者サーバの対応表の前記論理番号の1つと同じ場合は、前記加入者サーバの対応表において当該1つの論理番号に対応づけられた物理番号に対応する電話端末であり、かつ、使用されていない電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行うことを特徴とする。
【0007】
第2の本発明は、第1の本発明の論理番号サービス制御システムの動作方法であって、前記アプリケーションサーバが、発側の電話端末での発信要求の際に前記電話端末に入力された論理番号を受信した場合は、前記アプリケーションサーバの対応表において当該論理番号に対応づけられた物理番号と共に、受信した論理番号を前記加入者サーバに送信するステップと、前記加入者サーバが、前記アプリケーションサーバから受信した論理番号が前記加入者サーバの対応表の前記論理番号の1つと同じ場合は、前記加入者サーバの対応表において当該1つの論理番号に対応づけられた物理番号に対応する電話端末であり、かつ、使用されていない電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行うステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、論理番号を用いたサービスのカスタマイズ性と制御性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る論理番号サービス制御システムを構成するアプリケーションサーバと加入者サーバを含む通信ネットワークを示す図である。
図2】アプリケーションサーバ1に保持された対応表を示す図である。
図3】加入者サーバ2に保持された対応表(複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させない場合のもの)を示す図である。
図4】加入者サーバ2に保持された空塞管理表を示す図である。
図5】加入者サーバ2に保持された対応表(複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させる場合のもの)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る論理番号サービス制御システムを構成するアプリケーションサーバと加入者サーバを含む通信ネットワークを示す図である。
アプリケーションサーバ1(SIPアプリケーションサーバ)と加入者サーバ2(SIPサーバ)は、例えば、IP電話網3に通信回線を介して接続される。
【0011】
IP電話網3には、メディアサーバ4、ゲートウェイ5が接続され、ゲートウェイ5には、相互接続点6を介して、他事業者の加入者網7が接続される。加入者網7には、他事業者の電話端末8が接続される。ゲートウェイは複数存在してもよい。
【0012】
IP電話網3には、複数のSIPサーバ31が含まれ、その1つには、複数の電話端末21(IP端末)が収容され、他のSIPサーバ31に加入者サーバ2が接続される。
【0013】
加入者サーバ2は、例えば、4台の電話端末22〜25(それぞれIP端末)を収容する。これらは、加入者サーバ2を使用する加入者(企業、団体など)で使用されるものである。電話端末22〜25にはそれぞれ、物理番号「03−A」、「03−B」、「03−C」、「03−D」が割り当てられている。なお、収容数は、4台に限らない。
【0014】
SIPサーバ31は、他のSIPサーバやゲートウェイ5からの呼設定要求を受けて、接続先のシステム(メディアサーバ4を含む)または電話端末に呼設定を行うものである。なお、SIPサーバに収容されるIP通信機器(図示せず)に接続してもよいし、適切なゲートウェイを選択して、他社加入者網7等に接続してもよい。
【0015】
アプリケーションサーバ1は、SIPサーバ31やメディアサーバ4と接続し、ダイヤルされた論理番号への呼設定要求に対し、着信先の物理番号に変換し、SIPサーバ31に呼設定要求を通知したり、メディアサーバ4に接続し、音声応答等を実施するものである。
【0016】
メディアサーバ4は、SIPサーバ31やアプリケーションサーバ1との接続に応じて、電話端末21や電話端末22〜25にガイダンスを送出し、音声録音すると共に、入力されたPB信号に応じて音声録音を再生するものである。
【0017】
ゲートウェイ5は、異なる網同士を接続するためのものである。ゲートウェイ5から複数の相互接続点6に接続されていてもよいし、相互接続点を介さずに、複数の加入者網等に接続してもよい。
【0018】
加入者サーバ2は、SIPサーバ31との呼設定要求の送受信等を実施すると共に、ダイヤルされた論理番号に応じてサービス制御を実施し、着信させる電話端末を選択するものである。また、メディアサーバ4のように、音声等のメディアの送受信を実施可能としてもよい。
【0019】
なお、加入者サーバ2は呼に論理番号が設定されていれば上述の通り動作し、論理番号が設定されていない場合、つまり、ダイヤルされた番号が物理番号の場合は当該物理番号に対応する電話端末に着信させる。
【0020】
相互接続点6は、ゲートウェイ5と他事業者の加入者網等とを接続するためのものであり、ゲートウェイ5に対して相互接続点6が複数存在してもよいし、相互接続点6に対して他事業者の加入者網等が複数存在してもよい。
【0021】
図2は、アプリケーションサーバ1に保持された対応表を示す図である。
対応表の第1のレコードには、電話端末22、23を含むグループに割り当てられた論理番号「0120−N」(Nは実際の番号に代えて用いる省略記号である。以降、M、A、B、C、Dも同様である)と、当該グループの代表電話番号である電話端末22の物理番号「03−A」と、回線数(電話端末22、23分の)「2」とが対応づけて記憶される。
【0022】
対応表の第2のレコードには、電話端末24、25を含むグループに割り当てられた論理番号「0120−M」と、当該グループの代表電話番号である電話端末24の物理番号「03−C」と、回線数(電話端末24、25分の)「2」とが対応づけて記憶される。
【0023】
図3は、加入者サーバ2に保持された対応表を示す図である。なお、図は、複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させない場合のものである。
対応表は、電話端末の物理番号と電話端末に着信を行う場合に受信する論理番号とを対応づけたものである。
【0024】
対応表においては、論理番号「0120−N」に対し、物理番号「03−A」ならびに電話端末23の物理番号「03−B」が対応づけられている。物理番号「03−A」、「03−B」にはそれぞれ、優先順位「1」、「2」が対応づけられている。 また、対応表においては、論理番号「0120−M」に対し、物理番号「03−C」ならびに電話端末25の物理番号「03−D」が対応づけられている。物理番号「03−C」、「03−D」にはそれぞれ、優先順位「1」、「2」が対応づけられている。
【0025】
図4は、加入者サーバ2に保持された空塞管理表を示す図である。
空塞管理表においては、物理番号「03−A」に対し電話端末22の使用状況、物理番号「03−B」に対し電話端末23の使用状況、物理番号「03−C」に対し、電話端末24の使用状況、物理番号「03−D」に対し電話端末25の使用状況がそれぞれ対応づけて記憶される。
【0026】
以下、複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させない場合において、図1の電話端末21から発信し、電話端末22〜25のいずれかに着信する場合の動作を説明する。なお、発信元は、他の電話端末でもよい。また、以下で説明する加入者サーバ2での動作は、非特許文献2に記載の技術を用いて、容易に設定し変更することができる。
【0027】
(物理番号による発着信)
S1:電話端末21のユーザは、発信要求に際し、電話端末21で物理番号「03−B」をダイヤルする。
S3:加入者サーバ2は、この物理番号を、SIPサーバ31を介して受信し、物理番号「03−B」に対応する電話端末23に着信を行う。
なお、他の物理番号がダイヤルされた場合でも着信のしくみは同じである。
【0028】
(論理番号による発着信)
S11:電話端末21のユーザは、発信要求に際し、電話端末21で論理番号「0120−N」をダイヤルする。
S13:アプリケーションサーバ1は、SIPサーバ31を介して、論理番号「0120−N」を受信する。
S15:アプリケーションサーバ1は、受信した論理番号「0120−N」ならびに対応表において対応づけられた物理番号「03−A」を、SIPサーバ31を介して、加入者サーバ2に送信する。
【0029】
S17:加入者サーバ2は、論理番号と物理番号を受信し、対応表において同じ論理番号に対応づけられた最も優先順位が高い物理番号を読み出し、空塞管理表における物理番号に対応する使用状況が未使用であれば、物理番号に対応する電話端末に着信を行う。
【0030】
加入者サーバ2は、使用状況が使用中であれば、次に優先順位が高い物理番号を読み出し、空塞管理表における物理番号に対応する使用状況が未使用であれば、物理番号に対応する電話端末に着信を行う。よって、電話端末22が未使用なら電話端末22に着信され、電話端末22が使用中で電話端末23が未使用なら電話端末23に着信される。
なお、他の論理番号がダイヤルされた場合でも着信のしくみは同じである。
【0031】
つまり、加入者サーバ2は、受信した論理番号が対応表の論理番号の1つと同じであれば、その論理番号に対応する物理番号の電話端末から最も高い優先順位の電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行う。
【0032】
例えば、電話端末22、23の優先順位を逆にすることは、アプリケーションサーバ1において行うよりも加入者サーバ2において行う方が容易であり、つまり、カスタマイズ性を向上できる。また、空塞管理表は、いわゆる原本なので、信頼性が高く、制御性を向上できる。
【0033】
図5は、加入者サーバ2に保持された対応表を示す図である。なお、図は、複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させる場合のものである。
【0034】
対応表においては、論理番号「0120−N」に対し、物理番号「03−A」、「03−B」、「03−C」、「03−D」が対応づけられている。物理番号「03−A」、「03−B」、「03−C」、「03−D」にはそれぞれ、優先順位「1」、「2」、「3」、「4」が対応づけられている。
【0035】
また、対応表においては、論理番号「0120−M」に対し、物理番号「03−A」、「03−B」、「03−C」、「03−D」が対応づけられている。物理番号「03−A」、「03−B」、「03−C」、「03−D」にはそれぞれ、優先順位「1」、「2」、「3」、「4」が対応づけられている。
【0036】
つまり、対応表においては、複数の論理番号のそれぞれに複数の物理番号が対応づけられ、かつ、各物理番号には優先順位が設定される。
【0037】
以下、複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させる場合において、図1の電話端末21から発信し、電話端末22〜25のいずれかに着信する場合の動作を説明する。なお、発信元は、他の電話端末でもよい。
【0038】
まず、物理番号による発着信については、着信先の電話端末を共有させない場合と同様なので説明を省略する。
【0039】
(論理番号による発着信)
S21:電話端末21のユーザは、発信要求に際し、電話端末21で論理番号「0120−N」をダイヤルする。
S23:アプリケーションサーバ1は、SIPサーバ31を介して、論理番号「0120−N」を受信する。
S25:アプリケーションサーバ1は、受信した論理番号「0120−N」ならびに対応表において対応づけられた物理番号「03−A」を、SIPサーバ31を介して、加入者サーバ2に送信する。
【0040】
S27:加入者サーバ2は、論理番号と物理番号を受信したので、受信した論理番号が対応表の論理番号の1つと同じであれば、その論理番号に対応する物理番号の電話端末から最も高い優先順位の電話端末を選択し、当該電話端末に着信を行う。
【0041】
加入者サーバ2は、具体的には、対応表から優先順位「1」の物理番号「03−A」を読み出し、空塞管理表により、対応する電話端末22が未使用か使用中かを確認する。
【0042】
物理番号による発着信はアプリケーションサーバ1を介在せずに実施されるので、アプリケーションサーバ1は電話端末22が未使用か使用中かを判断できないが、加入者サーバ2では判断することができる。
【0043】
加入者サーバ2は、電話端末22が使用中(例えば、電話端末8と通話中)なら、対応表から優先順位「2」の物理番号「03−B」を読み出し、空塞管理表において、対応する電話端末23が未使用であれば、電話端末23に着信を行う。
加入者サーバ2は、電話端末23が使用中なら、対応表から優先順位「3」の物理番号「03−C」を読み出し、空塞管理表において、対応する電話端末24が未使用であれば、電話端末24に着信を行う。
【0044】
従来であれば、論理番号「0120−N」、「0120−M」は、異なるサービス制御を行うためのものなので、論理番号「0120−N」のダイヤルに対し、電話端末24が未使用か使用中かを判断できないが、本実施の形態によれば、加入者サーバ2で判断することができる。
【0045】
つまり、アプリケーションサーバ1において、「0120−N」に対してどのような着信をしたかは、「0120−M」のサービス制御を行う場合には不明である。
例えば、「0120−N」と「0120−M」が異なる事業者によるフリーダイヤルサービスの場合が、顕著な例である。
【0046】
これに対し、本実施の形態では、上記の電話端末24についての未使用か否かの判断のように、端末の空塞管理を実施できる加入者サーバで一部サービス制御を行えることにメリットがある。
なお、他の論理番号がダイヤルされた場合でも着信のしくみは同じである。
【0047】
また、論理番号「0120−N」に対応する優先順位と論理番号「0120−M」に対応する優先順位を相違させてもよい。例えば、論理番号「0120−N」に対応する優先順位はそのままとし、一方、論理番号「0120−M」に対応する物理番号「03−A」「03−B」、「03−C」、「03−D」の優先順位をそれぞれ、「3」、「4」、「1」、「2」としてもよい。これにより、論理番号「0120−N」がダイヤルされた場合は、電話端末22、23の方が着信しやすく、論理番号「0120−M」がダイヤルされた場合は、電話端末24、25の方が着信しやすくできる。
【0048】
このように、複数の論理番号に対し、着信先の電話端末を共有させるように設定を変更することや、優先順位を変更することは、アプリケーションサーバ1において行うよりも加入者サーバ2において行う方が容易であり、つまり、カスタマイズ性を向上できる。また、空塞管理表は、いわゆる原本なので、信頼性が高く、制御性を向上できる。
【符号の説明】
【0049】
1 アプリケーションサーバ
2 加入者サーバ
3 IP電話網
4 メディアサーバ
5 ゲートウェイ
6 相互接続点
7 他事業者の加入者網
8 他事業者の電話端末
3 IP電話網
31 SIPサーバ
図1
図2
図3
図4
図5