(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分離フィルム接合体を生成する段階は、前記分離フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg−20)℃〜(Tg+20)℃で行われる、請求項1から6の何れか1項に記載の電極組立体の製造方法。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器への技術開発と需要の増加に伴い、二次電池の需要も急増しており、その中でも、エネルギー密度と作動電圧が高くて保存と寿命特性に優れたリチウム二次電池が各種モバイル機器と多様な電子製品のエネルギー源として広く用いられている。
【0003】
通常、リチウム二次電池は、電池ケースの内部に電極組立体と電解質を密封する構造に形成され、外形によって大きく円筒型電池、角型電池、ポーチ型電池等に分けられ、電解液の形態によってリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池等にも分けられる。最近、モバイル機器の小型化に伴い、厚さが薄い角型電池、ポーチ型電池への需要が増加しており、特に、形態の変形が容易で重量が小さいポーチ型電池への関心が高まっている。
【0004】
一方、電池ケースに収納される電極組立体は、その形態によって、ゼリーロール型(巻取型)、スタック型(積層型)又はスタックアンドフォールディング型(複合型)に分けられる。この中で、ゼリーロール型電極組立体は、電流集電体として用いられる金属ホイルに電極活物質をコーティングし、プレスした後、所望の幅と長さを有するバンド型に裁断し、分離膜フィルムを用いて負極シートと正極シートを隔膜した後、螺旋型に巻いて製造される。このようなゼリーロール型電極組立体は、螺旋型の中央部分の小さい回転半径による電極の屈曲面で過度な応力が発生するため、電極剥離現象が起こりやすいという問題を有する。このような電極剥離現象は、電極の充放電時に電極からのリチウム金属結晶の析出を容易にするため、電池寿命を減少させて電池の安定性を脅かす要因となっている。
【0005】
一方、スタック型電極組立体とは、負極、分離膜、正極を垂直に積層する方式で製造される電極組立体のことであり、スタックアンドフォールディング型電極組立体とは、単一電極又は負極/分離膜/正極からなる電極積層体を長さの長いシート型分離フィルムで巻いたり折ったりして製造される電極組立体のことである。
【0006】
最近、多様なデザインのモバイル機器への需要の増加に伴い、電池セルの形状の多様化も求められており、従来の四角型から脱した多様な形態の電池セル、例えば、一部に曲線が入った電池セルの開発が行われている。しかしながら、このような多様な電池セルを量産するためにはいくつかの技術的な問題が解決される必要があり、その中の一つとして電極の間に介在される分離膜やユニットセルを覆うシート型分離フィルムの処理が挙げられる。通常、負極や正極は、金属のような硬い材質の電流集電体に電極活物質をコーティングして製造されるため、金型等を用いて容易に所望の形状に切断されることができるが、分離膜や分離フィルムは、その厚さが10〜30μm程度と非常に薄くてポリエステルのような軟らかい材質でできているため、金型等を用いて切断する場合には所望の形状に正確に切断されるのが困難な上に金型の摩耗が急速に発生し、生産性が非常に低下し、製造費用が高くなるという問題を有する。一方、電極と分離膜及び/又は分離フィルムの形状が一致せずに電極が存在しない部分に分離膜及び/又は分離フィルムが存在する場合は、電極組立体を電池ケースに挿入するときに分離膜及び/又は分離フィルムが収容される別途の空間が必要になるため、所望の電池デザインを具現するのが困難となる。
【0007】
よって、多様な形状の電池セルを具現するために、電極組立体の形状に合わせて分離フィルム及び/又は分離膜を処理する技術の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、分離膜及び/又は分離フィルムを電極の形状に合わせるように処理することにより多様な形状を有する電極組立体及び電池セルを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一具現例によれば、本発明は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び少なくとも一つの分離フィルムを含む電極積層体を設ける段階と、上記負極及び正極の形状に対応しない領域に位置する余分の分離フィルムを接合して分離フィルム接合体を生成する段階と、上記負極及び正極の形状に対応するように上記分離フィルム接合体を切断する段階と、を含む電極組立体の製造方法を提供する。
【0010】
この際、上記分離フィルム接合体を生成する段階は、上記分離フィルムを融着させて行われ、上記融着は、上記分離フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg−20)℃〜(Tg+20)℃で行われることができる。
【0011】
また、上記分離フィルム接合体を切断する段階は、ナイフ、金型、はさみ又はレーザーを用いて行われることができる。
【0012】
一方、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び上記負極と正極との間に介在される多数の第1の分離フィルムからなり、上記第1の分離フィルムは、上記負極及び正極と相違した形状を有することができる。
【0013】
また、本発明の他の実施例によれば、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び上記負極と正極との間に介在される少なくとも一つの第1の分離フィルムからなる多数のユニットセルと、上記ユニットセル間の界面に介在される少なくとも一つの第2の分離フィルムと、を含み、上記第1の分離フィルム及び第2の分離フィルムのうち少なくとも一つが上記負極及び正極と相違した形状を有することができる。
【0014】
本発明のさらに他の実施例によれば、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び上記負極と正極との間に介在される少なくとも一つの第1の分離フィルムからなる多数のユニットセルと、上記ユニットセルを覆う長さの長いシート型の第3の分離フィルムと、を含み、上記第1の分離フィルム及び第3の分離フィルムのうち少なくとも一つが上記負極及び正極と相違した形状を有することができる。
【0015】
本発明のさらに他の実施例によれば、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極と、少なくとも一つの正極と、上記負極及び正極を覆う長さの長いシート型の第4の分離フィルムと、を含むことができる。
【0016】
他の具現例によれば、本発明は、上記のような方法により製造された電極組立体を電池ケースで包装する段階を含む電池セルの製造方法を提供する。本発明の電池セルの製造方法は、必要に応じて、上記電池ケースを電極組立体の形状に対応する形状に加工する段階をさらに含むことができる。
【0017】
さらに他の具現例によれば、本発明は、上記本発明の製造方法により製造され、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び少なくとも一つの分離フィルムを含む電極組立体であって、上記少なくとも一つの分離フィルムは上記負極及び正極の形状に対応する形状に切断された切断部を含み、上記切断部は上記正極と負極との間に介在される領域に位置する分離フィルムに比べて小さい気孔率(porosity)を有する電極組立体を提供する。
【0018】
この際、上記切断部は、上記正極と負極との間に介在される領域に位置する分離フィルムの気孔率に対して20%〜50%程度減少した気孔率を有することができる。
【0019】
一方、本発明において、上記負極及び正極は、少なくとも一つ以上のコーナー部又は少なくとも一つ以上の面が曲線形であれば良く、好ましくは、上記負極及び正極は、少なくとも一つ以上のコーナー部が曲線形であれば良い。
【0020】
さらに他の具現例によれば、本発明は、上述した本発明の電極組立体が電池ケースに内蔵される電池セルを提供する。この際、上記電池ケースは、電極組立体の形状に対応する形状からなり、上記電池セルは、リチウムイオン二次電池又はリチウムイオンポリマー二次電池であれば良い。
【0021】
さらに他の具現例によれば、本発明は、上記本発明の電池セルを一つ以上含むデバイスを提供する。この際、上記デバイスは、携帯電話、携帯用のコンピューター、スマートホン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車又は電力貯蔵装置であれば良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電極組立体の製造方法によれば、電極の形状に対応しない領域に存在する余分の分離フィルムを接合して比較的硬い分離フィルム接合体を生成する段階を経ることにより、分離フィルムが所望の形状に切断されることができる。
【0023】
また、本発明の方法によれば、電極組立体に挿入される多数の分離フィルムを一回の工程ですべて切断することができるため、工程が非常に単純化される効果が得られる上、多様な形状を有する電池セルを具現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。但し、以下の図面は、本発明の理解を円滑にするためのものであり、本発明の一実施例に過ぎず、本発明の範囲を図面に記載された範囲に限定するものではない。なお、以下の図面において、同じ符号は同じ構成要素を示し、発明の円滑な理解のために一部の構成要素は誇張、縮小又は省略されて表現されることもある。
【0026】
まず、本発明の電極組立体の製造方法について説明する。
【0027】
本発明の電極組立体の製造方法は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び少なくとも一つの分離フィルムを含む電極積層体を設ける段階と、上記負極及び正極の形状に対応しない領域に位置する余分の分離フィルムを接合して分離フィルム接合体を生成する段階と、上記負極及び正極の形状に対応するように上記分離フィルム接合体を切断する段階と、を含む。
【0028】
上記電極積層体を設ける段階は、単一電極やユニットセルを分離フィルムを介在して積層する方法で行われることができる。
【0029】
本発明において、上記「電極積層体」は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの分離フィルム及び少なくとも一つの正極を含む構造体であれば良く、特に限定されない。即ち、本発明において、上記電極積層体は、単一電極である負極と正極が分離フィルムを介在した状態で交互に積層されている形態又は多数のユニットセルが分離フィルムを介在した状態で積層されている形態の電極積層体(即ち、スタック型電極積層体)であっても良く、単一電極やユニットセルが長さの長いシート型分離フィルムによって覆われている構造(即ち、スタックアンドフォールディング型電極積層体)であっても良い。
【0030】
この際、上記ユニットセルは、正極、負極及び上記正極と負極との間に介在される分離膜を含む一つの単位電池構造を意味するものであり、少なくとも一つ以上の正極、少なくとも一つ以上の負極及び少なくとも一つ以上の分離膜を含めば良く、一つのユニットセルを構成する正極、負極、分離膜の個数や配列等は特に限定されない。例えば、上記ユニットセルは、正極/分離フィルム/負極/分離フィルム/正極又は負極/分離フィルム/正極/分離フィルム/負極等のようにユニットセルの最外殼の両面に配置される電極が同じ極性を有するものであっても良く、正極/分離フィルム/負極又は正極/分離フィルム/負極/分離フィルム/正極/分離フィルム/負極のようにユニットセルの最外殼の両面に配置される電極が反対の極性を有するものであっても良い。
【0031】
一方、本発明において、上記スタック型電極積層体は、正極、分離膜、負極を一つずつ順次積層する既存の方式で製造された電極積層体のみならず、負極/分離膜/正極/分離膜又は正極/分離膜/負極/分離膜のような順次的な積層構造を有する基本単位体を製造した後にこの基本単位体を分離膜を介在して積層する方式(通常、「ラミネーションアンドスタック方式」という。)で製造された電極積層体も含む。この際、上記基本単位体は、正極と負極を二つ以上含み、基本単位体の最外殼面のうち一面は分離膜で構成され、他面は電極で構成されることができる。
【0032】
一方、上記ラミネーションアンドスタック方式で製造された電極積層体の場合、上述した基本単位体のみからなるわけではなく、上述した基本単位体に他の構造の電極構造体及び/又は分離膜を混合して用いることもできる。例えば、ラミネーションアンドスタック方式で製造された電極積層体は、最上層部又は最下層部に分離膜/正極/分離膜又は分離膜/負極/分離膜からなる電極構造体又は分離膜を用い、残りの部分には上述した基本単位体を含む形で構成されることができる。上記ラミネーションアンドスタック方式で製造された電極積層体の場合、電極積層体全体に含まれる正極と負極の個数の和と分離膜の個数が同じように構成されることもでき、電極積層体の最外殼に分離膜等を追加して分離膜の個数が正極と負極の個数の和より一つ多いように構成されることもできる。
【0033】
一方、本発明において、上記「スタックアンドフォールディング」という用語は、長さの長いシート型分離フィルム上に単一電極及び/又は少なくとも一つ以上の正極、分離膜、負極が積層された電極積層体を配置した後にフォールディングする方式を通称するものであり、フォールディング方式は、特に制限されず、当該技術分野によく知られている多様なフォールディング方式、例えば、シート型分離フィルムをジグザグ型に折り畳む方式(Z‐フォールディング型又は屏風型という。)、シート型分離フィルムの一面に少なくとも一つ以上の負極と正極を分離膜を介在して積層させた電極積層体を配置した後に巻く方式、又はシート型分離フィルムの両面に単一電極を交互に配置した後にシート型分離フィルムを巻く方式等のような多様なフォールディング方式をすべて包括する概念で用いられる。
【0034】
また、本発明において、上記「分離フィルム」という用語は、所定のサイズに裁断された枚葉型分離フィルムと長さの長いシート型分離フィルムをすべて包括する概念で用いられる。
【0035】
一方、本発明の第1の実施例によれば、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び上記負極と正極との間に介在される少なくとも一つの第1の分離フィルムからなることができる。一方、本発明の第1の実施例において、上記第1の分離フィルムは、枚葉型分離フィルムであれば良いが、特に限定されるものではない。
【0036】
また、本発明の第2の実施例によれば、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び上記負極と正極との間に介在される少なくとも一つの第1の分離フィルムからなる多数のユニットセルと、上記ユニットセル間の界面に介在される少なくとも一つの第2の分離フィルムと、を含む構造からなることができる。
【0037】
本発明の第3の実施例によれば、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び上記負極と正極との間に介在される少なくとも一つの第1の分離フィルムからなる多数のユニットセルと、上記ユニットセルを覆う長さの長いシート型の第3の分離フィルムと、を含む構造からなることができる。一方、本発明の第3の実施例において、上記第1の分離フィルムは枚葉型分離フィルムであれば良い。
【0038】
また、本発明の第4の実施例によれば、上記電極積層体は少なくとも一つの負極と、少なくとも一つの正極と、上記負極及び正極を覆う長さの長いシート型の第4の分離フィルムと、を含むことができる。
【0039】
一方、上記第3の実施例及び第4の実施例のように、長さの長いシート型分離フィルムによって単一電極やユニットセルが覆われている構造において、シート型分離フィルムによって単一電極やユニットセルが覆われる方式は特に限定されず、当該技術分野によく知られているシート型分離フィルムを用いた多様なフォールディング方式、例えば、シート型分離フィルムをジグザグ型に折り畳む方式(Z‐フォールディング型又は屏風型という。)、シート型分離フィルムの一面に少なくとも一つ以上の負極と正極を分離膜を介在して積層させた電極積層体を配置した後に巻く方式、又はシート型分離フィルムの両面に単一電極を交互に配置した後にシート型分離フィルムを巻く方式等のような多様な方式をすべて包括する。
【0040】
一方、本発明の上記電極組立体に含まれる正極、負極及び分離フィルムとしては、その材質に特別な制限はなく、当該技術分野に知られている正極、負極及び分離フィルムを制限なく用いることができる。例えば、上記負極は、銅、ニッケル、アルミニウム又はこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金によって製造された負極電流集電体に、リチウム金属、リチウム合金、カーボン、石油コークス、活性化カーボン、グラファイト、シリコン化合物、スズ化合物、チタニウム化合物又はこれらのうち少なくとも1種以上を含む合金等のような負極活物質をコーティングして形成されたものであれば良い。また、上記正極は、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅又はこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金によって製造された正極電流集電体に、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、又はこれらのうち1種以上が含まれた化合物及び混合物等のような正極活物質をコーティングして形成されたものであれば良い。この際、一つのユニットセルを構成する正極と負極において電極活物質がコーティングされる面積は、同じであっても異なっても良い。また、上記電極活物質は、電流集電体の両面にコーティングされることもでき、無地部等の形成のために電流集電体の一面にのみコーティングされることもできる。
【0041】
一方、上記分離フィルムは、例えば、微細多孔構造を有するポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの組み合わせによって製造される多層フィルムや、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル又はポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン共重合体のような固体高分子電解質用又はゲル型高分子電解質用高分子フィルムであれば良い。
【0042】
図1には、上記電極積層体を設ける段階を説明するための一具現例が示されている。
図1に示されているように、上記電極積層体は、少なくとも一つの負極120と、少なくとも一つの正極110と、少なくとも一つの分離フィルム130、140と、を含む。
図1には、正極110と負極120が分離フィルム130を介在した状態で積層された三つのユニットセル200が分離フィルム140を介在した形態で積層された電極積層体が開示されているが、これは本発明の電極積層体の一実施例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の電極積層体は、
図3に示されているように、正極110と負極120が一つの長さの長いシート型分離フィルム130'で覆われている形態で積層された電極積層体又は枚葉型分離フィルムを含むユニットセルが一つの長さの長いシート型分離フィルムで覆われている形態で積層された電極積層体(図示せず)等のような多様な形態の電極積層体をすべて含むことができる。
【0043】
一方、電極積層体形成段階において、上記電極積層体に含まれる分離フィルム130、140の一部又は全部は、正極及び負極と相違した形状を有することができる。例えば、本発明の電極積層体は、単一電極及び/又はユニットセルとして、従来用いられていた一般の長方形ではなく、多様な形状、例えば、少なくとも一つのコーナー部及び/又は少なくとも一つの面が曲線形である等の形状を有する単一電極及び/又はユニットセルを用い、上記単一電極及び/又はユニットセルの間に介在される分離フィルムとして、市販されている四角型の分離フィルムを用いることができる。例えば、
図1に示されているように、負極120及び正極110は、一つのコーナー部が曲線形である形状を有し、分離フィルム130、140は、長方形の形状を有することができる。この場合、電極と分離フィルムの形状が相違するため、曲線形に形成されたコーナー部では分離フィルム130、140が電極によってカバー(cover)されずに外部に露出する領域170が発生する。このような領域を便宜上「負極及び正極の形状に対応しない領域」と称する。一方、図示されてはいないが、本発明の電極積層体に第3の実施例又は第4の実施例のように長さの長いシート型分離フィルムを用いる場合にも、電極が存在しない部分、即ち、単一電極及び/又はユニットセルの形状に対応しない領域に余分の分離フィルムが存在する。このように、負極及び正極の形状に対応しない領域に位置する余分の分離フィルム170が存在する場合、電池ケースに挿入されるときに分離フィルムが収容される余分の空間が必要とされる上にデザインの面でも好ましくない。
【0044】
一方、
図1には負極及び正極の一つのコーナー部が曲線形である電極積層体が開示されているが、本発明はこれに限定されず、所望の電極組立体の形態によって多様に変形された形状の電極を用いることができる。また、負極及び正極の形状によって、余分の分離フィルムが存在する領域の形状及び個数が変わっても良い。このような変形例はすべて本発明の範疇に属する。
【0045】
一方、
図1には電極積層体に含まれる全ての分離フィルムが電極と相違した形状を有することが示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明において、電極積層体に含まれる分離フィルムの一部は電極と同じ形状を有し、一部は相違した形状を有することもできる。例えば、多数のユニットセルが積層されている電極積層体の場合、ユニットセル内に含まれる分離フィルムは、ユニットセル製造工程で電極と同じ形状に加工され、この際、ユニットセルとユニットセルの境界面に挿入される分離フィルムやユニットセルを覆うシート型分離フィルムのみが電極と相違した形状を有することもできる。
【0046】
次に、
図2及び
図3を参照して分離フィルム接合体を生成する段階について説明する。
図2は多数の枚葉型分離フィルムを用いた電極積層体における分離フィルム接合体を形成した状態を示す図であり、
図3は一つのシート型分離フィルムを用いた電極積層体における分離フィルム接合体を形成した状態を示す図である。
図2及び
図3に示されているように、負極及び正極の外部に突出した余分の分離フィルム170、170'を接合して分離フィルム接合体180を生成する。この際、上記接合は、特に限定されず、例えば、温度及び/又は圧力を加えて分離フィルムを融着する方法等で行われることができる。一方、上記分離フィルムの接合は、その温度に特別な制限はなく、分離フィルムの接合性を考慮すると、分離フィルムのガラス転移温度をTgとしたときに(Tg−20)℃〜(Tg+20)℃の温度範囲で行われることが好ましい。
【0047】
一方、切断を容易にするために、上記分離フィルム接合体180は、その接合部の厚さが30μm〜700μm程度、好ましくは50μm〜700μm、より好ましくは100μm〜700μm程度であることが良いが、特に限定されるものではない。
【0048】
上記のような過程により分離フィルム接合体を形成した後、上記分離フィルム接合体を正極及び負極の形状に対応する形状に切断する。上述したように、一枚の分離フィルムの場合には、その厚さが非常に薄くて材質が軟らかいため切断が容易ではないが、本発明のように数枚の分離フィルムを接合させる場合には、相対的に硬くなるため切断が容易である。これは、分離フィルムが高分子材質でできているため、一定の温度と圧力で材質が軟らかくなって接合されるためである。また、分離フィルムが一箇所で接合された後に切断されるため、一回の切断で分離フィルムを全部類似した形状に切断することができる。この際、上記切断は、特に限定されず、ナイフ、金型、はさみ又はレーザーのような手段により行われることができる。
【0049】
一方、上記切断は、分離フィルムの輪郭及びサイズが正極及び負極の輪郭及びサイズと類似するように行われれば良く、必ずしも一致するように行われる必要はない。即ち、本発明において、上記対応する形状とは、正極及び負極の形状と完全に一致する形状を意味するわけではなく、正極及び負極とサイズ及び/又は輪郭が多少相違する場合も包括する概念で用いられる。例えば、本発明において、上記切断は、若干の余分の分離フィルムが電極の外部に露出するように行われ、電池の安定性を考慮すると、分離膜が正極及び負極に比べて若干大きい形状を有するように行われることが好ましい。
【0050】
一方、上記切断時に切断が行われる位置は、接合によって発生した接合線182の近傍であれば良く、特に限定されない。例えば、本発明において、上記切断は、
図2に示されているように、接合線182の内側で行われるか(190a)、接合線182が含まれるように行われるか(190b)、又は接合線182の外側で行われることができる(190c)。接合線182の内側で切断を行う場合(190a)は、切断後に分離フィルムが分離されるため、電極組立体に分離フィルム接合体が残らないが、接合線182を含む場合(190b)や接合線182の外側を切断する場合(190c)は、電極組立体に分離フィルムが接合された形態が残こる。
【0051】
上記のような本発明の製造方法によれば、単純な工程により分離フィルムを電極に対応する形状に形成することができるため、デザイン自由度が高くて生産性に優れた電池組立体を製造することができる。
【0052】
図4及び
図5には、上記のような方法により製造された本発明の電極組立体の一具現例が示されている。
図4は本発明の一具現例による電極組立体の斜視図であり、
図5は
図4の電極組立体の平面図である。
【0053】
図4及び
図5に示されているように、本発明の電極組立体は、少なくとも一つの負極120と、少なくとも一つの正極110と、少なくとも一つの分離フィルム130、140と、を含み、この際、上記分離フィルムは、上記負極及び正極の形状に対応する形状に切断された切断部190を含む。
【0054】
この際、上記分離フィルムの切断部190は、上記正極110と負極120との間に介在される領域に位置する分離フィルムに比べて小さい気孔率(porosity)を有する。上述したように、本発明は、分離フィルムの切断を容易にするために、電極組立体の製造時に熱及び/又は圧力を加えて分離フィルム接合体を形成した後に切断する方法を行う。しかしながら、分離フィルムが接合されるときに熱及び/又は圧力が加わるため、接合部位の近傍では分離フィルムの気孔率が熱及び/又は圧力が加わらない部分に比べて相対的に低くなる。一方、接合線182の近傍で切断が行われるため、切断によって形成された切断部190は正極と負極との間に介在されている分離フィルムに比べて相対的に低い気孔率を有する。
【0055】
例えば、上記切断部190は、上記正極110と負極120との間に介在される領域に位置する分離フィルムの気孔率に対して20%〜50%程度減少した気孔率を有することができるが、これに限定されるものではない。上記切断部の気孔率の変化率は、接合方式や接合温度、圧力、分離フィルムの種類によって変わっても良い。
【0056】
一方、
図4及び
図5に示されている本発明の電極組立体の形状は本発明の一具現例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図4には切断後に分離フィルムが分離されている形態が示されているが、上述したように分離フィルム接合体を切断するときに切断を行う位置によって分離フィルムが分離されずに接合された状態で存在することもできる。
【0057】
また、図面には正極及び負極として一つのコーナーが曲線形に形成された電極が示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明において、上記正極及び負極は、従来用いられていた一般の四角型ではなく、多様な形状、例えば、少なくとも一つのコーナー部及び/又は少なくとも一つの面が曲線形である等の形状を有することができる。
【0058】
一方、本発明の電極組立体は、電気的連結のための電極タップ150、160を含むことができる。上記電極タップは、電池ケースに挿入された後、電極リードに結合される。本発明において、上記電極タップは、同じ極性の電極タップ同士が電気的に連結されれば良く、その面積や配列位置等は特に限定されない。
【0059】
次に、本発明の電池セルの製造方法について説明する。本発明の電池セルの製造方法は、上記のような方法により製造された本発明の電池組立体を電池ケースで包装する段階を含む。
【0060】
図6及び7は本発明の電池セルの製造方法を説明するためのものであり、
図6は電極組立体210を電池ケース300に載置する状態を示す平面図であり、
図7は電池ケースを折り畳んだ後の状態を示す平面図である。
図6及び
図7に示されているように、本発明の電池セルは、電極組立体210より広い面積を有する電池ケース300上に本発明の方法で製造された電極組立体210を載置した後、電極組立体210が載置されていない部分の電池ケース300を折り畳んで電極組立体210を覆った後、電池ケースの末端を密封する方式で製造されることができる。但し、このような方法は電極組立体を電池ケースで包装する方法の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されず、上述した方法以外に当該技術分野によく知られている多様な電極組立体包装方法を制限なく用いることができる。
【0061】
一方、本発明の電極組立体210は、長方形ではなく、多様に変形された形態を有することができる。このような電極組立体210を四角型の電池ケース300で包装する場合、
図7に示されているように、電池ケースに電極組立体が存在しない領域240が生じる。したがって、本発明の電池セルの製造方法は、必要に応じて、上記電池ケースを電極組立体の形状に対応する形状に加工する段階をさらに含むことができる。
【0062】
この際、上記加工は、電池ケースを電極組立体の形状に対応するように切断又は切削するかプレスする等の方法により行われることができる。この際、電池ケースの形状及びサイズは電極組立体の形状及びサイズと完全に一致する必要はなく、電極組立体の押され現象による内部短絡が防止できる程度の形状及びサイズであれば良い。
【0063】
一方、上記電池ケースは、特に限定されないが、ポーチ型ケースであれば良く、必要に応じて、多様な形状及びサイズを有することができる。また、上記ポーチ型ケースは、ラミネートシートからなり、この際、上記ラミネートシートは、最外殼をなす外側樹脂層、物質の貫通を防止する遮断性金属層、密封のための内側樹脂層からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
一方、上記電池ケースは、電極組立体の電極タップを電気的に連結するための負極電極リード250と正極電極リード260とを含み、上記電極リードは、外部に露出した構造に形成されることが好ましい。また、図示されてはいないが、上記電極リードの上下面には、電極リードを保護するための絶縁フィルムが付着されることができる。
【0065】
図8及び
図9には、本発明の方法で製造された電池セルの一具現例が示されている。
図8及び
図9に示されているように、本発明の方法により製造された電池セル400は、電池ケースの内部に多様な形態の電極組立体が内蔵されており、電極組立体の形状に対応する形状に製造されることができるため、多様なデザインを具現するのに有利である。
【0066】
一方、上記電池セルは、リチウムイオン電池又はリチウムイオンポリマー電池であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0067】
上記のような本発明の電池セルは、単独で用いられることもでき、電池セルを少なくとも一つ以上含む電池パックの形態で用いられることもできる。このような本発明の電池セル及び/又は電池パックは、多様なデバイス、例えば、携帯電話、携帯用のコンピューター、スマートホン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車又は電力貯蔵装置等に有用に用いられることができる。これらのデバイスの構造及びその製作方法は当業界に公知されているため、本明細書ではその詳細な説明を省略する。
【0068】
一方、本発明の電池セル又は電池パックが上記のようなデバイスに装着される場合、本発明の電池セル又は電池パックの構造により形成された余剰の空間にデバイスのシステム部品が位置するようにすることができる。本発明の電池セル又は電池パックは、多様な形態、例えば、一つのコーナー等に曲線部を含んでいる形態に形成されるため、これをデバイス装着する場合、従来の電池セル又は電池パックにはなかった余剰の空間が発生する。このような余剰の空間にデバイスのシステム部品を装着する場合、デバイスのシステム部品と電池セル又は電池パックを柔軟に配置することができるため、空間活用度を向上させることができる上、デバイス全体の厚さや体積を減少させてスリムなデザインを具現することができる。
上記の実施形態によれば、以下の構成もまた開示される。
(項目1)
少なくとも一つの負極、少なくとも一つの正極及び少なくとも一つの分離フィルムを含む電極組立体であって、
上記少なくとも一つの分離フィルムは、互いに分離されており、上記負極及び上記正極の形状に対応する形状に切断された切断部を含み、
上記切断部は上記正極と負極との間に介在される領域に位置する分離フィルムに比べて小さい気孔率(porosity)を有する、電極組立体。
(項目2)
上記切断部は、上記正極と負極との間に介在される領域に位置する分離フィルムの気孔率に対して20%〜50%減少した気孔率を有する、項目1に記載の電極組立体。
(項目3)
上記負極及び上記正極は、少なくとも一つ以上のコーナー部が曲線形である、項目1または項目2に記載の電極組立体。
(項目4)
項目1から項目3の何れか1つに記載の電極組立体が電池ケースに内蔵される、電池セル。
(項目5)
上記電池ケースは、電極組立体の形状に対応する形状からなる、項目4に記載の電池セル。
(項目6)
上記電池セルは、リチウムイオン二次電池又はリチウムイオンポリマー二次電池である、項目4または項目5に記載の電池セル。
(項目7)
項目4から項目6の何れか1つに記載の電池セルを一つ以上含む、デバイス。
(項目8)
上記デバイスは、携帯電話、携帯用のコンピューター、スマートホン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車又は電力貯蔵装置である、項目7に記載のデバイス。