(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る印刷システムの一例の構成図である。
図1の印刷システム1はクライアント10、1つ以上の画像形成装置20が、LAN(Local Area Network)などのプライベート環境の内部ネットワークN1に接続される構成を一例として示している。また、
図1の印刷システム1は認証サーバ30、プリントサーバ40、レンダリングサーバ50が、インターネットなどのパブリック環境の外部ネットワークN2に接続される構成を一例として示している。
【0011】
内部ネットワークN1は、例えばオフィス環境における部署内ネットワークや事業所内ネットワークにあたる。印刷システム1は、内部ネットワークN1がファイアウォールFWを介して、外部ネットワークN2に接続される構成例を一例として示している。
図1ではクライアント10がプライベート環境の内部ネットワークN1に接続される構成例を示しているがパブリック環境の外部ネットワークN2に接続される構成であってもよい。
【0012】
クライアント10、画像形成装置20は認証サーバ30、プリントサーバ40にアクセス可能である。また、認証サーバ30、プリントサーバ40はクライアント10、画像形成装置20からの要求(リクエスト)に対して応答(レスポンス)できる。
【0013】
クライアント10は利用者が印刷したい印刷ジョブをプリントサーバ40に登録するPC(Personal Computer)などの情報処理端末の一例である。なお、クライアント10は印刷ジョブをプリントサーバ40に送信可能な情報処理端末であれば、スマートフォンや携帯電話、PC、タブレットPC、プロジェクタやスキャナなど、何れの形態であってもよい。
【0014】
画像形成装置20は、利用者からの要求に応じてプリントサーバ40から印刷ジョブを取得し、印刷する。画像形成装置20は利用者が印刷したい印刷ジョブをプリントサーバ40から取得して印刷する印刷機器の一例である。例えば画像形成装置20はプリンタやFAX、コピー機、複合機など、何れの形態であってもよい。なお、画像形成装置20は印刷ジョブを印刷する印刷機器に限ることなく、印刷ジョブを表示するPCや印刷ジョブを投影するプロジェクタなどの形態も含まれる。
【0015】
認証サーバ30は利用者の認証やアカウント情報の管理を責務とする。プリントサーバ40は印刷ジョブの蓄積や送信が責務である。レンダリングサーバ50はプリントサーバ40に蓄積されている印刷ジョブのデータを印刷可能な形式へと変換する。なお、
図1の印刷システム1は認証サーバ30、プリントサーバ40、レンダリングサーバ50が別のサーバとして分けられているが、1又は2のサーバに統合した形態や、4つ以上のサーバに分割した形態も可能である。例えば印刷システム1は認証サーバ30、プリントサーバ40、レンダリングサーバ50の全ての責務を、1つのサーバで担う構成であっても構わない。
【0016】
<ハードウェア構成>
図1に示したクライアント10、認証サーバ30、プリントサーバ40及びレンダリングサーバ50は例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータシステムにより実現される。
図2は本実施形態に係るコンピュータシステムの一例のハードウェア構成図である。
【0017】
図2に示したコンピュータシステム100は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、通信I/F107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0018】
入力装置101はキーボードやマウスなどを含み、利用者が各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102はディスプレイなどを含み、コンピュータシステム100による処理結果を表示する。
【0019】
通信I/F107はコンピュータシステム100をネットワークN1又はN2に接続するインタフェースである。これにより、コンピュータシステム100は通信I/F107を介して他の装置とデータ通信を行うことができる。
【0020】
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。プログラムやデータには、コンピュータシステム100全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。また、HDD108は格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
【0021】
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。これにより、コンピュータシステム100は外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aにはフレキシブルディスク、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)等がある。
【0022】
ROM105は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、コンピュータシステム100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。
【0023】
CPU106は、ROM105やHDD108などの記憶装置からプログラムやデータをRAM104上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータシステム100全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0024】
本実施形態に係る認証サーバ30、プリントサーバ40及びレンダリングサーバ50は上記コンピュータシステム100のハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
【0025】
図3は本実施形態に係る画像形成装置の一例のハードウェア構成図である。
図3に示した画像形成装置20は、コントローラ201、操作パネル202、外部I/F203、通信I/F204、プリンタ205及びスキャナ206などを備える。
【0026】
コントローラ201はCPU211、RAM212、ROM213、NVRAM214及びHDD215などを備える。ROM213は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM212はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM214は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD215は各種プログラムやデータが格納されている。
【0027】
CPU211は、ROM213やNVRAM214、HDD215などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM212上に読み出し、処理を実行することで、画像形成装置20全体の制御や機能を実現する。
【0028】
操作パネル202は利用者からの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F203は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203aなどがある。これにより、画像形成装置20は外部I/F203を介して記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体203aにはICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0029】
通信I/F204は画像形成装置20をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、画像形成装置20は通信I/F204を介して他の装置とデータ通信を行うことができる。プリンタ205は、印刷データを用紙に印刷するための印刷装置である。スキャナ206は原稿から画像データを読み取るための読取装置である。
【0030】
本実施形態に係る画像形成装置20は、上記ハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
【0031】
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る印刷システム1は例えば
図4に示す処理ブロックで実現される。
図4は本実施形態に係る印刷システムの一例の処理ブロック図である。
【0032】
認証サーバ30はプログラムを実行することで、ユーザ認証要求処理部31、分散印刷先取得要求処理部32、ユーザ情報保管部33、機器情報保管部34を実現している。プリントサーバ40はプログラムを実行することで、ジョブ受信部41、ジョブ一覧取得要求処理部42、ジョブ取得要求処理部43、分散印刷要求処理部44、データ保管部45を実現している。レンダリングサーバ50はプログラムを実行することで、データ変換部51、ジョブ情報書き換え部52を実現している。画像形成装置20はプログラムを実行することで、認証要求部21、ジョブ一覧取得要求部22、ジョブ取得要求部23、印刷制御部24、ジョブID送信部25、ジョブID受信部26を実現している。なお、
図4の処理ブロック図では本実施形態に係る印刷システム1の説明に不要な部分の記載を一部省略している。
【0033】
《認証サーバ30》
認証サーバ30は、利用者のアカウント情報のテーブルと画像形成装置20に関する情報のテーブルを保持しており、要求に応じて認証や利用者固有の情報を提供する。
【0034】
ユーザ認証要求処理部31は画像形成装置20からユーザ認証の要求を受け取り、受け取った認証情報と一致する利用者がいるかどうかを判定する。ユーザ認証要求処理部31は認証情報が正しい(受け取った認証情報と一致する利用者がいる)場合に、認証されたことを証明する認証チケットを要求元に対して発行する。
【0035】
分散印刷先取得要求処理部32は画像形成装置20から分散印刷先をどこにすればいいかの問い合わせを受け取る。分散印刷先取得要求処理部32はユーザ情報保管部33及び機器情報保管部34から利用者ごとに登録された分散印刷先に関する情報を取得し、画像形成装置20に提供する。
【0036】
ユーザ情報保管部33は、印刷システム1を利用可能な利用者のアカウント情報を保管する。また、機器情報保管部34は印刷システム1を利用可能な機器に関する情報を保管する。
【0037】
《プリントサーバ40》
プリントサーバ40は、印刷ジョブについてのテーブルを保持しており、要求に応じて印刷ジョブの蓄積や送信を行う。
【0038】
ジョブ受信部41はクライアント10から投入された印刷ジョブを受信する。投入される印刷ジョブは、レンダリング前のデータでも構わない。ジョブ受信部41は、受信した印刷ジョブにジョブIDを振り、データ保管部45に保管する。
【0039】
ジョブ一覧取得要求処理部42は画像形成装置20から認証チケットとともにジョブ一覧取得の要求を受け取る。ジョブ一覧取得要求処理部42は受け取った認証チケットをもとに、認証サーバ30に問い合わせをして利用者を特定する。そして、ジョブ一覧取得要求処理部42は特定した利用者の印刷ジョブのジョブ一覧を作成し、画像形成装置20に送信する。
【0040】
ジョブ取得要求処理部43は画像形成装置20から認証チケットとともにジョブ取得の要求を受け取る。ジョブ取得要求処理部43は受け取った認証チケットが正しいものかどうか認証サーバに問い合わせる。ジョブ取得要求処理部43は認証チケットが正しいものであれば、指定されたジョブIDの印刷ジョブを画像形成装置20に送信する。
【0041】
分散印刷要求処理部44は画像形成装置20から分散印刷の要求を受け取る。分散印刷要求処理部44は指定された条件に基づき、印刷ジョブの分割をレンダリングサーバ50に依頼する。分散印刷要求処理部44は分割された印刷ジョブに対して再度ジョブIDを振り、データ保管部45に保管する。
【0042】
データ保管部45は印刷ジョブを保管する。また、データ保管部45はレンダリング前のデータも保管する。なお、データ保管部45は、元の印刷ジョブを分割した印刷ジョブの印刷処理が終了するまで保管してもよいし、分割後に削除してもよい。
【0043】
《レンダリングサーバ50》
レンダリングサーバ50は、レンダリング前のデータを画像形成装置20で印刷可能な形式へと変換する。
【0044】
データ変換部51はレンダリング前(未レンダリング)のデータを画像形成装置20で印刷可能な形式へとレンダリングする。データ変換部51はプリントサーバ40からレンダリング対象の印刷ジョブのジョブIDを受け取り、そのジョブIDのデータを非同期でレンダリングする。
【0045】
ジョブ情報書き換え部52はプリントサーバ40から指定された印刷ジョブのプリンタジョブ言語(PJL)データを書き換え、印刷ジョブを分割する。ジョブ情報書き換え部52は印刷ジョブの分割を、例えば部数単位やページ単位で行う。
【0046】
《画像形成装置20》
画像形成装置20は利用者の操作を受けつけ、プリントサーバ40から認証の成功した利用者の印刷ジョブを取得し、印刷する。
【0047】
認証要求部21は利用者が入力した認証情報を認証サーバ30に対して送信し、ユーザ認証を要求する。ユーザ認証に成功した場合、認証要求部21は認証サーバ30から発行された認証チケットを保管する。認証チケットは認証に成功した証である。ジョブ一覧取得要求部22はプリントサーバ40に対してジョブ一覧の取得を要求する。ジョブ一覧取得要求部22はジョブ一覧の取得を要求する際、認証チケットも一緒に送信する。
【0048】
ジョブ取得要求部23はプリントサーバ40に対し、ジョブIDを指定して印刷ジョブの取得を要求する。なお、ジョブ取得要求部23は印刷ジョブの取得を要求する際、認証チケットも一緒に送信する。ジョブ取得要求部23はプリントサーバ40から取得した印刷ジョブを印刷制御部24に送信する。印刷制御部24は印刷取得要求部23から受信した印刷ジョブの描画処理を行う。
【0049】
ジョブID送信部25は分散印刷時にプリントサーバ40から受け取った複数のジョブIDを別の画像形成装置20へと送信する。ジョブID受信部26は分散印刷時に別の画像形成装置20からジョブIDを受信する。ジョブID受信部26は受信したジョブIDの印刷ジョブをジョブ取得要求部23に送信し、受信したジョブIDの印刷ジョブをプリントサーバ40から取得させる。
【0050】
分散印刷要求部27はプリントサーバ40に対し、分散印刷を要求する。また、分散印刷要求部27は認証サーバ30に対し、分散印刷先の取得を要求する。
【0051】
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。
図5は本実施形態に係る印刷システムの処理手順を表した一例のシーケンス図である。
図5は3つの画像形成装置20が内部ネットワークN1に接続されている印刷システム1の例を示している。なお、
図5は印刷ジョブがデータ保管部45に保管されたあとの処理を示したものである。
【0052】
ステップS1において、利用者は画像形成装置20−1のUI(User Interface)に認証情報(ユーザ名、パスワード等)を入力し、ログインする。ステップS2において、画像形成装置20−1は認証情報を認証サーバ30に送信し、認証サーバ30に対して認証を要求する。
【0053】
ステップS3において、認証サーバ30は画像形成装置20−1から認証の要求を受け取る。認証サーバ30は受信した認証情報と一致する利用者がユーザ情報保管部33に保管されているユーザ情報リストにいるかどうかを確認する。受信した認証情報と一致する利用者がユーザ情報保管部33に保管されているユーザ情報リストにいれば、認証サーバ30は認証に成功したと判断する。ステップS4において、認証サーバ30は、認証に成功した証である認証チケットを画像形成装置20−1に対して発行する。
【0054】
ステップS5において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40に対してジョブ一覧の取得を要求する。画像形成装置20−1はプリントサーバ40に対してジョブ一覧の取得を要求する際、認証チケットも一緒に送信する。
【0055】
ステップS6において、プリントサーバ40は画像形成装置20−1から受信した認証チケットが誰のものなのかを、認証サーバ30に対して問い合わせる。ステップS7において、認証サーバ30は認証チケットに該当するユーザ名を画像形成装置20−1に応答する。ここでは認証サーバ30からユーザ名「UserA」が応答されたとする。
【0056】
ステップS8において、プリントサーバ40はデータ保管部45に保管されている印刷ジョブリストから、認証チケットにより特定された利用者の印刷ジョブのジョブ一覧を生成する。ステップS9において、プリントサーバ40は生成したジョブ一覧を画像形成装置20−1に応答する。画像形成装置20−1はジョブ一覧をUIに表示する。
【0057】
ステップS10において、利用者は画像形成装置20−1のUIから分散印刷したい印刷ジョブをジョブ一覧の中から選択したあと、選択した印刷ジョブを分散印刷するように指示する。ステップS11において、画像形成装置20−1は選択した印刷ジョブの分散印刷先を確認するため、認証サーバ30に対して分散印刷先の取得を要求する。
【0058】
ステップS12において、認証サーバ30は認証チケットにより特定された利用者のアカウント情報(ユーザ名等)から、特定された利用者の分散印刷先が分散印刷先リストに登録されているかどうかを確認する。ここでは、特定された利用者の分散印刷先が分散印刷先リストに登録されているものとして説明を続ける。
【0059】
特定された利用者の分散印刷先が分散印刷先リストに登録されていたため、認証サーバ30は特定された利用者の分散印刷先に関する情報(IPアドレスなど)を、機器情報保管部34に保管されている機器情報リストから取得する。ステップS13において、認証サーバ30は特定された利用者の分散印刷先に関する情報を画像形成装置20−1に応答する。
【0060】
ステップS14において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40に対し、指定した条件での印刷ジョブの分散印刷を要求する。なお、指定した条件とは、例えば300部の印刷ジョブを100部ずつ3台の画像形成装置20−1〜20−3で分散印刷するなどの分割条件である。
【0061】
プリントサーバ40は印刷ジョブと条件とが指定された分散印刷の要求を画像形成装置20−1から受け取る。ステップS15において、プリントサーバ40は指定された印刷ジョブと条件とに基づき、印刷ジョブの分割をレンダリングサーバ50に依頼する。例えばプリントサーバ40は300部の印刷ジョブを100部×3の印刷ジョブに分割するようにレンダリングサーバ50に依頼する。レンダリングサーバ50は、プリントサーバ40から指定された印刷ジョブのPJLデータを書き換え、指定された条件に基づいて印刷ジョブを分割する。例えばレンダリングサーバ50は300部の印刷ジョブを100部×3の印刷ジョブに分割する。
【0062】
そして、ステップS16において、レンダリングサーバ50は分割した印刷ジョブをプリントサーバ40のデータ保管部45に新規で保管させる。例えばデータ保管部45には300部の印刷ジョブを分割した100部×3の印刷ジョブが新規で保管される。
【0063】
ステップS17において、プリントサーバ40は分割された印刷ジョブに対してジョブIDを再度、割り振る。なお、レンダリングサーバ50は分割された印刷ジョブを例えばパスを利用してプリントサーバ40に通知する。なお、ジョブIDの割り振りは
図5のステップS15〜S17の処理に限定するものでなく、プリントサーバ40で行ってもレンダリングサーバ50で行ってもよい。例えばレンダリングサーバ50はプリントサーバ40から通知されたジョブIDを分割した印刷ジョブに割り振ってもよい。
【0064】
ステップS18において、プリントサーバ40は分割された印刷ジョブに対して割り振られたジョブIDを画像形成装置20−1に応答する。例えばプリントサーバ40は分割された印刷ジョブに対して割り振られたジョブID「111」「222」「333」を画像形成装置20−1に通知する。
【0065】
ステップS19、S23において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40から受け取った3つのジョブIDのうちの2つのジョブIDを画像形成装置20−2、20−3に送信する。例えば画像形成装置20−1は、画像形成装置20−2にジョブID「222」を送信し、画像形成装置20−3にジョブID「333」を送信する。なお、画像形成装置20−1はステップS19、S23において、画像形成装置20−2、20−3に認証チケットも一緒に送信してもよい。
【0066】
画像形成装置20−3は画像形成装置20−1から分割された印刷ジョブのジョブIDを受信すると、ステップS20において、そのジョブIDを指定してプリントサーバ40に印刷ジョブの取得を要求する。ステップS21において、画像形成装置20−3はプリントサーバ40からジョブIDに紐付いた印刷ジョブを取得する。画像形成装置20−3はステップS22において、プリントサーバ40から取得した印刷ジョブを印刷する。
【0067】
画像形成装置20−2は画像形成装置20−1から分割された印刷ジョブのジョブIDを受信すると、ステップS24において、そのジョブIDを指定してプリントサーバ40に印刷ジョブの取得を要求する。ステップS25において、画像形成装置20−2はプリントサーバ40からジョブIDに紐付いた印刷ジョブを取得する。画像形成装置20−2はステップS26において、プリントサーバ40から取得した印刷ジョブを印刷する。
【0068】
ステップS27において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40から受け取った3つのジョブIDのうち、画像形成装置20−2、20−3に送信しなかったジョブIDを指定してプリントサーバ40に印刷ジョブの取得を要求する。画像形成装置20−1はステップS28において、プリントサーバ40からジョブIDに紐付いた印刷ジョブを取得する。画像形成装置20−1はステップS29において、プリントサーバ40から取得した印刷ジョブを印刷する。
【0069】
このように、それぞれの画像形成装置20−1〜20−3は、プリントサーバ40からジョブIDに紐付いた印刷ジョブを取得し、印刷する。なお、
図5のシーケンス図では画像形成装置20−1が画像形成装置20−2、20−3に分割した印刷ジョブのジョブIDを送信しているが、画像形成装置20−1から画像形成装置20−2、画像形成装置20−2から画像形成装置20−3のようにリレー形式でジョブIDを送信するようにしても構わない。
【0070】
また、本実施形態では、300部の印刷ジョブを100部×3の印刷ジョブに分割する際に、全て同じ印刷属性で分割する例を示したが、100部をカラーの印刷ジョブ、200部をモノクロの印刷ジョブというように分割しても構わない。
【0071】
また、本実施形態では印刷ジョブを3つの印刷ジョブに分割し、3台の画像形成装置20−1〜20−3で印刷する例を示したが、例えば画像形成装置20以外のPC等の表示装置で表示できるデータに分割して表示装置に表示させてもよいし、プロジェクタ等の投影装置により投影できるデータに分割して投影装置に投影させてもよい。
【0072】
さらに、本実施形態では画像形成装置20−1が画像形成装置20−2、20−3に分割した印刷ジョブのジョブIDを送信しているが、例えばスマートフォンや携帯電話のような情報処理端末に電子メール等で印刷ジョブのジョブIDを送信し、利用者が画像形成装置20−2、20−3の操作パネル202から印刷ジョブのジョブIDを入力するようにしてもよい。
【0073】
情報処理端末に電子メール等で印刷ジョブのジョブIDを送信可能な印刷システム1では例えば以下のような利用形態も考えられる。例えば利用者は会議に参加する参加者の人数分の会議資料の印刷ジョブをプリントサーバ40に予め登録しておく。参加者のうちの数人が急な出張などで予定の会議室に行けなくなったとしても、本実施形態の印刷システム1では印刷ジョブを分割し、分割した印刷ジョブのジョブIDを電子メール等で取得できるので、例えば出張先の画像形成装置20で会議資料を印刷できる。
【0074】
本実施形態に係る印刷システム1では、画像形成装置20−1での利用者の操作をトリガとして、プリントサーバ40に蓄積されている印刷ジョブを取得、印刷するPULL印刷を前提としている。
【0075】
利用者から分散印刷の要求があった場合、画像形成装置20−1はプリントサーバ40に分散印刷要求を送信する。分散印刷要求を受け取ったプリントサーバ40は指定された印刷ジョブを複数に分割、それぞれに新たなジョブID(識別ID)を振り、分散印刷要求を行った画像形成装置20−1に、分割した複数の印刷ジョブに新たに割り振った複数のジョブIDを、分散印刷要求に対する応答として送り返す。
【0076】
複数のジョブIDを受け取った画像形成装置20−1は、複数のジョブIDの中の一つのジョブIDをもとにプリントサーバ40から印刷ジョブを取得すると共に、他のジョブIDを別の画像形成装置20−2、20−3に対して送信する。ジョブIDを受け取った別の画像形成装置20−2、20−3は、ジョブIDをもとにプリントサーバ40から印刷ジョブを取得する。
【0077】
上記の手順を踏むことで、本実施形態に係る印刷システム1では、分割した印刷ジョブを複数の画像形成装置20−1〜20−3から印刷することが可能となる。また、プリントサーバ40から画像形成装置20−1〜20−3に対して要求(リクエスト)を送信する必要がないので、本実施形態に係る印刷システム1は画像形成装置20−1〜20−3が例えばプリントサーバ40から見てファイアウォールFWの背後にあったとしても分散印刷を実現できる。
【0078】
<データ構造>
図6は認証サーバのユーザ情報保管部に保管されているユーザ情報リストの一例の構成図である。
図6に示すように、認証サーバ30のユーザ情報保管部33はユーザ名とパスワードとを紐付けたユーザ情報リストを保管している。なお、ユーザ名及びパスワードは認証情報の一例として示したものである。ユーザ情報リストにユーザ名及びパスワードが設定されている利用者はステップS3の認証に成功する。
【0079】
図7は認証サーバのユーザ情報保管部に保管されている分散印刷先リストの一例の構成図である。
図7に示すように、認証サーバ30のユーザ情報保管部33はユーザ名と一つ以上の分散印刷先の画像形成装置20の機器IDとを紐付けた分散印刷先リストを保管している。なお、ユーザ名は利用者のアカウント情報の一例として示したものである。機器IDは分散印刷先の画像形成装置20を識別する情報の一例として示したものである。
【0080】
分散印刷先リストに分散印刷先の画像形成装置20が登録されている利用者はステップS12において、ユーザ名と紐付けられた一つ以上の画像形成装置20を分散印刷先として決定できる。
【0081】
図8は認証サーバの機器情報保管部に保管されている機器情報リストの一例の構成図である。
図8に示すように、認証サーバ30の機器情報保管部34は機器IDと機種とIPアドレスとを紐付けた機器情報リストを保管している。なお、機器情報リストに登録されている画像形成装置20は本実施形態の分散印刷に対応している。機器情報リストには更にフィニッシャの有無やPPM(Page Per Minute)の情報を含めてもよい。分散印刷先が分散印刷先リストに登録されている利用者はステップS12において、特定された利用者の分散印刷先に関する情報(IPアドレスなど)を機器情報リストから取得できる。
【0082】
図9はプリントサーバのデータ保管部に保管されている印刷ジョブリストの一例の構成図である。
図9に示すように、プリントサーバ40のデータ保管部45は、ジョブIDとユーザ名とジョブ名とページ数と部数とを紐付けた印刷ジョブリストを保管している。印刷ジョブリストを参照することにより、プリントサーバ40は利用者の印刷ジョブの特定でき、また、印刷ジョブのページ数や部数を取得できる。
【0083】
図10はプリントサーバのデータ保管部に保管されている分割ジョブリストの一例の構成図である。
図10に示すように、プリントサーバ40のデータ保管部45は、ジョブIDと元のジョブIDとジョブ名とページ数と部数とを紐付けた分割ジョブリストを保管している。分割ジョブリストでは、分割された印刷ジョブに対して新たなジョブIDが割り振られて登録されている。分割ジョブリストを参照することにより、プリントサーバ40は新たなジョブIDにより、分割された印刷ジョブを特定できる。
【0084】
<まとめ>
第1の実施形態に係る印刷システム1によれば、外部ネットワークN2に接続されたプリントサーバ40から内部ネットワークN1に接続された画像形成装置20への要求が阻まれる場合であっても、画像形成装置20による分散印刷を実現できる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態は、あらかじめ分散印刷先リストを登録している。そこで、第2の実施形態では、分散印刷要求時に、利用者の近くの画像形成装置20から分散印刷先の候補を抽出し、利用者に指定させるものである。例えば第2の実施形態では電源が入っていない画像形成装置20や内部ネットワークN1に接続されていない画像形成装置20を自動的に除去する。
【0085】
第2の実施形態は、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成が第1の実施形態と同様であるため、同一部分について説明を省略する。例えば第2の実施形態では認証サーバ30の分散印刷先取得要求処理部32の責務が第1の実施形態と異なる。
【0086】
分散印刷先取得要求処理部32は画像形成装置20から分散印刷先に関する情報の取得要求を受け取る。分散印刷先取得要求処理部32は画像形成装置20のIPアドレスと同じサブネットマスクにある他の画像形成装置20の一覧を生成する。なお、他の画像形成装置20に関する情報は機器情報保管部34に保管されている機器情報リストから取得できる。また、分散印刷先取得要求処理部32は画像形成装置20のIPアドレスと同じサブネットマスクにある他の画像形成装置20の一覧を分散印刷先候補として、画像形成装置20に提供する。
【0087】
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。
図11は本実施形態に係る印刷システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。
図11ではステップS31の処理前に行うログインからジョブ一覧の取得までの処理が
図5と同様であるため、図示を省略している。
【0088】
ステップS31において、利用者は画像形成装置20−1のUIから分散印刷先の候補リストを要求する。ステップS32において、画像形成装置20−1は自身のIPアドレスを送信して、認証サーバ30に複数の分散印刷先の候補を要求する。ステップS33において、認証サーバ30は機器情報保管部34に保管されている機器情報リストから画像形成装置20−1と同じサブネットマスクの画像形成装置20−2、20−3のIPアドレスを検索する。
【0089】
ステップS34において、認証サーバ30は複数の分散印刷先の候補として画像形成装置20−1と同じサブネットマスクの画像形成装置20−2、20−3のIPアドレスを画像形成装置20−1に応答する。
【0090】
画像形成装置20−1は複数の分散印刷先の候補を元に、画像形成装置20−1と同じサブネットマスクの画像形成装置20−2、20−3から応答があるかどうかを一つずつ確認する。
【0091】
例えばステップS35において、画像形成装置20−1は画像形成装置20−2に応答確認を行う。ここでは画像形成装置20−2から応答がない例を説明する。ステップS36において、画像形成装置20−1は画像形成装置20−2から応答(返答)がないことを確認する。
【0092】
また、ステップS37において、画像形成装置20−1は画像形成装置20−3に応答確認を行う。ここでは画像形成装置20−3から応答がある例を説明する。ステップS38において、画像形成装置20−1は画像形成装置20−3からの応答があることを確認する。
【0093】
ステップS39において、画像形成装置20−1は応答があった画像形成装置20−3と応答が無かった画像形成装置20−2とを通知して、認証サーバ30に分散印刷先の候補リストを要求する。ステップS40において、認証サーバ30は機器情報リストに登録されており、且つ、画像形成装置20−1と同じサブネットマスクにあり、かつ、画像形成装置20−1に応答可能な画像形成装置20−3を分散印刷先の候補リストに含めて画像形成装置20−1に応答する。
【0094】
ステップS41において、利用者は画像形成装置20−1のUIを操作し、分散印刷先の候補リストに含まれる画像形成装置20−3を選択する。また、利用者は画像形成装置20−1のUIから分散印刷したい印刷ジョブをジョブ一覧の中から選択したあと、選択した印刷ジョブを分散印刷するように指示する。
【0095】
ステップS42において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40に対し、指定した条件での印刷ジョブの分散印刷を要求する。ステップS43において、プリントサーバ40は指定された印刷ジョブと条件とに基づき、印刷ジョブの分割をレンダリングサーバ50に依頼する。レンダリングサーバ50は、指定された条件に基づいて印刷ジョブを分割する。
【0096】
そして、ステップS44において、レンダリングサーバ50は分割した印刷ジョブをプリントサーバ40のデータ保管部45に新規で保管させる。ステップS45において、プリントサーバ40は分割された印刷ジョブに対してジョブIDを再度、割り振る。
【0097】
ステップS46において、プリントサーバ40は分割された印刷ジョブに対して割り振られたジョブIDを画像形成装置20−1に応答する。ステップS47において、画像形成装置20−1は、プリントサーバ40から受け取ったジョブIDの一つを画像形成装置20−3に送信する。
【0098】
画像形成装置20−3は画像形成装置20−1から分割された印刷ジョブのジョブIDを受信すると、ステップS48において、そのジョブIDを指定してプリントサーバ40に印刷ジョブの取得を要求する。ステップS49において、画像形成装置20−3はプリントサーバ40からジョブIDに紐付いた印刷ジョブを取得する。画像形成装置20−3はステップS50において、プリントサーバ40から取得した印刷ジョブを印刷する。
【0099】
ステップS51において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40から受け取ったジョブIDのうち、画像形成装置20−3に送信しなかったジョブIDを指定してプリントサーバ40に印刷ジョブの取得を要求する。画像形成装置20−1はステップS52において、プリントサーバ40からジョブIDに紐付いた印刷ジョブを取得する。画像形成装置20−1はステップS53において、プリントサーバ40から取得した印刷ジョブを印刷する。
【0100】
なお、ステップS35〜S38の処理は認証サーバ30から画像形成装置20−2及び20−3に応答確認を行えないため、画像形成装置20−1から画像形成装置20−2及び20−3に応答確認を行っている。また、画像形成装置20−1はステップS39において、応答があった画像形成装置20−3を分散印刷先の候補と判断するのであれば、ステップS39〜S40の処理を省略できる。
【0101】
このように、本実施形態に係る印刷システム1では、利用者が操作する画像形成装置20−1の近くの他の画像形成装置20から分散印刷先の候補を抽出し、利用者に分散印刷先を選択させることができる。また、本実施形態に係る印刷システム1では電源が入っていない画像形成装置20や内部ネットワークN1に接続されていない画像形成装置20を分散印刷先の画像形成装置20から除去できる。
【0102】
<データ構造>
第2の実施形態では認証サーバ30が
図7に示すような分散印刷先リストを保持していない。つまり、第2の実施形態では利用者ごとに分散印刷先のリストを予め登録しておく必要がない。
【0103】
<まとめ>
第2の実施形態に係る印刷システム1によれば、予め使用者ごとに分散印刷先のリストを登録しておく必要がなく、利用者がいつもとは違う場所で印刷する場合などに柔軟に対応できる。
[第3の実施形態]
第2の実施形態は、利用者の操作する画像形成装置20と同じサブネットマスク内にある他の画像形成装置20を分散印刷先の候補リストとして利用者に提示し、その分散印刷先の候補リストの中から利用者に分散印刷先を選択させている。そこで、第3の実施形態では、ある画像形成装置20で分散印刷中に、利用者が他の画像形成装置20にログインすると、その他の画像形成装置20が分散印刷先となるようにしている。
【0104】
第3の実施形態は、システム構成、ハードウェア構成及びソフトウェア構成が第1の実施形態と同様であるため、同一部分について説明を省略する。例えば第3の実施形態では認証サーバ30の分散印刷先取得要求処理部32が削除され、プリントサーバ40に分散印刷要否判定部46が追加されている。
【0105】
プリントサーバ40の分散印刷要否判定部46は利用者と紐付けられた分割された印刷ジョブ(分割ジョブ)がデータ保管部45に保管されている分割ジョブリストに登録されているかどうかを判定する。分散印刷要否判定部46は利用者と紐付けられた分割ジョブが保管されていれば、その分割ジョブのリストを生成する。なお、第3の実施形態では
図10の分割ジョブリストに分割ジョブの状態(未印刷、印刷中、印刷済など)を保管することが望ましい。
【0106】
<処理の詳細>
以下では、本実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。
図13は本実施形態に係る印刷システムの処理手順を表した他の例のシーケンス図である。
【0107】
ステップS61において、利用者は画像形成装置20−1のUIから分散印刷したい印刷ジョブをジョブ一覧の中から選択したあと、選択した印刷ジョブを分散印刷するように指示する。
【0108】
ステップS62において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40に対し、指定した条件での印刷ジョブの分散印刷を要求する。ステップS63において、プリントサーバ40は指定された印刷ジョブと条件とに基づき、印刷ジョブの分割をレンダリングサーバ50に依頼する。レンダリングサーバ50は、指定された条件に基づいて印刷ジョブを分割する。
【0109】
ステップS64において、レンダリングサーバ50は分割ジョブをプリントサーバ40のデータ保管部45に新規で保管させる。ステップS65において、プリントサーバ40は分割ジョブに対してジョブIDを再度、割り振る。ステップS66において、プリントサーバ40は分割ジョブに対して割り振られたジョブIDのうち、画像形成装置20−1用のジョブIDを選択して画像形成装置20−1に通知する。
【0110】
ステップS67において、画像形成装置20−1はプリントサーバ40から受け取ったジョブIDを指定してプリントサーバ40に分割ジョブの取得を要求する。画像形成装置20−1はステップS68において、プリントサーバ40からジョブIDに紐付いた分割ジョブを取得する。画像形成装置20−1はステップS69において、プリントサーバ40から取得した分割ジョブを印刷する。
【0111】
ステップS70において、利用者は画像形成装置20−1での印刷と並行して画像形成装置20−2のUIに認証情報を入力し、ログインする。ステップS71において、画像処理装置20−2は認証情報を認証サーバ30に送信し、認証サーバ30に対して認証を要求する。ステップS72において、認証サーバ30は受信した認証情報と一致する利用者がユーザ情報保管部33に保管されているユーザ情報リストに登録されていれば、認証に成功したと判断する。ステップS73において、認証サーバ30は、認証チケットを画像形成装置20−2に対して発行する。
【0112】
ステップS74において、画像形成装置20−2はプリントサーバ40に対してジョブ一覧の取得を要求する。画像形成装置20−2はプリントサーバ40に対してジョブ一覧の取得を要求する際、認証チケットも一緒に送信する。
【0113】
ステップS75において、プリントサーバ40は画像形成装置20−2から受信した認証チケットが誰のものなのかを、認証サーバ30に対して問い合わせる。ステップS76において、認証サーバ30は認証チケットに該当するユーザ名を画像形成装置20−2に通知する。
【0114】
ステップS77において、プリントサーバ40はデータ保管部45に保管されている印刷ジョブリスト及び分割ジョブリストから、認証チケットにより特定された利用者の分割ジョブがないかどうかを判定する。
【0115】
認証チケットにより特定された利用者の分割ジョブがあれば、プリントサーバ40は認証チケットにより特定された利用者の分割ジョブのリストを生成する。ステップS78において、プリントサーバ40は生成した分割ジョブのリストを画像形成装置20−2に通知する。画像形成装置20−1は分割ジョブのリストをUIに表示する。
【0116】
利用者は画像形成装置20−2のUIに表示された分割ジョブのリストから分散印刷したい分割ジョブを選択したあと、その分割ジョブを分散印刷するように指示する。画像形成装置20−2はステップS79において、分割ジョブのジョブIDを指定してプリントサーバ40に分割ジョブの取得を要求する。
【0117】
ステップS80において、画像形成装置20−2はプリントサーバ40からジョブIDに紐付いた分割ジョブを取得する。ステップS81において、画像形成装置20−2はプリントサーバ40から取得した分割ジョブを印刷する。
【0118】
このように、本実施形態に係る印刷システム1では、画像形成装置20−1で分散印刷中に、利用者が画像形成装置20−2にログインすると、画像形成装置20−2が分散印刷先となる。したがって、利用者は分散印刷中であれば、画像形成装置20−1の近くにある画像形成装置20−2に移動してログインすることにより、画像形成装置20−2に分散印刷を行わせることができる。
【0119】
<まとめ>
第3の実施形態に係る印刷システム1によれば、例えばUIに表示された分散印刷先の候補リストに含まれる画像形成装置20が、どこに設置されているか分からないというような問題がなく、距離的に近い他の画像形成装置20を分散印刷先として容易に指定することができる。したがって、第3の実施形態に係る印刷システム1によれば、例えば分散印刷先の候補リストが機種名で表示されている場合であって、同じ機種が複数台ある場合に画像形成装置20を区別できないという問題もない。
【0120】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば分散印刷先の候補は無線により自動探索するようにしてもよい。また、分散印刷先の候補リストに含まれる画像形成装置20の選択は、画像形成装置20間の距離により自動的に行われるようにしてもよい。
【0121】
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、
図4に示す処理ブロックの一部が認証サーバ30、プリントサーバ40、レンダリングサーバ50間で一部入れ替わる構成であってもよい。さらに、本実施形態では画像形成装置20における分散印刷を例として説明しているが、情報処理装置における分散処理であってもよい。
【0122】
情報処理装置は分割されたジョブを取得して分散処理を行える装置であれば、プリンタやFAX、コピー機、複合機、スマートフォン、携帯電話、PC、タブレットPC、プロジェクタなど、何れの形態であってもよい。また、管理装置は少なくともプリントサーバ40を含む構成であればよく、更に認証サーバ30及びレンダリングサーバ50の少なくとも一方を含む構成であってもよい。
【0123】
なお、特許請求の範囲に記載した管理装置はプリントサーバ40に相当する。管理装置は認証サーバ30とプリントサーバ40とを組み合わせた構成であってもよく、プリントサーバ40とレンダリングサーバ50とを組み合わせた構成であっても、認証サーバ30とプリントサーバ40とレンダリングサーバ50とを組み合わせた構成であってもよい。