(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔殺菌用液体生成装置の概要〕
本発明に係る方法および装置は次に示すような種々の形態をとることができる。なお、次に示す形態は一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0018】
殺菌用液体の生成装置は例えば次のとおりである。
【0019】
すなわち、管路と、管路に水を供給する水供給装置と、管路に窒素ガスを供給するガス供給装置と、管路を挟んで対向するように管路の外側に配置された高圧電極およびグランド電極を含み、高圧電極とグランド電極との間で誘電体バリア放電を行って管路を流れる水に対して連続的にプラズマ処理を施すためのプラズマ発生装置と、管路を流れる水を冷却するための冷却装置と、管路から流出する水を殺菌用液体として収容する容器と、を有して構成される。
【0020】
例えば、管路は、水平に対し傾斜して配置されており、管路の傾斜により水に作用する重力によって管路内を水が流れるように構成される。
【0021】
例えば、管路は、石英ガラスのような誘電体材料によって形成されており、プラズマ発生装置は、管路が誘電体バリア放電における誘電体として機能するように構成される。
【0022】
例えば、高圧電極およびグランド電極は、いずれも、断面が矩形であって、管路に沿って配置されかつ管路の幅に対応した幅を有し、高圧電極は管路の上方に配置され、グランド電極は管路の下方に配置される。
【0023】
例えば、冷却装置は、高圧電極およびグランド電極に接して配置された冷媒管路と、冷媒管路に冷媒を供給するための冷媒供給装置とを有する。
【0024】
例えば、管路は断面が円環状であって外部に対して閉じており、管路内には酸素ガスが実質的に存在しない状態である。
【0025】
例えば、グランド電極は、冷媒を流すための中空部を有するように形成され、グランド電極が冷却装置の一部を構成する。
【0026】
例えば、管路にヘリウムガスまたはアルゴンガスを供給するための放電ガス供給装置が設けられている。
【0027】
例えば、管路は、水平に対し傾斜可能な基台上において蛇行して設けられており、基台の水平に対する傾斜角度を可変することによって管路を流れる水の速さが調整されるようになっている。
【0028】
殺菌用液体の生成方法は例えば次のとおりである。
【0029】
すなわち、管路に水および窒素ガスを供給し、管路を流れる水を冷却装置によって直接的にまたは間接的に冷却しながら、管路を挟んで対向するように管路の外側に配置された高圧電極およびグランド電極によって誘電体バリア放電を起こし、当該誘電体バリア放電により生じたプラズマを管路を流れる水に対して連続的に接触させ、管路から流出する水を殺菌用液体として容器に収容する。
【0030】
例えば、管路を水平に対し傾斜して配置しておき、管路の傾斜により水に作用する重力によって前記管路の水を流す。
【0031】
例えば、管路の断面を円環状として外部に対して閉じた状態とし、かつ管路内に酸素ガスが実質的に存在しない状態とする。
【0032】
例えば、管路に供給する水に凝固点降下剤を入れて氷点を低下させておき、これを前記冷却装置によって0℃以下にかつ凍結しないように冷却する。
【0033】
例えば、管路に供給する水を、そのpHが4.8以下となるように予め調整しておく。
【0034】
殺菌用液体の他の生成方法は次のとおりである。
【0035】
すなわち、管路に氷および窒素ガスを供給し、管路の外側からプラズマを氷に照射し、プラズマの照射によって融解した水にプラズマをさらに照射してプラズマ処理を施し、プラズマ処理を施した水を殺菌用液体として容器に収容して取り出す。
【0036】
次に、殺菌用液体生成装置についての実施形態を説明する。
〔第一の実施形態〕
図1には本発明の第一の実施形態に係る殺菌用液体生成装置1の構成が模式的に示されており、
図2には殺菌用液体生成装置1を断面して左側から見た図が示されている。
【0037】
図1および
図2において、殺菌用液体生成装置1は、管路11、高圧電極12a、グランド電極12b、および冷却管路13a,13bなどから構成されたプラズマ処理機構PKを備える。
【0038】
また、プラズマ処理機構PKに高電圧Vc、水ML、ガスGS、および冷媒RBなどを供給するために、水容器21、水ポンプ22、水供給管路23、処理液容器24、窒素タンク31、ヘリウムタンク33、流量調整器32,34、ガス管路35、高圧電源41、冷却器51、および冷媒管路52a,52bなどが設けられている。
【0039】
管路11は、誘電体材料によって、円管状に、かつ長さ方向に沿って直線状に形成される。本実施形態においては石英ガラスにより形成されるが、これ以外に、種々の樹脂、セラミック、またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料を用いてもよい。
【0040】
管路11の直径(外径)は、例えば数ミリメートルないし十数ミリメートル程度、より詳しくは例えば6ないし10ミリメートル、より具体的には例えば10ミリメートル程度とすることができる。管路11の厚さを例えば1ミリメートルとすると、内径は例えば4ないし8ミリメートルということになる。管路11の長さは、例えば、数十センチメ−トルないし数メ−トル、具体的には例えば1メ−トル程度とすることができる。
【0041】
管路11は、その中を水MLが重力によって流れるよう、水平に対し角度αだけ傾斜して配置される。つまり、管路11の内部において、水MLは、他からの圧力によることなく、管路11の傾斜による水MLの重力のみによって、自由流としてほぼ一定の速さで流れる。ただし、管路11の内部におけるガスGSの圧力が水MLの流れに若干の影響を及ぼす場合もある。
【0042】
管路11の中において、水MLは、管路11の断面の全部を満たすのではなく、その底部側の一部のみを流れる。
【0043】
図3をも参照して、流路の有効断面における高さ(内径)がHである管路11において、水MLは、管路11の底から高さHMまでの空間を流れている。水MLの表面から管路11の頂点までの高さHGの空間は、後で述べる窒素(N2)やヘリウム(He)などのガスGSで満たされている。つまり、管路11の内部は、水ML、窒素ガス、ヘリウムガスで満たされており、酸素ガスは実質的には存在しない状態である。
【0044】
なお、水MLの高さHGは、管路11の高さHの5分の1ないし2分の1程度の範囲が好ましい。水MLの体積に対する表面積が大きいほど、プラズマによる活性種が水MLと接触し易くなり、活性種が水MLの中に拡散し易くなる。水MLの高さHGが高さHの2分の1の場合に水MLの表面積が最大となり、それ以上に水MLが増えると表面積が減少する。水MLの高さHGが余りに小さい場合には、流量が少なくなり、処理液MLpの生成量が低下する。
【0045】
また、管路11を水MLが流れ易くなるように、その内壁に酸化チタンなどによって親水処理を施しておいてもよい。この場合に、プラズマPMによって生成される活性種に影響がでないようにすることが好ましい。また、管路11に水MLを流す前に放電を行わせ、放電に晒すことによって親水処理を施してもよい。
【0046】
高圧電極12aおよびグランド電極12bは、いずれも、銅またはアルミニウムなどの金属材料を用いて長い棒状に形成されたものである。これらは、断面が矩形であり、つまり板状ないしは角棒状であって、管路11の流路の幅と同じ程度の幅を有する。
【0047】
高圧電極12aおよびグランド電極12bは、管路を挟んで対向するように、管路11の外側に管路11に沿って配置される。つまり、高圧電極12aは管路11の上方に接触して配置され、グランド電極12bは管路11の下方に接触して配置される。グランド電極12bを下方に配置することによって、プラズマ処理機構PKの設置が容易となる。しかし、グランド電極12bを上方に配置し、高圧電極12aを下方に配置してもよい。
【0048】
高圧電極12aとグランド電極12bとの間に、後で述べる高圧電源41によって高電圧が印加され、これによって高圧電極12aとグランド電極12bとの間で誘電体バリア放電が行われる。誘電体バリア放電によって生成されたプラズマPMが、プラズマが管路11を流れる水MLと接触することにより、水MLにプラズマ処理が施される。
【0049】
冷却管路13a,13bは、熱伝導性の良好な金属材料によって管状に形成され、内部を冷媒RBが流れる。冷媒RBは、水MLの流れる方向とは逆の方向に流れる。つまり、被冷却液である水MLと冷媒RBとの流れを対向させる。
【0050】
冷媒RBとして、水、氷水(氷で冷やした水)、凝固点降下剤などにより氷点を低下させた水、または、フルオロカ−ボンやアンモニアなどの冷媒ガスなどが用いられる。冷却管路13a,13bは、高圧電極12aまたはグランド電極12bに接触しており、これら高圧電極12aおよびグランド電極12bを冷却するとともに、管路11を介して間接的に水MLを冷却する。
【0051】
これら管路11、高圧電極12a、グランド電極12b、冷却管路13a,13bを束ねて保持するために、図示しない適当な保持装置が用いられる。保持装置は、例えば、管路11、高圧電極12a、グランド電極12b、冷却管路13a,13bの全部を取り囲む枠部材を備え、それらが互いに接触するように上方または下方からネジ部材または弾性部材によって押し付けるように構成すればよい。このような保持部材を、プラズマ処理機構PKの長手方向の複数箇所に配置すればよい。また、保持部材が、管路11を含むプラズマ処理機構PKに傾斜角度αを与えるように構成すればよい。
【0052】
また、適当な粘着テープまたはカプトンテープ(登録商標)などをそれらに巻き付けることによって、また熱収縮チューブを用いることによって、プラズマ処理機構PKを一体に保持することも可能である。
【0053】
水容器21には、水MLが収容されている。水MLとしては、純水、超純水、または水道水などが用いられる。または、それらに酢酸(CHCOOH)やクエン酸(C6 H8 O7 )などの酸性液を追加してpHを低下させた液体、塩化カルシウム(CaCl2 )や塩化ナトリウム(NaCl)などの塩を凝固点降下剤として追加した液体、生理食塩水、その他の液体または水溶液などが用いられる。
【0054】
水MLのpHは、プラズマ処理を行うことによって低下するが、後で述べるように予めできるだけ低くしておくことが、処理液MLpの殺菌活性の寿命の点から好ましい。例えば、pHが4.8以下となるように予め調整しておく。または、pHが4.5以下となるように、さらにはpHが2程度となるように調整しておいてもよい。実用的には、pHが3以下となるように調整しておけばよい。
【0055】
水ポンプ22は、水容器21に収容された水MLを所定の流量で送り出し、水供給管路23を介して管路11の流入側(上流側)に供給する。水ポンプ22は、例えばモータで駆動され、モータの速度制御によって吐出流量が制御されるものを用いることができる。そのような水ポンプ22の一例として、ATTO社が販売するPERISTA PUMPを用いることができる。
【0056】
水ポンプ22によって管路11に供給する水MLの量は、例えば、十分の数ml/minないし数ml/min程度、より詳しくは例えば0.3ないし3.0ml/min程度、より具体的には例えば2ml/min程度とすることができる。
【0057】
処理液容器24は、管路11から流れ出た水MLを受け入れ、それを処理液MLpとして収容する。このように生成された処理液MLpは、本発明における「殺菌用液体」の例である。処理液容器24は、図示しない冷却装置などによって冷却して低温に維持しておくことが望ましい。
【0058】
例えば、処理液容器24を金属材料で作製して基台の上に載置する。その基台には冷媒管路52aを通過させ、これによって基台を冷却し、冷却された基台によって処理液容器24を冷却する。
【0059】
なお、管路11から流出する水MLを処理液容器24によって確実に受けるために、管路11の流出口(下流端)にエルボなどの適当な配管部材を取り付けておいてもよい。
【0060】
図4には管路11の流出側における水MLの排出のための配管構造の例が示されている。
【0061】
図4において、管路11の流出口には、シリコンゴムなどの軟質樹脂からなる栓111が設けられる。栓111には、その外周の一部に軸方向に沿う溝111aが設けられ、溝111aが下方となるように管路11に挿入される。また、管路11には、流出口が下方を向くように、エルボ112が接続される。処理液容器24は、エルボ112の流出口の下方に配置される。管路11を流れてきた水MLは、溝111aを通ってエルボ112の流出口から落下(滴下)する。管路11に供給されたガスGSは、その一部が溝111aを通り、エルボ112の流出口から大気に放出される。
【0062】
管路11内の水MLは、その傾斜角度αに応じた速さで流れ、流出口において滞ることなく溝111aを通って流れ出る。水MLの流れ出る分を、水ポンプ22からの供給によって補う。
【0063】
このような栓111、溝111a、およびエルボ112などは、例えば合成樹脂などを用いて一体的に成形することも可能である。
【0064】
なお、管路11の流出口を高圧電極12aおよびグランド電極12bから引き出す必要がある場合には、引き出した部分に
図4に示す補助電極121a,121bを設け、これら補助電極121a,121bによっても誘電体バリア放電が生じるようにしておくのが望ましい。補助電極121a,121bによって、管路11内の水MLに対するプラズマ処理を効率良く行える。補助電極121a,121bとしては、例えば、導電性テープ、銅箔、または銅板などを用い、これを管路11の表面に貼り付けておくことでもよい。補助電極121aは高圧電極12aと、補助電極121bはグランド電極12bと、それぞれ接続しておけばよい。
【0065】
また、処理液容器24として、またはそれに代えて、処理液MLpを受けてそれを連続的に他の場所に移送する装置を用いてもよい。また、処理液MLpを受けて、その場でリアルタイムで所定量ずつ適当な容器に充填してパッキングを行う装置を用いてもよい。また、処理液MLpを受けてそれを急速に冷凍し、所定量ずつの結氷体(凍結して氷状になったもの)とするための装置を用いてもよい。
【0066】
窒素タンク31は、活性種生成用のガスである窒素を、例えば液体窒素または高圧窒素として収容する。ヘリウムタンク33は、プラズマ生成用(放電用)のガスであるヘリウムを、例えば液体ヘリウムまたは高圧ヘリウムとして収容する。流量調整器32,34は、それらのガスGSの流量を、それぞれ、設定した流量となるように調整する。流量調整器32,34の一例として、KOFLOC社が販売するマスフロ−コントロ−ラを用いることができる。
【0067】
窒素タンク31およびヘリウムタンク33からのガスGSは、流量調整器32,34でそれぞれの流量が調整されたうえで、ガス管路35において混合され、管路11の流入側に供給される。ガス管路35と管路11とは、ガスGSが外部に洩れないように配管部材などによって連結されている。
【0068】
例えば、流量調整器32,34のそれぞれの出力側を、ティ−または適当なマニホールドを用いて合流させて1本のガス管路35とし、これを管路11の流入側に配管接続する。ガス管路35の先端部を、ティ−または適当なマニホールドを用いて管路11に接続し、そこに水供給管路23の先端部を接続する。これによって、ガスGSとともに水MLを管路11に同時に供給する。
【0069】
なお、窒素タンク31、流量調整器32、およびガス管路35などが、本発明における「ガス供給装置」の例であり、ヘリウムタンク33、流量調整器34、およびガス管路35などが、本発明における「放電ガス供給装置」の例である。本実施形態では、ガス管路35において、ヘリウムガスに窒素ガスを1%程度混合する。活性種生成用のガスとして窒素のみが用いられ、酸素は用いられない。つまり、管路11に酸素ガスを供給しないので、管路11の内部に酸素は実質的には存在しない状態である。
【0070】
図5には水供給管路23とガス管路35と管路11との配管構造の例が示されている。
【0071】
図5において、管路11の流入口に、ニプル351を介してティ−352が接続される。ティ−352の1つの開口部は、シール性のあるプラグ353が挿入され、そこに設けられた穴を樹脂チューブなどからなる水供給管路23が貫通し、管路11の中に至っている。プラグ353と水供給管路23との間は密封されている。
【0072】
ティ−352の他の1つの開口部には、継手ニプル354が接続されている。継手ニプル354は、例えば、チューブインサート部を有し、そこに挿入された樹脂チューブなどからなるガス管路35を、スリーブおよび袋ナットにより締め付けて固定する。
【0073】
なお、管路11に供給される窒素の流量は、例えば数十ないし百数十ml/min程度、より具体的には例えば50ml/min程度とすればよい。管路11に供給されるヘリウムの流量は、例えば数百ないし千数百ml/min程度、より具体的には例えば500ml/min程度または1000ml/min程度とすればよい。
【0074】
管路11の内部におけるガスGSの圧力は、ほぼ大気圧である。
【0075】
本実施形態ではヘリウムガスを用いたが、アルゴンガスでもよい。また、次に述べる高電圧Vcを高くして電界強度を上げることによって、ヘリウムガスなどがなくても誘電体バリア放電を起こすことが可能である。したがって、誘電体バリア放電が生起するのであれば、ヘリウムガスなどの放電用のガスはなくてもよい。
【0076】
次に、高圧電源41は、所定の周波数を有するパルス列状の高電圧Vcを発生する。高電圧Vcは、電圧値が例えば10kV程度であり、周波数が例えば10kHz程度である。高電圧Vcの電圧値および周波数などは、これ以外の種々の値であってもよい。
【0077】
高圧電極12aとグランド電極12bとの間に、時間的に変化する高電圧Vcが印加されることにより、管路11の中に誘電体バリア放電が生じる。このとき、管路11それ自体が、誘電体バリア放電における誘電体として機能する。管路11の内部において、誘電体バリア放電によって生じたプラズマPMが水MLに接触し、水MLに対してプラズマ処理が行われる。
【0078】
すなわち、誘電体バリア放電により生じたプラズマPMにより活性種が発生し、その活性種が水MLに接触して水MLの中に拡散する。活性種として、特にスーパーオキシドアニオンラジカル(O2 - ・)およびその誘導体(または前駆体)が重要である。活性種が水MLの中に拡散することによって、処理液MLpとなる。
【0079】
処理液MLpは殺菌力を有し、その殺菌力が持続する。処理液MLpの殺菌力には、スーパーオキシドアニオンラジカルの酸解離平衡が関与している。つまり、処理液MLpの中のスーパーオキシドアニオンラジカルおよびその誘導体(または前駆体)が存在し、誘導体が徐々にスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させることで、殺菌活性が持続されるものと考えられる。
【0080】
なお、活性種を水MLに接触させる方法として、プラズマPMを水MLに直接に接触するよう照射するのがよい。しかし、プラズマPMが水MLに直接に接触しない場合でも、活性種を電気泳動させて水MLに接触させることができる。この場合には、グランド電極12bから高圧電極12aに向かう電界を発生させ、マイナスイオンである活性種を電界によって水MLの方へ移動させる。
【0081】
処理液MLpにおける殺菌効果を高めるために、処理液MLpを対象物に適用するまでにそのpHを4.8以下とする必要がある。処理液MLpを処理液容器24に収納した時点でpHを4.8以下に調整してもよく、処理液MLpを殺菌のために対象物に使用するときにpHを4.8以下に調整してもよい。また、水容器21に収容した水MLのpHを予め4.8以下に調整しておいてもよい。なお、処理液MLpのpHを4.5以下に調整してもよい。
【0082】
このように処理液MLpのpHを調整するために、適当なpH調整装置を用いればよい。pH調整装置における調整の方法には、例えば、水MLまたは処理液MLpの中に、酸または酸性を示す塩を投入したり、炭酸ガスを吹き込むなどの方法がある。例えば、食品に使用されるクエン酸や酢酸などの酸性液を投入すればよい。このようにpHが調整されて酸性になると、水MLの中のプロトン(水素イオン)H+ が増加した状態となる。
【0083】
冷却器51は、本発明における「冷媒供給装置」の例であり、冷却能力を持った冷媒RBを冷媒管路52aに送り出し、冷却管路13a,13b内を流通させ、高圧電極12aおよびグランド電極12bを介して管路11内の水MLを冷却する。
【0084】
また、上に述べたように、適当な基台などを用いて処理液容器24および処理液MLpを冷却する。さらには、冷媒管路52bを利用して水容器21および水供給管路23を冷却し、管路11に供給する水MLを予め冷却してもよい。
【0085】
冷却器51として、圧縮機などのように冷凍サイクルを実現する装置を用いることができる。その場合には、冷媒RBとしてフルオロカ−ボンやアンモニアなどの冷媒ガスが用いられる。また、冷却器51として、製氷機、または製氷した氷を用いることができる。この場合には、冷媒RBとして、氷水、凝固点降下剤により氷点を低下させた水、その他の水溶液などを用い、これをポンプで送り出す。
【0086】
冷却器51および冷媒管路52a,52bによって、冷却装置RSが構成される。
【0087】
冷却装置RSによって、プラズマPMによって温度が上昇する水MLを、室温程度にまで低下させ、または20℃以下に低下させ、さらには2℃程度にまで低下させることができる。使用する冷媒RBによっては、水MLを、凍結直前の温度にまで低下させることができる。水MLが通常の水であれば0℃近辺にまで、氷点を低下させた水であればその氷点近辺にまで、温度を低下させることが可能である。
【0088】
例えば、凝固点降下剤により氷点を低下させた水MLを、0℃以下にかつ凍結しないように冷却する。例えば、アルコールを添加した水MLを、液体の状態でマイナス20℃程度に冷却し、この状態でプラズマ処理を行う。水MLおよび処理液MLpをできるだけ低温に維持しておくことにより、活性種の濃度の高い処理液MLpを生成することができ、かつ殺菌活性の寿命を延ばすことができる。
【0089】
すなわち、活性種が拡散した状態の処理液MLpは、上に述べたように殺菌活性がある。しかし、処理液MLpの殺菌活性は時間とともに失われていく。処理液MLpを生成するために、そして処理液MLpの殺菌活性の寿命を延ばすために、処理液MLpの温度を下げることが重要であることが、実験を進める中で分かってきた。
【0090】
すなわち、
図6には処理液MLpの放置時間と殺菌活性との関係が、
図7には処理液MLpの温度と活性種の半減時間との関係が、
図9には温度に対する活性種の凡その半減時間が、
図8には処理液MLpの温度と活性種の最大到達濃度との関係が、それぞれ示されている。
【0091】
図6に示すように、殺菌活性は、処理液MLpが生成されてから時間の経過とともに指数関数的に減少する。
図6に示す殺菌活性の時間変化から、殺菌活性種の半減時間を計算し、それぞれ実験系の温度を調整して求めた殺菌特性の半減時間の温度依存が
図7に示されている。
【0092】
図7および
図9に示すように、処理液MLpの温度〔℃〕が、25、20、19、15、−18、−30である場合に、活性種の半減時間は、0.8分、1.91分、2.2分、4.3分、2.9日、21日である。
【0093】
図7によると、処理液MLpの温度を下げることで、殺菌活性の半減時間がほぼ直線的に延びることが分かる。これは、反応速度の対数が温度に比例するというアレニウスの式にも沿っている。
【0094】
図7から分かるように、温度を10℃程度まで下げると、半減時間は10分程度となり、処理液MLpを用いた殺菌処理を行う場合の実用的な時間を確保することができる。
【0095】
処理液MLpの温度を下げると活性種の半減時間が長くなることから、プラズマによって単位時間当たりに同じ量の活性種を供給したとしても、活性種の最終の到達濃度が変わってくる。つまり、例えば半減時間が短い場合には、活性種を供給している間に活性種がどんどん消失していくので、濃度上昇が見られ難くなる。活性種の最大到達濃度の温度依存を計算したものが
図8に示されている。
【0096】
図8によると、活性種の単位時間当たりのwの供給量を1μM/minとし、処理液MLpの温度〔℃]が、25、20、15、10、5、0である場合に、活性種の最終到達濃度〔μM〕は、1.2、2.8、6.3、18.8、43.1、107である。
【0097】
図8によると、温度の低下とともに指数関数的に最大到達濃度が上昇することが分かる。したがって、処理液MLpまたは管路11を流れる水MLの温度を下げることによって、活性種の濃度の高い処理液MLpが生成される。
【0098】
このように、処理液MLpを生成してから対象物に適用するまでの時間は、できるだけ短い方がよい。例えば、25℃程度の室温においても、処理液MLpを生成してから1分程度以内で適用することにより、十分な殺菌処理を行うことが可能である。
【0099】
しかし、水MLおよび処理液MLpの温度を10℃以下とすることにより、処理液MLpを適用して殺菌処理を実施するに必要な時間を確保することができる。つまり、処理液MLpを生成し保存するに当たり、水MLおよび処理液MLpをできるだけ低温に維持することが重要である。
【0100】
水MLまたは処理液MLpを10℃以下の低温となるよう冷却し保持するために、上に述べた冷却装置RSを用いるのである。
【0101】
また、生成された処理液MLpをさらに長期保存するためには、処理液MLpを凍結させて結氷体とし、それをマイナス18℃以下の温度、さらにはマイナス30℃以下の温度で冷凍保存すればよいことが分かっている。
【0102】
次に、処理液MLpおよびその結氷体の殺菌活性に関して行った実験結果について説明する。
【0103】
図10には処理液MLpの冷凍温度と殺菌効果との関係が、
図11には処理液MLpの保存時間と殺菌力との関係が、それぞれ示されている。
【0104】
この実験では、処理液MLpを急速冷凍して複数個の結氷体を作製した。結氷体を、マイナス18℃、マイナス30℃、マイナス85℃の各温度でそれぞれ冷凍保存し、一定時間後にそれぞれを氷上で解凍し、菌液・酸性バッファーと混合し、5分間室温で放置し、段階希釈を行い、プレートに蒔いて培養し、コロニーカウントを行った。
【0105】
図10および
図11によると、マイナス18℃で保存した場合には、殺菌力が日時の経過とともに徐々に低下し、およそ2週間で殺菌活性はほとんど見られなくなった。
【0106】
これに対し、マイナス30℃以下で保存した場合には、2週間後でも殺菌活性は高いままの状態が保たれていた。
【0107】
このことから、処理液MLpを冷凍し、例えばマイナス30℃以下で保存することにより、殺菌活性を保持したまま輸送および貯蔵が可能であるといえる。
〔実験例1〕
上に述べた殺菌用液体生成装置1の試作機を用いて処理液MLpを生成する実験を行った。
【0108】
試作機の管路11の外径は10ミリメートル、内径は8ミリメートル、長さは約1メートルである。管路11の流出口から流れ出る処理液MLpの流量は、約2ml/min程度であり、水ポンプ22の吐出流量を約2ml/min程度に設定する。この場合に、管路11内の水MLの流量は約2ml/min程度となる。管路11内において水MLが滞在する時間Tp、つまり水MLがプラズマPMの照射を受ける時間Tpは、約2分程度とした。
【0109】
冷却器51において、氷で冷やした水をポンプで送り出し、冷媒管路52aから冷却管路13a,13bに冷却水として氷水を供給して流した。
【0110】
生成された処理液MLpについて、DPD試薬を用いて殺菌活性種の濃度を測定した。また、比較のため、冷却水を流さなかったときに生成された処理液MLpについても同様に測定した。
【0111】
図12には生成された処理液MLpのDPD試薬による吸光度を測定した結果が示されている。
【0112】
図12において、冷却水を流さなかった場合では吸光度が約3.5程度であるが、氷水を流した場合では、吸光度が約14程度であり、約4倍程度の高濃度の処理液MLpが生成された。これは、処理液MLpを数十倍に希釈しても107 cfu/mlの菌液を無菌化できる程度の殺菌力である。
【0113】
なお、ここで表記している吸光度とは、希釈して測定した吸光度を希釈倍率で割り算して原液相当の値に変換した値である。一般的に吸光度は4程度までしか測定が行えないために、実験の都合上、処理液MLpを超純水で希釈して測定を行う必要があり、測定装置で得られた吸光度を希釈倍率から原液相当の値に換算することで規格化を行ったものである。
【0114】
なお、この実験において、冷却器51から氷水を供給した場合の冷却管路13a,13bの入口温度は0℃、出口温度は2℃、生成された処理液MLpの温度は16〜17℃であった。冷却水を流さなかったときに生成された処理液MLpの温度は29〜32℃であった。
【0115】
また、冷却水として、室温(20℃)の水を用いた場合に、冷却管路13a,13bの入口温度は20℃、出口温度は21℃、生成された処理液MLpの温度は25〜26℃であった。
【0116】
管路11を流れる水MLをより低温に冷却することによって、殺菌活性種の濃度を飛躍的に高くすることができた。
〔第二の実施形態〕
図13には本発明の第二の実施形態に係る殺菌用液体生成装置1Bのプラズマ処理機構PKBの構成が模式的に示されている。
【0117】
図13において、殺菌用液体生成装置1Bは、グランド電極12Bbが冷却管路13Bbを兼ねている。つまり、グランド電極12Bbには、冷媒を流すための中空部121を有するように形成され、中空部121を冷媒RBが流れる。したがって、グランド電極12Bbは、冷却装置RSの一部を構成する。
【0118】
なお、誘電体バリア放電が管路11内においてできるだけ拡がるように、グランド電極12Bbの形状を矩形状とした。しかし、誘電体バリア放電が管路11内に十分に拡がるのであれば、グランド電極12Bbを他の形状、例えば半円環状、円環状、楕円環状などとしてもよい。
【0119】
第二の実施形態の殺菌用液体生成装置1Bにおける他の部分の構成および機能は、第一の実施形態の殺菌用液体生成装置1と同様である。したがって、それらについては説明を省略する。
【0120】
第二の実施形態のプラズマ処理機構PKBによると、グランド電極12Bbが冷却管路13Bbを兼ねているので、構成が簡略化され、しかも、グランド電極12Bbによって直接に管路11を冷却するので、冷却効果が高い。
【0121】
なお、高圧電極12Baについても、グランド電極12Bbの場合と同様に冷却管路を兼ねるようにしてもよい。
〔第三の実施形態〕
図14および
図15には本発明の第三の実施形態に係る殺菌用液体生成装置1Cのプラズマ処理機構PKCの構成が模式的に示されている。
【0122】
図14および
図15に示すプラズマ処理機構PKCにおいて、管路11Cは、水平に対し傾斜可能な基台61上において蛇行して設けられている。基台61の水平に対する傾斜角度βを可変することによって、管路11Cを流れる水の速さが調整される。
【0123】
すなわち、板状の基台61には、その下面に調整脚部62が設けられ、調整脚部62によって、水平面上に置いたときに傾斜角度βを調整することができる。基台61の上面には、その表面に沿って、管路11Cが蛇行して設けられている。
【0124】
傾斜角度βが0度のときには管路11Cの傾斜角度αも0度であるが、傾斜角度βが増大するにしたがって、管路11Cの傾斜角度αも増大する。その場合に、傾斜角度βの変化量に対して傾斜角度αの変化量が小さいので、傾斜角度αを精密に調整することができる。
【0125】
高圧電極12Caおよびグランド電極12Cbは、管路11Cを挟んで対向するように配置される。高圧電極12Caは、管路11Cの上方において管路11Cに沿って配置される。グランド電極12Cbは、管路11Cの全体をカバーする大きさの矩形の板状のものであり、管路11Cの下方に配置される。
【0126】
冷却管路13Ca,13Cbは、高圧電極12Caまたはグランド電極12Cbに接触して配置される。
【0127】
第三の実施形態の殺菌用液体生成装置1Cにおける他の部分の構成および機能は、第一の実施形態の殺菌用液体生成装置1と同様である。したがって、それらについては説明を省略する。
【0128】
第三の実施形態のプラズマ処理機構PKCによると、少ない設置面積であっても管路11Cの長さを長くすることができ、一層効率良くプラズマ処理を行うことができる。しかも、調整脚部62によって傾斜角度βを調整することにより、管路11Cの傾斜角度αを精密に調整することができる。
【0129】
上に述べた実施形態において、管路11,11B,11Cの寸法および形状は、上に述べた以外に種々変更することができる。例えば、断面形状を、半円形、楕円形、矩形、多角形などとしてもよい。寸法を大きくすることにより、より多くの量の処理液MLpを生成することができる。
【0130】
例えば、
図16に示すプラズマ処理機構PKDのように、断面が矩形の管路11Dを用いる。管路11Dを矩形にすることによって、その中を流れる水MLの深さを横幅方向に対して一定にすることができ、プラズマ処理を均一に行うことができる。管路11Dの横幅を大きくしておくことにより、多量の水MLを広い表面積で流すことができ、プラズマ処理を効率的に行うことができる。
【0131】
管路11Dの上壁部115aおよび下壁部115bを誘電材料によって形成し、管路11Dの内部で誘電体バリア放電が生じるようにする。管路11Dの側壁部115c,dは、誘電率の小さい絶縁材料によって形成し、側壁部115c,dの部分で放電や短絡が生じないよう、また電界の低下が起こらないようにする。
【0132】
高圧電極12Daおよびグランド電極12Dbは、管路11Dの上壁部115aまたは下壁部115bに沿うように、断面で平板状に、長さ方向において帯状に形成する。
【0133】
高圧電極12Daおよびグランド電極1殺菌用液体生成装置1E2Dbを冷却するために、適当な形状の冷却管路を設けておく。
【0134】
このようなプラズマ処理機構PKDを用いることにより、処理液MLpを大量生産することが可能である。
【0135】
なお、管路11Dを、螺旋を描くように形成しておいてもよい。この場合には、螺旋の上端から水MLを供給し、下端から処理液MLpを排出する。
〔第四の実施形態〕
図17には本発明の第四の実施形態に係る殺菌用液体生成装置1Eのプラズマ処理機構PKDの構成が模式的に示されている。
【0136】
図17に示す殺菌用液体生成装置1Eにおいて、合成樹脂製の容器25に入った水MLが凍結して氷KLcとなっている。水MLのpHは、上に述べたように適当な値に調整されている。氷KLcの入った複数の容器25が、合成樹脂製のコンベア(コンベアベルト)26によって管路11Eの入口から内部に順次搬入される。管路11Eは、コンベア26および容器25が通過できるようにその断面が矩形状となっており、内部に窒素が供給されている。高電圧が印加された高圧電極12Eaとグランド電極12Ebとによって誘電体バリア放電が生じ、誘電体バリア放電によって生じたプラズマPMが、各容器25内の氷KLcに照射される。氷KLcにプラズマPMが照射されると、プラズマPMの熱によって氷KLcの表面が順次融解して液体MLに戻る。液体MLに対しても連続してプラズマPMが照射され、プラズマ処理が行われる。これにより、液体MLの中に活性種が拡散し、処理液MLpが生成される。容器25内の氷KLcが全て融解しかつ処理液MLpとなった後で、その容器25が管路11Eの出口から搬出される。つまり、管路11Eから搬出される容器25には、殺菌用液体としての処理液MLpが収容されていることとなる。
【0137】
殺菌用液体生成装置1Eによると、処理液MLpの生成を0℃近辺の温度で行うことができ、活性種の濃度の高い結氷体MSを連続的に効率よく生成することができる。しかも、氷KLcが冷却装置の代わりとなるので、装置が簡略化される。
【0138】
なお、処理液MLpを収容した容器25は、上に述べたような適当な基台などを用いて冷却しておけばよい。また、容器25の開口部に蓋をして密閉することにより、容器25内の処理液MLpを離れた場所に搬送することができる。
【0139】
また、管路11Eから搬出された容器25を冷却し、その中に収容された処理液MLpを急速冷凍して結氷体としてもよい。処理液MLpを結氷体とすることにより、より長期の保存が可能になる。この場合には、処理液MLpの生成から結氷体MSの生成まで、その処理を1つの同じ容器25内で行うことができる。結氷体は、殺菌処理を行う処置現場において解凍して処理液MLpに戻し、これを対象物に適用すればよい。
【0140】
殺菌用液体生成装置1Eにおいて、氷KLcの融解および水MLのプラズマ処理が順次円滑に行われるように、容器25、管路11E、高圧電極12Ea、グランド電極12Ebなどの寸法、コンベア26の速度などを調整しておけばよい。
【0141】
また、容器25をコンベア26によって搬送するのではなく、管路11Eの入口から容器25を1つづつ順次適当なタイミングで押し込み、これにともなって管路11Eの出口から容器25を1つづつ押し出すようにしてもよい。
【0142】
容器25および管路11Eとして、種々の形状、寸法、および材質のものを用いることができる。
〔フローチャートによる説明〕
次に、殺菌用液体生成装置1,1B,1Cを用いた殺菌用液体の生成方法の概要について、フローチャートによって説明する。
【0143】
図18において、プラズマ処理機構の冷却を行い(#11)、ガスGSを供給し(#12)、誘電体バリア放電を起こして管路11内でプラズマを生成し(#13)、水MLを流し(#14)、処理液MLpを処理液容器24に収容する(#15)。
【0144】
なお、ステップ#11〜14の処理の開始順序は入れ替わってもよく、互いに同時でもよい。
〔その他〕
上に述べた実施形態の殺菌用液体生成装置1,1B,1C、1Eによると、処理液MLpを連続的に効率よく生成することができる。
【0145】
また、管路11は外部に対して閉じており、管路11の内部には水MLと窒素ガスおよびヘリウムガスのみが存在し、酸素ガスは実質的に存在しない。したがって、オゾンが発生することがなく、オゾンによる処理液MLpへの悪影響が生じない。
【0146】
上に述べた実施形態において、高圧電極12aおよびグランド電極12bの寸法および形状は、上に述べた以外に種々変更することができる。例えば、管路11,11B,11C、11Eの表面に沿った形状とすることができる。その場合に、これら電極として、導電性テープ、銅箔、または銅板などを用い、これを管路11,11B,11C、11Eの表面に貼り付けておいてもよい。
【0147】
また、高圧電極12aおよびグランド電極12bの配置を、上に述べた以外の配置とすることも可能である。例えば、高圧電極12aを下方に配置し、グランド電極12bを上方に配置してもよい。また、高圧電極12aおよびグランド電極12b管路11の左右両側に配置することも可能である。
【0148】
上に述べた実施形態において、冷却管路13a,13bの寸法および形状は、上に述べた以外に種々変更することができる。また、冷却装置RSとして、ペルチェ素子などを用いた電子冷却装置を用いることも可能である。その場合には、ペルチェ素子などを高圧電極12aまたはグランド電極12bに貼り付けておき、または管路11の側面に貼り付けておいてもよい。
【0149】
上に述べた実施形態において、管路11,11B〜E、高圧電極12a、グランド電極12b、冷却管路13a,13b、プラズマ処理機構PK,PKB,PKC,PKD、PKE、水容器21、処理液容器24、容器25、高圧電源41、冷却器51、または殺菌用液体生成装置1,1B,1C、1Eの各部または全体の構成、構造、形状、サイズ、個数、材質、配置などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
【0150】
また、水MLまたはガスGSの種類、成分、温度、圧力、速度などは、本発明の主旨に沿って適宜選択することができる。