特許第6027488号(P6027488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日清製粉グループ本社の特許一覧 ▶ 株式会社イシダの特許一覧

<>
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000002
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000003
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000004
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000005
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000006
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000007
  • 特許6027488-生産進捗監視システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027488
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】生産進捗監視システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20161107BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20161107BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
   G06Q50/04
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-99807(P2013-99807)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-219889(P2014-219889A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2015年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】新村 知大
(72)【発明者】
【氏名】浅井 信孝
(72)【発明者】
【氏名】千葉 仁司
(72)【発明者】
【氏名】宗利 浩文
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 惣
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−11437(JP,A)
【文献】 特開2011−90595(JP,A)
【文献】 特開平11−245144(JP,A)
【文献】 特開2001−42919(JP,A)
【文献】 特開2014−219884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引先毎に食品受注アイテムの生産の進捗状況を表示する表示部を備える生産進捗監視システムであって、
前記取引先毎に、前記食品受注アイテム毎の受注数、前記食品受注アイテム毎の受注数の合計である全受注数、前記食品受注アイテムの盛付包装の終了予定時刻、該盛付包装の終了予定時刻よりも所定時間前の目安時刻を記憶する受注情報記憶部と、
前記取引先毎に、前記食品受注アイテム毎の生産実績及び前記食品受注アイテム毎の生産実績の合計である全生産実績を記憶する生産実績記憶部と、
前記取引先毎に、前記受注情報記憶部に記憶されている前記全受注数と前記生産実績記憶部に記憶されている前記全生産実績とに基づいて生産進捗状況を示す値の算出を行なう算出部と、
前記取引先の目安時刻になったときに、前記算出部により算出された、該取引先の生産進捗の状況を示す値に基づき、該取引先の前記食品受注アイテムの前記全受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において該取引先に関して前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の注意表示を行う表示制御部と
を備えることを特徴とする生産進捗監視システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示部に前記生産実績記憶部に記憶されている前記食品受注アイテムの生産実績に基づいて、該取引先の生産が終了していない前記食品受注アイテムの表示を行なうことを特徴とする請求項1記載の生産進捗監視システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、該取引先の終了予定時刻になったときに、前記生産進捗の状況を示す値に基づき、該取引先の前記食品受注アイテムの前記全受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において該取引先に関して前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の警告表示を行うことを特徴とする請求項1または2記載の生産進捗監視システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示部に前記取引先ごとの終了予定時刻、出荷予定時刻、前記食品受注アイテム毎の受注数の合計である全受注数、前記食品受注アイテム毎の生産実績の合計である全生産実績を表示すると共に、前記食品受注アイテムの生産実績進捗状況を示す値をリアルタイムで表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の生産進捗監視システム。
【請求項5】
前記生産実績記憶部は、前記取引先毎に、前記生産進捗の状況を示す値が前記食品受注アイテムの前記全受注数の生産が終了したことを示す値となった時刻である終了実績時刻を更に記憶し、
前記表示制御部は、前記生産実績記憶部に前記終了実績時刻が記憶された際に、前記終了予定時刻に代えて、前記終了実績時刻の表示を行うことを特徴とする請求項4記載の生産進捗監視システム。
【請求項6】
前記食品受注アイテムの包装に貼り付けるラベルの出力を行なうラベラーを備え、
前記ラベラーにより出力されたラベルの数に基づいて、前記食品受注アイテムの生産実績の計数を行なうことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の生産進捗監視システム。
【請求項7】
前記表示部は、前記食品受注アイテムの調理を行う調理室及び前記食品受注アイテムの盛付包装を行なう盛付包装室のそれぞれに設置されることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の生産進捗監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品生産の進捗状況を監視する生産進捗監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生産の進捗状況を監視するシステムとして封筒内に書類を封入する封入機を複数台設置している工場内において、各封入機による生産数、進捗率、総目標生産数等を大型モニターに表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−174019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、惣菜の生産を行なう工場においては多数の取引先へ多種類の惣菜を出荷し、更に惣菜は取引先ごとに量目、配合、出荷時刻等が異なるため、工場では惣菜の多品種少量生産が行なわれている。また工場内は、衛生面を考慮して食材を調理する調理エリアと調理された食品を盛付包装する包装エリアとに区切られ、各エリアを作業員が行き来することが禁止されている。
【0005】
従って、上述のシステムのように大型モニターに生産数、進捗率、総目標生産数等を表示しても、作業員が惣菜の生産の進捗状況を十分に把握し難いという問題がある。更に調理エリアと包装エリアが区切られているため、包装エリア側の作業員は、次に何の惣菜を包装すればよいかを予め把握することができず、また調理エリア側の作業員は、包装エリア側で惣菜の不足が判明した場合、何の惣菜が不足しているのかを即座に把握することができない等、作業員が他のエリアの進捗状況を把握できないことにより生産効率が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、工場内の作業員が生産の進捗状況を把握でき、生産効率を向上させる生産進捗監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生産進捗監視システムは、取引先毎に食品受注アイテムの生産の進捗状況を表示する表示部を備える生産進捗監視システムであって、前記取引先毎に、前記食品受注アイテム毎の受注数、前記食品受注アイテム毎の受注数の合計である全受注数、前記食品受注アイテムの盛付包装の終了予定時刻、該盛付包装の終了予定時刻よりも所定時間前の目安時刻を記憶する受注情報記憶部と、前記取引先毎に、前記食品受注アイテム毎の生産実績及び前記食品受注アイテム毎の生産実績の合計である全生産実績を記憶する生産実績記憶部と、前記取引先毎に、前記受注情報記憶部に記憶されている前記全受注数と前記生産実績記憶部に記憶されている前記全生産実績とに基づいて生産進捗状況を示す値の算出を行なう算出部と、前記取引先の目安時刻になったときに、前記算出部により算出された、該取引先の生産進捗の状況を示す値に基づき、該取引先の前記食品受注アイテムの前記全受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において該取引先に関して前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の注意表示を行う表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の生産進捗監視システムは、前記表示制御部が前記表示部に前記生産実績記憶部に記憶されている前記食品受注アイテムの生産実績に基づいて、該取引先の生産が終了していない前記食品受注アイテムの表示を行なうことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の生産進捗監視システムは、前記表示制御部が該取引先の終了予定時刻になったときに、前記生産進捗の状況を示す値に基づき、該取引先の前記食品受注アイテムの前記全受注数の生産が終了していないと判断した場合には、前記表示部において該取引先に関して前記食品受注アイテムの生産が終了していない旨の警告表示を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の生産進捗監視システムは、前記表示制御部が前記表示部に前記取引先ごとの終了予定時刻、出荷予定時刻、前記食品受注アイテム毎の受注数の合計である全受注数、前記食品受注アイテム毎の生産実績の合計である全生産実績を表示すると共に、前記食品受注アイテムの生産実績進捗状況を示す値をリアルタイムで表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の生産進捗監視システムは、前記生産実績記憶部が前記取引先毎に、前記生産進捗の状況を示す値が前記食品受注アイテムの前記全受注数の生産が終了したことを示す値となった時刻である終了実績時刻を更に記憶し、前記表示制御部は、前記生産実績記憶部に前記終了実績時刻が記憶された際に、前記終了予定時刻に代えて、前記終了実績時刻の表示を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の生産進捗監視システムは、前記食品受注アイテムの包装に貼り付けるラベルの出力を行なうラベラーを備え、前記ラベラーにより出力されたラベルの数に基づいて、前記食品受注アイテムの生産実績の計数を行なうことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の生産進捗監視システムは、前記表示部が前記食品受注アイテムの調理を行う調理室及び前記食品受注アイテムの盛付包装を行なう盛付包装室のそれぞれに設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、工場内の作業員が生産の進捗状況を把握でき、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態に係る惣菜生産の工程を示す図である。
図2】実施の形態に係る盛付包装ラインの構成を示す概略図である。
図3】実施の形態に係る生産進捗監視システムのシステム構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る出荷先及び便毎に記憶された各情報を示す図である。
図5】実施の形態に係る出荷先及び便に対応付けられた受注アイテムを示す図である。
図6】実施の形態に係る出荷先及び便に対応付けられた実績アイテムを示す図である。
図7】実施の形態に係る表示部に表示される進捗状況を示す画面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本実施の形態に係る生産進捗監視システムについて説明する。図1は実施の形態に係る生産進捗監視システム2(図3参照)が設置された惣菜の生産工場における惣菜調理の工程を示す図である。惣菜の生産工場内には、たとえば煮物類の生産を行なうエリアとサラダ類の生産を行なうエリアなど複数のエリアがあり、各エリアに調理エリアが設けられ、更に各調理エリアで生産された惣菜の盛付包装を行なう包装エリア、及び包装エリアで盛付包装された惣菜の仕分けを行なう仕分室が設けられている。
【0017】
たとえば煮物類を生産するエリアでは、図1に示すように、先ず入荷した肉、魚、野菜等の原料が調理エリアに運ばれる。そして調理エリアでは、原料処理室で各原料毎に洗浄や切断等の処理が行なわれ、加熱調理室で煮炊き等が行なわれて煮物類の惣菜が調理される。調理された煮物類の惣菜は、冷却室で冷却され、半製品として半製品冷蔵庫において保管される。
【0018】
半製品冷蔵庫に保管されている調理済みの惣菜は、出荷予定時刻に合わせて包装エリアに運ばれ、盛付包装室で作業員によって盛付、包装が行なわれる。盛付包装室には、図2に示す盛付包装ラインが複数設置されている。ここで盛付包装ラインにおいては多数の惣菜の盛付包装が順次行なわれる。
【0019】
図2に示すように盛付包装ラインには包装された惣菜を搬送するためのベルトコンベアー20が設けられており、矢印で示すベルトコンベアー20による惣菜の搬送方向の上流側のベルトコンベアー20の左右に作業員が盛付、包装作業を行なうための盛付包装台22が複数設けられている。また搬送方向の下流側に金属異物を検出する金属検出器24、異物を検出するX線検査器26、惣菜の包装に貼り付けるラベルを出力するラベラー14が順に配置されている。従って作業員が盛付包装台22で盛付、包装した惣菜をベルトコンベアー20に載せると、惣菜は金属検出器24、X線検査器26を順に通過して異物の検出が行なわれる。
【0020】
X線検査器26を通過した惣菜はラベラー14まで搬送され、ラベラー14において、搬送されてきた惣菜の包装にラベルの貼り付けが行なわれる。作業員は、ラベルが貼り付けられた惣菜を、番重に載せて仕分室に運び入れる。
【0021】
次に、本発明の実施の形態に係る生産進捗監視システムについて説明する。図3は実施の形態に係る生産進捗監視システム2のシステム構成を示すブロック図である。生産進捗監視システム2は、制御部4、記憶部6、入力部用表示部8、入力部10、通信部12を備え、更に複数のラベラー14(14a、14b、14c…)及び複数の表示部16(16a、16b、16c…)を備えている。
【0022】
制御部4は、生産進捗監視システム2の各部の動作を制御する。記憶部6は、図4に示すように出荷先(取引先)及び便(出荷便名)毎に目安時刻、終了予定時刻、出荷予定時刻、受注数、受注アイテム等の受注情報及び実績数、実績アイテム、終了実績時刻、進捗率等を記憶する記憶エリアを有している。入力部用表示部8は、記憶部6に記憶されている受注情報の変更等を行なう入力画面等を表示する。入力部10は、キーボードやマウス等を含み、入力画面等への入力を行なう。
【0023】
出荷先名、惣菜毎の受注数、納品日時等からなる受注情報は、入力部10から入力するか、通信部12によって、出荷先等からインターネット回線等を介して受信する。ラベラー14は、図2に示すように上記の盛付包装ライン1列に対して1台ずつ設置されている。表示部16は、例えば60インチのモニターであって、調理エリア及び包装エリアにそれぞれ配置され、惣菜の生産の進捗状況を示す画面を表示する。なお、表示部16は、各エリアに1台ずつではなく複数台配置してもよい。またエリアの大きさに応じて各エリアにおける表示部16の配置数を定めてもよい。
【0024】
次に生産進捗監視システム2に出荷先から受注情報が送信されてきた場合の処理について説明する。制御部4は、入力部10または通信部12を介して受注情報を取得し、受注情報に基づいて記憶部6の記憶エリアに受注情報の各項目を記憶させる。即ち、出荷先には受注情報に含まれる出荷先名が記憶される。また便には、受注情報に含まれる納品日時までに出荷先に到着する出荷便が記憶される。ここで出荷便は予め定められている出荷便毎の各出荷先への到着時刻を参照することにより特定される。出荷予定時刻には、上記で特定した出荷便に対応して定められている出荷時刻が記憶され、終了予定時刻には出荷時刻から所定時間前(例えば45分〜1時間前とする。)の時刻が記憶され、目安時刻には終了予定時刻から所定時間前(例えば1時間前とする。)の時刻が記憶される。
【0025】
受注数には、受注情報に含まれている惣菜毎の受注数の合計が記憶され、受注アイテムには、図5に示すように惣菜毎の受注数が記憶される。従って、例えば出荷先○○○○からひじき煮500個、白和え800個、ポテトサラダ600個、和総菜盛合せ4000個等を受注した場合には、受注アイテムの記憶エリアには図5に示すように惣菜毎の受注数が記憶される。
【0026】
なお、実績数には、盛付包装後にラベルが貼り付けられた惣菜毎の生産実績数の合計が記憶され、実績アイテムには惣菜毎の生産実績数が記憶される。従って惣菜の生産が開始されていない時点では、実績数には0が記憶され、実績アイテムの惣菜毎の生産実績数にも0が記憶される。また進捗率は、生産進捗の状況を示す値であって、出荷先及び便に対応付けられた全惣菜の受注数に対する当該全惣菜の生産の実績数の割合が記憶される。従って惣菜の生産が開始されていない時点では0が記憶される。終了実績時刻には生産進捗の状況を示す値が100%となった時刻が記憶される。
【0027】
次に惣菜の生産が開始された後の実績数、実績アイテム、進捗率について説明する。上記の包装エリアでは、調理エリアで生産された、受注情報に基づく惣菜の盛付包装が行なわれる。例えば図5に示す出荷先○○○○へ出荷する惣菜の盛付包装を行なう場合、盛付包装ラインでは、先ずひじき煮の盛付包装及びラベル貼りが行なわれる。その後盛付包装ラインでは、白和え、ポテトサラダ、和惣菜盛合せ等の出荷先○○○○へ出荷する他の惣菜の盛付包装及びラベル貼りが行なわれる。
【0028】
なお、全ての盛付包装ラインで一斉にひじき煮の盛付包装及びラベル貼りを行ない、終了後同様にして一斉に白和え等の他の惣菜1種の盛付包装及びラベル貼りを行なってもよく、また個々の盛付包装ラインにおいてそれぞれ異なる惣菜の盛付包装及びラベル貼りを行なうようにしてもよい。
【0029】
制御部4は、ラベラー14によってラベルを発行する毎に、記憶部6の実績アイテムにおける発行したラベルの惣菜の生産実績数の加算を行なう。従って、例えば出荷先○○○○に出荷する惣菜の盛付包装及びラベル貼りを行なっている場合、記憶部6の実績アイテムには、ラベルを発行する毎に、発行したラベルの惣菜の生産実績数の加算が行なわれ、図6に示すように、ひじき煮500個、白和え800個、ポテトサラダ600個、和惣菜盛合せ856個等の惣菜毎の生産実績数が記憶される。また制御部4は、惣菜毎の生産実績数の何れかが加算される毎に、惣菜毎の生産実績数の合計値を算出し記憶部6の実績数の記憶エリアに記憶させる。更に、記憶部6に記憶されている受注数及び実績数に基づいて生産の進捗率を算出し、記憶部6の進捗率の記憶エリアに記憶させる。
【0030】
制御部4は、惣菜の生産を行なっている間、記憶部6の各記憶エリアに記憶された内容等に基づいて生産の進捗状況を示す画面を全ての表示部16a、16b、16c…にリアルタイムで表示する。生産の進捗状況を示す画面には、図7に示すように納品日(現在の日付)、納品日に生産する全ての惣菜の全受注数、現時点で生産した全ての惣菜の全実績数、全受注数と全実績数とに基づく進捗率、現在時刻が表示され、また出荷先及び便毎の全惣菜の受注数、全惣菜の実績数、全惣菜の受注数と全惣菜の実績数に基づく進捗率、終了予定時刻、出荷予定時刻が表示される。また生産の進捗状況を示す画面には、必要に応じて生産が終了していない惣菜の種類数を示す残品数、生産が終了していない惣菜名を示すアイテムが表示される。なお、出荷先及び便に対応する受注数、実績数、進捗率、終了予定時刻、出荷予定時刻、残品数、アイテムは、出荷予定時刻が最も早い内容が最上部に表示されるように、上から下に出荷予定時刻が早い順に並べて表示される。
【0031】
制御部4は、記憶部6に記憶されている出荷先及び便に対応付けられた目安時刻の中で、現在時刻が目安時刻となったものがある場合には、該目安時刻が定められている出荷先及び便の進捗率、受注アイテム、実績アイテムを記憶部6から読み出す。制御部4は、読み出した進捗率が100%未満の場合、表示部16に表示している当該出荷先及び便の進捗率の欄及び終了時刻の欄を黄色で表示する等により惣菜の生産が終了していない旨の注意表示を行なう。
【0032】
また制御部4は、読み出した受注アイテムと実績アイテムとを比較し、生産が終了していない惣菜の種類数と惣菜名を特定する。制御部4は、表示部16に表示している当該出荷先及び便の残品数の欄に生産が終了していない惣菜の種類数を表示し、アイテムの欄に生産が終了していない惣菜名を表示する。例えば、現在時刻が図4に示す出荷先○○○○の1便に定められている目安時刻となった場合であって、和惣菜盛合せの生産だけが終了していない場合、図7に示すように表示部16の出荷先○○○○の1便の残品数の欄には1が表示され、アイテムの欄には和惣菜盛合せが表示される。
【0033】
なお生産が終了していないアイテムが複数ある場合、アイテムの欄には惣菜を1種ずつ表示し、所定時間経過毎に表示する惣菜名を切り替えることもできる。例えば、出荷先△△△△に出荷する惣菜の内、ひじき煮と白和えの生産が終了していない場合、図7に示す表示部16の出荷先△△△△の残品数の欄には2を表示し、アイテムの欄には例えばひじき煮、白和えを所定時間経過毎に交互に表示する等である。
【0034】
制御部4は、記憶部6に記憶されている出荷先及び便に対応付けられた終了予定時刻の中で現在時刻が終了予定時刻となったものがある場合、該終了予定時刻が定められている出荷先及び便の進捗率、受注アイテム、実績アイテムを記憶部6の記憶エリアから読み出す。制御部4は、読み出した進捗率が100%未満の場合、表示部16に表示している当該出荷先及び便の進捗率の欄及び終了時刻の欄を赤色に表示する等により終了予定時刻が経過しても惣菜の生産が終了していない旨の警告表示を行なう。また制御部4は、読み出した受注アイテムと実績アイテムとを比較し、現在時刻が終了予定時刻となった時点で生産が終了していない惣菜の種類数と惣菜名を特定し、表示部16に表示している当該出荷先及び便の残品数の欄に生産が終了していない惣菜の種類数を表示し、アイテムの欄に生産が終了していない惣菜名を表示する。
【0035】
また制御部4は、出荷先及び便に対応付けられた生産の進捗状況を示す値が100%になった場合には、記憶部6に生産の進捗状況を示す値が100%になった時刻を記憶させ、この出荷先及び便についての表示部16における表示を終了させる。
【0036】
この実施の形態に係る生産進捗監視システムによれば、表示部16を調理エリア及び包装エリアに配置し、表示部16に生産進捗の状況をリアルタイムで表示するので、調理エリア及び包装エリアにいる作業員に惣菜の生産の進捗状況を把握させることができ、生産効率を向上させることができる。
【0037】
また実施の形態に係る生産進捗監視システムによれば、現在時刻が目安時刻となったときに生産が終了していない惣菜の種類数及び惣菜名を表示部16に表示するので、作業員は生産が終了していない惣菜を即座に把握することができ、更に生産効率を向上させることができる。
【0038】
また実施の形態に係る生産進捗監視システムによれば、現在時刻が目安時刻になったときに表示部16によって注意表示を行ない、更に現在時刻が終了時刻となったときに表示部16によって警告表示を行なうので、作業員は生産の遅れの度合を的確に把握することができる。
【0039】
なお、上述の実施の形態に係る生産進捗監視システムにおいては、出荷先及び便に対応付けられた生産の進捗状況を示す値が100%になった場合には、この出荷先及び便についての表示部16における表示を終了させているが、出荷先及び便に対応付けられた生産の進捗状況を示す値が100%になったものは、終了予定時刻に代えて終了実績時刻を表示するようにして表示部16における表示を継続させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
2…生産進捗監視システム、4…制御部、6…記憶部、8…入力部用表示部、10…入力部、12…通信部、14…ラベラー、16…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7