(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に実施形態について説明するが、本発明の技術範囲は、実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態で説明する構成要素の1つ以上は、省略されることがある。また、実施形態で説明する構成要素は、適宜組み合わせることができる。以下の実施形態において同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化又は省略することがある。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のデバイス製造システム1の構成を示す図である。
図1に示すデバイス製造システム1は、基板Pを供給する基板供給装置2と、基板供給装置2によって供給された基板Pに対して所定の処理を実行する処理装置3と、処理装置3によって処理が施された基板Pを回収する基板回収装置4と、デバイス製造システム1の各部を制御する上位制御装置5とを含む。
【0013】
基板Pは、例えば、フレキシブル基板等のような可撓性(フレキシビリティ)を有する基板である。デバイス製造システム1は、可撓性を有する基板Pによって、可撓性を有するデバイスを製造することができる。基板Pは、例えばデバイス製造システム1において屈曲した場合に、破損、破断しない程度の可撓性を有するように選択される。
【0014】
なお、デバイス製造時における基板Pの可撓性は、例えば、基板Pの材質、大きさ、厚さ等によって調整することができ、またデバイス製造時の湿度、温度等の環境条件等によって調整することもできる。可撓性を有する基板Pは、例えば、樹脂フィルム、ステンレス鋼等の金属又は合金からなる箔(フォイル)等である。樹脂フィルムの材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂のうち1又は2以上を含む。
【0015】
基板Pは、例えば、基板Pに施される各種処理において受ける熱による変形量が実質的に無視できるように、熱膨張係数等の特性が設定される。熱膨張係数は、例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合することによって、プロセス温度等に応じた閾値よりも小さく設定されていてもよい。無機フィラーは、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素等でもよい。また、基板Pは、フロート法等で製造された厚さ100μm程度の極薄ガラスの単層体であってもよいし、この極薄ガラスに上記の樹脂フィルム、箔等を貼り合わせた積層体であってもよい。
【0016】
基板Pは、例えば多面取り用の基板である。デバイス製造システム1は、1個のデバイスを製造するための各種の処理を、基板Pに対して繰り返し実行する。各種の処理が施された基板Pは、デバイスごとに分割(ダイシング)されて、複数個のデバイスになる。基板Pの寸法は、例えば、幅方向(短尺方向)の寸法が1m〜2m程度であり、長さ方向(長尺方向)の寸法が10m以上である。
【0017】
なお、基板Pの寸法は、製造するデバイスの寸法等に応じて、適宜設定される。例えば、基板Pの寸法は、幅方向の寸法が1m以下又は2m以上であってもよいし、長尺方向の寸法が10m以下であってもよい。また、基板Pは、多面取り用の基板である場合に、1枚の帯状の基板であってもよいし、複数の基板が基板Pの長尺方向と短尺方向の一方又は双方に継がれた基板であってもよい。また、デバイス製造システム1は、1個のデバイスごとに独立した基板によって、デバイスを製造してもよい。この場合に、基板Pは、1個のデバイスに相当する寸法の基板であってもよい。
【0018】
基板供給装置2は、例えば供給用ロール6に巻かれた基板Pを繰り出すことによって、基板Pを処理装置3に供給する。基板供給装置2は、例えば、基板Pを巻きつける軸部、この軸部を回転させる回転駆動部等を含む。基板Pは、その長尺方向へ搬送されて、処理装置3へ送られる。基板Pの搬送方向は、例えば、基板Pの長尺方向と実質的に同じである。
【0019】
なお、基板供給装置2の構成は、適宜変更可能である。例えば、基板供給装置2は、供給用ロール6に巻かれた基板Pを覆うカバー部等を含んでいてもよい。また、基板供給装置2は、例えばニップ式の駆動ローラー等のように、基板Pをその長尺方向に順次送り出す機構を含んでいてもよい。
【0020】
基板回収装置4は、例えば処理装置3を通過した基板Pを回収用ロール7に巻き取ることによって、基板Pを回収する。基板回収装置4は、例えば、基板供給装置2と同様に、基板Pを巻きつける軸部、この軸部を回転させる回転駆動部、回収用ロール7に巻き取られた基板Pを覆うカバー部等を含む。
【0021】
なお、基板回収装置4の構成は、適宜変更可能である。例えば、処理された基板Pが切断装置によって切断され、基板回収装置4は、切断された基板を回収してもよい。この場合に、基板回収装置4は、切断後の基板を重ねて回収する装置でもよい。上記の切断装置は、処理装置3の一部であってもよいし、処理装置3とは別の装置であってもよく、例えば基板回収装置4の一部であってもよい。
【0022】
処理装置3は、基板供給装置2から供給される基板Pを基板回収装置4へ搬送するとともに、搬送の過程で基板Pの被処理面に対して処理を行う。処理装置3は、基板Pの被処理面に対して加工処理を行なう加工処理装置10と、加工処理に対応した条件で基板Pを送る搬送ローラー8等を含む搬送装置9とを含む。
【0023】
加工処理装置10は、基板Pの被処理面に対してデバイスを構成する素子を形成するための各種処理を実行する1又は2以上の装置を含む。デバイス製造システム1は、各種処理を実行する装置が基板Pの搬送経路に沿って適宜設けられ、フレキシブル・ディスプレー等のデバイスをいわゆるロール・ツー・ロール方式で生産可能である。ロール・ツー・ロール方式によれば、デバイスを効率よく生産できる。
【0024】
加工処理装置10の各種装置は、例えば、成膜装置、露光装置、コーターディベロッパー装置、及びエッチング装置を含む。成膜装置は、例えば鍍金装置、蒸着装置、スパッタリング装置等である。成膜装置は、導電膜、半導体膜、絶縁膜等の機能膜を基板Pに成膜する。コーターディベロッパー装置は、成膜装置によって機能膜が形成された基板Pに、フォトレジスト膜等の感光材を形成する。露光装置は、感光材が形成された基板Pに対してデバイスを構成する膜パターンに応じたパターンの像を投影することによって、基板Pに露光処理を施す。コーターディベロッパー装置は、露光された基板Pを現像する。エッチング装置は、現像された基板Pの感光材をマスクとして、機能膜をエッチングする。このようにして、加工処理装置10は、所望のパターンの機能膜を基板Pに形成する。
【0025】
なお、加工処理装置10は、インプリント方式の成膜装置、液滴吐出装置等のように、エッチングによらないで直接的に膜パターンを形成する装置を含んでいてもよい。加工処理装置10の各種装置のうち少なくとも1つは、省略されていてもよい。
【0026】
上位制御装置5は、基板供給装置2を制御して、加工処理装置10へ基板Pを供給する処理を基板供給装置2に実行させる。上位制御装置5は、加工処理装置10を制御して、基板Pに対する各種処理を加工処理装置10に実行させる。上位制御装置5は、基板回収装置4を制御して、加工処理装置10が各種処理を施した基板Pを回収する処理を基板回収装置4に実行させる。
【0027】
次に、本実施形態の基板処理装置11について説明する。
図2及び
図3は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。
図2には、照明光学系ILの光路が図示されており、
図3には投影光学系PLの光路が図示されている。
【0028】
基板処理装置11は、上述したような加工処理装置10の少なくとも一部である。本実施形態の基板処理装置11は、露光処理を実行する露光装置EXと、搬送装置9の少なくとも一部とを含む。本実施形態の露光装置EXは、いわゆる走査露光装置である。露光装置EXは、マスクMと基板Pとを同期させて移動しながら、マスクMに形成されているパターンの像を基板Pに投影する。
【0029】
露光装置EXは、マスク保持装置12、照明光学系IL(
図2参照)、投影光学系PL(
図3参照)、及び制御装置13を含む。基板処理装置11は、マスク保持装置12に保持されたマスクMを回転移動させるとともに、搬送装置9によって基板Pを搬送する。
図2に示すように、照明光学系ILは、光源14から出射した露光光をマスク保持装置12に保持された反射型のマスクM上の照明領域IRに照射する。
図3に示すように、投影光学系PLは、光源14から出射してマスクMで反射した露光光を、搬送装置9に搬送されている基板P上の投影領域PRに照射する。
【0030】
本実施形態において、
図2に示すように、光源14から出射して照明領域IRに照射される露光光を、適宜、照明光束EL1という。また、
図3に示すように、照明領域IRに配置されたマスクMで反射して投影領域PRに結像する露光光を、適宜、結像光束EL2という。
【0031】
マスク保持装置12は、マスクMを保持する第1ドラム部材15、第1ドラム部材15を駆動する第1駆動部16、及び第1ドラム部材15の位置を検出する第1検出器17を含む。
【0032】
第1ドラム部材15は、マスクM上の照明領域IRが配置される面p1を形成する。面p1は、例えば、線分(母線)をこの線分に平行な軸(以下、中心軸AX1という)周りに回転した面(以下、円筒面という)を含む。円筒面は、例えば、円筒の外周面、円柱の外周面等である。第1ドラム部材15は、例えば円柱状であり、その外周面(円筒面)が面p1を形成する。すなわち、照明領域IRは、円筒面状に湾曲している。照明領域IRは、照明光束EL1が入射してくる側に向って凸である。なお、第1ドラム部材15は、中空であってもよく、例えば円筒状であってもよい。第1ドラム部材15は、例えば、石英、ガラス等で形成される。第1ドラム部材15は、中心軸AX1の周りで回転可能なように、設けられている。
【0033】
マスクMは、例えば、平坦性の良い短冊状の極薄ガラス板(例えば厚さ100〜500μm)の一方の面に反射膜でパターンを形成した反射型マスクである。マスクMの反射膜は、例えばアルミニウム等のように照明光束EL1を反射する材質の膜、誘電体多層膜等を含む。
【0034】
マスクMは、第1ドラム部材15の外周面に倣って湾曲させ、この外周面に巻き付けた状態で使用される。マスクMは、パターンが形成されていないパターン非形成領域を有し、パターン非形成領域において第1ドラム部材15に取付けられている。マスクMは、例えば、第1ドラム部材15に対してリリース可能である。第1ドラム部材15は、例えば、マスクMを通った照明光束EL1を吸収する遮光部材を含み、遮光部材が迷光の発生を抑制する。
【0035】
なお、マスクMは、1個のデバイスに対応するパターンの一部のみを含んでいてもよいし、1個のデバイスに対応するパターンを複数含んでいてもよい。例えば、マスクMは、パターンが中心軸AX1の周りの周方向に繰り返し配置されていてもよいし、パターンが中心軸AX1に平行な方向に繰り返し配置されていてもよい。また、マスクMは、第1のデバイスを製造用のパターンと、第1のデバイスと異なる第2のデバイスの製造用のパターンとを含んでいてもよい。また、マスクMは、第1ドラム部材15とリリース不能に一体化されていてもよい。例えば、マスクM及び第1ドラム部材15は、第1ドラム部材15の表面にパターン(マスクM)が形成されている態様であってもよい。また、第1ドラム部材15は、中心軸AX1に平行な方向と周方向の一方又は双方において、複数のマスクMを取り付け可能であってもよい。
【0036】
第1検出器17は、第1ドラム部材15の回転位置を光学的に検出する。第1検出器17は、例えばエンコーダ等を含む。第1検出器17は、検出した第1ドラム部材15の回転位置を示す情報を制御装置13に供給する。第1駆動部16は、制御装置13から供給される制御信号に従って、第1ドラム部材15を回転させるためのトルクを調整する。第1駆動部16は、例えば電動モーター等のアクチュエータ含む。制御装置13は、第1検出器17の検出結果に基づいて第1駆動部16を制御することによって、第1ドラム部材15の回転位置を制御する。換言すると、制御装置13は、第1ドラム部材15に保持されているマスクMの回転位置と回転速度の一方又は双方を制御する。
【0037】
搬送装置9は、基板P上の投影領域PR(
図2参照)が配置される面p2を形成する第2ドラム部材18、第2ドラム部材18を駆動する第2駆動部19、第2ドラム部材18の位置を検出する第2検出器20を含む。第2ドラム部材18は、搬送装置9の一部であるとともに、露光対象の基板Pを支持する支持部材(基板ステージ)を兼ねている。すなわち、第2ドラム部材18は、露光装置EXの一部であってもよい。
【0038】
第2ドラム部材18は、例えば円柱状である。第2ドラム部材18は、その中心軸(以下、中心軸AX2という)の周りに回転可能である。基板Pは、第2ドラム部材18上の外周面(円筒面)に倣って円筒面状に湾曲し、湾曲した部分の一部に投影領域PRが配置される。すなわち、投影領域PRは、円筒面状に湾曲している。投影領域PRは、結像光束EL2が入射してくる側に向って凸である。基板Pが配置される範囲における第2ドラム部材18の半径は、例えば、マスクMが配置される範囲における第1ドラム部材15の半径と実質的に同じである。すなわち、照明領域IRの曲率は、投影領域PRの曲率と実質的に同じである。なお、第2ドラム部材18は、中空であってもよく、例えば円筒状であってもよい。
【0039】
第2ドラム部材18は、例えば第2駆動部19から供給されるトルクによって回転する。第2駆動部19は、例えば電動モーター等のアクチュエータを含む。第2検出器20は、例えばエンコーダ等を含み、第2ドラム部材18の回転位置を光学的に検出する。第2検出器20は、検出した第2ドラム部材18の回転位置を示す情報を制御装置13に供給する。第2駆動部19は、制御装置13から供給される制御信号に従って、第2ドラム部材18を回転させるトルクを調整する。制御装置13は、第2検出器20の検出結果に基づいて第2駆動部19を制御することによって、第2ドラム部材18の回転位置を制御し、第1ドラム部材15と第2ドラム部材18とを同期移動(同期回転)させる。
【0040】
制御装置13は、基板処理装置11の各部を制御し、基板処理装置11の各部に各種の処理を実行させる。なお、制御装置13は、デバイス製造システム1の上位制御装置5の一部又は全部であってもよい。また、制御装置13は、上位制御装置5に制御され、上位制御装置5とは別の装置であってもよい。制御装置13は、例えば、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、例えば、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含む。基板処理装置11の各部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、各種処理が行われる。
【0041】
次に、本実施形態の露光装置EXの光学系について説明する。以下の説明において、所定要素が所定面の位置又はその近傍に配置されていることは、所定要素の少なくとも一部が所定面に配置されていることを含む。
【0042】
図2に示すように、照明光学系ILは、光源14から出射した照明光束EL1の光強度分布を調整する光学系21、レンズ22とレンズ23を含み照明光学系ILの瞳面p3を形成する光学系24、凹面鏡25とレンズ23とレンズ26を含み照明光学系ILの瞳面p3から出射した照明光束EL1を照明領域IRに照射する光学系27を含む。なお、各種の光学系のレンズの少なくとも1つは、複数のレンズ要素を含んでいてもよいし、1つのレンズ要素のみを含んでいてもよい。
【0043】
また、露光装置EXの光学系は、光学系24におけるレンズ22からレンズ23に至る光路に配置された偏光分離部材28、光学系24における偏光分離部材28から照明光学系ILの瞳面p3に至る光路に配置されたλ/4波長板29、光学系27における偏光分離部材28から照明領域IRに至る光路に配置されたλ/4波長板30を含む。
【0044】
光源14は、例えば水銀ランプ等のランプ光源、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)等の固体光源を含む。光源14が射出する照明光束EL1は、例えばランプ光源から射出される輝線(g線、h線、i線)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)等である。
【0045】
光学系21は、フライアイレンズアレイ31、重畳レンズ32、シリンドリカルレンズ33、及び絞り部材34を含む。
【0046】
フライアイレンズアレイ31は、光源14から出射した光軸に略平行な照明光束EL1が入射する位置に配置されている。フライアイレンズアレイ31は、光源14から照明光束EL1が出射する軸方向(光学系21の光軸21a)に直交する面に2次元的に配列された複数のレンズ要素31aを含む。フライアイレンズアレイ31は、照明光束EL1を各レンズ要素31aに入射した光束(以下、部分光束という)ごとに空間的に分割する。
【0047】
重畳レンズ32は、フライアイレンズアレイ31から出射した照明光束EL1が入射する位置に配置されている。重畳レンズ32は、照明光束EL1の複数の部分光束が絞り部材34の位置に重畳するように、設けられている。重畳レンズ32は、例えば球面レンズ、非球面レンズ等のように、照明光束EL1が通る範囲において中心軸周りで対称な形状である。重畳レンズ32の中心軸は、例えば、光学系21の光軸21aと実質的に同軸に設定される。
【0048】
シリンドリカルレンズ33は、重畳レンズ32から出射した照明光束EL1が入射する位置に配置されている。シリンドリカルレンズ33は、照明領域IRに照明光束EL1が入射する際の照明光束EL1の主光線の傾きを調整する。シリンドリカルレンズ33は、例えば、照明光学系ILが照明領域IR側においてテレセントリック光学系になるように、照明光束EL1の主光線の傾きを調整する。シリンドリカルレンズ33は、例えば、第1ドラム部材15の中心軸AX1に直交する面においてパワーを有し、中心軸AX1に平行な方向において実質的にパワーを有していない。また、シリンドリカルレンズのパワーを有する方向の形状は、円筒面であっても多項式で表せる形状であってもよい。
【0049】
絞り部材34は、シリンドリカルレンズ33から出射した照明光束EL1が入射する位置に配置されている。照明光束EL1は、フライアイレンズアレイ31において空間的に分割された複数の部分光束が絞り部材34に重畳されることによって、絞り部材34における光強度分布が光源14からの出射時よりも均一化される。絞り部材34は、照明光学系ILにおいて照明領域IRに対する視野絞りとして機能する。
【0050】
露光装置EXは、光源14から偏光分離部材28に至る光路に配置されたλ/2波長板35を含む。λ/2波長板35は、絞り部材34から偏光分離部材28に至る光路に配置されている。λ/2波長板35は、光学系21から出射した照明光束EL1の偏光状態を調整する。λ/2波長板35は、例えば、光学系21の光軸21aの周りにおいて回転可能に設けられる。本実施形態において、光源14から出射する照明光束EL1が概ね直線偏光であり、λ/2波長板35は、λ/2波長板35を通った照明光束EL1の偏光状態を、光学系21の光軸21a周りのλ/2波長板35の回転角に応じた偏光状態に調整する。λ/2波長板35は、λ/2波長板35を通った照明光束EL1の偏光状態が、偏光分離部材28に対するP偏光(以下、単にP偏光と略記する)になるように、設けられている。λ/2波長板35は、例えば、光源14の取り付け誤差等による照明光束EL1の偏光方向のずれを補正する。なお、λ/2波長板35は、光源14から偏光分離部材28に至る光路のいずれの位置に配置されていてもよいし、省略されていてもよい。
【0051】
露光装置EXは、光学系21から光学系24に至る光路に配置された偏向部材36を含む。偏向部材36は、λ/2波長板35からレンズ22に至る光路に配置されている。偏向部材36は、光学系21から出射した照明光束EL1を偏向し、照明光束EL1を光学系24へ導光する。偏向部材36は、反射面36a及び反射面36bを有する。λ/2波長板35から出射した照明光束EL1は、反射面36aに入射し、反射面36aで反射して進行方向が折れ曲がる。反射面36aは、例えば、光学系21の光軸21aに対して実質的に45°の角度をなすように、配置される。偏向部材36の反射面36bについては、後述する。なお、偏向部材36は、光学系21から光学系24に至る光路のいずれの位置に配置されていてもよいし、省略されていてもよい。例えば、光学系21は、光学系21から出射した照明光束EL1が偏向部材36を介することなく光学系24に入射するように、配置されていてもよい。
【0052】
光学系24は、例えば、照明光束EL1が通る範囲において中心軸周りで回転対称な光学系である。光学系24の光軸24aは、第1ドラム部材15の中心軸AX1と実質的に直交し、かつ光学系21の光軸21aと実質的に直交する。光学系24の光軸24aは、光学系21の光軸21a上を進行して偏向部材36の反射面36aで反射した主光線(以下、軸上主光線という)に対して、第1ドラム部材15の中心軸AX1に直交する面内でずれている。すなわち、照明光束EL1の軸上主光線は、光学系24の光軸24aに実質的に平行であって光学系24の光軸24aからずれた方向から光学系24に入射する。
【0053】
光学系24のレンズ22は、偏向部材36の反射面36aから偏光分離部材28に至る光路に配置されている。光学系24に入射した照明光束EL1の軸上主光線は、レンズ22を通って光学系24の光軸24aと実質的に平行に進行し、偏光分離部材28に入射する。
【0054】
偏光分離部材28は、偏光ビームスプリッタープリズム(以下、PBSプリズム37という)の内面に形成された偏光ビームスプリッター膜(以下、PBS膜という)を含む。PBSプリズム37は、レンズ22を向く第1端面、及びレンズ23を向く第2端面を含む。PBSプリズム37は、例えば、第1端面及び第2端面のそれぞれが光学系24の光軸24aと直交するように、配置される。偏光分離部材28は、例えば、光学系24の光軸24aに対して実質的に45°の角度をなすように、配置される。λ/2波長板35を通った照明光束EL1は、P偏光になっており、レンズ22から偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28を通過する。
【0055】
λ/4波長板29は、光学系24において偏光分離部材28から凹面鏡25に至る光路に配置されている。λ/4波長板29は、光学系24において偏光分離部材28からレンズ23に至る光路に配置されている。偏光分離部材28から出射してλ/4波長板29を通った照明光束EL1は、実質的に円偏光になる。
【0056】
光学系24のレンズ23は、偏光分離部材28から照明光学系ILの瞳面p3に至る光路に配置されている。レンズ23を通った照明光束EL1の軸上主光線は、光学系24の光軸24aと凹面鏡25の交点の位置又はその近傍に入射する。光学系24のレンズ22及びレンズ23が形成する瞳面p3は、例えば、光学系21のフライアイレンズアレイ31の射出端と共役である。
【0057】
凹面鏡25は、球面状に湾曲している。光学系27の凹面鏡25は、照明光学系ILの瞳面p3(光学系24の瞳面)の位置又はその近傍に配置されている。そのため、凹面鏡25で反射した照明光束EL1は、光学系24の光軸24aを含み第1ドラム部材15の中心軸AX1に平行な面に関して、凹面鏡25に入射する直前の照明光束EL1に対して対称的に進行する。このようにして、凹面鏡25で反射した照明光束EL1の光路は、凹面鏡25に入射する直前の照明光束EL1の光路と分離する。凹面鏡25で反射した照明光束EL1は、光学系27のレンズ23に入射する。
【0058】
レンズ23は、光学系24の一部と光学系27の一部を兼ねている。光学系27においてレンズ23を通った照明光束EL1は、λ/4波長板29に入射し、λ/4波長板29を通って偏光分離部材28に対するS偏光(以下、単にS偏光という)になる。光学系27においてλ/4波長板29を通った照明光束EL1は、偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がる。
【0059】
λ/4波長板30は、例えば、光学系27において偏光分離部材28からレンズ26に至る光路に配置される。光学系27において偏光分離部材28で反射した照明光束EL1は、λ/4波長板30を通って実質的に円偏光になる。
【0060】
光学系27のレンズ26は、λ/4波長板30から照明領域IRに至る光路に配置されている。レンズ26は、例えば、光学系24のレンズ22と光学的に等価である。レンズ26は、例えば、照明光束EL1が通る範囲において中心軸周りで対称な形状である。レンズ26の中心軸26aは、例えば、第1ドラム部材15の中心軸AX1と光学系24の光軸24aとに実質的に直交するように、設定される。
【0061】
露光装置EXは、光学系27から照明領域IRに至る光路に配置された偏向部材38を含む。偏向部材38は、反射面38a及び反射面38bを含む。光学系27のレンズ26を通った照明光束EL1は、反射面38aで反射して照明領域IRに入射する。反射面38aは、例えば、レンズ26の中心軸26aに対して実質的に45°の角度をなすように配置される。反射面38bについては、後述する。照明光束EL1の軸上主光線は、例えば、照明領域IRに対して法線方向から入射する。
【0062】
以上のような本実施形態の照明光学系ILにおいて、光源14から出射した照明光束EL1は、絞り部材34の位置において光強度分布が均一化される。光学系24のレンズ22及びレンズ23は、照明光学系ILの瞳面p3(フライアイレンズアレイ31と共役な面)を形成し、光学系27のレンズ23及びレンズ26は、絞り部材34と共役な面を照明領域IRに形成する。このようにして、照明領域IRは、照明光束EL1によって均一な明るさで照明される。
【0063】
本実施形態の投影光学系PLは、照明領域IRの像を等倍で投影領域PRに投影する。投影光学系PLの倍率は、1倍未満であってもよいし1倍よりも大きくてもよい。
図3に示すように、投影光学系PLは、照明領域IRの中間像を形成する光学系39と、光学系39が形成した中間像を投影領域PRに投影する光学系40とを含む。光学系39は、光学系39の瞳面p5を形成する光学系41と、光学系39の瞳面p5から出射した結像光束EL2を中間像面p4に結像する光学系42とを含む。また、光学系40は、光学系40の瞳面p6を形成する光学系43と、光学系40の瞳面p6から出射した結像光束EL2を投影領域PRに結像する光学系44とを含む。
【0064】
光学系41は、レンズ26及びレンズ45を含む。すなわち、レンズ26は、光学系41の一部と光学系27(
図2参照)の一部とを兼ねている。照明領域IRから出射した結像光束EL2は、偏向部材38の反射面38aに入射し、反射面38aで反射した後にレンズ26を通ってλ/4波長板30に入射する。光学系41においてλ/4波長板30を通った結像光束EL2は、P偏光になっており、偏光分離部材28を通過する。
【0065】
光学系41のレンズ45は、光学系41のレンズ26から出射して偏光分離部材28を通過した結像光束EL2が入射する位置に、配置されている。レンズ45は、例えば、レンズ23と光学的に等価である。レンズ45は、結像光束EL2が通る範囲において中心軸周りに対称的な形状である。レンズ45の中心軸(光学系41の光軸41a)は、レンズ26の中心軸26aと実質的に同軸である。
【0066】
光学系42は、凹面鏡46、レンズ45、及びレンズ26を含む。すなわち、レンズ26及びレンズ45は、それぞれ、光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねている。凹面鏡46は、光学系39(光学系41)の瞳面p5の位置又はその近傍に配置されている。照明領域IRから法線方向に出射した結像光束EL2の主光線(以下、結像光束EL2の軸上主光線という)は、光学系41の光軸41aと凹面鏡46の交点の位置又はその近傍に入射する。凹面鏡46は、球面状に湾曲している。
【0067】
凹面鏡46で反射した結像光束EL2は、光学系41の光軸41a(光学系42の光軸42a)を含み第1ドラム部材15の中心軸AX1に平行な面に関して、凹面鏡46に入射する直前の結像光束EL2に対して対称的に進行する。このようにして、凹面鏡46で反射した結像光束EL2の光路は、凹面鏡46に入射する直前の結像光束EL2の光路と分離する。
【0068】
凹面鏡46で反射した結像光束EL2は、レンズ45を通って偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28を通過してλ/4波長板30に入射する。すなわち、偏光分離部材28は、光学系41(光学系39)の瞳面p5(凹面鏡46)から中間像面p4に至る光路に配置されている。また、λ/4波長板30は、光学系42において偏光分離部材28から中間像面p4に至る光路に配置されている。光学系42においてλ/4波長板30を通った結像光束EL2は、円偏光になり、レンズ26を通って偏向部材38の反射面38bに入射する。反射面38bは、例えば、レンズ26の中心軸26aに対して実質的に45°の角度をなすように配置される。光学系42において反射面38bに入射した結像光束EL2は、反射面38bで反射して進行方向が折れ曲がり、中間像面p4に入射する。
【0069】
光学系43は、凹面鏡47、レンズ26、及びレンズ23を含む。すなわち、レンズ26は、光学系27(
図2参照)の一部と、光学系41の一部と、光学系42の一部と、光学系43の一部とを兼ねている。このように、レンズ26は、光学系39(光学系41及び光学系42)の一部と、光学系40(光学系43及び光学系44)の一部とを兼ねている。また、レンズ23は、光学系24(
図2参照)の一部と、光学系27(
図2参照)の一部と、光学系43の一部とを兼ねている。
【0070】
凹面鏡47は、中間像面p4の位置又はその近傍に配置されている。凹面鏡47は、光学系43から結像光束EL2が入射してくる側に対して凹である。凹面鏡47は、円筒面状に湾曲している。凹面鏡47の曲率は、例えば、照明領域IRの曲率と実質的に同じに設定される。
【0071】
光学系43は、
図2に示した光学系24の瞳面p3(凹面鏡25)の位置又はその近傍に、光学系40の瞳面p6を形成する。凹面鏡47で反射した結像光束EL2は、偏向部材38の反射面38bに入射し、反射面38bで反射して進行方向が折れ曲がる。光学系43において、凹面鏡47から出射して反射面38bで反射した結像光束EL2は、レンズ26を通った後にλ/4波長板30に入射し、λ/4波長板30を通ってS偏光になった後に偏光分離部材28に入射する。光学系43において偏光分離部材28に入射した結像光束EL2は、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がり、λ/4波長板29に入射する。光学系43においてλ/4波長板29に入射した結像光束EL2は、λ/4波長板29を通って円偏光になり、レンズ23を通って凹面鏡25に入射する。
【0072】
光学系44は、凹面鏡25、レンズ23、及びレンズ22を含む。すなわち、レンズ23は、光学系24(
図2参照)の一部と、光学系27(
図2参照)の一部と、光学系43の一部と、光学系44の一部とを兼ねている。また、レンズ22は、光学系24(
図2参照)の一部と、光学系44の一部とを兼ねている。
【0073】
光学系44において凹面鏡25で反射した結像光束EL2は、凹面鏡25が光学系40の瞳面p6の位置又はその近傍に配置されているので、凹面鏡25に入射する直前の結像光束EL2に対して、光学系44の光軸44aに関して対称的に進行する。光学系44において凹面鏡25で反射した結像光束EL2は、レンズ23を通った後にλ/4波長板29を通ってP偏光になり、偏光分離部材28を通過してレンズ22に入射する。光学系44のレンズ22を通った結像光束EL2は、偏向部材36の反射面36bで反射して投影領域PRに入射する。偏向部材36の反射面36bは、例えば、光学系44の光軸44aに対して実質的に45°の角度をなすように配置される。
【0074】
本実施形態において、露光装置EXは、光学系44のレンズ22から投影領域PRに至る光路に配置されたλ/4波長板48を含む。λ/4波長板48は、例えば、光学系44のレンズ22から偏向部材36の反射面36bに至る光路に配置される。光学系44のレンズ22から出射した結像光束EL2は、λ/4波長板48を通って円偏光になり、投影領域PRに入射する。投影領域PRに入射する際の結像光束EL2が円偏光になっていると、例えば、投影領域PRに対する結像光束EL2の角度依存性を減らすこと等ができる。なお、λ/4波長板48は、光学系44において偏光分離部材28からレンズ22に至る光路と、レンズ22から投影領域PRに至る光路とのうちいずれの位置に配置されていてもよい。また、λ/4波長板48は、省略されていてもよい。
【0075】
本実施形態の露光装置EXは、上述のように投影光学系PLが照明領域IRの像を投影領域PRに投影することにより、基板Pを露光する。投影光学系PLは、投影光学系PLの瞳面に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。
【0076】
本実施形態の露光装置EXは、レンズ22が光学系44の一部と光学系24の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ23が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ23が光学系24の一部と光学系27の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ26が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ45が光学系39(光学系41、光学系42)の一部と光学系40(光学系43)の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ45が照明光学系IL(光学系27)の一部と投影光学系PLの一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0077】
[第2実施形態]
図4は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。本実施形態の照明光学系ILは、光学系21、及びレンズ50を含む。光学系21は、第1実施形態で説明したように、光源14から出射した照明光束EL1の光強度分布を均一化する。レンズ50は、光学系21の絞り34の像を照明領域IRに形成する。
【0078】
本実施形態の露光装置EXは、照明光学系ILにおいて光学系21から照明領域IRに至る光路に配置された偏光分離部材51と、照明光学系ILにおいて偏光分離部材51から照明領域IRに至る光路に配置されたλ/4波長板52とを含む。偏光分離部材51は、例えば、レンズ50から照明領域IRに至る光路に配置される。偏光分離部材51は、例えば、PBSプリズム53の内面に形成されたPBS膜を含む。偏光分離部材51は、例えば、光学系21の光軸21aと実質的に45°の角度をなすように配置される。本実施形態において、第1実施形態と同様のλ/2波長板35は、レンズ50から偏光分離部材51に至る光路に配置されており、偏光分離部材51に入射する際の照明光束EL1の偏光状態を調整する。
【0079】
本実施形態において、光源14から出射して光学系21、レンズ50、及びλ/2波長板35を通った照明光束EL1は、偏光分離部材51に対するP偏光になっており、偏光分離部材51を通過してλ/4波長板52に入射する。λ/4波長板52に入射した照明光束EL1は、円偏光になって照明領域IRに入射する。
【0080】
本実施形態の投影光学系PLは、照明領域IRの中間像を中間像面p4に形成する光学系39と、光学系39が形成した中間像を投影領域PRに投影する光学系40と、を含む。光学系39は、レンズ54とレンズ55を含み光学系39の瞳面p5を形成する光学系41、及び凹面鏡46とレンズ55とレンズ56を含み光学系39の瞳面p5から出射した結像光束EL2を中間像面p4に結像する光学系42を含む。
【0081】
本実施形態において、レンズ54は、例えば、中心軸周りで対称的な形状である。レンズ54の中心軸54aは、例えば、第1ドラム部材15の中心軸AX1に直交し、かつ光学系21の光軸21aと直交するように、設定される。レンズ55は、例えば、結像光束EL2が通る範囲において、中心軸周りで対称的な形状である。レンズ55の中心軸55aは、例えば、第1ドラム部材15の中心軸AX1に直交し、かつレンズ54の中心軸54aに直交するように、設定される。
【0082】
本実施形態において、露光装置EXは、光学系41においてレンズ54からレンズ55に至る光路に配置された偏光分離部材28と、光学系41において偏光分離部材28から光学系39の瞳面p5に至る光路に配置されたλ/4波長板57とを含む。λ/4波長板57は、例えば、光学系41において偏光分離部材28からレンズ55に至る光路に配置される。
【0083】
照明領域IRから出射した結像光束EL2は、λ/4波長板52を通ってS偏光になり、偏光分離部材51に入射する。偏光分離部材51に入射した結像光束EL2は、偏光分離部材51で反射して進行方向が折れ曲がり、レンズ54に入射する。本実施形態において、照明領域IRから法線方向に出射した結像光束EL2の主光線(軸上主光線)は、偏光分離部材51で反射した後に、レンズ54の中心軸54aに平行であってレンズ54の中心軸54aからずれた方向から、レンズ54に入射する。レンズ54を通った照明光束EL1は、偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がる。光学系41において偏光分離部材28で反射した結像光束EL2は、λ/4波長板57を通って円偏光になり、レンズ55を通って光学系39の瞳面p5に入射する。
【0084】
本実施形態において、凹面鏡46は、光学系39の瞳面p5の位置又はその近傍に配置されている。光学系42において凹面鏡46で反射した結像光束EL2は、レンズ55の中心軸55aを含み第1ドラム部材15の中心軸AX1に直交する面に関して、凹面鏡46に入射する直前の結像光束EL2と対称的に進行する。このようにして、凹面鏡46で反射した結像光束EL2の光路は、光学系41において光学系39(凹面鏡46)に入射する結像光束EL2の光路と分離する。
【0085】
光学系42において凹面鏡46で反射した結像光束EL2は、レンズ55を通って偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28を通過してレンズ56に入射する。レンズ56は、例えば、レンズ55の中心軸55a(光学系42の光軸42a)の周りで対称的な形状である。光学系42において偏光分離部材28を通過した結像光束EL2は、光学系42の光軸42aと平行であって光学系42の光軸42aからずれた方向からレンズ56に入射する。
【0086】
本実施形態の露光装置EXは、光学系42において偏光分離部材28から中間像面p4に至る光路に配置されたλ/4波長板58を含む。λ/4波長板58は、例えば光学系42においてレンズ56から中間像面p4に至る光路に配置される。光学系42においてレンズ56を通った結像光束EL2は、λ/4波長板58を通って円偏光になり、中間像面p4に入射する。
【0087】
本実施形態において、中間像を投影領域PRに投影する光学系40は、凹面鏡47とレンズ56とレンズ59を含み光学系40の瞳面p6を形成する光学系43、及び凹面鏡25とレンズ59とレンズ56を含み光学系40の瞳面p6から出射した結像光束EL2を投影領域PRに結像する光学系44を含む。
【0088】
光学系43の凹面鏡47は、中間像面p4の位置又はその近傍に配置されている。光学系43において凹面鏡47で反射した結像光束EL2は、λ/4波長板58を通ってS偏光になり、レンズ56を通って偏光分離部材28に入射する。光学系43において偏光分離部材28に入射した結像光束EL2は、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がり、レンズ59を通って光学系40の瞳面p6に入射する。レンズ59は、例えば、結像光束EL2が通る範囲において、中心軸周りで対称的な形状である。レンズ59の中心軸は、例えばレンズ54の中心軸54aと実質的に同軸に設定される。
【0089】
本実施形態において、凹面鏡25は、光学系40の瞳面p6の位置又はその近傍に配置されている。光学系44において凹面鏡25で反射した結像光束EL2は、レンズ59を通って偏光分離部材28に入射した後に、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がり、レンズ56に入射する。
【0090】
本実施形態において、露光装置EXは、レンズ56を通った結像光束EL2を偏向する偏向部材60を含む。偏向部材60は、レンズ56から投影領域PRに至る光路に配置されている。偏向部材60は、反射面60aを含む。反射面60aは、例えば、レンズ56の中心軸に対して実質的に45°の角度をなすように配置される。レンズ56を通った結像光束EL2は、反射面60aに入射し、反射面60aで反射して進行方向が折れ曲がり、投影領域PRに入射する。反射面60aで反射した結像光束EL2の軸上主光線は、例えば、投影領域PRに対して法線方向から入射する。反射面60aは、例えば、反射面60aで反射した結像光束EL2の軸上主光線が投影領域PRに対して法線方向から入射するように、配置される。
【0091】
本実施形態において、露光装置EXの投影光学系PLは、投影光学系PLの瞳面に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。
【0092】
本実施形態の露光装置EXは、レンズ55が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ56が光学系42(光学系39)の一部と光学系43(光学系40)の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ56が光学系43の一部と光学系44の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ59が光学系43の一部と光学系44の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0093】
[第3実施形態]
図5は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。本実施形態において、照明光学系ILは、第2実施形態と同様の構成である。本実施形態において、投影光学系PLは、レンズの配置が第2実施形態と同様である。
【0094】
本実施形態において、照明領域IRの中間像を中間像面p4に形成する光学系39は、レンズ54とレンズ59を含み光学系39の瞳面p5を形成する光学系41、及び凹面鏡46とレンズ54とレンズ59を含み光学系39の瞳面p5から出射した結像光束EL2を中間像面p4に結像する光学系42を含む。
【0095】
本実施形態の露光装置EXは、光学系39において偏光分離部材51から偏光分離部材28へ至る光路に配置されたλ/2波長板61を含む。λ/2波長板61は、例えば、偏光分離部材51からレンズ54に至る光路に配置される。照明領域IRから出射した結像光束EL2は、λ/4波長板52を通ってS偏光になった後に偏光分離部材51で反射して進行方向が折れ曲がり、λ/2波長板61に入射する。λ/2波長板61を通ってP偏光になった結像光束EL2は、偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28を通過してレンズ59を通って光学系39の瞳面p5に入射する。光学系42の凹面鏡46は、光学系39の瞳面p5の位置又はその近傍に配置されている。光学系42において凹面鏡46で反射した結像光束EL2は、レンズ59を通って偏光分離部材28を通過した後に、レンズ54に入射する。
【0096】
本実施形態の露光装置EXは、光学系42において偏光分離部材28から中間像面p4に至る光路に配置されたλ/4波長板62を含む。λ/4波長板62は、例えば、光学系42においてレンズ54から中間像面p4に至る光路に配置される。光学系42においてレンズ54を通った結像光束EL2は、λ/4波長板62を通って円偏光になり、中間像面p4に入射する。
【0097】
本実施形態において、光学系39が形成した中間像を投影領域PRに投影する光学系40は、凹面鏡47とレンズ54とレンズ55を含み光学系40の瞳面p6を形成する光学系43、及び凹面鏡25とレンズ55とレンズ56を含み光学系40の瞳面p6から出射した結像光束EL2を投影領域PRに結像する光学系44を含む。光学系43において凹面鏡47で反射した結像光束EL2は、λ/4波長板62を通ってS偏光になった後に、レンズ54を通って偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28で反射する。
【0098】
本実施形態の露光装置EXは、光学系43において偏光分離部材28から光学系40の瞳面p6に至る光路に配置されたλ/4波長板63を含む。λ/4波長板63は、例えば、光学系43において偏光分離部材28からレンズ55に至る光路に配置される。光学系43において偏光分離部材28で反射した結像光束EL2は、λ/4波長板62を通って円偏光になった後に、レンズ55を通って光学系40の瞳面p6に入射する。
【0099】
光学系44の凹面鏡25は、光学系40の瞳面p6の位置又はその近傍に配置されている。光学系44において凹面鏡25で反射した結像光束EL2は、レンズ55を通ってλ/4波長板63に入射した後に、λ/4波長板63を通ってP偏光になって偏光分離部材28に入射し、偏光分離部材28を通過する。光学系44において偏光分離部材28を通過した結像光束EL2は、レンズ56を通って偏向部材60の反射面60aに入射し、反射面60aで反射して投影領域PRに入射する。
【0100】
本実施形態において、露光装置EXの投影光学系PLは、投影光学系PLの瞳面に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。
【0101】
本実施形態の露光装置EXは、レンズ54が光学系39(光学系41及び光学系42)の一部と光学系40(光学系43)の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。露光装置EXは、レンズ54が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ55が光学系43の一部と光学系44の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、露光装置EXは、レンズ59が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0102】
[第4実施形態]
図6は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。本実施形態において、露光装置EXの照明光学系ILは、光源14から出射した照明光束EL1の光強度分布を照明領域IRにおいて均一化する光学系65を含む。光学系65は、第1実施形態において説明したフライアイレンズアレイ31及び重畳レンズ32を含む。光学系65は、フライアイレンズアレイ31が照明光束を複数の部分光束に空間的に分割し、重畳レンズ32が複数の部分光束を照明領域IRにおいて重畳する。光学系65は、例えば上記の実施形態において説明した光学系21と同様の構成でもよい。
【0103】
本実施形態の露光装置EXは、光学系65から照明領域IRに至る光路に配置された偏光分離部材66と、光源14から偏光分離部材66に至る光路に配置されたλ/2波長板35と、照明光学系ILにおいて偏光分離部材66から照明領域IRに至る光路に配置されたλ/4波長板67とを含む。偏光分離部材66は、例えば、PBSプリズム68の内面に形成されたPBS膜を含む。偏光分離部材66は、例えば、光学系65の光軸65aに対して実質的に45°の角度をなすように配置される。λ/2波長板35は、例えば光学系65から偏光分離部材66に至る光路に配置される。本実施形態において、光源14から出射する照明光束EL1は、概ね偏光分離部材66に対するS偏光である。λ/2波長板35は、偏光分離部材66に入射する直前の照明光束EL1が、λ/2波長板35に入射する直前の照明光束EL1よりもS偏光に近づくように、設けられている。光源14から出射して光学系65を通った照明光束EL1は、λ/2波長板35を通ってS偏光になっており、偏光分離部材66で反射する。偏光分離部材66で反射した照明光束EL1は、λ/4波長板67を通って円偏光になり、照明領域IRに入射する。偏光分離部材66で反射した照明光束EL1の軸上主光線は、例えば、照明領域IRに対して法線方向から入射する。
【0104】
本実施形態の投影光学系PLにおいて、照明領域IRの中間像を中間像面p4に形成する光学系39は、レンズ69を含み光学系39の瞳面p5を形成する光学系41、及び凹面鏡46とレンズ69を含み光学系39から出射した結像光束EL2を中間像面p4に結像する光学系42を含む。
【0105】
照明領域IRで反射した結像光束EL2は、λ/4波長板67を通ってP偏光になり、偏光分離部材66を通過する。露光装置EXは、偏光分離部材66を通過した結像光束EL2を偏光する偏向部材70を含む。偏光分離部材66を通過した結像光束EL2は、偏向部材70の反射面70aで反射して進行方向が折れ曲がり、レンズ69に入射する。レンズ69は、例えば、結像光束EL2が通る範囲において、中心軸周りで対称的な形状に設定される。レンズ69の中心軸(光学系41の光軸41a)は、例えば、光学系65の光軸65aと実質的に平行に設定される。偏向部材70の反射面70aで反射した結像光束EL2の軸上主光線は、例えば、光学系41の光軸41aと平行であって光学系41の光軸41aとずれた方向からレンズ69に入射する。光学系41においてレンズ69を通った結像光束EL2は、光学系39(光学系41)の瞳面p5に入射する。凹面鏡46は、光学系39の瞳面p5の位置又はその近傍に配置されている。光学系42において凹面鏡46で反射した結像光束EL2は、レンズ69を通って中間像面p4に入射する。
【0106】
本実施形態の露光装置EXは、光学系42において凹面鏡46から中間像面p4に至る光路に配置された偏光分離部材28、及び光学系42において偏光分離部材28から中間像面p4に至る光路に配置されたλ/4波長板71を含む。偏光分離部材28は、例えばPBSプリズム37の内面に形成されたPBS膜を含む。偏光分離部材28は、例えば、光学系42においてレンズ69から中間像面p4に至る光路に配置される。偏光分離部材28は、例えば、レンズ69の中心軸(光学系42の光軸42a)に対して45°の角度をなすように配置される。光学系42においてレンズ69から出射した結像光束EL2は、P偏光になっており、偏光分離部材28を通過する。光学系42において偏光分離部材28を通過した結像光束EL2は、λ/4波長板71を通って円偏光になり、中間像面p4に入射する。
【0107】
本実施形態の投影光学系PLにおいて、光学系39が形成した中間像を投影領域PRに投影する光学系40は、凹面鏡47及びレンズ72を含み光学系40の瞳面p6を形成する光学系43と、凹面鏡25及びレンズ72を含み光学系40の瞳面p6から出射した結像光束EL2を投影領域PRに結像する光学系44とを含む。また、露光装置EXは、光学系40において中間像面p4から投影光学系PLに至る光路に配置された偏向部材73を含む。偏向部材73は、反射面73a及び反射面73bを含む。反射面73aは、例えば、偏光分離部材28に対して実質的に90°の角度をなすように配置される。反射面73bについては後述する。
【0108】
光学系43の凹面鏡47は、中間像面p4の位置又はその近傍に配置されている。光学系43において凹面鏡47で反射した結像光束EL2は、λ/4波長板71を通ってS偏光になり、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がる。光学系43において偏光分離部材28で反射した結像光束EL2は、偏向部材73の反射面73aで反射して進行方向が折れ曲がり、レンズ72に入射する。
【0109】
レンズ72は、例えば、結像光束EL2が通る範囲において、中心軸周りに対称的な形状に設定される。レンズ72の中心軸(光学系43の光軸43a)は、例えば、レンズ69の中心軸と実質的に平行であってレンズ69の中心軸とずれた位置に配置される。偏向部材73の反射面73aで反射した結像光束EL2は、レンズ72を通って光学系40の瞳面p6に入射する。
【0110】
光学系44の凹面鏡25は、光学系40(光学系43)の瞳面p6の位置又はその近傍に配置されている。光学系44において凹面鏡25で反射した結像光束EL2は、レンズ72を通って偏向部材73の反射面73bに入射する。反射面73bは、例えば、反射面73aに対して実質的に90°の角度をなすように配置される。反射面73bで反射した結像光束EL2は、進行方向が折れ曲がって、投影領域PRに入射する。
【0111】
本実施形態において、露光装置EXの投影光学系PLは、投影光学系PL(光学系41)の瞳面p5に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。本実施形態の露光装置EXは、レンズ69が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。露光装置EXは、レンズ72が光学系43の一部と光学系44の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0112】
[第5実施形態]
図7は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。本実施形態において、照明光学系ILは、第4実施形態と同様である。また、投影光学系PLは、照明領域IRから中間像面p4までの構成が第4実施形態と同様である。
【0113】
本実施形態の投影光学系PLは、光学系39が照明領域IRの中間像を中間像面p4に形成し、光学系40が中間像を投影領域PRに投影する。光学系40は、凹面鏡47とレンズ72を含む光学系43が光学系40の瞳面p6を形成し、凹面鏡25とレンズ72を含む光学系44が光学系40の瞳面p6から出射した結像光束EL2を投影領域PRに結像する。本実施形態の露光装置EXは、光学系44のレンズ72から出射した結像光束EL2を偏向する偏向部材74を含む。偏向部材74は、例えば、光学系44のレンズ72から投影領域PRに至る光路に配置される。偏向部材74は、反射面74aを含む。反射面74aは、例えば、レンズ72の中心軸(光学系44の光軸44a)に対して実質的に45°の角度をなすように配置される。光学系43において凹面鏡47で反射した結像光束EL2は、λ/4波長板71を通ってS偏光になり、偏光分離部材28で反射してレンズ72に入射する。光学系43においてレンズ72を通った結像光束EL2は、光学系40の瞳面p6に入射し、光学系44において凹面鏡25で反射してレンズ72に入射する。光学系44においてレンズ72を通った結像光束EL2は、偏向部材74の反射面74aで反射して進行方向が折れ曲がり、投影領域PRに入射する。
【0114】
本実施形態において、露光装置EXの投影光学系PLは、投影光学系PL(光学系41)の瞳面p5に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。本実施形態の露光装置EXは、レンズ69が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。露光装置EXは、レンズ72が光学系43の一部と光学系44の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0115】
[第6実施形態]
図8は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。本実施形態において、照明光学系ILは、第4実施形態と同様である。また、投影光学系PLは、照明領域IRから中間像面p4までの構成が第4実施形態と同様である。
【0116】
本実施形態の投影光学系PLは、光学系39が照明領域IRの中間像を中間像面p4に形成し、光学系40が中間像を投影領域PRに投影する。本実施形態において、光学系40は、パワーを有する反射部材を含まない屈折型の光学系である。光学系40は、中間像面p4から出射して偏光分離部材28で反射した結像光束EL2が入射する位置に、配置されている。
【0117】
本実施形態において、露光装置EXの投影光学系PLは、投影光学系PL(光学系41)の瞳面p5に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。本実施形態の露光装置EXは、レンズ69が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0118】
[第7実施形態]
図9は、本実施形態の基板処理装置11の構成を示す図である。本実施形態において、照明光学系ILは、第2実施形態と同様である。また、投影光学系PLは、照明領域IRから中間像面p4までの構成が第2実施形態と同様である。
【0119】
本実施形態の投影光学系PLは、光学系39が照明領域IRの中間像を中間像面p4に形成し、光学系40が中間像を投影領域PRに投影する。光学系39において、光学系39の瞳面p5から出射した結像光束EL2は、レンズ56を通って中間像面p4に入射する。光学系40は、中間像面p4の位置又はその近傍に配置された凹面鏡47と、凹面鏡47から偏光分離部材28に至る光路に配置されたレンズ56と、偏光分離部材28から投影領域PRに至る光路に配置されたレンズ59と、レンズ59から投影領域PRに至る光路に配置されたレンズ75を含む。すなわち、レンズ56は、光学系39(光学系42)の一部と光学系40の一部を兼ねている。
【0120】
第2実施形態のλ/4波長板58(
図4参照)は、光学系42においてレンズ56から中間像面p4に至る光路に配置されていたが、本実施形態のλ/4波長板58(
図9参照)は、光学系42において偏光分離部材28からレンズ56に至る光路に配置されている。光学系42において偏光分離部材28を通過した結像光束EL2は、λ/4波長板58を通って円偏光になり、中間像面p4に入射する。光学系40の凹面鏡47は、中間像面p4の位置又はその近傍に配置されている。光学系40において凹面鏡47で反射した結像光束EL2は、レンズ56を通った後にλ/4波長板58を通ってS偏光になる。光学系40においてλ/4波長板58を通った結像光束EL2は、偏光分離部材28で反射して進行方向が折れ曲がり、レンズ59及びレンズ75を通って投影領域PRに入射する。
【0121】
レンズ59及びレンズ75は、例えば、中心軸周りで対称的な形状に設定される。光学系40において、偏光分離部材28で反射した結像光束EL2の軸上主光線は、レンズ59(レンズ75)の中心軸59aと実質的に平行であって、レンズ59(レンズ75)の中心軸59aとずれた方向からレンズ59に入射する。レンズ56及びレンズ59は、光学系40の瞳面を形成する。レンズ75は、光学系40の瞳面を通った結像光束EL2を投影領域PRに結像する。レンズ75は、パワーを有する反射部材を含まない屈折系の光学系である。
【0122】
本実施形態において、露光装置EXの投影光学系PLは、投影光学系PL(光学系41)の瞳面p5に配置された凹面鏡46と中間像面p4に配置された凹面鏡47を介して、結像光束EL2を投影領域PRに照射する。そのため、露光装置EXは、投影光学系PLが複雑になることを避けつつ、湾曲した照明領域IRの像を湾曲した投影領域PRに投影することができる。本実施形態の露光装置EXは、レンズ55が光学系41の一部と光学系42の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。また、本実施形態の露光装置EXは、レンズ56が光学系39(光学系42)の一部と光学系40の一部を兼ねているので、装置の構成をシンプルにできる。
【0123】
なお、上記の実施形態において、偏光分離部材は、PBS膜を含んでいるが、ワイヤーグリッド型偏光素子を含んでいてもよい。偏光分離部材とλ/4波長板の一方又は双方は、投影光学系PLの一部であってもよいし、照明光学系ILの一部であってもよい。また、偏光分離部材とλ/4波長板の一方又は双方は、投影光学系PLと照明光学系ILのいずれとも異なる光学系の少なくとも一部であってもよく、例えば露光装置EXにおける光路を調整するための光学系の少なくとも一部であってもよい。また、λ/2波長板35は、照明光学系ILの一部であってもよいし、照明光学系ILとは別の光学系の少なくとも一部であってもよい。露光装置EXの光学系は、λ/2波長板35の代わりに偏光板を含んでいてもよい。
【0124】
なお、上記の実施形態の光学系21は、フライアイレンズアレイ31を含んでいるが、ロッドレンズを含み照明光束EL1の照明領域における光強度分布を均一化してもよい。この場合に、照明光学系ILは、例えばロッドレンズの出射端面と共役な面を照明領域IRに形成するように、設けられる。
【0125】
なお、上記の実施形態において説明した照明光学系IL及び投影光学系PLは、マルチレンズ方式の露光装置にも適用できる。例えば、露光装置EXは、複数の照明光学系ILを備え、マスク保持装置12に保持されているマスクMが回転することによって、マスクMのパターン形成領域が複数の照明領域IRのいずれかを通るように、構成されていてもよい。また、露光装置EXは、複数の投影光学系PLを備え、搬送装置9が基板Pを移動することによって、基板P上の所定の領域が複数の投影領域PRのいずれかを通るように、構成されていてもよい。また、露光装置EXにおいて、各種の反射面は、照明光束EL1と結像光束EL2の一方又は双方が反射する材質の反射膜の表面を含んでいてもよいし、全反射条件を満たすことにより照明光束EL1と結像光束EL2の一方又は双方が反射する面を含んでいてもよい。
【0126】
[デバイス製造方法]
次に、デバイス製造方法について説明する。
図10は、本実施形態のデバイス製造方法を示すフローチャートである。
【0127】
図10に示すデバイス製造方法では、まず、例えば液晶パネル等のデバイスの機能・性能設計を行う(ステップ201)。次いで、デバイスの設計に基づいて、マスクM(レチクル)を製作する(ステップ202)。また、デバイスの基材であるガラスウエハー等の基板を、購入や製造等によって準備しておく(ステップ203)。次いで、基板上にデバイスを構成する電極や配線、絶縁膜、半導体膜等の膜パターンを形成する(ステップ204)。ステップ204は、基板上に膜を形成することと、この膜上にレジストパターンを形成することと、このレジストパターンをマスクMにして上記膜をエッチングすることと、を含む。レジストパターンを形成するには、レジスト膜を形成することと、上記の実施形態に従って、マスクMを経由した露光光で基板を露光することにより、形成予定の膜パターンに応じたパターンの像を基板上のレジスト膜に投影することと、露光されたレジスト膜を現像することと、を行う。次いで、製造するデバイスに応じて、例えば、基板をダイシングすることや、一対の基板を貼り合せるとともに一対の基板間に液晶層を形成すること等を行って、デバイスを組み立てる(ステップ205)。次いで、デバイスに検査等の後処理を行う(ステップ206)。以上のようにして、デバイスを製造することができる。