(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、被測定物の表面粗さや表面形状などの表面性状を測定する表面性状測定機が知られている(例えば、特許文献1など)。
これは、スタイラスを被測定物の表面に接触させ、この状態においてスタイラスを被測定物の表面に沿ってトレースさせ、被測定物の表面性状に応じてスタイラスをトレース方向と交差する方向へ変位させることにより、このスタイラスの変位量から被測定物の表面性状を測定することができるものである。
【0003】
表面性状測定機は、被測定物の表面の微小な凹凸(表面粗さ)から、表面のうねりないし輪郭形状のような幅広いレンジでの測定を切り替えて行うことができる。また、測定データの集計ないし統計処理までを実行し、表示できるようになっている。
なかでも、特許文献1に示すような小型の表面性状測定機は、前述した各種機能が一体に組み込まれており、単体で各種測定が実行できる。そして、このような小型の表面性状測定機は、その可搬性を生かして様々な現場に持ち運ばれて測定に利用される。
【0004】
このような多機能を有する小型の表面性状測定機を利用する場合、この装置を操作するユーザに対する表示性あるいは操作性に配慮が必要である。
例えば、このような表面性状測定機は、小型であることから本体の表示部分も大きさが制約され、一度に表示できる情報量が制限される。このために、略語やいわゆるアイコンを用いたユーザインターフェイスが採用されることが多い。一方、このような表面性状測定機は、多機能を有することから、表示内容は多岐にわたり、類似した略語やアイコンが膨大な数にのぼる。このため、熟練したユーザでも識別が難しいことがあり、不慣れなユーザあるいは操作を頻繁に行わないユーザにあっては、略語やアイコンが理解できなくなる可能性がある。
【0005】
このような略語やアイコンの識別を補助するために、操作マニュアルを参照することができる。しかし、測定現場へ携行される小型の表面性状測定機においては、例え携帯用の簡易マニュアルであっても、同時に持ち歩くことはもちろん、作業時に取り出して参照することはユーザにとって煩雑であり、作業効率を低下させる原因となっていた。
【0006】
このような問題に対し、画面上に説明を表示する機能、いわゆるガイダンス画面、ヘルプ画面が知られている。
特許文献2では、粒度分布測定装置の表示条件設定画面に、各パラメータに対応したヘルプボタンを配置し、このボタンを操作することで該当するパラメータの説明文(ガイダンス)の画面が表示される。
【0007】
特許文献3は、商店で利用されるラベルプリンタ等の電子機器に、その操作キーの一つとしてヘルプキーを設け、その操作により表示部に「ガイダンス一覧」を表示させ、その中から不明な操作キー項目を選択することで、各機能に関するガイダンスを画面表示させることができる。
特許文献4は、複写機やファクシミリ装置などの電子機器に、その操作キーの一つとしてヘルプキーを設け、その操作により表示部に「ヘルプ第1画面」(リスト表示画面)を表示させ、その中から所望の項目を選択することで、各機能に関する「ヘルプ第2画面」(原稿サイズ選択案内画面など)を画面表示させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、画面上で操作説明を表示するヘルプ機能あるいはガイダンス機能は、特許文献2〜4で知られた技術である。
しかし、特許文献2〜4は、それぞれ据え置き型の装置に適用されるものであり、このため表示画面に余裕があり、特許文献1のような小型の装置の小さな表示画面には十分な対応ができないという問題がある。
例えば、特許文献2では、機能項目毎にヘルプボタンを設置するが、小型の表示画面には機能が類似した多数のボタンを配置する余裕はない。
【0010】
また、特許文献3,4では、いわゆるパーソナルコンピュータ等で利用されるヘルプ機能と同様に、ガイダンス項目を一覧表示するガイダンスメニュー画面(ガイダンス一覧あるいはヘルプ第1画面など)を経由し、各項目のガイダンスを表示するようにしている。このため、一操作で所望のガイダンスに辿り着けず、作業効率的に採用が難しい。特に、特許文献1のような小型の表示画面において、多数の項目を含むガイダンスメニュー画面を表示しようとすると、ガイダンスメニュー画面だけで複数頁にわたり切り替えが必要になる可能性がある。
【0011】
本発明の主な目的は、表示画面が小さな可搬式の表面性状測定機において、必要十分なガイダンス項目を効率よく表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、表示部と、操作部と、前記操作部への操作に基づいて前記表示部に操作画面およびガイダンス画面を表示する制御部を有する可搬式の表面性状測定機であって、
前記操作画面は、所定の機能を起動する一つ以上のボタン
およびガイダンス画面表示用のボタンのアイコン表示を有し、
前記ガイダンス画面は
、前記操作画面に
表示された前記ボタンのアイコンおよび機能名称をリスト表示するボタンリスト欄と、前記ボタンリスト欄にアイコンおよび機能名称が表示された前記ボタンのう
ち何れかの前記ボタンの機能説明を表示する説明表示欄とを有
し、
前記制御部は、現在の操作画面の表示情報に基づいて前記表示部に前記操作画面を表示し、前記操作部への操作が前記ガイダンス画面表示用のボタンによるガイダンス要求であった場合に、前記表示部に前記ガイダンス画面を表示するとともに、前記ガイダンス画面の前記ボタンリスト欄に表示されている前記ボタンの何れかが指定された際に、指定された前記ボタンの機能説明を前記説明表示欄に表示することを特徴とする。
【0013】
このような本発明においては、表面性状測定機の表示部に、表面性状測定機の現状に応じた操作画面が表示される。この状態で、操作部からガイダン
ス要求を行うことで、現状の操作画面に応じたガイダンス画面が表示される。
ガイダンス画面は、操作画面に含まれるボタンのアイコンと、同ボタンの機能名称とをボタンリスト欄に表示する。従って、操作画面でアイコン表示されていた何れかのボタンについて、ユーザがその機能を認識できなかった場合、ガイダンス画面のボタンリスト欄に表示された各ボタンの機能名称から、各ボタンの機能を認識することができる。
さらに、機能名称だけでは各ボタンの機能が認識できない場合、ユーザがボタンリスト欄で当該ボタンを指定することで、当該ボタンの詳しい機能説明が説明表示欄に表示される。これにより、各ボタンの機能をユーザにガイダンスすることができる。
【0014】
このような本発明によれば、操作画面から最初に呼び出されるガイダンス画面において、ユーザはボタンリスト欄の表示ボタンの機能名称からボタンの機能を直ちに認識することができる。そして、ユーザが機能名称だけでは認識できない場合でも、何れかのボタンを指定することで機能説明が表示されることで、同じガイダンス画面において詳しい説明を見ることができ、ガイダンス画面からのさらなる画面切り替えなしに詳細までが認識できることになる。従って、表示画面が小さな可搬式の表面性状測定機においても、必要十分なガイダンス項目を効率よく表示することができる
【0015】
本発明において、前記ガイダンス画面は、現在の前記操作画面に含まれるボタンの数が前記ボタンリスト欄の最大ボタン数以下であれば単頁表示用フォーマットで表示され、現在の前記操作画面に含まれるボタンの数が前記ボタンリスト欄の最大ボタン数より大きければ複数頁表示用フォーマットで表示されることが望ましい。
【0016】
このような本発明では、ボタンの数がボタンリスト欄の最大ボタン数以下であれば単頁表示用フォーマットでの表示が行われ、前述した通りガイダンス画面からのさらなる画面切り替えなしに詳細までが認識できることになる。
本発明に係る小型の表面性状測定機は、基本的に画面が小さく、操作画面において表示されるボタン数が比較的少ない。このため、多くの操作画面が前述した単頁表示用フォーマットで表示可能であり、そのように最大ボタン数を設定することができる。
一方、どうしても操作画面のボタン数が最大ボタン数以上となる場合でも、複数頁表示用フォーマットを利用することでページ切り替えを伴うガイダンス画面とすることができる。このような状況は、操作画面の小さな小型の表面性状測定機においては希な状況とすることができ、全体としてのガイダンス画面の表示効率に影響しない程度にとどめることができる。
【0017】
本発明において、前記アイコン表示は、前記ボタンの機能を図形で示す図形表示アイコンと、前記ボタンの機能を略語で示す文字表示アイコンと、の何れかがシステム設定に基づいて選択されることが望ましい。
このような本発明では、操作画面におけるボタンのアイコン表示を、ユーザの好みに応じて図形表示アイコンと文字表示アイコンとの何れかから選択することができる。この選択は、他の多くの機能設定と同様に、予めユーザがシステム設定しておけばよい。
【0018】
本発明において、前記機能名称および前記機能説明は、それぞれ複数の表示言語の何れかがシステム設定に基づいて選択されることが望ましい。
このような本発明では、ガイダンス画面における機能名称および機能説明を、ユーザの好みに応じた言語、例えば日本語、英語、中国語、スペイン語等の何れかから選択することができる。この選択は、他の多くの機能設定と同様に、予めユーザがシステム設定しておけばよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は可搬式の表面性状測定機の外観を示す斜視図、
図2は同測定機の内部機構を示す図である。 これらの図に示すように、本実施形態の表面性状測定機1は、電装部2と駆動検出部3とを有する。
【0021】
電装部2は、ケース20の表面にタッチパネルディスプレイ等の表示部21、シートスイッチ等の操作部22を有するとともに、ケース20の内部に記憶デバイス等の記憶部23および本発明の制御装置である制御部24を有する。
制御部24は、小型コンピュータシステムで構成され、記憶部23に記憶された動作プログラムに基づいて表面性状測定機1の各部を制御して各種処理を実行する。
ケース20の表面には印刷装置25が設置されているとともに、ケース20の側面には入出力端子26が設置されている。
【0022】
駆動検出部3は、ケース30内に移動ブロック31を有し、この移動ブロック31は図示しないガイドレールにより所定の移動方向(図中左右方向)へ移動可能に支持されている。
移動ブロック31の移動方向と平行に、ボールねじ軸32が設置されている。ボールねじ軸32は駆動源である電動モータ33で回転駆動されるとともに、ボールねじ軸32の回転角度位置は回転エンコーダ34で検出される。ボールねじ軸32にはボールナット35が螺合され、このボールナット35は移動ブロック31に接続されている。
電動モータ33および回転エンコーダ34は制御部24に接続され、制御部24は回転エンコーダ34からの回転角度位置を監視しつつ電動モータ33を動作制御することで、ボールねじ軸32を回転させて移動ブロック31を任意位置へと移動させることができる。これらのボールねじ軸32、ボールナット35、電動モータ33および回転エンコーダ34により駆動機構39が構成されている
【0023】
移動ブロック31の先端側はケース30の側面開口から露出され、露出された側にはアーム36が設置され、アーム36の先端にはスタイラス37が固定されている。
アーム36は移動ブロック31の移動方向に沿って延びているとともに、移動ブロック31に揺動自在に軸支されている。アーム36の揺動によりアーム36の先端およびスタイラス37が縦方向(図中上下方向)に変位する。移動ブロック31内にはアーム36の揺動角度を検出する検出器38が設置され、この検出器38でアーム36の角度を検出することで、スタイラス37の変位を検出することができる。
図1に示すように、スタイラス37がワーク4の表面をトレースし、同表面の凹凸により上下に変位した際には、検出器38からの検出信号が制御部24に送られて処理され、表面性状(表面粗さ、うねり、輪郭形状など)の測定値として表示、印刷あるいは記録等される。
なお、
図1において、ワーク4に対するスタイラス37の高さや傾きを調節するために、ケース30は上下傾斜ユニット3Sで支持されている。
【0024】
本実施形態の表面性状測定機1では、本発明に基づくガイダンス画面表示を行うために、
図3〜
図5に示す表示情報が記憶部23に記憶されている。
そして、
図6に示す手順で制御部24が表示動作を行うことで、本発明に基づくガイダンス画面表示が実行される。
【0025】
図3において、操作画面リスト50は、表示部21に表示される複数の操作画面に関する表示情報を記録したものである。
操作画面リスト50は、識別記号51で識別されるデータセットに各操作画面の表示情報をまとめたものである。各操作画面のデータセットは、操作画面の枠組みおよび背景となる画像データである画面フォーマット52、操作画面に表示される測定データを指定する表示項目53、操作画面に表示される操作用のボタンを指定する表示ボタン指定54、前項のボタンの数を示すボタン数55の各データを含んでいる。
このうち表示ボタン指定54は、後述する操作ボタンリスト60に記録された各ボタンのデータをその識別記号で指定する。
【0026】
図4において、操作ボタンリスト60は、表示部21に表示される複数の操作画面に配置される操作用のボタンに関するデータを記録したものである。
操作ボタンリスト60は、識別記号61で識別されるデータセットに操作用の各ボタンの表示情報をまとめたものである。各ボタンのデータセットは、そのボタンが操作された際に実行される処理を規定する機能62、ボタンとして表示される画像データである図形表示アイコン63および文字表示アイコン64(64J,64E,64C)、そのボタンの名称である機能名称65(65J,65E,65C)、そのボタンの機能を詳しく説明した機能説明66(66J,66E,66C)の各データを含んでいる。
【0027】
このうち、図形表示アイコン63は、そのボタンの機能を模式的に示したものの画像データとされている(
図11および
図12の左側の画像参照)。また、文字表示アイコン64は、そのボタンの名称を略号化したものの画像データとされている(
図11および
図12の右側の画像参照)。
文字表示アイコン64、機能名称65および機能説明66は、それぞれ言語別の文字表示アイコン64J,64E,64C、機能名称65J,65E,65Cおよび機能説明66J,66E,66Cで構成される。
文字表示アイコン64Jは、そのボタンの機能を示す日本語表示の文字を含むアイコン画像であり(
図11右側参照)、機能名称65Jおよび機能説明66Jは「ボタンの名称」および「そのボタンの詳しい機能説明」の日本語表示(
図10左側および
図11参照)である。文字表示アイコン64Eは、そのボタンの機能を示す英語表示の文字を含むアイコン画像(
図12右側参照)であり、機能名称65Eおよび機能説明66Eは同じ内容の英語表示(
図10右側および
図12参照)である。同様に、文字表示アイコン64C、機能名称65Cおよび機能説明66Cは同じ内容の中国語表示である(図示省略)。これらの多国語表示は、一部の言語を省略してもよく、必要に応じて他の言語での表示を更に追加してもよい。
これらの操作用のボタンのデータは、前述した操作画面リスト50の各データ中の表示ボタン指定54から呼び出されるとともに、後述するガイダンス画面フォーマット70からも呼び出される。
【0028】
図5において、ガイダンス画面フォーマット70は、表示部21に表示される複数のガイダンス画面に関するデータを記録したものである。ガイダンス画面フォーマット70は、単頁表示用フォーマット70Sと、複数頁表示用フォーマット70Pとを有する。
単頁表示用フォーマット70Sは、画面の上段にボタンリスト欄71を有し、その直下に説明表示欄72を有する。
【0029】
ボタンリスト欄71は、左右に4行づつ計8つの表示枠を有し、各表示枠の左端はボタンのアイコン表示73とされ、その右側はボタンの機能名称表示74とされている。このボタンリスト欄71には、ガイダンス画面が表示される際に、このガイダンス画面を呼び出した元の操作画面に表示されていた操作用のボタンについての情報が表示される。
例えば、呼び出し元の操作画面が、
図3の操作画面リスト50における識別記号51が「F001」のデータセットで指定される操作画面であったとすると、そのデータセットの表示ボタン指定54に登録されていたボタン「B001,B002…」が操作画面に表示されていたことになり、ここで指定されるボタン「B001,B002…」についての表示情報を、
図4の操作ボタンリスト60から読み出し、ボタンとして表示される画像データである図形表示アイコン63または文字表示アイコン64をアイコン表示73に表示するとともに、機能名称65を機能名称表示74に表示する。
【0030】
説明表示欄72は、二行分の文章の表示枠を有する。この説明表示欄72には、前述したボタンリスト欄71上の何れかのボタン表示を指定(例えばタッチ操作)することにより、指定されたボタンについての詳しい情報が表示される。
例えば、ボタンリスト欄71の左上の表示枠に表示されているのが、
図4の操作ボタンリスト60における識別記号61が「B001」のデータセットで指定されるボタンであったとする。この表示枠のアイコン表示73には、そのデータセットの図形表示アイコン63または文字表示アイコン64が表示され、同じく機能名称表示74には機能名称65が表示されている。ここで、アイコン表示73または機能名称表示74をタッチ操作する等により指定すると、当該ボタンのデータセットの機能説明66が選択され、説明表示欄72にこの機能説明66を表示する。
単頁表示用フォーマット70Sの右下には、ガイダンス画面の表示を終了するための終了ボタン75が設置されている。
【0031】
以上のような単頁表示用フォーマット70Sは、ボタンリスト欄71が8つの表示枠で構成され、一画面に8つのボタンまで対応可能である。例えば、
図3の操作画面リスト50における識別記号51が「F001」のデータセットでは、ボタン数55が「7」であるので、この操作画面に対するガイダンス画面は単頁表示用フォーマット70Sを用いることができる。
一方、
図3の操作画面リスト50における識別記号51が「F002」のデータセットでは、ボタン数55が「11」であるので、この操作画面に対するガイダンス画面としては、単頁表示用フォーマット70Sではなく、複数頁表示用フォーマット70Pを用いる。
【0032】
複数頁表示用フォーマット70Pは、前述した単頁表示用フォーマット70Sと同様なボタンリスト欄71、説明表示欄72、アイコン表示73、機能名称表示74および終了ボタン75を備えている。さらに、複数頁表示用フォーマット70Pは、画面の左下にページ送り用の次頁ボタン76とページを戻るための前頁ボタン77とを備えている。
複数頁表示用フォーマット70Pを用いたガイダンス画面表示では、複数のガイダンス画面表示が割り当てられ、例えば、前述した
図3の操作画面リスト50における識別記号51が「F002」のデータセットのようにボタン数55が「11」である場合、第1頁にボタンの1番目から8番目を、第2頁にボタンの9番目から11番目を、それぞれ表示する。そして、第1頁および第2頁は、次頁ボタン76および前頁ボタン77を用いて切り替えることができる。各ページにおいては、前述した単頁表示用フォーマット70Sと同様に、ボタンリスト欄71のボタン表示の指定により、その機能説明を説明表示欄72に表示させることができる。
【0033】
本実施形態においては、制御部24が記憶部23に記憶された動作プログラムに基づいて動作を行う。そして、制御部24は、操作部22に対するユーザの操作に基づいて、記憶部23から必要なデータおよびフォーマットを読み出し、表示部21に操作画面あるいはガイダンス画面を表示させる。
なお、制御部24は、現在のシステム状態として、現在の操作画面の指定情報(現在どのような測定モードで何に関する測定を行っているか等)、表示言語(日本語か英語か中国語か等)および操作ボタン表示モード(アイコンは図形表示か文字表示か)の情報を記録している。
【0034】
図6において、制御部24は、現在のシステム状態を参照し、表示言語(日本語か英語か中国語か)の指定と、表示モード(図形表示/文字表示の別)の指定を読み込む(処理P10)。
次に、現在の操作画面として該当するものを操作画面リスト50(
図3参照)から選択し、その操作画面の表示情報を取得する(処理P11)。
具体的には、現在の操作画面を示す識別記号(「F001」等)に合致するものを識別記号51から検索し、該当したデータセットの画面フォーマット52、表示項目53および表示ボタン指定54を表示情報として読み出す。
【0035】
取得した表示情報のうち、表示ボタン指定54に指定されたボタンについては、これらを画面表示するために、制御部24は、操作ボタンリスト60(
図4参照)から該当するボタンの表示情報を取得する(処理P12)。
具体的には、現在の操作画面に表示するボタンを示す識別記号(「B001」等)に合致するものを識別記号61から検索し、現在のシステム状態に基づいて該当したデータセットの図形表示アイコン63または文字表示アイコン64を読み出す。
【0036】
これらの表示情報が取得できたら、制御部24は、操作画面を表示部21に表示し、操作部22に対するユーザの入力を待機する(処理P13)。
表示にあたっては、選択した画面フォーマット52の情報に基づいて画面を構成し、所定の領域に表示項目53で指定された測定値などの情報を表示し、所定の部位に操作用のボタンとなる図形表示アイコン63または文字表示アイコン64を表示する。
【0037】
図7左側には、このようにして表示された操作画面80の一例が示されている。
この操作画面80の基本構成は、画面フォーマット52の情報に基づいて設定される。すなわち、上段に日付表示80Aおよび状態表示80Bが配置され、その下の行に現在の設定表示80Cが配置され、操作画面80の中段には測定値表示80Dが配置されている。
設定表示80Cの左右には「A」および「AUTO」と表記されたボタン801,802が配置され、操作画面80の最下段にも図形表示のボタン803〜806が設置されている。さらに、最下段の左端にはガイダンス画面表示用のボタン80Gが設置されている。
これらの表示のうち、操作用の各ボタン801〜806,80Gのアイコン画像は操作ボタンリスト60(図形表示アイコン63または文字表示アイコン64)から提供され、その他の項目、配置、大きさ等は画面フォーマット52の情報として操作画面リスト50から提供される。
【0038】
図6に戻って、前述した
図7の操作画面80等が表示された状態で、ユーザが操作を行うと、制御部24は操作内容を判断する(処理P14)。そして、操作内容がガイダンス要求でなかった場合、ユーザの操作が終了ボタンか否かを判断し(処理P15)、終了ボタンであった場合には処理を終了し、そうでない場合には操作内容に応じた処理を実行し、処理P13に戻る。
操作内容に応じた処理としては、測定動作の開始または終了、設定モードへの移行、画面の切り替えなどがある。
一方、操作内容がガイダンス要求であった場合、ガイダンス画面の表示に移る。
【0039】
図7右側には、ガイダンス画面90の一例が示されている。
このガイダンス画面90は、
図5で説明した単頁表示用フォーマット70Sを使用したものであり、ボタンリスト欄71および説明表示欄72を有し、ボタンリスト欄71には8組のアイコン表示73および機能名称表示74が表示できる。ガイダンス画面90の右下には、ガイダンス画面の表示を終了するための終了ボタン75が設置されている。
このガイダンス画面90を呼び出した操作画面80(
図7左側)では、操作ボタン801〜806が計6つであるので、ガイダンス画面90(
図7右側の)のボタンリスト欄71には6組のアイコン表示73および機能名称表示74が表示されている。
【0040】
図6に戻って、このようなガイダンス画面90の表示を行うために、制御部24では次のような処理を行う。
先ず、制御部24は、システム設定を参照し、現在の操作画面の表示情報を参照し、画面モード(一画面/複数画面の別)を選択する(処理P22)。具体的には、現在の操作画面に該当する操作画面リスト50中のデータセットに指定されたボタン数を参照し、ボタン数が「8」以下であった場合には一画面(単頁表示)、「8」を超えていた場合には複数画面(複数頁表示)を選択する。
【0041】
この選択の後、制御部24は、ガイダンス画面フォーマット70(
図5参照)から、単頁表示用フォーマット70Sまたは複数頁表示用フォーマット70Pを取得し、これらの何れかに基づいてガイダンス画面90を構成する(処理P23)。
この際、制御部24は、操作画面リスト50の現在の操作画面に対応するデータセットの表示ボタン指定54から、現在の操作画面80に表示されているボタンの指定を読み込み、該当するボタンのアイコン(図形表示アイコン63または文字表示アイコン64)および機能名称65を読み込み(処理P24)、ボタンリスト欄71のアイコン表示73および機能名称表示74に表示できるようにする。
これらによりガイダンス画面90が構成できたら、制御部24は、ガイダンス画面90を表示部21に表示し、操作部22に対するユーザの入力を待機する(処理P25)。
【0042】
ガイダンス画面90が表示された状態で、ユーザが操作を行うと、制御部24は操作内容を判断する(処理P26)。操作内容がページ切り替えであった場合については後述する。操作内容がページ切り替えでなかった場合、何れかのボタンの指定されていた場合、制御部24は、指定されたボタンの機能説明を操作ボタンリスト60の機能説明66から読み出し、説明表示欄72に表示する(処理P27)。それ以外の操作に対しては、終了ボタン75の操作であるかを判断し(処理P28)、終了ボタン75であった場合には処理P11に戻る。
以上のような処理により、単頁表示用フォーマット70Sを用いたガイダンス画面90の表示が実行される。
【0043】
次に、複数頁表示用フォーマット70Pを用いたガイダンス画面について説明する。
図8において、図中左側に示す3つの操作画面81A〜81Cは、測定値を統計処理して「Ra」値、「Rq」値および「Rz」値を示す画面であり、操作画面81Aが測定前の状態(測定データがない状態)、操作画面81Bが測定中の状態(統計処理がon)、操作画面81Cが測定中の状態(統計処理がoff)を示す。
【0044】
これらの操作画面81A〜81Cは、それぞれ共通の状態表示あるいは数値表示欄を有するとともに、操作用のボタン811〜815,818,819、ガイダンス画面表示用のボタン81Gを備えている。これに加えて、操作画面81Bは、ページ送り用のボタン81F、前ページに戻るボタン81Rおよび操作用のボタン816,817を備えている。
操作画面81A,81Cにおいてガイダンスの対象はボタン811〜815,818,819の7つであるが、操作画面81Bではボタン816,817を含めた9つであり、単頁表示用フォーマット70Sのボタンリスト許容値「8」を超える。
このため、操作画面81Bのガイダンス画面91は、複数頁表示用フォーマット70Pを用いてガイダンス画面91A,91Bの二画面で表示される(
図8右側参照)。
【0045】
第1ページであるガイダンス画面91Aには、ボタンリスト欄71に、操作画面81のボタン(計9つ)のうち、最大数である8つのボタン811〜815,818が表示される。
第2ページであるガイダンス画面91Bには、ボタンリスト欄71に、操作画面81のボタンのうち、ガイダンス画面91Aで表示されなかった残りのボタン819が表示される。
各々には、終了ボタン75の左に、ページ送り用の次頁ボタン76とページを戻るための前頁ボタン77とが表示される。これらの次頁ボタン76および前頁ボタン77により、ガイダンス画面91A,91Bは相互に行き来することができる。
【0046】
前述したように、操作画面81A,81Cにおいてガイダンスの対象はボタン811〜815,818,819の7つであり、単頁表示用フォーマット70Sを用いた表示とすることができる。つまり、操作画面81A,81Cが表示されている状態でガイダンス画面を表示させると単頁表示で表示され、操作画面81Bが表示されている状態でガイダンス画面を表示させると複数頁表示で表示されるような設定が可能である。
一方、本実施形態では、操作画面81A,81B、81Cの関連性が高いことから、全てに操作画面81Bに適用される複数頁表示のガイダンス画面91A,91Bを用いる。
これにより、関連性の高い操作画面81A,81Cと操作画面81Bとでガイダンス画面が異なるという状況を回避することができ、ユーザにとって見やすいガイダンス画面を提供することができる。
【0047】
図9において、図中左側に示す3つの操作画面82A〜82Cは、測定値をグラフ表示する画面である。
これらの操作画面82A〜82Cは、それぞれ共通の状態表示あるいはグラフ表示領域を有するとともに、操作用のボタン821〜824,828、ガイダンス画面表示用のボタン82Gを備えている。一方、操作画面82Aは操作用のボタン825A〜827Aを備えるが、同じ部位のボタンが、操作画面82Bでは操作用のボタン825B〜827Bとなり、操作画面82Cでは操作用のボタン825C〜827Cとなる。
従って、関連する3枚の操作画面82A〜82Cでは、合計14個のボタンを用いることになる。このため、これらの操作画面82A〜82Cから呼び出されるガイダンス画面92は共通化され、各々複数頁表示用フォーマット70Pを用いたガイダンス画面92A,92Bの二画面で表示される(
図9右側参照)。
【0048】
第1ページであるガイダンス画面92Aには、ボタンリスト欄71に、操作画面82A〜82Cのボタン(計14個)のうち、最大数である8つのボタン821〜824,825A〜827A,825Bまでが表示される。
第2ページであるガイダンス画面92Bには、ボタンリスト欄71に、ガイダンス画面92Aで表示されなかった残りのボタン826B〜827B、825C〜827C、828が表示される。
各々には、終了ボタン75の左に、ページ送り用の次頁ボタン76とページを戻るための前頁ボタン77とが表示される。これらの次頁ボタン76および前頁ボタン77により、ガイダンス画面92A,92Bは相互に行き来することができる。
【0049】
このように、関連性の高い操作画面82A〜82Cでガイダンス画面92A,92Bを共用することで、ユーザにとって見やすいガイダンス画面を提供することができる。
ただし、操作画面82A〜82Cは、それぞれ操作用のボタンが一画面に8つであるため、各々に対応した単頁表示のガイダンス画面を設定してもよい。
【0050】
前述した通り、本実施形態の表面性状測定機1は、日本語、英語および中国語を含む複数言語に対応している。
図10において、例えばメインメニューは、システム設定の表示言語が日本語に設定されている場合にはメインメニュー画面83Aのように表示され、表示言語が英語に設定されている場合にはメインメニュー画面84Aのように表示される。
【0051】
前述した通り、本実施形態の表面性状測定機1は、操作用のボタン表示のアイコンを図形表示アイコン63または文字表示アイコン64のなかから選択可能である。この設定は、メインメニューの画面変更メニューから選択することができる。
図10において、メインメニュー画面83Aの「画面変更」ボタン831を押すと、「画面変更」画面83Bが開く。更に、「ボタンタイプ」ボタン832を押すと、ボタンタイプの設定画面が開く。
【0052】
図11上段左側に示すように、「ボタンタイプ」画面83Cで「アイコン」ボタン833を選択することで、ボタンのアイコン表示として図形表示モードが選択される。その結果、前述した各操作画面あるいはガイダンス画面で操作用のボタンを表示する際には、図形表示アイコン63の画像データが使用される。
図11中段左側に示すように、操作画面83Dにおける操作用のボタンは図形表示されている。そして、ガイダンス画面表示用のボタン83Gを押すことで、
図11下段に示すガイダンス画面93が表示される。ガイダンス画面93は、前述したガイダンス画面90と同様の各構成を備えている。
【0053】
図11上段右側に示すように、「ボタンタイプ」画面83Cで「テキスト」ボタン834を選択することで、ボタンのアイコン表示として文字表示モードが選択される。その結果、前述した各操作画面あるいはガイダンス画面で操作用のボタンを表示する際には、文字表示アイコン64の画像データが使用される。
図11中段右側に示すように、操作画面83Eにおける操作用のボタンは文字表示されている。そして、ガイダンス画面表示用のボタン83Gを押すことで、
図11下段に示すガイダンス画面93が表示される。ガイダンス画面93は、前述したガイダンス画面90と同様の各構成を備えている。
【0054】
図11は日本語表示の例であったが、
図12は英語表示の例である。
前述した
図10において、表示言語が英語に設定されている場合のメインメニュー画面84Aにおいて、前述した「画面変更」ボタン831に対応する「Screen Change」ボタン841を押すと、前述した「画面変更」画面83Bに相当する英語表示の画面が開き、そこで「ボタンタイプ」ボタン832に相当するボタンを押すと、
図12上段に示すボタンタイプの設定画面が開く。
図12に示す画面84C,84D,84E,94は、それぞれ
図11の画面83C,83D,83E,93に対応する英語表示の画面である。
【0055】
図12上段左側に示すように、「Button type」画面84Cで「Icon」ボタン843を選択することで、ボタンのアイコン表示として図形表示モードが選択される。その結果、前述した各操作画面あるいはガイダンス画面で操作用のボタンを表示する際には、図形表示アイコン63の画像データ(英文表示)が使用される。
図12上段右側に示すように、「Button type」画面84Cで「Text」ボタン844を選択することで、ボタンのアイコン表示として文字表示モードが選択される。その結果、前述した各操作画面あるいはガイダンス画面で操作用のボタンを表示する際には、文字表示アイコン64の画像データ(英文表示)が使用される。
【0056】
図12中段左右に示すように、操作画面84D,84Eにおける操作用のボタンは文字表示されている。そして、ガイダンス画面表示用のボタン84Gを押すことで、
図12下段に示すガイダンス画面94が表示される。ガイダンス画面94は、前述したガイダンス画面90と同様の各構成を備えている。
【0057】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、単頁表示用フォーマットの最大数は8に限らず、他の数であってもよい。ただし、あまり多くすると、小型の表示部21での表示文字が細かくなりすぎる。一方、あまり少ないと、複数頁表示フォーマットを利用する状況が増し、操作性が低下する。実施にあたっては、これらの事情を考慮して、適切な最大数を設定することが望ましい。
【0058】
また、ガイダンス画面の表示内容および画面配置は、実施にあたって適宜選択することができる。例えば、機能説明を文章表示する説明表示欄72は、前記実施形態では2行分としたが、これは1行分だけ、あるいは3行以上であってもよい。
さらに、ガイダンス表示を行うソフトウェアの具体的な手順は、同様の機能が実現できれば他の手順であってもよい。
前述した説明表示欄72に各ボタンの機能説明を表示させる動作は、ガイダンス画面におけるボタン表示にタッチすることで即座に起動されるとしたが、例えば画面上のボタンをタッチすることで選択され、選択状態で再度タッチすることで説明が表示されるようにしてもよい。
あるいは、ガイダンス画面におけるボタン表示にタッチすることで説明が表示され、この状態で再度タッチすることで該当する機能が実行されるようにしてもよい。