(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポンプ制御器が、前記処方に関連する前記ポンプの前記パラメータに対する前記基準プロファイルを生成するために、前記ポンプの動作中に前記パラメータを測定値を得て、前記パラメータの前記測定値のすべて又は一部を利用するように動作可能とされることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記ポンプの前記パラメータに対する前記基準プロファイルを確立する際に、及び、前記ポンプの前記パラメータに対する前記動作プロファイルを生成する際に、前記パラメータの測定値が、異なる速度で得られることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記処方に関連する前記ポンプの前記パラメータに対する前記基準プロファイルを生成するために、前記ポンプの動作中に前記パラメータを測定値を得て、前記パラメータの前記測定値のすべて又は一部を利用するステップを備えていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
前記ポンプの前記パラメータに対する前記基準プロファイルを確立する際に、及び、前記ポンプの前記パラメータに対する前記動作プロファイルを生成する際に、前記パラメータの測定値が、異なる速度で得られることを特徴とする請求項6に記載の方法。
前記ポンプの前記パラメータに対する前記基準プロファイルを確立する際に、及び、前記ポンプの前記パラメータに対する前記動作プロファイルを生成する際に、前記パラメータの測定値が、異なる速度で得られることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態を図に図示し、類似数字は、種々の図面の類似部品および対
応する部品を指すために使用されている。
【0021】
本発明の実施形態は、ポンプを使用して流体を正確に分注する、ポンプシステムに関連
する。より具体的には、本発明の実施形態は、ポンプの動作または作用を確認または検証
するステップを含む、ポンプの動作を監視するためのシステムおよび方法に関連する。一
実施形態によれば、本発明は、ポンプからの流体の正確な分注、ポンプ内のフィルタの適
切な動作等を検証するための方法を提供する。ポンプの1つ以上のパラメータに対する基
準プロファイルが確立されてもよい。次いで、ポンプの後続動作中に同じ一式のパラメータに対する1つ以上の値を記録することによって、動作プロファイルが生成されてもよい
。動作プロファイルに対して、1つ以上の適合度の尺度を決定することができる。適合度
の尺度が許容できない場合、警報が送信されてもよく、または他の措置が取られてもよく
、例えば、ポンプシステムが運転停止等されてもよい。適合度の尺度は、R2乗値、また
は適合度の他の統計的尺度となり得る。
【0022】
これらのシステムおよび方法は、ポンプの動作および作用に関する種々の問題を検出す
るために使用されてもよい。例えば、1つ以上の点における基準圧力を、ポンプの動作中
に測定される圧力プロファイルの1つ以上の点と比較することによって、不適切な分注が
検出されてもよい。同様に、ポンプの動作の1つ以上の段階中のモータの稼働率を、この
モータに対する基準稼働率と比較することによって、ポンプのフィルタの目詰まりが検出
されてもよい。本発明のシステムおよび方法のこれらの使用法および他の使用法は、次の
開示の再検討後に明白となるであろう。
【0023】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の種々の実施形態とともに利用されてもよい
、ポンプまたはポンプシステムの例示的実施形態を説明することが有用となる場合がある
。
図1は、ポンプシステム10の図表示である。ポンプシステム10は、流体源15、ポ
ンプ制御器20、および多段ポンプ100を含むことができ、それらはウエハ25上に流
体を分注するように共働する。多段ポンプ100の動作は、多段ポンプ100上に搭載さ
れるか、または、制御信号、データ、または他の情報を伝達するための1つ以上の通信リ
ンクを介して多段ポンプ100に接続することができる、ポンプ制御器20によって制御
することができる。ポンプ制御器20は、多段ポンプ100の動作を制御するための一式
の制御命令30を含む、コンピュータ可読媒体27(例えば、RAM、ROM、フラッシ
ュメモリ、光ディスク、磁気ドライブ、または他のコンピュータ可読媒体)を含むことが
できる。プロセッサ35(例えば、CPU、ASIC、DSP、RISC、または他のプ
ロセッサ)は、命令を実行することができる。プロセッサの一例は、Texas Ins
truments TMS320F2812PGFA 16−bit DSPである(T
exas Instrumentsは、テキサス州ダラスを拠点とする企業である)。図
1の実施形態では、制御器20は、通信リンク40および45を介して多段ポンプ100
と通信する。通信リンク40および45は、ネットワーク(例えば、Ethernet(
登録商標)、無線ネットワーク、グローバルエリアネットワーク、DeviceNetネ
ットワーク、または当該分野で公知である、または開発された他のネットワーク)、バス
(例えば、SCSIバス)、または他の通信リンクとなり得る。制御器20は、内蔵PC
Bボード、遠隔制御器として、または他の適当な方法で実装することができる。ポンプ制
御器20は、ポンプ制御器20が多段ポンプ100と通信することを可能にするように、
適切なインターフェース(例えば、ネットワークインターフェース、I/Oインターフェ
ース、アナログ・デジタル変換器、および他の構成要素)を含むことができる。ポンプ制
御器20は、プロセッサ、メモリ、インターフェース、表示デバイス、周辺機器、または
他のコンピュータ構成要素を含む、当該分野で公知の種々のコンピュータ構成要素を含む
ことができる。ポンプ制御器20は、多段ポンプの種々の弁およびモータを制御して、多
段ポンプに低粘度流体(すなわち、5センチポイズ未満)または他の流体を含む流体を正
確に分注させることができる。ポンプ制御器20はまた、本明細書に記載のシステムおよ
び方法の実施形態を実施するように動作可能な命令を実行してもよい。
【0024】
図2は、多段ポンプ100の図表示である。多段階ポンプ100は、供給段階部分10
5および別個の分注段階部分110を含む。流体流れの観点から、供給段階部分105と
分注段階部分110との間には、プロセス流体から不純物を濾過するようにフィルタ12
0が位置する。例えば、入口弁125、隔離弁130、障壁弁135、浄化弁140、排
出弁145、および出口弁147を含む、多数の弁が、多段ポンプ100を通る流量を制
御することができる。分注段階部分110はさらに、分注段階110における流体の圧力を決定する、圧力センサ112を含むことができる。圧力センサ112によって決定され
る圧力は、下記のように種々のポンプの速度を制御するために使用することができる。圧
力センサの例は、ドイツ・コルブのMetallux AG製造のセンサを含む、セラミ
ックおよびポリマーのピエゾ抵抗および容量圧力センサを含む。他の圧力センサを使用す
ることができ、圧力センサは、分注段階室に加えて、またはその代わりに、供給段階室の
圧力を読み取るように位置付けることができる。
【0025】
供給段階105および分注段階110は、多段ポンプ100中の流体をポンプ注入する
ように回転ダイアフラムポンプを含むことができる。供給段階ポンプ150(「供給ポン
プ150」)は、例えば、流体を収集する供給室155、供給室155内で移動して流体
を変位させる供給段階ダイアフラム160、供給段階ダイアフラム160を移動させるピ
ストン165、主ネジ170、およびステッピングモータ175を含む。主ネジ170は
、モータから主ネジ170へエネルギーを付与するために、ナット、歯車、または他の機
構を通して、ステッピングモータ175に連結する。一実施形態によれば、供給モータ1
70は、ナットを回転させ、次に、主ネジ170に直線運動を付与して、ピストン165
を作動させる。分注段階ポンプ180(「分注ポンプ180」)は、同様に、分注室18
5、分注段階ダイアフラム190、ピストン192、主ネジ195、および分注モータ2
00を含むことができる。他の実施形態によれば、供給段階105および分注段階110
はそれぞれ、空気圧作動ポンプ、油圧ポンプ、または他のポンプを含む、種々の他のポン
プを含むことができる。供給段階に対する空気圧作動ポンプ、およびステッピングモータ
駆動油圧ポンプを使用する、多段ポンプの一例は、参照することにより完全に本願に組み
込まれる、特許文献1に記載されている。
【0026】
供給モータ175および分注モータ200は、任意の適当なモータとなり得る。一実施
形態によれば、分注モータ200は、永久磁石同期モータ(「PMSM」)である。PM
SMは、モータ200、制御器内蔵多段ポンプ100、または別個のポンプ制御器(例え
ば、
図1に示されるような)において、電場配向制御(「FOC」)または他の種類の速
度/位置制御を利用して、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)によって制御すること
ができる。PMSM200はさらに、分注モータ200の位置のリアルタイムフィードバ
ックのためのエンコーダ(例えば、細線回転位置エンコーダ)を含むことができる。位置
センサの使用は、ピストン192の位置の正確かつ反復可能な制御を与え、それは分注室
185中の流体移動の正確かつ反復可能な制御につながる。例えば、DSPに8,000
カウントを与える、2,000ラインエンコーダを使用して、0.045度の回転を正確
に測定および制御することが可能である。また、PMSMは、振動がほとんどないか、ま
たは全くない、低速度で作動することができる。供給モータ175はまた、PMSMまた
はステッピングモータとなり得る。本発明の一実施形態によれば、供給段階モータ175
は、部品番号L1LAB−005のステッピングモータとすることができ、分注段階モー
タ200は、部品番号DA23DBBL−13E17AのブラシレスDCモータとするこ
とができ、両方とも、米国ニューハンプシャー州ドーヴァーのEAD motorsから
市販されている。
【0027】
多段ポンプ100の弁は、多段ポンプ100の種々の部分の流体流れを可能にする、ま
たは制限するように開放または閉鎖される。一実施形態によれば、これらの弁は、圧力ま
たは真空が有効化されるかどうかによって開放または閉鎖する、空気圧作動(すなわち、
ガス駆動)ダイアフラム弁となり得る。しかしながら、本発明の他の実施形態では、任意
の適当な弁を使用することができる。
【0028】
動作中、多段ポンプ100は、準備完了区分、分注区分、充填区分、濾過前区分、濾過区分、排出区分、浄化区分、および静的浄化区分を含むことができる。供給区分の間に、入口弁125が開放され、供給段階ポンプ150が供給段階ダイアフラム160を移動させ(例えば、引っ張る)、供給室155内に流体を引き込む。いったん十分な量の流体が供給室155を充填すると、入口弁125は閉鎖される。濾過区分の間に、供給段階ポンプ150が供給段階ダイアフラム160を移動させて、供給室155から流体を変位させる。流体がフィルタ120を通って分注室185へと流れることを可能にするように、隔離弁130および障壁弁135が開放される。隔離弁130は、一実施形態によれば、圧力がフィルタ120中で高まることを可能にするように、最初に(例えば、「濾過前区分」で)開放することができ、次いで、分注室185内への流体流れを可能にするように障壁弁135を開放することができる。濾過区分の間に、分注ポンプ180をその定位置に運ぶことができる。それぞれ参照することにより完全に本願に組み込まれる特許文献2および特許文献3に記載のように、分注ポンプの定位置は、分注サイクルに対して分注ポンプにおける最大の利用可能容積を与えるが、分注ポンプが提供し得る最大利用可能容積未満である、位置となり得る。定位置は、多段ポンプ100の未使用のホールドアップ容積を低減するように、分注サイクルに対する種々のパラメータに基づいて選択される。同様に、供給ポンプ150を、その最大利用可能容積未満の容積を提供する定位置に運ぶことができる。
【0029】
流体が分注室185に流れ込むにつれて、流体の圧力が増加する。本発明の一実施形態
によれば、分注室185中の流体圧が所定の圧力設定点(例えば、圧力センサ112によ
って決定されるような)に到達すると、分注段階ポンプ180は、分注段階ダイアフラム
190を撤収し始める。言い換えれば、分注段階ポンプ180は、分注室185の利用可
能な容積を増加させて、流体が分注室185に流れ込むことを可能にする。このことは、
例えば、所定の速度で分注モータ200を逆転させ、分注室185中の圧力を減少させる
ことによって、行うことができる。分注室185中の圧力が設定点を下回る(システムの
許容内)場合、分注室185中の圧力を設定点に到達させるように、供給モータ175の
速度が増加される。圧力が設定点を超える(システムの許容内)場合、供給ステッピング
モータ175の速度は減少し、下流の分注室185中の圧力の減少につながる。供給段階
モータ175の速度を増加および減少させる過程は、分注段階ポンプが定位置に到達する
まで反復することができ、定位置の時点で両方のモータを停止することができる。
【0030】
別の実施形態によれば、濾過区分の間の第1段階モータの速度は、「不感帯」制御の仕
組みを使用して、制御することができる。分注室185中の圧力が初期閾値に到達すると
、分注段階ポンプは、分注段階ダイアフラム190を移動させて、流体が分注室185に
より自由に流れ込むことを可能にでき、それにより、分注室185中の圧力を低下させる
。圧力が最小圧力閾値を下回って低下する場合、供給段階モータ175の速度は増加され
、分注室185中の圧力を増加させる。分注室185中の圧力が最大圧力閾値を超えて増
加する場合、供給段階モータ175の速度は減少される。再度、供給段階モータ175の
速度を増加および減少させる過程は、分注段階ポンプが定位置に到達するまで反復するこ
とができる。
【0031】
排出区分の初めに、隔離弁130が開放され、障壁弁135が閉鎖され、排出弁145
が開放される。別の実施形態では、障壁弁135は、排出区分の間に開いたままとなり、
排出区分の終了時に閉鎖することができる。この時期の間、障壁弁135が開いている場
合、圧力センサ112によって測定することができる分注室中の圧力が、フィルタ120中の圧力によって影響されるため、圧力は、制御器によって理解することができる。供給
段階ポンプ150は、流体に圧力を印加し、開いた排出弁145を通してフィルタ120
から気泡を除去する。供給段階ポンプ150は、排出が所定の速度で発生させられるよう
に制御することができ、より長い排出時間およびより低い排出速度を可能にし、それによ
り、排出廃棄物の量の正確な制御を可能にする。供給ポンプが空気圧型ポンプである場合
、流量制限を排出流体通路に設けることができ、「排出」設定点圧力を維持するために、
供給ポンプに印加される空気圧を増加または減少させることができ、そうでなければ非制
御の方法のなんらかの制御を与える。
【0032】
浄化区分の初めに、隔離弁130が閉鎖され、障壁弁135が排出区分で開いている場
合に閉鎖され、排出弁145が閉鎖され、浄化弁140が開放され、入口弁125が開放
される。分注ポンプ180は、分注室185中の流体に圧力を印加して、浄化弁140を
通して気泡を排出する。静的浄化区分の間に、分注ポンプ180は停止されるが、浄化弁
140は開いたままであり、空気を排出し続ける。浄化または静的浄化区分の間に除去さ
れた、あらゆる過剰な流体は、多段ポンプ100から外へ送る(例えば、流体源へ戻すか
、または廃棄する)か、または供給段階ポンプ150へと再循環させることができる。準
備完了区分の間に、供給段階ポンプ150が流体源(例えば、流体源ボトル)の周囲圧力
に到達することができるように、隔離弁130および障壁弁135を開放することができ
、浄化弁140を閉鎖することができる。他の実施形態によれば、準備完了区分時に全て
の弁を閉鎖することができる。
【0033】
分注区分の間に、出口弁147が開き、分注ポンプ180が分注室185中の流体に圧
力を印加する。出口弁147は、分注ポンプ180よりもゆっくりと制御に反応してもよ
いため、出口弁147を最初に開放することができ、ある既定期間後に分注モータ200
を起動することができる。このことは、分注ポンプ180が部分的に開いた出口弁147
に流体を押し通すことを防ぐ。さらに、このことは、弁開放によって引き起こされる、分
注ノズルを上昇する流体、続いてモータ作用によって引き起こされる、前進流体運動を防
ぐ。他の実施形態では、出口弁147を開放することができ、同時に分注ポンプ180に
よって分注を開始することができる。
【0034】
分注ノズル中の過剰な流体が除去される、付加的な再吸入区分を行うことができる。再
吸入区分の間に、出口弁147は閉鎖することができ、出口ノズルから過剰な流体を吸い
出すために、2次モータまたは真空を使用することができる。代替として、出口弁147
は開いたままとなることができ、流体を分注室内へ再吸入するように分注モータ200を
逆転させることができる。再吸入区分は、ウエハ上への過剰な流体の液垂れを防ぐのに役
立つ。
【0035】
図3を簡潔に参照して、この図は、
図1の多段ポンプ100の動作の様々な区分に対す
る弁および分注モータのタイミングの図表示を提供する。いくつかの弁が区分変化中に同
時に閉鎖するとして示されている一方で、弁の閉鎖は、圧力上昇を低減するようにわずか
に離して時期を選ぶことができる(例えば、100ミリ秒)。例えば、排出区分と浄化区
分との間で、排出弁145の直前に隔離弁130を閉鎖することができる。しかしながら
、他の弁のタイミングを本発明の種々の実施形態で利用できることに留意されたい。加え
て、区分のうちのいくつかをともに行うことができる(例えば、充填/分注段階を同時に
行うことができ、その場合、入口弁および出口弁の両方を分注/充填区分で開放すること
ができる)。各サイクルに対して特定の区分は反復される必要がないことにさらに留意さ
れたい。例えば、浄化および静的浄化区分は、各サイクルに対して行われなくてもよい。
同様に、排出区分は、サイクルごとに行われなくてもよい。
【0036】
種々の弁の開放および閉鎖は、流体の圧力上昇を引き起こすことができる。静的浄化区分の終了時の浄化弁140の閉鎖は、例えば、分注室185中の圧力増加を引き起こすこ
とができる。各弁が閉鎖する時に少量の流体を変位させる場合があるため、このことが発
生し得る。浄化弁140は、例えば、閉鎖するにつれて、少量の流体を分注室185内へ
変位させることができる。浄化弁140の閉鎖により圧力増加が発生する時に出口弁14
7が閉鎖されるため、圧力が低減されなければ、後続分注区分の間にウエハ上への流体の
「吐出」が発生する場合がある。静的浄化区分または付加的な区分の間にこの圧力を放出
するために、ピストン192を既定距離に後退させて障壁弁135および/または浄化弁
140の閉鎖によって引き起こされる、あらゆる圧力増加を補償するように、分注モータ
200が逆転されてもよい。
【0037】
圧力上昇は、浄化弁140だけでなく、他の弁を閉鎖(または開放)することによって
引き起こすことができる。準備完了区分の間に、ダイアフラムの性質、温度、または他の
因子に基づいて、分注室185中の圧力が変化し得ることにさらに留意されたい。分注モ
ータ200は、この圧力動向を補償するように制御することができる。
【0038】
したがって、本発明の実施形態は、穏やかな流体取扱特性を伴う多段ポンプを提供する
。分注ポンプにおける圧力センサからのリアルタイムフィードバックに基づいて、供給ポ
ンプの動作を制御することによって、損害を与える可能性のある圧力上昇を回避すること
ができる。本発明の実施形態はまた、プロセス流体に対する圧力の悪影響を低減するのに
役立つように、他のポンプ制御機構および弁裏層を採用することもできる。
【0039】
図4は、多段ポンプ100のためのポンプアセンブリの一実施形態の図表示である。多
段ポンプ100は、多段ポンプ100を通る種々の流体流路を画定する、分注ブロック2
05を含むことができる。分注ポンプブロック205は、一実施形態によれば、PTFE
、変性PTFE、または他の材料の単一ブロックとなり得る。これらの材料は多くのプロ
セス流体と反応しないか、または最小限に反応するため、これらの材料の使用は、流路お
よびポンプ室が、最小限の追加ハードウェアで分注ブロック205内へと直接機械加工さ
れることを可能にする。その結果として、分注ブロック205は、流体多岐管を提供する
ことによる配管の必要性を低減する。
【0040】
分注ブロック205は、例えば、それを通って流体が受容される入口210、排出区分
の間に流体を排出するための排出出口215、および分注区分の間にそれを通って流体が
分注される分注出口220を含む、種々の外部入口および出口を含むことができる。分注
ブロック205は、
図4の例では、浄化された流体が供給室(
図5Aおよび
図5Bに示さ
れるような)に再び送られるため、外部浄化出口を含まない。しかしながら、本発明の他
の実施形態では、流体を外部浄化することができる。
【0041】
分注ブロック205は、供給ポンプ、分注ポンプ、およびフィルタ120に流体を送る
。ポンプカバー225は、供給モータ175および分注モータ200を損害から保護する
ことができる一方で、ピストンハウジング227は、ピストン165およびピストン19
2に対する保護を提供することができる。弁プレート230は、流体を多段ポンプ100
の種々の構成要素に方向付けるように構成することができる、弁システム(例えば、
図2
の入口弁125、隔離弁130、障壁弁135、浄化弁140、および排出弁145)の
ための弁ハウジングを提供する。一実施形態によれば、入口弁125、隔離弁130、障
壁弁135、浄化弁140、および排出弁145のそれぞれは、弁プレート230に統合
され、対応するダイアフラムおよび出口弁147に圧力または真空が印加されるかどうか
に応じて、開放されるか閉鎖されるかのいずれかであるダイアフラム弁であり、出口弁1
47は、分注ブロック205の外部にある。各弁に対して、PTFE、変性PTFE、複
合物、または他の材料のダイアフラムは、弁プレート230と分注ブロック205との間
で挟持される。弁プレート230は、対応するダイアフラムに圧力または真空を印加するように、各弁に対する弁制御入口を含む。例えば、入口235は障壁弁135に、入口2
40は浄化弁140に、入口245は隔離弁130に、入口250は排出弁145に、お
よび入口255は入口弁125に対応する。入口への圧力または真空の選択的印加によっ
て、対応する弁が開放または閉鎖される。
【0042】
弁制御ガスおよび真空は、弁制御多岐管(カバー263の下の領域に位置する)から分
注ブロック205を通って弁プレート230へと続く、弁制御補給ライン260を介して
、弁プレート230に提供される。弁制御ガス補給入口265は、弁制御多岐管に加圧ガ
スを提供し、真空入口270は、弁制御多岐管に真空(または低圧)を提供する。弁制御
多岐管は、三方弁の役割を果たし、補給ライン260を介して弁プレート230の適切な
入口に加圧ガスまたは真空を送り、対応する弁を作動させる。
【0043】
図5Aは、それを通って画定された流体流路を示すように透明にされた分注ブロック2
05を伴う、多段ポンプ100の一実施形態の図表示である。分注ブロック205は、多
段ポンプ100に対する種々の室および流体流路を画定する。一実施形態によれば、供給
室155および分注室185を分注ブロック205内へと直接機械加工することができる
。加えて、種々の流路を分注ブロック205へと直接機械加工することができる。流体流
路275(
図5Cに示される)は、入口210から入口弁へと続く。流体流路280は、
入口弁から供給室155へと続いて、入口210から供給ポンプ150への経路を完成さ
せる。弁ハウジング230中の入口弁125は、入口210と供給ポンプ150との間の
流動を調節する。流路285は、供給ポンプ150から弁プレート230中の隔離弁13
0に流体を送る。隔離弁130の出力は、別の流路(図示せず)によってフィルタ120
に送られる。流体は、フィルタ120から、フィルタ120を排出弁145および障壁弁
135に接続する流路を通って流れる。排出弁145の出力が排出出口215に送られる
一方で、障壁弁135の出力は、流路290を介して分注ポンプ180に送られる。分注
ポンプは、分注区分の間に流路295を介して出口220に、または浄化区分において流
路300を通して浄化弁に、流体を出力することができる。浄化区分の間に、流体は、流
路305を通して供給ポンプ150に戻すことができる。流体流路は、PTFE(または
他の材料)ブロックの中に直接形成することができるため、分注ブロック205は、多段
ポンプ100の種々の構成要素間のプロセス流体に対する配管の役割を果たすことができ
、追加管類の必要性を排除または低減する。他の場合において、流体流路を画定するよう
に管類を分注ブロック205に挿入することができる。
図5Bは、一実施形態による、そ
の中の流路のうちのいくつかを示すように透明にされた分注ブロック205の図表示を提
供する。
【0044】
図5Aはまた、供給段階モータ190を含む供給ポンプ150、分注モータ200を含
む分注ポンプ180、および弁制御多岐管302を示すようにポンプカバー225および
多岐管カバー263が除去された、多段ポンプ100も示す。本発明の一実施形態によれ
ば、供給ポンプ150、分注ポンプ180、および弁プレート230の各部分は、分注ブ
ロック205の対応する空洞に挿入される棒(例えば、金属棒)を使用して、分注ブロッ
ク205に連結することができる。各棒は、ネジを受容するように1つ以上のネジ穴を含
むことができる。一例として、分注モータ200およびピストンハウジング227は、分
注ブロック205のネジ穴を通り抜けて棒285の対応する穴の中へ螺入する、1つ以上
のネジ(例えば、ネジ275およびネジ280)を介して、分注ブロック205に取り付
けることができる。構成要素を分注ブロックに連結するためのこの機構は一例として提供
され、任意の適当な取着機構を使用できることに留意されたい。
【0045】
図5Cは、弁プレート230に圧力または真空を提供するための補給ライン260を示
す、多段ポンプ100の図表示である。
図4と併せて論じられるように、弁プレート23
0中の弁は、流体が多段ポンプ100の種々の構成要素へと流れることを可能にするように構成することができる。弁の作動は、圧力または真空のいずれかを各補給ライン260
に方向付ける、弁制御多岐管302によって制御される。各補給ライン260は、小型開
口部(すなわち、制限)を伴う継手(一例の継手は318において示される)を含むこと
ができる。各補給ラインの開口部は、補給ラインへの圧力の印加と真空の印加との間の急
激な圧力差の影響を軽減するのに役立つ。このことは、弁がより平滑に開放および閉鎖す
ることを可能にする。
【0046】
図6は、多段ポンプ100の一実施形態の部分アセンブリを図示する図表示である。図
6では、弁プレート230はすでに、上記のように分注ブロック205に連結されている
。供給段階ポンプ150に対して、主ネジ170を伴うダイアフラム160が、供給室1
55に挿入されることができ、分注ポンプ180に対しては、主ネジ195を伴うダイア
フラム190が、分注室185に挿入されることができる。ピストンハウジング227は
、それを通り抜ける主ネジにより、供給および分注室の上に配置される。分注モータ20
0は、主ネジ195に連結し、回転雌ネジ式ナットを通して主ネジ195に直線運動を付
与することができる。同様に、供給モータ175も、主ネジ170に連結され、回転雌ネ
ジ式ナットを通して主ネジ170に直線運動を付与することができる。ピストンハウジン
グ227から分注モータ200を離隔するために、スペーサ310を使用することができ
る。示された実施形態でのネジが、
図5と併せて論じられるように、分注ブロック205
に挿入されるネジ穴を伴う棒を使用して、供給モータ175および分注モータ200を多
段ポンプ100に取り付ける。例えば、ネジ315は、棒320のネジ穴に螺入すること
ができ、ネジ325は、供給モータ175を取り付けるように棒330のネジ穴に螺入す
ることができる。
【0047】
図7は、多段ポンプ100の一実施形態の部分アセンブリをさらに図示する図表示であ
る。
図7は、分注ブロック205にフィルタ付属品335、340、および345を追加
するステップを図示する。フィルタ付属品335、340、345を保持するために、ナ
ット350、355、360を使用することができる。任意の適当な付属品を使用するこ
とができ、図示される付属品は一例として提供されることに留意されたい。各フィルタ付
属品は、供給室、排出出口、または分注室への流路のうちの1つにつながる(全て弁プレ
ート230を介する)。圧力センサ112は、圧力感知面を分注室185に暴露させて、
分注ブロック205に挿入することができる。Oリング365は、分注室185との圧力
センサ112の接合面を密封する。圧力センサ112は、ナット310によってしっかり
と適所に保持される。弁制御多岐管302は、ピストンハウジング227に螺合すること
ができる。弁制御ライン(図示せず)は、弁制御多岐管302の出口から開口375にお
いて分注ブロック205の中へ、分注ブロック205の上方から出て、弁プレート230
(
図4に示されるような)へと続く。
【0048】
図7はまた、ポンプ制御器(例えば、
図1のポンプ制御器20)との連通のためのいく
つかのインターフェースも図示する。圧力センサ112は、1つ以上のワイヤ(380に
おいて表される)を介して制御器20に圧力測定値を伝達する。分注モータ200は、ポ
ンプ制御器20から信号を受信して分注モータ200を移動させるように、モータ制御イ
ンターフェース205を含む。加えて、分注モータ200は、(例えば、位置ラインエン
コーダからの)位置情報を含む、情報をポンプ制御器20に伝達することができる。同様
に、供給モータ175は、ポンプ制御器20から制御信号を受信し、それに情報を伝達す
るように、通信インターフェース390を含むことができる。
【0049】
図8Aは、分注ブロック205、弁プレート230、ピストンハウジング227、主ネ
ジ170、および主ネジ195を含む、多段ポンプ100の一部分の側面図を図示する。
図8Bは、分注ブロック205、分注室185、ピストンハウジング227、主ネジ19
5、ピストン192、および分注ダイアフラム190を示す、
図8Aの断面図を図示する。
図8Bに示されるように、分注室185は、分注ブロック205によって少なくとも部
分的に画定することができる。主ネジ195が回転するにつれて、ピストン192は上方
へ移動して(
図8Bに示される配列に対して)分注ダイアフラム190を変位させること
ができ、それにより、出口流路295を介して分注室185中の流体を退出させる。
図8
Cは、
図8Bの詳細を図示する。
図8Cに示される実施形態では、分注ダイアフラム19
0は、分注ブロック200の溝400に嵌入するトング395を含む。したがって、この
実施形態では、分注ダイアフラム190の縁は、ピストンハウジング227と分注ブロッ
ク205との間で密封される。一実施形態によれば、分注ポンプおよび/または供給ポン
プ150は、回転ダイアフラムポンプとなり得る。
【0050】
図1−8Cと併せて説明される多段ポンプ100は、限定ではなく一例として提供され、本発明の実施形態は、他の多段ポンプ構成に対して実施できることに留意されたい。
【0051】
上記のように、本発明の実施形態は、多段ポンプ(例えば、多段ポンプ100)の動作の濾過区分の間に、圧力制御を提供することができる。
図9は、濾過区分の間に圧力を制御するための方法の一実施形態を図示するフロー図である。
図9の方法論は、多段ポンプを制御するようにプロセッサによって実行可能である、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア命令を使用して実施することができる。濾過区分の初めに、モータ175が既定の速度で供給室155から流体を押し出し始め(ステップ405)、流体を分注室185に進入させる。分注室185中の圧力が所定の設定点に到達すると(ステップ410において圧力センサ112によって決定されるように)、分注モータが移動し始めて、ピストン192およびダイアフラム190を後退させる(ステップ415)。分注モータは、一実施形態によれば、所定の速度でピストン165を後退させることができる。したがって、分注ポンプ180は、より多くの容積を分注室185中の流体に利用可能とし、それにより、流体の圧力を減少させる。
【0052】
圧力センサ112が、分注室185中の流体の圧力を継続的に監視する(ステップ420)。圧力が設定点であるか、またはそれを上回る場合、供給段階モータ175は、減少した速度で動作し(ステップ425)、そうでなければ、供給モータ175は、増加した速度で動作する(ステップ430)。分注室185におけるリアルタイム圧力に基づいて、供給段階モータ175の速度を増加および減少させる過程は、分注ポンプ180が定位置に到達するまで(ステップ435において決定されるように)継続することができる。分注ポンプ180が定位置に到達すると、供給段階モータ175および分注段階モータ200を停止することができる。
【0053】
分注ポンプ180がその定位置に到達したかどうかは、種々の方法で決定することができる。例えば、参照することにより完全に本願に組み込まれる特許文献2および特許文献3で論じられるように、このことは、主ネジ195、およびしたがってダイアフラム190の位置を位置センサが決定することによって行うことができる。他の実施形態では、分注段階モータ200は、ステッピングモータとなり得る。この場合、各ステップがダイアフラム190を特定量変位させるので、分注ポンプ180がその定位置にあるかどうかは、モータのステップを数えることによって決定することができる。
図9のステップは、必要または所望に応じて反復することができる。
【0054】
図10は、本発明の一実施形態によろう多段ポンプを動作させるための分注室185における圧力プロファイルを図示する。点440において、分注が開始され、分注ポンプ180が出口から流体を押し出す。分注は、点445において終了する。分注ポンプ180は典型的には充填区分に関与しないため、分注室185における圧力は、この区分の間にほぼ一定のままである。点450において、濾過区分が開始し、供給段階モータ175が所定の速度で前進して供給室155から流体を押す。
図10で見ることができるように、分注室185中の圧力が上昇し始め、点455において所定の設定点に到達する。分注室185中の圧力が設定点に到達すると、分注モータ200は一定の速度で逆転して、分注室185中の利用可能な容積を増加させる。点455と点460との間の圧力プロファイルの比較的平坦な部分において、供給モータ175の速度は、圧力が設定点を下回って低下する時はいつでも増加され、設定点に到達すると減少される。このことは、分注室185中の圧力をほぼ一定の圧力に保つ。点460において、分注モータ200が定位置に到達し、濾過区分が終了する。点460における急激な圧力上昇は、濾過の終了時の障壁弁135の閉鎖によって引き起こされる。
【0055】
図9および10と併せて説明される制御の仕組みは、単一の設定点を使用する。しかしながら、本発明の他の実施形態では、最小および最大圧力閾値を使用することができる。
図11は、最小および最大圧力閾値を使用する方法の一実施形態を図示するフロー図である。
図11の方法論は、多段ポンプを制御するようにプロセッサによって実行可能である、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア命令を使用して実施することができる。濾過区分の初めに、モータ175が既定速度で供給室155から流体を押し出し始め(ステップ470)、流体を分注室185に進入させる。分注室185中の圧力が所定の初期閾値に到達すると(ステップ480において圧力センサ112からの測定結果によって決定されるように)、分注モータが移動し始めて、ピストン192およびダイアフラム190を後退させる(ステップ485)。初期閾値は、最大閾値または最小閾値のいずれかと同じか、または異なり得る。分注モータは、一実施形態によれば、所定の速度でピストン165を後退させる。したがって、分注ポンプ180は、後退して多くの容積を分注室185中の流体に利用可能とし、それにより、流体の圧力を減少させる。
【0056】
圧力センサ112は、分注室185中の流体の圧力を継続的に監視する(ステップ490)。圧力が最大圧力閾値に到達する場合、供給段階モータ175は、減少した速度で動作する(ステップ495)。圧力が最小圧力閾値を下回る場合、供給段階モータ175は、増加した速度で動作する(ステップ500)。分注室185における圧力に基づいて、供給段階モータ175の速度を増加および減少させる過程は、分注ポンプ180が定位置に到達するまで(ステップ505において決定されるように)継続することができる。分注ポンプ180が定位置に到達すると、供給段階モータ175および分注段階モータ200を停止することができる。再度、
図11のステップは、必要または所望に応じて反復することができる。
【0057】
したがって、本発明の実施形態は、供給ポンプによって流体上で有効化される圧力を制御することによって、分注ポンプ180における圧力を制御する機構を提供する。分注ポンプ180における圧力が所定の閾値(例えば、設定点または最大圧力閾値)に到達すると、供給段階ポンプ150の速度を低減することができる。分注ポンプ180における圧力が所定の閾値(例えば、設定点または最小圧力閾値)を下回ると、供給段階ポンプ150の速度を増加させることができる。本発明の一実施形態によれば、供給段階モータ175は、分注室185における圧力に応じて、所定の速度を循環させることができる。他の実施形態では、供給段階モータ175の速度は、分注室185中の圧力が所定の閾値(例えば、設定点または最大圧力閾値)を上回れば、継続的に減少させ、分注室185中の圧力が所定の閾値(例えば、設定点または最小圧力閾値)を下回れば、継続的に増加させることができる。
【0058】
上記のように、多段ポンプ100は、分注室185における圧力に応じて速度を変化させることができるモータ175(例えば、ステッピングモータ、ブラシレスDCモータ、または他のモータ)を伴う、供給ポンプ150を含む。本発明の別の実施形態によれば、供給段階ポンプは、空気圧作動ダイアフラムポンプとなり得る。
図12は、空気圧供給ポンプ515を含む多段ポンプ510の一実施形態の図表示である。多段ポンプ100と同様に、多段ポンプ515は、供給段階部分105および別個の分注段階部分110を含む。流体流れの観点から、供給段階部分105と分注段階部分110との間には、プロセス流体から不純物を濾過するようにフィルタ120が位置する。例えば、入口弁125、隔離弁130、障壁弁135、浄化弁140、排出弁145、および出口弁147を含む、多数の弁が、多段ポンプ100を通る流量を制御することができる。分注段階部分110はさらに、分注段階110における流体の圧力を決定する、圧力センサ112を含むことができる。圧力センサ112によって決定される圧力は、下記のように種々のポンプの速度を制御するために使用することができる。
【0059】
供給ポンプ515は、開いた入口弁125を通して流体補給部から流体を引き込んでもよい、供給室520を含む。供給室520を出入りする液体の進入を制御するために、供給弁525が、真空、供給陽圧、または大気が供給ダイアフラム530に印加されるかどうかを制御する。一実施形態によれば、供給圧力を提供するために加圧N2を使用することができる。流体を供給室520内に引き込むために、ダイアフラムが供給室520の壁に対して引っ張られるように、真空がダイアフラム530に印加される。供給室520から流体を押し出すために、供給圧力がダイアフラム530に印加されてもよい。
【0060】
一実施形態によれば、濾過区分の間に、分注室185における圧力は、ダイアフラム530への供給圧力の選択的印加によって調節することができる。濾過の開始時に、供給圧力が供給ダイアフラム530に印加される。この圧力は、分注室185において所定の圧力閾値(例えば、初期閾値、設定点、または他の所定の閾値)に到達するまで(例えば、圧力センサ112によって決定されるように)、印加され続ける。初期閾値が満たされると、分注ポンプ180のモータ200が後退し始め、分注室185中の流体に対するより多くの利用可能な容量を提供する。圧力センサ112は、分注室185中の圧力を継続的に読み取ることができる。流体圧が所定の閾値(例えば、最大圧力閾値、設定点、または他の閾値)を超える場合、供給ポンプ515における供給圧力を除去または低減することができる。分注室185における流体圧が所定の閾値(例えば、最小圧力閾値、設定点、または所定の閾値)を下回る場合、供給ポンプ515において供給圧力を再有効化することができる。
【0061】
したがって、本発明の実施形態は、分注ポンプにおいて決定される圧力に基づいて供給
ポンプの動作を調整することによって、濾過区分の間に流体の圧力を調節するためのシス
テムおよび方法を提供する。供給ポンプの動作は、例えば、供給ポンプモータの速度を増
加または減少させる、供給ポンプにおいて印加される供給圧力を増加または減少させる、
あるいは下流工程の流体の圧力の増加または減少を引き起こすように供給ポンプの動作を
調整することによって、変更することができる。
【0062】
本発明の実施形態はまた、排出区分の間に流体圧の制御も提供する。
図2を参照して、
障壁弁135が排出区分の間に開いたままである場合、圧力センサ112が分注室185
中の流体の圧力を決定し、それはフィルタ120中の圧力の変化に影響される。圧力が所
定の閾値(例えば、最大圧力閾値または設定点)を超える場合、供給モータ175の速度
を低減することができ(または、
図12の例では供給圧力が低減される)、圧力が所定の
閾値(例えば、最小圧力閾値または設定点)まで低下する場合、供給モータ175の速度を増加させることができる(または、
図12の例では供給圧力が増加される)。別の実施
形態によれば、ユーザは、排出速度(例えば、0.05cc/秒)および排出量(例えば
、0.15ccまたは3秒)を提供することができ、供給モータは、指定量の時間にわた
って適切な速度で流体を変位させることができる。
【0063】
前述のものから理解できるように、本発明の一実施形態は、第2段階ポンプにおける流
体の圧力を決定する圧力センサを伴う、第1段階ポンプ(例えば、供給ポンプ)および第
2段階ポンプ(例えば、分注ポンプ)を有する、多段階ポンプ中の圧力を制御するための
システムを提供する。ポンプ制御器は、第1段階ポンプの動作を調整することによって第
2段階ポンプにおける流体圧を調節することができる。ポンプ制御器は、第1段階ポンプ
、第2段階ポンプ、および圧力センサに連結され(すなわち、第1段階ポンプ、第2段階
ポンプ、および圧力センサと連通するように動作可能である)、圧力センサから圧力測定
結果を受信するように動作可能である。第2段階ポンプにおける圧力が第1の所定閾値(
例えば、設定点、最大圧力閾値、または他の圧力閾値)に到達したことを圧力センサから
の圧力測定結果が示す場合、ポンプ制御器は、より少ない圧力を流体上で第1段階ポンプ
に有効化させることができる(例えば、そのモータ速度を減速する、供給圧力を低減する
、あるいは流体にかかる圧力を減少させることによって)。第2段階ポンプにおける圧力
が閾値(例えば、設定点、最小圧力閾値、または他の閾値)を下回っていることを圧力測
定結果が示す場合、制御器は、より大きい圧力を流体上で第1段階ポンプに有効化させる
ことができる(例えば、第1段階ポンプのモータ速度を増加させる、または供給圧力を増
加させる、あるいは流体にかかる圧力を増加させることによって)。
【0064】
本発明の別の実施形態は、多段ポンプ中の分注ポンプの流体圧を制御するための方法を
含む。方法は、供給ポンプにおける流体に圧力を印加するステップ、供給ポンプの下流に
ある分注ポンプにおける流体圧を決定するステップ、分注ポンプにおける流体圧が所定の
最大圧力閾値に到達する場合に、供給ポンプにおける流体にかかる圧力を減少させるステ
ップ、または、分注ポンプにおける流体圧が所定の最小圧力閾値を下回っている場合に、
供給ポンプにおける流体にかかる圧力を増加させるステップを含むことができる。最大お
よび最小圧力閾値は、両方とも設定点となり得ることに留意されたい。
【0065】
本発明のさらに別の実施形態は、ポンプを制御するためのコンピュータプログラム製品
を備える。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶され
た一式のコンピュータ命令を備えることができる。命令は、圧力センサから圧力測定結果
を受信し、圧力測定結果を第1の所定閾値(最大圧力閾値、設定点、または他の閾値)と
比較し、そして、第2段階ポンプにおける圧力が第1の所定閾値に到達したと圧力センサ
からの圧力測定値が示す場合に、例えば、モータ速度を減少させる、より少ない供給圧力
を印加する、あるいは第1段階ポンプによって流体に印加される圧力を減少させるように
、第1段階ポンプに指図することによって、より少ない圧力を流体上で有効化するように
第1の段階ポンプに指図するように、1つ以上のプロセッサによって実行可能となり得る
。加えて、コンピュータプログラム製品は、第2段階ポンプにおける圧力が第2の閾値を
下回ったと圧力センサからの圧力測定値が示す場合に、より大きい圧力を流体上で有効化
するように第1の段階ポンプに指図するように実行可能な命令を備えることができる。
【0066】
本発明の別の実施形態は、供給ポンプと、供給ポンプと流体連通しているフィルタと、
フィルタと流体連通している分注ポンプと、供給ポンプとフィルタとの間の隔離弁と、フ
ィルタと分注ポンプとの間の障壁弁と、分注ポンプにおける圧力を測定する圧力センサと
、圧力センサに接続される制御器(すなわち、供給ポンプ、分注ポンプ、供給ポンプ、お
よび圧力センサと連通するように動作可能である)とを備える、半導体製造過程での使用
に適合される多段階ポンプを含むことができる。供給ポンプはさらに、供給室と、供給室
中の供給ダイアフラムと、供給ダイアフラムを変位させるように供給ダイアフラムと接触している供給ピストンと、供給ピストンに連結される供給主ネジと、供給主ネジに運動を
付与して供給ピストンを移動させるように供給主ネジに連結される供給モータとを備える
。分注ポンプはさらに、分注室と、分注室中の分注ダイアフラムと、分注ダイアフラムを
変位させるように分注ダイアフラムと接触している分注ピストンと、分注室中の分注ピス
トンを変位させるように分注ピストンに連結される分注主ネジと、分注ピストンに連結さ
れる分注主ネジと、分注主ネジに運動を付与して分注ピストンを移動させるように分注主
ネジに連結される分注モータとを備える。制御器は、圧力センサから圧力測定結果を受信
するように動作可能である。分注室中の流体の圧力が最初に設定点に到達したと圧力測定
結果が示すと、制御器は、ほぼ一定の速度で動作して分注ピストンを後退させるように分
注モータに指図する。後続の圧力測定結果に対して、制御器は、分注室中の流体の圧力が
設定点を下回っていると後続の圧力測定結果が示す場合は、減少した速度で動作するよう
に供給モータに指図し、後続の圧力測定結果が設定点を上回っていれば、増加した速度で
動作するように供給モータに指図する。
【0067】
ポンプのための上記のシステムおよび方法が流体の正確かつ確実な分注を提供する一方
で、時折、プロセスタイミングの変動、またはこれらのポンプの通常の摩耗(例えば、停
止弁の誤動作、流体管類のねじれ、目詰まりしたノズル、流体通路野中の空気等)が、ポ
ンプの不適切な動作を通して現れる場合がある。上記で論じられるように、これらの切迫
した故障または不適切な動作を検出することが望ましい。これを達成するために、一実施
形態によれば、本発明は、ポンプの適切な動作を検証するステップ、およびポンプの切迫
した故障状態を検出するステップを含む、ポンプを監視するための方法を提供する。具体
的には、本発明の実施形態は、動作や状態の中でも特に、ポンプからの流体の正確な分注
、またはポンプ内のフィルタの適切な動作を確認してもよい。
【0068】
図13は、上記のポンプの実施形態を含む、不適切な動作(または、逆に適切な動作を
検証する)、切迫した故障状態、またはポンプの他のほぼあらゆる欠陥を検出するための
、そのような1つの方法の実施形態を表すフロー図であり、そのようなポンプの一例は、
Entegris Inc.製のIGミニポンプである。より具体的には、基準プロファ
イルが1つ以上のパラメータに対して確立されてもよい(ステップ1310)。次いで、
ポンプ100の動作中に、これらのパラメータは、動作プロファイルを生成するように測
定されてもよい(ステップ1320)。次いで、基準プロファイルは、1つ以上の対応す
る点または部分における動作プロファイルと比較されてもよい(ステップ1330)。動
作プロファイルが、ある許容範囲を超えて基準プロファイルと異なる場合(ステップ13
40)、警報状態が存在してもよく(ステップ1350)、そうでなければ、ポンプ10
0は動作し続けてもよい。
【0069】
あるパラメータに関して基準プロファイルを確立させるために(ステップ1310)、
基準または「絶対標準」作動中にパラメータが測定されてもよい。一実施形態では、ポン
プ100のオペレータまたはユーザは、ポンプ100の正常な使用または動作中にポンプ
100が用いられる条件または機器と略同様または同一である、液体、条件、および機器
を使用して、ポンプ100を自身の仕様に設定してもよい。次いで、ポンプ100は、ユ
ーザの処方に従って流体を分注するように、分注サイクルに対して動作される(
図3に関
して上記のように)。この分注サイクルの間に、パラメータは、そのパラメータに対する
動作プロファイルを生成するように、略連続的に、または一式の点において、測定されて
もよい。1つの特定の実施形態では、パラメータのサンプリングは、約1ミリ秒から10
ミリ秒の間の間隔で発生してもよい。
【0070】
次いで、ユーザは、この分注サイクルの間にポンプ100が適切に動作しており、この
分注サイクルの間にポンプ100によって行われた分注が自身の許容範囲または仕様内で
あったかどうかを検証してもよい。ユーザがポンプ動作および分注の両方に満足した場合、ユーザは、動作プロファイル(例えば、分注サイクルの間に得られたパラメータに対す
る測定結果)がパラメータに対する基準プロファイルとして利用されることが所望される
と、ポンプ制御器20を通して示してもよい。このようにして、1つ以上のパラメータに
対する基準プロファイルが確立されてもよい。
【0071】
図10は、本発明の一実施形態による多段ポンプの動作中の分注室185における圧力
プロファイルの一実施形態を図示する。ユーザがポンプ100を使用することを所望する
各処方に対して、1つ以上のパラメータのそれぞれに対する基準プロファイルが確立され
てもよいため、この処方とともにポンプ100が使用される場合、この処方に関連する基
準プロファイルが任意の後続の比較に利用されてもよいことが、上記から明白であろう。
【0072】
パラメータに対する基準プロファイルがユーザによって確立されてもよい一方で、他の
方法もまた、基準プロファイルを確立させるために使用されてもよい(ステップ1310
)。例えば、ポンプ100のユーザによって利用されるものと同様の試験台を使用する、
ポンプ100の製造業によるポンプ100の較正の間に、1つ以上のパラメータに対する
基準プロファイルもまた、生成され、ポンプ制御器20に記憶されてもよい。基準プロフ
ァイルはまた、基準プロファイルとして動作プロファイルを利用することによって、確立
されてもよく、その場合、特定の処方を使用して分注サイクルを実行しながら動作プロフ
ァイルが保存され、その分注サイクルの間に制御器20によってエラーが検出されていな
い。実際、一実施形態では、基準プロファイルは、制御器20によってエラーが検出され
ていない、以前に保存した動作プロファイルを使用して、定期的に更新されてもよい。
【0073】
基準プロファイルが1つ以上のパラメータに対して確立された後(ステップ1310)
、ポンプ100の動作中に、これらのパラメータのそれぞれは、1つ以上のパラメータの
それぞれに対応する動作プロファイルを生成するように(ステップ1320)、ポンプ制
御器20によって監視されてもよい。次いで、これらの動作プロファイルのそれぞれは、
制御器20によって記憶されてもよい。再度、一実施形態では、これらの動作プロファイ
ルは、約1ミリ秒から10ミリ秒の間の間隔でパラメータをサンプリングすることによっ
て生成されてもよい。
【0074】
ポンプ100の動作中に発生した種々の問題を検出するために、ポンプ100の動作中
に生成されるパラメータに対する動作プロファイルは、同じパラメータに対応する基準プ
ロファイルと比較されてもよい(ステップ1330)。これらの比較は、制御器20によ
って行われてもよく、想像できるように、この比較は、種々の形を成してもよい。例えば
、基準プロファイルの1つ以上の点におけるパラメータの値が、動作プロファイルの略同
等の点におけるパラメータの値と比較されてもよく、基準プロファイルの平均値が、動作
プロファイルの平均値と比較されてもよく、基準プロファイルの一部分の間のパラメータ
の平均値が、動作プロファイルの略同一の部分の間のパラメータの平均値と比較されても
よい、等である。
【0075】
説明された比較の種類は例示的であるにすぎず、基準プロファイルと動作プロファイル
との任意の適当な比較が利用されてもよいことが理解されるであろう。実際、多くの場合
において、特定の問題または状態が発生したかどうかを決定するために、2つ以上の比較
または比較の種類が利用されてもよい。また、利用される比較の種類は、少なくとも部分
的には、検出されようとする状態に依存してもよいことも理解されるであろう。同様に、
比較される動作および基準プロファイルの点または部分もまた、他の因子の中でも特に、
検出されようとする状態に依存してもよいことが理解されるであろう。加えて、利用され
る比較は、特定の分注サイクルの間、または特定の分注サイクルの完了後、ポンプの動作
中に略リアルタイムで行われてもよい。
【0076】
比較がある許容範囲外の差をもたらす場合(ステップ1340)、警報が制御器20に
おいて登録されてもよい(ステップ1350)。この警報は、制御器20によって示され
てもよく、または、警報は、制御器20とインターフェース接続されるツール制御器に送
信されてもよい。上記で論じられる比較の種類と同様に、所与の比較とともに利用される
特定の許容範囲は、多種多様な因子、例えば、比較が行われるプロファイルの点または部
分、ユーザがポンプ100を使用する工程または処方、ポンプ100によって分注されて
いる流体の種類、利用されているパラメータ、検出することを所望する状態または問題、
ユーザの所望、または許容範囲のユーザ調整等に依存してもよい。例えば、許容範囲は、
基準プロファイルの比較点におけるパラメータの値の割合、または設定した数であっても
よく、許容範囲は、比較の点(または部分)に応じて、基準プロファイルを動作プロファ
イルと比較する時に異なってもよく、比較点における動作プロファイルの値が基準プロフ
ァイルの比較点におけるパラメータの値よりも低い場合、その値を上回る場合とは異なる
許容範囲があってもよい、等である。
【0077】
上記で提示されるシステムおよび方法の実施形態の説明は、具体的実施形態を参照して
、さらに理解することができる。前述のように、流体の正確な分注が行われたことを確認
することが極めて望ましいことがある。ポンプ100の分注区分の間に、出口弁147が
開放し、分注ポンプ180が分注室185中の流体に圧力を印加する。出口弁147は、
分注ポンプ180よりもゆっくりと制御に反応し得るので、出口弁147を最初に開放し
、ある既定期間後に分注モータ200を起動することができる。このことは、分注ポンプ
180が部分的に開いた出口弁147に流体を押し通すことを防ぐ。さらに、このことは
、弁開放によって引き起こされる、分注ノズルを上昇する流体、続いてモータ作用によっ
て引き起こされる、前進流体運動を防ぐ。他の実施形態では、出口弁147を開放するこ
とができ、同時に分注ポンプ180によって分注を開始することができる。
【0078】
分注モータ210の起動の不適切なタイミングおよび/または出口弁147のタイミン
グによって、不適切な分注が引き起こされる場合があるため、多くの場合、不適切な分注
は、ポンプ100の分注区分の間に分注室185中の圧力で現れる場合がある。例えば、
出口弁147の閉塞が発生した、または出口弁147の開放が遅延したと仮定する。これ
らの状態は、分注モータ222が強制的に流体を出口弁147に押し通そうとするので、
分注区分の開始の間に圧力の上昇を引き起こすか、または、分注区分の全体を通して、一
貫してより高い圧力を引き起こす。同様に、出口弁147の早期閉鎖もまた、分注区分の
終了時に圧量上昇を引き起こす場合がある。
【0079】
したがって、一実施形態では、許容できる分注が発生したことを確認するため、または
ポンプ100からの流体の分注に関する問題を検出するために、分注サイクルの間の分注
室185中の圧力のパラメータを使用して、基準プロファイルが生成されてもよい(ステ
ップ1310)。次いで、動作プロファイルを生成する(ステップ1320)ために圧力
センサ112を使用して、後続の分注サイクルの間の分注室185中の圧力が監視されて
もよい。次いで、この動作プロファイルは、基準プロファイルと比較され(ステップ13
30)、警報を鳴らすべきかどうかを決定してもよい(ステップ1350)。
【0080】
上記で論じられるように、不適切な分注は、ポンプ100の動作の分注区分の間に、分
注室185の圧力変動を通して現れる場合がある。しかしながら、より具体的には、不適
切な分注の原因の性質により、これらの圧力変動は、分注区分の間のある点において、よ
りよく見られる場合がある。したがって、一実施形態では、基準圧力プロファイルおよび
動作圧力プロファイルを比較する(ステップ1330)時に、4つの比較が行われてもよ
い。第1の比較は、基準プロファイルに従った分注区分の間の圧力の平均値と、動作プロ
ファイルに従った分注区分の間の圧力の平均値との比較であってもよい。この比較は、分
注区分の間に発生する場合のある、任意の種類の突然閉塞を検出することに役立ち得る。
【0081】
第2の比較は、分注時間の開始に近い点における圧力値の比較であってもよい。例えば
、基準プロファイル上で分注区分を約15%終えた1つ以上の点における圧力の値が、動
作プロファイルの分注区分の略同一の点における圧力の値と比較されてもよい。この比較
は、分注の開始の間に弁の不適切な作動によって引き起こされる、流動制限を検出する働
きをしてもよい。
【0082】
第3の比較は、分注区分の中間に近い点における圧力値の比較であってもよい。例えば
、基準プロファイル上で分注区分を約50%終えた1つ以上の点における圧力の値が、動
作プロファイルの分注区分の略同一の点における圧力の値と比較されてもよい。
【0083】
最後の比較は、分注時間の終了に近い点における圧力値の比較であってもよい。例えば
、基準プロファイル上で分注区分を約90%終えた1つ以上の点における圧力の値が、動
作プロファイルの分注区分の略同一の点における圧力の値と比較されてもよい。この比較
は、分注の終了部分の間に弁の不適切な作動によって引き起こされる、流動制限を検出す
る働きをしてもよい。
【0084】
ある実施形態に関与する種々の比較(ステップ1330)は、本発明の一実施形態によ
る多段ポンプの動作中の分注室185における圧力プロファイルの一実施形態を図示する
、
図14を参照して、さらに理解することができる。ほぼ点1440において、分注区分
が開始され、分注ポンプ180が出口から流体を押し出す。分注区分は、ほぼ点1445
において終了する。
【0085】
したがって、上記で論じられるように、本発明のシステムおよび方法の一実施形態では
、基準圧力プロファイルを動作圧力プロファイルと比較する時に、第1の比較は、ほぼ点
1440と点1445との間の圧力の平均値の比較であってもよく、第2の比較は、基準
圧力プロファイルの値と分注区分を約15%終えたほぼ点1410における動作圧力プロ
ファイルの値との間であってもよく、第3の比較は、基準圧力プロファイルの値と分注区
分を約50%終えたほぼ点1420における動作圧力プロファイルの値との間であっても
よく、第4の比較は、基準圧力プロファイルの値と分注区分を約90%終えたほぼ点14
30における動作圧力プロファイルの値との間であってもよい。
【0086】
上述のように、これらの比較のそれぞれの結果は、許容範囲と比較され(ステップ13
40)、警報を惹起するべきかどうかを決定してもよい(ステップ1350)。再度、所
与の比較とともに利用される特定の許容範囲は、上記のような多種多様の因子に依存して
もよい。しかしながら、多くの場合、利用されているパラメータが分注区分の間の分注室
185中の圧力である時、分注区分の間の圧力には相違がほとんどないはずである。その
結果として、この場合に利用される許容範囲は、非常に小さく、例えば、0.01から0
.5PSIの間であってもよい。言い換えれば、所与の点における動作プロファイルの値
が、略同一の点における基準圧力プロファイルと約0.02PSIより大きく異なる場合
、警報が惹起されてもよい(ステップ1350)。
【0087】
基準圧力プロファイルと動作圧力プロファイルとの比較は、多段ポンプの一実施形態の
動作中の分注室185における基準圧力プロファイル、および多段ポンプの後続動作中の
分注室185における動作圧力プロファイルを表す、
図15を参照してより良好に図示す
ることができる。ほぼ点1540において、分注区分が開始され、分注ポンプ180が出
口から流体を押し出す。分注区分は、ほぼ点1545において終了する。動作圧力プロフ
ァイル1550が分注区分の各部分の間の基準圧力プロファイル1560とは顕著に異な
り、動作圧力プロファイル1550の分注区分の間に発生した分注に関する起こり得る問
題を示すことに留意されたい。この起こり得る問題は、上記のように、本発明の実施形態を使用して検出されてもよい。
【0088】
具体的には、上記で図示される比較を使用して、第1の比較は、ほぼ点1540と点1
545との間の平均値の比較であってもよい。動作圧力プロファイル1550が分注区分
の開始および終了の間の基準圧力プロファイル1540とは異なるため、この比較は、有
意差を生じる。第2の比較は、基準圧力プロファイル1540の値と、分注区分を約15
%終えたほぼ点1510における動作圧力プロファイル1550の値との間であってもよ
い。以上のように、点1510において、動作圧力プロファイル1550の値は、基準圧
力プロファイル1540の値とは約1PSI異なる。第2の比較は、基準圧力プロファイ
ル1540の値と、分注区分を約50%終えたほぼ点1520における動作圧力プロファ
イル1550の値との間であってもよい。以上のように、点1520において、動作圧力
プロファイル1550の値は、基準圧力プロファイル1540の値とほぼ同じであっても
よい。第3の比較は、基準圧力プロファイル1540の値と、分注区分を約90%終えた
ほぼ点1530における動作圧力プロファイル1550の値との間であってもよい。以上
のように、点1530において、動作圧力プロファイル1550の値は、基準圧力プロフ
ァイル1540の値とは約5PSI異なる。したがって、上記の4つの比較のうちの3つ
は、ある許容範囲外の比較をもたらしてもよい(ステップ1340)。
【0089】
結果として、
図15で表される例では、警報が惹起されてもよい(ステップ1350)
。この警報は、ユーザに検出された相違を警告し、ポンプ100を運転停止する働きをし
てもよい。この警報は、制御器20を通して提供されてもよく、加えて、パラメータに対
する基準プロファイル、警報を惹起させたパラメータに対する動作プロファイル、または
、例えば互いに重ね合わされた(
図15で表されるように)、動作プロファイルおよび基
準プロファイルを一緒に表示する選択肢のいずれかをユーザに提示してもよい。場合によ
っては、ユーザは、ポンプ100が動作を再開する前に、そのような警報を消去せざるを
得ないことがある。ポンプ100または工程が再開する前に、強制的にユーザに警報を消
去させることによって、検出された、または発生した略直後にスクラップを引き起こす場
合のある状態を、強制的にユーザに改善させることによってスクラップが防止されてもよ
い。
【0090】
別の例の使用を通して、本発明のシステムおよび方法の広範囲にわたる性能を図示する
ことが役立つ場合がある。ポンプ100の動作中、ポンプ100の流路を通過する流体は
、上記のように、動作の1つ以上の区分の間にフィルタ120を通過させられてもよい。
これらのフィルタ区分の間に、フィルタが新しい時、フィルタ120での無視できる程度
の圧力低下を引き起こす場合がある。しかしながら、ポンプ100のフィルタ120の反
復動作を通して、フィルタ120の孔が詰まり、フィルタ120を通る流動に対するさら
に大きい抵抗をもたらす場合がある。最終的に、フィルタ120の目詰まりは、ポンプ1
00の不適切な動作、または分注されている流体の損害をもたらす場合がある。したがっ
て、フィルタ120の目詰まりが問題となる前に、フィルタ120の目詰まりを検出する
ことが望ましい。
【0091】
上記のように、一実施形態によれば、濾過区分の間に、分注室185における圧力は、
ダイアフラム530への供給圧力の選択的印加によって調節することができる。濾過区分
の開始時に、供給圧力が供給ダイアフラム530に印加される。この圧力は、分注室18
5において所定の圧力閾値(例えば、初期閾値、設定点、または他の所定の閾値)に到達
するまで(例えば、圧力センサ112によって決定されるように)、印加され続ける。初
期閾値が満たされると、分注ポンプ180のモータ200が後退し始め、分注室185中
の流体に対するより多くの利用可能な容量を提供する。圧力センサ112は、分注室18
5中の圧力を継続的に読み取ることができる。流体圧が所定の閾値(例えば、最大圧力閾
値、設定点、または他の閾値)を超える場合、供給ポンプ515における供給圧力を除去または低減することができる。分注室185における流体圧が所定の閾値(例えば、最小
圧力閾値、設定点、または所定の閾値)を下回る場合、供給ポンプ515において供給圧
力を再有効化することができる。
【0092】
したがって、本発明の実施形態は、分注ポンプにおいて決定される圧力に基づいて供給
ポンプの動作を調整することによって、濾過区分の間に流体の圧力を調節するためのシス
テムおよび方法を提供する。供給ポンプの動作は、例えば、供給ポンプモータの速度を増
加または減少させる、供給ポンプにおいて印加される供給圧力を増加または減少させる、
あるいは下流工程の流体の圧力の増加または減少を引き起こすように供給ポンプの動作を
調整することによって、変更することができる。
【0093】
次いで、上記の説明から分かるように、フィルタ120がさらに目詰まりし、比例して
フィルタ120での圧力低下がさらに大きくなるにつれて、供給段階モータ175は、フ
ィルタ区分の間に分注室185中の等価な圧力を維持するために、より急速に、より頻繁
に、またはより高速で動作する必要があってもよく、ある場合においては、供給段階モー
タ175は、分注室185中の等価な圧力を全く維持できない場合がある(例えば、フィ
ルタが完全に目詰まりしている場合)。次いで、フィルタ区分の間に供給段階モータ17
5の速度を監視することによって、フィルタ120の目詰まりが検出されてもよい。
【0094】
そのために、一実施形態では、フィルタ120の目詰まりを検出するために、フィルタ
120が新しい時に(または、なんらかの他のユーザ決定点等において)フィルタ区分の
間の供給段階モータ175の速度のパラメータ(または、供給段階モータ175の速度を
制御する信号)を使用して、基準プロファイルが生成され(ステップ1310)、制御器
20に記憶されてもよい。次いで、後続フィルタ区分の間の供給段階モータ175の速度
(または、供給段階モータ175の速度を制御する信号)が、制御器20によって記録さ
れ、動作プロファイルを生成してもよい(ステップ1320)。次いで、この供給段階モ
ータ速度動作プロファイルは、供給段階モータ速度基準プロファイルと比較され(ステッ
プ1330)、警報を鳴らすべきかどうかを決定してもよい(ステップ1350)。
【0095】
一実施形態では、この比較は、基準プロファイルのフィルタ区分の間の1つ以上の点に
おける供給段階モータの速度の値を、動作プロファイルの略同一の一式の点における供給
段階モータの速度の値を比較する形を成してもよい一方で、他の実施形態では、この比較
は、基準プロファイル中の時間の何割が供給段階モータ175の制御限度のある距離内で
発生したかを比較し、これを、供給段階モータ175の制御限度のある距離内で発生する
動作プロファイル中の時間の割合と比較してもよい。
【0096】
同様に、フィルタ120内の空気が本発明の実施形態によって検出されてもよい。一実
施形態では、濾過前区分の間に、供給段階モータ175は、分注室185において所定の
圧力閾値(例えば、初期閾値、設定点、または他の所定の閾値)に到達するまで(例えば
、圧力センサ112によって決定されるように)、圧力を印加し続ける。フィルタ120
内に空気がある場合、流体が分注室185中で初期圧力に到達する時間が、より長くかか
る場合がある。例えば、フィルタ120が完全に準備できている場合、分注室185中で
5PSIに到達するまで、供給段階モータ175が100ステップおよび約100ミリ秒
かかる場合があるが、空気がフィルタ120内に存在する場合、この時間またはステップ
数は、顕著に増加する場合がある。結果として、濾過前区分の間に分注室185中の初期
圧力閾値に到達するまで、供給段階モータ175が作動する時間を監視することによって
、フィルタ120内の空気が検出されてもよい。
【0097】
そのために、一実施形態では、フィルタ120内の空気を検出するために、濾過前区分
の間に分注室185中の設定点圧力に到達する時間のパラメータを使用して、基準プロファイルが生成され(ステップ1310)、制御器20に記憶されてもよい。次いで、後続
濾過前区分の間に分注室185中の設定点圧力に到達する時間が、制御器20によって記
録され、動作プロファイルを生成してもよい(ステップ1320)。次いで、この時間動
作プロファイルは、時間基準プロファイルと比較され(ステップ1330)、警報を鳴ら
すべきかどうかを決定してもよい(ステップ1350)。
【0098】
本発明の他の実施形態は、分注モータ200の位置の監視を通した、正確な分注の検証
を含んでもよい。上記で詳述するように、分注区分の間に、出口弁147が開き、分注が
完了するまで、分注ポンプ180が分注室185中の流体に圧力を印加する。次いで、以
上のように、分注区分の初めに、分注モータ200が第1の位置にある一方で、分注区分
の終わりに、分注モータ200は、第2の位置にあってもよい。
【0099】
一実施形態では、正確な分注を確認するために、分注区分の間に分注モータ200の位
置のパラメータ(または、供給段階モータ200の位置を制御する信号)を使用して、基
準プロファイルが生成されてもよい(ステップ1310)。次いで、後続分注区分の間に
分注モータ200の位置(または、供給段階モータ200の位置を制御する信号)が、制
御器20によって記録され、動作プロファイルを生成してもよい(ステップ1320)。
次いで、この分注モータ位置動作プロファイルは、分注モータ位置基準プロファイルと比
較され(ステップ1330)、警報を鳴らすべきかどうかを決定してもよい(ステップ1
350)。
【0100】
本発明のある実施形態はまた、ポンプ100の他の種々の機械的構成要素の切迫した故
障を検出するために有用であってもよい。例えば、多くの場合、ポンプシステム10は、
モータ200をある距離に移動させるように分注モータ200に提供される電流が、分注
モータ200への負荷とともに変動し得るように、閉ループシステムであってもよい。こ
の性質は、起こり得るモータの故障またはポンプ100内の他の機械的故障、例えば、回
転ピストンまたはダイアフラムの問題、主ネジの問題等を検出するために利用されてもよ
い。
【0101】
したがって、差し迫ったモータの故障を検出するために、本発明のシステムおよび方法
の実施形態は、分注区分の間に分注モータ200に提供される電流のパラメータ(または
、供給段階モータ200に提供される電流を制御する信号)を使用して、基準プロファイ
ルを生成してもよい(ステップ1310)。次いで、後続分注区分の間に分注モータ20
0に提供される電流(または、供給段階モータ200に提供される電流を制御する信号)
が、制御器20によって記録され、動作プロファイルを生成してもよい(ステップ132
0)。次いで、この分注モータ電流動作プロファイルは、分注モータ位置基準プロファイ
ルと比較され(ステップ1330)、警報を鳴らすべきかどうかを決定してもよい(ステ
ップ1350)。
【0102】
上記の例では、ポンプの動作プロファイルの種々の点が、基準プロファイルと比較され
(ステップ1330)、動作プロファイルが既定限度外である場合(ステップ1340)
、警報が生成される(ステップ1350)。しかしながら、基準プロファイルについての
限度を使用することにより、いくつかの状態が未検出のままとなり得る。例えば、実証的
検定は、i)限度が寛大すぎるため、分注流体中の気泡によって引き起こされる不良な分
注が検出されない場合がある、またはii)限度が小さすぎるため、過度に多くの誤警報
が生成されることを示している。不良な分注の検出および誤警報の低減を平衡する、基準
についての限度を設定することができるが、処方に対する適切な限度を決定する実証的検
定の工程は、時間がかかる場合がある。この問題を次のいくつかの図で図示する。
【0103】
図16Aは、ミネソタ州チャスカのEntegris Inc.によるIntelliGen Mini Pumpを使用した、いくつかの分注のデータを図示するグラフであ
る。圧力プロファイルは、2.6秒のデータに対する、毎秒1.0mLで2.0mLのI
PAを分注する(すなわち、2秒の分注)処方に対応する。分注流体が良好である(すな
わち、空気があったとしても、ほとんど含有しない)ことが分かっている条件下で、3つ
の試験が行われた。3つの追加試験では、シリンジを使用して、ポンプの出口と分注ノズ
ルとの間の分注ラインに、2、5、および10ccの空気が注入された。明確にするため
に、個々の圧力プロファイルを
図16B−16Gに示す。
【0104】
ポンプ制御器によって実施されたプロファイル比較ルーチンは、基準プロファイルとし
て基準1を使用し、他のプロファイル(基準2、基準3、注入した空気=2cc、注入し
た空気=5cc、および注入した空気=10cc)を、初期点(分注を約22%終えた)
および上記のような他の点で基準1と比較した。0.5psiの許容範囲を使用して、ポ
ンプ制御器は、10ccの空気が初期比較点において分注流体に注入された分注に対する
警報を生成したのみであり、初期点または任意の他の比較点における他の分注のうちのい
ずれかに対する警報を生成しなかった。しかしながら、分注した流体の質量を測定すると
、表1に示されるように、空気注入された分注の3つ全ては、基準と比較して分注不足で
あった。
【0106】
表1に示されるように、分注ライン内の少量の空気さえも、良好な分注と比較して分注
不足を引き起こすため、使いやすい方法を提供して、誤警報を生成することなく問題を検
出する感度を増加させることが望ましい。
【0107】
一実施形態によれば、基準に対するプロファイルの「適合度」を決定するために、R2
乗統計値を使用することができる。R2乗値は、別の変数の移動によって説明される1つ
の変数の変動の割合を識別する、適合度の尺度である。上記の例では、後続分注動作から
のデータが比較される予測モデルとして、基準1プロファイルを選択することができる。
本質的には、基準として基準1プロファイルを使用するR2乗値は、基準1プロファイル
が、所与の一式のデータに対する時間による圧力の変動をどのくらいよく予測するかを測
定する。R2乗値が高いほど(割合を考慮して)、データは予測モデルにさらに適合する
。
【0108】
一例として、
図16Aに表される種々の分注に対応する2.0秒に値するデータ点を比
較するために、Microsoft Excel RSQ関数が使用された。R2乗分析
を使用して、2つのさらなる既知の適合度試験には、それぞれ100%および99%のR
2乗値があった。2cc、5cc、および10ccの空気を注入させた試験は、それぞれ
78%、18%、および6%のR2乗値しかなかった。このことは、R2乗値を使用し、
尺度を最小要件、例えば、90%または95%に設定することによって、気泡を含む分注
が検出される可能性が高いことを示す。したがって、R2乗値等の適合度の尺度は、基準
について0.5psiの許容範囲を設定することによっては検出されなかった、不良な分
注が検出されることを可能にした。
【0109】
図17は、ポンプの不適切な動作を検出するための方法の一実施形態を図示するフロー
図である。本発明の実施形態は、例えば、ポンプ制御器においてコンピュータ可読媒体に
記憶された一式のコンピュータ命令として実施されるか、またはそれらによって促進され
てもよい。ステップ1610において、上記のように、パラメータに対する基準プロファ
イルが確立されてもよい。主に圧力に関して論じられる一方で、基準プロファイルは、モ
ータ電流または他のパラメータ等の、他のパラメータに対するプロファイルとなり得る。
基準プロファイルに対するデータは、基準プロファイルを確立させるために使用される、
ポンプの作動中にサンプリングされるデータの全てまたは一部分を含むことができる。例
えば、ポンプが1ミリ秒ごとに圧力をサンプリングする場合、基準プロファイルは、記憶
を低減するように、20ミリ秒ごとにサンプリングされた測定結果を含んでもよい。ポン
プ100の動作中、パラメータを測定し、動作プロファイルを生成してもよい(ステップ
1620)。再度、動作プロファイルに対するデータは、動作に対するそのパラメータの
サンプリングしたデータの全て、またはそのある一部(例えば、20ミリ秒または他の期
間ごとに収集されたデータ)を表してもよい。次いで、基準プロファイルを使用して、動
作プロファイルに対して適合度の尺度が決定されてもよい(ステップ1630)。例えば
、対応する基準プロファイルデータを使用して、20ミリ秒ごとに収集された動作プロフ
ァイルデータに対してR2乗値を決定することができる。適合度の尺度が許容範囲外であ
る場合(ステップ1640)、警報状態が存在してもよい(ステップ1650)。
図17
のステップは、必要または所望に応じて反復することができる。
【0110】
上記の例では、適合度を検査するために、20ミリ秒ごとに記憶されたデータが使用さ
れる一方で、ポンプは、より高速で(例えば、1ミリ秒ごとに)パラメータをサンプリン
グしてもよい。異なる速度で、例えば、1ミリ秒ごと、または30ミリ秒ごとに記憶され
たデータが使用されてもよいが、記憶したサンプルの間の時間が減少するにつれて、メモ
リ使用量が増加し、時間が増加するにつれて、適合度の尺度の精度が減少し得る。したが
って、適合度の尺度に対してデータが記憶される頻度は、データ記憶性能および適合度の
尺度の精度の平衡を保つように選択することができる。さらに、上記の例では、R2乗値
が適合度の尺度として使用される一方で、相関係数およびピアソンの積率相関係数等の他
の尺度が使用されてもよい。
【0111】
実証的検定に基づいて、適合度は、分注動作の終了時により低くなる傾向がある。一例
として、1mLの空気がノズルから15cmのところにある場合について、1.0〜1.
9秒に対するR2乗値が6%しかない一方で、全体的R2乗値は95%である。したがっ
て、全体的適合度の尺度を許容値と比較するだけでなく、動作の一部分に対する適合度の
尺度も比較することが望ましいことがある。例えば、全体的適合度の尺度が95%以上で
あるが、1.0〜1.9秒の範囲に対する適合度の尺度が25%未満である場合、警報を
生成することができる。したがって、ポンプが適切に動作しているかどうかを決定するた
めに、動作の複数部分に対する適合度の尺度を使用することができる。
【0112】
多段ポンプに関して説明されているものの、本発明の実施形態は、単段ポンプでも利用
することができる。
図18は、ポンプ4000のためのポンプアセンブリの一実施形態の
図表示である。ポンプ4000は、上記の多段ポンプ100の1つの段階、例えば、分注
段階と同様となり得、ステッピング、ブラシレスDC、または他のモータによって駆動さ
れる回転ダイアフラムポンプを含むことができる。ポンプ4000は、ポンプ4000を
通る種々の流体流路を画定し、ポンプ室を少なくとも部分的に画定する、分注ブロック4
005を含むことができる。分注ポンプブロック4005は、一実施形態によれば、PT
FE、変性PTFE、または他の材料の単一ブロックとなり得る。これらの材料は多くの
プロセス流体と反応しないか、または最小限に反応するため、これらの材料の使用は、流
路およびポンプ室が、最小限の追加ハードウェアで分注ブロック4005内へと直接機械
加工されることを可能にする。その結果として、分注ブロック4005は、流体多岐管を提供することによる配管の必要性を低減する。
【0113】
分注ブロック4005は、例えば、それを通って流体が受容される入口4010、流体
を浄化/排出するための浄化/排出出口4015、および分注区分の間にそれを通って流
体が分注される分注出口4020を含む、種々の外部入口および出口を含むことができる
。分注ブロック4005は、
図18の例では、ポンプが1室しかもたないため、外部浄化
出口4010を有する。
【0114】
分注ブロック4005は、入口から入口弁へ(例えば、弁プレート4030によって少
なくとも部分的に画定される)へ、入口弁からポンプ室へ、ポンプ室から排出/浄化弁へ
、およびポンプ室から出口4020へ流体を送る。ポンプカバー4225は、ポンプモー
タを損害から保護することができる一方で、ピストンハウジング4027は、ピストンに
対する保護を提供し、本発明の一実施形態によれば、ポリエチレンまたは他のポリマーで
形成することができる。弁プレート4030は、流体流れをポンプ4000の種々の構成
要素に方向付けるように構成することができる、弁システム(例えば、入口弁および浄化
/排出弁)のための弁ハウジングを提供する。弁プレート4030および対応する弁は、
上記の弁プレート230と併せて説明される方法と同様に形成することができる。一実施
形態によれば、入口弁および浄化弁/排出弁のそれぞれは、弁プレート4030に少なく
とも部分的に統合され、対応するダイアフラムに圧力または真空が印加されるかどうかに
応じて、開放されるか閉鎖されるかのいずれかである、ダイアフラム弁である。他の実施
形態では、弁のいくつかは、分注ブロック4005の外部にあるか、または追加弁プレー
トに配設されてもよい。一実施形態によれば、種々の弁のダイアフラムを形成するように
、PTFEのシートが弁プレート4030と分注ブロック4005との間で挟持される。
弁プレート4030は、対応するダイアフラムに圧力または真空を印加するように、各弁
に対する弁制御入口(図示せず)を含む。
【0115】
上記の実施形態を参照して、本発明のシステムおよび方法を詳細に説明したが、本発明
のシステムおよび方法はまた、他の幅広く多様な使用法を包含してもよい。例えば、分注
サイクルに対する1つまたは複数パラメータに対応する基準プロファイルを記録すること
によって、ポンプの全分注サイクル中のポンプの動作を確認し、これを後続分注サイクル
中に生成される動作プロファイルと比較するために、本発明のシステムおよび方法の実施
形態が利用されてもよい。分注サイクルの全体にわたって2つのプロファイクルを比較す
ることによって、ハードウェア故障または他の問題の早期検出が達成されてもよい。
【0116】
例証的実施形態を参照して、本発明を本明細書で詳細に説明したが、本説明は一例にす
ぎず、限定的な意味で解釈されるものではないことに留意されたい。したがって、本発明
の実施形態の詳細の多数の変更および本発明の付加的な実施形態が、本説明を参照する当
業者にとって明白となり、かつ当業者によって行われてもよいことをさらに理解されたい
。そのような変更および付加的な実施形態は、下記で請求されるような本発明の範囲内で
あることが検討される。