(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テーブル保持部は、前記ライフイベントと、前記ライフイベントに応じて前記乳幼児または前記乳幼児の母親が使用することが好ましい製品情報とが対応付けられた前記対応テーブルを保持する請求項1又は2に記載の推奨製品提示システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る推奨製品提示システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0011】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0012】
(1)推奨製品提示システムを含む通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る推奨製品提示システム100を含む通信システム1の全体概略構成図である。
図1に示すように、通信システム1は、通信ネットワーク10、SNSシステム20、顧客DB30、携帯通信端末40及びパーソナルコンピュータ50を含む。
【0013】
通信ネットワーク10は、SNSシステム20、顧客DB30、携帯通信端末40及びパーソナルコンピュータ50を相互に通信可能に接続する有線または無線の通信ネットワークである。なお、通信ネットワーク10には、インターネットが含まれてもよい。
【0014】
SNSシステム20は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を提供するシステムである。SNSシステム20としては、Facebookなどが挙げられるが、これに限られない。例えば、Google+などであってもよい。
【0015】
顧客DB30は、推奨製品のメーカなどによって構築される顧客(ユーザ)のデータベースである。顧客DB30は、当該顧客の氏名、住所、電子メールアドレス、家族構成、家族の性別及び生年月日などで構成される。なお、本実施形態における主な顧客、すなわちユーザは、乳幼児の母親などである。但し、当該ユーザは、必ずしも母親に限定されない。例えば、乳幼児の父親や祖父母であっても構わない。
【0016】
携帯通信端末40は、SNSシステム20によって提供されるSNSのユーザ(以下、単に「ユーザ」と適宜省略する)が利用する端末である。携帯通信端末40としては、例えば、携帯電話端末やスマートフォンが挙げられる。
【0017】
パーソナルコンピュータ50は、SNSのユーザ宅などに設置される。パーソナルコンピュータ50は、インターネットを経由してSNSシステム20によって提供されるSNSを利用することができる。
【0018】
推奨製品提示システム100は、推奨製品のメーカなどによって構築される顧客であり、かつSNSのユーザに、適切な製品を自動的に提案するシステムである。具体的には、推奨製品提示システム100は、当該ユーザと対応付けられた乳幼児の成長に伴って発生する事象であるライフイベント(例えば、「おすわりした」)に基づいて、適切な製品を推奨する。
【0019】
(2)推奨製品提示システムの機能ブロック構成
図2は、推奨製品提示システム100の機能ブロック構成図である。
図2に示すように、推奨製品提示システム100は、ライフイベント取得部101、テーブル保持部103、製品選択部105、製品情報出力部107及び配送手配部109を備える。
【0020】
ライフイベント取得部101は、ユーザと対応付けられた乳幼児の成長に伴って発生する事象であるライフイベントを取得する。具体的には、ライフイベントとは、「おすわりした」、「はいはいした」、「走った」など、乳幼児に起こり得る特有の事象である。
【0021】
ライフイベント取得部101は、当該ユーザが利用するSNSを介してライフイベントを取得する。具体的には、ユーザが自身の近況に関する記事、特に当該ユーザと対応付けられている乳幼児(母親がユーザであれば、当該母親の子供)の成長に関する記事などをSNSにおいて投稿すると、ライフイベント取得部101は、当該記事に含まれるライフイベントを取得する。より具体的には、例えば、Facebookであれば、「いいね」以外の動詞や名詞を用い得るオープングラフによって規定されたライフイベントとなるアクション(上述した「おすわりした」、「はいはいした」、「走った」など)を用いればよい。なお、Facebookのようにライフイベントとなるようなアクションが規定されていない場合でも、ユーザが投稿した記事に含まれる所定のキーワードを検出する方法によって、当該ライフイベントを取得するようにしてもよい。
【0022】
テーブル保持部103は、ライフイベントと、乳幼児に関連する製品情報とを対応付け対応テーブルTBを保持する。
図4は、対応テーブルTBの一例を示す。
図4に示すように、対応テーブルTBでは、ライフイベントと、当該ライフイベントに応じて乳幼児または乳幼児の母親が使用することが好ましい製品情報とが対応付けられている。例えば、乳幼児が「おすわりした」場合とは、「小さいサイズのパンツオムツ」が対応付けられている。また、乳幼児が「ミルクを飲んだ」場合とは、「おしりふき」、及び母親が使用する「母乳パッド」が対応付けられている。
【0023】
また、対応テーブルTBには、当該製品情報と対応付けられた製品の特徴(推奨内容)を含めるようにしてもよい。
図4に示すように、各推奨製品には、製品の特徴(推奨内容)が対応付けられている。例えば、「小さいサイズのパンツオムツ」には、推奨内容として「座ったままでもオムツ交換ができるパンツオムツを紹介します」が対応付けられている。
【0024】
さらに、
図4に示すように、対応テーブルTBには、ライフイベントと、製品情報と、年間のうちの所定のシーズンとが対応付けられてもよい。なお、シーズンは、対応テーブルTBの必須構成要素ではなく、また、対応テーブルTBのシーズン欄によって所定のシーズンが対応付けられている場合でも、シーズンに関わらず当該製品を推奨するようにしても構わない。
【0025】
製品選択部105は、テーブル保持部103によって保持されている対応テーブルTBに基づいて、ライフイベント取得部101によって取得されたライフイベントと対応付けられた製品を選択する。例えば、製品選択部105は、ライフイベント取得部101によって「おすわりした」ことが取得された場合、対応テーブルTBを参照し、「おすわりした」と対応付けられている「小さいサイズのパンツオムツ」を選択する。
【0026】
また、製品選択部105は、対応テーブルTBに基づいて、ライフイベント取得部101によって取得されたライフイベント及びシーズンと対応付けられた製品を選択してもよい。例えば、製品選択部105は、ライフイベント取得部101によって「水遊びをした」ことが「夏」のシーズン(例えば、7〜9月)に取得された場合、対応テーブルTBを参照し、「水遊びをした」と対応付けられている「水遊びパンツ」を選択する。
【0027】
製品情報出力部107は、テーブル保持部103によって保持されている対応テーブルTBに基づいて、製品選択部105によって選択された製品情報をユーザが取得可能に出力する。具体的には、製品情報出力部107は、ライフイベント取得部101によって取得されたライフイベントと、当該ライフイベントと対応付けられた推奨製品とを表示する画像Pを、携帯通信端末40及びパーソナルコンピュータ50に表示させる。
【0028】
また、製品情報出力部107は、ライフイベントと対応付けられたアイコンまたは乳幼児の成長段階と対応付けられたアイコンを含む画像を出力したり、当該ライフイベントと対応付けられたメッセージを含む情報を出力したりしてもよい。
【0029】
図5は、ユーザが所有する携帯通信端末40またはパーソナルコンピュータ50の画面に表示される画像Pの一例を示す。また、
図6は、携帯通信端末40またはパーソナルコンピュータ50の画面においてライフイベントに応じて表示されるメッセージの一例を示す。
図5に示すように、画像Pは、複数のライフイベントLE、メッセージ表示エリアA1及び推奨製品表示エリアA2を含む。
【0030】
ライフイベントLEは、ユーザと対応付けられた乳幼児の成長に伴って発生する事象であり、ユーザが投稿した写真と、コメントと、ライフイベントと対応付けられたアイコン(例えば、
図5に示すEating, Toddling, Kickingなど)によって構成される。当該アイコンは、製品情報出力部107によって自動的に表示される。
【0031】
メッセージ表示エリアA1は、登録されている乳幼児に関するメッセージが表示される領域である。例えば、メッセージ表示エリアA1には、乳幼児の誕生からの経過月(例えば、2ヶ月)を祝うメッセージ(
図6参照)や、乳幼児の成長段階と対応付けられたアイコン(2 mth)などが表示される。
【0032】
すなわち、製品情報出力部107は、顧客DB30を参照して、当該乳幼児に関するメッセージを含む画像Pを携帯通信端末40及びパーソナルコンピュータ50に表示させることができる。推奨製品表示エリアA2には、製品選択部105によって選択された製品についての製品情報、及び当該製品の特徴などが表示される。
【0033】
また、製品情報出力部107は、推奨製品の試供品を応募できるようなフォームを出力するようにしてもよい。この際、製品情報出力部107は、簡単なユーザへのアンケート欄を設けたり、アンケートに回答したユーザに対して抽選で試供品を提供したりしてもよい。なお、製品情報出力部107は、画像Pの出力に代えて、ユーザに推奨する製品情報を含む電子メールを送信してもよい。
【0034】
配送手配部109は、製品情報出力部107が推奨製品の試供品を応募できるようなフォームを出力した場合、製品情報出力部107からの指示に基づいて、当該試供品のユーザへの配送を手配する。具体的には、配送手配部109は、顧客DB30を参照して、試供品を配送すべきユーザ宛ての配送用伝票や出荷伝票を生成する。
【0035】
(3)推奨製品提示システムの動作
次に、推奨製品提示システム100の動作について説明する。具体的には、推奨製品提示システム100が取得したライフイベントに基づいて適切な製品を推奨する動作に関するフローについて説明する。
図3は、推奨製品提示システム100による製品推奨動作に関するフローを示す。
【0036】
図3に示すように、SNSのユーザ(例えば、母親)は、SNSにおいて近況に関する記事を投稿する(S10)。具体的には、当該ユーザは、自身の子供(乳幼児)の成長に関する記事(写真及びライフイベント)をSNSにおいて投稿する。投稿された記事は、SNSシステム20に蓄積される。
【0037】
推奨製品提示システム100は、当該ユーザが投稿した記事に含まれるライフイベントをSNSシステム20から取得する(S20)。具体的には、推奨製品提示システム100は、SNSシステム20に対して定期的に問い合わせを送信すること、或いはSNSシステム20から随時出力される通知を受信することによって、当該ユーザが投稿した記事に含まれるライフイベントを取得する。
【0038】
推奨製品提示システム100は、取得したライフイベントと対応付けられている製品を選択する(S30)。具体的には、推奨製品提示システム100は、テーブル保持部103によって保持されている対応テーブルTB(
図4参照)に基づいて、ライフイベントと対応付けられている製品を選択する。
【0039】
次いで、推奨製品提示システム100は、選択した製品の製品情報を出力する(S40)。具体的には、推奨製品提示システム100は、対応テーブルTBを参照し、ライフイベントと対応付けられている製品の情報を出力する。上述したように、例えば、取得したライフイベントが「おすわりした」であれば、「おすわりした」と対応付けられている「小さいサイズのパンツオムツ」の製品情報を画像Pの推奨製品表示エリアA2(
図5参照)に表示させる。
【0040】
携帯通信端末40やパーソナルコンピュータ50に表示された画像Pを視認したユーザは、その後に表示される試供品の応募フォームなどに必要事項を入力したり、SNSにおいて、試供品が提供されたことに対して「いいね」(like)を選択したりすることができる。
【0041】
(4)作用・効果
推奨製品提示システム100によれば、SNSシステム20から取得されたライフイベントと対応付けられた製品を選択される。また、選択された製品の製品情報は、ユーザが取得可能に出力される。このため、SNSにおいて入力されたライフイベントを有効に活用して、乳幼児(または母親など)に使用される適切な製品を提案できる。したがって、推奨製品提示システム100は、推奨製品のメーカは、潜在的なユーザに対して適切な製品をよりタイムリーに提案でき、製品の販売機会の拡大を実現し得る。
【0042】
本実施形態では、SNSを介してライフイベントが取得されるため。既存のSNSを有効に活用(特にオープングラフなど)しつつ、ライフイベントを迅速かつ容易に取得できる。
【0043】
本実施形態では、携帯通信端末40やパーソナルコンピュータ50に、推奨する製品情報及び製品の特徴が出力される。このため、ライフイベントに応じて乳幼児または乳幼児の母親が使用することが好ましい製品の製品情報をユーザにタイムリーに提供でき、発生したライフイベントに応じた、より適切な製品をユーザに推奨できる。
【0044】
本実施形態では、取得されたライフイベント及びシーズンと対応付けられた製品を推奨できる。このため、シーズンに応じた適切な製品を推奨できる。
【0045】
本実施形態では、推奨製品提示システム100は、ライフイベントと対応付けられたアイコンまたは乳幼児の成長段階と対応付けられたアイコンを含む画像を出力したり、当該ライフイベントと対応付けられたメッセージを含む情報を出力したりすることができる。このため、アイコンによる図柄と、メッセージとがセットになった情報をユーザ(母親など)に提供でき、ユーザは自身の子供の状態に最も近い適切な成長段階を選択し易い。さらに、該ライフイベントと対応付けられたメッセージ(
図6参照)を含む情報を出力することによって、ユーザの積極的なライフイベントに関する投稿を促すことができる。
【0046】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0047】
例えば、上述した実施形態では、SNSシステム20を介してライフイベントを取得していたが、本発明には、SNSシステム20は必須ではない。例えば、推奨製品提示システム100自体が、ライフイベントを取得する仕組みを備えていても構わない。
【0048】
また、対応テーブルTBは、シーズンの欄や、推奨内容の欄を備えていなくても構わない。さらに、上述した実施形態では、「はいはいした」場合、はいはい用オムツ(パンツオムツ)が推奨製品として対応付けられていた(
図4参照)が、このような例は、製品を使用(販売)する地域によって異なっていてもよい。例えば、日本では、はいはいし始めると上述したようなパンツオムツを推奨することが一般的であるが、日本よりも気温が高い東南アジア諸国などでは、はいはいする前、具体的には、乳幼児が足をばたばたさせている時期(生後2ヶ月程度)からパンツオムツを推奨してもよい。つまり、製品を使用(販売)する地域(国など)毎に、乳幼児の成長段階に応じて推奨する製品(オムツ)が異なっていてもよい。
【0049】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。