(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
搬送されてくる記録媒体を穿孔する穿孔ユニットと、前記記録媒体の横レジストズレを検知する横レジスト検知機構と、前記横レジストズレを検出された記録媒体の横レジストズレ量に応じて前記穿孔ユニットを移動する移動ユニットと、前記穿孔ユニットの穿孔動作に伴い発生する穿孔屑を収納する穿孔屑回収部を備えた後処理装置において、
前記穿孔屑回収部は、第1の回収部と、第1の回収部に対して移動可能な第2の回収部とを備え、
前記横レジスト検知機構の移動又は前記移動ユニットの移動に追従して前記第2の回収部を移動させるものであり、
前記穿孔ユニットによる穿孔動作時に、前記第2の回収部の位置を前記第1の回収部に対して任意のタイミングで連続して複数回スライド移動させるように移動するべく、前記横レジスト検知機構の駆動源又は前記移動ユニットの駆動源の動作を制御することを特徴とした後処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、穿孔ユニットと、穿孔ユニットで穿孔処理した際に生じる穿孔屑を収容する穿孔屑回収部を有した記録媒体後処理装置(「後処理装置」と記す)において、穿孔屑回収部を第1の回収部と第2の回収部の2層構造とし、穿孔ユニットを作動する移動ユニットの動作もしくは横レジスト検知機構の動作と連動して第2の回収部を往復移動するように構成している点に、特徴である。
【0009】
以下添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明するが、同一部材あるいは同一機能を有する部材には、同一符号を付し、詳細な説明は適宜省略するものとする。
【0010】
図11に示すように、本発明に係る画像形成システム200は、後処理装置10と画像形成装置100を備えている。画像形成装置としては、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これら複数の機能を備えた複合機が挙げられる。画像形成方式としては、電子写真方式あるいは、インクを印字ヘッドから噴射するインクジェット方式が挙げられる。後処理装置10は、画像形成装置100から排出されたシート状の記録媒体としての用紙Pを矢印A方向から受け入れて、内部でその処理を施すものである。
【0011】
本形態の後処理装置10は、シフトモード及びスティプルモードの動作モードを選択可能とされている。
後処理装置10は、シフトモードが選択されると、受け入れた用紙Pを入口ローラ対12a、12bにより用紙搬送路Lに導入した後、用紙搬送路Lに配置された中継ローラ対13a、13bを経由して、シフトローラ対14a、14bに導入する。導入された用紙Pは、排紙ローラ対15a、15bに搬送されるが、このときは上下に移動可能な排紙ローラ15aが排紙ローラ15bとの間に形成するニップを開放した状態で用紙Pを受け入れる。
【0012】
用紙搬送路Lに配置された光学式のセンサSN1は、用紙Pの有無状態を検知するものである。後処理装置10では、センサSN1がオフとなった瞬間をトリガーとする。そして、一定時間経過後に用紙Pの後端が中継ローラ対13a、13bを抜けたタイミングで、シフトローラ対14a、14bが用紙搬送方向に対して直交する用紙幅方向にシフト移動し、用紙Pを装置の手前側あるいは奥側にシフトする。
【0013】
シフトローラ対14a、14bによる用紙シフト処理が完了した後、用紙Pは、排紙ローラ15aが下降することで、排紙ローラ15bとの間に形成されるニップで挟まれる。そして、排紙ローラ対15a、15bの回転により矢印B方向に搬送されて、可動排紙トレイ16に排出される。可動排紙トレイ16は、上下方向に可動するように構成されていて、排紙ローラ対15a、15bにより排出された用紙Pが可動排紙トレイ16上に排出される。排出された用紙Pは、可動排紙トレイ16上を滑り、エンドフェンス17に用紙後端が突き当たった状態で順次積載されていく。
【0014】
後処理装置10では、可動排紙トレイ16に用紙Pが積載されると、紙押さえ18と光学式のセンサSN3で紙面高さを検知し、用紙Pの積載量に応じて可動排紙トレイ16が徐々に下降していく。後処理装置10では、可動排紙トレイ16に設けたフィラー16sが光学式センサSN4を遮断してオンとなると、可動排紙トレイ16の満杯状態として検知し、可動排紙トレイ16の下降を停止し、満杯信号を発信する。
【0015】
後処理装置10は、スティプルモードが選択されると、シフトモード同様、受け入れた用紙Pを入口ローラ対12a、12bにより用紙搬送路Lに導入した後、中継ローラ対13a、13b、シフトローラ対14a、14bを経由してスティプルトレイ19上に排出される。このとき、排紙ローラ対15a、15bは、ニップを開放した状態で用紙Pを受け入れる。スティプルトレイ19上に排出された用紙Pは、叩きコロ20によって矢印C方向に押し戻される。続けて、用紙後端をリバースコロ12によって基準フェンス23に突き当て、さらにジョガー対21で用紙Pの幅揃え処理を行なうことで用紙束を揃える。
【0016】
後処理装置10では、スティプルトレイ19上に画像形成装置100より指示された枚数の用紙Pが積載されると、スティプルユニット24により用紙束に対し綴じ処理が施される。後処理装置10では、綴じ処理が完了すると、排紙ローラ対15a、15bが用紙束をニップし、可動排紙トレイ16上に放出する。
【0017】
スティプルトレイ19に設けたセンサSN5は、光学式のセンサであり、スティプルトレイ19上の用紙有無を検知するセンサである。センサSN6は、用紙後端を検知するセンサであり、後処理装置10では、センサSN6がオンの時にスティプルユニット24による綴じ処理を行ない、オフの場合はスティプルユニット24による綴じ処理をしないように制御し、スティプルユニット24の針詰まりを防止している。
【0018】
後処理装置10は、入口ローラ対12a、12bよりも用紙搬送方向上流側に、用紙Pに穿孔処理を行うパンチユニット2を選択的に設置することで、シフトモード及びスティプルモードとともに、用紙Pに穿孔処理を施す穿孔モードを備えることができる。本形態に係る後処理装置10は、このパンチユニット2を備えていて、シフトモード、スティプルモードの他に穿孔モードの選択可能とされている。パンチユニット2には、穿孔ユニット3、横レジスト検知機構4、穿孔屑回収部300と、後述する穿孔ユニット3を移動させる移動ユニット5を備えている。
【0019】
図1、
図2を用いて穿孔ユニット3について説明する。
図1は、穿孔ユニット3の外観を示す斜視図であり、
図2は穿孔ユニット3の駆動伝達機構部の拡大図を示す。穿孔ユニット3は、
図1に示すように、2穴用穿孔刃3−1及び3穴用穿孔刃3−2による穿孔が可能であり、2穴で穿孔するか3穴で穿孔するかを選択できるように構成されている。
【0020】
図2に示す穿孔ユニット3の駆動伝達機構部は、DCブラシモータ(穿孔モータ)3−6を備えている。DCブラシモータ3−6は、穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2の駆動源である。この駆動伝達機構部は、DCブラシモータ3−6の出力軸が回転すると、図示しないギア、クランクギア等が回転し、図示しないスライドリンクが左右にスライドする。そしてスライドリンクのスライドによって、穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2が上下に動き穿孔動作が行われる。スライドリンクの左右方向へのスライドを穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2の上下動に伝達する機構は公知の技術であるので、ここでの説明は省略する。
【0021】
図2に示すDCブラシモータ3−6の出力軸が回転すると、この出力軸に取り付けられたエンコーダ3−5が回転し、パルスカウントセンサ3−3の出力が変化する。駆動伝達機構部が備えるホームポジションフィラー3−7は、図示しないクランクギアの軸上に取り付けられており、穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2がホームポジション(穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2が下フレームから用紙搬送路に突出しない位置)にある時に、図示しないホームポジションセンサがホームポジションフィラー3−7の切欠きを検出するように取り付けられている。ホームポジションフィラー3−7の切欠きは、180°対向する位置に計2つ形成されている。これら切欠きは、どちらも穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2が下フレームから用紙搬送路に突出しない位置と相関関係にある。
【0022】
穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2がホームポジションの状態から、ホームポジションフィラー3−7を半回転させて停止させると、回転方向に応じて穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2の何れかが穿孔動作(上下動)を行い再びホームポジションの状態になる。この状態から前回と逆方向にDCブラシモータ3−6を回転させると、前回と同じ穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2が再び穿孔動作を行う。前回と同方向にDCブラシモータ3−6を回転させた場合は、前回と違う穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2が穿孔動作を行う。
【0023】
次に、
図3を用いて後処理装置10が備える横レジスト検知機構4の構成と動作について説明する。横レジスト検知機構4は、穿孔ユニット3よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。横レジスト検知機構4には、用紙幅方向に置かれ、用紙Pの搬送方向と平行な端部位置を検出する、用紙端部検知手段として用紙端部検知センサ4−1が設けられている。横レジスト検知機構4は駆動部40を備えている。駆動部40は、駆動源となる横レジストモータ4−4と、レジストモータ4−4によって矢印D又はE方向に移動するタイミングベルト4−6で構成されている。タイミングベルト4−6にはガイド4−3が固定されている。ガイド4−3には、用紙端部検知センサ4−1が固定されたガイド4−2がスライド移動自在に装着されている。このため、横レジストモータ4−4の駆動によってタイミングベルト4−6が矢印D又はE方向に移動すると、ガイド4−2も同方向に移動可能とされている。予め設けられたセンサ4−5は、横レジスト検知機構4の用紙端部検出センサ4−1のホームポジションセンサとして機能する。
【0024】
図4は、穿孔ユニット3を移動させる移動ユニット5を示す図である。
図4に示すように画像形成装置100より搬送されてきた用紙Pは、横レジスト検知機構4を通過し、その後、穿孔ユニット3を通過する。
【0025】
移動ユニット5は、移動ユニット5の駆動源となるステッピングモータ5−1、タイミングベルト5-2、従動プーリ5−3、駆動プーリ5−4を備えている。穿孔ユニット3に設けられたギア3−8には従動プーリ5−3に設けられたギアが噛み合っている。タイミングベルト5−2は、ステッピングモータ5−1によって回転駆動される駆動プーリ5−4と従動プーリ5−3の間に張架されている。移動ユニット5は、ステッピングモータ5−1の回転によってタイミングベルト5−2が両プーリを回転移動することにより、穿孔ユニット3全体を用紙幅方向に移動するように構成されている。
【0026】
移動ユニット5には、図示しないホームポジションセンサがあり、このホームポジションセンサにより検知される位置を穿孔ユニット3の移動の起点としている。移動ユニット5は、横レジスト検知機構4にて検出した用紙Pのズレ量に応じて、穿孔ユニット3を移動させるもので、穿孔ユニット3を移動することにより、用紙Pが偏って搬送されてきた場合でも、穿孔する位置を合わせることができる既知の構成である。
【0027】
図2、
図4、
図11に示すように、穿孔ユニット3の直下には、穿孔屑回収部300が配置されている。穿孔屑回収部300の構成については、後で説明することにし、
図5を用いて既存の穿孔屑回収部の問題点について説明する。
【0028】
穿孔屑回収部300は、
図5に示すように、穿孔刃3−1又は穿孔刃3−2が穿孔処理した際に発生する穿孔屑を内部に溜めて置くための容器である。穿孔屑回収部300には取手301が形成されていて、ユーザがこの取手301を持ち、矢印A方向に穿孔屑回収部300をスライド移動させることでパンチユニット2より取り外し、穿孔屑Pdを除去する構成とされている。矢印A方向とは離脱方向であり、用紙幅方向の一方の端部側となる。
【0029】
通常、穿孔屑回収部300において、例えば穿孔刃3−1にて連続穿孔した場合、穿孔屑Pdが、
図5に示すように、穿孔屑回収部300内において山形形状に堆積する。穿孔屑Pdが山形形状に堆積することで、穿孔屑回収部300の容量を存分に使用することができない。その結果、早期満杯となり、ユーザが穿孔屑回収部300をパンチユニット2より取り外して穿孔屑Pdの除去の頻度が上がってしまうことや、穿孔屑Pdが穿孔屑回収部300から溢れてしまうという不具合が発生する場合が想定される。
【0030】
そこで、この不具合を防ぐため、特許文献1では、穿孔屑回収部と穿孔屑回収部に当接した弾性体となるバネと、電磁誘導部となるソレノイドを備え、電磁誘導部の駆動により、穿孔屑回収部を揺らし、山形形状に堆積した穿孔屑を平坦化している。しかし、このような構成では、新たな駆動源(電磁誘導部)を設けなければならず、結果として装置の大型化を招いてしまう懸念がある。特許文献2では、穿孔ユニットを移動させるための駆動部の駆動源に連結された穿孔屑拡散手段を穿孔屑回収部の内部に設置し、山形形状に堆積した穿孔屑を平坦化している。しかしこの構成においては、穿孔屑回収部内部に穿孔屑拡散手段を設けるため穿孔屑回収部の容量が減少してしまう懸念がある。また、穿孔屑回収部は前述したとおりユーザにより後処理装置(パンチユニット)より取り外し、穿孔屑を除去させる必要がある。しかし、穿孔屑拡散手段を設置したことにより、穿孔屑回収部の取手をもち、スライドさせた際、穿孔屑拡散手段が邪魔になってしまうことで、取り外し難くなり、さらに穿孔屑の除去がし難くなるという懸念もある。
【0031】
そこで、本形態では、
図6に示すように、穿孔屑回収部300を第1の回収部となる外ホッパー302と、第2の回収部となる内ホッパー303とを重ね合わせた二重構造するとともに、矢印F方向に移動、詳しくはスライド移動可能な構成とした。本形態において矢印F方向とは、用紙幅方向と同一方向である。本形態において、内ホッパー303は、その全長L1が、外ホッパー302の全長L2よりも短く形成されていて、外ホッパー302の内部に収納されている。穿孔屑回収部300は、内ホッパー303内に穿孔屑Pdが堆積するように構成されている。穿孔屑回収部300は、内ホッパー303が外ホッパー302内で矢印F方向にスライド移動自在に支持されていて、穿孔ユニット3の移動、もしくは、横レジスト検知機構4の移動に連動して、内ホッパー303のみが矢印F方向にスライド移動するように構成されている。
【0032】
このため、穿孔ユニット3の移動、もしくは、横レジスト検知機構4が移動すると、その移動に連動して内ホッパー303のみが矢印F方向にスライド移動するため、内ホッパー303内に山形形状に堆積した穿孔屑Pdを拡散して平坦化するに際し、従来のように新たな駆動源を設ける必要がなく、また、穿孔屑回収部300内に拡散手段を配置しなくてよい。このため、穿孔屑回収部300の容量の減少や装置の大型化を招くことなく、小型化を図ることができるとともに、穿孔屑回収部300の取り外し作業や、穿孔屑Pdの除去を容易に行える。
(第1の実施形態)
図7を用いて穿孔屑回収部300(内ホッパー303)の動作について説明する。
図7に示す形態は、内ホッパー303を、ここでは用紙幅方向に往復移動、より詳しくはスライド移動するための駆動部として、予め設けられた横レジスト検知機構4の駆動部40を使用した場合の好適な形態を示す。
【0033】
図7において、内ホッパー303には、外ホッパー302の外側へと延びる突起304が設けられている。横レジスト検知機構4が備える用紙端部検知センサ4-1が搭載されているガイド4−2には、突起304と当接するように突起4−7が設けられている。これら突起4−7と突起304は弾性変形可能な部材で構成されている。内ホッパー303の移動距離をK、ガイド4−2の移動距離をK1としたとき、移動距離K<移動距離K1となるように設定されている。横レジスト検知機構4の駆動源となる横レジストモータ4−4と用紙端部検知センサ4-1は、信号線を介して制御手段50と接続されている。横レジストモータ4−4は制御手段50によって、その動作が制御される。
【0034】
このような構成において、搬送されてきた用紙Pの端部を検知するために、ガイド4−2が横レジストモータ4−4の駆動によってタイミングベルト4−6が移動して矢印F1方向に移動した際、その途中で突起4−7が内ホッパー303の突起304に当接する。そして当接した状態で矢印F1方向へ移動することにより、内ホッパー303も追従して、矢印F1方向へ移動する。その後、ガイド4−2は用紙Pの端部を検知するまで矢印F1方向へ移動するが、内ホッパー303の移動は、内ホッパー303の端部303aが外ホッパー302の端部302aに当接することで妨げられる。このため、突起4−7と突起304が弾性変形して突起4−7と突起304の当接が解除される。
【0035】
用紙端部検知センサ4−1が用紙Pの端部を検知した後、ガイド4−2が矢印F2方向に移動すると、突起4−7が突起304の逆側に当接し、内ホッパー303も矢印F2方向へ移動する。その後、ガイド4−2は内ホッパー303の端部303bよりも外側に位置するホームポジションまで移動するが、内ホッパー303の移動は、内ホッパー303の端部303bが外ホッパー302の端部302bに当接することで妨げられる。このため、突起4−7と突起304が弾性変形して突起4−7と突起304の当接が解除される。
【0036】
このように、横レジスト検知機構4による検知動作と連動して内ホッパー303が往復移動(スライド移動動作)することにより、新たな駆動源や穿孔屑回収部300内に拡散手段を配置しなくても、穿孔屑Pdを拡散して平坦化することができる。このため、穿孔屑回収部300の容量の減少や装置の大型化を招くことなく、小型化を図ることができるとともに、穿孔屑回収部300の取り外し作業や、穿孔屑Pdの除去を容易に行える。
【0037】
突起304及び突起4−7は、弾性部材にて構成しても良いが、何れか一方を例えば半球状あるいは三角形状の突起として構成し、内ホッパー303の端部が外ホッパー302の端部に当接するまでは突起同士の当接状態を保持し、内ホッパー303の端部が外ホッパー302の端部に当接すると、ガイド4−2側の突起が内ホッパー303側の突起を乗り越えるようにしてもよい。
【0038】
本形態では、横レジスト検知機構4の駆動源を用いて内ホッパー303の駆動源として共有化して内ホッパー303をスライド移動させているが、突起304及び当接する突起407の設ける位置により、穿孔ユニット3を移動させるための移動ユニット5の移動(ステッピングモータ5−1)を利用してスライド移動させることもできる。
(第2の実施形態)
本形態は、穿孔ユニット3が用紙Pを穿孔する際に、内ホッパー303を予め定められた位置に留め置く制御に関するもので、
図8、
図9を用いて説明する。
図8は、内ホッパー303の移動を説明するための図であり、
図9は制御手段50の制御内容を示すフローチャートである。制御手段50には、内ホッパー303を予め定められた位置に留め置くためのプログラムや判断値が記憶されている。内ホッパー303を移動させる構成については、
図7に示す構成と同一である。以下、
図9のフローチャートに沿って説明する。
【0039】
図9において、用紙端部検知センサ4−1がN枚目の用紙Pの端部を検出(用紙レジストズレ検知完了)した後、(S1)、ガイド4−2が
図8(a)に示す矢印F2方向へ動くと、内ホッパー303が第1の位置まで来るように予め定められた動作を行う。これにより、内ホッパー303が第1の位置まで動き、その状態でガイド4−2を留め置くことで内ホッパー303を第1の位置で停止状態として保持することができる(S2)。内ホッパー303を第1の位置で停止状態とするには、横レジストモータ4−4を制御手段50で停止するように制御することで、達成することができる。
【0040】
この停止状態で穿孔ユニット3が用紙Pに穿孔処理を実施し(S3)、その後シフトやスティプル等の別処理を実施し排紙する(S4)。
【0041】
制御手段50は、次の用紙Pに穿孔処理要求があるか否かを穿孔モードの設定の有無から判断し、穿孔処理要求がされている場合(S5)には、搬送されてきた用紙Pに対して、用紙端部センサ4−1が用紙端部を検出した(用紙レジストズレ検知完了)(S6)後、ガイド4−2を
図8(b)に示すように、矢印F1方向へ動かし、内ホッパー303が第1の位置とは異なる第2の位置まで来るように予め定められた動作を行う(S7)。この状態で穿孔ユニット3が用紙Pに穿孔処理を施し(S8)、その後シフトやスティプル等の別処理を実施し排紙する(S9)。穿孔される用紙Pが続く限り、上記動作を繰り返す(S10)。
【0042】
このように、内ホッパー303の位置を異なる位置に移動する制御を実施することで、内ホッパー303内に落ちる穿孔屑Pdの初期位置を複数の位置に分散することができる。このため、穿孔屑Pdが山形形状に堆積し難くなり、穿孔屑回収部300の穿孔屑回収効率を上げることができ、メンテナンスの回数を減らすことができる。
【0043】
なお、本形態では内ホッパー303が予め定められた2つの位置に留まる(停止する)形態として説明したか、内ホッパー303の留まる位置は2つの位置に限定されるものではなく、3つ以上の任意の位置に停止するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
本形態は、穿孔屑回収部300の満杯検知と満杯通知に関するもので、
図10を用いて説明する。
【0044】
穿孔屑回収部300は、所定量以上の穿孔屑Pdが収容されると、穿孔屑Pdが溢れて、後処理装置10やパンチユニット2内に拡散してしまう。このため、穿孔屑回収部300には、穿孔屑Pdの満杯状態を検知する満杯検知手段306が設けられているとともに、穿孔屑回収部300内の状態を検知するための透明な検知窓305が形成されている。満杯検知手段306は光学的なセンサであって、検知窓305に検知光を照射することで、その反射率によって満杯状態を検知する。制御手段50には、満杯検知手段306と満杯通知手段51が信号線を介して接続されている。制御手段50は、満杯検知手段306の満杯検知状況に応じて満杯通知手段51を作動するが、本形態では、満杯検知手段306による満杯検知後、直ちに満杯通知手段51を作動するのではなく、任意の条件を満たすことで満杯通知手段51を作動するように制御する。
【0045】
内ホッパー303のスライド移動によって山形形状に堆積した穿孔屑Pdが平坦化された状態において、検知窓305を超えた場合と超えない場合とでは、検知光の反射率が異なる。このため、検知窓305を超えた場合の反射率の値を所定値として予め制御手段50に設定しておき、満杯検知手段306による検知した値が所定値以上となると、穿孔屑Pdが満杯状態であると制御手段50が判断する。
【0046】
内ホッパー303内の穿孔屑Pdの堆積量が多くなってくると、穿孔屑Pdの摩擦等により内ホッパー303をスライド移動しても穿孔屑Pdの拡散効率が悪くなってくる。そうなると、
図10に示すように、内ホッパー303には回収容量(回収スペース)があるにも関わらず、平坦化された穿孔屑Pd上に小さな山形形状に穿孔屑Pdが堆積してしまい、検知窓305を超えてしまうことがある。
【0047】
そこで、本形態では、任意のタイミングとなる穿孔屑Pdの満杯を満杯検知手段306が検知した時に、内ホッパー303をスライド移動させるために、連続で複数回駆動させるように横レジスト検知機構4の横レジストモータ4−4の動作を制御手段50で制御する。そして連続動作後、穿孔屑Pdの満杯状態検知が解除されれば、ユーザに対して穿孔屑除去を促す満杯通知手段51を作動せず、満杯検知が解除されない場合には、満杯通知手段51を作動してユーザに穿孔屑除去を促す通知を行う。満杯通知手段51としては、ブザー、ランプ、音声発生手段、LCDなどの表示手段が挙げられる。通知形態としてはブザーを鳴らす、ランプを点灯/点滅させる、音声発生手段で音声メッセージを流す、表示手段にメッセージを表示することなどが挙げられる。
【0048】
このように、内ホッパー303内に堆積した穿孔屑Pdにより、例えば満杯検知手段306が満杯を検出した場合に、内ホッパー303を連続で複数回スライド移動させることで、堆積した穿孔屑Pd上の小さな山形形状に堆積してしまった穿孔屑をも拡散させることができる。このため、穿孔屑Pdの回収容量を余すことなく使用することができるため、メンテナンスの回数をさらに減らすことができる。さらに、内ホッパー303内にこれ以上収容できない状態になって初めてユーザに対し、穿孔屑除去の通知が行われるので、メンテナンスの回数をさらに減らすことができる。
【0049】
第3の実施形態では、任意のタイミングとなる穿孔屑Pdの満杯を満杯検知手段306が検知した時に、内ホッパー303をスライド移動させるために連続で複数回駆動させるように横レジスト検知機構4の横レジストモータ4−4の動作を制御し、その後に満杯検知手段306が満杯状態を検知すると満杯通知手段51を作動するように制御手段50で制御している。しかし、内ホッパー303を連続で複数回駆動させる処理を1回行っただけでは、平坦化された穿孔屑Pd上の小さな山形形状に堆積してしまった穿孔屑を十分に拡散することができずないことも想定される。
【0050】
このため、満杯検知手段306による満杯検知と、内ホッパー303を連続で複数回駆動させる処理を所定回数実施し、所定回数実施後に満杯検知手段306で満杯状態を検知した時に、満杯通知手段51を作動してユーザに穿孔屑除去の通知を行うようにしてよい。つまり、予め既定された回数満杯を検知した場合のみ、満杯通知手段51を作動してユーザに穿孔屑除去の通知を発するような構成とする。
【0051】
このような制御により、穿孔屑Pdの堆積量が多い場合でも、穿孔屑Pdをより確実に拡散できるようになり、穿孔屑除去のためのメンテナンス回数を減らすことができる。
【0052】
上記形態では、後処理装置10が、制御手段50と満杯通知手段51を備えたものとして説明したが、制御手段50と満杯通知手段51は、画像形成装置100が備えた形態であってもよい。この場合、画像形成装置100に後処理装置10を装着した際に、カプラーなどでの接続部材で、後処理装置10側の駆動系と画像形成装置100の制御手段50とを電気的に接続し、画像形成装置100側で後処理装置10を制御する形態とすればよい。
【0053】
このように画像形成装置100が既に備えている制御手段を用いることで、後処理装置10に制御手段を設ける必要が無くなり、部品点数の削減とコスト低減を図ることできる。