【実施例1】
【0012】
図1は、本実施例の蓄電池状態検知装置の構成図の例である。
【0013】
101は、評価対象の蓄電池である。当該蓄電池に対し、高周波発振部102を用い生成した高周波を、進行波・反射波弁別部103経由で印加する。印加に伴い蓄電池101より発生する反射波を、進行波・反射波弁別部(反射波を進行波と分離する分離部)103により分離する。分離した反射波は、周波数分析部104により周波数分析する。測定値・基準値比較部105にて、周波数分析部104からの分析結果と、基準値保持部106に保持している基準値とを比較する。比較結果は、状態検知結果表示・出力部107にて図示しない表示器もしくは通信路に、表示若しくは送出する。
図2は、前出の本実施例における構成をさらに具体化した例である。前出の高周波発振部102としてトラッキングジェネレータ1021、同じく周波数分析部104としてスペクトラムアナライザ1041、進行波・反射波弁別部103としてリターンロスブリッジ1031をそれぞれ用いる。トラッキングジェネレータ1021とスペクトラムアナライザ1041は、連動して動作する。1021と1041とが一体型の測定装置108(スカラ型ネットワークアナライザ)として構成されたものを用いても良い。同図の109に示す波形観測点A において、観測されるデータの例を
図3に示す。同図のプロットは、同一型番の鉛蓄電池に関し、高周波を印加した際の反射波のパワースペクトルである。図中の合算区間に関し、同プロットを単純に合算したものを縦軸に、また、一定電流値で満充電から放電終止電圧までの継続時間を充放電可能な電荷量(相対値)として横軸にとって両者の関係を示した図(SOHの定義には諸説ありうるが、以降左記横軸の値をSOH State of Healthと表記)が、
図4である。同図のように両者にはある程度の相関がみられる。この関係を用い、蓄電池の劣化度合いの判定に用いる。同一の個体に対し、経時的に劣化を観察するためには、基準値保持部106に劣化前のスペクトルのデータを保持しておき、使用開始後のある時点での測定値を、測定値・基準値比較部105にて比較する。比較の結果、劣化の判定値を、例えば110の例のように画面に表示させるほか、図示しないデータカードなどの記録メディアに記録、若しくは通信手段を用い遠隔のデータロガー等の記録装置やサーバ119宛に送出する。測定値・基準値比較部105は、周波数分析部104による分析結果と基準値との比較を行い蓄電池101の劣化状態を算出する算出部を構成している。
【0014】
図5に、蓄電池と計測装置の接続部の構成例を示す。
【0015】
一般に入手が容易な進行波・反射波弁別部103の測定端(DUT端,DUTはDevice Under Testの略)は、特性インピーダンス50Ω(又は75Ω)の同軸ケーブルやマイクロストリップラインである。そこで、蓄電池101との接続には、高周波部の配線の取り回しの変化による測定値の変動を防ぐため、インピーダンスの変動を抑制した接続用アダプタ111を用いる。よって該アダプタは、計測器側からみた特性インピーダンスと蓄電池側の整合を目的としたものではない。インピーダンスの変動を抑制するには、例えば高周波部の幾何形状の固定や相互の空間的位置の固定、同軸ケーブルの電気長の固定などが挙げられる。接続用アダプタ111のインピーダンスを固定化することにより、境界q113での反射の条件、及び境界r114での反射の条件が常に一定となる。つまり、境界q113での反射ab116の周波数特性と、境界r114での反射bc117の周波数特性が測定に際し、常に固定される(周波数によらず一定という意味ではなく、周波数依存性はもつものの、測定対象の電池を同一形状の別の個体に変えた場合や、同一個体に対しての接続用アダプタ111の脱着に際し、周波数特性の再現性がおよそ一定という意味である)。これによって、周波数分析部104で観測される反射波は、蓄電池101そのものからの反射c118の差異を効率的に反映出来ることとなり、判定精度が向上する。インピーダンスの変動を抑制する接続用アダプタ111を用いず、MHz帯以上で蓄電池からの反射波の差異を検出することは、実際には困難といえる。より好ましくは、計測システムの収容寸法112を、(電気長を考慮し)測定に使用する最大周波数に対応する波長の1/4より十分に小さい値とすると一層の精度向上が見込める。尚、
図5において境界p 115より上側は、低周波若しくはデジタルインターフェース等のため、波長との関連への留意は不要であり、各々のインターフェース等の規格の範囲内で適宜延長できる。
【0016】
本方式の適用には、数MHz以上の高周波領域にいたる蓄電池の複素インピーダンス及び計測器と電池間の高周波接続部の複素インピーダンスを求める操作が不要なため、ベクトル型のネットワークアナライザなど高価な計測機器を用いる必要はない。安価な機器のみを用い、劣化との関連性が高いと思われる電池特性の変化を検出することが可能である。進行波・反射波弁別部103として、リターンロスブリッジ、(V)SWRブリッジのほか、方向性結合器など、進行波と反射波の分離を行う機能があれば、同様に用いることが出来る。
【実施例2】
【0017】
本実施例では、蓄電池101と接続用アダプタ111の少なくとも一方の組み合わせの変更に対応する例を説明する。
図6は、実施例2における蓄電池と接続アダプタの複数の組み合わせに対応する構成例である。既に説明した
図1に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0018】
前述のように、進行波・反射波弁別部103と蓄電池101との接続部には、接続用アダプタ111を用いることで、蓄電池101からの反射波の差異を鋭敏に検出できる。評価対象の蓄電池101の端子や端子間隔等の少なくとも幾何形状が異なる場合、接続用アダプタも対応するものに変更する必要がある。また、同一種類の蓄電池101に対しても、インピーダンスの異なる蓄電池端子接続用アダプタ111との組み合わせでは、異なる基準値を用いる必要がある。そこで、基準値保持部106は、使用する接続用アダプタ111と蓄電池101の組み合わせ毎に、対応する基準値を保持(又は記憶)し、基準値選択情報入力部120により適切な基準値を、測定値・基準値比較部105若しくは基準値保持部106の少なくとも一方に通知することで、測定値と基準値の正しい組み合わせでの比較を行う。
【0019】
基準値選択情報入力部120は、適切な基準値を通知する代わりに、測定値と基準値との比較方法を変更する情報を測定値・基準値比較部105に通知し、測定値・基準値比較部105は通知を受けた情報に従って適切な比較方法を選択し、測定値と基準値との比較を行うようにしてもよい。さらに、比較方法或いは比較方法を変更するための情報を基準値保持部106に保持するようにしてもよい。この場合、基準値選択情報入力部120から基準値保持部106にも比較方法を変更する情報を通知するようにする。そして、測定値・基準値比較部105は基準値保持部106に保持された情報に基づいて比較方法を変更する。
【実施例3】
【0020】
本実施例では、蓄電池IDの自動読み取り機能と蓄電池状態の測定機能を組み合わせた場合の実施例を、
図7を用い説明する。既に説明した実施例1,2に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。基準値選択情報入力部120における蓄電池101と接続用アダプタ111の組み合わせの入力は、手動による入力のほか、電気式接点による伝達、無線による非接触方式の伝達、突起や穴とのスイッチ類の接触による機械的伝達方式などがある。無線によるIDの伝達では、測定に影響を与えぬよう、異なる周波数若しくは異なる時間的タイミング等で干渉のない条件を選ぶ。機械式伝達は、伝達すべき情報量が少ない場合に利用できる。電気的接点による伝達はコスト面で有利である。蓄電池IDの自動読み込みは、例えば昨今の電力負荷平準化用設備、自然エネルギ用変動緩和設備、電力需要のピークシフト設備にみられるように、時に数千にのぼる数の蓄電池が設置されている設備において、特に有用である。これは、多数の蓄電池の健全性を順次点検していく際、個別電池の履歴等を自動で検知できるため、過去に特異な徴候を呈した要注意の蓄電池個体に対しては、より時間をかけた精密な測定や、重点的な目視等を行えることになる等の利点があるためである。
【0021】
蓄電池ID若しくは接続用アダプタIDの自動読み取り機能を実現するため、蓄電池側に蓄電池ID保持部122、接続用アダプタ111側にアダプタID保持部121の少なくとも一方を設ける。同ID保持部からの情報は、少なくとも、測定対象の蓄電池或いは、アダプタが変わる毎に、ID読み取り部123で読み取る。125は蓄電池側格納データ例、同じく126はアダプタ側格納データ例である。これら格納データは全てが必須ではなく、例えば、蓄電池のシリアル番号のみを読み出し専用のID格納部(無線IDタグ、RFIDなど)に格納するだけでも、図示しないサーバ等の遠隔データ格納部で当該シリアル番号と他のデータとの関連付けを行うことで、後述する各種利用方法を実現できる。但し、通信等により遠隔データ格納部とのデータ同期を図る必要があるなどのトレードオフがある。格納データのうち、蓄電池種別若しくはアダプタ種別を、ID読み取り部123を用い読み込んだ後の基本的な処理は、前述の実施例と同じである。尚、蓄電池101若しくは接続用アダプタ111のシリアル番号は、蓄電池若しくは接続用アダプタを特定するための個別識別番号である。蓄電池101については、シリアル番号の他、蓄電池種別、対応アダプタ種別、前回検査実施日、前回検査結果及び組み付け位置などの情報を含めて、蓄電池101の個別識別情報として、蓄電池ID保持部122に記憶してもよい。また、接続用アダプタ111については、シリアル番号の他、アダプタ種別及び対応蓄電池種別などの情報を含めて、接続用アダプタ111の個別識別情報として、アダプタID保持部121に記憶してもよい。
【0022】
加えて、アダプタ側格納の対応蓄電池種別データと蓄電池側格納の対応アダプタ種別データの付き合わせを行うことで、両者の組み合わせの正当性の確認が出来る。これは、端子形状や物理的配置が同一でありながら異なる種別の蓄電池が存在する場合に有利である。
蓄電池側格納データとして、前回の検査結果を保持することで、現在の検査結果との変化を確認できる。両者の比較の結果、例えば有意に劣化の進行が大きい場合、測定方式変更部124が、高周波関連の測定部宛に測定条件を変えての再測定の指示を出す。一般に測定時間と測定精度はトレードオフの関係にあるので、より時間をかけた感度の高い測定を行い、交換等の対策の要否判断のための、より確度の高い判定結果を出力する。若しくは、本発明の方式以外の測定法を実施するよう、使用者あるいは遠隔サーバ宛にメッセージを状態検知結果表示・出力部107経由で出力する。
【0023】
蓄電池側からID読み取り部123が読み込むデータとして、蓄電池側の温度,直流電流,直流電圧などの蓄電池に付随する計測値の現在の値、過去のある期間の平均値、過去のある期間の瞬時値や平均値の履歴を用いても良い。蓄電池側での当該計測値を用い、基準値保持部106や測定値・基準値比較部105にて、例えば温度依存性や充放電履歴に伴う分極の影響等の補正を行うことで、より精度の高い蓄電池の状態判定を行える。
【0024】
蓄電池側格納データとして組み付け位置を用いると、複数の蓄電池を収容したラック中の蓄電池の位置により、接続されるバスバーの形状や空間的配置が異なることによる測定値のずれの補正を行える。大量の蓄電池を使用する前記電力負荷平準化用設備等の蓄電設備においては、
図8に示すような収容ラックの単位で蓄電池が設置されている場合がある。同ラックにおいては、単一の蓄電池101をバスバー128にて相互接続して直列化している。単一の蓄電池101は図では1つのセル(起電力の単位)の例を示したが、複数のセルからなるモジュール単位で1組の正負端子をもつ構成でも同様である。収容ラック中の蓄電池の位置により、
図9に示すが如く蓄電池とバスバー配置の組み合わせが生じる。
図7の125における蓄電池側格納データ中の組み付け位置情報は、ラック中での蓄電池位置から、上記蓄電池とバスバーとの組み合わせを割り出し、バスバーの幾何形状/空間的配置の違いによる計測値の補正を行う際に使用する。補正は、基準値選択情報入力部120経由で取得した組付け位置情報を、基準値保持部106に送り当該保持部に保持されている組付け位置毎の補正データを選択する方式としても、測定値・基準値比較部105のなかで組付け位置毎の補正係数として処理する方式としても良い。
図7の125の組み付け位置情報を用いずに、蓄電池シリアル番号と、バスバーの幾何形状/空間的配置の違いによる計測値の補正情報との関連付けを行い、同様の補正を行っても良い。同関連付けは、外部の遠隔データ格納部119に設けてもよく、あるいは測定値・基準値比較部105の中に、検査対象の蓄電池設備中の全データを検査前に一括して格納しても良い。個別識別番号(シリアル番号)と関連する情報の格納部を、接続用アダプタ111若しくは蓄電池101と一体とするか、或いは一体とみなせる程度近接した場所としてもよい。これにより、通信手段を介する必要がなくなり、情報の記憶、更新を適切に行うことができる。
【0025】
組付け位置情報から、収容ラック中での、上中下段等の位置を割り出し、温度補正を行う手法としてもよい。同じ収容ラック中でも、下段の温度は床面からの影響を受け、上中段の温度や周囲の気温と比較し、数度以上異なる場合がある。そこで、例えば蓄電池個別に温度センサを設けていない場合、測定手段内蔵の温度計による検出値や設備の代表的な温度検出値を、上中下段等の組み付け位置情報と用い補正することで、簡易的な温度補正を行うことが可能である。一方、蓄電池シリアル番号から、ラック中の位置だけではなく、蓄電池設備中での位置を検索し、直射日光や換気設備等の温度を変動させる要素との対応付けを行うことで、補正を行っても良い。組み付け位置情報を用いずに、接続用アダプタ111に、バスバーの機械的/光学的/電磁気的検出手段を設け、蓄電池の電極の極性情報と併用し、自動で組み付け位置情報に相当する情報を割り出しても良い。尚、蓄電池の組み付け位置による本補正は、バスバー等の蓄電池端子からの接続配線を外して検査を行う場合には不要である。
【0026】
また、蓄電池端子からの接続配線を外さずに計測を行う場合、バスバーの影響以外に、隣接する蓄電池の特性もあわせて計測される。しかし、検査対象かその隣接セルに異常があれば、測定値の変化として検出される可能性が高いと予想されるため、異常の検出の際には、必要に応じ蓄電池端子の接続配線を外すことで、異常蓄電池の絞込みを行える。これは、検査対象の蓄電池と、隣接する蓄電池の双方の異常による特性の変化方向が、互いに逆方向で大きさが等しくなる現象が全ての測定周波数で成立し、計測値に変化が反映されないという現象が発生する確率は低いことによる。
【0027】
前出の実施例では、本発明による蓄電池状態の検出手段を、検査時に検査対象に取り付けて計測を行う使用例を示した。これは、通常蓄電池の劣化の進行速度は遅く、時に年単位でのみ変化が観測されるためである。従って定期点検時など、期間を空けての検査にて変化を観測する方式が有効であると考えられる。一方、劣化の進行速度が速い場合や、著しく低い故障率を要求される用途においては、蓄電池に本発明による蓄電池状態の検出装置を常時設置し、継続的に蓄電池状態の変化を監視する方式としてもよい。本発明による蓄電池状態の検出は、基本構成のみの場合、低コストで製作出来るため、上記用途に好適である。また、常時設置方式では、検査対象の蓄電池の取替えによる特性の変化を無視できるため、蓄電池の経年変化を高精度で検出できる利点がある。
【0028】
本発明による蓄電池状態の検出装置を検査時に検査対象に取り付けて計測を行う場合、例えば、自動車用蓄電池の端子形状では数秒で脱着が可能である。計測時間は1秒以下であり、更に判定時間は無視しうる時間のため、大量の蓄電池が設置されている設備の点検において、有利である。また、蓄電池の種類が鉛蓄電池の場合、定期的に均等充電が必要となる場合があるが、当該均等充電時に本発明による検査を実施すると、実運用への影響を少なくすることができる。均等充電末期には、充電電流値が小さくなるため、検査対象のセルをバイパスし、検査を行う手法も有効である。左記手法により、長時間にわたる均等充電時間を延長することなく、かつ正確な蓄電池の検査が実施可能である。また、自然エネルギ用変動緩和設備においては、夜間等、系統からの解列時に検査を行うことでも、実運用への影響を軽減できる。
[参照例]
【0029】
次に、単一の周波数を用いた状態判定の構成例を、
図10を用い説明する。既に説明した実施例1〜3に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0030】
本
参照例では、前述の周波数可変機能をもつ高周波発振部102に替え、固定周波数を発振する高周波発振部(周波数固定)1021を利用する。固定周波数とすることで、発信器周りの周波数可変制御が不要となる点、アンプの帯域に関する要件が緩和されるなど、低コスト化につながる。更に、周波数分析部104に替え、検波部130と、電圧測定部131を利用する方式と併用しても良い。高周波発振部(周波数固定)においては、例えばf=f1の固定値の周波数を用いる。f1としては、例えば、
図11に示すように、蓄電池の状態に応じた変化を捉えられる周波数を選択する。周波数の選択基準としては、変化率が最も大きい周波数、種々の蓄電池にわたり安定的な評価を行える周波数などがある。更に選択しうる周波数に幅がある場合、高周波のアンプの製造コストとの兼ねあいで、前記周波数をずらしても良い。また、制御マイコンのクロックなど、計測機器そのものより発せられるノイズを避ける周波数を選択しても良い。対象の蓄電池毎に異なる”固定”の周波数を用いてもよい。検波部130は、高周波である反射波を検波し、低周波の信号に変換する。低周波化された信号は、簡易な構成が可能な電圧測定部131を用い、電圧値から所定の表示器や、デジタル値に変換される。変換した結果は、
図11の、f1の箇所に相当するパワー値(p1,p2)の比較をもって行われる。図示しないが蓄電池端子接続用アダプタ111も有効に利用できる。電圧測定部131の最も簡単な例は電圧計である。蓄電池よりの反射波の検波後の信号はベースバンドに変換されているため、その時間変動は通常小さいか或いはほとんどない状態となっている。よって電圧計での観察も可能である。更に、安価な低速のA/D変換器による変換も可能である。例えば測定装置を制御するマイコンに内蔵されたA/D変換器も利用可能であり、コストの大幅な削減を期待できる。測定値・基準値比較部105、基準値保持部106においても、波形ではなく、単一の値の比較、保持を行えば良いので、作成と管理の両コストの低減が可能である。複数の周波数を利用する場合、周波数の変更は、測定値・基準値比較部105、基準値保持部106に伝達され、比較方法や基準を変更するほか、必要に応じ検波部130(フィルタの変更など)、電圧測定部131(レンジ,図示しないプリアンプの変更など)、状態検知結果表示・出力部107(使用周波数の表示など)へ伝達される。これらの伝達や制御は、統括制御マイコン133を用いて行うと実現が容易である。前述の実施例においても、図示はしていないものの、制御用マイコンを用い、各処理部を制御する方式が実用面で有利である。各処理部の機能やメモリの機能は、統括制御マイコン133によって実現してもよい。特に、電圧測定部131、測定値・基準値比較部105及び基準値保持部106等の処理部の機能やメモリの機能は統括制御マイコン133によって実現するとよい。
【0031】
複数の固定周波数を用いる測定を、同一の蓄電池に対し行うことで、例えば
図12に示すように、(p1,p2),(p3,p4)の複数個所での比較が可能となるため、単一の固定周波数を使用する場合より、信頼性の高い状態判定が出来る。図示の如く蓄電池の状態変化に伴う計測値の変化方向は、逆でも良い。更に、蓄電池の状態変化に伴う反射特性の変化を反映しやすい固定周波数を3点以上用い、より信頼性を高めても良い。
【0032】
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0033】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0034】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。