【実施例】
【0136】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、合成例におけるポリマーの重量平均分子量は、以下の方法に従って測定した。
【0137】
(ポリマーの重量平均分子量)
カラム恒温槽には島津製作所製CTO−20A、検出器には島津製作所製RID−10A、溶離液流路ポンプには島津製作所製LC−20AD、デガッサには島津製作所製DGU−20A、オートサンプラーには島津製作所製SIL−20Aを用いてGPC法によって測定した。カラムは東ソー株式会社製の水系SECカラムTSKgelG3000PWXL(排除限界分子量2×10
5)とTSKgelG5000PWXL(排除限界分子量2.5×10
6)とTSKgelG6000PWXL(排除限界分子量5×10
7)を接続したものを用いた。サンプルは溶離液で2g/100mLの濃度に調製し、測定に用いた。溶離液には酢酸、及び酢酸ナトリウムを各々0.5モル/リットルに調整した水溶液を使用した。カラム温度は40℃、流速は1.0mL/分で実施した。
標準サンプルとして分子量1,065、5,050、24,000、50,000、107,000、140,000、250,000、540,000、920,000の9種のポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に、ポリマーの重量平均分子量を求めた。
【0138】
(合成例1)
−ポリマー1の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー1を合成した。得られたポリマー1の重量平均分子量は、30000であった。
【0139】
(合成例2)
−ポリマー2の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(8)で表される化合物(1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3が水素原子である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー2を合成した。得られたポリマー2の重量平均分子量は、27000であった。
【0140】
(合成例3)
−ポリマー3の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(10)で表される化合物(2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4が水素原子である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー3を合成した。得られたポリマー3の重量平均分子量は、32000であった。
【0141】
(合成例4)
−ポリマー4の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(8)で表される化合物(1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3が水素原子である)30.0重量部、前記化学式(10)で表される化合物(2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4が水素原子である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー4を合成した。得られたポリマー4の重量平均分子量は、33000であった。
【0142】
(合成例5)
−ポリマー5の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、50%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が50%中和されたポリマー5を合成した。得られたポリマー5の重量平均分子量は、30000であった。
【0143】
(合成例6)
−ポリマー6の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、エタノールアミンを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー6を合成した。得られたポリマー6の重量平均分子量は、31000であった。
【0144】
(合成例7)
−ポリマー7の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー7を合成した。得られたポリマー7の重量平均分子量は、3100であった。
【0145】
(合成例8)
−ポリマー8の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー8を合成した。得られたポリマー8の重量平均分子量は、5100であった。
【0146】
(合成例9)
−ポリマー9の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー9を合成した。得られたポリマー9の重量平均分子量は、50000であった。
【0147】
(合成例10)
−ポリマー10の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)70.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー10を合成した。得られたポリマー10の重量平均分子量は、69000であった。
【0148】
(合成例11)
−ポリマー11の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)5.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)95.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー11を合成した。得られたポリマー11の重量平均分子量は、3200であった。
【0149】
(合成例12)
−ポリマー12の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)5.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)95.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー12を合成した。得られたポリマー12の重量平均分子量は、5000であった。
【0150】
(合成例13)
−ポリマー13の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)5.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)95.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー13を合成した。得られたポリマー13の重量平均分子量は、49000であった。
【0151】
(合成例14)
−ポリマー14の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)5.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)95.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー14を合成した。得られたポリマー14の重量平均分子量は、70000であった。
【0152】
(合成例15)
−ポリマー15の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)10.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)90.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー15を合成した。得られたポリマー15の重量平均分子量は、3100であった。
【0153】
(合成例16)
−ポリマー16の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)10.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)90.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー16を合成した。得られたポリマー16の重量平均分子量は、5200であった。
【0154】
(合成例17)
−ポリマー17の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)10.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)90.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー17を合成した。得られたポリマー17の重量平均分子量は、50000であった。
【0155】
(合成例18)
−ポリマー18の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)10.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)90.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー18を合成した。得られたポリマー18の重量平均分子量は、69000であった。
【0156】
(合成例19)
−ポリマー19の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)60.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)40.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー19を合成した。得られたポリマー19の重量平均分子量は、3200であった。
【0157】
(合成例20)
−ポリマー20の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)60.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)40.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー20を合成した。得られたポリマー20の重量平均分子量は、5100であった。
【0158】
(合成例21)
−ポリマー21の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)60.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)40.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー21を合成した。得られたポリマー21の重量平均分子量は、48000であった。
【0159】
(合成例22)
−ポリマー22の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)60.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)40.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー22を合成した。得られたポリマー22の重量平均分子量は、70000であった。
【0160】
(合成例23)
−ポリマー23の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)80.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)20.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー23を合成した。得られたポリマー23の重量平均分子量は、3100であった。
【0161】
(合成例24)
−ポリマー24の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)80.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)20.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー24を合成した。得られたポリマー24の重量平均分子量は、5100であった。
【0162】
(合成例25)
−ポリマー25の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)80.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)20.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー25を合成した。得られたポリマー25の重量平均分子量は、49000であった。
【0163】
(合成例26)
−ポリマー26の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)80.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)20.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー26を合成した。得られたポリマー26の重量平均分子量は70000であった。
【0164】
(比較合成例1)
−ポリマー27の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、下記化学式(11)の化合物(4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸)100.0質量部、及び重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度70℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー27を合成した。得られたポリマー27の重量平均分子量は、5,100であった。
【0165】
【化15】
【0166】
(比較合成例2)
下記化学式(12)で表されるヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)を水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸カリウム水溶液(固形分10質量%)を得た。
【0167】
【化16】
【0168】
上記の合成例で作成したポリマーの構成特性をまとめて表1に示す。
【0169】
【表1】
【0170】
(合成例27)
−ポリマー28の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)40.0質量部、スチレン30.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー28を合成した。得られたポリマー28の重量平均分子量は30000であった。
【0171】
(合成例28)
−ポリマー29の合成−
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記化学式(7)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(3)において、R
3がメチル基である)30.0質量部、前記化学式(9)で表される化合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、前記一般式(4)において、R
4がメチル基である)40.0質量部、メタクリル酸30.0質量部、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和されたポリマー29を合成した。得られたポリマー29の重量平均分子量は29000であった。
【0172】
上記の合成例で作成したポリマー28、29の構成特性をまとめて表2に示す。
【0173】
【表2】
【0174】
〔実施例1〕
−顔料分散体の調製−
・カーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)・・・20.0質量部
・ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物(固形分10質量%)・・13.0質量部
・純水・・・67.0質量部
上記混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、実施例1の顔料分散体1を得た。
【0175】
−インクの作製−
・実施例1の顔料分散体(顔料固形分20質量%)・・・40.0質量部
・1,3−ブタンジオール(水溶性有機溶剤)・・・20.0質量部
・グリセリン(水溶性有機溶剤)・・・10.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(水溶性有機溶剤)・・・1.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール(水溶性有機溶剤)・・・1.0質量部
・フッ素系界面活性剤(固形分40質量%、DuPont社製、Zonyl FS−300)・・・2.0質量部
・合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)・・・20.0質量部
・蒸留水・・・6.0質量部
上記材料を混合し、1.5時間撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、インクを得た。
【0176】
〔実施例2〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例2のポリマー2水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、インクを得た。
【0177】
〔実施例3〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部に代わりに、合成例3のポリマー3水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、インクを得た。
【0178】
〔実施例4〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部に代わりに、合成例4のポリマー4水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、インクを得た。
【0179】
〔実施例5〕
−顔料分散体の調製−
・カーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)・・・20.0質量部
・合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)・・・50.0質量部
・純水・・・30.0質量部
上記混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して実施例5の顔料分散体を得た。
【0180】
−インクの作製−
・実施例5の顔料分散体(顔料固形分20質量%)・・・40.0質量部
・1,3−ブタンジオール(水溶性有機溶剤)・・・20.0質量部
・グリセリン(水溶性有機溶剤)・・・10.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(水溶性有機溶剤)・・・1.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール(水溶性有機溶剤)・・・1.0質量部
・フッ素系界面活性剤(固形分40質量%、DuPont社製、Zonyl FS−300)・・・2.0質量部
・蒸留水・・・26.0質量部
上記材料を混合し、1.5時間撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、インクを得た。
【0181】
〔実施例6〕
実施例5の顔料分散体の調製において、カーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)20.0質量部に替えてピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー シアン顔料)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にし、実施例6の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に替えて実施例6の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0182】
〔実施例7〕
実施例5の顔料分散体の調製において、カーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)20.0質量部に替えてピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02 マゼンタ顔料)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にし、実施例7の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に替えて実施例7の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0183】
〔実施例8〕
実施例5の顔料分散体の調製において、カーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)20.0質量部に替えてピグメントイエロー(大日精化社製、ファーストイエロー531 イエロー顔料)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にし、実施例8の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に替えて実施例8の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0184】
〔実施例9〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例2のポリマー2水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例9の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例9の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0185】
〔実施例10〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例3のポリマー3水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例10の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例10の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0186】
〔実施例11〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例4のポリマー4水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例11の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例11の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0187】
〔実施例12〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例5のポリマー5水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例12の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例12の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0188】
〔実施例13〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例6のポリマー6水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例13の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例13の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0189】
〔実施例14〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例7のポリマー7水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例14の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例14の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0190】
〔実施例15〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例8のポリマー8水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例15の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例15の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0191】
〔実施例16〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例9のポリマー9水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例16の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例16の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0192】
〔実施例17〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例10のポリマー10水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例17の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例17の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0193】
〔実施例18〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例11のポリマー11水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例18の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例18の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0194】
〔実施例19〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例12のポリマー12水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例19の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例19の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0195】
〔実施例20〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例13のポリマー13水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例20の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例20の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0196】
〔実施例21〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例14のポリマー14水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例21の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例21の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0197】
〔実施例22〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例15のポリマー15水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例22の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例22の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0198】
〔実施例23〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例16のポリマー16水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例23の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例23の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0199】
〔実施例24〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例17のポリマー17水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例24の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例24の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0200】
〔実施例25〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例18のポリマー18水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例25の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例25の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0201】
〔実施例26〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例19のポリマー19水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例26の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例26の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0202】
〔実施例27〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例20のポリマー20水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例27の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例27の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0203】
〔実施例28〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例21のポリマー21水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例28の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例28の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0204】
〔実施例29〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例22のポリマー22水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例29の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例29の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0205】
〔実施例30〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例23のポリマー23水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例30の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例30の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0206】
〔実施例31〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例24のポリマー24水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例31の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例31の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0207】
〔実施例32〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例25のポリマー25水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例32の顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例32の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0208】
〔実施例33〕
実施例5の顔料分散体の調製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例26のポリマー26水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例5と同様にして、実施例33顔料分散体を作成し、続いて実施例5のインクの作製において、実施例5の顔料分散体に代えて実施例33の顔料分散体を使用した以外は実施例5と同様にして、インクを得た。
【0209】
〔実施例34〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例27のポリマー28水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録用インクを得た。
【0210】
〔実施例35〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、合成例28のポリマー29水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録用インクを得た。
【0211】
〔比較例1〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、比較合成例1のポリマー27水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0212】
〔比較例2〕
実施例1のインクの作製において、合成例1のポリマー1水溶液(固形分10質量%)20.0質量部の代わりに、比較合成例2のヒドロキシエチリデンジホスホン酸カリウム水溶液(固形分10質量%)20.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0213】
実施例及び比較例で作成した顔料分散体及びインクについて下記の評価を実施した。評価結果を表3に示す。
【0214】
・評価方法
(画像濃度)
23℃、50%RH環境下で、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GX5000)に作製したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作製した64point文字「■」の記載のあるチャートを、普通紙1(XEROX4200、XEROX社製)、及び普通紙2(MyPaper、株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938(エックスライト社製)にて測色し、下記評価基準により判定した。
なお、印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」に改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
A:1.25以上
B:1.2以上1.25未満
C:1.1以上1.2未満
D:1.1未満
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない
【0215】
(顔料分散の保存安定性)
各顔料分散体ををポリエチレン容器に入れ、密封し、60℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記基準により評価した。
粘度の変化率(%)
=(保存後の顔料分散体の粘度/保存前の顔料分散体の粘度)×100
前記粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業株式会社製)を使用し、50回転
又は100回転にて25℃における粘度を測定した。
[評価基準]
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
【0216】
(インクの保存安定性)
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で1週間保存し、保存前の粘度に対す
る保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記基準により評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後のインクの粘度/保存前のインクの粘度)×100
前記粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業株式会社製)を使用し、50回転
又は100回転にて25℃における粘度を測定した。
[評価基準]
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
【0217】
【表3】
【0218】
表3の結果から、実施例のインクは、比較例のインクに比べて、一般的な普通紙においても高い画像濃度が得られ、水溶性有機溶剤の含有量が20質量%を超えてもインクの保存安定性が優れることが分かる。