特許第6032403号(P6032403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6032403フォトクロミック材料の製造方法、および、フォトクロミック材料の吸収スペクトルを可逆的に変化させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032403
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】フォトクロミック材料の製造方法、および、フォトクロミック材料の吸収スペクトルを可逆的に変化させる方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 9/00 20060101AFI20161121BHJP
   C01G 19/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   C09K9/00 D
   C01G19/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-192636(P2012-192636)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-47307(P2014-47307A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】上村 直
【審査官】 仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭45−026845(JP,B1)
【文献】 特開2011−132493(JP,A)
【文献】 特開2007−146102(JP,A)
【文献】 特開2007−077365(JP,A)
【文献】 特開2007−161577(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0131908(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102241967(CN,A)
【文献】 特開平11−092144(JP,A)
【文献】 上村直,ペロブスカイト型酸化物Sr2SnO4:Eu3+におけるフォトクロミック現象発現,第73回応用物理学会学術講演会講演予稿集,日本,2012年 8月27日,14の180
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 9/00
C01G 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有するSrSnO結晶に希土類イオンが含有されて成るフォトクロミック材料の製造方法であって、
酸化物原料と希土類原料とを混合した混合原料を仮焼成する仮焼成工程を含み、
上記希土類イオンは、ユウロピウムイオン、エルビウムイオン、ホルミウムイオン、ツリウムイオンおよびガドリニウムイオンからなる群より選択された1つのイオンであることを特徴とする、フォトクロミック材料の製造方法
【請求項2】
前記希土類イオンがユウロピウムイオンであって、
上記ユウロピウムイオンの含有量が、0.1mol%以上、3mol%以下であり、
前記SrSnO結晶におけるカチオン空孔の量が、0.1mol%以上、4mol%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフォトクロミック材料の製造方法
【請求項3】
前記希土類イオンがユウロピウムイオンであって、
上記ユウロピウムイオンの含有量が、0.1mol%以上、1mol%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフォトクロミック材料の製造方法
【請求項4】
ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有するBaSnO結晶にユウロピウムイオンが含有されて成るフォトクロミック材料の製造方法であって、
酸化物原料と希土類原料とを混合した混合原料を仮焼成する仮焼成工程を含むことを特徴とする、フォトクロミック材料の製造方法
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のフォトクロミック材料の製造方法により得られたフォトクロミック材料に紫外線を照射する着色工程と、
着色したフォトクロミック材料に可視光を照射する脱色工程とを含むことを特徴とするフォトクロミック材料の吸収スペクトルを可逆的に変化させる方法。
【請求項6】
上記仮焼成工程により得られた混合物を粉砕し、混合した後に所望の形状に成形して成形物を作製し、該成形物を焼成する焼成工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフォトクロミック材料の製造方法。
【請求項7】
ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有するSrSnO結晶にユウロピウムイオンが含有されて成るフォトクロミック材料の製造方法であって、
ユウロピウムイオンを含有した化学組成Sr2−xSnO4−x(0<x<0.04)の結晶となるように、酸化物原料とユウロピウムイオンを含む希土類原料とを混合した混合原料を仮焼成する仮焼成工程と、
上記仮焼成工程により得られた混合物を粉砕し、混合した後に所望の形状に成形して成形物を作製し、該成形物を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする、フォトクロミック材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶に希土類イオンが含有されて成る、フォトクロミック材料に関する。また、上記フォトクロミック材料にフォトクロミック現象を起こす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光を物質に照射させることにより、吸収スペクトルが異なる、すなわち可視光の透過率が違うために色の異なる2つの状態を可逆的に変化する現象を「フォトクロミック現象」という。また、上記フォトクロミック現象を生じる材料を「フォトクロミック材料」という。このようなフォトクロミック材料は、すでにサングラスなどに実用化されており、今後は、光メモリー、スイッチング素子、光学素子、調光ガラスおよびカラーディスプレイなどへの応用が期待されており、研究開発が進められている。
【0003】
フォトクロミック材料として、有機材料および無機材料からなるものが知られているが、有機材料のフォトクロミック材料は、着色状態の耐久性、化学的および熱的な安定性、並びに、着脱色の繰り返し応答性において問題が生じている。また、有機材料の中には、液体状態ではフォトクロミック現象を生じても、結晶化した後、または高分子中に分散させた後にはフォトクロミック現象を生じない材料があり、使用形態によっては問題が生じることがある。
【0004】
一方、金属を含む無機材料のフォトクロミック材料は、化学的および熱的な安定性を有する点で優れており、有機材料よりも実用的なフォトクロミック材料として有望視されている。
【0005】
フォトクロミック現象を示す無機材料としてはハロゲン化銀を封入したガラスや、結晶性酸化タングステンや酸化モリブデン、銀ナノ粒子等と光触媒として用いられる酸化チタンを組み合わせたものがよく知られている。
【0006】
また、特許文献1に、希土類イオンを添加したアルカリハライド結晶が開示されている。このアルカリハライド結晶は、青紫色の半導体レーザーを上記アルカリハライド結晶に照射することによって、フォトクロミック現象を示している。
【0007】
非特許文献1には、金属元素を添加したバリウムマグネシウムケイ酸塩(BaMgSiO)を還元雰囲気下にて調製したフォトクロミック材料が開示されている。上記バリウムマグネシウムケイ酸塩は、トリジマイト構造を有しており、405nmまたは365nmのレーザー光を照射すると、薄いピンク色または濃いピンク色を発色し、532nmの光を照射すると無色に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−272217号公報(2005年10月6日公開)
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Morito AKIYAMA et. al.,Journal of the Ceramic Society of Japan, 119 [2] 105-109 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ハロゲン化銀を封入したガラスなどのフォトクロミック材料、および上記特許文献1に記載のフォトクロミック材料は、室温における着色時間が短いという問題がある。これらフォトクロミック材料は、光を照射すると、吸収スペクトルが変化し、着色するが、すぐに脱色してしまうため、着色状態の耐久性に欠け、実用性がないという問題がある。
【0011】
また、非特許文献1に記載のフォトクロミック材料は、フォトクロミック材料として、実用に耐え得るものであるが、ピンク色の単色しか実現できておらず、カラーディスプレイなどの実現に必要な多色化が求められている。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、フォトクロミック材料としての実用性を有し、ピンク色以外を発色するフォトクロミック材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明に係るフォトクロミック材料は、ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶に希土類イオンが含有されて成ることを特徴としている。
【0014】
ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶は、多数の格子欠陥を有している。光照射されて励起された価電子帯(酸素イオン)の電子は伝導帯へ励起され伝導帯を通して希土類イオンに捕われる。一方、光照射によって生成した正孔は価電子帯を通して格子欠陥(カチオン空孔)に捉えられる。電子を捉えた希土類イオンは還元され、一種の色中心として働き、吸収スペクトルに変化を生じさせるため、フォトクロミック材料が着色する。
【0015】
着色したフォトクロミック材料に、可視光を照射すると格子欠陥に捕らえられていた正孔が、荷電子帯へ放出され、価数が変化した希土類イオンと再結合する。これにより、希土類イオンの価数が戻り、フォトクロミック材料が脱色する。再度、紫外線をフォトクロミック材料に照射すると着色でき、本発明に係るフォトクロミック材料では、フォトクロミック現象が生じる。
【0016】
当該フォトクロミック材料では、希土類イオンが色中心として働くため、副反応が生じず、着色状態の耐久性に優れ、繰り返し特性に優れている。また、無機材料を構成要素とするため、化学的および熱的な安定性も備えており、実用性を有し、紫色、赤色、水色などのピンク色以外に着色することが可能である。
【0017】
本発明に係るフォトクロミック材料では、上記希土類イオンが、ユウロピウムイオン、エルビウムイオン、ホルミウムイオン、ツリウムイオンおよびガドリニウムイオンからなる群より選択された1つのイオンであることをことが好ましい。
【0018】
ユウロピウムイオンを用いた場合、紫色に、エルビウムイオンを用いた場合、赤色に、ツリウムイオンを用いた場合、淡紫色に、ホルミウムイオンを用いた場合、赤色に、ガドリニウムイオンを用いた場合、淡緑色に、本発明に係るフォトクロミック材料を着色でき、ピンク色以外を呈する特定色のフォトクロミック材料を好適に得ることができる。
【0019】
本発明に係るフォトクロミック材料では、前記酸化物結晶が、一般式:Mx+13x+1(上記一般式中、Mは、Ca、SrまたはBaであり、NはTi、Sn、MnまたはNbであり、xは1以上の整数である)で表されることが好ましい。
【0020】
一般にフォトクロミック材料の着色および脱色に必要な光の波長はその材料の持つバンドギャップに依存する。一般式が、Mx+13x+1で表される酸化物結晶の場合、xを変えることによりバンドギャップを制御することが可能である。
【0021】
すなわち、上記酸化物結晶を有するフォトクロミック材料は、フォトクロミック現象における着色・脱色に必要な光の波長をxの値を変化させることにより制御できる有利な効果を持つ。また、上記酸化物結晶は、層状構造を有することから層間のカチオンおよびアニオンに空孔が生じ易いメリットもある。ちなみにこのイオン空孔は電荷捕獲中心としてフォトクロミックプロセスにおいて重要な役割を担う。
【0022】
本発明に係るフォトクロミック材料では、前記希土類イオンがユウロピウムイオンであって、上記ユウロピウムイオンの含有量が、0.1mol%以上、3mol%以下であり、前記酸化物結晶におけるカチオン空孔の量が、0.1mol%以上、4mol%以下であることが好ましい。
【0023】
ユウロピウムイオンの含有量および酸化物結晶におけるカチオン空孔の量が、上記範囲であることによって、良好に発色するフォトクロミック材料を提供できる。
【0024】
本発明に係るフォトクロミック材料の吸収スペクトルを可逆的に変化させる方法は、上記フォトクロミック材料に紫外線を照射する着色工程と、着色したフォトクロミック材料に可視光を照射する脱色工程とを含む方法である。
【0025】
当該方法によれば、上記着色工程において、フォトクロミック材料が着色され、脱色工程において、フォトクロミック材料が脱色され、フォトクロミック現象を発現させることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るフォトクロミック材料は、ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶に希土類イオンが含有されて成るものである。
【0027】
それゆえ、実用性を有し、ピンク色以外を発色するフォトクロミック材料を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のフォトクロミック材料に係るSrSnOの結晶構造を示す結晶構造を示す図である。
図2】実施例1〜6に係るフォトクロミック材料の粉末X線回析の結果を示すグラフである。
図3】実施例6にて製造したフォトクロミック材料の吸収スペクトルを示すグラフである。
図4】実施例6にて製造したフォトクロミック材料の繰り返し応答性の結果を示すグラフである。
図5】実施例1〜6に係る各フォトクロミック材料の吸収スペクトルを示すグラフである。
図6】実施例7に係る各フォトクロミック材料の拡散反射スペクトルを示すグラフである。
図7】ユウロピウムイオンを含有した試料および無添加の試料の紫外線照射前の吸収スペクトルを示すグラフである。
図8】Eu3+を含有したSrSnOにおけるフォトクロミズムモデルを示す図である。
図9】リートベルト解析から求めたストロンチウム占有率の焼成温度依存性を示すグラフである。
図10】実施例8で得られた各フォトクロミック材料の吸収スペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明に係るフォトクロミック材料は、ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶に希土類イオンが含有されて成るものである。
【0030】
[フォトクロミック材料]
本発明に係るフォトクロミック材料は、ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶を主な構成要素としている。上記ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶は、多数の格子欠陥を有しているため、フォトクロミック現象を発現するために適切である。
【0031】
ルデルスデン−ポッパー(Ruddlesden-Popper)型ペロブスカイト構造としては、特に限定されるものではなく、層状ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造などが挙げられる。層状ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造の場合、層間に電荷捕獲のためのカチオン空孔およびアニオン空孔が形成し易く、着色濃度(吸光)を大きくできるという点で好ましい。
【0032】
上記酸化物結晶を構成する元素としては、Sr、Ca、Ba、O、Sn、Ti、Mn、Nbなどが挙げられる。用いる元素を変更し、母材結晶を変えることにより、フォトクロミック材料の着色濃度、着色時の光照射波長、および、脱色時の光照射波長を変更することが可能である。酸化物結晶を表す一般式は、Mx+13x+1で表される。上記一般式中、Mは、Ca、SrまたはBaであり、NはTi、Sn、MnまたはNbであり、xは1以上の整数である。ここで、xが1以上の整数であるとは、x=1、2、3、4、…、∞と換言できる。
【0033】
SrSnOの結晶構造を図1に示し、より具体的に説明する。図1は、本発明のフォトクロミック材料に係るSrSnOの結晶構造を示す図である。図1に示すように、上記フォトクロミック材料では、SrSnOの八面体が層状に配置しており、Srが八面体同士の間に配置している。
【0034】
本発明に係るフォトクロミック材料では、酸化物結晶に希土類イオンが含有されており、詳細には、酸化物結晶の陽イオンの格子欠陥、換言するとカチオン空孔に、希土類イオンが置換している。希土類イオンはカチオン空孔の全てに置換しているわけではなく、本発明のフォトクロミック材料には、酸化物結晶のカチオン、カチオン空孔、および希土類イオンが含有されている。
【0035】
上記希土類イオンとは、イオン結合性の高いイオンであり、一般的に3価の陽イオンである。しかし、希土類イオンの中には、2価または4価の陽イオンであるものもある。
【0036】
希土類イオンとしては、ストロンチウムイオン、イットリウムイオン、ランタンイオン、セリウムイオン、プラセオジムイオン、ネオジムイオン、プロメチウムイオン、サマリウムイオン、ユウロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオン、ジスプロシウムイオン、ホルミウムイオン、エルビウムイオン、ツリウムイオン、イッテルビウムイオンおよびルテチウムイオンが挙げられる。これらのイオンは、色中心として働き、フォトクロミック現象を発現させる主要な役割を果たす。
【0037】
本発明のフォトクロミック材料は、含有している上記希土類イオンに依存して、ピンク色以外の種々のフォトクロミック現象を生じる。すなわち、異なる色のフォトクロミック材料を複数種類用いることにより、多色表示が可能である。
【0038】
本発明のフォトクロミック材料に含有される希土類イオンとしては、特にユウロピウムイオン、エルビウムイオン、ツリウムイオン、ホルミウムイオン、ガドリニウムイオンが好ましい。ユウロピウムイオンを用いた場合、紫色に、エルビウムイオンを用いた場合、赤色に、ツリウムイオンを用いた場合、淡紫色に、ホルミウムイオンを用いた場合、赤色に、ガドリニウムイオンを用いた場合、淡緑色に、本発明に係るフォトクロミック材料を着色でき、ピンク色以外を呈する特定色のフォトクロミック材料を好適に得ることができる。
【0039】
上記フォトクロミック材料では、希土類イオンの濃度により発色の程度が異なるが、希土類イオンが含有されていれば、フォトクロミック現象が生じる。希土類イオンの濃度は、希土類イオンの種類、フォトクロミック材料の調製に用いる原料の種類、所望の発色の程度に応じて適宜変更すればよいが、フォトクロミック材料が高い反射率を示すためには、例えば、フォトクロミック材料の総量(100mol%)に対し、希土類イオンの濃度を0.1mol%以上、3mol%以下とすることができ、カチオン空孔の量を、0.1mol%以上、4mol%以下とすることができることを確認している。しかしながら、カチオン空孔の量の上限については、4mol%に限定されず、5mol%以下としてもよく、5mol%を超える範囲としてもよい。上記カチオン空孔の量(mol%)は、リートベルト解析によるSrサイトの席占有率から算出している(図9)。
【0040】
特に、希土類イオンがユウロピウムイオンである場合、着色したフォトクロミック材料の反射率を抑える点から、ユウロピウムイオンの含有量は、0.1mol%以上、3mol%であることが好ましい。
【0041】
なお、フォトクロミック材料の格子欠陥、すなわち、カチオン空孔の量は、酸化物結晶の焼成時の温度に依存する。当該事項については後述する。
【0042】
本発明に係るフォトクロミック材料は、酸化物結晶を主な構成要素としており、劣化し難く、粉末状、ペレット状、高分子中に混合した状態で使用するなど、使用形態は特に限定されない。用途としては、高密度メモリー、ディスプレイ、調光ガラス、リライタブルペーパーなどが挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。
【0043】
[フォトクロミック材料の製造方法]
フォトクロミック材料の製造方法について以下に説明する。
【0044】
(フォトクロミック材料の原料)
本発明に係るフォトクロミック材料を製造するための原料としては、酸化物結晶を構成するための酸化物原料と、希土類イオンの供給源となる希土類原料とが使用される。
【0045】
酸化物原料としては、酸化物結晶を構成する金属イオンを含む、炭酸塩、酸化物、硝酸塩などを使用すればよい。具体的には、SrCO、SnO、Sr(NOなどを例示できる。
【0046】
希土類原料としては、希土類イオンを含む、酸化物、塩化物、硝酸塩などを使用すればよい。具体的には、酸化ユウロピウム(Eu)、硝酸エルビウム水和物(Er(NO・6HO)、塩化ホルミウム(HoCl)、酸化ツリウム(Tm),酸化ガドリニウム(Gd)などが挙げられる。
【0047】
(混合工程)
各原料中の元素量が目的となるフォトクロミック材料の組成比となるように、酸化物原料および希土類原料を混合する。混合は、乳鉢などの公知の混合器具を用いて行えばよく、必要に応じて、エタノールなどの溶媒を使用すればよい。混合させた後にこれらの原料を乾燥させる。
【0048】
(仮焼成工程)
次に、上記にて混合した原料を仮焼成する。仮焼成温度および仮焼成時間は、使用する原料により異なるが、例えば、800℃、1時間とすることができる。また、仮焼成は空気雰囲気下で行えばよい。
【0049】
(粉砕および成形工程)
仮焼成した混合物を粉砕し、混合する。粉砕する際には、乳鉢などの器具を用いて行えばよい。粉砕した混合物は、ペレット状、シート状など所望の形状にて成形すればよく、例えば、錠剤機を用いて上記混合物をペレット状に成形する。
【0050】
(焼成工程)
成形物をさらに焼成することよって、フォトクロミック材料を製造する。焼成温度および焼成時間は、成形物が劣化しない範囲で、1100℃以上、2000℃以下、1時間以上、24時間以下とすることができる。焼成温度が、通常の焼成温度よりも高い場合、酸化物結晶に格子欠陥を好適に生成させることができるため、焼成温度は、1200℃以上、2000℃以下であることが好ましい。さらに、焼成温度が1500℃以上、2000℃以下であれば、フォトクロミック現象が明確に示されるフォトクロミック材料が得られるため特に好ましい。
【0051】
特に、ユウロピウムイオンが成形物に含有される場合、フォトクロミック材料の発色を良好とするため、焼成温度は、1200℃以上、1600℃以下であることが好ましく、1400℃以上、1600℃以下であることがより好ましく、1500℃以上、1600℃以下であることが特に好ましい。上記温度範囲であることにより、発色の強いフォトクロミック材料が得られる。
【0052】
[フォトクロミック現象の評価]
製造されたフォトクロミック材料は、粉末X線回析法を用いてその結晶相を解析できるが、当該方法以外の解析法を用いてもよい。
【0053】
フォトクロミック現象について以下に説明する。フォトクロミック現象には、着色プロセスと脱色プロセスとが存在する。着色プロセスは、希土類イオンが含有されている酸化物に紫外線を照射することによって行われる。上記紫外光の波長は、254nm以上、360nm以下であることが好ましい。本発明のフォトクロミック材料は、上記紫外光を10秒程度照射すると着色する。着色プロセスにおける紫外線照射は、ブラックライトを用いてもよい。脱色プロセスは、着色している酸化物に可視光を照射することによって行われる。可視光の波長は、400nm以上、700nm以下であることが好ましい。
【0054】
上記の着色および脱色は、上記希土類イオンが含有されている酸化物の吸収スペクトルの変化によって確認される。
【0055】
本発明のフォトクロミック材料は、可逆的なフォトクロミック現象を生じる。本発明のフォトクロミック材料は、着色プロセスにおいて、紫外光を照射した後に、室温で暗所に7日間保存した場合であっても、逆反応を生じることなく着色した状態で安定に存在することができる。
【0056】
この材料に可視光を照射すると、すぐに脱色する。また、本発明のフォトクロミック材料は、着色し、脱色した後に、再び着色することができ、上記着色プロセスと脱色プロセスは、少なくとも10回は繰り返し行うことができる。
【実施例】
【0057】
本発明について、実施例および図面に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例における、フォトクロミック材料の解析、フォトクロミック現象の発現、および、吸光度の測定は次のようにして評価した。
【0058】
(フォトクロミック材料の構造解析)
厚さ5mmのフォトクロミック材料に、粉末X線回折装置(リガク社製)を用いて、データベースとの比較により、フォトクロミック材料の結晶構造を特定した。
【0059】
(フォトクロミック現象の発現)
得られたフォトクロミック材料に、ブラックライトを用いて所定の紫外線を照射することで着色し、着色したフォトクロミック材料に、所定の可視光を照射することで脱色させた。
【0060】
(繰り返し応答特性)
可視・紫外分光光度計(日本分光社製)を用いて、着色プロセスとして、得られたフォトクロミック材料に、254nmの紫外線を照射し、脱色プロセスとして、着色したフォトクロミック材料に、400nmの可視光を照射し、さらに着色プロセスと脱色プロセスを繰り返し、吸光度の測定を行った。
【0061】
[実施例1]
炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化スズ(SnO)および酸化ユウロピウム(Eu)を化学組成 Sr1.995Eu0.005SnO4−δ(δは、アニオン空孔量を示す。アニオン空孔量は、理論的にはカチオン空孔(Srカチオン空孔)量と同一である)と一致するよう秤量し、少量のエタノールを用いて上記原料を混合した。混合物を乾燥させた後、空気中下にて800℃で1時間に亘って仮焼成した。仮焼成した混合物を再度粉砕し、混合した。錠剤機を用いて粉末状の混合物をペレット状に成形した。この成形物を空気中にて1100℃で5時間に亘って焼成し、フォトクロミック材料である、Eu3+を含有したSrSnOを得た。
【0062】
[実施例2]
成形物の焼成温度を1100℃から1200℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、フォトクロミック材料である、Eu3+を含有したSrSnOを得た。
【0063】
[実施例3]
成形物の焼成温度を1100℃から1300℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、フォトクロミック材料である、Eu3+を含有したSrSnOを得た。
【0064】
[実施例4]
成形物の焼成温度を1100℃から1400℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、フォトクロミック材料である、Eu3+を含有したSrSnOを得た。
【0065】
[実施例5]
成形物の焼成温度を1100℃から1500℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、フォトクロミック材料である、Eu3+を含有したSrSnOを得た。
【0066】
[実施例6]
成形物の焼成温度を1100℃から1600℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、フォトクロミック材料である、Eu3+を含有したSrSnOを得た。
【0067】
<実施例1〜6に係るフォトクロミック材料の評価>
(フォトクロミック材料の構造解析)
得られたフォトクロミック材料に対し、粉末X線回折装置を用いて解析を行った。図2は、実施例1〜6に係るフォトクロミック材料のX線強度を示すグラフである。図2において、1100dとは、1100℃を示している。1200d〜1600dについても同様である。
【0068】
この粉末X線回析の結果と、データベースとの比較によって、実施例1〜6に係るフォトクロミック材料は、斜方相(Pbnb;a=5.735Å、b=12.587Å、c=5.728Å)の単相であることが確認された。上記酸化物結晶は、ルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造の1つである層状ペロブスカイト構造を有する。上記構造において、希土類イオンは、一般式:Mx+13x+1の元素Mの部位であるSrのカチオン空孔に含有(置換)されている。
【0069】
(フォトクロミック現象の発現)
実施例6にて製造したフォトクロミック材料について、フォトクロミック現象を確認した。結果を図3に示す。図3は、上記フォトクロミック材料の紫外線照射前後の吸収スペクトルを示すグラフである。まず、フォトクロミック材料に254nmの紫外光を照射した。その後、フォトクロミック材料の吸収スペクトルを確認したところ、照射前には確認されなかった600nm付近をピークとした強い吸収バンドが生じ、このフォトクロミック材料は、紫色へと変化した。
【0070】
次に、この紫色に変化したフォトクロミック材料に400nmの可視光を照射した。照射した後、直ちに600nm付近をピークとした強い吸収バンドは消失し、400nmの可視光が照射されたフォトクロミック材料は、着色前の白色のペレットサンプルに戻り、好適にフォトクロミック現象の発現が確認された。
【0071】
(繰り返し応答特性)
実施例6にて製造したフォトクロミック材料について、繰り返し応答特性を測定した。上記フォトクロミック材料に、254nmの光を照射し、着色させた。また、着色したフォトクロミック材料に400nmの光を照射し、脱色させた。この着色および脱色のプロセスを10回繰り返した。図4は、繰り返し応答特性の結果を示すグラフである。
【0072】
図4より、着色および脱色のプロセスを10回繰り返しても、フォトクロミック材料の吸光度に変化は見られなかった。これより、当該フォトクロミック材料が優れた繰り返し応答性を有することが確認された。
【0073】
次に、実施例1〜6にて製造した各フォトクロミック材料(Eu3+を含有したSrSnO)の着色濃度と焼成温度との関係を確認した。図5は、各サンプルの吸収スペクトル示すグラフである。同図では、温度の単位をケルビン(K)で示しており、1373Kが1100℃に、1473Kが1200℃に、1573Kが1300℃に、1673Kが1400℃に、1773Kが1500℃に、1873Kが1600℃に対応する。
【0074】
図5から、焼成温度が上昇するにつれて、600nmの吸収スペクトルのピークが上昇していることがわかる。また、紫色の着色濃度も大きくなっていることがわかる。さらに、1100℃で焼成したSrSnO:Eu3+の吸収スペクトルはあまり変化していないことから、焼成温度は1200℃以上が好ましいことがわかる。
【0075】
[実施例7]
焼成温度を1600℃とし、フォトクロミック材料(Eu3+を含有したSrSnO)中におけるEuの含有量が0.1mol%となるように、各原料を秤量したこと以外は、実施例1と同様にしてフォトクロミック材料を得た。また、上記Euの含有量を、0.5mol%、1mol%、2mol%および3mol%に変更し、同様に、複数のフォトクロミック材料を得た。
【0076】
得られた各フォトクロミック材料の拡散反射スペクトルを測定した。その結果を図6に示す。図6より、Euの含有量が、0.5mol%であるフォトクロミック材料が600nmでの反射スペクトルが低いことがわかる。これは、Euの含有量が0.5mol%であるフォトクロミック材料では、600nmでの吸収スペクトルが大きいことを示し、Euの含有量が0.5mol%である場合、最適なフォトクロミック材料を調製できることがわかる。
【0077】
(フォトクロミック現象の原理)
図7および図8を用いて以下に、実施例に係るフォトクロミック材料のフォトクロミック現象のメカニズムについて説明する。
【0078】
図7は、紫外線照射時の吸収ピーク値(600nm)の照射波長依存性を示したグラフであり、ユウロピウムイオンを含有した試料および無添加の試料の紫外線照射前の吸収スペクトルを示している。図7は、紫外線照射前のEu無添加SrSnO(点線)とEu添加試料SrSnO(実線)の吸収スペクトルの比較した図であり、紫外線照射時の吸収ピーク(600nm)の照射波長依存性(黒丸+線)も併せて示している。
【0079】
図7より、ユウロピウムイオンが添加された試料のみにおいて、母体のバンドキャップ(4.5eV)よりも低エネルギー側、すなわち長波長側から着色が起きており、バンドキャップエネルギー内の光吸収が確認される。それゆえ、紫外線照射時の着色プロセスは、ユウロピウムイオンすなわち酸化物結晶に添加された希土類イオンとその最近接イオンである酸素イオンとの間に生じる電荷移動に起因していると考えられる。
【0080】
フォトクロミック現象は、図8に示すように、a:色中心形成プロセス、b:着色プロセスおよびc:脱色プロセスの3つのプロセスから構成されている。以下SrSnO:Eu3+を例として用いる。
【0081】
(a:色中心形成プロセス)
紫外線照射により、Eu3+イオンの最近接イオンである酸素イオンから電子がEu3+イオンに移動し、ユウロピウムイオンの価数が3価から2価に還元される。このプロセスにて生じた正孔は、価電子帯を通してストロンチウム空孔に捕獲される。3価から2価に還元されたユウロピウムイオンが一種の色中心となる。
【0082】
(b:着色プロセス)
フォトクロミック現象の着色は、2価のユウロピウムイオンの基底状態である4f状態と励起状態である5d状態との間のエネルギー遷移によって生じるものと考えられる。この電子遷移は、パリティ許容遷移であるため強い吸収が観測される。ただし通常2価のユウロピウムは励起状態から基底状態に遷移する際、フォトンを放出して可視領域の発光を示すが、この場合、熱もしくはエネルギー回遊によって無輻射的に基底状態に戻っており、これが着色の原因だと考えられる。
【0083】
(c:脱色プロセス)
着色状態に可視光を照射することにより、ストロンチウム空孔に捕獲されていた正孔が価電子帯へ放出され2価のユウロピウムイオンと再結合することにより、ユウロピウムの価数が2価から3価へと酸化され元の状態へ戻る。
【0084】
上述したプロセスにおいて、ストロンチウム空孔が正孔の捕獲準位として働くと考えられる。実際、リートベルト解析にて各焼成温度試料のストロンチウム空孔濃度を調べ、その結果を図9に示す。図9より、焼成温度が高いほどストロンチウムの席占有率が減少すること、すなわち、高い温度で焼成すると高濃度のストロンチウム空孔(欠陥)が形成されることがわかる。図9から、高い温度で焼成した本発明のフォトクロミック材料は、正孔を捕獲する役目を果たすストロンチウム空孔濃度が上昇するため、着色濃度が高いことがわかる。
【0085】
したがって、高い温度で焼成する方法だけでなく、フォトクロミック材料を製造する際に、金属イオン(一般式中のM:ストロンチウムなどの金属イオン)の量を理論値よりも少なくして、故意にカチオン空孔を形成された試料でもカチオン空孔を形成させる方法によって、フォトクロミック現象を向上させることができる(例えば、Eu3+を含有したSr2−xSnO4−x:0<x<0.04)。
【0086】
[実施例8]
実施例1において、焼成温度を1500℃に変更し、酸化ユウロピウムを、酸化エルビウム、酸化ホルミウム、酸化ツリウム、または、酸化ガドリニウムに変更して、着色の異なるフォトクロミック材料を製造した。
【0087】
また、実施例1において、焼成温度を1500℃に変更し、炭酸ストロンチウムを炭酸バリウムに変更して、紫色でなく水色に着色したフォトクロミック材料を製造した。得られた各フォトクロミック材料を着色した際の各色を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
また、各フォトクロミック材料のフォトクロミズムの様子と、吸収スペクトルを図10のグラフに示す。このように、本発明に係るフォトクロミック材料では、希土類イオンと母体となるルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶との組合せを変えることにより様々な着色(吸光スペクトル)を有するフォトクロミック材料を得ることができる。
【0090】
以上より、本発明の希土類イオンが含有したルデルスデン−ポッパー型ペロブスカイト構造を有する酸化物結晶から成るフォトクロミック材料は、直ちに脱色せず、着色状態の耐久性を備えており、ピンク色以外の種々の色彩を発現することができ、非常に有望な材料であるといえる。
【0091】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のフォトクロミック材料は、高密度メモリー、ディスプレイ、調光ガラスおよびリライタブルペーパーに利用することができる。
図1
図4
図6
図7
図8
図9
図2
図3
図5
図10