特許第6032437号(P6032437)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6032437置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物及び置換イソキサゾリン化合物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032437
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物及び置換イソキサゾリン化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 231/12 20060101AFI20161121BHJP
   C07C 235/84 20060101ALI20161121BHJP
   C07C 253/30 20060101ALI20161121BHJP
   C07C 255/56 20060101ALI20161121BHJP
   C07D 261/04 20060101ALI20161121BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20161121BHJP
【FI】
   C07C231/12
   C07C235/84
   C07C253/30
   C07C255/56
   C07D261/04
   !C07B61/00 300
【請求項の数】20
【全頁数】111
(21)【出願番号】特願2013-528013(P2013-528013)
(86)(22)【出願日】2012年8月3日
(86)【国際出願番号】JP2012069867
(87)【国際公開番号】WO2013021949
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】特願2011-171875(P2011-171875)
(32)【優先日】2011年8月5日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-87719(P2012-87719)
(32)【優先日】2012年4月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100163360
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 知篤
(72)【発明者】
【氏名】森山 祐二
(72)【発明者】
【氏名】的場 一隆
(72)【発明者】
【氏名】八尾坂 学
(72)【発明者】
【氏名】外山 賢一
【審査官】 吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/026403(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/001942(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/063910(WO,A1)
【文献】 特開2012−051849(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/027051(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−409/44
C07B 31/00− 63/04
A01N 1/00− 65/48
A01P 1/00− 23/00
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(2):
【化1】
[式中、Tは、式(16):
【化2】
{式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−SF5、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又はC1〜C4ハロアルキルチオを表し、
5は、N又はC−X2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又
はC1〜C4ハロアルキルチオを表す。}で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Yは式(17):
【化3】
{式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC−Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−NH2、−N(R5)R4
、−OH、−OR3、ベンジルオキシ、−OSO23、フェニルスルホニルオキシ、(Z
p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、−C(O)OH、−C(O)OR3
、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a、−C(S)N(R1b)R1a、−L−Q
、−L−N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、−S(O)r−L2−Q2又はD−1乃至D−50を表し、
3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロ
アルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル
、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異
なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9−A10=A11−を形成していてもよく、
8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC−J1を表し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロ
アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニ
ル、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
4は、C1〜C6アルキル、−CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロア
ルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼ
ン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3
〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−N(R11)R10、−C(O)OR9、−C(O)NH2、−C(O)NHR9、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−5、D−7、D−10、D−11、D−12、D−14、D−15、D−18、D−31、D−32、D−42、D−43、D−45、D−46、D−48、E−1、E−2、E−3、E−4、E−7、E−9〜E−19又はE−20を表し、
1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R9又は−C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、−C(R2a)(R2b)−、−C(R2a)(R2b)CH2−又は−CH2C(R2a)(R2b)−を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG−1〜G−5を表し、
1cは、水素原子、−C(O)R3a、−C(O)OR3a、−C(O)SR3a、−C(O
)N(R3b)R3a、−C(S)N(R3b)R3a又は−S(O)23aを表し、
1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R3c、−C(O)OR3c、−C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、−CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2又は−C(S)NH2を表し、
2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E−1、E−2、E−4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−12〜D−14、D−42又はD−43を表し、
3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3
6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、フェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
G−1〜G−5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化4】
4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、D−42又はD−43を表し、
5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1
6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−NH2、C1〜C6アルキル
アミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ
(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1
が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって−OCH2
−又は−OCH2CH2O−を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキ
ル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3
〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフ
ェニル、D−42、D−45〜D−49、E−1〜E−4又はE−7を表し、
7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(
1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシク
ロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)NH2、−C(O)N(R15)R14、−C(S)NH2、−C(S)N(R15)R14、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−1〜D−50又はE−1〜E−20を表し、
D−1〜D−50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化5】
【化6】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1
〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6
ルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2
、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホ
ニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E−1〜E−20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化7】
1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によ
って任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)NH2、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE−17を表し、
2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4
アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3
〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
10は、C1〜C6ハロアルキル、−C(O)R14、−C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−18、D−42、D−45、D−46、D−48又はD−49を表し、
11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1
4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、
ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又は
ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
16は、−OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(R5)=NOR19、−C(O)
OR19、−C(O)NH2、−C(O)N(R5)R19、−C(O)NHC(O)R19、−C(O)N(R5)C(O)OR19、−N(R21)R20又はフェニルを表し、
18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20a
よって置換されたフェニル、D−42〜D−46又はD−47を表し、
20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、−N(R23)R22、−C(O)
N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−18〜D−20、D−42〜D−46又はD−47を表し、
22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3
6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニ
ルを表し、
23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。}で表される置換アリール又は置換へテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を、相間移動触媒の存在下、脱水反応させることによる、式(1):
【化8】
[式中、T、Y及びXは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物の製造方法。
【請求項2】
式(3):
【化9】
[式中、Tは、式(16):
【化10】
{式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−SF5、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又はC1〜C4ハロアルキルチオを表し、
5は、N又はC−X2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又
はC1〜C4ハロアルキルチオを表す。}で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表されるケトン化合物と、式(4):
【化11】
[式中、Yは、式(17):
【化12】
{式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC−Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−NH2、−N(R5)R4
、−OH、−OR3、ベンジルオキシ、−OSO23、フェニルスルホニルオキシ、(Z
p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、−C(O)OH、−C(O)OR3
、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a、−C(S)N(R1b)R1a、−L−Q
、−L−N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、−S(O)r−L2−Q2又はD−1乃至D−50を表し、
3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロ
アルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル
、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異
なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9−A10=A11−を形成していてもよく、
8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC−J1を表し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロ
アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニ
ル、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
4は、C1〜C6アルキル、−CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロア
ルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼ
ン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3
〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−N(R11)R10、−C(O)OR9、−C(O)NH2、−C(O)NHR9、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−5、D−7、D−10、D−11、D−12、D−14、D−15、D−18、D−31、D−32、D−42、D−43、D−45、D−46、D−48、E−1、E−2、E−3、E−4、E−7、E−9〜E−19又はE−20を表し、
1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R9又は−C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、−C(R2a)(R2b)−、−C(R2a)(R2b)CH2−又は−CH2C(R2a)(R2b)−を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG−1〜G−5を表し、
1cは、水素原子、−C(O)R3a、−C(O)OR3a、−C(O)SR3a、−C(O)N(R3b)R3a、−C(S)N(R3b)R3a又は−S(O)23aを表し、
1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R3c、−C(O)OR3c、−C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表
すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、−CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2又は−C(S)NH2を表し、
2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E−1、E−2、E−4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−12〜D−14、D−42又はD−43を表し、
3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3
6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、フェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
G−1〜G−5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化13】
4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、D−42又はD−43を表し、
5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1
6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ
(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1
が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって−OCH2
−又は−OCH2CH2O−を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキ
ル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3
〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフ
ェニル、D−42、D−45〜D−49、E−1〜E−4又はE−7を表し、
7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(
1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシク
ロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)NH2、−C(O)N(R15)R14、−C(S)NH2、−C(S)N(R15)R14、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−1〜D−50又はE−1〜E−20を表し、
D−1〜D−50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化14】
【化15】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1
〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6
ルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2
、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホ
ニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E−1〜E−20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化16】
1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によ
って任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)NH2、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE−17を表し、
2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4
アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3
〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
10は、C1〜C6ハロアルキル、−C(O)R14、−C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−18、D−42、D−45、D−46、D−48又はD−49を表し、
11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1
4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、
ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又は
ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
16は、−OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(R5)=NOR19、−C(O)
OR19、−C(O)NH2、−C(O)N(R5)R19、−C(O)NHC(O)R19、−C(O)N(R5)C(O)OR19、−N(R21)R20又はフェニルを表し、
18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20a
よって置換されたフェニル、D−42〜D−46又はD−47を表し、
20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、−N(R23)R22、−C(O)
N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−18〜D−20、D−42〜D−46又はD−47を表し、
22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3
6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニ
ルを表し、
23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。}で表される置換アリール又は置換へテロアリールを表す。]で表されるアセチル化合物を、相間移動触媒の存在下で反応させることによる、式(1):
【化17】
[式中、T、Y及びXは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物の製造方法。
【請求項3】
式(2):
【化18】
[式中、Tは、式(16):
【化19】
{式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−SF5、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又はC1〜C4ハロアルキルチオを表し、
5は、N又はC−X2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又
はC1〜C4ハロアルキルチオを表す。}で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Yは式(17):
【化20】
{式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC−Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−NH2、−N(R5)R4
、−OH、−OR3、ベンジルオキシ、−OSO23、フェニルスルホニルオキシ、(Z
p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、−C(O)OH、−C(O)OR3
、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a、−C(S)N(R1b)R1a、−L−Q
、−L−N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、−S(O)r−L2−Q2又はD−1乃至D−50を表し、
3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロ
アルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル
、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異
なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9−A10=A11−を形成していてもよく、
8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC−J1を表し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロ
アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニ
ル、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
4は、C1〜C6アルキル、−CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロア
ルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼ
ン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3
〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−N(R11)R10、−C(O)OR9、−C(O)NH2、−C(O)NHR9、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−5、D−7、D−10、D−11、D−12、D−14、D−15、D−18、D−31、D−32、D−42、D−43、D−45、D−46、D−48、E−1、E−2、E−3、E−4、E−7、E−9〜E−19又はE−20を表し、
1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R9又は−C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、−C(R2a)(R2b)−、−C(R2a)(R2b)CH2−又は−CH2C(R2a)(R2b)−を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG−1〜G−5を表し、
1cは、水素原子、−C(O)R3a、−C(O)OR3a、−C(O)SR3a、−C(O)N(R3b)R3a、−C(S)N(R3b)R3a又は−S(O)23aを表し、
1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R3c、−C(O)OR3c、−C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、−CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換
されていてもよく、
2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2又は−C(S)NH2を表し、
2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E−1、E−2、E−4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−12〜D−14、D−42又はD−43を表し、
3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3
6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、フェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
G−1〜G−5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化21】
4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、D−42又はD−43を表し、
5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1
6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ
(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1
が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって−OCH2
−又は−OCH2CH2O−を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキ
ル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3
〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフ
ェニル、D−42、D−45〜D−49、E−1〜E−4又はE−7を表し、
7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(
1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシク
ロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)NH2、−C(O)N(R15)R14、−C(S)NH2、−C(S)N(R15)R14、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−1〜D−50又はE−1〜E−20を表し、
D−1〜D−50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化22】
【化23】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1
〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6
ルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2
、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホ
ニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E−1〜E−20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化24】
1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によ
って任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)NH2、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE−17を表し、
2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4
アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3
〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
10は、C1〜C6ハロアルキル、−C(O)R14、−C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−18、D−42、D−45、D−46、D−48又はD−49を表し、
11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1
4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、
ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又は
ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
16は、−OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(R5)=NOR19、−C(O)
OR19、−C(O)NH2、−C(O)N(R5)R19、−C(O)NHC(O)R19、−C(O)N(R5)C(O)OR19、−N(R21)R20又はフェニルを表し、
18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20a
よって置換されたフェニル、D−42〜D−46又はD−47を表し、
20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、−N(R23)R22、−C(O)
N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−18〜D−20、D−42〜D−46又はD−47を表し、
22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3
6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニ
ルを表し、
23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。}で表される置換アリール又は置換へテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を、相間移動触媒の存在下で脱水反応を行い、続いてヒドロキシルアミン化合物と反応させることによる、式(5):
【化25】
[式中、X、T及びYは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表されるイソキサゾリン化合物の製造方法。
【請求項4】
式(3):
【化26】
[式中、Tは、式(16):
【化27】
{式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−SF5、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又はC1〜C4ハロアルキルチオを表し、
5は、N又はC−X2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ又
はC1〜C4ハロアルキルチオを表す。}で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表されるケトン化合物と、式(4):
【化28】
[式中、Yは、式(17):
【化29】
{式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC−Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−NH2、−N(R5)R4
、−OH、−OR3、ベンジルオキシ、−OSO23、フェニルスルホニルオキシ、(Z
p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、−C(O)OH、−C(O)OR3
、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a、−C(S)N(R1b)R1a、−L−Q
、−L−N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、−S(O)r−L2−Q2又はD−1乃至D−50を表し、
3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロ
アルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル
、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異
なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9−A10=A11−を形成していてもよく、
8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC−J1を表し、
1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロ
アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1
〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニ
ル、−NH2又は−N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
4は、C1〜C6アルキル、−CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロア
ルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼ
ン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3
〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−N(R11)R10、−C(O)OR9、−C(O)NH2、−C(O)NHR9、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−5、D−7、D−10、D−11、D−12、D−14、D−15、D−18、D−31、D−32、D−42、D−43、D−45、D−46、D−48、E−1、E−2、E−3、E−4、E−7、E−9〜E−19又はE−20を表し、
1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R9又は−C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、−C(R2a)(R2b)−、−C(R2a)(R2b)CH2−又は−CH2C(R2a)(R2b)−を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG−1〜G−5を表し、
1cは、水素原子、−C(O)R3a、−C(O)OR3a、−C(O)SR3a、−C(O)N(R3b)R3a、−C(S)N(R3b)R3a又は−S(O)23aを表し、
1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(O)R3c、−C(O)OR3c、−C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表
すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、−CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2又は−C(S)NH2を表し、
2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E−1、E−2、E−4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−12〜D−14、D−42又はD−43を表し、
3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3
6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、フェニル、D−42、D−43又はD−44を表し、
G−1〜G−5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化30】
4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)r5a、D−42又はD−43を表し、
5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1
6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ
(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1
が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって−OCH2
−又は−OCH2CH2O−を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキ
ル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3
〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフ
ェニル、D−42、D−45〜D−49、E−1〜E−4又はE−7を表し、
7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(
1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシク
ロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)NH2、−C(O)N(R15)R14、−C(S)NH2、−C(S)N(R15)R14、−C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−1〜D−50又はE−1〜E−20を表し、
D−1〜D−50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化31】
【化32】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1
〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6
ルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2
、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホ
ニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E−1〜E−20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化33】
1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によ
って任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、−C(O)NH2、−C(S)NH2、−S(O)2NH2、−C(O)N(R18)R17、−C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE−17を表し、
2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4
アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3
〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
10は、C1〜C6ハロアルキル、−C(O)R14、−C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−3、D−4、D−18、D−42、D−45、D−46、D−48又はD−49を表し、
11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1
4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、
ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、−C(O)NH2、−S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又は
ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
16は、−OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、−C(R5)=NOR19、−C(O)
OR19、−C(O)NH2、−C(O)N(R5)R19、−C(O)NHC(O)R19、−C(O)N(R5)C(O)OR19、−N(R21)R20又はフェニルを表し、
18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20a
よって置換されたフェニル、D−42〜D−46又はD−47を表し、
20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル
、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、−N(R23)R22、−C(O)
N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D−18〜D−20、D−42〜D−46又はD−47を表し、
22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3
6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニ
ルを表し、
23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。}で表される置換アリール又は置換へテロアリールを表す。]で表されるアセチル化合物を、相間移動触媒の存在下で脱水反応を行い、続いてヒドロキシルアミン化合物と反応させることによる、式(5):
【化34】
[式中、X、T及びYは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表されるイソキサゾリン化合物の製造方法。
【請求項5】
前記相間移動触媒が、式(6):
【化35】
[式中、M1は、窒素原子又はリン原子を表し、
1、V2、V3及びV4は、各々独立してC1〜C18アルキル、V5で任意に置換されたC1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V6r1
置換されたベンジル、フェニル、(V6r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル
又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV1及びV2は一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するM1と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキ
レン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
5は、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7、−OC(O)NH2又は−SC(O
)V7を表し、
6は、C1〜C4アルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
r2は、1又は2の整数を表し、
4は、フッ素原子、−OH、−OC(O)CH3又は−SO4を表す。]
で表される化合物である、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記式(6)中、V1、V2、V3及びV4は、各々独立してC1〜C4アルキル、ベンジル又はフェニルを表す、請求項5記載の製造方法。
【請求項7】
前記相間移動触媒が、式(7):
【化36】
[式中、M1は、窒素原子又はリン原子を表し、
1、V2、V3及びV4は、各々独立してC1〜C18アルキル、V5で任意に置換されたC1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V6r1
置換されたベンジル、フェニル、(V6r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル
又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV1及びV2は一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するM1と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキ
レン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
5は、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7、−OC(O)NH2又は−SC(O
)V7を表し、
6は、C1〜C4アルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
5は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]で表される化合物、又はクラウ
ンエーテルであり、前記脱水反応を該相間移動触媒と塩基性化合物の存在下で行う、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記塩基性化合物が、式(8):
【化37】
[式中、M2はアルカリ金属を表す。]で表される塩、式(9):
【化38】
[式中、M2は前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(10):
【化39】
[式中、M2は前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(11):
【化40】
[式中、M2は前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(12):
【化41】
[式中、M2は前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(13):
【化42】
[式中、M2は前記と同じ意味を表す。]で表される塩又は式(14):
【化43】
[式中、V8は、C1〜C4アルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V6r1で置換されたベンジル、フェニル又は(V6r1で置換されたフェニルを表し、
2は、前記と同じ意味を表し、
6は、C1〜C4アルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
r1は、1〜5の整数を表す。]で表される塩である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記塩基性化合物が、式(8):
【化44】
[式中、M2は請求項8に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、式(11):
【化45】
[式中、M2は請求項8に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、式(12):
【化46】
[式中、M2は請求項8に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、式(13):
【化47】
[式中、M2は請求項8に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩又は式(14)

【化48】
[式中、V8及びM2は、請求項8に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩である、請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
前記相間移動触媒が、式中のV1、V2、V3及びV4が、各々独立してC1〜C4アルキル、ベンジル又はフェニルを表す式(7)で表される化合物であるか、又は、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル及び15−クラウン−5−エーテルからなる群から選択されるクラウンエーテルであり、
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム又は酢酸カリウムである、請求項7に記載の製造方法。
【請求項11】
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸
水素二カリウム、フタルイミドカリウム又は酢酸カリウムである、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記相間移動触媒が、式(7):
【化49】
[式中、M1は、窒素原子又はリン原子を表し、
1、V2、V3及びV4は、各々独立してC1〜C18アルキル、V5で任意に置換されたC1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V6r1
置換されたベンジル、フェニル、(V6r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル
又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV1及びV2は一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するM1と共に5〜7員環を形成してもよく、このときアルキレ
ン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
5は、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7、−OC(O)NH2又は−SC(O
)V7を表し、
6は、C1〜C4アルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
5は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]で表される化合物、又はクラウ
ンエーテルであり、前記脱水反応を該相間移動触媒と式(15):
【化50】
[式中、M3は、アルカリ金属又はNH4を表す。]で表されるフッ化物塩の存在下で行う、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記相間移動触媒が、式中のV1、V2、V3及びV4が、各々独立してC1〜C4アルキル、ベンジル又はフェニルを表す式(7)で表される化合物であるか、又は、18−クラウン−6−エーテル及びジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルからなる群から選択されるクラウンエーテルであり、
前記フッ化物塩がフッ化カリウムである、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記式(2)で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物の、相間移動触媒の存在下での脱水反応を、溶媒を用いた共沸脱水により行う、請求項1及び請求項3並びに請求項5乃至請求項14のうち何れか一項に記載の製造方法。
【請求項16】
前記式(3)で表されるケトン化合物と、前記式(4)で表されるアセチル化合物の、相間移動触媒の存在下での脱水反応を、溶媒を用いた共沸脱水により行う、請求項2及び請求項4乃至請求項14のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
5は、C−Hを表し、
前記式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1、A2及びA3は、C−Hを表し、
4は、C−J2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルを表し

Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(O)OR3、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a、又は−L−N(R1c)R1dを表し、
3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、請求項に記載の定義と同じ意味を表す、請
求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
前記式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
5は、C−Hを表し、
前記式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1、A2及びA3は、C−Hを表し、
4は、C−J2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルを表し

Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(O)OR3、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a又は−L−N(R1c)R1dを表し、
3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、請求項に記載の定義と同じ意味を表す、請
求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
5は、C−Hを表し、
前記式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1、A2及びA3は、C−Hを表し、
4は、C−J2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルを表し

Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(O)OR3、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a、又は−L−N(R1c)R1dを表し、
3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、請求項3に記載の定義と同じ意味を表す、請
求項15に記載の製造方法。
【請求項20】
前記式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
5は、C−Hを表し、
前記式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1、A2及びA3は、C−Hを表し、
4は、C−J2を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルを表し

Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(O)OR3、−C(O)NH2、−C(O)N(R1b)R1a又は−L−N(R1c)R1dを表し、
3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、請求項4に記載の定義と同じ意味を表す、請
求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医農薬あるいは電子材料等の機能性材料として、又はその製造中間体として有用な置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物及び置換イソキサゾリン化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、置換イソキサゾリン化合物は有害生物防除剤、特に殺虫・殺ダニ剤又は哺乳動物及び鳥類の内部もしくは外部寄生虫防除剤として用いられることが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物は、置換イソキサゾリン化合物の製造中間体として知られており、置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を製造する方法としては、置換3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を、脱水剤と塩基の存在下で反応させることによる方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物を出発原料として、1工程で置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を製造する方法としては、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物を、塩基の存在下で反応させる方法(例えば、特許文献3参照)、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物を、塩基の存在下、共沸脱水により反応系中より水を抜きながら反応させる方法(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)が知られている。
また、置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物から置換イソキサゾリン化合物を製造する方法としては、塩基及び水の存在下、非極性溶媒中、相間移動触媒を添加して行う方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/085216号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/026965号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2009/001942号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2009/126668号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2012/026403号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
置換3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物から置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を製造する方法として、特許文献3に記載されている脱水剤を使用する製造方法では、脱水剤が原料である置換3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物に対して1当量以上必要であった。
また、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物を出発原料として、1工程で置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を製造する方法として特許文献3に記載されている製造方法では、10時間以上といった長時間の反応が必要であった。また特許文献4に記載されている製造方法では、塩基として水酸化カルシウムを用いる場合は、反応系中にジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒の添加が必要であり、さらに非プロトン性極性溶媒を反応系中に添加した場合は、後処理時の分液操作で非プロトン性極性溶媒の回収が困難となり、環境への負荷が大きく、工業的製法としては満足のいくものではなかった。一方、塩基として炭酸カリウム又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンを使用する場合は、反応系中から水を除去する必要があり、その為に溶媒として使用しているアセトニトリルを留去・追加投入し続ける必要があり、大過剰量のアセトニトリルを使用しなければならないこと、また、留去したアセトニトリルは、水を含む為、アセトニトリルを溶媒として再利用する為には、乾燥操作が追加で必要となり、工業的製法として満足のいくものではなかった。
【0006】
一方、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物から1工程で製造した置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を、単離や後処理せずにヒドロキシルアミン及び塩基性化合物を添加して置換イソキサゾリン化合物を製造する方法は、これまで知られておらず、置換イソキサゾリン化合物の製造工程の短縮化という点で改善の余地を残していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題解決を目標に鋭意検討した結果、相間移動触媒の存在下で脱水反応を行うことで、置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物から置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を製造できることを見出した。さらに、相間移動触媒の存在下、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物から置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を1工程で製造できることを見出した。また、置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物を製造する工程に続けて、ヒドロキシルアミンを添加することにより、置換ケトン化合物と置換アセチル化合物から置換イソキサゾリン化合物をワンポットで製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は下記〔1〕〜〔20〕に関するものである。
【0009】
〔1〕
一般式(2):
【化1】
[式中、T及びYは、各々独立して置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を、相間移動触媒の存在下、脱水反応させることによる、一般式(1):
【化2】
[式中、T、Y及びXは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物の製造方法。
【0010】
〔2〕
一般式(3):
【化3】
[式中、Tは、置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表されるケトン化合物と、一般式(4):
【化4】
[式中、Yは、置換アリール又は置換ヘテロアリールを表す。]で表されるアセチル化合物を、相間移動触媒の存在下で反応させることによる、一般式(1):
【化5】
[式中、T、Y及びXは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物の製造方法。
【0011】
〔3〕
一般式(2):
【化6】
[式中、T及びYは、各々独立して置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を、相間移動触媒の存在下で脱水反応を行い、続いてヒドロキシルアミン化合物と反応させることによる、一般式(5):
【化7】
[式中、X、T及びYは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表されるイソキサゾリン化合物の製造方法。
【0012】
〔4〕
一般式(3):
【化8】
[式中、Tは、置換アリール又は置換ヘテロアリールを表し、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。]で表されるケトン化合物と、一般式(4):
【化9】
[式中、Yは、置換アリール又は置換ヘテロアリールを表す。]で表されるアセチル化合物を、相間移動触媒の存在下で脱水反応を行い、続いてヒドロキシルアミン化合物と反応させることによる、一般式(5):
【化10】
[式中、X、T及びYは、前記に記載の定義と同じ意味を表す。]で表されるイソキサゾリン化合物の製造方法。
【0013】
〔5〕
〔5−1〕
前記相間移動触媒が、一般式(6):
【化11】
[式中、Mは、窒素原子又はリン原子を表し、
、V、V及びVは、各々独立してC〜C18アルキル、Vで任意に置換されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル、(V)r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV及びVは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Vは、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7−OC(O)NH2又は−SC(O)V7を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
V7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
r2は、1又は2の整数を表し、
は、フッ素原子、−OH、−OC(O)CH3又は−SOを表す。]
で表される化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔5−2〕
前記相間移動触媒が、一般式(6):
【化12】
[式中、Mは、窒素原子又はリン原子を表し、
、V、V及びVは、各々独立してC〜C18アルキル、Vで任意に置換されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル、(V)r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV及びVは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Vは、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7−OC(O)NH2又は−SC(O)V7を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
V7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
r2は、1又は2の整数を表し、
は、フッ素原子、−OH、−OC(O)CH3又は−SOを表す。]
で表される化合物である、〔3〕又は〔4〕に記載の製造方法。
【0014】
〔6〕
〔6−1〕
前記一般式(6)中、V、V、V及びV4は、各々独立してC〜Cアルキル、ベンジル又はフェニルを表す、〔5−1〕記載の製造方法。
〔6−2〕
前記一般式(6)中、V、V、V及びV4は、各々独立してC〜Cアルキル、ベンジル又はフェニルを表す、〔5−2〕記載の製造方法。
【0015】
〔7〕
〔7−1〕
前記相間移動触媒が、一般式(7):
【化13】
[式中、Mは、窒素原子又はリン原子を表し、
、V、V及びVは、各々独立してC〜C18アルキル、Vで任意に置換されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル、(V)r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV及びVは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Vは、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7−OC(O)NH2又は−SC(O)V7を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
V7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]で表される化合物、又はクラウンエーテルであり、前記脱水反応を該相間移動触媒と塩基性化合物の存在下で行う、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔7−2〕
前記相間移動触媒が、一般式(7):
【化14】
[式中、Mは、窒素原子又はリン原子を表し、
、V、V及びVは、各々独立してC〜C18アルキル、Vで任意に置換されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル、(V)r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV及びVは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Vは、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7−OC(O)NH2又は−SC(O)V7を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
V7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]で表される化合物、又はクラウンエーテルであり、前記脱水反応を該相間移動触媒と塩基性化合物の存在下で行う、〔3〕又は〔4〕に記載の製造方法。
【0016】
〔8〕
〔8−1〕
前記塩基性化合物が、一般式(8):
【化15】
[式中、Mはアルカリ金属を表す。]で表される塩、一般式(9):
【化16】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(10):
【化17】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(11):
【化18】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(12):
【化19】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(13):
【化20】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩又は式(14):
【化21】
[式中、V8は、C〜Cアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル又は(V)r1で置換されたフェニルを表し、
は、前記と同じ意味を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
r1は、1〜5の整数を表す。]で表される塩である、〔7−1〕に記載の製造方法。
〔8−2〕
前記塩基性化合物が、一般式(8):
【化22】
[式中、Mはアルカリ金属を表す。]で表される塩、一般式(9):
【化23】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(10):
【化24】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(11):
【化25】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(12):
【化26】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩、式(13):
【化27】
[式中、Mは前記と同じ意味を表す。]で表される塩又は式(14):
【化28】
[式中、V8は、C〜Cアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル又は(V)r1で置換されたフェニルを表し、
は、前記と同じ意味を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
r1は、1〜5の整数を表す。]で表される塩である、〔7−2〕に記載の製造方法。
【0017】
〔9〕
〔9−1〕
前記塩基性化合物が、一般式(8):
【化29】
[式中、Mは〔8−1〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、一般式(11):
【化30】
[式中、Mは〔8−1〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、一般式(12):
【化31】
[式中、Mは〔8−1〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、一般式(13):
【化32】
[式中、Mは〔8−1〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩又は一般式(14):
【化33】
[式中、V8及びMは、〔8−1〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩である、〔8−1〕記載の製造方法。
〔9−2〕
前記塩基性化合物が、一般式(8):
【化34】
[式中、Mは〔8−2〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、一般式(11):
【化35】
[式中、Mは〔8−2〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、一般式(12):
【化36】
[式中、Mは〔8−2〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩、一般式(13):
【化37】
[式中、Mは〔8−2〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩又は一般式(14):
【化38】
[式中、V8及びMは、〔8−2〕に記載の定義と同じ意味を表す。]で表される塩である、〔8−2〕記載の製造方法。
【0018】
〔10〕
〔10−1〕
前記相間移動触媒が、式中のV、V、V及びVが、各々独立してC〜Cアルキル、ベンジル又はフェニルを表す一般式(7)で表される化合物であるか、又は、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル及び15−クラウン−5−エーテルからなる群から選択されるクラウンエーテルであり、
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム又は酢酸カリウムである、〔7−1〕に記載の製造方法。
〔10−2〕
前記相間移動触媒が、式中のV、V、V及びVが、各々独立してC〜Cアルキル、ベンジル又はフェニルを表す一般式(7)で表される化合物であるか、又は、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル及び15−クラウン−5−エーテルからなる群から選択されるクラウンエーテルであり、
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム又は酢酸カリウムである、〔7−2〕に記載の製造方法。
【0019】
〔11〕
〔11−1〕
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム又は酢酸カリウムである、〔10−1〕に記載の製造方法。
〔11−2〕
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム又は酢酸カリウムである、〔10−2〕に記載の製造方法。
【0020】
〔12〕
〔12−1〕
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、〔11−1〕に記載の製造方法。
〔12−2〕
前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、〔11−2〕に記載の製造方法。
【0021】
〔13〕
〔13−1〕
前記相間移動触媒が、一般式(7):
【化39】
[式中、Mは、窒素原子又はリン原子を表し、
、V、V及びVは、各々独立してC〜C18アルキル、Vで任意に置換されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル、(V)r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV及びVは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このときアルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Vは、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7−OC(O)NH2又は−SC(O)V7を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
V7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]で表される化合物、又はクラウンエーテルであり、前記脱水反応を該相間移動触媒と一般式(15):
【化40】
[式中、Mは、アルカリ金属又はNHを表す。]で表されるフッ化物塩の存在下で行う、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔13−2〕
前記相間移動触媒が、一般式(7):
【化41】
[式中、Mは、窒素原子又はリン原子を表し、
、V、V及びVは、各々独立してC〜C18アルキル、Vで任意に置換されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、ベンゼン環において(V)r1で置換されたベンジル、フェニル、(V)r1で置換されたフェニル、フェロセニルメチル又は1−ナフチルメチルを表すか、或いはV及びVは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このときアルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Vは、ハロゲン原子、−OH、−OC(O)V7−OC(O)NH2又は−SC(O)V7を表し、
Vは、C〜Cアルキル、ハロゲン原子又はニトロを表し、
V7は、メチル又はフェニルを表し、
r1は、1〜5の整数を表し、
は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]で表される化合物、又はクラウンエーテルであり、前記脱水反応を該相間移動触媒と一般式(15):
【化42】
[式中、Mは、アルカリ金属又はNHを表す。]で表されるフッ化物塩の存在下で行う、〔3〕又は〔4〕に記載の製造方法。
【0022】
〔14〕
〔14−1〕
前記相間移動触媒が、式中のV、V、V及びVが、各々独立してC〜Cアルキル、ベンジル又はフェニルを表す一般式(7)で表される化合物であるか、又は、18−クラウン−6−エーテル及びジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルからなる群から選択されるクラウンエーテルであり、
前記フッ化物塩がフッ化カリウムである、〔13−1〕に記載の製造方法。
〔14−2〕
前記相間移動触媒が、式中のV、V、V及びVが、各々独立してC〜Cアルキル、ベンジル又はフェニルを表す一般式(7)で表される化合物であるか、又は、18−クラウン−6−エーテル及びジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルからなる群から選択されるクラウンエーテルであり、
前記フッ化物塩がフッ化カリウムである、〔13−2〕に記載の製造方法。
【0023】
〔15〕
〔15−1〕
前記一般式(2)で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物の、相間移動触媒の存在下での脱水反応を、溶媒を用いた共沸脱水により行う、〔1〕及び〔5−1〕乃至〔14−1〕のうち何れか一項に記載の製造方法。
〔15−2〕
前記一般式(2)で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物の、相間移動触媒の存在下での脱水反応を、溶媒を用いた共沸脱水により行う、〔3〕及び〔5−2〕乃至〔14−2〕のうち何れか一項に記載の製造方法。
【0024】
〔16〕
〔16−1〕
前記一般式(3)で表されるケトン化合物と、前記式(4)で表されるアセチル化合物の、相間移動触媒の存在下での脱水反応を、溶媒を用いた共沸脱水により行う、〔2〕及び〔5−1〕乃至〔14−1〕のうち何れか一項に記載の方法。
〔16−2〕
前記一般式(3)で表されるケトン化合物と、前記式(4)で表されるアセチル化合物の、相間移動触媒の存在下での脱水反応を、溶媒を用いた共沸脱水により行う、〔4〕及び〔5−2〕乃至〔14−2〕のうち何れか一項に記載の方法。
【0025】
〔17〕
〔17−1〕
前記一般式(2)中、
Tが、一般式(16):
【化43】
[式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-SF、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表し、
A5は、N又はC−X2を表し、
X2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
X3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表す。]で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、
Yが一般式(17):
【化44】
[式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC-Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-NH2、-N(R5)R4、-OH、-OR3、ベンジルオキシ、-OSO2R3、フェニルスルホニルオキシ、(Z)p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、-C(O)OH、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a、-C(S)N(R1b)R1a、-L-Q、-L-N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、-S(O)r-L2-Q2又はD-1乃至D-50を表し、
R3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9-A10=A11−を形成していてもよく、
A8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC-J1を表し、
J1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
R4は、C1〜C6アルキル、-CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
R5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-N(R11)R10、-C(O)OR9、-C(O)NH2、-C(O)NHR9、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-5、D-7、D-10、D-11、D-12、D-14、D-15、D-18、D-31、D-32、D-42、D-43、D-45、D-46、D-48、E-1、E-2、E-3、E-4、E-7、E-9〜E-19又はE-20を表し、
R1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R9又は-C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、-C(R2a)(R2b)-、-C(R2a)(R2b)CH2-又は-CH2C(R2a)(R2b)-を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG-1〜G-5を表し、
R1cは、水素原子、-C(O)R3a、-C(O)OR3a、-C(O)SR3a、-C(O)N(R3b)R3a、-C(S)N(R3b)R3a又は-S(O)2R3aを表し、
R1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R3c、-C(O)OR3c、-C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、-CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
R2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2又は-C(S)NH2を表し、
R2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
R3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E-1、E-2、E-4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-12〜D-14、D-42又はD-43を表し、
R3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
R3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、フェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
G-1〜G-5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化45】
R4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、D-42又はD-43を表し、
R5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって-OCH2O-又は-OCH2CH2O-を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
R6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-42、D-45〜D-49、E-1〜E-4又はE-7を表し、
R7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
R8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)NH2、-C(O)N(R15)R14、-C(S)NH2、-C(S)N(R15)R14、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-1〜D-50又はE-1〜E-20を表し、
D-1〜D-50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化46】
【化47】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E-1〜E-20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化48】
Z1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE-17を表し、
Z2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
R9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R10は、C1〜C6ハロアルキル、-C(O)R14、-C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-18、D-42、D-45、D-46、D-48又はD-49を表し、
R11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
R14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
R15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R16は、-OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
R17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(R5)=NOR19、-C(O)OR19、-C(O)NH2、-C(O)N(R5)R19、-C(O)NHC(O)R19、-C(O)N(R5)C(O)OR19、-N(R21)R20又はフェニルを表し、
R18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
R20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20aによって置換されたフェニル、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
R21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
L2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
Q2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、-N(R23)R22、-C(O)N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-18〜D-20、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。]
で表される置換アリール又は置換へテロアリールであるところの置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を用いる、〔1〕及び〔3〕並びに〔5−1〕乃至〔16−1〕のうち何れか一項に記載の製造方法。
〔17−2〕
前記一般式(2)中、
Tが、一般式(16):
【化49】
[式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-SF、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表し、
A5は、N又はC−X2を表し、
X2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
X3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表す。]で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、
Yが一般式(17):
【化50】
[式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC-Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-NH2、-N(R5)R4、-OH、-OR3、ベンジルオキシ、-OSO2R3、フェニルスルホニルオキシ、(Z)p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、-C(O)OH、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a、-C(S)N(R1b)R1a、-L-Q、-L-N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、-S(O)r-L2-Q2又はD-1乃至D-50を表し、
R3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9-A10=A11−を形成していてもよく、
A8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC-J1を表し、
J1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
R4は、C1〜C6アルキル、-CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
R5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-N(R11)R10、-C(O)OR9、-C(O)NH2、-C(O)NHR9、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-5、D-7、D-10、D-11、D-12、D-14、D-15、D-18、D-31、D-32、D-42、D-43、D-45、D-46、D-48、E-1、E-2、E-3、E-4、E-7、E-9〜E-19又はE-20を表し、
R1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R9又は-C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、-C(R2a)(R2b)-、-C(R2a)(R2b)CH2-又は-CH2C(R2a)(R2b)-を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG-1〜G-5を表し、
R1cは、水素原子、-C(O)R3a、-C(O)OR3a、-C(O)SR3a、-C(O)N(R3b)R3a、-C(S)N(R3b)R3a又は-S(O)2R3aを表し、
R1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R3c、-C(O)OR3c、-C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、-CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
R2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2又は-C(S)NH2を表し、
R2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
R3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E-1、E-2、E-4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-12〜D-14、D-42又はD-43を表し、
R3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
R3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、フェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
G-1〜G-5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化51】
R4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、D-42又はD-43を表し、
R5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって-OCH2O-又は-OCH2CH2O-を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
R6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-42、D-45〜D-49、E-1〜E-4又はE-7を表し、
R7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
R8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)NH2、-C(O)N(R15)R14、-C(S)NH2、-C(S)N(R15)R14、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-1〜D-50又はE-1〜E-20を表し、
D-1〜D-50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化52】
【化53】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E-1〜E-20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化54】
Z1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE-17を表し、
Z2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
R9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R10は、C1〜C6ハロアルキル、-C(O)R14、-C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-18、D-42、D-45、D-46、D-48又はD-49を表し、
R11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
R14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
R15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R16は、-OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
R17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(R5)=NOR19、-C(O)OR19、-C(O)NH2、-C(O)N(R5)R19、-C(O)NHC(O)R19、-C(O)N(R5)C(O)OR19、-N(R21)R20又はフェニルを表し、
R18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
R20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20aによって置換されたフェニル、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
R21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
L2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
Q2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、-N(R23)R22、-C(O)N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-18〜D-20、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。]
で表される置換アリール又は置換へテロアリールであるところの置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を用いる、〔1〕及び〔3〕並びに〔5−2〕乃至〔16−2〕のうち何れか一項に記載の製造方法。
【0026】
〔18〕
〔18−1〕
前記一般式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C〜Cハロアルキル又はC〜Cハロアルコキシを表し、
A5は、C-Hを表し、
前記一般式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
A1、A2及びA3は、C-Hを表し、
A4は、C-Jを表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル又はC〜Cハロアルキルを表し、
Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a又は-L-N(R1c)R1dを表し、
R3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、〔17−1〕に記載の定義と同じ意味を表す、〔17−1〕に記載の製造方法。
〔18−2〕
前記一般式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C〜Cハロアルキル又はC〜Cハロアルコキシを表し、
A5は、C-Hを表し、
前記一般式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
A1、A2及びA3は、C-Hを表し、
A4は、C-Jを表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル又はC〜Cハロアルキルを表し、
Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a又は-L-N(R1c)R1dを表し、
R3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、〔17−2〕に記載の定義と同じ意味を表す、〔17−2〕に記載の製造方法。
【0027】
〔19〕
〔19−1〕
前記一般式(3)中、
Tが、一般式(16):
【化55】
[式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-SF、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表し、
A5は、N又はC−X2を表し、
X2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
X3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表す。]で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、
前記一般式(4)中、
Yが一般式(17):
【化56】
[式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC-Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-NH2、-N(R5)R4、-OH、-OR3、ベンジルオキシ、-OSO2R3、フェニルスルホニルオキシ、(Z)p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、-C(O)OH、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a、-C(S)N(R1b)R1a、-L-Q、-L-N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、-S(O)r-L2-Q2又はD-1乃至D-50を表し、
R3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9-A10=A11−を形成していてもよく、
A8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC-J1を表し、
J1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
R4は、C1〜C6アルキル、-CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
R5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-N(R11)R10、-C(O)OR9、-C(O)NH2、-C(O)NHR9、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-5、D-7、D-10、D-11、D-12、D-14、D-15、D-18、D-31、D-32、D-42、D-43、D-45、D-46、D-48、E-1、E-2、E-3、E-4、E-7、E-9〜E-19又はE-20を表し、
R1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R9又は-C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、-C(R2a)(R2b)-、-C(R2a)(R2b)CH2-又は-CH2C(R2a)(R2b)-を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG-1〜G-5を表し、
R1cは、水素原子、-C(O)R3a、-C(O)OR3a、-C(O)SR3a、-C(O)N(R3b)R3a、-C(S)N(R3b)R3a又は-S(O)2R3aを表し、
R1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R3c、-C(O)OR3c、-C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、-CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
R2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2又は-C(S)NH2を表し、
R2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
R3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E-1、E-2、E-4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-12〜D-14、D-42又はD-43を表し、
R3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
R3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、フェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
G-1〜G-5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化57】
R4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、D-42又はD-43を表し、
R5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって-OCH2O-又は-OCH2CH2O-を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
R6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-42、D-45〜D-49、E-1〜E-4又はE-7を表し、
R7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
R8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)NH2、-C(O)N(R15)R14、-C(S)NH2、-C(S)N(R15)R14、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-1〜D-50又はE-1〜E-20を表し、
D-1〜D-50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化58】
【化59】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E-1〜E-20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化60】
Z1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE-17を表し、
Z2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
R9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R10は、C1〜C6ハロアルキル、-C(O)R14、-C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-18、D-42、D-45、D-46、D-48又はD-49を表し、
R11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
R14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
R15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R16は、-OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
R17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(R5)=NOR19、-C(O)OR19、-C(O)NH2、-C(O)N(R5)R19、-C(O)NHC(O)R19、-C(O)N(R5)C(O)OR19、-N(R21)R20又はフェニルを表し、
R18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
R20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20aによって置換されたフェニル、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
R21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
L2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
Q2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、-N(R23)R22、-C(O)N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-18〜D-20、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。]
で表される置換アリール又は置換へテロアリールであるところの置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を用いる、〔2〕及び〔4〕並びに〔5−1〕乃至〔16−1〕のうち何れか一項に記載の製造方法。
〔19−2〕
前記一般式(3)中、
Tが、一般式(16):
【化61】
[式中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-SF、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表し、
A5は、N又はC−X2を表し、
X2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル又はC1〜C4ハロアルコキシを表し、
X3は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4ハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ又はC〜Cハロアルキルチオを表す。]で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、
前記一般式(4)中、
Yが一般式(17):
【化62】
[式中、A1、A2、A3及びA4は、各々独立して、N又はC-Jを表し、
Rは、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-NH2、-N(R5)R4、-OH、-OR3、ベンジルオキシ、-OSO2R3、フェニルスルホニルオキシ、(Z)p1によって置換されたフェニルスルホニルオキシ、-C(O)OH、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a、-C(S)N(R1b)R1a、-L-Q、-L-N(R1c)R1d、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルチオ、-S(O)r-L2-Q2又はD-1乃至D-50を表し、
R3は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC1〜C3ハロアルコキシ(C1〜C3)ハロアルキルを表し、
Jは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、また、
隣接する2つのJが一緒になって、−A8=A9-A10=A11−を形成していてもよく、
A8、A9、A10及びA11は、各々独立にN又はC-J1を表し、
J1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2又は-N(R5)R4を表し、各々のJ1は互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
R4は、C1〜C6アルキル、-CHO、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)カルボニル、C1〜C6アルコキシチオカルボニル、C1〜C6(アルキルチオ)チオカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル又はC1〜C6ハロアルキルスルホニルを表し、
R5は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R1aは、C1〜C6アルキル、R8によって任意に置換されたC1〜C6アルキル、ベンゼン環によって縮環されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-N(R11)R10、-C(O)OR9、-C(O)NH2、-C(O)NHR9、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-5、D-7、D-10、D-11、D-12、D-14、D-15、D-18、D-31、D-32、D-42、D-43、D-45、D-46、D-48、E-1、E-2、E-3、E-4、E-7、E-9〜E-19又はE-20を表し、
R1bは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R9又は-C(O)OR9を表し、
或いはR1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、
Lは、-C(R2a)(R2b)-、-C(R2a)(R2b)CH2-又は-CH2C(R2a)(R2b)-を表し、
Qは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ又はG-1〜G-5を表し、
R1cは、水素原子、-C(O)R3a、-C(O)OR3a、-C(O)SR3a、-C(O)N(R3b)R3a、-C(S)N(R3b)R3a又は-S(O)2R3aを表し、
R1dは、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C1〜C4アルキルスルホニル(C1〜C4)アルキル、シアノ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(O)R3c、-C(O)OR3c、-C(O)SR3c、C1〜C6ハロアルキルチオ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表すか、
或いは、R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、-CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、
R2aは、水素原子、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2又は-C(S)NH2を表し、
R2bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表すか、或いは、R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、
R3aは、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、R4aによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、E-1、E-2、E-4、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル、(V)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-12〜D-14、D-42又はD-43を表し、
R3bは、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R3cは、水素原子、C1〜C4アルキル、R3dによって任意に置換された(C1〜C4)アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
R3dは、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、フェニル、D-42、D-43又はD-44を表し、
G-1〜G-5は、それぞれ以下の構造式で表される環を表し、
【化63】
R4aは、シアノ、ニトロ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、S(O)rR5a、D-42又はD-43を表し、
R5aは、C1〜C4アルキルを表し、
Vは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノカルボニル、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1が2以上の整数を表すとき、各々のVは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
さらに、2つのVが隣接する場合には、隣接する2つのVは一緒になって-OCH2O-又は-OCH2CH2O-を表し、2つのVのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよく、このとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子はハロゲン原子によって任意に置換されていてもよく、
R6は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6ハロアルキニル、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-42、D-45〜D-49、E-1〜E-4又はE-7を表し、
R7は、水素原子、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はフェニルを表し、
R8は、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)NH2、-C(O)N(R15)R14、-C(S)NH2、-C(S)N(R15)R14、-C(R7)=NOR6、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-1〜D-50又はE-1〜E-20を表し、
D-1〜D-50は、それぞれ下記の構造式で表される芳香族複素環を表し、
【化64】
【化65】
Zは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、p1、p2、p3又はp4が2以上の整数を表すとき、各々のZは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
E-1〜E-20は、それぞれ下記の構造式で表される複素環を表し、
【化66】
Z1は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ベンジル、R16によって任意に置換された(C1〜C6)アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、C1〜C6ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(Z)p1によって置換されたフェニルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、-C(O)NH2、-C(S)NH2、-S(O)2NH2、-C(O)N(R18)R17、-C(S)N(R18)R17、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニル又はE-17を表し、
Z2は、水素原子又はC1〜C6ハロアルキルカルボニルを表し、
R9は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキル、C1〜C6アルキルチオ(C1〜C4)アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R10は、C1〜C6ハロアルキル、-C(O)R14、-C(O)OR14、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-3、D-4、D-18、D-42、D-45、D-46、D-48又はD-49を表し、
R11は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R12は、C1〜C6アルキル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R13は、C1〜C4アルキルを表し、q2、q3又はq4が2以上の整数を表すとき、各々のR13は互いに同一であっても、又は互いに相異なっていてもよく、さらに、2つのR13が同一の炭素原子上に置換している場合、2つのR13は一緒になってオキソを形成してもよいことを表し、
R14は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、フェニル、R14aによって置換されたフェニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R14aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-C(O)NH2、-S(O)2NH2、C1〜C6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1〜C6アルキル)アミノスルホニルを表し、
R15は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
R16は、-OH、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルチオを表し、
R17は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6アルキニル、-C(R5)=NOR19、-C(O)OR19、-C(O)NH2、-C(O)N(R5)R19、-C(O)NHC(O)R19、-C(O)N(R5)C(O)OR19、-N(R21)R20又はフェニルを表し、
R18は、水素原子、C1〜C6アルキル又はC3〜C6アルキニルを表し、
R19は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC2〜C6アルケニルを表し、
R20は、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシカルボニル、フェニル、R20aによって置換されたフェニル、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R20aは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C6アルキルスルホニルを表し、
R21は、水素原子、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し、
L2は、単結合又はC1〜C6アルキレン鎖を表し、
Q2は、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルキニル、-N(R23)R22、-C(O)N(R23)R22、フェニル、(Z)p1によって置換されたフェニル、D-18〜D-20、D-42〜D-46又はD-47を表し、
R22は、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、フェニル又は(Z)p1によって置換されたフェニルを表し、
R23は、水素原子又はC1〜C6アルキルを表し、
p1は、1〜5の整数を表し、
p2は、0〜4の整数を表し、
p3は、0〜3の整数を表し、
p4は、0〜2の整数を表し、
p5は、0又は1の整数を表し、
q2は、0〜5の整数を表し、
q3は、0〜7の整数を表し、
q4は、0〜9の整数を表し、
rは、0〜2の整数を表し、
tは、0又は1の整数を表す。]
で表される置換アリール又は置換へテロアリールであるところの置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物を用いる、〔2〕及び〔4〕並びに〔5−2〕乃至〔16−2〕のうち何れか一項に記載の製造方法。
【0028】
〔20〕
〔20−1〕
前記一般式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C〜Cハロアルキル又はC〜Cハロアルコキシを表し、
A5は、C-Hを表し、
前記一般式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
A1、A2及びA3は、C-Hを表し、
A4は、C-Jを表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル又はC〜Cハロアルキルを表し、
Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a又は-L-N(R1c)R1dを表し、
R3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、〔19−1〕に記載の定義と同じ意味を表す、〔19−1〕に記載の製造方法。
〔20−2〕
前記一般式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
1及びX3は、各々独立にハロゲン原子、C〜Cハロアルキル又はC〜Cハロアルコキシを表し、
A5は、C-Hを表し、
前記一般式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールにおいて、
A1、A2及びA3は、C-Hを表し、
A4は、C-Jを表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル又はC〜Cハロアルキルを表し、
Rは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、-C(O)OR3、-C(O)NH2、-C(O)N(R1b)R1a又は-L-N(R1c)R1dを表し、
R3、R1a、R1b、L、R1c及びR1dは、〔19−2〕に記載の定義と同じ意味を表す、〔19−2〕に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0029】
本発明の製造方法により、医農薬あるいは電子材料等の機能性材料として、又はその製造中間体として有用な置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物及び置換イソキサゾリン化合物を、置換3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物から又は置換ケトン化合物と置換アセチル化合物とから、短い反応時間で且つ高収率で且つワンポットで製造でき、工業的生産に有益な製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
一般式(1)で表される置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物はE-体及びZ-体の幾何異性体が存在するが、本発明はこれらE-体、Z-体、又はE-体及びZ-体を任意の割合で含む混合物を包含するものである。
次に、本明細書において示した各置換基の具体例を以下に示す。ここで、n-はノルマル、i-はイソ、s-はセカンダリー及びt-はターシャリーを各々意味し、Phはフェニルを意味する。
【0031】
本明細書に記載の化合物におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。尚、本明細書中「ハロ」の表記もこれらのハロゲン原子を表す。
【0032】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0033】
本明細書におけるアリールの表記は、フェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が具体例として挙げられる。
本明細書における「置換アリール」の表記は、置換基T及びYの定義におけるアリールに関して、非置換であるか、または、少なくとも1個の非水素置換基を有する基を指す。置換基T及びYは、本発明に記載の方法における反応に係る分子の部分の末端部である為、極めて幅広い範囲の数及びタイプの両方の置換基が本発明に記載の方法に適合する。他に示されていない限りにおいて、場合により置換されている基は、基の置換可能な位置の各々で置換基を有していてもよく、各置換は互いに独立している。
【0034】
本明細書におけるヘテロアリールの表記は、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピラニル基、3−ピラニル基、4−ピラニル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、1−イソベンゾチエニル基、4−イソベンゾチエニル基、5−イソベンゾチエニル基、2−クロメニル基、3−クロメニル基、4−クロメニル基、5−クロメニル基、6−クロメニル基、7−クロメニル基、8−クロメニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−インダゾリル基、2−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、1−プリニル基、2−プリニル基、3−プリニル基、6−プリニル基、7−プリニル基、8−プリニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、2−ナフチリジニル基、3−ナフチリジニル基、4−ナフチリジニル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−プテニジニル基、4−プテニジニル基、6−プテニジニル基、7−プテニジニル基及び3−フラザニル基等が具体例として挙げられる。
本明細書における「置換へテロアリール」の表記は、置換基T及びYの定義におけるヘテロアリールに関して、非置換であるか、または、少なくとも1個の非水素置換基を有する基を指す。置換基T及びYは、本発明に記載の方法における反応に係る分子の部分の末端部である為、極めて幅広い範囲の数及びタイプの両方の置換基が本発明に記載の方法に適合する。他に示されていない限りにおいて、場合により置換されている基は、基の置換可能な位置の各々で置換基を有していてもよく、各置換は互いに独立している。
【0035】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ブロモフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ジクロロフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、ブロモクロロフルオロメチル基、ジブロモフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2-クロロ-2-フルオロエチル基、2,2-ジクロロエチル基、2-ブロモ-2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル基、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、2-ブロモ-2,2-ジフルオロエチル基、2-ブロモ-2-クロロ-2-フルオロエチル基、2-ブロモ-2,2-ジクロロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1-クロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエチル基、2-クロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、1,2-ジクロロ-1,2,2-トリフルオロエチル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、2-フルオロプロピル基、2-クロロプロピル基、2-ブロモプロピル基、2-クロロ-2-フルオロプロピル基、2,3-ジクロロプロピル基、2-ブロモ-3-フルオロプロピル基、3-ブロモ-2-クロロプロピル基、2,3-ジブロモプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-ブロモ-3,3-ジフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,3-ジクロロ-1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2-フルオロ-1-メチルエチル基、2-クロロ-1-メチルエチル基、2-ブロモ-1-メチルエチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、2-フルオロブチル基、2-クロロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、4-クロロ-1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、2-フルオロ-2-メチルプロピル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、2-クロロ-1,1-ジメチルエチル基、2-ブロモ-1,1-ジメチルエチル基、5-クロロ-2,2,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0036】
本明細書におけるシアノ(Ca〜Cb)アルキルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、シアノ基によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、例えばシアノメチル基、1-シアノエチル基、2-シアノエチル基、2-シアノプロピル基、3-シアノプロピル基、2-シアノブチル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0037】
本明細書におけるCa〜Cbシクロアルキルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の飽和炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環又は複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよい。例えばシクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、2-メチルシクロプロピル基、2,2-ジメチルシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0038】
本明細書におけるCa〜Cbハロシクロアルキルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の飽和炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環又は複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、ハロゲン原子による置換は環構造部分であっても、側鎖部分であっても、或いはそれらの両方であってもよく、さらに、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。例えば2,2-ジフルオロシクロプロピル基、2,2-ジクロロシクロプロピル基、2,2-ジブロモシクロプロピル基、2,2-ジフルオロ-1-メチルシクロプロピル基、2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロピル基、2,2-ジブロモ-1-メチルシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、2-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基、3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基、4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0039】
本明細書におけるCa〜Cbアルケニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状で、且つ分子内に1個又は2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチルエテニル基、2-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、2-エチル-2-プロペニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、2-ヘキセニル基、2-メチル-2-ペンテニル基、2,4-ジメチル-2,6-ヘプタジエニル基、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0040】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルケニルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状で、且つ分子内に1個又は2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表す。このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。例えば2,2-ジクロロビニル基、2-フルオロ-2-プロペニル基、2-クロロ-2-プロペニル基、3-クロロ-2-プロペニル基、2-ブロモ-2-プロペニル基、3-ブロモ-2-プロペニル基、3,3-ジフルオロ-2-プロペニル基、2,3-ジクロロ-2-プロペニル基、3,3-ジクロロ-2-プロペニル基、2,3-ジブロモ-2-プロペニル基、2,3,3-トリフルオロ-2-プロペニル基、2,3,3-トリクロロ-2-プロペニル基、1-(トリフルオロメチル)エテニル基、3-クロロ-2-ブテニル基、3-ブロモ-2-ブテニル基、4,4-ジフルオロ-3-ブテニル基、3,4,4-トリフルオロ-3-ブテニル基、3-クロロ-4,4,4-トリフルオロ-2-ブテニル基、3-ブロモ-2-メチル-2-プロペニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0041】
本明細書におけるCa〜Cbアルキニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状で、且つ分子内に1個又は2個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、1,1-ジメチル-2-プロピニル基、2-ヘキシニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0042】
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-O-基を表し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、i-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、i-ブチルオキシ基、s-ブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0043】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルコキシの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-O-基を表し、例えばジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2,-テトラフルオロエトキシ基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエトキシ基、2-ブロモ-1,1,2-トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2-ジクロロ-1,1,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,2-トリクロロ-1,1-ジフルオロエトキシ基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルオキシ基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エトキシ基、ヘプタフルオロプロピルオキシ基、2-ブロモ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルオキシ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0044】
本明細書におけるベンジルオキシの表記は、フェニル-CH2O-基を表す。
【0045】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルチオの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-S-基を表し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0046】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルチオの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-S-基を表し、例えばジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、クロロジフルオロメチルチオ基、ブロモジフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基、1,1,2,2-テトラフルオロエチルチオ基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチルチオ基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルチオ基、ヘプタフルオロプロピルチオ基、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチルチオ基、ノナフルオロブチルチオ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0047】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルスルフィニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-S(O)-基を表し、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n-プロピルスルフィニル基、i-プロピルスルフィニル基、n-ブチルスルフィニル基、i-ブチルスルフィニル基、s-ブチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0048】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルスルフィニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-S(O)-基を表し、例えばジフルオロメチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルフィニル基、クロロジフルオロメチルスルフィニル基、ブロモジフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルフィニル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルフィニル基、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチルスルフィニル基、ノナフルオロブチルスルフィニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0049】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルスルホニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-SO2-基を表し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、i-プロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、i-ブチルスルホニル基、s-ブチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、n-ヘキシルスルホニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0050】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルスルホニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-SO2-基を表し、例えばジフルオロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、クロロジフルオロメチルスルホニル基、ブロモジフルオロメチルスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルホニル基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルスルホニル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルホニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0051】
本明細書におけるフェニルスルホニルオキシの表記は、フェニルスルホニル-O-基(フェニル-SO2-O-基)を表す。
【0052】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルスルホニルオキシの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキルスルホニル-O-基を表し、例えばメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n-プロピルスルホニルオキシ基、i-プロピルスルホニルオキシ基、n-ブチルスルホニルオキシ基、i-ブチルスルホニルオキシ基、s-ブチルスルホニルオキシ基、t-ブチルスルホニルオキシ基、n-ペンチルスルホニルオキシ基、n-ヘキシルスルホニルオキシ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0053】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルスルホニルオキシの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキルスルホニル-O-基を表し、例えば、ジフルオロメチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロジフルオロメチルスルホニルオキシ基、ブロモジフルオロメチルスルホニルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニルオキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルホニルオキシ基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルスルホニルオキシ基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルホニルオキシ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0054】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-C(O)-基を表し、例えばアセチル基(エタノイル基)、プロピオニル基(プロパノイル基)、ブチリル基(ブタノイル基)、イソブチリル基、バレリル基(ペンタノイル基)、イソバレリル基、2-メチルブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0055】
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-C(O)-基を表し、例えばフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ジフルオロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロジフルオロアセチル基、ブロモジフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ペンタフルオロプロピオニル基、ヘプタフルオロブタノイル基、3-クロロ-2,2-ジメチルプロパノイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0056】
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルコキシ-C(O)-基を表し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、i-プロピルオキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、i-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0057】
本明細書におけるCa〜Cb(アルキルチオ)カルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキルチオ-C(O)-基を表し、例えばメチルチオ-C(O)-基、エチルチオ-C(O)-基、n-プロピルチオ-C(O)-基、i-プロピルチオ-C(O)-基、n-ブチルチオ-C(O)-基、i-ブチルチオ-C(O)-基、t-ブチルチオ-C(O)-基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0058】
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシチオカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルコキシ-C(S)-基を表し、例えばメトキシ-C(S)-基、エトキシ-C(S)-基、n-プロピルオキシ-C(S)-基、i-プロピルオキシ-C(S)-基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0059】
本明細書におけるCa〜Cb(アルキルチオ)チオカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキルチオ-C(S)-基を表し、例えばメチルチオ-C(S)-基、エチルチオ-C(S)-基、n-プロピルチオ-C(S)-基、i-プロピルチオ-C(S)-基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0060】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルアミノカルボニルの表記は、アミノ基の水素原子の一方が炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル基によって置換されたカルバモイル基(H2N-C(O)-)を表し、例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n-プロピルカルバモイル基、i-プロピルカルバモイル基、n-ブチルカルバモイル基、i-ブチルカルバモイル基、s-ブチルカルバモイル基、t-ブチルカルバモイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0061】
本明細書におけるジ(Ca〜Cbアルキル)アミノカルボニルの表記は、アミノ基の水素原子が両方とも、それぞれ同一でも又は互いに相異なっていてもよい炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル基によって置換されたカルバモイル基を表し、例えばN,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチル-N-メチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-プロピルカルバモイル基、N,N-ジ-n-ブチルカルバモイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0062】
本明細書におけるCa〜Cbアルキルアミノスルホニルの表記は、アミノ基の水素原子の一方が炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル基によって置換されたスルファモイル基(H2N-S(O)2-)を表し、例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、n-プロピルスルファモイル基、i-プロピルスルファモイル基、n-ブチルスルファモイル基、i-ブチルスルファモイル基、s-ブチルスルファモイル基、t-ブチルスルファモイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0063】
本明細書におけるジ(Ca〜Cbアルキル)アミノスルホニルの表記は、アミノ基の水素原子が両方とも、それぞれ同一でも又は互いに相異なっていてもよい炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル基によって置換されたスルファモイル基を表し、例えばN,N-ジメチルスルファモイル基、N-エチル-N-メチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N,N-ジ-n-プロピルスルファモイル基、N,N-ジ-n-ブチルスルファモイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0064】
本明細書におけるCa〜Cbシクロアルキル(Cd〜Ce)アルキル、Ca〜Cbアルコキシ(Cd〜Ce)アルキル又はCa〜Cbアルキルチオ(Cd〜Ce)アルキル等の表記は、それぞれ前記の意味である任意のCa〜Cbシクロアルキル基、Ca〜Cbアルコキシ基又はCa〜Cbアルキルチオ基によって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換された炭素原子数がd〜e個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0065】
本明細書における[Vで任意に置換された(Ca〜Cb)アルキル]なる表記は、任意のVによって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換された炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。このとき、それぞれの(Ca〜Cb)アルキル基上の置換基Vが2個以上存在するとき、それぞれのVは互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0066】
本明細書における[R8によって任意に置換された(Ca〜Cb)アルキル]なる表記は、任意のR8によって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換された炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。このとき、それぞれの(Ca〜Cb)アルキル基上の置換基R8が2個以上存在するとき、それぞれのR8は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0067】
本明細書における[R3dによって任意に置換された(Ca〜Cb)アルキル]なる表記は、任意のR3dによって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換された炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。このとき、それぞれの(Ca〜Cb)アルキル基上の置換基R3dが2個以上存在するとき、それぞれのR3dは互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0068】
本明細書における[R4aによって任意に置換された(Ca〜Cb)アルキル]なる表記は、任意のR4aによって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換された炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を表し、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。このとき、それぞれの(Ca〜Cb)アルキル基上の置換基R4aが2個以上存在するとき、それぞれのR4aは互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0069】
本明細書における[ベンゼン環において(Vr1で置換されたベンジル][(V)r1で置換されたフェニル]なる表記は、任意のVによって、ベンゼン環の炭素原子に結合した水素原子が任意に置換されたベンジル基、フェニル基を表す。このとき、フェニル基上の置換基Vが2個以上存在するとき(すなわちr1が2〜5である場合)、それぞれのVは互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0070】
本明細書における[(Z)p1によって置換されたフェニル]なる表記は、任意のZによって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換されたフェニル基を表す。このとき、フェニル基上の置換基Zが2個以上存在するとき(すなわちp1が2〜5である場合)、それぞれのZは互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0071】
本明細書における[(V)p1によって置換されたフェニル]なる表記は、任意のVによって、炭素原子に結合した水素原子が任意に置換されたフェニル基を表す。このとき、フェニル基上の置換基Vが2個以上存在するとき(すなわちp1が2〜5である場合)、それぞれのVは互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。
【0072】
本明細書における[ベンゼン環によって縮環されていてもよいCa〜Cbシクロアルキル]なる表記は、隣接する2つの炭素原子に結合した水素原子が、ベンゼン環によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の炭化水素基を表し、3員環から6員環までの複合環構造を形成することが出来る。例えば1-インダニル基、2-インダニル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフチル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0073】
本明細書におけるヒドロキシ(Cd〜Ce)ハロアルキル、Ca〜Cbアルコキシ(Cd〜Ce)ハロアルキル又はCa〜Cbハロアルコキシ(Cd〜Ce)ハロアルキルの表記は、それぞれ前記の意味である任意のCa〜Cbアルコキシ基、Ca〜Cbハロアルコキシ基又はヒドロキシ基によって炭素原子に結合した水素原子又はハロゲン原子が任意に置換された炭素原子数がd〜e個よりなる前記の意味であるハロアルキル基を表し、例えば2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ジフルオロ(メトキシ)メチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ジフルオロ(2,2,2-トリフルオロエトキシ)メチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1-(トリフルオロメチル)エチル基、3-(1,2-ジクロロ-1,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロピル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
【0074】
本明細書における[V及びV2は一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、それらが結合するMと共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、]の表記が示す環の具体例として、例えばピロリジン、ピロリジン-2-オン、オキサゾリジン、オキサゾリジン-2-オン、オキサゾリジン-2-チオン、チアゾリジン、チアゾリジン-2-オン、チアゾリジン-2-チオン、イミダゾリジン、イミダゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2-チオン、ピペリジン、ピペリジン-2-オン、ピペリジン-2-チオン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-オキサジン-2-オン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-オキサジン-2-チオン、モルホリン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-チアジン-2-オン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-チアジン-2-チオン、チオモルホリン、ペルヒドロピリミジン-2-オン、ピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペリジン-2-オン及びヘプタメチレンイミン等が挙げられ、各々の指定の原子数の範囲で選択される。
【0075】
本明細書における[R1b及びR1aは一緒になってC2〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に3〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、]の表記が示す環の具体例として、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ホモピペリジン、ヘプタメチレンイミン等が挙げられ、各々の指定の原子数の範囲で選択される。
【0076】
本明細書における[R1c及びR1dは一緒になってC4〜C6アルキレン鎖を表し、これらが結合する窒素原子と共に5〜7員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1個含んでもよく、且つC1〜C6アルキル基、-CHO基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、C1〜C6ハロアルコキシカルボニル基、C1〜C6アルキルアミノカルボニル基、C1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、オキソ基又はチオキソ基によって任意に置換されていてもよく、]の表記が示す環の具体例として、例えばピロリジン、ピロリジン-2-オン、オキサゾリジン、オキサゾリジン-2-オン、オキサゾリジン-2-チオン、チアゾリジン、チアゾリジン-2-オン、チアゾリジン-2-チオン、イミダゾリジン、イミダゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2-チオン、ピペリジン、ピペリジン-2-オン、ピペリジン-2-チオン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-オキサジン-2-オン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-オキサジン-2-チオン、モルホリン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-チアジン-2-オン、2H-3,4,5,6-テトラヒドロ-1,3-チアジン-2-チオン、チオモルホリン、ペルヒドロピリミジン-2-オン、ピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペリジン-2-オン及びヘプタメチレンイミン等が挙げられ、各々の指定の原子数の範囲で選択される。
【0077】
本明細書における[R2a及びR2bは一緒になってC2〜C5アルキレン鎖を表し、これらが結合する炭素原子と共に3〜6員環を形成してもよく、このとき該アルキレン鎖は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を1〜3個含んでもよく、]の表記が示す環の具体例として、例えばシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、ピロリジン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロチオピラン環、ピペリジン環、オキセパン環、チエパン環、アゼパン環等が挙げられ、各々の指定の原子数の範囲で選択される。
【0078】
次に、本発明の反応に使用できる相間移動触媒としては、例えば前記一般式(6)で表される化合物、前記一般式(7)で表される化合物、これら式(6)又は式(7)で表される化合物以外のその他の四級アンモニウム塩及びその他の四級ホスホニウム塩、ピリジニウム塩、並びにクラウンエーテル等が挙げられる。
なお、相間移動触媒として、一般式(7)で表される化合物、クラウンエーテル、又はピリジニウム塩(塩化物塩、臭化物塩、フッ化物塩)を使用する場合には、後述する塩基性化合物を併用して脱水反応を実施する。
【0079】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、Xがフッ素原子を表し、r2が1を表す4級アンモニウムフルオリドとしては、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラメチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリエチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリブチルアンモニウムフルオリド、メチルトリブチルアンモニウムフルオリド、トリメチルフェニルアンモニウムフルオリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムフルオリド及びテトラオクチルアンモニウムフルオリド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルアンモニウムフルオリドが挙げられる。
【0080】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、Xがフッ素原子を表し、r2が1を表す4級ホスホニウムフルオリドとしては、例えば、テトラフェニルホスホニウムフルオリド、テトラブチルホスホニウムフルオリド、メチルトリフェニルホスホニウムフルオリド、エチルトリフェニルホスホニウムフルオリド、プロピルトリフェニルホスホニウムフルオリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムフルオリド、ドデシルトリフェニルホスホニウムフルオリド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムフルオリド及びテトラデシルトリフェニルホスホニウムフルオリド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルホスホニウムフルオリドが挙げられる。
【0081】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、X5が−OHを表し、r2が1を表す4級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン[(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム]、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド及びトリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられ、好ましくはベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
【0082】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、X5が−OHを表し、r2が1を表す4級ホスホニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、エチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、プロピルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド及びベンジルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシドが挙げられる。
【0083】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、X5が−OC(O)CH3を表し、r2が1を表す4級アンモニウムアセタートとしては、例えば、テトラブチルアンモニウムアセタート、テトラエチルアンモニウムアセタート及びテトラメチルアンモニウムアセタート等が挙げられ、好ましくはテトラブチルアンモニウムアセタートが挙げられる。
【0084】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、X5が−OC(O)CH3を表し、r2が1を表す4級ホスホニウムアセタートとしては、例えば、テトラブチルホスホニウムアセタート、エチルトリフェニルホスホニウムアセタート及びテトラメチルアンモニウムアセタート等が挙げられ、好ましくはテトラブチルホスホニウムアセタートが挙げられる。
【0085】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、X5が−OS(O)2O−を表し、r2が2を表す4級アンモニウムスルファートとしては、例えば、テトラブチルアンモニウムスルファート、テトラメチルアンモニウムスルファート、テトラエチルアンモニウムスルファート及びビス(ドデシルトリメチルアンモニウム)スルファート等が挙げられ、好ましくはテトラブチルアンモニウムスルファートが挙げられる。
【0086】
一般式(6)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、X5が−OS(O)2O−を表し、r2が2を表す4級ホスホニウムスルファートとしては、例えば、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルファートが挙げられる。
【0087】
一般式(7)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、X5が塩素原子を表す4級アンモニウムクロリドとしては、例えば、アセチルコリンクロリド、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、ベンゾイルコリンクロリド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムクロリド、カルバミルコリンクロリド、クロロコリンクロリド、(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、コリンクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、メタコリンクロリド、β-メチルコリンクロリド、メチルトリ-n-オクチルアンモニウムクロリド、n-オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラアミルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、トリエチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニルアンモニウムクロリド、トリメチルフェニルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロリド及びトリオクチルメチルアンモニウムクロリド等が挙げられ、好ましくはベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0088】
一般式(7)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、X5が塩素原子を表す4級ホスホニウムクロリドとしては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、(4-クロロベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(2-クロロベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニル(2-クロロベンジル)ホスホニウムクロリド、(クロロメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(2,4-ジクロロベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(1-ナフチルメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロリド及びテトラフェニルホスホニウムクロリド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリドが挙げられる。
【0089】
一般式(7)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、X5が臭素原子を表す4級アンモニウムブロミドとしては、例えば、アセチルコリンブロミド、ベンゾイルコリンブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ブロモコリンブロミド、1-ブチル-1-メチルピペリジニウムブロミド、コリンブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジメチルジミリスチルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルジメチルオクチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、メタコリンブロミド、n-オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラアミルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラ(デシル)アンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-オクチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、トリメチルフェニルアンモニウムブロミド、トリメチルプロピルアンモニウムブロミド及びトリメチルステアリルアンモニウムブロミド等が挙げられ、好ましくはベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドが挙げられる。
【0090】
一般式(7)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、X5が臭素原子を表す4級ホスホニウムブロミドとしては、例えば、アミルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド、3-ブロモプロピルトリフェニルホスホニウムブロミド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、シクロプロピルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ヘプチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ヘキシルトリフェニルホスホニウムブロミド、(2-ヒドロキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、(4-ニトロベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラ-n-オクチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、トリブチルドデシルホスホニウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリブチル-n-オクチルホスホニウムブロミド、トリフェニルプロピルホスホニウムブロミド及びトリフェニル(テトラデシル)ホスホニウムブロミド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミドが挙げられる。
【0091】
一般式(7)で表される相間移動触媒において、Mが窒素原子を表し、X5がヨウ素原子を表す4級アンモニウムヨージドとしては、例えば、アセチルコリンヨージド、アセチルチオコリンヨージド、ベンゾイルコリンヨージド、ベンゾイルチオコリンヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、エチルトリメチルアンモニウムヨージド、エチルトリプロピルアンモニウムヨージド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド、(2-ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヨージド、β-メチルコリンヨージド、テトラアミルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラヘプチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラ-n-オクチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、トリエチルフェニルアンモニウムヨージド及びトリメチルフェニルアンモニウムヨージド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルアンモニウムヨージドが挙げられる。
【0092】
一般式(7)で表される相間移動触媒において、Mがリン原子を表し、X5がヨウ素原子を表す4級ホスホニウムヨージドとしては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウムヨージド、イソプロピルトリフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド、テトラフェニルホスホニウムヨージド及びトリブチルメチルホスホニウムヨージド等が挙げられ、好ましくはテトラフェニルホスホニウムヨージドが挙げられる。
【0093】
その他の四級アンモニウム塩としては、例えば、過塩素酸アセチルコリン、アミルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ベンジルトリエチルアンモニウムボロヒドリド、ジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラクロロヨウ素酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、無水ベタイン、ベタイン塩酸塩、重クロム酸ビス(テトラブチルアンモニウム)、ビス(テトラブチルアンモニウム)テトラシアノジフェノキノジメタニド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、L-カルニチン、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート、重酒石酸コリン、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメト-p-トルエンスルホナート、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、安息香酸デナトニウム、ドデシルジメチル(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、N-フルオロ-N'-(クロロメチル)トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボラート)、ヘキサデシルジメチル(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、過塩素酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル2-(トリメチルアンモニオ)エチル、(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド分子内塩、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリ-n-オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、硫酸水素メチルトリ-n-オクチルアンモニウム、メチル硫酸ネオスチグミン、オクタデシルジメチル(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、プロピオニルコリンp-トルエンスルホナート、硝酸メチルスコポラミン、テトラブチルアンモニウムアジド、テトラブチルアンモニウムスクシンイミド、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨージド、テトラブチルアンモニウムジブロモアウラート、テトラブチルアンモニウムジブロモクロリド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨージド、テトラブチルアンモニウムジクロロアウラート、テトラブチルアンモニウムジクロロブロミド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリカート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスズ、テトラブチルアンモニウム三フッ化二水素、テトラブチルアンモニウムジヨードアウラート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過レニウム酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムホスファート、テトラブチルアンモニウムp-ニトロフェノキシド、テトラブチルアンモニウムサリチラート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボラート、テトラブチルアンモニウムチオシアナート、テトラブチルアンモニウムトリブロミド、トリフルオロメタンスルホン酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムトリヨージド、テトラデシルジメチル(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、テトラエチルアンモニウムボロヒドリド、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムp-トルエンスルホナート、テトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラメチルアンモニウムボロヒドリド、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、硫酸水素テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムp-トルエンスルホナート、テトラフルオロホウ酸テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド、テトラプロピルアンモニウムペルルテナート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、トリメチルフェニルアンモニウムトリブロミド、スフィンゴミエリン、ベンゼトニウムクロリド、3-ヒドロキシ-4-(トリメチルアンモニオ)ブチラート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、(ヒドラジノカルボニルメチル)トリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ラウロイルコリンクロリド、メタクロイルコリンクロリド、(2-メトキシエトキシメチル)トリエチルアンモニウムクロリド、ホスホコリンクロリドカルシウム、ホスホコリンクロリドナトリウム、スタキドリン塩酸塩、スクシニルコリンクロリド、トリメチル[2,3-(ジオレイルオキシ)プロピル]アンモニウムクロリド、トリメチル[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、1,1'-(ブタン-1,4-ジイル)ビス[4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、デカメトニウムブロミド、1,1'-(デカン-1,10-ジイル)ビス[4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、ヘキサメトニウムブロミド、臭化メチルホマトロピン、ネオスチグミンブロミド、スコポラミンメチルブロミド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、トリメチルビニルアンモニウムブロミド、N-[2-(2-メチル-1-フェニルブチルカルボニルオキシ)エチル]ジエチルメチルアンモニウムブロミド、ブチリルコリンヨージド、ブチリルチオコリンヨージド、デカメトニウムヨージド、1,1-ジメチル-4-フェニルピペラジニウムヨージド、O-β-ナフチルオキシカルボニルコリンヨージド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヨージド及びトリメチル[2-[(トリメチルシリル)メチル]ベンジル]アンモニウムヨージド等が挙げられ、好ましくは硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムホスファートが挙げられる。
【0094】
その他の四級ホスホニウム塩としては、例えば、ジ-tert-ブチルメチルホスホニウムテトラフェニルボラート、μ-オキソ-ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム]ビス(テトラフルオロボラート)、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾラート、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロボラート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルファート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボラート、トリブチル(2-メトキシエチル)ホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフェニルボラート、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート、アセトニルトリフェニルホスホニウムクロリド、アリルトリフェニルホスホニウムクロリド、trans-2-ブテン-1,4-ビス(トリフェニルホスホニウムクロリド)、(シアノメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(ホルミルメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド、トリブチル(シアノメチル)ホスホニウムクロリド、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、アリルトリフェニルホスホニウムブロミド、(4-カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド、(3-カルボキシプロピル)トリフェニルホスホニウムブロミド、シンナミルトリフェニルホスホニウムブロミド、(3,4-ジメトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド、2-ジメチルアミノエチルトリフェニルホスホニウムブロミド、2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、4-エトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド、メトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド、フェナシルトリフェニルホスホニウムブロミド、トリブチル(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)ホスホニウムブロミド、(3-トリメチルシリル-2-プロピニル)トリフェニルホスホニウムブロミド、トリフェニルプロパルギルホスホニウムブロミド、トリフェニルビニルホスホニウムブロミド、(N-メチル-N-フェニルアミノ)トリフェニルホスホニウムヨージド及び(2-トリメチルシリルエチル)トリフェニルホスホニウムヨージド等が挙げられ、好ましくはテトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾラート及びテトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボラート、等が挙げられる。
【0095】
ピリジニウム塩としては、例えば、1-アセトニルピリジニウムクロリド、2-ベンジルオキシ-1-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート、1,1'-[ビフェニル-4,4'-ジイルビス(メチレン)]ビス(4,4'-ビピリジニウム)ビス(ヘキサフルオロホスファート)、1,1'-[ビフェニル-4,4'-ジイルビス(メチレン)]ビス(4,4'-ビピリジニウム)ジブロミド、1,1'-ビス(2,4-ジニトロフェニル)-4,4'-ビピリジニウムジクロリド、テトラフルオロホウ酸2-ブロモ-1-エチルピリジニウム、1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムクロリド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムクロリド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1-ブチルピリジニウムブロミド、1-ブチルピリジニウムクロリド、1-ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1-ブチルピリジニウムテトラフルオロボラート、4-カルバモイル-1-ヘキサデシルピリジニウムクロリド、1-(カルバモイルメチル)ピリジニウムクロリド、3-カルバミル-1-メチルピリジニウムクロリド、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド、2-クロロ-1-メチルピリジニウムp-トルエンスルホナート、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、1-(シアノメチル)ピリジニウムクロリド、シクロビス(パラクアット-1,4-フェニレン)テトラキス(ヘキサフルオロホスファート)、1,1'-ジベンジル-4,4'-ビピリジニウムジクロリド、1,1'-ジヘプチル-4,4'-ビピリジニウムジブロミド、4-ジメチルアミノ-1-ネオペンチルピリジニウムクロリド、4-(ジメチルアミノ)-1-(トリフェニルメチル)ピリジニウムクロリド、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウムジクロリド、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウムジブロミド、1-(ジメチルカルバモイル)-4-(2-スルホエチル)ピリジニウムヒドロキシド分子内塩、1,1'-ジ-n-オクチル-4,4'-ビピリジニウムジブロミド、1,1'-ジフェニル-4,4'-ビピリジニウムジクロリド、1-ドデシルピリジニウムクロリド、1-エチル-3-(ヒドロキシメチル)ピリジニウムエチルスルファート、1-エチル-4-(メトキシカルボニル)ピリジニウムヨージド、1-エチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルピリジニウムエチルスルファート、1-エチルピリジニウムブロミド、1-エチルピリジニウムクロリド、2-フルオロ-1-メチルピリジニウムp-トルエンスルホナート、1-ヘキサデシル-4-メチルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、1-メチルピリジニウム-2-アルドキシムクロリド、1-メチルピリジニウムクロリド、1-オクタデシル-4-(4-フェニル-1,3-ブタジエニル)ピリジニウムブロミド、N-オクタデシル-4-スチルバゾールブロミド、1-(10,12-ペンタコサジイニル)ピリジニウムブロミド、1-フェナシルピリジニウムブロミド、1,1'-[1,4-フェニレンビス(メチレン)]ビス(4,4'-ビピリジニウム)ビス(ヘキサフルオロホスファート)、1,1'-[1,4-フェニレンビス(メチレン)]ビス(4,4'-ビピリジニウム)ジブロミド、1-プロピルピリジニウムクロリド、ピリドスチグミンブロミド、1-(4-ピリジル)ピリジニウムクロリド塩酸塩、1-(3-スルホプロピル)ピリジニウムヒドロキシド分子内塩及び1-メチルピリジニウム-3-カルボン酸塩酸塩等が挙げられ、好ましくは1-ブチルピリジニウムブロミド、1-エチルピリジニウムクロリドが挙げられる。
【0096】
クラウンエーテルとしては、例えば、4'-アセチルベンゾ-15-クラウン-5、4'-アセチルベンゾ-18-クラウン-6、2-(アリルオキシメチル)-18-クラウン-6、4'-アミノベンゾ-15-クラウン-5、1-アザ-15-クラウン-5、1-アザ-18-クラウン-6、1-アザ-12-クラウン-4、ベンゾ-15-クラウン-5、ベンゾ-12-クラウン-4、ベンゾ-18-クラウン-6、ビス(1,4-フェニレン)-34-クラウン-10、4'-ブロモベンゾ-18-クラウン-6、4'-ブロモベンゾ-15-クラウン-5、4'-カルボキシベンゾ-15-クラウン-5、4'-カルボキシベンゾ-18-クラウン-6、15-クラウン-4[4-(2,4-ジニトロフェニルアゾ)フェノール]、18-クラウン-5[4-(2,4-ジニトロフェニルアゾ)フェノール]、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6、24-クラウン-8、4,13-ジアザ-18-クラウン-6、4,10-ジアザ-12-クラウン-4、4,10-ジアザ-15-クラウン-5、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジベンゾ-24-クラウン-8、ジベンゾ-30-クラウン-10、ジベンゾ-15-クラウン-5、ジベンゾ-21-クラウン-7、N,N'-ジベンジル-4,13-ジアザ-18-クラウン-6、ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6、4'-ホルミルベンゾ-15-クラウン-5、4'-ホルミルベンゾ-18-クラウン-6、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン六塩酸塩、4,7,13,16,21,24-ヘキサオキサ-1,10-ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、2-(ヒドロキシメチル)-12-クラウン-4、2-(ヒドロキシメチル)-15-クラウン-5、2-(ヒドロキシメチル)-18-クラウン-6、4'-メトキシカルボニルベンゾ-15-クラウン-5、4'-ニトロベンゾ-15-クラウン-5、4'-ニトロベンゾ-18-クラウン-6、N-フェニルアザ-15-クラウン-5、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四塩酸塩、1,4,8,12-テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,8,11-四酢酸テトラエチル、1,4,8,11-テトラチアシクロテトラデカン、1,5,9-トリアザシクロドデカン、1,4,7-トリアザシクロノナン、1,4,7-トリアザシクロノナン三塩酸塩、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸トリ-tert-ブチル、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-三酢酸トリ-tert-ブチル、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン及び1,4,7-トリチアシクロノナン等が挙げられ、好ましくは18−クラウン−6が挙げられる。
【0097】
相間移動触媒は、水和物の状態であっていてもよく、また固体状態でも、あるいは水、メタノール、テトラヒドロフラン又は反応に使用する溶媒に溶解させた溶液状態で使用してもよい。
【0098】
相間移動触媒の使用量は、一般式(2)で表される化合物又は一般式(4)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.0005〜0.8倍モル、特に好ましくは0.001〜0.5倍モルである。
【0099】
次に、下記反応式(1)に示す様に、一般式(2)で表される化合物から一般式(1)で表される化合物の製造方法、及び下記反応式(2)に示す様に、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから、一般式(1)で表される化合物の製造方法について、詳細に説明する。
【0100】
【化67】
【化68】
【0101】
上記反応式(2)に示す様に、最初に一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とのアルドール反応によって一般式(2)で表される化合物が反応系中で発生するが、すぐに連続して脱水反応が進行して一般式(1)で表される化合物となる。
【0102】
当製造方法において、反応は、塩基性化合物の非存在下、又は存在下で行うことが出来る。
このとき使用可能な塩基性化合物としては、水酸化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、タングステン酸塩、含窒素有機化合物、有機酸塩等が挙げられる。ここで塩とはアルカリ金属塩を意味し、該アルカリ金属としてはナトリウム又はカリウムが挙げられる。これら塩基性化合物の具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、タングステン酸ナトリウム、ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、安息香酸ナトリウム、カリウム−t−ブトキシド及びフタルイミドカリウム等が挙げられる。
なかでも好ましい塩基性化合物として、前記式(8)で表される水酸化物塩、前記式(9)で表される炭酸塩、前記式(10)で表される炭酸水素塩、前記式(11)で表される亜硫酸塩、前記式(12)で表されるリン酸水素塩、前記式(13)で表されるフタルイミド塩、そして前記式(14)で表される有機酸塩が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム、酢酸カリウムが挙げられ、さらに好ましい塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、一般式(2)で表される化合物又は一般式(4)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.0005〜0.8倍モル、特に好ましくは0.001〜0.5倍モルである。
また当製造方法において、反応は、一般式(15)で表されるフッ化物塩の存在下で行うことが出来る。
一般式(15)で表されるフッ化物塩の具体例としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化アンモニウム等が挙げられ、好ましくは、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化アンモニウムが挙げられる。
フッ化物塩の使用量は、一般式(2)で表される化合物又は一般式(4)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.0005〜0.8倍モル、特に好ましくは0.001〜0.5倍モルである。
【0103】
当製造方法において、反応は必要に応じて溶媒の存在下で行なっても良い。本発明の反応に用いることの出来る溶媒は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限は無いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン又はメシチレン等のハロゲン原子で置換されてもよい芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン又は1,2−ジクロロエタン等のハロゲン原子で置換されてもよい脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;並びに、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルスルホキシド、水、超臨界流体等が挙げられ、これらは1種単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。好ましくは、トルエン、n−ヘプタン、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、アセトニトチル、酢酸エチルが挙げられ、さらに好ましくは、トルエン、シクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。
溶媒量としては、反応系の撹拌が十分にできる量であれば良いが、一般式(2)で表される化合物又は一般式(4)で表される化合物1質量部に対して、通常0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
【0104】
反応温度は、−20℃〜反応混合物の還流温度範囲で任意の温度を設定する事ができるが、好ましくは0〜150℃と設定できる。
【0105】
また必要に応じて溶媒との共沸脱水により水を除去しながら反応を行っても良い。共沸脱水は常圧で行っても良いし、減圧下行っても良い。
【0106】
反応時間は、反応基質の濃度、反応温度によって変化するが、通常0.1〜48時間の範囲で任意に設定する事ができるが、好ましくは0.1〜24時間と設定でき、特に0.5〜10時間と設定する事が好ましい。
【0107】
本発明に係る一般式(2)で表される化合物から一般式(1)で表される化合物の製造を実施するには、例えば、反応器に一般式(2)で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表される相間移動触媒(及び所望により水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物)及びトルエンに代表される溶媒を所定量仕込み、撹拌下、通常0〜150℃で、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、特に好ましくは0.5〜10時間反応、必要に応じて共沸脱水させながら反応させればよい。
【0108】
本発明に係る一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから一般式(1)で表される化合物の製造を実施するには、例えば、反応器に一般式(3)で表されるケトン化合物、一般式(4)で表されるアセチル化合物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表される相間移動触媒(及び所望により水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物)及びトルエンに代表される溶媒を所定量仕込み、撹拌下、通常0〜150℃で、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、特に好ましくは0.5〜10時間反応、必要に応じて共沸脱水させながら反応させればよい。
【0109】
本発明で用いられる一般式(3)で表されるケトン化合物の或るものは公知化合物であり、一部は市販品として入手できる。また、それ以外のものも文献記載の既知の方法、例えばJournal of Fluorine Chemistry, 18(2), 117-29; 1981等に記載の方法に準じて容易に合成することができる。
【0110】
本発明で用いられる一般式(4)で表されるアセチル化合物のあるものは公知化合物であり、一部は市販品として入手できる。また、それ以外のものも文献記載の公知の合成方法に準じて容易に合成することができる。
【0111】
次に、下記反応式(3)に示す様に、一般式(2)で表される化合物から、一般式(5)で表される化合物をワンポットで製造する方法について詳細に説明する。
【化69】
【0112】
当製造方法において、一般式(2)で表される化合物から相間移動触媒を用いて一般式(1)で表される化合物を製造する工程は、塩基性化合物の非存在下又は存在下で行うことが出来る。このとき使用可能な塩基性化合物としては、水酸化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、タングステン酸塩、含窒素有機化合物、有機酸塩等が挙げられる。ここで塩とはアルカリ金属塩を意味し、該アルカリ金属としてはナトリウム又はカリウムが挙げられる。これら塩基性化合物の具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、タングステン酸ナトリウム、ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、安息香酸ナトリウム、カリウム−t−ブトキシド及びフタルイミドカリウム等が挙げられる。
なかでも好ましい塩基性化合物として、前記式(8)で表される水酸化物塩、前記式(9)で表される炭酸塩、前記式(10)で表される炭酸水素塩、前記式(11)で表される亜硫酸塩、前記式(12)で表されるリン酸水素塩、前記式(13)で表されるフタルイミド塩、そして前記式(14)で表される有機酸塩が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム、酢酸カリウムが挙げられ、さらに好ましい塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.0005〜0.8倍モル、特に好ましくは0.001〜0.5倍モルである。
【0113】
当製造方法において、反応は必要に応じて溶媒の存在下で行なっても良い。当製造方法において使用出来る溶媒は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限は無いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン又はメシチレン等のハロゲン原子で置換されてもよい芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン又は1,2−ジクロロエタン等のハロゲン原子で置換されてもよい脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;並びに、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルスルホキシド、水、超臨界流体等が挙げられ、これらは1種単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。好ましくは、トルエン、n−ヘプタン、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、アセトニトリル、酢酸エチルが挙げられ、さらに好ましくは、トルエン、シクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。
溶媒量としては、反応系の撹拌が十分にできる量であれば良いが、一般式(2)で表される化合物1質量部に対して、通常0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
【0114】
当製造方法において、一般式(2)で表される化合物から一般式(1)で表される化合物を製造する工程は、必要に応じて溶媒との共沸脱水により水を除去しながら行っても良い。共沸脱水は常圧で行っても良いし、減圧下にて行っても良い。
【0115】
当製造方法においては、一般式(2)で表される化合物からの反応で得られた一般式(1)で表される化合物を含む反応液にヒドロキシルアミン化合物を添加して、一般式(5)で表される化合物をワンポットで製造する。このとき使用するヒドロキシルアミン化合物は、例えば、ヒドロキシルアミンの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩又は酢酸塩のような塩でも良いし、ヒドロキシルアミン水溶液を使用しても良い。
ヒドロキシルアミン化合物の使用量は、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、通常0.5〜100倍モル、好ましくは1〜10倍モル、特に好ましくは1〜2倍モルである。
【0116】
当製造方法において、一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造する工程で、ヒドロキシルアミン化合物と併せて塩基性化合物を用いてもよい。
このとき使用可能な塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ピロリジン又は1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンが挙げられ、さらに好ましい塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンが挙げられる。
塩基性化合物を添加する場合の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜5倍モルである。
また当製造方法において、一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造する工程では、相関移動触媒を任意に添加することができ、添加する相関移動触媒としては、4級アンモニウム塩、クラウンエーテル等が挙げられ、好ましくは4級アンモニウム塩が挙げられ、4級アンモニウム塩としては、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
相関移動触媒を添加する場合の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.001〜0.8倍モルである。
【0117】
当製造方法において、反応温度は、一般式(2)で表される化合物から一般式(1)で表される化合物を製造する工程では、−20℃〜反応混合物の還流温度範囲で任意の温度を設定する事ができるが、好ましくは0〜150℃と設定できる。また、一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造する工程では、通常−70〜100℃、好ましくは−40〜50℃と設定できる。
【0118】
上記反応式(3)に示す反応、即ち一般式(2)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造するのに要する反応時間の総時間は、反応基質の濃度、反応温度によって変化するが、通常0.1〜120時間の範囲で任意に設定する事ができるが、好ましくは0.1〜72時間と設定でき、さらに好ましくは1〜48時間と設定することが出来る。
【0119】
本発明に係る一般式(2)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物をワンポットで製造する具体的手順としては、例えば、反応器に一般式(2)で表される置換4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタン−1−オン化合物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表される相間移動触媒(及び所望により水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物)及びトルエンに代表される溶媒を所定量仕込み、撹拌下、通常0〜150℃で、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、特に好ましくは0.5〜10時間反応、必要に応じて共沸脱水させながら反応させた後、通常−70〜100℃、好ましくは−40〜50℃で、別途、塩基性化合物、水及びヒドロキシルアミン化合物を混合した溶液を滴下し、通常10分〜120時間、好ましくは1〜48時間程度反応させれば良い。
【0120】
次に、反応式(4)に示す様に、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物から、一般式(5)で表される化合物をワンポットで製造する方法について詳細に説明する。
【化70】
【0121】
当製造方法において、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから相間移動触媒を用いて一般式(1)で表される化合物を製造する工程は、塩基性化合物の非存在下、又は存在下で行うことが出来る。このとき使用可能な塩基性化合物としては、水酸化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、タングステン酸塩、含窒素有機化合物、有機酸塩等が挙げられる。ここで塩とはアルカリ金属塩を意味し、該アルカリ金属としてはナトリウム又はカリウムが挙げられる。これら塩基性化合物の具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、タングステン酸ナトリウム、ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、安息香酸ナトリウム、カリウム−t−ブトキシド及びフタルイミドカリウム等が挙げられる。
なかでも好ましい塩基性化合物として、前記式(8)で表される水酸化物塩、前記式(9)で表される炭酸塩、前記式(10)で表される炭酸水素塩、前記式(11)で表される亜硫酸塩、前記式(12)で表されるリン酸水素塩、前記式(13)で表されるフタルイミド塩、そして前記式(14)で表される有機酸塩が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、フタルイミドカリウム、酢酸カリウムが挙げられ、さらに好ましい塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、一般式(4)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.0005〜0.8倍モル、特に好ましくは0.001〜0.5倍モルである。
【0122】
当製造方法において、反応は必要に応じて溶媒の存在下で行なっても良い。当製造方法において使用できる溶媒は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限は無いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン又はメシチレン等のハロゲン原子で置換されてもよい芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン又は1,2−ジクロロエタン等のハロゲン原子で置換されてもよい脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;並びに、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルスルホキシド、水、超臨界流体等が挙げられ、これらは1種単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。好ましくは、トルエン、n−ヘプタン、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、アセトニトリル、酢酸エチルが挙げられ、さらに好ましくは、トルエン、シクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。
溶媒量としては、反応系の撹拌が十分にできる量であれば良いが、一般式(4)で表される化合物1質量部に対して、通常0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
【0123】
当製造方法において、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから一般式(1)で表される化合物を製造する工程は、必要に応じて溶媒との共沸脱水により水を除去しながら行っても良い。共沸脱水は常圧で行っても良く、減圧下にて行っても良い。
【0124】
当製造方法においては、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを反応させて得られた一般式(1)で表される化合物を含む反応液にヒドロキシルアミン化合物を添加して、一般式(5)で表される化合物をワンポットで製造する。このとき使用するヒドロキシルアミン化合物は、例えば、ヒドロキシルアミンの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩又は酢酸塩のような塩でも良いし、ヒドロキシルアミン水溶液を使用しても良い。
ヒドロキシルアミン化合物の使用量は、一般式(4)で表される化合物1モルに対して、通常0.5〜100倍モル、好ましくは1〜10倍モル、特に好ましくは1〜2倍モルである。
【0125】
当製造方法において、一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造する工程で、ヒドロキシルアミン化合物と併せて塩基性化合物を用いてもよい。
このとき使用可能な塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ピロリジン又は1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンが挙げられ、さらに好ましい塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンが挙げられる。
塩基性化合物を添加する場合の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜5倍モルである。
また当製造方法において、一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造する工程では、相関移動触媒を任意に添加することができ、添加する相関移動触媒としては、4級アンモニウム塩、クラウンエーテル等が挙げられ、好ましくは4級アンモニウム塩が挙げられ、4級アンモニウム塩としては、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
相関移動触媒を添加する場合の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.001〜0.8倍モルである。
【0126】
当製造方法における反応温度は、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから一般式(1)で表される化合物を製造する工程では、−20℃〜反応混合物の還流温度範囲で任意の温度を設定する事ができるが、好ましくは0〜150℃と設定できる。また一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造する工程では、通常−70〜100℃、好ましくは−40〜50℃と設定できる。
【0127】
上記反応式(4)に示す反応、即ち一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから一般式(1)で表される化合物を製造し、続いて一般式(1)で表される化合物から一般式(5)で表される化合物を製造するのに要する反応時間の総時間は、反応基質の濃度、反応温度によって変化するが、通常0.1〜120時間の範囲で任意に設定する事ができるが、好ましくは0.1〜72時間と設定でき、さらに好ましくは1〜48時間と設定することが出来る。
【0128】
本発明に係る一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とから一般式(5)で表される化合物をワンポットで製造する具体的手順としては、例えば、反応器に一般式(3)で表されるケトン化合物、一般式(4)で表されるアセチル化合物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表される相間移動触媒及び所望により水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物及びトルエンに代表される溶媒を所定量仕込み、撹拌下、必要に応じて共沸脱水させながら反応させた後、通常−70〜100℃、好ましくは−40〜50℃で、別途、塩基性化合物、水及びヒドロキシルアミン化合物を混合した溶液を滴下し、反応させれば良い。
【0129】
また、一般式(5)で表されるイソキサゾリン化合物において、Tが一般式(16)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、Yが一般式(17)で表される置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、そしてXがフッ素原子である一般式(5−1)で表される化合物は、次のようにして合成することも出来る。なお下記一般式(1−1)で表される置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物のあるものは公知化合物である。
【化71】
【0130】
すなわち、例えば公知の一般式(1−1)[式中、A1、A2、A3、A4、A5、X1、X3及びRは前記と同じ意味を表す。]で表される化合物、塩基性化合物に代表される添加物、必要に応じてテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表される相間移動触媒、トルエンに代表される溶媒及びヒドロキシルアミン化合物を反応器に仕込み、撹拌下反応させることによって、一般式(5−1)[式中、A1、A2、A3、A4、A5、X1、X3及びRは前記と同じ意味を表す。]で表される化合物を得ることが出来る。
当製造方法において、相関移動触媒を任意に添加することができ、添加する相関移動触媒としては、4級アンモニウム塩、クラウンエーテル等が挙げられ、好ましくは4級アンモニウム塩が挙げられ、4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
相関移動触媒を添加する場合の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1倍モル、好ましくは0.001〜0.8倍モルである。
また、例えば公知の一般式(1−1)で表される化合物、トルエンに代表される溶媒、ヒドロキシルアミン化合物、及び添加物(塩基性化合物)として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン又は1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンに代表される有機塩基を反応器に仕込み、撹拌下反応させることによって、一般式(5−1)で表される化合物を得ることも出来る。
【実施例】
【0131】
以下に本発明の反応例を実施例として具体的に述べることで、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0132】
[実施例1]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
反応容器に4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミド0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL及び10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.15gを添加した。95℃まで加熱した後、同温度で2時間撹拌した。その後105℃まで昇温し、さらに3時間撹拌を継続した。室温で一晩撹拌した後、再び105℃で9時間撹拌した。反応液の一部を抜き出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分析した結果、目的物の相対面積百分率は83.0%であった。
またHPLCによる分析条件を以下に示す。
カラム:Inertsil Ph−3 150mm 4.6mmφ 3μm(ジーエルサイエンス社製)、
流速:0.5mL/min
溶離液:アセトニトリル/0.1体積%トリフルオロ酢酸水=50/50〜80/20(体積比)のグラジエント
検出:UV 220nm
【0133】
[実施例2]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミド0.95g、シクロペンチルメチルエーテル10mL及び10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.17gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌し、反応液中に固体として存在していた4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、25kPaまで減圧し、3時間加熱還流し、共沸脱水を行った。反応終了後、室温まで冷却し、1N塩酸、水の順で反応混合液を洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥・ろ別後、減圧下にて溶媒を留去した。残留物をヘキサン/酢酸エチル=〔1/3(体積比、以下同じである)〕にて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物0.87gを黄色固体として得た。
融点122.0〜122.5℃
【0134】
[実施例3]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
反応容器に4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.20g、トルエン2mL、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド0.035g、炭酸カリウム94mg及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.30gを添加し、85℃で3時間加熱した。反応液の一部を抜き出し、HPLCにて分析したところ、トルエンを削除した目的物の相対面積百分率は84.4%であった。
またHPLCのによる分析条件を以下に示す。
カラム:Inertsil Ph−3 150mm 4.6mmφ 3μm(ジーエルサイエンス社製)
流速:0.5mL/min
溶離液:アセトニトリル/0.1体積%トリフルオロ酢酸水=50/50(体積比)
検出:UV 220nm
【0135】
[実施例4〜7]
実施例3と同じ実験操作で、相間移動触媒をベンジルトリブチルアンモニウムクロリドから変更して反応を行った。使用した相間移動触媒及び目的物の相対面積百分率を下記の表1に示す。
【表1】
【0136】
[実施例8〜12]
実施例3と同じ実験操作で、溶媒をトルエンから変更して反応を行った。使用した溶媒、反応時間及び使用した溶媒を削除した目的物の相対面積百分率を下記の表2に示す。
なお表中の「DMSO」の表記は「ジメチルスルホキシド」を表す。
【表2】
【0137】
[実施例13]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
反応容器に4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.20g、シクロペンチルメチルエーテル2mL、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液2滴及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.30gを添加し、95℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、反応液の一部を抜き出し、実施例3と同じ分析条件でHPLCにて分析した結果、目的物の面積百分率は86.0%であった。この反応液に40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液1滴を追加し、105℃に昇温して、さらに2時間撹拌を継続した。撹拌終了後、反応液の一部を抜き出し、実施例1と同じ分析条件でHPLCにて分析した結果、目的物の相対面積百分率は90.0%であった。
【0138】
[実施例14]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.29g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.58gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌し、反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、30kPaまで減圧し、3時間加熱還流し共沸脱水を行った。反応液の一部を抜き出し、実施例3と同じ分析条件でHPLCにて分析した結果、目的物の相対面積百分率は98.1%であった。その反応終了後、室温まで冷却し、該反応溶液を1N塩酸、水の順で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥ろ別後、減圧下にて溶媒を留去した。得られた残留物をヘキサン/酢酸エチル=1/3にて溶出するシリカゲルクロマトグラフィで精製し、目的物0.87gを黄色固体として得た。
【0139】
[実施例15]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、40%テトラブチルホスホニウムヒドロキシド水溶液0.08g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.58gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌し、反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40gが溶解したことを確認した後、30kPaまで減圧し、3時間加熱還流し共沸脱水を行った。撹拌終了後、反応液の一部を抜き出し、実施例3と同じ分析条件でHPLCにて分析した結果、目的物の相対面積百分率は89.1%であった。
【0140】
[実施例16]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、テトラブチルアンモニウムブロミド22mg、シクロペンチルメチルエーテル10mL、0.02g/mLの水酸化ナトリウム水溶液0.135mL及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.55gを添加し、95℃に加熱した。15分撹拌した後、反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、30kPaまで減圧し、3時間還流させ共沸脱水を行った。撹拌終了後、反応液の一部を抜き出し実施例3と同じ分析条件でHPLCにて分析したところ、目的物の相対面積百分率は94.8%であった。
【0141】
[実施例17]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、18−クラウン−6 29mg、シクロペンチルメチルエーテル10mL、0.06g/mLの水酸化カリウム水溶液0.1mL及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.6gを添加し、95℃に加熱した。30分撹拌した後、反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、30kPaまで減圧し、5時間還流させ共沸脱水を行った。撹拌終了後、反応液を一部抜き出し、実施例3と同じ分析条件でHPLCにて分析した結果、目的物の相対面積百分率は94.5%であった。
【0142】
[実施例18−1]
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.29g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.58gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌した後、反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、30kPaまで減圧し、3時間還流させ共沸脱水を行った。
撹拌終了後、室温まで冷却し、400g/LのNaOH水溶液0.49mL、水0.5mL及び50質量%ヒドロキシルアミン水溶液0.30gを別途混合した溶液を添加し、24時間撹拌を継続した。撹拌終了後、反応液を一部抜き出し、HPLCを用いた内部標準分析法により反応液を分析したところ、目的物が0.80g含有することが判明した。
またHPLCを用いた内部標準分析法の分析条件を以下に示す。
カラム:Kinetics C18 100mm 3mmφ 2.6μm (フェノメネックス社製)、
流速:0.5mL/min、
溶離液:アセトニトリル/0.1体積%酢酸水=55/45(体積比)、
検出:UV 254nm、
内部標準物質:4−t−ブチルビフェニル
【0143】
[実施例18−2]
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
テトラブチルアンモニウムブロミド0.364gに水0.364g及び水酸化カリウム水溶液0.84g(85質量%水酸化カリウム1.0gを水10gに溶かしたもの)を添加し、相間移動触媒の水溶液を調製した。
別途反応容器にトルエンでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけ、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド2.00g、トルエン20.0g、上記の相間移動触媒の水溶液0.774g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノン2.80gを添加し、90℃に加熱した。同温度にて10分撹拌した後、昇温前に該反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドがトルエンに溶解したことを確認した後、反応容器内を30kPaまで減圧し、トルエンを還流させながら4時間撹拌し、共沸脱水を行った。撹拌終了後、該反応液の一部を抜き出し、HPLCにて分析したところ、トルエンに相当する面積を削除した4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの相対面積百分率は93.0%であった。
分析終了後、反応容器内の圧力を常圧に戻し、トルエン25.4gを添加し、該反応液を10℃まで冷却した。冷却後、該反応液に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン0.859g及び15質量%ヒドロキシルアミン水溶液3.73gを滴下した。滴下終了後、同温度にて2時間撹拌した。反応終了後、該反応液に酢酸エチル100mL及び1N塩酸18mLを添加し、分液操作を行い、有機層を分離した。得られた有機層の一部を抜き出し、HPLCを用いた内部標準分析法により該有機層を分析したところ、目的物を4.07g含有することが判明した。
また、HPLCによる分析条件を以下に示す。
カラム : Inertsil Ph-3、φ4.6mm、長さ50mm、粒子径3μm (ジーエルサイエンス社製)
流速 : 1.0 ml / min.
溶離液 : アセトニトリル / 0.1体積%酢酸水 = 35 / 65 〜 80 / 20(体積比)のグラジエント
検出 : UV 220nm
HPLCを用いた内分標準分析法の分析条件を以下に示す。
カラム : Inertsil Ph-3、φ4.6mm、長さ50mm、粒子径3μm (ジーエルサイエンス社製)
流速 : 1.0 ml / min.
溶離液 : アセトニトリル / 0.1体積%酢酸水 = 35 / 65 (体積比)
検出 : UV 220nm
内部標準物質 : フタル酸 ジノルマルブチルエステル
【0144】
[実施例18−3]
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
トルエンでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド2.00g、トルエン20.0g、40質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.362g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノン2.80gを添加し、95℃に加熱した。同温度にて10分撹拌した後、撹拌前に該反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドがトルエンに溶解したことを確認した後、反応容器内を30kPaまで減圧し、トルエンを還流させながら3時間撹拌し、共沸脱水を行った。撹拌終了後、該反応液の一部を抜き出し、HPLCにて分析したところ、トルエンに相当する面積を削除した4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの相対面積百分率は97.2%であった。
分析終了後、反応容器内の圧力を常圧に戻し、トルエン25.4g及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.364gを添加し、該反応液を10℃まで冷却した。冷却後、該反応液に、別途反応容器内で調製したヒドロキシルアミン塩酸塩1.18g、水2.24g及び10N水酸化ナトリウム水溶液2.26mLの混合溶液を滴下した。滴下終了後、同温度にて20時間撹拌した。反応終了後、該反応液に酢酸エチル30mL及び1N塩酸10mLを添加し、分液操作を行い、有機層を分離した。得られた有機層の一部を抜き出し、HPLCを用いた内部標準分析法により反応液を分析したところ、目的物を3.92g含有することが判明した。
また、HPLCによる分析条件を以下に示す。
カラム : Inertsil Ph-3、φ4.6mm、長さ50mm、粒子径3μm (ジーエルサイエンス社製)
流速 : 1.0 ml / min.
溶離液 : アセトニトリル / 0.1体積%酢酸水 = 35 / 65 (体積比)
検出 : UV 220nm
HPLCを用いた内分標準分析法の分析条件を以下に示す。
カラム : Inertsil Ph-3、φ4.6mm、長さ50mm、粒子径3μm (ジーエルサイエンス社製)
流速 : 1.0 ml / min.
溶離液 : アセトニトリル / 0.1体積%酢酸水 = 35 / 65 (体積比)
検出 : UV 220nm
内部標準物質 : フタル酸 ジノルマルブチルエステル
【0145】
[実施例19]
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミド0.95g、シクロペンチルメチルエーテル10mL及び10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.17gを添加し、85℃に加熱した。5分撹拌した後、反応液中に固体として存在していた4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、25kPaまで減圧し、3時間還流させ共沸脱水を行った。
撹拌終了後、20℃まで冷却し、400g/Lの水酸化ナトリウム水溶液0.49mL、水0.5mL及び50質量%ヒドロキシルアミン水溶液0.30gを別途混合した溶液を添加し、22時間撹拌を継続した。撹拌終了後、反応液を一部抜き出し、HPLCで分析した結果、目的物の相対面積百分率は95.8%であった。
またHPLCを用いた分析条件を以下に示す。
カラム:Inertsil Ph-3 50mm 4.6mmφ 3μm(ジーエルサイエンス社製)、
流速:1mL/min、
溶離液:アセトニトリル/水/酢酸=800/1200/1.2(体積比)、
検出:UV 220nm
【0146】
[実施例20]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.58g及び40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.047gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌した後、反応液中に固体として存在していた4−アセチル−2−メチル安息香酸アミドが溶解したことを確認した後、25kPaまで減圧し、2時間半還流させ共沸脱水を行った。撹拌終了後室温まで冷却し、1N塩酸、水の順で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥・ろ過した。得られた有機層を一部抜き出し、HPLCを用いた内部標準分析法により反応液を分析した結果、目的物を0.87g含有することが判明した。
またHPLCを用いた内部標準分析法の分析条件を以下に示す。
カラム:Inertsil Ph−3 50mm 4.6mmφ 3μm(ジーエルサイエンス社製)、
流速:1mL/min、
溶離液:アセトニトリル/水/酢酸=2/1/0.001(体積比)、
検出:コロナ検出器
内部標準物質:4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸
【0147】
[実施例21]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチルベンゾニトリルの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチルベンゾニトリル0.36g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.17g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.56gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌した後、25kPaまで減圧し、1.5時間加熱還流させ共沸脱水を行った。反応終了後、反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は95.9%であった。
【0148】
[実施例22]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチルベンゾニトリルの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチルベンゾニトリル0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物0.04g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.62gを添加し、75℃に加熱した。5分撹拌した後、20kPaまで減圧し、2.5時間加熱還流させ共沸脱水を行った。反応終了後、反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は95.5%であった。
【0149】
[実施例23]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチルベンゾニトリルの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチルベンゾニトリル0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、テトラブチルアンモニウムアセタート0.023g、水0.2mL及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.62gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌した後、30kPaまで減圧し、1.5時間加熱還流させ共沸脱水を行った。反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は91.2%であった。
【0150】
[実施例24]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチルベンゾニトリルの合成
シクロペンチルメチルエーテルでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチルベンゾニトリル0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL、50質量%硫酸テトラブチルアンモニウム水溶液0.17g、水0.1mL及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.62gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌した後、30kPaまで減圧し、4時間加熱還流させ共沸脱水を行った。反応終了後、反応液を実施例10と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は93.0%であった。
【0151】
[実施例25]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチルベンゾニトリルの合成
反応容器に4−アセチル−2−メチルベンゾニトリル0.20g、のシクロペンチルメチルエーテル3mL溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド0.02g、炭酸水素カリウム6mg及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.31gを添加し、95℃で5.5時間撹拌した。撹拌終了後、反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は82.8%であった。
【0152】
[実施例26〜29]
実施例23と同じ実験操作で、塩基性化合物を炭酸水素カリウムから変更して反応を行った。使用した塩基性化合物及び目的物の相対面積百分率を下記の表3に示す。
【表3】
【0153】
[実施例30]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
トルエンでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、トルエン10mL、テトラブチルアンモニウムブロミド0.022g、水0.2mLに炭酸カリウム9mgを溶解させた水溶液及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.56gを添加し、95℃に加熱した。5分撹拌した後、30kPaまで減圧し、4時間加熱還流させ共沸脱水を行った。反応終了後、反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、トルエンを削除した目的物の相対面積百分率は92.0%であった。
【0154】
[比較例1]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
トルエンでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけた反応容器に、4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.40g、トルエン10mL、水0.2mLに炭酸カリウム9mgを溶解させた水溶液及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.56gを添加し、95℃に加熱した。30分撹拌した後、30kPaまで減圧し、4時間加熱還流させ共沸脱水を行った。反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、トルエンを削除した目的物の相対面積百分率は21.0%であった。
【0155】
[参考例1]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成
反応容器に4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミド0.40g、のシクロペンチルメチルエーテル10mL溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド0.015g及びタングステン酸ナトリウム二水和物0.016gを添加し、95℃で2時間撹拌した。撹拌終了後、反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は17.5%であった。
【0156】
[実施例31]
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイルメチル]安息香酸アミドの合成
工程1:4−アセチル−2−メチル−N−[N−(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイルメチル]安息香酸アミドの合成
国際公開第2009/001942号パンフレットに記載の方法に準じて合成した4−アセチル−2−メチル安息香酸5.00g及びトリエチルアミン0.06gのトルエン50mL溶液を80℃に加熱し、塩化チオニル4.00gをゆっくり滴下した。滴下終了後、同温度にて1時間撹拌した後、トルエンを30mL留去し、4−アセチル−2−メチル安息香酸クロリドのトルエン溶液を得た。
別途反応容器に26.3質量%の2−アミノ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド水溶液18.32g、トリエチルアミン3.70g及び酢酸エチル30mLの溶液を調製した。該反応液を10℃に冷却し、上記工程で得られた4−アセチル−2−メチル安息香酸クロリドのトルエン溶液を全量滴下し、室温にて2時間撹拌した。反応完了後、水30mLを滴下し、分液した後に得られた有機層を、1N塩酸50mL、水50mLの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて脱水・乾燥、減圧にて溶媒を留去した。得られた残留物にトルエン40mL及び酢酸エチル8mLを添加し、該溶液中に生じた結晶を濾別し、黄色固体5.77gを得た。得られた固体をクロロホルム50mLに懸濁させ、1時間撹拌した後に、減圧下にて濾過し、得られた固体を乾燥することにより、目的物2.94gを淡黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, DMSO-d6, Me4Si, 300MHz) δ 8.08 (br, 1H), 7.75-7.85 (m, 2H), 7.51 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.43 (br, 1H), 4.16 (d, J = 5.4Hz, 2H), 3.85-3.97 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.50 (s, 3H) 。
融点127.5〜130.0℃
【0157】
工程2:4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイルメチル]安息香酸アミドの合成
テトラブチルアンモニウムブロミド0.50gに85質量%水酸化カリウム0.10g及び水2.5mLを添加し、相間移動触媒の水溶液を調製した。
別途反応容器にトルエンでトラップ部分を満たしたディーン・スターク装置をつけ、上記工程1で合成した4−アセチル−2−メチル−N−[N−(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイルメチル]安息香酸アミド1.00gのトルエン6mL溶液を70〜75℃に加熱し、該反応液に上記の相間移動触媒の水溶液0.31g、次いで3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノン0.78gを滴下した。滴下終了後、加熱還流下にて共沸脱水を行い、加熱還流開始から、3時間後、5時間後及び6時間後に上記の触媒水溶液0.31g、0.62g及び0.62gをそれぞれ滴下し、9時間後に加熱を停止した。反応液の一部を抜き出し、HPLCにて分析したところ、トルエンに相当する面積を削除した4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル−N−[N−(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイルメチル]安息香酸アミドの相対面積百分率は73.3%であった。
分析終了後、該反応液を放冷した後にトルエン6mLを添加し、5℃まで冷却し、該反応液に、別途反応容器に調製したテトラブチルアンモニウムブロミド0.11g、ヒドロキシルアミン塩酸塩0、34g及び水0.84mLの水溶液を滴下し、続いて水酸化ナトリウム0.44g及び水1mLの水溶液を滴下した。滴下終了後、室温にて14時間撹拌した。反応終了後、該反応液に酢酸エチル15mLを添加し、分液操作を行い、有機層を分離した。得られた有機層を1N塩酸10mLにて2回、水10mLにて1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて脱水・乾燥、減圧下にて溶媒を留去した。得られた残留物をn−ヘキサン:酢酸エチル[1:2(体積比)]にて溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した後、トルエン5mL及び酢酸エチル1mLの混合溶媒にて結晶化することにより、目的物0.66gを淡黄色固体として得た。
HPLCによる分析条件を以下に示す。
カラム:Inertsil ODS-SP、φ4.6mm、長さ150mm、粒子径3μm (シ゛ーエルサイエンス社製)
流速:1.0 ml / min.
溶離液:アセトニトリル / 水 / 酢酸 = 600 / 400 / 1 (体積比)
検出:UV 220nm
【0158】
[合成例1]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチル安息香酸アミドの合成(WO2009/001942号パンフレット記載の方法)
4−アセチル−2−メチル安息香酸アミド0.35g、及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノン0.49g、のトルエン1.72g溶液に、トリ−n−ブチルアミン0.19gを仕込み添加し、60℃にて25時間撹拌した。室温まで放冷し、スラリーとなっている反応液を減圧下濾過し、得られた固体を少量のトルエンで洗浄した。減圧下乾燥し、淡黄色固体として4−(3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル)−2−メチル安息香酸アミド0.65gを得た。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si, 400MHz) δ 7.74-7.81 (m, 2H), 7.56 (d, J = 8.6Hz, 1H), 7.47-7.51 (m, 2H), 7.36 (t, J = 1.8Hz, 1H), 5.93 (br s, 1H), 5.79 (br s, 1H), 5.68 (br s, 1H), 3.84 (d, J = 17.4Hz, 1H), 3.68 (d, J = 17.6Hz, 1H), 2.57 (s, 3H) 。
融点 152−154℃
【0159】
[合成例2]
4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]−2−メチルベンゾニトリルの合成
反応容器に4−アセチル−2−メチルベンゾニトリル0.40g、シクロペンチルメチルエーテル10mL及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノン0.62gを添加し、0℃に冷却し、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド0.19gを反応液が5℃を超えない速度で滴下した。0℃で1時間撹拌した後、室温に昇温し、同温度で2日間撹拌を継続した。撹拌終了後、反応液を実施例1と同じ分析条件で分析した結果、目的物の相対面積百分率は60.0%であった。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明の製造方法は、医農薬あるいは電子材料等の機能性材料として、又はその製造中間体として有用な置換4,4−ジフルオロ−2−ブテン−1−オン化合物及び置換イソキサゾリン化合物の製造方法として有用である。