特許第6033497号(P6033497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033497π拡張型ナフタレンジイミドの製造および前記ジイミドの半導体としての使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033497
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】π拡張型ナフタレンジイミドの製造および前記ジイミドの半導体としての使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/22 20060101AFI20161121BHJP
   H01L 51/05 20060101ALI20161121BHJP
   H01L 51/30 20060101ALI20161121BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20161121BHJP
   C07D 491/22 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   C07D471/22CSP
   H01L29/28 100A
   H01L29/28 250H
   H01L29/78 618B
   C07D491/22
【請求項の数】7
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-509578(P2016-509578)
(86)(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公表番号】特表2016-520042(P2016-520042A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】IB2014060902
(87)【国際公開番号】WO2014174435
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2015年12月21日
(31)【優先権主張番号】13165368.5
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ゲースナー
(72)【発明者】
【氏名】サビン−ルシアン スラル
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヴュアトナー
【審査官】 安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/024409(WO,A1)
【文献】 特表2013−508311(JP,A)
【文献】 特開2012−231131(JP,A)
【文献】 特開2013−045811(JP,A)
【文献】 SURARU, SABIN-LUCIAN; ET AL,Diindole-Annulated Naphthalene Diimides: Synthesis and Optical and Electronic Properties of Syn- and Anti-Isomers,Journal of Organic Chemistry,2014年,79(1),128-139,Published: November 26, 2013
【文献】 SURARU, SABIN-LUCIAN; ET AL,A core-extended naphthalene diimide as a p-channel semiconductor,Chemical Communications (Cambridge, United Kingdom),2011年,47(41),11504-11506
【文献】 HU, Y.; ET AL,Core-Expanded Naphthalene Diimides Fused with Sulfur Heterocycles and End-Capped with Electron-Withdrawing Groups for Air-Stable Solution-Processed n-Channel Organic Thin Film Transistors,Chemistry of Materials,2011年,23(5),1204-1215
【文献】 GAO, J.; ET AL,Synthesis and Properties of Naphthobisbenzothiophene Diimides,Organic Letters,2013年 2月28日,15(6),1366-1369
【文献】 CHEN, X.; ET AL,Dithiazole-fused naphthalene diimides toward new n-type semiconductors,Journal of Materials Chemistry C: Materials for Optical and Electronic Devices,2013年 2月14日,1(6),1087-1092
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/22
C07D 491/22
H01L 29/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】
[式中、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリールまたは5員ないし14員の複素環式の系Aであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリールまたは5員ないし14員の複素環式の系Aであり、かつ
3、R4、R5、R6、R9、R10、R11およびR12は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリール、5員ないし14員の複素環式の系A、ハロゲン、NR1415、OH、OR16、SH、SR17、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)−R18、COOH、−C(O)−NR1920、−SO2−OH、−SO2−NH2または−SO2−R21であり、その際、
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリールまたは5員ないし14員の複素環式の系Aであり、
または
3およびR4
5およびR6
9およびR10、もしくは
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、C5〜C14員の環系または5員ないし14員の複素環式の系Bを形成し、その際、
1〜C30−アルキルは、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ハロゲン、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
3〜C8−シクロアルキルは、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキルおよびフェニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
6〜C14−アリール、C5〜C14員の環系、5員ないし14員の複素環式の系Aおよび5員ないし14員の複素環式の系Bは、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ハロゲン、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、その際、
1〜C10−アルキルは、1つ以上のハロゲンで置換されていてよく、
22、R23およびR24は、互いに独立して、C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、かつ
nは、1〜15である]の化合物。
【請求項2】
式中、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、HまたはC1〜C30−アルキルであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4
5およびR6
9およびR10、もしくは
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、C5〜C14員の環系または5員ないし14員の複素環式の系Bを形成し、その際、
1〜C30−アルキルは、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ハロゲン、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
6〜C14−アリール、C5〜C14員の環系および5員ないし14員の複素環式の系Bは、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ハロゲン、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、その際、
1〜C10−アルキルは、1つ以上のハロゲンで置換されていてよく、
22、R23およびR24は、互いに独立して、C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、かつ
nは、1〜15である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、Hであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4
5およびR6
9およびR10、もしくは
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、C5〜C14員の環系を形成し、その際、
1〜C20−アルキルは、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ハロゲン、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
6〜C14−アリールおよびC5〜C14員の環系は、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ハロゲン、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、その際、
1〜C10−アルキルは、1つ以上のハロゲンで置換されていてよく、
22、R23およびR24は、互いに独立して、C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、かつ
nは、1〜15である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、Hであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4
5およびR6
9およびR10、または
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、
【化2】
(式中、星印のある炭素原子は、R3およびR4、R5およびR6、R9およびR10、またはR11およびR12が結合される炭素原子である)からなる群から選択されるC5〜C14員の環系を形成し、その際、
【化3】
からなる群から選択される、C6〜C14−アリールおよびC5〜C14員の環系は、1つ以上のハロゲンで置換されていてよいC1〜C10−アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい、請求項1から3までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の化合物を含む、電子デバイス。
【請求項6】
前記電子デバイスは、有機電界効果トランジスタである、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の化合物の半導体材料としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア拡張型(core-extended)ナフタレンジイミド誘導体、および前記コア拡張型ナフタレンジイミド誘導体を半導体材料として含む電子デバイスに関する。
【0002】
ナフタレンジイミドは、汎用的な部類の発色団である。また、ナフタレンジイミドは、有機電界効果トランジスタ、有機発光デバイス、光起電性デバイス、例えば色素増感型太陽電池(DSC)およびゼログラフィーなどの用途においてますます関心が持たれている。
【0003】
ナフタレンジイミドの特性を、大元のナフタレンジイミドコアの2位、3位、6位および7位での官能化によって改変することが知られている。しかしながら、ナフタレンジイミドの側方へのコア拡張は、最近になって実証されてきたにすぎない。
【0004】
Suraru, S.-L.、Zhieschang, U.、Klauk, H.、Wuerthner, F.によるChem. Commun. 2011, 47, 11504〜11506は、以下のコア拡張型ナフタレンジイミドおよび該ナフタレンジイミドの薄膜型トランジスタにおけるpチャネル型半導体としての使用を記載している:
【化1】
【0005】
Hu, Y.、Gao, X.、Di, C.、Yang, X.、Zhang, F.、Liu, Y.、Li, H.およびZhu, D.によるChem. Mater. 2011, 23, 1204〜1215は、硫黄複素環と縮合された以下のコア拡張型ナフタレンジイミドおよび前記ナフタレンジイミドの薄膜型トランジスタにおけるnチャネル型半導体としての使用を記載している:
【化2】
【0006】
Doria, F.、Di Antonio, M.、Benotti, M.、Verga, D.、Freccero, M.によるJ. Org. Chem. 2009, 74, 8616〜8625は、以下のナフタレンジイミド誘導体を記載している:
【化3】
【0007】
Langhals, H.、Kinzel, S.によるJ. Org. Chem. 2010, 75, 7781〜7784は、ナフタレンジイミド誘導体を記載している:
【化4】
【0008】
Zhou, C.、Li, Y.、Zhao, Y.、Zhang, J.、Yang, W.、Li, Y.によるOrg. Lett. 2011, 13, 292〜295は、以下のコア置換型ナフタレンジイミド化合物を記載している:
【化5】
【0009】
Chen, X.、Guo, Y.、Tan, L.、Yang, G.、Li, Y.、Zhang, G.、Liu, Z.、Xu, W.、Zhang, D.によるJ. Mat. Chem. C, 2013, 1, 1087〜1092は、以下の化合物および前記化合物の有機電界効果トランジスタにおけるnチャネル型半導体としての使用を記載している:
【化6】
【0010】
本発明の課題は、コア置換型のナフタレンジイミド誘導体を提供することであった。
【0011】
前記課題は、請求項1に記載の化合物および請求項5に記載のデバイスによって解決される。
【0012】
本発明の化合物は、式
【化7】
[式中、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリールまたは5員ないし14員の複素環式の系Aであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリールまたは5員ないし14員の複素環式の系Aであり、かつ
3、R4、R5、R6、R9、R10、R11およびR12は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリール、5員ないし14員の複素環式の系A、ハロゲン、NR1415、OH、OR16、SH、SR17、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)−R18、COOH、−C(O)−NR1920、−SO2−OH、−SO2−NH2または−SO2−R21であり、その際、
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C14−アリールまたは5員ないし14員の複素環式の系Aであり、
または
3およびR4
5およびR6
9およびR10、もしくは
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、C5〜C14員の環系または5員ないし14員の複素環式の系Bを形成し、その際、
1〜C30−アルキルは、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ハロゲン、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
3〜C8−シクロアルキルは、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキルおよびフェニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
6〜C14−アリール、C5〜C14員の環系、5員ないし14員の複素環式の系Aおよび5員ないし14員の複素環式の系Bは、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ハロゲン、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、その際、
1〜C10−アルキルは、1つ以上のハロゲンで置換されていてよく、
22、R23およびR24は、互いに独立して、C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、かつ
nは、1〜15である]の化合物である。
【0013】
1〜C10−アルキル、C1〜C30−アルキルおよびC1〜C20−アルキルは、分枝鎖状または非分枝鎖状であってよい。C1〜C10−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−(1−エチル)プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−(2−エチル)ヘキシル、n−ノニルおよびn−デシルである。C1〜C20−アルキルの例は、C1〜C10−アルキルおよびn−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシルおよびn−イコシル(C20)である。C1〜C30−アルキルの例は、C1〜C20−アルキルおよびn−(2−オクチル)ドデシル、n−ドコシル(C22)、n−テトラコシル(C24)、n−(2−デシル)テトラデシル、n−ヘキサコシル(C26)、n−オクタコシル(C28)およびn−トリアコンチル(C30)である。
【0014】
3〜C8−シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルである。
【0015】
5員ないし14員の複素環式の系Aは、飽和の5員ないし14員の複素環式の系Aまたは芳香族の5員ないし14員の複素環式の系Aを含む不飽和の5員ないし14員の複素環式の系Aであってよい。5員ないし14員の複素環式の系Aは、1つ以上のヘテロ原子を含む。ヘテロ原子は、好ましくはN、Oおよび/またはSである。5員ないし14員の複素環式の系Aは、単環式または多環式、例えば二環式であってよい。
【0016】
5員ないし8員の飽和の複素環式の系Aの例は、
【化8】
である。
【0017】
不飽和の5員ないし14員の複素環式の系Aの例は、
【化9】
ならびに芳香族の5員ないし14員の複素環式の系A、例えば
【化10】
である。
【0018】
6〜C14−アリールの例は、フェニルおよびナフチルである。
【0019】
ハロゲンの例は、F、Cl、BrおよびIである。
【0020】
5〜C14員の環系は、単環式または多環式、例えば二環式であってよい。
【0021】
5〜C14員の環系の例は、
【化11】
[式中、星印のある炭素原子は、R3およびR4、R5およびR6、R9およびR10またはR11およびR12が結合される炭素原子である]である。
【0022】
5員ないし14員の複素環式の系Bは、単環式または多環式、例えば二環式であってよい。5員ないし14員の複素環式の系Bは、1つ以上のヘテロ原子を含む。ヘテロ原子は、好ましくはN、Oおよび/またはSである。5員ないし14員の複素環式の系Bは、
【化12】
[式中、星印のある炭素原子は、R3およびR4、R5およびR6、R9およびR10またはR11およびR12が結合される炭素原子である]である。
【0023】
1〜C6−アルキレンの例は、メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンである。
【0024】
式(1)または(2)の好ましい化合物において、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、HまたはC1〜C30−アルキルであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、H、C1〜C30−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4
5およびR6
9およびR10、もしくは
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、C5〜C14員の環系または5員ないし14員の複素環式の系Bを形成し、その際、
1〜C30−アルキルは、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ハロゲン、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
6〜C14−アリール、C5〜C14員の環系および5員ないし14員の複素環式の系Bは、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ハロゲン、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、その際、
1〜C10−アルキルは、1つ以上のハロゲンで置換されていてよく、
22、R23およびR24は、互いに独立して、C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、かつ
nは、1〜15である。
【0025】
式(1)または(2)のより好ましい化合物において、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、Hであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4
5およびR6
9およびR10、もしくは
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、C5〜C14員の環系を形成し、その際、
1〜C20−アルキルは、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ハロゲン、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、
6〜C14−アリールおよびC5〜C14員の環系は、C1〜C10−アルキル、−O−C1〜C10−アルキル、−[−O−C1〜C6−アルキレン−]n−O−C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ハロゲン、CN、NO2、−S−CN、−C(O)−H、−C(O)O−R22、−O−C(O)−R23およびC(O)−R24からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、その際、
1〜C10−アルキルは、1つ以上のハロゲンで置換されていてよく、
22、R23およびR24は、互いに独立して、C1〜C10−アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、かつ
nは、1〜15である。
【0026】
式(1)または(2)の最も好ましい化合物においては、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、Hであり、
1、R2、R7およびR8は、互いに独立して、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4
5およびR6
9およびR10、または
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、
【化13】
(式中、星印のある炭素原子は、R3およびR4、R5およびR6、R9およびR10、またはR11およびR12が結合される炭素原子である)からなる群から選択されるC5〜C14員の環系を形成し、その際、
【化14】
からなる群から選択される、C6〜C14−アリールおよびC5〜C14員の環系は、1つ以上のハロゲンで置換されていてよいC1〜C10−アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。
【0027】
式(1)の特に好ましい化合物は、式
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
の化合物である。
【0030】
式(2)の特に好ましい化合物は、式
【化18】
の化合物である。
【0031】
式(1)および(2)の化合物は、当該技術分野で公知の方法によって製造することができる。
【0032】
例えば、式(1)
【化19】
[式中、
Xは、OまたはNR13であり、その際、
13は、Hであり、
1およびR2は、互いに独立して、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
3およびR4、または
5およびR6は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、
【化20】
(式中、星印のある炭素原子は、R3およびR4またはR5およびR6が結合される炭素原子である)からなる群から選択されるC5〜C14員の環系を形成し、その際、
【化21】
からなる群から選択されるC6〜C14−アリールおよびC5〜C14員の環系は、1つ以上のハロゲンで置換されていてよい1つ以上のC1〜C10−アルキルで、またはハロゲンで置換されていてよい]の化合物は、
(i)式
【化22】
[式中、R1およびR2は、式(1)について示された通りであり、かつHalは、ハロゲンである]の化合物と、
【化23】
とを反応させて、式
【化24】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、式(1)について示された通りであり、かつHalは、ハロゲンである]の化合物を得るステップと、
(ii)第一のステップで得られた式(3)の化合物と金属触媒Aとを反応させて、式(1)の化合物を得るステップと、
によって製造することができる。
【0033】
式(1)の化合物の製造方法の第一のステップは、通常は、適切な有機溶剤、例えばクロロホルム中で実施される。該方法の第一のステップは、通常は、高められた温度で、例えば40〜100℃の温度で、好ましくは50〜80℃の温度で行われる。
【0034】
式(1)の化合物の製造方法の第二のステップの金属触媒Aは、通常は、遷移金属触媒である。好ましくは、前記触媒は、Pd触媒、例えばPd(OAc)2である。該方法の第二のステップの金属触媒は、通常は、塩基および好適な溶剤の存在下で使用される。前記溶剤は、適切な有機溶剤、例えばDMFであってよい。前記塩基は、好適な塩基、例えばK2CO3であってよい。該方法の第二のステップは、通常は、高められた温度で、例えば50〜200℃の温度で、好ましくは80〜120℃の温度で行われる。
【0035】
式(4)の化合物の製造は、WO 2007/074137またはX. Gao他によるOrg. Lett. 2007, 9, 3917〜3920に記載されている。
【0036】
例えば、式(2)
【化25】
[式中、
7およびR8は、互いに独立して、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C14−アリールであり、かつ
9およびR10、または
11およびR12は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、
【化26】
(式中、星印のある炭素原子は、R9およびR10またはR11およびR12が結合される炭素原子である)からなる群から選択されるC5〜C14員の環系を形成し、その際、
【化27】
からなる群から選択されるC6〜C14−アリールおよびC5〜C14員の環系は、1つ以上のC1〜C10−アルキルで置換されていてよい]の化合物は、式
【化28】
[式中、R7およびR8は、式(1)について示された通りであり、かつHalは、ハロゲンである]の化合物と、
金属触媒Bおよび式
【化29】
[式中、Halは、ハロゲンである]とを反応させて、式(2)の化合物を得ることによって製造することができる。
【0037】
式(2)の化合物の製造方法の第二のステップの金属触媒Bは、通常は、遷移金属触媒である。好ましくは、前記触媒は、Pd触媒、例えばPd(OAc)2である。該方法の第二のステップの金属触媒は、通常は、塩基および好適な溶剤の存在下で使用される。前記溶剤は、適切な有機溶剤、例えばDMFであってよい。前記塩基は、好適な塩基、例えばK2CO3であってよい。該方法の第二のステップは、通常は、高められた温度で、例えば50〜200℃の温度で、好ましくは100〜160℃の温度で行われる。
【0038】
式(5)の化合物の製造は、Chopin, S.、Chaignon, F. C.、Blart, E.、Odobel, F.によるJ. Mater. Chem. 2007, 17, 4139〜4146に記載されている。
【0039】
本発明の化合物を半導体材料として含む電子デバイスも本発明の一部である。
【0040】
電子デバイスは、任意の電子デバイス、例えば有機光起電性(OPV)セル、有機電界効果トランジスタ(OFET)または有機発光ダイオード(OLED)であってよい。好ましくは、前記電子デバイスは、有機電界効果トランジスタである。
【0041】
通常は、有機電界効果トランジスタは、誘電性層、半導体層および基板を含む。更に、有機電界効果トランジスタは、通常は、ゲート電極およびソース/ドレイン電極を含む。
【0042】
有機電界効果トランジスタは、様々なデザイン、例えばボトム−ゲート型デザインまたはトップ−ゲート型デザインを有しうる。
【0043】
基板は、任意の適切な基板、例えば非ドープの、または高ドープのシリコン、例えばシリコンウェハ(waver)もしくはガラスの形で、またはプラスチック基板、例えばポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)であってよい。
【0044】
誘電性層は、誘電性材料を含む。誘電性材料は、任意の適切な材料、例えば酸化アルミニウム、酸化アルミニウムとC1429PO(OH)2[TDPA]もしくはC7151122PO(OH)2[FODPA]などのホスホン酸の自己組織化単分子層(SAM)と組み合わせたもの、二酸化ケイ素、または有機ポリマー、例えばポリスチレン(PS)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(4−ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ベンゾシクロブテン(BCB)もしくはポリイミド(PI)、またはこれらの材料の組み合わせであってよい。誘電性層は、5〜2000nmの、好ましくは5〜500nmの、より好ましくは5〜100nmの厚さを有してよい。
【0045】
半導体層は、1種以上の本発明の化合物を含む。半導体層は、5〜500nmの、好ましくは10〜100nmの、より好ましくは20〜50nmの厚さを有してよい。
【0046】
ソース/ドレイン電極は、任意の適切なソース/ドレイン材料、例えば銀(Ag)、金(Au)またはタンタル(Ta)から製造されうる。ソース/ドレイン電極は、1〜100nmの、好ましくは5〜50nmの厚さを有してよい。
【0047】
ゲート電極は、任意の適切なゲート材料、例えば高ドープのシリコン、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、酸化インジウムスズ、銀(Ag)、金(Au)もしくはタンタル(Ta)、またはこれらの材料の組み合わせから製造されうる。ゲート電極は、1〜200nmの、好ましくは5〜100nmの厚さを有してよい。
【0048】
電界効果トランジスタは、当該技術分野で公知の方法によって製造することができる。
【0049】
例えば、ボトム−ゲート型有機電界効果トランジスタは、以下のように製造することができる。アルミニウムを高ドープのシリコンウェハ上に熱蒸発によって堆積し、引き続きアルミニウムの酸化により酸化アルミニウムとし、そして該酸化アルミニウム表面をホスホン酸で処理することで、該酸化アルミニウム表面上にホスホン酸の自己組織化単分子層(SAM層)を形成することができる。半導体材料は、前記SAM層上に熱昇華によって堆積させることができる。ソース電極およびドレイン電極は、シャドウマスクを通した金の蒸発によって形成できる。高ドープのシリコンウェハの裏側を、ゲート電極としてはたらくように銀インキで被覆することができる。
【0050】
例えば、ボトム−ゲート型有機電界効果トランジスタは、以下のように製造することができる。酸化アルミニウムを、原子層堆積により熱的成長された二酸化ケイ素層を有する高ドープのシリコンウェハ上に堆積し、引き続き該酸化アルミニウム表面をホスホン酸で処理することで、該酸化アルミニウム表面上にホスホン酸の自己組織化単分子層(SAM層)を形成することができる。半導体材料は、前記SAM層上に熱昇華によって堆積させることができる。ソース電極およびドレイン電極は、シャドウマスクを通した金の蒸発によって形成できる。高ドープのシリコンウェハの裏側を、ゲート電極としてはたらくように銀インキで被覆することができる。
【0051】
本発明の化合物の半導体材料としての使用も本発明の一部である。
【0052】
本発明の化合物は、周囲条件下で、特に酸化に対する高い安定性を示す。本発明の化合物を半導体材料として含む有機デバイス、特に有機電界効果トランジスタは、高い電荷担体移動度および高いオン/オフ比を示す。
【0053】
実施例
例1
化合物1aの製造
【化30】
【0054】
化合物4aの製造
化合物4aは、WO2007/074137の例9に記載されるように製造される。
【0055】
化合物3aの製造
アニリン(1.8mL)を、化合物4a(149mg、0.146ミリモル)のクロロホルム(50mL)中の溶液に添加する。該溶液を、還流下で40分にわたり加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残分をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1:1)によって精製する。紫色の固体が得られる(162mg、82%)。
【0056】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): 11.84 (s, 2H, NH) 7.53-7.47 (m, 2H), 7.37-7.31 (m, 8H), 7.16 (t, 3J = 7.6 Hz, 2H), 7.07 (d, 3J = 7.6 Hz, 4H), 2.77 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 2H), 2.65 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 2H), 1.18 (d, 3J = 6.8 Hz, 12H), 1.11 (d, 3J = 6.8 Hz, 12H).
13C NMR (100 MHz, CD2Cl2): 165.3, 161.7, 151.6, 146.3, 146.1, 141.9, 131.3, 131.0, 130.2, 129.5, 128.5, 125.1, 124.64, 124.56, 122.1, 119.8, 119.0, 108.3, 29.8, 29.6, 24.1, 24.0.
MS (MALDI, ネガティブモード): 実測値: 926.2 [M-]。
【0057】
化合物1aの製造
乾燥DMF(5mL)を、化合物3a(76.2mg、0.0822ミリモル)、K2CO3(22.8mg、0.165ミリモル)およびPd(OAc)2(5.4mg、26マイクロモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を100℃で60分にわたり撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後に、溶剤を真空中で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1/1)によって精製することで、暗赤色の固体(20.8mg、33%)が得られる。
【0058】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): δ = 11.4 (s, 2H), 9.57 (dd, 3J = 8.16 Hz, 4J = 0.76 Hz, 2H), 7.73 - 7.66 (m, 4H), 7.66 - 7.57 (m, 2H), 7.49 (d, 3J = 7.6 Hz, 2H), 7.46 (d, 3J = 7.6 Hz, 2H), 7.41 - 7.37 (m, 2H), 2.98 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 2H), 2.87 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 2H), 1.22 (d, 3J = 6.8 Hz, 12H), 1.20 (d, 3J = 6.8 Hz, 12H).
13C NMR (100 MHz, CD2Cl2): δ = 166.0, 164.9, 146.71, 146.66, 144.5, 144.1, 132.0, 131.0, 130.9, 130.20, 130.15, 130.0, 128.8, 125.8, 124.8, 124.6, 122.5, 122.1, 121.6, 118.8, 111.8, 103.3, 29.8, 29.7, 24.2, 24.1.
HRMS (ESI, アセトニトリル/CHCl3 1:1, ポジティブモード): C50H45N4O4についての計算値765.3435、実測値765.3437。
【0059】
例2
化合物2aの製造:
【化31】
【0060】
DMF(15mL)を、Chopin, S.、Chaignon, F. C.、Blart, E.、Odobel, F.によるJ. Mater. Chem. 2007, 17, 4139〜4146に記載されるように製造された化合物5a(200mg、0.268ミリモル)、2−ブロモフェノール(0.08mL、0.75ミリモル)、Pd(OAc)2(18.0mg、80.6マイクロモル)およびK2CO3(74.0mg、0.537ミリモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を、アルゴン下で3時間にわたり加熱還流させる。溶剤を減圧下で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 2/1)によって精製する。得られた第一のフラクションをクロロホルム中に懸濁し、加熱還流させ、そして室温に冷やした後に濾過する。こうして得られた残留物は淡黄色の固体である(73.0mg、35%)。
【0061】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): δ = 9.53 (ddd, 3J = 8.3 Hz, 4J = 1.4 Hz, 5J = 0.6 Hz, 2H), 7.81 (ddd, 3J = 8.5 Hz, 4J = 1.2 Hz, 5J = 0.6 Hz, 2H), 7.84 - 7.79 (m, 2H), 7.61 (t, 3J = 7.7 Hz, 2H), 7.56 - 7.50 (m, 2H), 7.46 (d, 3J = 7.7 Hz, 4H), 2.89 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 4H), 1.22 (d, 3J = 6.84 Hz, 12H), 1.19 (d, 3J = 6.84 Hz, 12H).
MS (MALDI, ポジティブモード): 766.3 [M+]。
【0062】
例3
化合物1bの製造
【化32】
【0063】
例1に記載されるように製造された化合物1a(53.5mg、69.9マイクロモル)、N−クロロスクシンイミド(40.0mg、0.300ミリモル)、クロロホルム(8mL)およびアセトニトリル(10mL)の混合物を加熱還流させる。3日後に、追加のN−クロロスクシンイミド(120mg、0.90ミリモル)を反応混合物に添加する。更に8時間後に、溶剤を減圧下で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィーおよびHPLC(ジクロロメタン/ペンタン 1/1)によって精製することで、暗赤色の固体として化合物1bが得られる(25mg、40%)。
【0064】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2) δ = 11.55 (s, 2H), 9.55 (dd, 4J = 1.8 Hz, 5J = 0.5 Hz, 2H), 7.75 (4J = 1.8 Hz, 2H), 7.65 (t, 3J = 7.5 Hz, 1H), 7.61 (t, 3J = 7.5 Hz, 1H), 7.55 - 7.42 (m, 4H), 2.91 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 2H), 2.84 (七重線, 3J = 6.8 Hz, 2H), 1.22 (t, 3J = 6.8 Hz, 2H), 1.21 (t, 3J = 6.8 Hz, 2H).
HRMS (ESI, ポジティブ, アセトニトリル/CHCl3 1:1): C50H41Cl4N4O4についての計算値901.1877、実測値901.1881。
【0065】
例4
化合物1cの製造
【化33】
【0066】
化合物4bの製造
化合物4bは、X. Gao他によるOrg. Lett. 2007, 9, 3917〜3920に記載されるように製造される。
【0067】
化合物3bの製造
アニリン(1.8mL)を、化合物4b(170mg、0.211ミリモル)のクロロホルム(50mL)中の溶液に添加する。該溶液を、還流下で2時間にわたり加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1:1)によって精製する。紫色の固体が得られる(153mg、87%)。
【0068】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): 11.88 (s, 2H, NH) 7.40 - 7.30 (m, 4H), 7.20 - 7.12 (m, 2H), 7.08 - 7.00 (m, 4H), 4.19 (t, 3J = 7.7 Hz, 2H), 4.12 (t, 3J = 7.7 Hz, 2H), 1.79 - 1.64 (m, 4H), 1.47 - 1.20 (m, 20H), 0.93 - 0.80 (m, 6H)。
【0069】
化合物1cの製造
乾燥DMF(10mL)を、化合物3b(153mg、0.184ミリモル)、K2CO3(102mg、0.738ミリモル)およびPd(OAc)2(14mg、62マイクロモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を100℃で80分にわたり撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後に、溶剤を真空中で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1/1)によって精製することで、暗赤色の固体(35mg、28%)が得られる。
【0070】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): 11.11 (s, 2H, NH), 9.52 (d, 3J = 8.6 Hz, 2H), 7.60 - 7.52 (m, 2H), 7.41 (d, 3J = 7.8 Hz, 2H), 7.39 - 7.33 (m, 2H), 4.39 - 4.19 (m, 4H), 1.92 - 1.77 (m, 4H), 1.48 - 1.22 (m, 16H), 0.93 - 0.84 (m, 6H).
MS (MALDI, ポジティブモード): 668.3 [M+]。
【0071】
例5
化合物1dの製造
【化34】
【0072】
化合物3cの製造
3−t−ブチルアニリン(0.2mL、1.26ミリモル)を、化合物4b(144mg、0.179ミリモル)のクロロホルム(10mL)中の溶液に添加する。該溶液を、還流下で45分にわたり加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1:1)によって精製する。紫色の固体が得られる(129mg、76%)。
【0073】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 12.09 (s, 2H, NH), 7.25 (dd, 3J = 7.8 Hz), 7.18 (ddd, 3J = 7.8 Hz, 4J = 1.6 Hz, 4J = 1.0 Hz), 7.07 (dd, 4J = 1.8 Hz ), 6.82 (ddd, 3J = 7.8 Hz, 4J = 2.2 Hz, 4J = 1.0 Hz), 4.20 (t, 3J = 7.7 Hz, 2H), 4.15 (t, 3J = 7.7 Hz, 2H), 1.79 - 1.67 (m, 4H), 1.47 - 1.17 (m, 38H), 0.90 - 0.82 (m, 6H)。
【0074】
化合物1dの製造
乾燥DMF(7mL)を、化合物3c(99mg、0.105ミリモル)、K2CO3(29mg、0.210ミリモル)およびPd(OAc)2(7.0mg、31マイクロモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を100℃で60分にわたり撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後に、溶剤を真空中で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1/1)によって精製することで、暗赤色の固体が得られる。
【0075】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): 11.12 (s, 2H, NH), 9.45 (d, 3J = 8.7 Hz, 2H), 7.58 (d, 4J = 1.4 Hz, 2H), 7.49 (dd, 3J = 8.7 Hz, 4J = 1.4 Hz, 2H), 4.13 - 4.02 (m, 4H), 1.82 - 1.68 (m, 4H), 1.52 (s, 9H), 1.50 - 1.24 (m, 18H), 0.93 - 0.84 (m, 6H)。
【0076】
例6
化合物1eの製造
【化35】
【0077】
化合物4cの製造
化合物4cは、例4に記載される化合物4bと類似に製造される。
【0078】
化合物3dの製造
3−t−ブチルアニリン(0.14mL、0.88ミリモル)を、化合物4b(81.1mg、0.122ミリモル)のクロロホルム(10mL)中の溶液に添加する。該溶液を、還流下で2時間にわたり加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 4:1)によって精製する。紫色の固体が得られる(88mg、87%)。
【0079】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 12.1 (s, 2H), 7.25 (t, 3J = 7.8 Hz, 2H), 7.18 (d, 3J = 7.8 Hz, 2H), 7.07 (t, 4J = 2.0 Hz, 2H), 6.83 (d, 3J = 8.0 Hz, 2H), 4.24 - 4.16 (m,2H), 4.16 - 4.08 (m, 2H) (m, 4H), 1.85 - 1.70 (m, 4H), 1.31 (s, 9H), 1.02 (t, 3J = 7.4 Hz, 3H), 1.01 (t, 3J = 7.4 Hz, 3H).
HRMS (ESI, アセトニトリル/CHCl3 1:1, ポジティブモード): C40H43Br2N4O4についての計算値801.1646、実測値806.1650。
【0080】
化合物1eの製造
乾燥DMF(7mL)を、化合物3d(76.0mg、0.095ミリモル)、K2CO3(26.5mg、0.192ミリモル)およびPd(OAc)2(6.0mg、27マイクロモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を100℃で90分にわたり撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後に、溶剤を真空中で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1/1)によって精製することで、暗赤色の固体(33.0mg、54%)が得られる。
【0081】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): 11.11 (s, 2H), 9.44 (d, 3J = 8.7 Hz, 2H), 7.59 (d, 4J = 1.8 Hz, 2H), 7.50 (dd, 3J = 8.7 Hz, 4J = 1.8 Hz, 2H), 4.05 - 3.98 (m, 4H), 1.82 - 1.69 (m, 4H), 1.52 (s, 18H), 1.08 - 0.98 (m, 6H)。
【0082】
例7
化合物1fの製造
【化36】
【0083】
化合物3eの製造
4−t−ブチルアニリン(0.1mL、0.63ミリモル)を、化合物4b(199mg、0.247ミリモル)のクロロホルム(30mL)中の溶液に添加する。該溶液を、還流下で3時間15分にわたり加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1:1)によって精製する。紫色の固体が得られる(177mg、76%)。
【0084】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 12.0 (bs, 2H), 7.37 - 7.30 (m, 4H), 6.99 - 6.93 (m, 4H), 4.24 - 4.08 (m, 4H), 1.82 - 1.62 (m, 4H), 1.33 (s, 9H), 1.45 - 1.17 (m), 0.92 - 0.82 (m, 6H).
HRMS (ESI, アセトニトリル/CHCl3 1:1, ポジティブモード): C50H63Br2N4O4についての計算値941.3211、実測値941.3209。
【0085】
化合物1fの製造
乾燥DMF(8mL)を、化合物3e(160mg、0.170ミリモル)、K2CO3(48mg、0.347ミリモル)およびPd(OAc)2(11.1mg、49.4マイクロモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を100℃で60分にわたり撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後に、溶剤を真空中で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1/1)によって精製することで、暗赤色の固体(42.8mg、32%)が得られる。
【0086】
1H NMR (400 MHz, CD2Cl2): 11.25 (s, 2H), 9.78 (d, 4J = 2.0 Hz, 2H), 7.74 (dd, 3J = 8.4 Hz, 4J = 2.0 Hz, 2H), dd (3J = 8.4 Hz, 5J = 0.5 Hz, 2H), 4.43 (t, 3J = 7.5 Hz, 2H), 4.30 (t, 3J = 7.5 Hz, 2H), 2.00 - 1.88 (m, 2H), 1.88 - 1.76 (m, 2H), 1.55 (s, 9H), 1.52 - 1.22 (m, 20H), 0.92 - 0.85 (m, 6H).
HRMS (ESI, アセトニトリル/CHCl3 1:1, ポジティブモード): C50H63Br2N4O4についての計算値941.3211、実測値941.3209。
【0087】
例8
化合物1gの製造
【化37】
【0088】
化合物3fの製造
3−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(0.20mL、1.2ミリモル)を、化合物4b(72.3mg、0.0898ミリモル)のトルエン(5mL)中の溶液に添加する。該溶液を70℃で4日間にわたり加熱した後に、0.1mL(0.6ミリモル)の3−ビス(トリフルオロメチル)アニリンを添加する。該溶液を70℃で更に2日間にわたり加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1:4)によって精製する。赤色の固体が得られる(80.6mg、81%)。
【0089】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 12.00 (s, 2H), 7.63 (s, 2H), 7.38 (s, 4H), 4.26 - 4.17 (m, 4H), 1.82- 1.68 (m, 4H), 1.47 - 1.19 (m, 20H), 0.92 - 0.81 (m, 6H).
HRMS (ESI, アセトニトリル/CHCl3 1:1, ポジティブモード): C46H43Br2F12N4O4についての計算値1101.1454、実測値1101.1457。
【0090】
化合物1gの製造
乾燥DMF(5mL)を、化合物3f(83.8mg、0.076ミリモル)、K2CO3(21.5mg、0.156ミリモル)およびPd(OAc)2(5.2mg、23マイクロモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を100℃で45分にわたり撹拌し、次いで1時間にわたり還流する。反応混合物を室温に冷却した後に、溶剤を真空中で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ペンタン 1:1)によって精製することで、暗赤色の固体(22.8mg、32%)が得られる。
【0091】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 11.3 (s, 2H), 8.03 (s, 2H), 7.92 (s, 2H), 4.36 - 4.25 (m, 2H), 4.21 (t, 3J = 7.4 Hz, 2H), 2.01(tt, 3J = 6.8 Hz, 2H ), 1.77 (tt, 3J = 6.8 Hz, 2H), 1.62 - 1.18 (m, 20H), 0.93 -0.83(m, 6H).
HRMS (ESI, アセトニトリル/CHCl3 1:1, ポジティブモード): C46H41F12N4O4についての計算値941.2931、実測値941.2929。
【0092】
例9
化合物2bの製造
【化38】
【0093】
化合物5bの製造
化合物5bは、化合物5aと類似に製造される。
【0094】
化合物2bの製造
DMF(7mL)を、化合物5b(180mg、0.278ミリモル)、2−ブロモフェノール(0.08mL、0.75ミリモル)、Pd(OAc)2(18.7mg、83.3マイクロモル)およびK2CO3(76.3mg、0.537ミリモル)の混合物にアルゴン下で添加する。該反応混合物を、アルゴン下で3時間にわたり加熱還流させる。溶剤を減圧下で除去する。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製する。黄色の蛍光性固体が得られる(30.1mg、16%)。
【0095】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 9.61 (d, 3J = 8.0 Hz, 2H), 7.84 (d, 3J = 7.9 Hz, 2H), 7.76 - 7.72 (m, 2H), 7.56 - 7.50 (m, 2H), 4.35 (t, 3J = 7.8 Hz, 4H), 1.89 - 1.81 (m, 2H), 1.52 - 1.08 (m), 0.82 (t, 3J = 6.8 Hz, 6H)。
【0096】
例10
トランジスタ特性の測定方法
高ドープのp型シリコン(100)ウェハ(0.01〜0.02Ω・cm)を基板Aとして使用した。熱的成長された100nm厚のSiO2層(キャパシタンス34nF/cm2)を有する高ドープのp型シリコン(100)ウェハ(0.005〜0.02Ω・cm)を、基板Bとして使用した。
【0097】
基板A上に、30nm厚のアルミニウム層を、Leybold UNIVEX 300型真空蒸発装置におけるタングステンワイヤからの熱蒸発によって、2×10-6ミリバールの圧力および1nm/sの蒸発速度で堆積させる。該アルミニウム層の表面を、Oxford社の反応性イオンエッチング装置(RIE、酸素流速:30sccm、圧力:10ミリトル、プラズマ出力:200W、プラズマ期間30秒)において軽く酸素プラズマにさらすことによって酸化させ、次いで該基板を、ホスホン酸の2−プロパノール溶液(C1429PO(OH)2[TDPA]の1ミリモラーの溶液、またはC7151122PO(OH)2[FODPA]の1ミリモラーの溶液)中に浸し、そして該溶液中で1時間にわたり放置し、それにより、酸化アルミニウム表面上にホスホン酸分子の自己組織化単分子層(SAM)が形成される。基板を溶液から取り出し、そして純粋な2−プロパノールですすぎ、窒素流中で乾燥させ、100℃の温度で10分にわたりホットプレート上で放置する。基板A上のAlOx/SAMゲート誘電体の全キャパシタンスは、C1429PO(OH)2の場合に810nF/cm2であり、かつC7151122PO(OH)2の場合に710nF/cm2である。
【0098】
基板B上に、約8nm厚のAl23層を、原子層堆積によってCambridge NanoTech Savannah(250℃の基板温度で80サイクル)において堆積させる。該酸化アルミニウム層の表面を、Oxford社の反応性イオンエッチング装置(RIE、酸素流速:30sccm、圧力:10ミリトル、プラズマ出力:200W、プラズマ期間30秒)において軽く酸素プラズマにさらすことによって活性化させ、次いで該基板を、ホスホン酸の2−プロパノール溶液(C1429PO(OH)2[TDPA]の1ミリモラーの溶液、またはC7151122PO(OH)2[FODPA]の1ミリモラーの溶液)中に浸し、そして該溶液中で1時間にわたり放置し、それにより、酸化アルミニウム表面上にホスホン酸分子の自己組織化単分子層(SAM)が形成される。基板を溶液から取り出し、そして純粋な2−プロパノールですすぎ、窒素流中で乾燥させ、100℃の温度で10分にわたりホットプレート上で放置する。基板B上のSiO2/AlOx/SAMゲート誘電体の全キャパシタンスは、32nF/cm2である(ホスホン酸の選択とは無関係に)。
【0099】
TDPA処理された基板上でのウェハの接触角は、108°であり、FODPA処理された基板上では118°である。
【0100】
有機半導体としての本発明の化合物の30nmの薄膜を、Leybold UNIVEX 300型真空蒸発装置におけるモリブデンボートからの熱的昇華によって、2×10-6ミリバールの圧力および0.3nm/sの蒸発速度で堆積させる。
【0101】
ソースおよびドレインの接点のために、30nmの金をシャドウマスクを通じて、Leybold UNIVEX 300型真空蒸発装置においてタングステンボートから、2×10-6ミリバールの圧力および0.3nm/sの蒸発速度で蒸発させる。該トランジスタは、10μmから100μmまでの範囲のチャンネル長さ(L)および50μmから1000μmまでの範囲のチャンネル幅(W)を有する。シリコンウェハの裏側に接触できるようにするために、該ウェハ(前記トランジスタのゲート電極としてもはたらく)の裏側を引っ掻いてから銀インキで被覆する。
【0102】
前記トランジスタの電気的特性を、Micromanipulator 6200型プローブステーションにおいて、Agilent 4156C型半導体パラメータ解析装置上で測定する。全ての測定は空気中室温で行われる。プローブ針を、前記針を金接点の頂部に慎重に下ろすことによって、前記トランジスタのソース接点およびドレイン接点と接触させる。前記ゲート電極を、測定の間に上にウェハが置かれる金属基板ホルダを通じて接触させる。
【0103】
伝達曲線を得るために、ドレイン−ソース電圧(VDS)を、3V(基板Aの場合)または40V(基板Bの場合)に保持する。ゲート−ソース電圧(VGS)を、中程度の速度で0Vから3Vへと0.03Vのステップ(基板A)でスイープし、または0Vから40Vへと0.4Vのステップ(基板B)でスイープし、そして元に戻す。電荷担体移動度は、飽和領域において(ID1/2対VGSの傾きから抽出する。出力特性を得るために、前記ドレイン−ソース電圧(VDS)を、中程度の速度で0Vから3Vへと0.03Vのステップ(基板A)でスイープし、そして0Vから40Vへと0.4Vのステップ(基板B)でスイープし、その一方で、ゲート−ソース電圧VGSを、8つの異なる電圧までに保持する(例えば、基板Aの場合に0V、0.5V、1V、1.5V、2V、2.5V、3V、または基板Bの場合に0V、10V、20V、30V、40V)。
【0104】
結果を第1表に示す。
【0105】
【表1】