(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術においては、透明度の高いうるち米における胴割れの検出を行うことができるものの、透明度の低い白濁したもち米において胴割れを検出することはできないという問題点を有していた。
【0007】
例えば、特許文献1の米粒透視器では、下方から斜めに光を投光して上方から観察するため、粒内で光の拡散が強いもち米では、観察者に見えるような胴割れの陰影を生じさせることが難しいという問題点を有していた。
【0008】
また、特許文献2の方法では、透明度の高いうるち米において胴割れを検出することができ、かつ、透明度の高い正常なうるち米に対して透明度の低い粉状質粒の検出をも行うことができるものの、透明度の低い米粒において胴割れを検出することはできないという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、透明度の低いもち米においても胴割れを検出することができる、もち米の胴割判別方法、胴割判別装置、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するため、本発明のもち米の胴割判別方法は、もち米の胴割判別方法であって、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から、もち米粒内部に光を照射する照射ステップと、上記照射ステップにて照射された光が上記もち米粒内部を通って射出される光を観測する観測ステップと、上記観測ステップにて観測した光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、上記もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別する判別ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のもち米の胴割判別方法は、上記記載のもち米の胴割判別方法において、上記照射ステップは、上記もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向として、上記もち米粒の長軸方向から、光を照射すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明のもち米の胴割判別方法は、上記記載のもち米の胴割判別方法において、上記照射ステップは、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光を照射すること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明のもち米の胴割判別方法は、上記記載のもち米の胴割判別方法において、上記照射ステップは、照射装置を用いて、もち米粒内部に光を照射するものであって、上記照射装置は、もち米粒の長軸が平面上に平行になるように、もち米粒を支持するサンプル支持体と、上記平面に対して略垂直に光を射出するLED光源と、上記LED光源から射出された光が上記平面上で平行な光となるように光軸を曲げる反射体と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明のもち米の胴割判別方法は、上記記載のもち米の胴割判別方法において、上記観測ステップは、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光を観測すること、を特徴とする。
【0015】
また、本発明のもち米の胴割判別方法は、検出部と制御部を少なくとも備えた、もち米の胴割判別装置において実行される、もち米の胴割判別方法であって、上記制御部により実行される、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から上記もち米粒内部に照射された光が当該もち米粒内部を通って射出される光を、上記検出部を介して観測する観測ステップと、上記観測ステップにて観測された光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、上記もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別する判別ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のもち米の胴割判別装置は、検出部と制御部を少なくとも備えた、もち米の胴割判別装置において、上記制御部により実行される、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から上記もち米粒内部に照射された光が上記もち米粒内部を通って射出される光を、上記検出部を介して観測する観測手段と、上記観測手段により観測された光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、上記もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別する判別手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のプログラムは、検出部と制御部を少なくとも備えたコンピュータに実行させるためのプログラムであって、上記制御部により実行される、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から上記もち米粒内部に照射された光が上記もち米粒内部を通って射出される光を、上記検出部を介して観測する観測ステップと、上記観測ステップにて観測された光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、上記もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別する判別ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から、もち米粒内部に光を照射し、照射された光がもち米粒内部を通って射出される光を観測し、観測した光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、上記もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別することを特徴とする。これにより、本発明は、透明度の低いもち米においても胴割れを検出することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、上記において、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向として、もち米粒の長軸方向から、光を照射する。これにより、本発明は、照射された光がもち米粒内部を通って、亀裂により散乱した光を、観察することにより、亀裂の判別を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、上記において、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光を照射する。これにより、本発明は、照射する光の波長を所定の範囲に限定することにより、もち米粒内部を透過し易い光のみを用いて胴割れの判別を行うことができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、上記において、照射装置を用いて、もち米粒内部に光を照射するものであって、上記照射装置は、もち米粒の長軸が平面上に平行になるように、もち米粒を支持するサンプル支持体と、上記平面に対して略垂直に光を射出するLED光源と、上記LED光源から射出された光が上記平面上で平行な光となるように光軸を曲げる反射体と、を備えた照射装置を用いる。これにより、本発明は、省スペースで安価な照射装置を提供することができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、上記において、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光を観測する。これにより、本発明は、照射する光の波長を所定の範囲に限定することにより、もち米粒内部を透過し易い光のみを用いて胴割れの判別を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる、もち米の胴割判別方法、胴割判別装置、および、プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
[本実施形態の概要]
以下、本発明にかかる実施形態の概要について説明し、その後、本実施形態の構成および処理等について詳細に説明する。
【0026】
米粒において胚乳部に亀裂を生じた胴割粒は、とう精中に砕けやすく、精米の品質と歩留まりに及ぼす影響が大きい。とう精中に砕けない場合であっても、炊飯時に吸水による膨張で砕ける場合もあるので胴割米は潜在的な破砕米であり、食味を落とす要因になる。すなわち、炊飯時には亀裂からでんぷんが溶出するため味が落ちる。したがって、胴割れの有無は、米粒の評価における重要な要素であり、もち米の生産現場において、玄米の品質評価のひとつとして、胴割米の混入率を知りたいというニーズがある。
【0027】
ここで、もち米について説明する。食用米は大きくインディカ種とジャポニカ種に分かれ、日本で生産される米はほとんどがジャポニカ種である。そして、米に含まれるでんぷんの成分(アミロペクチンの含有量)により、「うるち米」と「もち米」に分かれる。前者のアミロペクチン含有量は概ね80%(20%はアミロース)であるのに対して、後者はほぼ100%である。精米による区別では、収穫した米から籾殻だけを除いたものが玄米、玄米から糠(糖層と胚芽)を除いたものが精白米、胚芽保有率80%以上のものが胚芽精米とされる。基本的にうるち米は半透明であるのに対し、もち米は白く不透明である。これは乾燥させる段階でアミロペクチンの隙間に空気が入るためで、光の散乱によるものである。もち米が半透明な状態から不透明な乳白色にかわる現象を、一般に「はぜる」と呼ぶ。はぜる現象はもち米特有のもので、しかも、もち米の品質を決定する一つの要因となっている。このため、農家では、はぜさせることに重点を置いて乾燥するため、過乾燥となって胴割れや砕粒が発生し品質を悪化する問題がある。
【0028】
従来、胴割粒を観察するための機器は、うるち米の玄精米を対象としており、試料の下部より光を照射し、試料の亀裂により生じる明暗を目視する方式であった(特許文献1等参照)。しかしながら、もち米の玄米は収穫直後には透明感があるが、乾燥させるともち米特有の白濁した状態になり(精米時も同様)、従来の方式では、光が透過せず胴割れの判別ができなかった。
【0029】
本願発明者らは、鋭意検討により、500nm〜1100nmの範囲の波長の光が、もち米粒内部を透過し易いこと、および、もち米粒の横断面に対して平行ではなく垂直に近い長軸方向などから、もち米粒内部に光を照射することで、透明度の低いもち米においても亀裂による陰影や明暗によって胴割れを判別し易くなることを見出した。
【0030】
すなわち、まず、本実施形態は、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から、もち米粒内部に光を照射する。例えば、もち米粒の長軸方向から、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光を照射してもよい。また、光の照射を効率よく行うために、もち米粒の長軸が平面上に平行になるように、もち米粒を支持するサンプル支持体と、平面に対して略垂直に光を射出するLED光源と、LED光源から射出された光が平面上で平行な光となるように光軸を曲げる反射体(ミラーやプリズム等)とを備えた照射装置を用いてもよい。
【0031】
そして、本実施形態は、照射された光がもち米粒内部を通って射出される光を観測する。なお、光学フィルタ等を用いて、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光を観測してもよい。ここで、
図1は、もち米に対する照射角度と観察位置の関係を模式的に示した図である。
【0032】
図1に示すように、この例では、もち米粒において亀裂が生じ易い横断面に対して垂直な方向すなわち長軸方向から照射した光が、もち米粒内で拡散反射した光を上方から観測する。なお、照射角度は、長軸方向に限られず、横断面に対して斜めに照射してもよい。
【0033】
つづいて、本実施形態は、観測した光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別する。なお、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における光の強度を取得するために、上述のように、前分光により、照射する光の波長を制限してもよく、あるいは、後分光により、検出する光の波長を制限してもよい。これに限られず、判別する際に、画像データの色成分のうち500nm〜750nm(緑〜黄色〜赤)の所定の波長範囲(色成分)に限定して、亀裂の陰影を判別してもよい。
【0034】
以上が、本実施形態の概要である。うるち米を対象とした従来の方式を適用した場合、もち米粒内部での光の拡散が強いために、下方にある光源からの光が透過しにくいため、もち米粒内部で拡散した光と亀裂により生じた陰影とを区別しにくかったが、本実施形態によれば、もち米粒内部で拡散しにくい波長の光と適切な光照射角度を組み合せることにより、もち米における胴割れを判別することができる。
【0035】
これにて、本実施形態の概要の説明を終える。なお、以下に本実施形態をコンピュータ等の制御部を備えた装置によって実施する例について説明するが、本発明は、これに限られず、本実施形態の方法を人によって肉眼での観察や判別等により実施してもよいものである。また、上述の実施形態のうち、一部を人により実施し、一部を装置において実施してもよい。例えば、750nm〜1100nmの近赤外線は、肉眼では見ることができないので、検出装置によって近赤外線を検出して、検出した近赤外線の強度を明暗で表した画像を、モニタ等の表示手段に出力して、人により目視で胴割れの有無を判別してもよい。
【0036】
[胴割判別装置の構成]
次に、本発明にかかる本実施形態の胴割判別装置の構成について
図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態が適用される胴割判別装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0037】
図2において胴割判別装置100は、概略的に、制御部102と通信制御インターフェース部104と入出力制御インターフェース部108と記憶部106を備えて構成される。ここで、制御部102は、胴割判別装置100の全体を統括的に制御するCPU等である。また、入出力制御インターフェース部108は、照射部110や検出部112や出力部114等に接続されるインターフェースである。また、記憶部106は、各種のデータベースやテーブルなどを格納する装置である。これら胴割判別装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0038】
記憶部106に格納される各種のデータベースやファイル(検出強度ファイル106a、および、判別結果ファイル106b等)は、固定ディスク装置等のストレージ手段である。例えば、記憶部106は、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベース等を格納する。
【0039】
これら記憶部106の各構成要素のうち、検出強度ファイル106aは、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向からもち米粒内部に照射された光が当該もち米粒内部を通って射出された光の強度を検出した検出強度データを記憶する検出強度記憶手段である。ここで、検出強度データは、光照射されたもち米粒を、エリアセンサ等により撮像した画像データであってもよい。例えば、画像データは、可視光波長に応じた色調と、その波長の光の強さを表す階調値とを、画素毎に格納したデータであってもよい。これに限られず、検出強度データは、光照射されたもち米粒を、ラインセンサの検出領域に対して相対的に移動させることにより取得された二次元画像データであってもよい。このように、検出強度データは、一例として、検出手段の性質に従って時系列の時間順や走査された順等の検出順に並べられた、光強度の検出データであってもよい。なお、検出強度ファイル106aは、検出部112により取得された検出強度データを記憶してもよく、ネットワーク300を介して外部機器200より受信した検出強度データを記憶してもよい。
【0040】
また、判別結果ファイル106bは、後述する判別部102bにより判別された結果を記憶する判別結果記憶手段である。例えば、判別結果ファイル106bに記憶される判別結果を示すデータは、もち米粒ごとに、正常粒か胴割粒かを判定した結果を格納した情報であってもよい。なお、もち米の一粒ごとの識別は、走査された順番や検出された時間によって識別されてもよく、リアルタイムに検出して判別結果を出力する場合は、当該粒を特定できるので時間情報を用いなくともよい。
【0041】
また、
図2において、入出力制御インターフェース部108は、照射部110や検出部112や出力部114等の制御を行う。
【0042】
このうち、検出部112は、光の強度を検出する光強度検出手段である。一例として、検出部112は、もち米粒の画像を撮像する、モノクロCCDカメラやエリアセンサやデジタルカメラ等の撮像手段であってもよい。なお、検出部112は、可視光に限られず、赤外線等の光を検出してもよいものである。一例として、検出部112は、500nm〜750nmの可視光および750nm〜1100nmの近赤外線を検出可能であってもよい。検出部112としてモノクロCCDカメラを用いる場合、検出する光の波長範囲を制限するために、光学フィルタや分光器等を用いてもよく、照射部110の光源から射出される波長範囲を制限してもよい。また、検出部112としてデジタルカメラ等のカラー画像を取得することができる撮像手段を用いる場合、検出波長や光源出力波長を制限することなく、検出可能な全ての波長の光強度を画素毎に格納した画像データを取得しておき、後述する判別部102bにより判別を行う際に、所定の波長範囲(緑〜黄色〜赤のうちの任意の色成分等)に制限してもよい。
【0043】
また、照射部110は、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向から、もち米粒内部に光を照射する照射手段である。例えば、照射部110は、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向として、もち米粒の長軸方向から(すなわち、もち米の横断面に垂直な方向から)、光を照射してもよい。ここで、照射部110は、500nm〜1100nmの範囲のうちいずれかの波長を含む光を照射してもよい。例えば、照射部110は、中心波長が525nmで半値幅が25nmである発光ダイオード(緑色LED)を光源に用いてもよい。また、照射部110は、中心波長が635nmで半値幅が15nmである発光ダイオード(赤色LED)を光源に用いてもよい。これに限られず、照射部110は、白色光源に対して、所定の波長範囲となるように分光光源や光学フィルタや分光器等を用いてもよい。なお、検出部112による検出の際に波長範囲を制限、もしくは、判別部102bによる判別の際に波長範囲を選択できるのであれば、照射部110において、波長範囲を制限する必要はない。また、本実施形態においては、入出力制御インターフェース部108により照射部110を制御可能に構成したが、これに限られず、照射部110を胴割判別装置100とは別構成としてもよい。ここで、
図3は、もち米に対する照射角度と検出部112の設置位置の関係を模式的に示した図である。
【0044】
図3に示すように、この例では、もち米粒において亀裂が生じ易い横断面に対して垂直な方向すなわち長軸方向から照射した光が、もち米粒内で拡散反射した光を上方から観測する。なお、照射角度は、長軸方向に限られず、横断面に対して斜めに照射してもよい。
【0045】
また、照射部110および検出部112以外に、図示しない連続観測手段を設けてもよい。例えば、特開平8−75657号公報に記載されるように、外周に沿って米粒設置用のくぼみを設けた透明な円盤をモータによって回転させることにより、照射部110による照射領域および検出部112による検出領域が、相対的に移動するように構成してもよい。これにより、複数のもち米粒を連続的に観測することが可能になる。このほか、もち米粒の長軸が平面上に平行になるように、もち米粒を支持するサンプル支持体と、照射部110として、平面に対して略垂直に光を射出するLED光源と、LED光源から射出された光が平面上で平行な光となるように光軸を曲げる反射体と、を備えた照射装置を用いてもよい。
【0046】
また、出力部114としては、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカを用いることができる(なお、以下においては出力部114をモニタとして記載する場合がある)。これに限られず、出力部114は、粒子を噴風除去することができる選別手段であってもよい。
【0047】
また、
図2において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、観測部102a、判別部102b、および、判別結果出力部102cを備える。
【0048】
このうち、観測部102aは、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向からもち米粒内部に照射された光がもち米粒内部を通って射出される光を、検出部112を介して観測する観測手段である。例えば、観測部102aは、照射部110および検出部112を制御して、検出部112により検出された光の検出強度データを取得してもよい。ここで、観測部102aは、もち米の品種や、玄米と精米の違いに応じて、照射部110から照射される光の光量を可変に制御してもよい。また、観測部102aは、所望の波長範囲の検出強度データを得るために、照射部110および/または検出部112に設置された、フィルタの切替や、分光器の制御(プリズム角度の変更等)を行ってもよい。なお、本実施形態において、観測部102aは、取得した検出強度データを検出強度ファイル106aに格納する。ここで、観測部102aは、ネットワーク300を介して外部機器200から検出強度データを受信してもよい。
【0049】
また、判別部102bは、観測部102aにより観測された光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、もち米粒の長軸方向の強度分布(強度差等)に基づいて、もち米の胴割れを判別する判別手段である。例えば、判別部102bは、検出強度ファイル106aに格納された画像データ等の検出強度データに基づいて、もち米粒の長軸方向の強度分布(強度差等)から胴割れを判別してもよい。なお、判別部102bは、検出強度データが、予め500nm〜1100nmの範囲のうちの波長に限定されていない場合は、判別を行う前の前処理として、所定の波長範囲となるように画像処理等を行う。例えば、判別部102bは、画素毎に色調と階調値が格納されたピクセルデータにおいて、緑〜黄色〜赤の色成分の階調値を、所定の波長範囲の光強度として抽出して、胴割れの判別に用いてもよい。
【0050】
ここで、判別部102bは、もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別するために、公知のエッジ検出手法を用いてもよい。例えば、判別部102bは、Sobelフィルタ法を用いて、長軸方向に対する垂直エッジを抽出して、胴割れの亀裂によるエッジを検出してもよい。なお、判別部102bは、胴割れ有無の判別結果を判別結果ファイル106bに、検出強度データの座標情報や時間情報等に対応付けて格納してもよい。
【0051】
また、判別結果出力部102cは、判別部102により、もち米粒毎に判別された判別結果を出力する判別結果出力手段である。例えば、判別結果出力部102cは、判別結果をモニタ等の出力部114に出力してもよく、選別手段としての出力部114を制御することにより、胴割粒と判別された粒子を噴風除去してもよい(特許第3642172号公報参照)。例えば、胴割判別装置100は、リアルタイムにもち米粒の光を、検出部112を介して検出しながら、不良な胴割粒と判別した粒を、選別手段としての出力部114を介して除去してもよい。
【0052】
以上が、本胴割判別装置100の構成の一例である。ここで、胴割判別装置100は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワーク300に通信可能に接続されてもよい。この場合、通信制御インターフェース部104は、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、胴割判別装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信制御を行う。すなわち、通信制御インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
図2において、ネットワーク300は、胴割判別装置100と外部機器200とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット等である。
【0053】
また、胴割判別装置100は、検出強度等の測定データやパラメータ等に関する外部データベースや、情報処理装置を胴割判別装置として機能させるための外部プログラム等を提供する外部機器200に、ネットワーク300を介して通信可能に接続されてもよい。
【0054】
図2において、外部機器200は、ネットワーク300を介して、胴割判別装置100と相互に接続され、利用者に対して検出強度データや各種パラメータの値等に関する外部データベースや、情報処理装置を胴割判別装置として機能させるためのプログラム等の外部プログラム等を提供する機能を有する。ここで、外部機器200は、WEBサーバやASPサーバ等として構成してもよい。また、外部機器200のハードウェア構成は、一般に市販されるワークステーション、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置およびその付属装置により構成してもよい。また、外部機器200の各機能は、外部機器200のハードウェア構成中のCPU、ディスク装置、メモリ装置、入力装置、出力装置、通信制御装置等およびそれらを制御するプログラム等により実現される。
【0055】
[胴割判別装置100の処理]
次に、このように構成された本実施形態における胴割判別装置100の処理の一例について、以下に
図4および
図5を参照して詳細に説明する。ここで、
図4は、本実施形態における胴割判別装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
図4に示すように、まず、観測部102aは、照射部110を制御して、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向からもち米粒内部に光を照射する(ステップSA−1)。ここで、光の波長範囲は、500nm〜1100nmの範囲のうちの波長を含む。また、もち米粒の横断面に平行な方向を除く方向は、横断面に対して垂直な長軸方向であってもよく、横断面に対して斜めに照射してもよい。なお、観測部102aは、もち米の品種や、玄米と精米の違いに応じて、照射部110から照射される光の光量が変更されるよう制御してもよい。また、観測部102aは、照射部110を制御して、フィルタの切替や、分光器の制御(プリズム角度の変更等)を行うことにより照射する光の波長範囲を設定してもよい。
【0057】
そして、観測部102aは、照射部110により照射された光がもち米粒内部を通って射出される光を、検出部112を介して観測する(ステップSA−2)。例えば、観測部102aは、検出部112を介して検出された光の検出強度データを取得して、取得した検出強度データを検出強度ファイル106aに格納する。なお、観測部102aは、所望の波長範囲の検出強度データを得るために、検出部112を制御して、フィルタの切替や、分光器の制御(プリズム角度の変更等)を行うことにより、検出する光の波長範囲を設定してもよい。なお、検出する光の波長範囲は、500nm〜1100nmの範囲のうちの波長を含む。
【0058】
そして、判別部102bは、観測部102aにより観測された光の、500nm〜1100nmの範囲内の波長を少なくとも含む光における、もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別する(ステップSA−3)。例えば、判別部102bは、観測部102aにより検出強度ファイル106aに格納された画像データ等の検出強度データに基づいて、もち米粒の長軸方向の強度分布(強度差等)から胴割れを判別し、判別結果を判別結果ファイル106bに格納してもよい。なお、判別部102bは、検出強度ファイル106bに格納された画像データ等の検出強度データが、予め500nm〜1100nmの範囲のうちの波長に限定されていない場合(例えば、全色成分のカラー画像データである場合)、判別を行う前に、所定の波長範囲における検出強度データとなるように画像処理等を行ってもよい。例えば、判別部102bは、画素毎に色調(RGB等)と階調値が格納されたピクセルデータにおいて、所望の色調の階調値(例えばRの階調値)を、所定の波長範囲の光強度として抽出して、胴割れの判別に用いてもよい。
【0059】
ここで、判別部102bは、もち米粒の長軸方向の強度分布に基づいて、もち米の胴割れを判別するために、公知のエッジ検出手法を用いてもよい。ここで、
図5は、観測部102aにより取得された元画像データから亀裂部分のエッジを検出する例を模式的に示す図である。ここで、MAは、正常粒の画像に基づく画像遷移を表し、MBは、胴割粒の画像に基づく画像遷移を表す。なお、元画像は、波長750nmの光の検出強度を階調で示すグレースケール画像である。
【0060】
図5に示すように、まず、判別部102bは、元画像MA−1/MB−1に対してSobelフィルタを用いて垂直エッジ成分を抽出する(MA−2/MB−2の二値画像)。なお、この例では、原画像において、もち米粒の長軸が横向きで亀裂は縦向きであると想定されるので、画像の垂直エッジ成分を抽出しているが、原画像において、もち米粒の長軸が縦向きで亀裂が横向きであると考えられる場合は、水平エッジ成分を抽出してもよい。
【0061】
そして、判別部102bは、画像MA−2/MB−2に対して、水平位置毎に、垂直エッジとして検出された白い画素の数をカウントする(MA−3/MB−3)。なお、MA−3/MB−3の矢印は、ある水平位置におけるカウント対象のラインを示している。
【0062】
そして、判別部102bは、カウント数が所定の閾値(この例では、30カウント)を超えた水平位置がある場合に、胴割れとして検出する(MA−4/MB−4のグラフ)。MB−4のグラフに示すように、水平位置100〜150の間に、カウント数の閾値30を大きく超えるピークが検出されるので、判別部102bは、このもち米粒を胴割粒と判定する。
【0063】
ここで、判別結果出力部102cは、判別部102bによる判別結果を出力部114に出力してもよい。例えば、判別結果出力部102cは、判別部102bにより判別された正常粒の数と胴割粒の数に基づいて、胴割粒の含有割合や含有率を、モニタ等の出力部114に出力してもよい。これに限られず、判別結果出力部102cは、特開平8−75657号公報等に記載の連続観測手段を用いて、リアルタイムに胴割粒の判別を行う場合に、選別手段としての出力部114を制御して、胴割粒と判定されたもち米粒を、噴風除去してもよい。
【0064】
以上が、本実施形態における胴割判別装置100の処理の一例である。
【0065】
[実施例]
つづいて、本実施形態にかかる実施例について、以下に
図6〜
図17を参照して説明する。
【0066】
[波長範囲および照射方向の検討結果]
まず、分光イメージング実験によって、波長範囲および照射方向の検討を行った実施例について、
図6〜
図11を参照して説明する。なお、いずれの場合も
図3を参照して上述したように、観測側からもち米に対して斜め方向に照射している(以下の
図6、
図8、
図10の矢印の向きは、観察側から見た2次元視野における方向であるので、観察側からの斜め方向は表現されていないことに留意する)。
【0067】
図6は、もち米粒の亀裂に対して垂直方向(すなわち、長軸方向)に光を照射した場合のもち米粒の画像の一例を示す図である。図中の矢印は、照射光の向きを示している。
【0068】
つづいて、
図6において、(1)正常粒Aと、(2)正常粒Cと、(3)胴割粒Aと、(4)胴割粒Cとを選び、照射光波長の検討を行った。
図7は、2個の正常粒と2個の胴割粒に対して、400nm〜800nmの範囲で、さまざまな波長の光を照射した結果を示した図である。
図7に示すように、500nm〜750nmにおいて、玄米の亀裂をよく確認することができた。
【0069】
つぎに、照射方向を亀裂に対して平行に照射した場合について検討を行った。
図8は、もち米粒の亀裂に対して水平方向に光を照射した場合のもち米粒の画像の一例を示す図である。図中の矢印は、照射光の向きを示している。
【0070】
つづいて、
図8において、(1)正常粒Aと、(2)正常粒Cと、(3)胴割粒Aと、(4)胴割粒Cとを選び、照射光波長の検討を行った。
図9は、2個の正常粒と2個の胴割粒に対して、500nm〜800nmの範囲で、さまざまな波長の光を照射した結果を示した図である。
図9に示すように、亀裂に対して平行に光を照射すると亀裂はほとんど判別できないことが確認された。
【0071】
つづいて、照射光の波長範囲を、上述の可視光の範囲(500nm〜750nm)ではなく、近赤外光の範囲(750nm〜1100nm)で検討を行った。
図10は、もち米粒の亀裂に対して垂直に近赤外光を照射した場合のもち米粒の画像の一例を示す図である。なお、図中の矢印は、照射光の向きを示している。
【0072】
そして、
図10において、(1)正常粒Cと、(2)正常粒Eと、(3)胴割粒Aと、(4)胴割粒Fとを選び、照射光波長の検討を行った。
図11は、2個の正常粒と2個の胴割粒に対して白色光を照射し、800nm〜1100nmの範囲で、さまざまな波長の光を観測した結果を示した図である。
図11に示すように、用いたCCDカメラで撮影可能な800nm〜1100nmの全波長範囲において、玄米の亀裂を観察することができた。
【0073】
以上が、本実施例における波長範囲および照射方向の検討結果である。これにより、可視光を透過しないため目視では白くて不透明に見えるもち米についても、もち米の玄米における胴割れ検出へのニーズに対応できることがわかった。従来、ある程度可視光を透過するので目視では半透明に見えるうるち米に関しての胴割れ検出技術では、もち米に適用することは難しかったが、適切な照射方向と適切な波長範囲を組み合せることにより、もち米粒の胴割れを検出できるようになった。
【0074】
具体的には、分光イメージング実験によって、もち米の胚乳外層は500〜750mの可視光および750〜1100nmの近赤外光を、若干透過することがわかった。また、胴割粒の亀裂に対して、直角(垂直)方向に上記の光を照射すると、亀裂面において拡散反射が生じ、胴割れ部分を明確に判別することができた。
【0075】
[もち米用胴割透視器]
つづいて、所定波長の光の照射と胴割れの観察方向を実現するための装置(試作機)としてもち米用胴割透視器を作成した。
図12は、もち米用胴割透視器の外観を示す図である。
【0076】
図12に示すように、もち米用胴割透視器は、もち米粒の長軸が平面上に平行になるように、複数のもち米粒を支持するサンプル支持体を備える。なお、サンプル支持体は、トレイ状となっており、もち米粒サンプルの投入および排出をし易いように着脱式となっている。また、
図12に示すように、野外などで使用する場合を想定して、外光を遮断できるように、開閉式のふた(遮光カバー)を有する。なお、もち米用胴割透視器は、トレイを載せる部分の左右とふたの間に、扇状の遮光用のゴムのフード(図示せず)が取り付けられている。ここで、
図13は、もち米用胴割透視器の断面図である。
【0077】
図13に示すように、もち米用胴割透視器は、サンプル支持体平面に対して略垂直に光を射出するLED光源と、射出された光を上部に透過させるためのLEDウィンドウと、LEDに電気を通じるLED基板とを備える。なお、基板は、電圧を調整できる電源(電圧可変)に接続される。ここで、
図14は、LED光源からサンプルに光を導くための構成を示す図である。
【0078】
図14に示すように、サンプル支持体の裏側は、LEDの光路を除いて遮光体で覆われており、LEDから発せられた光は、遮光体の開口部の透明なLEDウィンドウを通して反射体に導かれる。なお、LEDウィンドウのウィンドウ材は、光源部の防塵のためとサンプル支持体を載せるために光源上に設置される。また、遮光体は、隣の光源からの迷光を防ぐためウィンドウ材の下に設置される。
【0079】
反射体は、プリズムでできており、LED光源から射出された光が、サンプル支持体の平面上で平行な光となるように光軸を90度曲げる。これにより、サンプルのもち米粒の長手方向から光が照射されることになる。なお、光軸を曲げるための部材は、プリズムに限られず、ミラー等の反射体を用いてもよい。ここで、
図15は、サンプル支持体の外観図である。
【0080】
図15に示すように、サンプル支持体には、半円筒形の溝が設けてあり、サンプルの長手方向がプリズム側を向くように構成されている。ここで、
図16は、LEDとサンプル支持体とサンプルならびに反射体の位置関係を示す図である。
【0081】
図16に示すように、サンプルが入る溝の片側は、プリズムにより塞がれており、プリズム下部からの光をサンプルへ導くよう構成されている。そして、1つ1つの溝の下部には、光源(LED)が並べられている。
図17は、用いたLEDの波長特性を示すグラフである。
【0082】
図17に示すように、本もち米用胴割透視器の光源として、中心波長が525nmで半値幅が25nmである発光ダイオード(緑色LED)、および、中心波長が635nmで半値幅が15nmである発光ダイオード(赤色LED)を用いた。
【0083】
以上が、実施例として作成したもち米用胴割透視器の構成である。本実施例により、可視域のLEDを用い、照射角度を工夫し、肉眼で確認可能としたことで、コンパクトかつ低コストな装置を実現することができた。また、もち米の玄米粒の胴割れを検知することを目的として、簡易・安価にその検知ができる装置を作成できることが確認された。
【0084】
以上で、本実施形態における実施例の説明を終える。
【0085】
[他の実施形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0086】
例えば、胴割判別装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、胴割判別装置100は、クライアント端末(胴割判別装置100とは別筐体である)からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
【0087】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0088】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
また、胴割判別装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0090】
例えば、胴割判別装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて胴割判別装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0091】
また、このコンピュータプログラムは、胴割判別装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0092】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0093】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0094】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(検出強度ファイル106aおよび判別結果ファイル106b)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0095】
また、胴割判別装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、胴割判別装置100は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0096】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。