(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記転写することでは、前記パターン保持体を前記エネルギビームに対して前記2次元平面内で前記走査方向に直交する方向、及び前記2次元平面に直交する軸回りに微少駆動する請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、
図1〜
図7(C)に基づいて説明する。
【0012】
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0013】
液晶露光装置10は、照明系12、光透過型のマスクMを保持するマスクステージ装置14、投影光学系16、装置本体18、表面(
図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持する基板ステージ装置20、マスクローダ装置90(
図1では不図示。
図2参照)、及びこれらの制御系等を有している。以下、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でX軸に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸方向に関する位置をそれぞれX位置、Y位置、及びZ位置として説明を行う。
【0014】
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。照明系12は、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。
【0015】
照明系12(上記各種レンズなどを含む照明系ユニット)は、クリーンルームの床11上に設置された照明系フレーム30に支持されている。照明系フレーム30は、複数の脚部32(
図1では紙面奥行き方向に重なっている)、及び該複数の脚部32に支持された照明系支持部34を有している。
【0016】
マスクステージ装置14は、マスクMを照明系12(照明光IL)に対してX軸方向(スキャン方向)に所定の長ストロークで駆動するとともに、Y軸方向、及びθz方向に微少駆動するための要素である。マスクMは、例えば石英ガラスにより形成された平面視矩形の板状部材から成り、
図1における−Z側を向いた面(下面部)に所定の回路パターン(マスクパターン)が形成されている。マスクMの下面部には、
図3に示されるように、マスクパターンを保護するためにペリクルPeと称される防塵フィルムが取り付けられている。ここで、マスクMの下面の幅方向(Y軸方向)両端部には、マスクパターンが形成されていない領域(以下、余白領域と称する)が設けられている。このため、ペリクルPeの幅方向寸法は、マスクMの幅方向寸法よりも短く設定されている。マスクステージ装置14の詳細な構成については、後述する。
【0017】
図1に戻り、投影光学系16は、マスクステージ装置14の下方に配置されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される投影光学系と同様な構成の、いわゆるマルチレンズ投影光学系であり、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成する複数の投影光学系を備えている。
【0018】
液晶露光装置10では、照明系12からの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光により、投影光学系16を介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、基板P上の照明領域に共役な照明光の照射領域(露光領域)に形成される。そして、照明領域(照明光IL)に対してマスクMが走査方向に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pが走査方向に相対移動することで、基板P上の1つのショット領域の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMに形成されたパターンが転写される。
【0019】
装置本体18は、上記投影光学系16を支持しており、複数の防振装置19を介して床11上に設置されている。装置本体18は、例えば米国特許出願公開第2008/0030702号明細書に開示される装置本体と同様に構成されており、上架台部18a、下架台部18b、及び一対の中架台部18cを有している。装置本体18は、上記照明系フレーム30とは、振動的に分離して配置されている。したがって、投影光学系16と照明系12とが振動的に分離される。
【0020】
基板ステージ装置20は、ベース22、XY粗動ステージ24、及び微動ステージ26を含む。ベース22は、平面視(+Z側から見て)矩形の板状の部材から成り、下架台部18b上に一体的に載置されている。XY粗動ステージ24は、例えばX軸方向に所定の長ストロークで移動可能なX粗動ステージと、Y軸方向に所定の長ストロークで移動可能なY粗動ステージとを組み合わせた、いわゆるガントリタイプの2軸ステージ装置(X、Y粗動ステージは図示省略)である。
【0021】
微動ステージ26は、平面視矩形の板状(あるいは箱形)の部材から成り、基板Pの下面を吸着保持する基板ホルダを含む。微動ステージ26は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるような重量キャンセル装置(
図1では不図示)を介してベース22上に載置されている。微動ステージ26は、上記XY粗動ステージ24に案内(誘導)されることにより、投影光学系16(照明光IL)に対してX軸方向、及び/又はY軸方向に所定の長ストロークで移動する。
【0022】
微動ステージ26のY軸方向の位置情報は、微動ステージ26に固定されたYバーミラー27yを用いて装置本体18に固定されたYレーザ干渉計28yにより求められ、該Yレーザ干渉計28yの出力に基づいて基板PのY位置制御が行われる。また、微動ステージ26のX軸方向の位置情報は、
図2に示されるように、微動ステージ26に固定されたXバーミラー27xを用いて、装置本体18の一部である干渉計コラム18dに固定されたXレーザ干渉計28xにより求められ、該Xレーザ干渉計28xの出力に基づいて基板PのX位置制御が行われる。Yレーザ干渉計28y、及びXレーザ干渉計28xは、それぞれ複数設けられ、基板Pのθz方向の回転量情報も求めることができるようになっている。なお、上記マスクステージ装置14に保持されたマスクMに同期するように基板Pを少なくともX軸(走査)方向に所定の長ストロークで駆動することができれば、基板ステージ装置20の構成は、特に限定されない。
【0023】
マスクローダ装置90は、
図2に示されるように、床11上であって、装置本体18の−X側に設置されている。マスクローダ装置90は、複数のマスクMを保管するマスクストッカ92と、マスクストッカ92からマスクMをマスクステージ装置14に搬送するマスク搬送装置94とを備えている。マスクストッカ92は、複数のマスクMを上下方向に所定間隔で保持している。なお、
図2では不図示であるが、マスクストッカ92に保管されている複数のマスクMそれぞれには、予めペリクルPe(
図3参照)が取り付けられている。マスク搬送装置94は、搬送テーブル94a、該搬送テーブル94aを上下動させるための昇降装置94b、搬送テーブル94aとマスクストッカ92との間でマスクMの受け渡しを行う一対のスライド部材94c(
図2では一方のみ図示)を備えている。
【0024】
搬送テーブル94aは、マスクMよりも外形が幾分大きく設定された平面視矩形の板状部材から成る。昇降装置94bは、例えばエアシリンダなどの一軸アクチュエータを有しており、搬送テーブル94aに支持されたマスクMを上下動させる。一対のスライド部材94cは、
図7(A)に示されるように、Y軸方向に離間して配置され、一方が搬送テーブル94aの+Y側の端部近傍上に、他方が搬送テーブル94aの−Y側の端部近傍上に、例えば米国特許第6,761,482号明細書に開示されるような機械的なXリニアガイド装置94dを介してそれぞれ搭載されている。一対のスライド部材94cそれぞれは、YZ断面L字状のX軸方向に延びる部材から成り、互いに紙面左右対称に配置されている。一対のスライド部材94cは、ペリクルPeと接触しないでマスクMの+Y側及び−Y側それぞれの端部近傍(余白領域)を下方から支持することができるように、Y軸方向の間隔が設定されている。一対のスライド部材94cそれぞれは、不図示のXアクチュエータにより搬送テーブル94aに対してX軸方向に所定のストロークで同期駆動される。
【0025】
マスクMの搬入時において、マスク搬送装置94では、
図2に示されるように、所望(搬送対象)のマスクMの下方に一対のスライド部材94cが挿入可能となるように搬送テーブル94aのZ位置の位置決めがされ、その状態で一対のスライド部材94cが所望のマスクMの下方に挿入され、該マスクMがマスクストッカ92からスライド部材94cに受け渡される。マスク搬送装置94からマスクストッカ92へマスクMを戻す際には、上記とは逆の動作をする。マスクローダ装置90とマスクステージ装置14との間におけるマスクMの受け渡し動作については、後述する。なお、複数のマスクMを保管する装置の構成、及びマスクMを搬送する装置の構成は、これに限られず、適宜変更が可能であり、例えば、マスク搬送装置は、多関節ロボットアームなどであっても良い。また、マスクローダ装置90は、液晶露光装置10の外部に設けられていても良い。
【0026】
次にマスクステージ装置14の構成について説明する。マスクステージ装置14は、
図3に示されるように、マスクエアガイド40、一対のベース板50、及び一対のマスク保持装置60を有している。
【0027】
マスクエアガイド40は、マスクエアガイド支持フレーム18eに吊り下げ支持されている。マスクエアガイド支持フレーム18eは、複数の脚部18fを介して上架台部18aに支持されている。従って、マスクエアガイド40は、照明系12(
図3では不図示。
図1参照)に対して振動的に分離されている。
【0028】
マスクエアガイド40は、X軸方向に延びる厚さの薄い箱形の部材から成る本体部42と、X軸方向に延びる板状に形成された多孔質部材44とを有している。多孔質部材44は、本体部42の下面に形成された凹部に嵌め込まれている。マスクMは、その上面(パターン面とは反対側の面)が多孔質部材44の下面に対向するように配置される。多孔質部材44の長手方向の寸法は、マスクMの長手方向(X軸方向)の寸法よりも長く設定されており、露光動作時において、マスクMの上面は、常に多孔質部材44の下面に対向する。
【0029】
多孔質部材44の下面には、ほぼ全面にわたって複数の微少な孔部が形成されている。マスクエアガイド40には、マスクステージ装置14の外部に設置された不図示の加圧気体供給装置、及びバキューム装置が接続されている。マスクエアガイド40は、上記多孔質部材44が有する複数の孔部の一部を介して多孔質部材44の下面とマスクMの上面との間の気体を吸引してマスクMに浮上力(+Z方向の力)を作用させるとともに、上記複数の孔部の他部を介してマスクMの上面に加圧気体を噴出することにより、多孔質部材44の下面とマスクMの上面との間に微少なクリアランス(例えば、5〜10μm)を形成する。すなわちマスクエアガイド40は、いわゆるバキューム・プリロード・エアベアリングとして機能する。なお、マスクエアガイド40は、常に全面で気体を噴出及び吸引しても良いし、マスクMの上面に対向する領域のみで部分的に気体を噴出及び吸引するようにしても良い。
【0030】
また、
図2に示されるように、マスクエアガイド40における照明系12の直下の位置には、マスクエアガイド40の上面部及び下面部それぞれに開口する開口部46が形成されている。開口部46は、
図5に示されるように、Y軸方向を長手方向とする平面視矩形に形成され、照明系12から出射した照明光IL(それぞれ
図5では不図示。
図1参照)は、開口部46を通過してマスクMに照射される。なお、開口部46の形状は、特に限定されず、例えばマスクM上の照明領域の形状に応じて適宜変更が可能である(例えば円形であっても良い)。
【0031】
ここで、
図2に示されるように、マスクエアガイド40において、開口部46は、X軸方向に関する中央部よりも、幾分+X側に形成されている。そして、マスクエアガイド40では、開口部46よりも+X側の領域、及び開口部46よりも−X側の一部の領域が露光動作時にマスクMをガイドし(以下、これらの領域を露光領域と称する)、上記露光領域よりも−X側の領域(
図2において、干渉計コラム18dよりも−X側に突き出した領域)は、専らマスクMの交換動作時に用いられる(以下、マスク交換領域と称する)。上述したマスクローダ装置90の昇降装置94bは、マスク交換領域の直下に配置されている。
【0032】
一対のベース板50は、XY平面に平行に配置されたX軸方向に延びる板状の部材から成り、
図4に示されるように、一方が平面視でマスクエアガイド40の+Y側に配置され、他方が平面視でマスクエアガイド40の−Y側に配置されている。一対のベース板50それぞれは、
図1に示されるように、照明系フレーム30が有する複数の脚部32に固定されたマスクステージ支持フレーム36に支持されており(
図2参照)、装置本体18、及び基板ステージ装置20に対して相互に振動的に分離されている。なお、本実施形態において、一対のベース板50は、照明系フレーム30に支持されているが、装置本体18、及び基板ステージ装置20に対して相互に振動的に分離した状態で床11上に設置された別の架台上に搭載されていても良い。
【0033】
ベース板50の上面には、
図4に示されるように、複数(本実施形態では、例えば2本)のXリニアガイド52aがY軸方向に所定間隔で固定されている。また、ベース板50の上面であって、例えば2本のXリニアガイド52aの間の領域には、X軸方向に配列された複数の永久磁石を含むX磁石ユニット54aが固定されている。
【0034】
一対のマスク保持装置60は、一方が+Y側のベース板50上に、他方が−Y側のベース板50上にそれぞれ載置されている。一対のマスク保持装置60は、一方が他方に対してZ軸回りに180°回転したように配置されている点を除き、同じ構成であるので、以下、特に説明する場合を除き、+Y側のマスク保持装置60について説明する。マスク保持装置60は、
図3に示されるように、Xテーブル62、Xボイスコイルモータ64X、Yボイスコイルモータ64Y(
図3ではXボイスコイルモータ64Xの紙面奥側に隠れている。−Y側のマスク保持装置60を参照)、吸着保持部66、及びエアシリンダ68aを備えている。
【0035】
Xテーブル62は、XY平面に平行に配置された平面視矩形の板状の部材から成る。Xテーブル62の下面には、1本のXリニアガイド52aに対して、例えば2つ(
図3では紙面奥行き方向に重なっている)のXスライド部材52bが固定されている。Xスライド部材52bは、YZ断面逆U字状に形成され、対応するXリニアガイド52aと共に、例えば米国特許第6,761,482号明細書に開示されるような、機械的なXリニアガイド装置52を構成している。また、Xテーブル62の下面には、Xコイルユニット54bが上記X磁石ユニット54aに所定のクリアランスを介して対向して固定されている。Xコイルユニット54bは、X磁石ユニット54aと共に、例えば米国特許第8,030,804号明細書に開示されるような、Xリニアモータ54を構成している。
【0036】
Xテーブル62は、Xリニアモータ54を含むXテーブル駆動系を介して、ベース板50上をX軸方向に直進駆動される。なお、Xテーブル62をX軸方向に駆動するためのXアクチュエータの種類は、特に限定されず、例えばベース板50に固定されたネジ部とXテーブル62に固定されたナット部とを含む送りネジ装置、ベルト(あるいはロープなど)駆動装置などを用いることができる。Xテーブル62のX位置情報は、不図示のリニアエンコーダシステム(あるいは光干渉計システム)により求められる。
【0037】
Xボイスコイルモータ64X(
図3において、−Y側のマスク保持装置60のXボイスコイルモータ64Xは、Yボイスコイルモータ64Yの紙面奥側に隠れている。
図4参照)は、Xテーブル62の上面に取付板63を介して固定された固定子部64aと、吸着保持部66のスライド部材66bに固定された可動子部64bとを含む。可動子部64bは、YZ断面U字状に形成され、一対の対向面間に固定子部64aが挿入されている。可動子部64bは、例えば一対の対向面に磁石ユニットを有し、固定子部64aは、例えばコイルユニットを有している。コイルユニットに供給される電流の向き及び大きさは、不図示の主制御装置により制御される。マスク保持装置60は、Xボイスコイルモータ64Xの磁石ユニットとコイルユニットとの間に作用するX軸方向のローレンツ力により、吸着保持部66のスライド部材66bをXテーブル62に対してX軸方向に微少ストロークで駆動することができる。また、マスク保持装置60は、上記ローレンツ力を用いて、Xテーブル62と一体的にX軸方向に移動するように、吸着保持部66を誘導することができるようになっている。
【0038】
Yボイスコイルモータ64Y(
図3において、+Y側のマスク保持装置60のYボイスコイルモータ64Yは、Xボイスコイルモータ64Xの紙面奥側に隠れている。
図4参照)は、発生する駆動力(推力)の方向が異なる点を除き、上記Xボイスコイルモータ64Xと同じ構成であるので、説明を省略する。マスク保持装置60は、Yボイスコイルモータ64Yの磁石ユニットとコイルユニットとの間に作用するY軸方向のローレンツ力により、吸着保持部66のスライド部材66bをXテーブル62に対してY軸方向に微少ストロークで駆動することができる。なお、本実施形態において、Xボイスコイルモータ64XとYボイスコイルモータ64Yとは、個別に配置されているが、X軸方向、及び/又はY軸方向のローレンツ力を任意に発生することができる2自由度ボイスコイルモータを用いても良い。
【0039】
吸着保持部66は、吸着パッド66a、スライド部材66b、チューブベアリング66cを有している。本実施形態において、吸着パッド66aは、
図4に示されるように、ひとつのマスク保持装置60につき、X軸方向に所定間隔で、例えば2つ設けられているが、吸着パッド66aの数は、これに限られず、例えばマスクMの大きさに応じて適宜変更が可能である。
図3に戻り、吸着パッド66aは、YZ断面ほぼL字状の部材から成り、一端部がベース板50よりもマスクM側に突き出して配置されている。マスクMは、前述した余白領域(マスクパターンが形成されていない領域)が吸着パッド66aによって下方から支持される。吸着パッド66aには、マスクステージ装置14の外部に配置されたバキューム装置が接続されており、該バキューム装置から供給される真空吸引力を用いてマスクMを吸着保持可能となっている。
【0040】
スライド部材66bは、X軸方向に延びる平面視T字状(
図4参照)の板状部材から成り、Xテーブル62の上方に配置されている。スライド部材66bの一端には、吸着パッド66aの他端部近傍が一体的に接続されている。また、スライド部材66bの他端には、上記Xボイスコイルモータ64X、及びYボイスコイルモータ64Yの可動子部64bが固定されている。
【0041】
チューブベアリング66cは、XZ断面矩形の筒状の部材から成り、内壁面により規定されるXZ断面矩形の貫通孔内に上記スライド部材66bが、該内壁面に対して所定のクリアランスを介して挿入されている。チューブベアリング66cには、マスクステージ装置14の外部に配置された不図示の加圧気体供給装置が接続されており、上記内壁面の上下面に形成された複数の微少な孔部から、スライド部材66bの上下面に加圧気体を噴出する。スライド部材66bは、上記加圧気体の静圧により、チューブベアリング66cに非接触支持されている。ここで、X軸方向に関して、チューブベアリング66cの内壁面とスライド部材66bとの間には、スライド部材66bのチューブベアリング66cに対する微少ストロークの相対移動が許容される程度のクリアランスが形成されている(これに対しZ位置は拘束される)。
【0042】
チューブベアリング66cは、Xテーブル62に固定された軸受板66dに軸66eを介してθx方向に所定の角度で傾動自在に支持されている。軸66eのZ位置は、吸着パッド66aに吸着保持されたマスクMがマスクエアガイド40に懸垂支持された状態で、スライド部材66b(及び吸着パッド66aのパッド面)がXY平面とほぼ平行になるように設定されている。これに対し、吸着パッド66aとスライド部材66bとを合わせた系のY軸方向の重心位置は、上記軸66eよりもマスクM側となるように設定されており、例えばマスクMの搬入時、搬出時などにおいて、吸着パッド66aがマスクMを吸着保持していない状態では、
図7(B)に示されるように、チューブベアリング66c、スライド部材66b、及び吸着パッド66aが自重により一体的に傾動(回転)し、吸着パッド66aは、一端部側(パッド面側)が他端部側に比べて下方に下がった状態となる。ただし、Xボイスコイルモータ64X、及びYボイスコイルモータ64Yそれぞれの可動子部64bは、取付板63に固定された一対のストッパ板65間に挿入されており、Xボイスコイルモータ64X、及びYボイスコイルモータ64Yにおいて、固定子部64aと可動子部64bとの接触が防止される。
【0043】
エアシリンダ68aは、Xテーブル62とスライド部材66bとのX軸及びY軸方向に関する相対移動を制限するために用いられる。エアシリンダ68aは、+Y側のXテーブル62の上面上における−Y側の端部近傍、及び−Y側のXテーブル62の上面上における+Y側の端部近傍それぞれに、X軸方向に離間して、例えば2つ設けられている(
図3では、紙面奥行き方向に重なっている。(
図5参照))。エアシリンダ68aのロッド先端には、ボール68bが固定されている。また、スライド部材66bの下面であって、エアシリンダ68aに対応する位置には、下面側に広くなるテーパ面により規定される凹部68cが形成されている(
図4参照)。
【0044】
図3に示されるボール68bが対応する凹部68cから離脱した状態では、Xテーブル62とスライド部材66bとのX軸及びY軸方向に関する相対移動が許容される(Xテーブル62に対してスライド部材66bを微少駆動可能である)のに対し、ボール68bが対応する凹部68c内に挿入された(嵌合した)状態では、Xテーブル62とスライド部材66bとのX軸及びY軸方向に関する相対移動が制限される。また、ボール68bが対応する凹部68c内に挿入された状態で、該ボール68bを上下動させることにより、スライド部材66b(すなわち吸着パッド66a)を軸66e回りに傾動(回転)させることができる。
【0045】
また、エアシリンダ68aは、マスクステージ装置14の初期化動作時にも用いられる。マスクステージ装置14の初期化動作時は、マスク位置計測系の計測原点位置にXテーブル62、スライド部材66bなどを位置させる動作を含む。この際、ボール68bがテーパ面により規定される凹部68cに嵌合する構成であるので、Xテーブル62とスライド部材66bとを再現性良く位置合わせすることができる。
【0046】
マスクステージ装置14により駆動されるマスクMのXY平面内の位置情報(θz方向の回転量情報も含む)は、
図3に示されるように、マスクエアガイド40に内蔵された複数のエンコーダヘッド70により、マスクMの上面に形成された2次元グレーティング72を用いて求められる。2次元グレーティング72は、X軸方向に延びる帯状に形成され、マスクMの+Y側及び−Y側の端部近傍であって、マスクパターンと重ならない(照明光IL(
図1参照)の光路に干渉しない)位置に形成されている。2次元グレーティング72は、X軸方向を周期方向とするX回折格子(Xスケール)とY軸方向を周期方向とするY回折格子(Yスケール)とを含む。エンコーダヘッド70は、
図5に示されるように、マスクエアガイド40の+Y側及び−Y側の端部近傍それぞれに、マスクMのX位置に関わらず、常に少なくともひとつが2次元グレーティング72に対向可能な間隔で配置されている。なお、マスク位置計測系の構成は、これに限られず、例えば光干渉計システム、エンコーダシステムと光干渉計システムとの組み合わせであっても良いし、あるいは画像センサの出力に基づいてマスクMの位置情報を求めても良い。
【0047】
以上のようにして構成された液晶露光装置10(
図2参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、マスクローダ装置90によって、マスクステージ装置14へのマスクMのロードが行われるとともに、不図示の基板ローダによって基板ステージ装置20への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、そのアライメント計測の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0048】
ここで、液晶露光装置10では、基板Pに形成するマスクパターンに応じて、マスクMの交換が適宜が行われる。以下、マスクステージ装置14に保持されるマスクMの交換動作を含み、マスクローダ装置90、及びマスクステージ装置14の動作について
図6(A)〜
図7(C)を用いて説明する。
【0049】
図6(A)には、マスクステージ装置14にマスクMが保持されていない状態の液晶露光装置10が示されている。マスク保持装置60は、マスク交換領域よりも幾分+X側に待機している。また、マスクローダ装置90では、マスク搬送装置94によりマスクストッカ92からマスクMが取り出されている。
【0050】
マスクローダ装置90は、
図6(B)に示されるように、マスクMが完全にマスクストッカ92から取り出された後、昇降装置94bを用いて搬送テーブル94aを+Z方向に駆動する。これにより、マスクエアガイド40がマスクMを懸垂保持可能となる位置まで、マスクMがマスクエアガイド40に接近する。この際も、マスク保持装置60は、マスク交換領域よりも幾分+X側に待機している。上記待機状態において、マスク保持装置60は、
図7(A)に示されるように、エアシリンダ68aのボールが下降駆動され、吸着パッド66aが傾いた状態とされている。
【0051】
図7(B)には、マスクMがマスクエアガイド40により非接触懸垂保持された状態が示されている。この際、マスクMがマスクエアガイド40の下面に沿ってXY平面に平行な方向に移動しないように、例えばマスクエアガイド40に設けられた不図示の流れ止め装置により、マスクMのマスクエアガイド40に対する相対移動を制限しても良い。また、この流れ止め装置は、マスクMの落下を防止するZストッパとしての機能を有していても良い。マスクMをマスクエアガイド40に受け渡した後、マスクローダ装置90では、搬送テーブル94aが−Z方向に駆動される。
【0052】
この後、一対のマスク保持装置60それぞれが−X方向に駆動され、吸着パッド66aがマスクMの下方に挿入される。そして、
図7(C)に示されるように、エアシリンダ68aを用いてボール68bが上昇駆動されることにより、該ボール68bにより吸着パッド66aが押し上げられる。これにより、吸着パッド66aのパッド面とマスクMの下面とが対向する。マスク保持装置60は、吸着パッド66aを用いてマスクMを吸着保持する。この際、上述の流れ止め装置を用いる場合、該流れ留め装置は、マスクMが吸着保持された後、マスクMから退避するように制御される。
【0053】
マスクMが吸着パッド66aに吸着保持された状態では、マスクM、及び複数の吸着パッド66aは、一体物として見なすことができるので、
図7(C)に示される状態からボール68bを下降駆動させて
図3に示される状態としても、吸着パッド66aが傾くことがない。なお、この際、マスクMには、吸着パッド66aの自重により重力方向下方へ引っ張られる力が作用するので、Xボイスコイルモータ64X、及びYボイスコイルモータ64Yの少なくとも一方をZ方向にも力を発生することができる2自由度モータとし、マスクMを下方から上方へ押すように該2自由度モータを制御(ボイスコイルモータが−Z方向の力を発生するように制御)しても良い。なお、マスクMをマスクステージ装置14から搬出する際の動作は、上記搬入時の動作と逆であるので、説明を省略する。
【0054】
以上説明したマスクステージ装置14によれば、マスクMの上面のほぼ全面(開口部46が形成されている部分を除く)をマスクエアガイド40により上方から非接触懸垂支持するので、マスクMの撓み(変形)を抑制できる。これにより、デフォーカスが抑制され、より高精度でマスクパターンを基板Pに転写することができる。
【0055】
また、マスクMの上面のほぼ全面が支持されるため、仮にマスクMの端部のみを支持する構造のマスクステージ装置(以下、比較例に係るマスクステージ装置と称する)を用いる場合に比べ、マスクMの共振周波数が高くなる。従って、露光動作時におけるマスクMの精密な位置決め制御性が向上し、基板Pに転写されるパターンにむらが発生することが抑制される。
【0056】
また、マスクステージ装置14は、一対のマスク保持装置60を用いてマスクMを直接駆動するので、例えばマスクMを保持した枠状の部材(マスクホルダ)を駆動する上記比較例に係るマスクステージ装置に比べ、駆動対象物が軽量であり、より高精度でマスクMの位置制御を行うことができる。また、コストダウンも可能となる。
【0057】
また、仮にマスクエアガイド40(あるいはマスク保持装置60)への加圧気体の供給(あるいは真空吸引力の供給)が停止したとしても、吸着パッド66aの傾動がストッパ板65により制限されるので、マスクMが吸着パッド66aに下方から支持された状態が維持される。したがって、マスクMが下方に落下するおそれがない。
【0058】
また、マスクローダ装置90は、マスクMの搬入時には、マスクMを+Z方向に駆動してマスクエアガイド40に受け渡し、マスクMの搬出時には、マスクMを−Z方向に駆動してマスクエアガイド40から受け取るので、構成をシンプル、且つコンパクトとすることができる。
【0059】
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態に係る液晶露光装置110について、
図8(A)〜
図10(B)を用いて説明する。本第2の実施形態に係る液晶露光装置110の構成は、マスクローダ装置190の構成を除き、上記第1の実施形態の液晶露光装置10(
図1参照)と同じなので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1の実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1の実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0060】
マスクローダ装置190は、マスクストッカ192と、マスク搬送装置194とを備えている。マスクストッカ192は、上記第1の実施形態と同様に、複数のマスクMを上下方向に所定間隔で保持するが、任意のマスクMをマスク搬送装置194に向けて水平方向に押し出す押し出し装置(不図示。
図8(A)の白矢印参照)を有する。マスク搬送装置194は、上記第1の実施形態と同様の搬送テーブル94a、及び昇降装置94bを有する。
【0061】
本第2の実施形態では、上記第1の実施形態の一対のスライド部材94c(
図2、
図7(A)など参照)に換えて、搬送テーブル94aが複数の可動駒94eを有している。可動駒94eは、搬送テーブル94aの+Y側、及び−Y側の端部近傍それぞれに、X軸方向に所定間隔で複数(
図8(A)〜
図10(B)では、例えば3つ。ただし数は、これに限定されない)設けられている。複数の可動駒94eは、それぞれ搬送テーブル94aに対して上下方向(Z軸方向)に独立して移動可能となっており、不図示のZアクチュエータを介して不図示の主制御装置によりZ位置が制御される。+Y側の複数の可動駒94eと、−Y側の複数の可動駒94eとの間隔は、上記第1の実施形態と同様に、ペリクルPe(
図3参照)と接触しないでマスクMの+Y側及び−Y側それぞれの端部近傍(余白領域)を下方から支持することができるように設定されている。
【0062】
マスクローダ装置190では、
図8(A)に示されるように、所望のマスクMがマスクストッカ192から押し出されてマスク搬送装置194の複数の可動駒94e上に載置される。次いで、マスク搬送装置194は、
図8(B)に示されるように、昇降装置94bを用いてマスクMを上昇駆動し、該マスクMをマスクエアガイド40に受け渡す。マスクMがマスクエアガイド40に非接触懸垂支持されると、
図9(A)に示されるように、マスク保持装置60がマスクMを下方から支持するために−X方向に駆動される。
【0063】
ここで、上記第1の実施形態では、
図7(B)に示されるように、マスク保持装置60がマスクMを下方から支持することができるように(吸着パッド66aがスライド部材94cと接触しないように)、搬送テーブル94aが予め下方に駆動されたが、本第2の実施形態では、
図9(A)に示されるように、搬送テーブル94aは、移動せず、可動駒94eのみが駆動される。すなわち、マスクローダ装置190では、マスク保持装置60が−X方向にスライドしてくる際の吸着パッド66aのX位置に応じて、可動駒94eが吸着パッド66aと接触しないように下方に駆動される(吸着パッド66aの移動経路から退避する)。また、可動駒94eは、
図9(B)に示されるように、吸着パッド66aの通過後に上昇駆動され、マスクMを下方から支持する。これにより、マスクMは、吸着パッド66aのX位置に関わらず、常に少なくともひとつの可動駒94eに下方から支持される。
図9(A)では、最も+X側の可動駒94eのみが吸着パッド66aの移動経路から退避しており、
図9(B)では、中央の可動駒94eのみが吸着パッド66aの移動経路から退避している。
【0064】
マスク保持装置60がマスクMを保持した後は、
図10(A)に示されるように、搬送テーブル94aが下降駆動され、マスクMを保持したマスク保持装置60は、
図10(B)に示されるように、露光動作のためにマスクMを照明系12の下方に向けて駆動する。本第2の実施形態によれば、仮にマスクMを懸垂支持した状態でマスクエアガイド40に対する加圧気体の供給が停止したとしても、マスクMが搬送テーブル94a上に落下することが防止される。
【0065】
なお、以上説明した第1、及び第2の実施形態の構成は、適宜変更が可能である。例えば、上記第1及び第2の実施形態において、マスクMの交換動作を行う際、マスクMの搬出動作とマスクMの搬入動作とが同じ位置(マスク交換位置)で行われたが、マスク搬入位置(ローディングポジション)とマスク搬出位置(アンローディングポジション)とは、別であっても良く、例えばアンローディングポジションを開口部46に対してX軸方向の一側(例えば−X側)の領域に設定するととともに、ローディングポジションを開口部46に対してX軸方向の他側(例えば+X側)の領域に設定しても良い。この場合、マスクMの搬出動作と別のマスクMの搬入動作とを一部並行して行うことができるので、効率が良い。
【0066】
また、上記第1及び第2の実施形態において、マスクエアガイド40は、マスクエアガイド40の下面とマスクMの上面との間に加圧気体を高速で噴出すること(マスクエアガイド40を、いわゆるベルヌーイチャックとして機能させること)により(気体の吸引を行うことなく)、マスクMを懸垂保持しても良い。
【0067】
また、上記実施形態において、マスクMは、一対のマスク保持装置60それぞれの吸着パッド66aにより、+Y側、及び−Y側の端部近傍が吸着保持されたが、吸着パッド66aの数、及びマスクMの吸着保持位置は、これに限られず、より多くの箇所(X軸方向の端部を含む)を吸着保持しても良い。この場合、例えば枠状の部材を用いてマスクMの外周全体を囲んでも良い。
【0068】
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F
2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
【0069】
また、投影光学系16が複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、オフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、投影光学系16としては、拡大系、又は縮小系であっても良い。
【0070】
また、マスクステージ装置としては、例えば米国特許第8,159,649号明細書に開示されるような、2種類のマスクパターンが形成されたマスクを適宜Y軸方向にステップ移動させることにより、マスク交換を行うことなく上記2種類のマスクパターンを選択的に基板に転写することが可能なマスクステージ装置であっても良い。この場合、上記第1〜第4の実施形態に係るマスクエアガイド40の幅を、上記実施形態に比べて広く形成すると良い。
【0071】
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネル製造用の露光装置、半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
【0072】
また、露光対象となる物体はガラスプレートに限られず、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。なお、本実施形態の露光装置は、一辺の長さ、又は対角長が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。
【0073】
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。