(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる転写装置及び画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態では、本発明の画像形成装置を電子写真方式のモノクロ複写機に適用した場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。本発明の画像形成装置は、電子写真方式で画像を形成する装置であれば、モノクロ、カラーを問わず適用でき、例えば、電子写真方式の印刷装置や複合機(MFP:Multifunction Peripheral)などにも適用できる。なお、複合機とは、印刷機能、複写機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する装置である。
【0012】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の複写システムの構成について説明する。
【0013】
図1は、第1実施形態の複写システム1の全体構成の一例を示す模式図である。
図1に示すように、複写システム1は、複写機2と、ADF(Auto Document Feeder)3と、フィニッシャ4と、両面反転ユニット5と、拡張給紙トレイ6と、大容量給紙トレイ7と、インサートフィーダ8と、1ビン排紙トレイ9とを、備える。
【0014】
複写機2は、複写システム1の本体部に該当し、原稿を電子的に読み取って画像データを生成するスキャナ部、スキャナ部によって生成された画像データに基づく画像を作像する作像部、用紙を給紙する給紙部、作像された画像を用紙に転写する転写部など(スキャナ部及び給紙部については図示省略、作像部及び転写部については
図1では図示省略)を、備える。以下では、画像が転写された用紙を複写物と称する場合がある。
【0015】
ADF3は、原稿を自動的に複写機2(詳細には複写機2のスキャナ部)に送るものである。
【0016】
フィニッシャ4は、ステープラ及びシフトトレイなどを有するいわゆる後処理装置であり、複写機2によって複写された複写物にステープル処理などの後処理を施す。なお、フィニッシャ4は、これに限定されるものではなく、ステープル処理、パンチ(穿孔)処理、及び折り処理などの後処理を施すものであればよい。
【0017】
両面反転ユニット5は、用紙の両面に複写を行う場合に、片面に画像が転写された用紙を反転して複写機2(詳細には複写機2の転写部)に戻すものである。
【0018】
拡張給紙トレイ6は、拡張用の給紙トレイであり、用紙を複写機2の転写部に送る。
【0019】
大容量給紙トレイ7は、複写機2の給紙部や拡張給紙トレイ6よりも多くの用紙を収納可能な給紙トレイであり、用紙を複写機2の転写部に送る。
【0020】
インサートフィーダ8は、表紙や合紙などの用紙を複写機2の転写部に送る。
【0021】
1ビン排紙トレイ9は、1つのビンを排紙先とする排紙トレイであり、複写機2によって複写された複写物が排紙される。
【0022】
図2は、第1実施形態の複写機2の作像及び転写にかかる構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、複写機2は、作像部20と、駆動用ローラ21、22と、中間転写ベルト23と、斥力ローラ24と、二次転写ローラ25と、二次転写電源100とを、備える。
【0023】
作像部20は、感光体ドラム20a、帯電装置、現像装置、一次転写ローラ20b、及びクリーニング装置など(帯電装置、現像装置、及びクリーニング装置については図示省略)を、備える。
【0024】
作像部20及び図示せぬ照射装置は、感光体ドラム20a上で作像プロセス(帯電工程、照射工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)を行うことにより、感光体ドラム20a上に静電トナーパターンを形成し、中間転写ベルト23に転写する。
【0025】
まず、帯電工程では、図示せぬ帯電装置は、回転駆動されている感光体ドラム20aの表面を帯電する。
【0026】
続いて、照射工程では、図示せぬ照射装置は、感光体ドラム20aの帯電面に光変調されたレーザ光を照射し、感光体ドラム20aの表面に静電潜像を形成する。
【0027】
続いて、現像工程では、図示せぬ現像装置は、感光体ドラム20a上に形成された静電潜像をトナー(現像剤の一例)で現像する。これにより、静電潜像をトナーで現像したトナー像である静電トナーパターンが感光体ドラム20a上に形成される。
【0028】
続いて、転写工程では、一次転写ローラ20bは、感光体ドラム20a上に形成された静電トナーパターンを中間転写ベルト23に転写(一次転写)する。なお、感光体ドラム20a上には、静電トナーパターンの転写後においても未転写トナーが僅かながら残存する。
【0029】
続いて、クリーニング工程では、図示せぬクリーニング装置は、感光体ドラム20a上に残存している未転写トナーを払拭する。
【0030】
なお第1実施形態では、複写機2がモノクロで複写を行う複写機であるため、作像部は単数となっているが、複写機2がカラーで複写可能であれば、作像部は複数となり、使用するトナーの色彩の数に応じた数の作像部を備えることになる。この場合、各作像部は、使用するトナーの色彩は異なるが、構成及び動作は、共通となる。
【0031】
中間転写ベルト23は、駆動用ローラ21、22や斥力ローラ24などの複数のローラに掛け回されたエンドレスのベルトであり、駆動用ローラ21、22の一方が回転駆動させられることにより無端移動する。
【0032】
中間転写ベルト23は、作像部20(一次転写ローラ20b)により静電トナーパターンが転写され、転写された静電トナーパターンを斥力ローラ24と二次転写ローラ25との間に搬送する。この際、図示せぬ給紙部などにより、用紙Pが、静電トナーパターンの搬送タイミングに合わせて、斥力ローラ24と二次転写ローラ25との間に搬送される。このため、静電トナーパターンと用紙Pとの転写位置が一致する。
【0033】
なお第1実施形態では、用紙Pは、例えば、表面平滑性が低い(表面の凹凸が大きい)レザック紙や表面平滑性が高い(表面の凹凸が小さい)普通紙であるものとするが、これに限定されるものではない。
【0034】
斥力ローラ24(転写部の一例)は、二次転写ローラ25との間の二次転写ニップ(図示省略)で、中間転写ベルト23により搬送された静電トナーパターンを用紙Pに転写(二次転写)する。なお、斥力ローラ24は、転写バイアス用の電源である二次転写電源100に接続されており、二次転写ローラ25は、接地されている。
【0035】
二次転写電源100は、斥力ローラ24及び二次転写ローラ25による二次転写が行われるタイミングで、斥力ローラ24に高電圧を印加する。ここで、複写機2では、一般的な画像形成装置同様、トナーが負極性に帯電しているため、二次転写電源100は、斥力ローラ24に負極性の高電圧を印加することで、トナーに斥力を加え、転写を行うものとする。
【0036】
二次転写電源100は、直流電源110と、直流電源110と直列に接続された交流電源140とを、備える。直流電源110は、交流電源140に直流電圧を出力する。交流電源140は、直流電源110から出力された直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧と、直流電源110から出力された直流電圧とを、選択的に斥力ローラ24に出力する。
【0037】
具体的には、二次転写電源100(交流電源140)は、ユーザ設定に応じて、重畳電圧を斥力ローラ24に印加したり、直流電圧を斥力ローラ24に印加したりする。なお第1実施形態では、用紙Pがレザック紙である場合には、斥力ローラ24を重畳電圧で印加するユーザ設定、用紙Pが普通紙である場合には、斥力ローラ24を直流電圧で印加するユーザ設定が、ユーザにより予め行われることを想定している。
【0038】
これにより、斥力ローラ24と二次転写ローラ25との間に電位差が生じ、トナーが中間転写ベルト23から用紙P側へ向かう電圧が生じるため、静電トナーパターンを用紙Pに転写することができる。つまり、斥力ローラ24は、二次転写電源100(交流電源140)から出力された電圧(重畳電圧又は直流電圧)を用いて、トナーを用紙Pに転写する。
【0039】
なお、用紙Pが表面平滑性の低いレザック紙である場合、重畳電圧でトナーを双方向(転写方向及びその逆方向)に移動させて(振動させて)転写を行うため、凹部へのトナーの転写率が向上し、濃度ムラなどの発生を防止できるため、画像品質を向上できる。また、用紙Pが表面平滑性の高い普通紙である場合、直流電圧でトナーを転写方向に移動させて転写を行うため、トナーの散りを抑制でき、画像のにじみなどの発生を防止できるため、画像品質を向上できる。
【0040】
静電トナーパターンが用紙Pに転写されると、図示せぬ定着装置により用紙Pの加熱及び加圧が行われ、静電トナーパターンが用紙Pに定着される。そして、静電トナーパターンが定着された用紙Pは、複写機2から1ビン排紙トレイ9(
図1参照)に排紙される。
【0041】
図3は、第1実施形態の複写機2の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、複写機2は、二次転写電源100と、電源制御部200とを、備える。二次転写電源100は、直流電源110と、交流電源140と、出力異常検知部170とを、備える。直流電源110は、トナー転写用の電源であり、直流出力制御部111と、直流駆動部112と、直流電圧用トランス113と、直流出力検知部114とを、有する。交流電源140は、トナー振動用の電源であり、交流出力制御部141と、交流駆動部142と、交流電圧用トランス143と、交流出力検知部144とを、有する。電源制御部200は、二次転写電源100を制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを有する制御装置により実現できる。
【0042】
直流出力制御部111には、電源制御部200から、直流電圧の出力の大きさを制御するDC_PWM信号が入力され、また、直流出力検知部114から、直流出力検知部114により検知された直流電圧用トランス113の出力値が入力される。そして直流出力制御部111は、入力されたDC_PWM信号のデューティ比及び直流電圧用トランス113の出力値に基づき、直流電圧用トランス113の出力値がDC_PWM信号で指示された出力値となるように、直流駆動部112を介して直流電圧用トランス113の駆動を制御する。
【0043】
直流駆動部112は、直流出力制御部111からの制御に従って、直流電圧用トランス113を駆動する。
【0044】
直流電圧用トランス113は、直流駆動部112により駆動され、負極性の直流の高電圧出力を行う。
【0045】
直流出力検知部114は、直流電圧用トランス113の直流の高電圧出力の出力値を検知し、直流出力制御部111に出力する。また、直流出力検知部114は、検知した出力値をFB_DC信号(フィードバック信号)として電源制御部200に出力する。これは、環境や負荷によって転写性が落ちないように、電源制御部200においてDC_PWM信号のデューティを制御させるためである。
【0046】
なお第1実施形態では、直流電源110は、定電流制御を行っているものとするが、これに限定されるものではなく、定電圧制御を行ってもよい。
【0047】
交流出力制御部141には、電源制御部200から、交流電圧の出力の大きさを制御するAC_PWM信号、また、交流出力検知部144から、交流出力検知部144により検知された交流電圧用トランス143の出力値が入力される。そして交流出力制御部141は、入力されたAC_PWM信号のデューティ比、及び交流電圧用トランス143の出力値に基づき、交流電圧用トランス143の出力値がAC_PWM信号で指示された出力値となるように、交流駆動部142を介して交流電圧用トランス143の駆動を制御する。
【0048】
交流駆動部142には、交流電圧の出力周波数を制御するAC_CLK信号が入力される。そして交流駆動部142は、交流出力制御部141からの制御及びAC_CLK信号に基づき、交流電圧用トランス143を駆動する。交流駆動部142は、AC_CLK信号に基づき交流電圧用トランス143を駆動することで、交流電圧用トランス143によって生成される出力波形を、AC_CLK信号で指示された任意の周波数に制御することができる。
【0049】
交流電圧用トランス143は、交流駆動部142により駆動されて交流電圧を生成し、生成した交流電圧と直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧とを重畳して重畳電圧を生成し、生成した重畳電圧を斥力ローラ24に出力(印加)する。なお交流電圧用トランス143は、交流電圧を生成しない場合には、直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧を斥力ローラ24に出力(印加)する。斥力ローラ24に出力された電圧(重畳電圧又は直流電圧)は、その後、二次転写ローラ25を介して直流電源110内に帰還する。
【0050】
交流出力検知部144は、交流電圧用トランス143の交流電圧の出力値を検出し、交流出力制御部141に出力する。また、交流出力検知部144は、検出した出力値をFB_AC信号(フィードバック信号)として電源制御部200に出力する。これは、環境や負荷によって転写性が落ちないように、電源制御部200においてAC_PWM信号のデューティを制御させるためである。
【0051】
なお第1実施形態では、交流電源140は、定電圧制御を行っているものとするが、これに限定されるものではなく、定電流制御を行うようにしてもよい。
【0052】
また、交流電圧用トランス143(交流電源140)が生成する交流電圧は、正弦波及び矩形波のいずれであってもよいが、第1実施形態では、短パルス状矩形波であるものとする。これは、交流電圧の波形を短パルス状矩形波にすることで、より画像品質の向上に寄与できるためである。
【0053】
以下、正弦波に対する短パルス状矩形波の利点を具体的に説明する。
図4は、短パルス状矩形波の交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧の一例を示す図であり、
図5は、正弦波の交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧の一例を示す図である。
【0054】
一般的に、交流電圧は、時間によって表すことができるため、
図4に示す重畳電圧は、数式(1)、(2)で表すことができ、
図5に示す重畳電圧は、数式(3)で表すことができる。
【0055】
V(s)=V
+ (0≦s≦T’) …(1)
【0056】
V(s)=V
− (T’≦s≦T) …(2)
【0058】
ここで、sは時間を表し、V
+はパルス電圧の正極性の増大値を表し、V
−はパルス電圧の負極性の増大値を表し、Tはパルス電圧の波形の周期を表し、T’は極性の切換点を表す。なお、パルス電圧の正極性の出力エネルギーと負極性の出力エネルギーとは等しく、数式(4)の関係が成立するものとする。
【0059】
V
+×T’=V
−×(T−T’) …(4)
【0060】
また、V
mは正弦波の振幅を表し、ωは角速度を表す。
【0061】
まず、
図4及び
図5に示す重畳電圧は、いずれも負極性の直流電圧に交流電圧を重畳したものであるため、負極性の直流電圧の値である重畳電圧の平均値(負の値)に、正極性の電気エネルギー及び負極性の電気エネルギーが互いに周期的に加えられている。そして、正極性の電気エネルギーが周期的に加えられることで、トナーは転写方向及びその逆方向に振動し、用紙の凹部へのトナーの付着量が増加する。一方、負極性の電気エネルギーも周期的に加えられるので、負極性の電圧も増大し、負極性の電圧ピーク値は重畳電圧の平均値よりも小さくなる。
【0062】
ここで、負極性の電圧が増大しすぎると、気中放電が発生し、用紙の凸部に白抜けが生じてしまうため、負極性の電圧の増大値は、正極性の電圧の増大値よりも小さくすることが好ましい。しかし、
図5に示すように、重畳電圧が正弦波の交流電圧と直流電圧とを重畳したものである場合、電圧の増大値は、正弦波の振幅V
mとなるため、上述のような調整は困難である。このため第1実施形態では、
図4に示すように、重畳電圧を短パルス状矩形波の交流電圧と直流電圧とを重畳したものとし、負極性の電圧の増大値V
−を正極性の電圧の増大値V
+よりも小さくすることで、用紙の凸部への白抜けの発生を防止し、画像品質を向上している。
【0063】
また、
図4に示す重畳電圧と
図5に示す重畳電圧との正極性のピーク値が等しい(V
+=V
m)とすると、V
−は、数式(5)で表すことができる。
【0064】
V
−=V
m×T’/T−T’ …(5)
【0065】
ここで、発明者らは、T’がTの10〜20%程度の場合、画像のにじみが低減することを発見した。これは、短パルス状矩形波において正極性の電圧印加時間を短時間にすることにより、正弦波における正極性の電圧印加に比べ、トナーの移動が急峻になり、トナーの散りが減少したことに起因していると考えられる。
【0066】
このため第1実施形態では、
図4に示すように、重畳電圧を短パルス状矩形波の交流電圧と直流電圧とを重畳したものとし、T’をTの10〜20%程度に設定することで、画像のにじみを低減し、画像品質を向上している。
【0067】
なお、T’をTの10〜20%程度に設定しても、V
−は、V
mの11〜25%程度に抑えられるため、
図5に示す重畳電圧と比べて、気中放電電圧に対しV
m×3/4〜V
m×8/9程度のマージンを確保することができ、気中放電に起因する用紙の凸部への白抜けの発生も防止することが可能になる。
【0068】
図3に戻り、出力異常検知部170は、二次転写電源100の出力ライン上に配置されており、電線の地絡等によって出力異常が発生した際には、SC信号を電源制御部200に出力する。これにより、電源制御部200による二次転写電源100からの高圧出力を停止するための制御が可能となる。
【0069】
図6は、第1実施形態の二次転写電源100の構成の一例を示す回路図である。
【0070】
直流電源110には、電源制御部200からDC(−)_PWM信号が入力され、入力されたDC(−)_PWM信号は積分されて、電流制御回路122(コンパレータ)に入力される。積分されたDC(−)_PWM信号の値は、電流制御回路122における基準電圧となる。また、直流電流検出回路128は、二次転写電源100の出力ライン上で直流電源110が出力した直流電流を検出し、検出した直流電流の出力値を電流制御回路122に入力する。そして電流制御回路122は、基準電圧に対し直流電流が小さい場合には直流高圧トランスの直流駆動回路123を積極的に駆動させ、基準電圧に対し直流電流が大きい場合には直流高圧トランスの直流駆動回路123の駆動を規制する。これにより、直流電源110は、定電流性を確保している。
【0071】
また、直流電圧検出回路126は、直流電源110が出力した直流電圧を検出し、検出した直流電圧の出力値を電圧制御回路121(コンパレータ)に入力する。そして電圧制御回路121は、直流電圧の出力値が上限に達した際には、直流高圧トランスの直流駆動回路123の駆動を規制する。また、直流電圧検出回路127は、直流電圧検出回路126により検出された直流電圧の出力値をFB_DC(−)信号として電源制御部200にフィードバックする。
【0072】
電流制御回路122及び電圧制御回路121の制御に従った直流駆動回路123の駆動により、直流高圧トランスの1次側巻線N1_DC(−)124及び直流高圧トランスの2次側巻線N2_DC(−)125にて生成された出力はダイオード及びコンデンサによって平滑された後、直流電圧として交流電源入力部157から交流電源140に入力され、交流高圧トランスの2次側巻線N2_AC156に印加される。
【0073】
交流電源140には、電源制御部200からAC_PWM信号が入力され、電圧制御回路151(コンパレータ)に入力される。入力されたAC_PWM信号の値は、電圧制御回路151における基準電圧となる。また、交流電圧検出回路162は、交流高圧トランスの1次側巻線N3_AC155によって生じる相互誘導電圧から交流電圧の出力値を予測し、予測した交流電圧の出力値を電圧制御回路151に入力する。これは、交流電圧は直流電圧と重畳されるため、交流電源140自身の出力(交流電圧)のみを二次転写電源100の出力ライン上で検出することが困難なためである。そして電圧制御回路151は、基準電圧に対し交流電圧が小さい場合には交流高圧トランスの交流駆動回路153を積極的に駆動させ、基準電圧に対し交流電圧が大きい場合には交流高圧トランスの交流駆動回路153の駆動を規制する。これにより、交流電源140は、定電圧性を確保している。
【0074】
また、交流電流検出回路160は、二次転写電源100の出力ラインである交流バイパス用コンデンサ159の低圧側で交流電流を検出し、検出した交流電流の出力値を電流制御回路152(コンパレータ)に入力する。そして電流制御回路152は、交流電流の出力値が上限に達した際には、交流高圧トランスの交流駆動回路153の駆動を規制する。また、交流電流検出回路161は、検出した交流電流の出力値をFB_AC信号として電源制御部200にフィードバックする。
【0075】
交流高圧トランスの交流駆動回路153は、電源制御部200から入力されるAC_CLK信号と電圧制御回路151及び電流制御回路152とのAND論理に従って駆動し、AC_CLKと同一の周期を持つ出力を生成する。
【0076】
交流駆動回路153の駆動により、交流高圧トランスの1次側巻線N1_AC154にて生成された交流電圧は、2次側巻線N2_AC156に印加されている直流電圧に重畳されて、高圧出力部158から重畳電圧として斥力ローラ24に出力(印加)される。但し、交流電源140が駆動していない場合は、2次側巻線N2_AC156に印加されている直流電圧がそのまま高圧出力部158から斥力ローラ24に出力(印加)される。
【0077】
一般的に、昇圧トランスの2次側巻線は、グランド及び高電圧出力用端子に接続されるため、2次側巻線の低圧側(入力側)が高電圧になることは想定されていない。しかしながら、第1実施形態では、二次転写電源100が重畳電圧を出力する場合、直流電源110によって生成された直流高電圧を交流高圧トランスの2次側巻線N2_AC156の低圧側(入力側)に入力し、更に交流電圧を重畳しているため、通常よりも、2次側巻線の低圧側(入力側)が高電圧になる。この結果、一般的な交流高圧トランスを用いると、2次側巻線の絶縁が取れず、交流高圧トランス内部で電流のリークが生じる恐れがある。
【0078】
このため第1実施形態では、交流高圧トランスに対し、二次転写電源100の最大出力電圧(重畳電圧の最大値)、即ち、交流電源140の最大出力電圧だけでなく、交流電源140の最大出力電圧と直流電源110の最大出力電圧とを印加しても耐えうるように耐圧性を向上させている。
【0079】
具体的には、交流高圧トランスの2次側巻線N2_AC156の低圧側(入力側)における巻線の間隔を一般的な交流高圧トランスよりも広くし、二次転写電源100の最大出力電圧に耐えうるようにしている。
【0080】
より詳細に説明すると、通常、昇圧トランスは、入力側よりも出力側の方が、電圧が高くなるので、巻線の間隔は、出力側になるほど広くなる。このため第1実施形態では、2次側巻線N2_AC156の低圧側(入力側)における巻線の間隔を、直流電源110の最大出力電圧に耐えうる間隔とし、2次側巻線N2_AC156の高圧側(出力側)における巻線の間隔を、二次転写電源100の最大出力電圧(重畳電圧の最大値)に耐えうる間隔としている。
【0081】
なお第1実施形態では、直流電圧単独で出力する場合の直流電流の狙い値(電流制御回路122における基準電圧に相当)の方が、直流電圧に交流電圧を重畳して出力する場合の直流電流の狙い値よりも数割程度値が大きくなる。同様に、直流電流の出力が狙い値になった場合の直流電圧の値も、直流電圧単独で出力する場合の方が直流電圧に交流電圧を重畳して出力する場合よりも値が大きくなる。
【0082】
このため、一見すると、交流電源140の最大出力電圧と直流電源110の最大出力電圧とが同時に交流高圧トランスに印加されることはなく、交流高圧トランスは、交流電源140の最大出力電圧と直流電源110の最大出力電圧とを印加しても耐えうるまでの耐圧性は要求されないようにも思える。
【0083】
しかしながら、直流電圧に交流電圧を重畳して出力する場合であっても用紙等の抵抗など条件によっては、一時的に交流電源140の最大出力電圧と直流電源110の最大出力電圧とが同時に交流高圧トランスに印加されることがある。このため、第1実施形態では、交流高圧トランスに対し、交流電源140の最大出力電圧と直流電源110の最大出力電圧とを印加しても耐えうるように耐圧性を向上させている。
【0084】
また第1実施形態では、交流高圧トランスの2次側巻線N2_AC156だけではなく、交流駆動回路153、1次側巻線N1_AC154、1次側巻線N3_AC155など2次側巻線N2_AC156の周辺回路についても耐圧性を向上させている。
【0085】
具体的には、2次側巻線N2_AC156の周辺回路は、交流高圧トランスの2次側巻線N2_AC156に対し二次転写電源100の最大出力電圧が出力されても耐えうるだけの絶縁距離を確保して配置している。ここで第1実施形態では、交流駆動回路153、1次側巻線N1_AC154、1次側巻線N3_AC155、及び2次側巻線N2_AC156などにより交流高圧トランスを構成しているため、交流高圧トランス内において、十分な絶縁距離を確保して配置されている。なお、具体的な絶縁距離は、二次転写電源100の最大出力電圧、交流高圧トランスの構造及び材質、2次側巻線N2_AC156の巻数、並びに交流高圧トランス内の絶縁体の厚さ及び材質などに応じて決定できる。
【0086】
また第1実施形態では、直流電圧と交流電圧との両電圧が交流高圧トランス内を介して出力されるため、二次転写電源100の最大出力電圧に対して適切な太さの巻線を使用することで、2次側巻線N2_AC156の抵抗値を低減し、大きな熱の発生も防止している。
【0087】
以上のように、第1実施形態では、二次転写電源100は、直流電源110と、直流電源110と直列に接続された交流電源140とを、有し、交流電源140は、直流電源110から出力された直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧と、直流電源110から出力された直流電圧とを、選択的に出力し、交流電源140から出力された電圧を用いて、トナーを用紙に転写する。
【0088】
従って第1実施形態によれば、用紙が表面平滑性の低いレザック紙である場合、重畳電圧でトナーを双方向(転写方向及びその逆方向)に移動させて(振動させて)転写を行うため、凹部へのトナーの転写率が向上し、濃度ムラなどの発生を防止できるため、画像品質を向上できる。また、用紙が表面平滑性の高い普通紙である場合、直流電圧でトナーを転写方向に移動させて転写を行うため、トナーの散りを抑制でき、画像のにじみなどの発生を防止できるため、画像品質を向上できる。
【0089】
なお、表面平滑性の低い用紙専用の低出力直流電源と交流電源とをリレー等のスイッチ機構にて出力経路から切り離し、使用するときのみ接続する手法も考えられるが、この手法では、表面平滑性の高い用紙への転写に使用する直流電源とは別に低出力直流電源が必要となるため、実装面積やコストが増大してしまう。
【0090】
これに対し、第1実施形態では、直流電源を共通化できるため、実装面積やコストを抑えることができる。
【0091】
また第1実施形態によれば、交流高圧トランスの2次側巻線の低圧側(入力側)が高電圧になるが、交流高圧トランスの耐圧性を向上させているため、交流高圧トランス内部での電流のリーク等の発生も防止できる。
【0092】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる電源構成、具体的には、直流電源及び交流電源に加えクリーニング用電源を備える二次転写電源について説明する。
【0093】
第2実施形態の複写機は、一般的な画像形成装置同様、印刷動作中において、中間転写ベルト23が常に回転しているため、斥力ローラ24と二次転写ローラ25との間に紙がない場合(以下、紙間と称する)、中間転写ベルト23上に付着したトナーが二次転写ローラ25に付着し、次に印刷される用紙の裏面を汚してしまう。特に、両面印刷を行う場合には、画像面(印刷面)を汚すことになり、画質の悪化を招いてしまう。
【0094】
このため第2実施形態では、紙間時に転写時とは逆極性(正極性)の直流電圧を斥力ローラ24に印加することで、トナーを中間転写ベルト23に吸着させ、二次転写ローラ25の汚れを防止する。
【0095】
なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0096】
図7は、第2実施形態の複写機1002の電気的構成の一例を示すブロック図である。二次転写電源300はクリーニング用電源180を備え、電源制御部400は転写時とは逆極性(正極性)のDC(+)_PWM信号を出力する点で、第1実施形態の二次転写電源100及び電源制御部200と相違する。クリーニング用電源180は、直流出力制御部181と、直流駆動部182と、直流電圧用トランス183と、直流出力検知部184とを、有する。
【0097】
まず、用紙へのトナー転写時の二次転写電源300及び電源制御部400の動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0098】
一方、紙間では、直流出力制御部181には、電源制御部400から、正極性の直流電圧の出力の大きさを制御するDC(+)_PWM信号が入力され、また、直流出力検知部184から、直流出力検知部184により検知された直流電圧用トランス183の出力値が入力される。なお紙間では、電源制御部400は、直流出力制御部111への負極性の直流電圧の出力の大きさを制御するDC(−)_PWM信号の出力を停止する。そして直流出力制御部181は、入力されたDC(+)_PWM信号のデューティ比及び直流電圧用トランス183の出力値に基づき、直流電圧用トランス183の出力値がDC(+)_PWM信号で指示された出力値となるように、直流駆動部182を介して直流電圧用トランス183の駆動を制御する。
【0099】
なお、新たな用紙へのトナー転写が発生すると、電源制御部400は、直流出力制御部181への正極性の直流電圧の出力の大きさを制御するDC(+)_PWM信号の出力を停止し、第1実施形態で説明した動作を行う。
【0100】
直流駆動部182は、直流出力制御部181からの制御に従って、直流電圧用トランス183を駆動する。
【0101】
直流電圧用トランス183は、直流駆動部182により駆動され、正極性の直流の高電圧出力を行う。この際、直流電源110及び交流電源140は駆動していないため、クリーニング用の逆極性(正極性)の直流電圧はそのまま斥力ローラ24に印加される。
【0102】
直流出力検知部184は、直流電圧用トランス183の直流の高電圧出力の出力値を検知し、直流出力制御部181に出力する。
【0103】
なお第2実施形態では、クリーニング用電源180は、定電圧制御を行っているものとするが、これに限定されるものではなく、定電流制御を行ってもよい。
【0104】
図8は、第2実施形態の二次転写電源300の構成の一例を示す回路図である。二次転写電源300はクリーニング用電源180を備える点で、第1実施形態の二次転写電源100と相違する。
【0105】
まず、用紙へのトナー転写時の二次転写電源300の動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
一方、紙間では、クリーニング用電源180には、電源制御部400からDC(+)_PWM信号が電圧制御回路191(コンパレータ)に入力される。入力されたDC(+)_PWM信号の値は、電圧制御回路191における基準電圧となる。また、直流電圧検出回路196は、二次転写電源300の出力ライン上でクリーニング用電源180が出力した直流電圧を検出し、検出した直流電圧の出力値を電圧制御回路191に入力する。そして電圧制御回路191は、基準電圧に対し直流電圧が小さい場合には直流高圧トランスの直流駆動回路193を積極的に駆動させ、基準電圧に対し直流電圧が大きい場合には直流高圧トランスの直流駆動回路193の駆動を規制する。これにより、クリーニング用電源180は、定電圧性を確保している。
【0107】
また、直流電流検出回路197は、クリーニング用電源180が出力した直流電流を検出し、検出した直流電流の出力値を電流制御回路192(コンパレータ)に入力する。そして電流制御回路192は、直流電流の出力値が上限に達した際には、直流高圧トランスの直流駆動回路193の駆動を規制する。
【0108】
電流制御回路192及び電圧制御回路191の制御に従った直流駆動回路193の駆動により、直流高圧トランスの1次側巻線N1_DC(+)194及び直流高圧トランスの2次側巻線N2_DC(+)195にて生成された出力はダイオード及びコンデンサによって平滑された後、直流電圧として交流電源入力部157から交流電源140に入力され、交流高圧トランスの2次側巻線N2_AC156に印加される。但し、紙間では、直流電源110及び交流電源140が駆動していないため、2次側巻線N2_AC156に印加されている直流電圧がそのまま高圧出力部158から斥力ローラ24に出力(印加)される。
【0109】
ここで、第2実施形態の構成においても、第1実施形態同様、交流高圧トランスの耐圧性を向上させておく必要があるが、第2実施形態の二次転写電源300の最大出力電圧は、第1実施形態の二次転写電源100と同様であるため、第1実施形態と同様の耐圧処理を施せばよい。
【0110】
以上のように、第2実施形態によれば、残存トナーによる用紙の汚れを防止できるため、より画像品質を向上させることができる。
【0111】
(変形例)
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0112】
(変形例1)
例えば、
図9に示すように、感光体ドラム1103に中抵抗の転写ローラ1102を接触させ、転写ローラ1102に電源1101からバイアスを印加し、トナーを用紙1104に転写させ、かつ用紙1104を搬送させる構成において、電源1101に上記各実施形態と同様の電源構成を採用してもよい。
【0113】
なお、感光体ドラム1103などを有する作像部の構成は、第1実施形態と同様であり、転写ローラ1102は、ステンレスやアルミニウム等からなる芯金上に導電性のスポンジからなる抵抗層が形成される。なお、抵抗層の表面にフッ素樹脂等からなる表層を設けてもよい。
【0114】
また、感光体ドラム1103及び転写ローラ1102が当接して転写ニップ(図示省略)が形成されている。感光体ドラム1103は接地され、転写ローラ1102は、電源1101が接続され、転写バイアスが印加される。これにより、感光体ドラム1103と転写ローラ1102との間に、感光体ドラム1103から転写ローラ1102側に向けてトナーを静電移動させる転写電界が形成され、感光体ドラム1103上のトナー像は、転写電界やニップ圧の作用によって転写ニップに向けて送り出された用紙1104に転写される。
【0115】
(変形例2)
例えば、
図10に示すように、感光体ドラムに中抵抗の転写ベルト1204を接触させ、転写ベルト1204に電源1201からバイアスを印加し、トナーを用紙に転写させ、かつ用紙を搬送させる構成において、電源1201に上記各実施形態と同様の電源構成を採用してもよい。
【0116】
なお、感光体ドラムなどを有する作像部の構成は、第1実施形態と同様である。転写ベルト1204は、駆動ローラ1202と従動ローラ1203との間に架け回されて支持され、駆動ローラ1202によって図中矢印で示す方向に走行する。転写ベルト1204は駆動ローラ1202と従動ローラ1203との間の位置で感光体ドラムと当接する。転写ベルト1204のループ内側には転写バイアスローラ1205とバイアスブラシ1206とが設けられ、感光体ドラムと転写ベルト1204とが当接する領域よりも下流側の位置でベルトに当接する。
【0117】
また、感光体ドラム及び転写バイアスローラ1205が当接して転写ニップ(図示省略)が形成されている。感光体ドラムは接地され、転写バイアスローラ1205は、電源1201が接続され、転写バイアスが印加される。これにより、感光体ドラムと転写バイアスローラ1205との間に、感光体ドラムから転写バイアスローラ1205側に向けてトナーを静電移動させる転写電界が形成され、感光体ドラム上のトナー像は、転写電界やニップ圧の作用によって転写ニップに向けて送り出された用紙に転写される。
【0118】
なお、転写バイアスローラ1205及びバイアスブラシ1206は、いずれか一方のみを設けるようにしてもよい。また、転写バイアスローラ1205及びバイアスブラシ1206のいずれかを転写ニップの直下に設けてもよい。また、転写バイアスローラ1205及びバイアスブラシ1206に代えて、転写チャージャを用いてもよい。
【0119】
(変形例3)
例えば、
図11に示すように、CMYK各色の感光体ドラムに中抵抗の転写ベルト1303を介してCMYK各色の転写ローラ1304C、1304M、1304Y、及び1304Kを接触させ、転写ローラ1304C、1304M、1304Y、及び1304Kそれぞれに電源1301C、1301M、1301Y、1301Kからバイアスを印加し、トナーを用紙に転写させ、かつ用紙を搬送させる構成において、電源1301C、1301M、1301Y、1301Kに上記各実施形態と同様の電源構成を採用してもよい。
【0120】
CMYK各色の感光体ドラムなどを有する各色作像部の構成は、トナー色が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
【0121】
転写ベルト1303は、複数のローラの間に架け回されて支持され、図中反時計周りに走行する。転写ベルト1303は、各色の感光体ドラムそれぞれと当接する。転写ベルト1303のループ内側には各色の転写ローラ1304C、1304M、1304Y、及び1304Kが設けられ、各色の感光体ドラムに対向して転写ベルト1303に当接する。
【0122】
転写ローラ1304CとC色の感光体ドラムとが当接して転写ニップが形成されている。C色の感光体ドラムは、接地され、転写ローラ1304Cは、電源1301Cが接続され、転写バイアスが印加される。転写ローラ1304Cには、電源1301Cによって転写バイアスが印加される。これにより、転写ニップにおいてC色の感光体ドラムから転写ローラ1304C側に向けてC色のトナーを静電移動させる転写電界が形成される。なお、他の色の感光体ドラム、転写ローラ及び電源においても、上述と同様の動作が行われる。
【0123】
用紙は、図右下側から搬送され、バイアス印加された紙吸着ローラと転写ベルト1303の間を通過することで転写ベルト1303に吸着した後、各色の転写ニップへ搬送される。感光体ドラム上の各色のトナー像は、転写電界やニップ圧の作用によって、転写ニップへ搬送された用紙に順次転写され、用紙にフルカラートナー像が形成される。
【0124】
なお、電源1301C、1301M、1301Y、及び1301Kを色毎に用意せずに、1つの電源とし、転写ローラ1304C、1304M、1304Y、及び1304Kにバイアスを印加してもよい。
【0125】
(変形例4)
例えば、
図12に示すように、感光体ドラムの近傍に転写チャージャ1402及び分離チャージャ1404を配置して、紙を転写・分離させて搬送させる方式において、転写チャージャ1402のワイヤーに電源1401からバイアスを印加し、トナーを用紙に転写させ、かつ用紙を搬送させる場合に、電源1401に上記各実施形態と同様の電源構成を採用してもよい。
【0126】
用紙は、レジストローラ1403を通過後、転写チャージャ1402にて転写され、分離チャージャ1404にて分離されて定着部へと搬送される。
【0127】
(変形例5)
例えば、
図13に示すように、中間転写ベルト1502に二次転写ベルト1504を接触させて、用紙を転写・分離させて搬送させる方式において、対向ローラ1503に電源1501からバイアスを印加し、トナーを用紙に転写させ、かつ用紙を搬送させる場合に、電源1501に上記各実施形態と同様の電源構成を採用してもよい。
【0128】
CMYK各色の感光体ドラムなどを有する各色作像部の構成は、トナー色が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
【0129】
二次転写ベルト1504は、駆動ローラ1505と従動ローラ1506との間に架け回されて支持され、駆動ローラ1505によって図中反時計周りに走行する。二次転写ベルト1504は、中間転写ベルト1502と当接する。
【0130】
二次転写ベルト1504と中間転写ベルト1502とが当接して二次転写ニップが形成されている。駆動ローラ1505は、接地され、対向ローラ1503は、電源1501が接続され、転写バイアスが印加される。これにより、二次転写ニップにおいて中間転写ベルト1502から二次転写ベルト1504側に向けてトナーを静電移動させる転写電界が形成される。中間転写ベルト1502上のトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって、二次転写ニップに進入した用紙に転写される。
【0131】
なお、対向ローラ1503も接地するとともに、ローラcを設け、ローラcに電源1501を接続し、転写バイアスを印加するようにしてもよい。
【0132】
(変形例6)
上記各実施形態及び各変形例では、トナーが負極性に帯電しているため、二次転写電源は、斥力ローラ24に負極性の高電圧を印加することで、トナーに斥力を加え、転写を行う例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、二次転写電源は、二次転写ローラ25に正極性の高電圧を印加することで、トナーに引力を加え、転写を行うようにしてもよい。
【0133】
(変形例7)
なお、上述した各実施形態及び各変形例は、一例を示すものであり、構成やプロセス条件が変わっても本発明を実現できることを他の画像形成装置や種々の画像形成環境で確認している。