(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
静電潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、前記潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記潜像担持体との対峙位置において2次転写対向ローラを含む複数のローラに掛け回された中間転写体と、前記潜像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する1次転写装置と、前記中間転写体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置と、前記2次転写対向ローラに対峙して前記中間転写体に当接する2次転写位置において前記中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写すると共に該記録媒体を定着装置へ搬送する2次転写体と、を備える画像形成装置であって、
前記2次転写体に対して接離可能に配置されて前記2次転写体に付着したトナーを掻き取る第1クリーニング手段と、前記記録媒体が前記2次転写位置を通過していないときに前記2次転写対向ローラにトナーと逆極性のバイアスを印加することにより、前記2次転写体上に残留付着しているトナーを前記中間転写体に転移させる第2クリーニング手段とを有し、
前記第1クリーニング手段を使用しないときは、前記第1クリーニング手段は前記2次転写体から離間され、
印刷中であって連続通紙する間の記録媒体間又は印刷中であって非画像部のタイミングで画像濃度や位置ずれを調整するプロセスコントロール時は、前記第1クリーニング手段を前記2次転写体に当接させ、前記第2クリーニング手段は動作させずにクリーニングを行い、前記第1クリーニング手段の前記2次転写体への当接時間は、前記2次転写体が少なくとも1周回転する時間であり、
印刷中以外のタイミングで画像濃度や位置ずれを調整するプロセスコントロール時は、前記第1クリーニング手段を前記2次転写体に当接させ、かつ、前記第2クリーニング手段を動作させてクリーニングを行い、前記第1クリーニング手段の前記2次転写体への当接時間及び前記第2クリーニング手段によるバイアスの印加時間は、前記2次転写体が少なくとも1周回転する時間であることを特徴とする画像形成装置。
画像濃度や位置ずれを調整するために用いるテストパターンを検知する検知手段が設けられ、該検知手段により前記テストパターンを前記2次転写体上で検知することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタのフルカラー化、高速化及び高画質化が進み、オフセット印刷レベルの高精細な画像形成も可能になった。特に、オンデマンド出版物の分野において、比較的手軽で、また少部数への対応が可能であることから、これまで印刷法で作製してきた出版物をフルカラー複写機やフルカラープリンタで作製する傾向が顕著になっている。その結果、版を起こす手間をかけずにプリント作成ができるという迅速性がビジネスチャンスを拡大し、最近では一部の商用軽印刷分野でオフセット印刷との競合が始まっている。
【0003】
このような静電プロセスを用いた画像形成装置では、中間転写ベルトが広く用いられており、また、多種多様な用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含む画像が形成されるものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙などとも称される)への高画質な画像を求めるニーズに対しては2次転写ベルトを用いたものが好適である。すなわち、2次転写ベルトに用紙を吸着させることで、薄紙など剛性の低い用紙に対しても皺や変形を形成することなく、またジャムを引き起すことなく安定して2次転写部を通過させることができる。
【0004】
一方このような画像形成装置では、2次転写ベルト上に付着したトナーをクリーニングする必要があり、クリーニングを行わないと用紙の裏面に汚れ等が発生する。フルカラー化、高速化によりクリーニングがより困難になっているが、商用印刷では商品である印刷物に裏汚れ等を発生させないようにすることが非常に重要である。
【0005】
2次転写ベルトの汚れを除去する方法としては、従来から2次転写ベルトを機械的にクリーニングする方法と電気的にクリーニングする方法が用いられている。
2次転写ベルトの機械的なクリーニング方法は、クリーニングブレード、ローラ、ブラシ等のクリーニング部材を、所定圧力で2次転写ベルトに押付け、この接触圧力で2次転写ベルト上の汚れトナーを回収するものである。
【0006】
しかしながら、従来の画像形成装置ではクリーニング部材が2次転写ベルトに常に当接しているため、両者の摺擦によって2次転写ベルト表面の損耗やクリーニング部材の磨耗が生じてこれらの寿命が低下し、結果として画像形成装置の寿命低下を招き、部品交換を行ってもランニングコストが増大するという問題があった。
【0007】
一方、2次転写ベルトの電気的なクリーニング方法は、2次転写ベルト上に付着している汚れトナーにバイアスを印加することで汚れトナーを回収する方法である。しかしながら、このように静電的にトナーを回収するだけでは、2次転写ベルトからの汚れトナーの転移は完全ではなく不十分である。
【0008】
そこで、機械的にクリーニングする方法と電気的にクリーニングする方法を併用する方法が知られている(特許文献1,2)。
【0009】
特許文献1には、感光ドラム上に形成されたトナー像を転写紙に転写させる無端状の転写ベルトの裏面側に配列されたバイアスローラと、転写ベルトに接触して転写ベルトに残留付着しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードを備え、バイアスローラをもクリーニング手段として用い、転写紙が転写部を通過していないときにバイアスローラにバイアス電圧を印加して転写ベルト上に残留付着しているトナーを感光ドラムに転移させ、転写紙の裏汚れを防止する画像形成装置が開示されている。
【0010】
しかし、この技術は昨今のフルカラー化、高速連続印刷化には対応しておらず、クリーニング性能が十分ではない。例えば、用紙サイズ混載の両面連続印刷などでは、両面印刷中に非画像部に対応した2次転写ベルト上に蓄積した汚れが印刷面である第2面を汚してしまう。
【0011】
特許文献2には、2本以上のローラに懸架され、且つ像担持体と接触して転写ニップを形成する無端状の転写ベルトを有し、転写ベルトにバイアスを印加して像担持体上のトナー像を静電的に転写材に転写する転写手段と、転写ベルトにブレードを圧着解除可能にして、ブレードの圧着時に転写ベルトに付着したトナーを剥ぎ取る第1クリーニング手段と、転写ベルトに付着したトナーを静電ローラにより除去または転写ベルトに付着したトナーをファーブラシにより除去する第2クリーニング手段とを備え、第2クリーニング手段は常時作用させ、所定シーケンスのみ第1クリーニング手段も作用させる画像形成装置が開示されている。
【0012】
しかし、この技術では第2クリーニング手段である静電ローラを別途設けているため、装置の大型化やコスト増大を招く。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
画像形成装置1は、色分解に対応した色の画像を形成可能な潜像担持体としての感光体を複数並置したタンデム方式の構成を有し、各感光体上で形成されたトナー像を中間転写ベルトに重畳転写したうえで、その重畳画像を用紙に対して一括転写することで多色画像を形成可能なフルカラープリンタである。なお、本発明の画像形成装置としては、フルカラープリンタに限らず、フルカラー複写機、ファクシミリ装置及び印刷機なども含まれる。
【0018】
図1においてフルカラープリンタ1には、画像形成部1Aが縦方向の中央部に位置し、その下方には給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方には原稿載置台1C1を備えた原稿走査部1Cがそれぞれ配置されている。
【0019】
画像形成部1Aには、水平方向に展張面を有する中間転写ベルト2で構成された転写手段が配置されており、中間転写ベルト2の上方には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。
【0020】
画像形成部1Aには、補色関係にある色のトナー(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)による画像を担持可能な感光体3B、3Y、3C、3Mが、中間転写ベルト2の展張面に沿って並置されている。なお、以下の説明において、全ての感光体に共通する内容の場合には感光体を符号3により示す。各感光体3B、3Y、3C、3Mは、それぞれ同じ方向(
図1では、反時計方向)に回転可能なドラムで構成されている。その周辺には、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、書き込み装置5、現像装置6、転写バイアス印加手段の一つである1次転写装置7及びクリーニング装置8が配置されている。
図1では、便宜上、感光体3Bを対象として各装置の符号にBを付して示している。
【0021】
帯電装置4は感光体3の表面を帯電させ、現像装置6は感光体上の潜像を現像してトナー像を形成し、1次転写装置7は感光体上のトナー像を中間転写ベルト2に転写し、2次転写体としての2次転写ベルト9Cは2次転写位置において中間転写ベルト2上のトナー像を用紙に転写すると共に用紙を定着装置11へ搬送する。
【0022】
中間転写体としての中間転写ベルト2は、各感光体を備えた作像ユニットからの可視像を順次転写される1次転写部と、複数のローラ2A〜2Dに掛け回されて感光体との対峙位置において同方向に移動可能な構成を備えている。展張面を構成するローラ2A,2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで2次転写装置9に対峙してトナーと同極性のバイアスが印加された2次転写対向ローラとして用いられており、ローラ2Dはテンションローラとして用いられている。この2次転写対向ローラ2Cには、後述するようにバイアス印加される電位極性を反転することができる電源が接続している。
【0023】
2次転写後の中間転写ベルト2上に残留した転写残トナーは、クリーニング装置10により除去される。クリーニング装置10は、クリーニングブレードと、固形潤滑材を塗布する回転可能なローラ状の塗布ブラシとを備えている。クリーニングブレードは、中間転写ベルト2に当接してその表面から転写残トナーを掻き取る。塗布ブラシは、回転しながら、加圧バネにより押しつけられている固形潤滑剤を掻き取って中間転写ベルト2に塗布する。このように、クリーニング装置10は、中間転写ベルト2上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置としての機能と、中間転写ベルト2表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置としての機能を兼ね備えている。本実施例のクリーニング装置10はブレード方式で構成されるが、静電クリーニング方式であってもよい。静電クリーニング方式の場合は、クリーニングローラ若しくはクリーニングブラシにバイアスを印加し、中間転写ベルト上に付着した残トナーを静電吸着してクリーニングする。
【0024】
2次転写装置9は、駆動ローラ9A及び従動ローラ9Bに掛け回され、2次転写装置9が位置する2次転写位置において中間転写ベルト2と同方向に移動可能な2次転写ベルト9Cを備えており、2次転写ベルト9Cを駆動ローラ9Aにより駆動している。なお、前述した1次転写装置7のバイアス特性にもよるが、駆動ローラ9Aに帯電特性を備えさせて用紙を静電吸着するように構成することもできる。2次転写装置9では、2次転写ベルト9Cにより用紙を搬送する過程で中間転写ベルト2に重畳された多色画像を一括転写によって、あるいは担持されている単一色の画像をそれぞれ用紙に転写することができる。
【0025】
2次転写位置には給紙部1Bから用紙が給送されるようになっている。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と、給紙カセット1B1から繰り出される用紙の搬送路に配置された複数の搬送ローラ1B2と、2次転写位置前方に位置するレジストローラ1B3とを備えている。本実施例では、給紙部1Bには、給紙トレイ1B1から繰り出される用紙の搬送路に加えて、給紙カセット1B1内に収容されていない種類の用紙を2次転写位置に向けて給送できる構成が備えられている。この構成は、画像形成部1Aの壁面の一部を起倒可能に設けた手差しトレイ1A1と繰り出しコロ1A2とを備えている。給紙カセット1B1からレジストローラ1B3に向かう用紙の搬送路途中には、手差しトレイ1A1から繰り出された用紙の搬送路が合流し、いずれの搬送路から給送される用紙もレジストローラ1B3によってレジストタイミングが設定されるようになっている。
【0026】
書き込み装置5(
図1では便宜上、符号5Bで示してある)は、原稿走査部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより得られる画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力される画像情報により書き込み光が制御されて感光体3B、3Y、3C、3Mに対して画像情報に応じた静電潜像を形成するようになっている。
【0027】
原稿走査部1Cには、原稿載置台1C1上の原稿を露光走査するスキャナ1C2が備えられており、さらに原稿載置台1C1の上面には、自動原稿給送装置1C3が配置されている。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
【0028】
書き込み装置5により形成された感光体3上の静電潜像は、現像装置6(
図1では、便宜上、符号6Bで示してある)によって可視像処理され、1次転写装置7により中間転写ベルト2に1次転写される。中間転写ベルト2に対して各色のトナー像が重畳転写されると、トナー像は2次転写装置9により2次転写位置、すなわち中間転写ベルト2と2次転写ローラ9Aとの当接位置(2次転写ニップ)において用紙に一括して2次転写される。
【0029】
2次転写された用紙は2次転写装置9により定着装置11に搬送され、ここで表面に担持している未定着画像を定着される。定着装置11は、詳細を図示しないが加熱ローラにより加熱される定着ベルトと定着ベルトに対向当接する加圧ローラとを備えたベルト定着構造を備えている。定着ベルトと加圧ローラとの当接領域、つまりニップ領域を設けることにより、別ローラ方式の定着構造に比べて用紙への加熱領域を広げることができるようになっている。定着装置11を通過した用紙は、定着装置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪12によって搬送方向が切り換えられるようになっており、排紙トレイ13又は反転されて再度レジストローラ1B3に向けて給送される。
【0030】
画像形成装置1における1次転写装置7(
図1では、便宜上、符号7Bで示してある)は、正極の転写バイアスを印加するローラであって、図示しない軸受けと圧縮スプリングなどの弾性体により中間転写ベルト2を介して感光体3に対して所定圧力で押圧されている。
【0031】
また、1次転写装置7Bは、感光体3の中心位置との対向位置に対して1〜2mmほど中間転写ベルト2の移動方向下流側にオフセットされた位置で、中間転写ベルト2と連動して回転するようになっている。これは、正規転写位置よりも前に転写バイアスによる転写が開始されて画像の流れなどの異常画像を発生させるプレ転写を防止するためである。
【0032】
また、1次転写装置7は、金属芯金に中抵抗の電気特性を持つゴム材料を巻き付けた形態で構成されている。本実施例では、1次転写装置7は中抵抗の発泡ゴムで構成されており、その体積抵抗率は10
6〜10
10Ω・cm、好ましくは10
7〜10
9Ω・cmの範囲である。材料は発泡ゴムに限定されず、中抵抗のソリッドゴムも同様に用いることが可能である。また2次転写対向ローラ2Cは、金属芯金に中抵抗の電気特性を持つゴム材料を巻き付けた形態で構成されている。本実施例では、2次転写対向ローラ2Cは中抵抗ソリッドゴムで構成されており、その体積抵抗率は10
6〜10
10Ω・cm、好ましくは10
7〜10
9Ω・cmの範囲である。2次転写ローラ9Aは中抵抗の発泡ゴムで構成されており、その体積抵抗率は10
6〜10
10Ω・cm、好ましくは10
7〜10
9Ω・cmの範囲である。
【0033】
1次転写工程において、1次転写装置7として用いられるローラへの1次転写バイアス印加のために、極性が(+)の定電流電源を用いており、電流設定値は略20〜40μAの範囲である。一方、2次転写対向ローラとして用いられるローラ2C(以下では斤力ローラともいう)への2次転写バイアス印加では、極性が(−)の定電流電源を用いており、電流設定値は略20〜50μAの範囲である。このようにローラ2Cを斤力ローラとして用いる場合には、駆動ローラ9Aが電気的にアースに設定されている。
アースに繋がっている駆動ローラ9Aに対して、中間転写ベルト2上のトナーを用紙側へ押し出す方向に2次転写電界が印加されている。
【0034】
本実施例の中間転写ベルト2は、具体的にはPI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂により構成された基層50〜100μmの上に、ウレタン、NBR、CR等のゴム材料に同様にカーボン分散或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した材料からなる弾性層を100〜500μm設け、表層には1〜10μm程度の厚みを持ったフッ素系のゴム或いは樹脂(或いは、それらのハイブリッド材料でもよい)の薄層のコーティングを施した3層ベルトによって構成されている。
【0035】
その体積抵抗率は10
6〜10
10Ω・cm、好ましくは10
8〜10
10Ω・cmの範囲である。また、その表面抵抗率は10
6〜10
12Ω/□、好ましくは10
8〜10
12Ω/□の範囲である。また、基層のヤング率(縦弾性率)は3000Mpa以上が望ましく、駆動による伸び、曲げ、しわ、波打ちに耐えるのに十分な機械強度が必要である。このような少なくとも1つの弾性層と画像形成面に薄層を有する弾性中間転写ベルトを用いることで、厚紙や、紙繊維の密度が低い用紙や、表面に20〜30μmの凹凸を有する所謂エンボス紙等の用紙においても、弾性層が凹部へ追従するため凹部へのトナー転写性が良好になるというベタ埋り改善効果が知られている。
【0036】
他の中間転写ベルト2の例として、単層構成のベルトとしてPI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂単層でも良い。また、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂の単層構成の中間転写ベルト2の表面側にのみベルトの層自体の体積抵抗率よりも僅かに高抵抗の表層を設けたベルトでもよい。表層厚みとしては、1〜10μm程度が望ましい。これは、特に樹脂中にカーボンを分散させて抵抗制御を行うタイプのベルトで、一度定着を通過して紙中の水分量が減少して抵抗が上昇した状態の紙への2次転写工程で発生する「白ポチ」という現象が改善されることが知られている。「白ポチ」というのは、カーボン分散状態のばらつきにより転写電流が集中して流れる経路ができて、その部分のトナーがはじき飛ばされて白く抜ける現象のことである。表面に高抵抗層を設けることにより、転写電流の局所的な集中が緩和されるため、異常画像「白ポチ」が改善される。
【0037】
次に、本発明の特徴部であるクリーニング装置について説明する。
本発明の特徴部は、2次転写装置9における2次転写ベルト9Cのクリーニング装置であって、2次転写ベルト9Cの表面に付着している汚れトナーを効率よく除去するための構成である。この汚れトナーは、中間転写ベルトの背面から印加された転写電界が用紙以外の部分に対しても印加されることから、中間転写ベルト上に付着している所謂「カブリトナー」が2次転写ベルト上に転写されたものである。また、汚れトナーは、用紙のジャムにより転写時に用紙が2次転写ニップに来なかった場合や、用紙と用紙の間の非画像部で濃度補正のためのテストトナー像を2次転写ベルト9Cに転写する場合等のものである。
【0038】
この2次転写ベルト上に転写された汚れトナーを放置した状態でさらに印字処理を続けると、用紙の裏面に汚れトナーが付着し、用紙の印字品位の低下を来たすことになる。
【0039】
図2は、クリーニング装置の概略構成図である。
クリーニング装置は、2次転写装置9の移動方向下流側に配置されている第1クリーニング手段としてのクリーニングブレード15と、2次転写対向ローラ2Cにトナーと逆極性の電位を印加することによってトナーを中間転写ベルト2へ転移させる第2クリーニング手段とを備えて構成されている。第2クリーニング手段は、トナーと逆極性の電位を印加することができる定電流電源(不図示)であり、2次転写対向ローラ2Cに接続している。
【0040】
クリーニングブレード15はゴムブレードで構成されており、その先端を2次転写ベルト9Cに接触させることで、2次転写ベルト9Cの表面に付着している汚れトナーを掻き取ることができるようになっている。また、ブレード15は、2次転写ベルトに対して接離可能となっており、所定条件でのみ当接してクリーニングを行う。掻き取られた汚れトナーは、ブレード15が収容されている回収槽17に取り込まれる。
【0041】
このクリーニング装置による第1クリーニングでは、クリーニングブレード15の2次転写ベルト9Cへの当接時間は、2次転写ベルト9Cが1周するのに要する時間以上とする。2次転写ベルト9Cには、その全周にわたって汚れトナーが付着している可能性があるため、ブレード15により全ての汚れトナーを取り除くためには、2次転写ベルト9Cが少なくとも完全に1周する間は第1クリーニングを実行する必要があるからである。
【0042】
また、第2クリーニング手段による第2クリーニングでは、現像装置6において帯電された帯電極性である負極性(−)を有する、2次転写ベルト9C上に付着している汚れトナーを中間転写ベルト2に転移させるために、これと逆極性である正極性(+)のバイアス電界を2次転写対向ローラ2Cに印加する電界制御を行う。
【0043】
すると、汚れトナーと逆極性のバイアス電界を印加された2次転写対向ローラ2Cの静電力により、2次転写ベルト9C上に付着している汚れトナーは2次転写位置において中間転写ベルト2に転移し、その後クリーニング装置10によって回収される。
【0044】
しかし、この2次転写ベルト9C上に残留している汚れトナーが多い場合は、2次転写ベルトから中間転写ベルト2への汚れトナーの転写は完全には行われないため、第2クリーニングだけでは不十分である。しかし、例えばモノカラー印刷や片面印刷、大サイズ紙の場合などは用紙の裏面への汚れトナーの付着は少なく、第2クリーニングのみでも問題ない。
【0045】
この第2クリーニングでは、バイアス電界の印加時間は、2次転写ベルト9Cが1周するのに要する時間以上とする。2次転写ベルト9Cには、その全周にわたって汚れトナーが付着している可能性があるため、2次転写位置において全ての汚れトナーを取り除くためには、2次転写ベルト9Cが少なくとも完全に1周する間は第2クリーニングを実行する必要があるからである。
【0046】
2次転写ベルト9Cは、中間転写ベルト2と同様に単層若しくは複層構成のベルトとしてPI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹で抵抗ムラの少ない材料によって形成されている。この2次転写ベルト上には、後述するプロセスコントロール用のテストパターンを検知する検知手段である光センサ14が設けられている。
【0047】
ここで、2次転写ベルトのクリーニングの動作条件について説明する。
第1クリーニング手段であるクリーニングブレード15によるクリーニングは、クリーニング性能は高いが磨耗劣化による耐久性に問題がある。第2クリーニング手段によるバイアスクリーニングは、トナーを2次転写ベルト9Cから中間転写ベルト2へ静電的に戻すものであるが、その転移は完全ではなく、また印刷中のクリーニングは困難である。よって、これらのクリーニングを適宜使い分けることで、裏汚れ、コバ面汚れ等することなく、ブレードの磨耗を軽減して耐久性に優れ、高信頼なクリーニングが可能となる。
【0048】
図3は、所定条件に従う第1及び第2クリーニング手段によるクリーニングの使い分け(組合せ)を示す。
これらの使い分け方法としては、2次転写ベルト残トナーが多い場合や、裏汚れが目立ちやすい場合(プロセスコントロール時、ジャム復帰時、両面印刷時、非画像部面積が多い場合)は、ブレードによる第1クリーニング(バイアスクリーニング併用可)を行い、それ以外の通常時は用紙が2次転写位置を通過していないときにバイアスによる第2クリーニングを行う。
【0049】
また、第1クリーニング手段によるブレードクリーニングは、ブレードの損耗を防ぐために必要時以外は行わず、2次転写ベルトから離間させておく。必要時とは、第2クリーニング手段が使用できず、クリーニング性能が不十分なときである。
【0050】
具体的には、フルカラー両面印刷時には第1クリーニング手段によるブレードクリーニングを行う。これは、多色のためモノカラーに比べてカブリトナーが増加すること、また両面印刷のために印刷面側(第2面)に汚れが付くため、片面の場合は裏面で目立たない汚れも目立ち易くなることによる。
【0051】
また、小サイズ(例えばA4縦幅以下)の用紙の通紙中には、第1クリーニング手段によるブレードクリーニングを行う。これは、小サイズ紙では非通紙部面積が増加するため、通常は通紙部が少しずつ持って行く汚れトナーが2次転写ベルトに蓄積し、次の印刷ジョブで小サイズ以上の用紙を通紙した場合に蓄積した汚れトナーがこれに付着し易くなるためである。
【0052】
また、紙間プロセスコントロール、非画像部プロセスコントロールの際には、第1クリーニング手段によるブレードクリーニングを行う。これは、画質調整などのためのプロセスコントロール用テストパターンを作成した場合に、そのテストパターンをクリーニングする場合である。
【0053】
画質調整用プロセスコントロールでは画像濃度制御と位置ずれ制御を行うために、テストパターンを作成、検知する。画像濃度制御は、基準パターンを現像したトナー付着量に応じて、トナー濃度やLD書き込み条件変更制御等を行い、位置ずれ制御は、位置ずれパターンにより各色の画像書き込みタイミング制御を行う。検知箇所については、画像濃度制御は、通常は現像直後の下流側で感光体上や中間転写ベルト上でパターンのセンサ検知を行うが、最近は感光体径が小さいため感光体上に検知センサを設けることが困難となり、中間転写ベルト上で検知することも多い。タンデム方式の画像形成装置での位置ずれ制御は、感光体間の距離のバラツキや各色の書き込みタイミングによる位置ずれを制御するため、中間転写ベルト上での検知が必須となり、ともに中間転写ベルト上で行う。
【0054】
しかしながら、本実施例では少なくとも1つの弾性層と画像形成面に薄層を有する弾性中間転写ベルトを用いており、中間転写ベルト上でのテストパターンの検知が難しいため、2次転写ベルト上でこれを行う。
【0055】
理由は以下のようである。中間転写ベルト上のトナーパターンの検知では、先ずトナーのない中間転写ベルト表面、所謂地肌部のセンサ出力を例えば4.0VとなるようにLED発光光量の調整を行い(Vsg調整)、トナーパターンのセンサ出力からトナー濃度を検出している。よって、Vsg調整にとって中間転写ベルトの光沢度が重要であり、光沢度が高いとセンサの低い発光光量でVsg調整を行うことができ、トナーに対する高いS/N比が得られる。しかし、弾性中間転写ベルトは、ポリイミド等の単層樹脂ベルトより光沢度が低く、中間転写ベルトからの反射光が低減するため、LED発光光量が多くなってトナーからの反射光量が増え、S/N比が低くなり、場合によっては制御不良となってしまうためである。
【0056】
弾性中間転写ベルトの光沢度が低下するのは、弾性層、表層ともに柔軟で強度が低いために弾性ブレードで傷が付き易く、トナー粒子がブレードエッジと弾性中間転写ベルト間に巻き込まれ易くなり、よってクリーニング性が劣ってフィルミィングが発生し、傷やフィルミィングにより乱反射や吸収が増大するためである。このように、弾性中間転写ベルト上のテストパターンでプロセスコントロールを行うことは困難なため、2次転写ベルト上に転写したテストパターンを検知することで、安定したプロセスコントロールが可能となる。
【0057】
このように、プロセスコントロールの際(一般的には電源ON時、印刷開始前や終了後、所定枚数印刷後など)、2次転写ベルト上にテストパターンが形成されるが、このトナーはカブリトナーよりも多量であるため、第1クリーニング手段でのブレードクリーニングによりトナー除去される。
【0058】
また、プロセスコントロールは一般的に印刷中以外で行われるが、さらなる画質安定化のために印刷中においても、用紙間(直前の作像終了からそれに続く次回の作像開始の間の時間又は間隔)や非画像部でテストパターンを作成し、逐次透磁率センサのトナー濃度制御基準値(Vref)を制御する濃度制御方法も行われる場合がある。
【0059】
この場合は、印刷中(用紙が2次転写位置を通過しているとき)に、2次転写ベルト上に付着するテストパターンのトナーをクリーニングする必要があり、第2クリーニング手段でのクリーニングは困難である。
【0060】
また、用紙のジャムにより転写時に用紙が2次転写ニップに来なかった場合に、既に2次転写ベルト上に転写されているトナーもカブリトナーよりも多量であるため、ジャムリカバリ動作の際に、第1クリーニング手段でブレードクリーニングする。
【0061】
以上のような条件においては、2次転写ベルトにクリーニングブレード15を当接させ、これにより2次転写ベルトのクリーニングを行う。上記の条件以外ではブレード15を2次転写ベルト9Cから離間しておくため、常時当接する場合に比べて、ブレードの磨耗が抑えられ、結果的に耐久性が向上する。
【0062】
また、
図3に示すように、クリーニング性能を上げ、またクリーニング時間を短縮するため、印刷中以外の第1クリーニング手段の動作時であるジャム後リカバリ動作時、通常プロセスコントロール時に、第2クリーニング手段によるバイアスクリーニングを併用しても良い。
【0063】
一方、
図3に示すように、第1クリーニング手段でのクリーニングを行わないときは、2次転写ベルトのクリーニングは第2クリーニング手段で行う。具体的には、電源ONによる装置の立ち上げ時や、待機、スリープ、低電力モード等からの復帰時である。これらの場合、立ち上げ復帰シーケンス(定着のウォームアップや作像エンジンのウォームアップなど)が行われる間に第2クリーニング手段でのクリーニングを行う。
【0064】
この第2クリーニングでは、バイアス電界の印加時間は、2次転写ベルト9Cが1周するのに要する時間以上とし、本実施例では5秒程度である。2次転写ベルトには、その全周にわたって汚れトナーが付着している可能性があるため、全ての汚れトナー取除くために、2次転写ベルトが少なくとも完全に1周する間クリーニングを実行することで、ベルトを確実にクリーニングすることができる。また、第2クリーニングは立ち上げ復帰シーケンスの間に終了するため、ユーザーの待ち時間を増加させることはない。
【0065】
また、
図3に示すように、印刷開始前(通紙前)や印刷終了後(通紙後)に第2クリーニング手段での第2クリーニングを行う。
具体的には、
図4は、2次転写バイアスと第2クリーニング用バイアスの制御の一例を示す。先ず、負極性(−)の2次転写バイアスが印加されることで、2次転写(印刷)が行われる。ここで、正極性(+)の第2クリーニング用バイアスを印加するタイミングとしては、図示のように画像形成装置のコピーボタンを押して用紙の給紙が開始されてからその先端が2次転写ニップに達するまでの所謂前回転時のみでもよい(II)。また、前回転時に加えて、用紙の後端が2次転写ニップを出てから定着を抜けて装置の動作が停止するまでの所謂後回転中にクリーニングを行ってもよい(I)。また、後回転時のみクリーニングを行ってもよい(III)。
【0066】
バイアス印加時間は前回転時、後回転時でそれぞれベルト1周分でもよい。本実施例では、バイアス印加時間を5秒としている。
また、
図5に示すように、ファーストプリントタイムを短縮するために前回転時と後回転時を合わせてベルト1周分としてもよい。
【0067】
以上、幾つかの実施形態を示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、所定条件によるクリーニング動作の組合せは限定されるものではない。
【0068】
図6に示すように、第1クリーニング手段であるブレード15でのクリーニング性能を向上させるために、クリーニング補助部材としてクリーニングブラシ(ファーブラシ)をブレード15よりも2次転写ベルト9Cの回転方向上流側に追加してもよい。2次転写ベルト上の残留トナー等を先ずファーブラシで除去し、さらにクリーニングブレードによって2次転写ベルト表面から残留トナーを掻き落とすことでクリーニング性が向上する。また、ブレード15の圧接力(摺擦力)をある程度弱くしても十分なクリーニング効果が得られるため、ブレードの磨耗をさらに軽減させることができる。
【0069】
具体的には、転写残トナーを除去し、潤滑剤を2次転写ベルト9Cに付与するファーブラシ21、ファーブラシ21に付着した転写残トナーをフリッキングで落とすフリッカー24、固形状態の潤滑性付与剤である潤滑剤成型体22、潤滑剤成型体22をファーブラシ21に所定の圧力で押圧する押圧スプリング23、2次転写ベルト表面の転写残トナーを除去するとともに潤滑剤を均等に引き伸ばすクリーニングブレード15を備えている。
【0070】
本実施例では、ファーブラシ21は汚れトナーを除去する機能と潤滑材を塗布する機能を併せ持っているが、潤滑材を塗布しないように構成してもよい。クリーニングブレード15の当接方式は、カウンター方式とトレーリング方式のいずれでもよいが、特にカウンター方式が好ましい。カウンター方式では、2次転写ベルト9Cに対する当接圧が小さくても汚れトナーを効率的に除去することができ、2次転写ベルトの摩耗も少ないからである。
【0071】
クリーニングブレード15の形成材料としては、ウレタンゴムであれば特に限定するものではない。特に、クリーニングブレード15の成形工程を考慮した場合、液状の熱硬化性形成材料が用いられる。また、製造方法としては、プレポリマー法、ワンショット法及びこれらの中間である擬ワンショット法が用いられる。液状の形成材料としては、例えば、ウレタンゴム用プレポリマー及び硬化剤を主成分とするものが用いられる。
ウレタンゴム用プレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールとを部分的に重合して得られるものである。
【0072】
潤滑剤成型体22の潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられる。特に、2次転写ベルトの摩擦を低減する効果の大きいステアリン酸金属塩、さらにはステアリン酸亜鉛が好ましい。この潤滑剤成型体22は、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩を融解固化させて棒状に加工したものを用いることができる。
【0073】
ファーブラシ21は、2次転写ベルト9Cの軸方向に延びる形状を有しており、2次転写ベルトとの当接部で2次転写ベルトの回転方向と同方向に回転している。押圧スプリング23は、潤滑剤成型体22を略全て使い切れるようにファーブラシ21に対して付勢されている。潤滑剤成型体22は消耗品であるためその厚みは経時的に減少するが、押圧スプリング23による加圧によってファーブラシ21に常時当接させることで潤滑剤を掻き取ることができ、その後2次転写ベルト9Cに供給・塗布する。このとき、潤滑剤成型体22の自重又は押圧スプリング23の調整により、感光体3への潤滑剤塗布量を調整することができる。
【0074】
ファーブラシ21は絶縁性のポリエステル繊維からなり、絶縁性の基布に縫い付けている。さらに、縫い付けたポリエステル繊維が解けないように、縫い付けたところに絶縁性の接着剤を付けている。ファーブラシ21を絶縁性にすることにより、2次転写ベルト9Cの電位に対する影響を抑えることができ、極性の異なる転写残トナーを効率よく除去することができる。
【0075】
本実施例では絶縁性のファーブラシを使用したが、導電性のものを用い、トナーと逆極性のバイアスを印加してクリーニングしてもよい。ブラシを縫い付けた基布を芯金に巻きつけてファーブラシが完成する。さらに、ファーブラシの回転方向順目に毛倒れしているファーブラシを使用した。
【0076】
フリッカー24の形状はU字ではなく、板状部材であるため、ファーブラシ21に付着した転写残トナー等の残留物を長期にわたり安定して除去することができる。ファーブラシ21の形状と毛倒れの効果により、フリッカー24が存在してもトルクを低く抑えることができる。
【0077】
また、潤滑剤成型体22の削り量を少なく抑えることができるため、潤滑剤成型体22の使用期間が延長され、寿命が向上する。
【0078】
また、
図7に示すように、上述したファーブラシに代えて、クリーニング補助部材としてクリーニングローラ26をブレード15よりも2次転写ベルト9Cの回転方向上流側に追加してもよい。2次転写ベルトの回転に伴って、クリーニングローラ26が2次転写ベルトに摺接しながら回転し、中間転写ベルト上に残留したトナーを除去する。次に、クリーニングローラによって除去できなかった2次転写ベルト上のトナーをクリーニングブレードによって掻き取ることでクリーニング性が向上する。また、ブレードの当接圧を弱めても十分なクリーニング性を得ることができ、結果としてブレード磨耗が軽減され、さらに耐久性が向上する。
【0079】
クリーニングローラ26には、クリーニングローラに付着した転写残トナーを掻き落とすスクレーパ28が設けられている。クリーニングローラ26としては、スポンジローラやゴムローラ等の弾性ローラを使用することができるが、一般的にはスポンジローラを使用するのがよい。
【0080】
さらに、このクリーニングローラ26は、通常は2次転写ローラ9Aに対して従動回転するように設けられるが、適当な駆動機構等を使用して、従動回転せずに2次転写ローラ9Aの回転方向と同方向に回転するように設けることも可能である。また、導電性のクリーニングローラを用い、これにトナーと逆極性のバイアスを印加してクリーニングしてもよい。