(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像配信処理部は、前記画像処理装置において取得された前記画像情報を無線通信を介して前記可搬型情報処理端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像情報の配信システム。
前記配信対象決定部は、配信対象の前記可搬型情報処理端末に対してネットワークを介して情報を格納するためのアドレスの情報を、無線通信を介して当該可搬型情報処理端末から取得し、
前記画像情報取得部は、画像処理を実行する画像処理サーバにおいて前記画像処理装置からネットワークを介して受信した情報に基づいて画像処理を実行することにより前記可搬型情報処理端末へ配信するべき画像情報を取得し、
前記画像配信処理部は、前記画像処理サーバにおいて取得された画像情報を、配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末から取得した前記アドレスの情報に基づいてネットワークを介して前記可搬型情報処理端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像情報の配信システム。
前記画像情報取得部は、取得された前記画像情報を、ネットワークを介してアクセス可能な記憶媒体に格納すると共に、前記記憶媒体に対してネットワークを介してアクセスするためのアクセス情報を出力し、
前記画像配信処理部は、前記アクセス情報を前記無線通信を介して配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末に通知することにより、取得された前記画像情報が配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末に配信されるように処理することを特徴とする請求項1に記載の画像情報の配信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスキャン配信機能においては、スキャンによって生成される画像情報の配信先毎に、予め設定を登録しておく必要がある。これに対して、近年のモバイル機器の普及により、スキャン配信による画像情報の配信先としてタブレット端末等のモバイル機器を用いる場合が増加することが予想される。
【0005】
ここで、携帯することが前提であるモバイル機器においては、外出先のMFPを用いてスキャン配信を行うことも考えられる。そのような外出先のMFPは頻繁に使用するものではなく、1回のみ使用することも考えられる。従って、このような場合にも配信先の設定を求めると、ユーザにとって操作負担となると共に、MFP側においても不要な設定を記憶することとなる。
【0006】
このような課題に対して、近年のモバイル機器にはBluetooth(登録商標)やWiFi(Wireless Fidelity)等の近距離通信機能が搭載されているため、その機能を用いることによりモバイル機器へのスキャン配信を効率化することが考えられる。しかしながら、近距離通信機能を用いる場合、通信可能な範囲に複数の端末が存在する場合もあり、その場合の端末の選択やセキュリティの確保等が問題となる。
【0007】
尚、このような課題は、スキャン配信の場合に限らず、MFPのような画像処理装置の内部に設けられた記憶媒体や外部に接続された記憶媒体に格納された画像情報を、MFPを操作することによってモバイル端末に配信する場合にも、同様に課題となり得る。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、セキュリティを保った上でモバイル端末への画像配信機能を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、画像処理装置及び可搬型情報処理端末を含み、前記画像処理装置において取得された画像情報を配信する配信システムであって、前記可搬型情報処理端末が有する記憶部において、ユーザにより入力されたユーザ識別情報を登録する
、前記可搬型情報処理端末が有するユーザ情報記憶部と、前記可搬型情報処理端末に記憶された前記ユーザ識別情報を利用せずに、前記ユーザにより入力されたログイン情報に対する認証結果に基づいて、前記画像処理装置のログイン処理を行う
、前記画像処理装置が有する認証処理部と、前記画像処理装置との間で無線通信による情報の送受信が可能な可搬型情報処理端末と無線通信を行う
、前記画像処理装置が有する入出力制御部と、
無線通信を介して前記画像処理装置と通信
した前記可搬型情報処理端末
が有する前記ユーザ情報記憶部に登録されているユーザ識別情報と、前記ユーザにより入力されたログイン情報とが一致するか否かを確認する
、前記画像処理装置及び前記可搬型情報処理端末のうちの少なくとも一方が有する確認部と、前記確認部により一致すると確認された場合に、当該可搬型情報処理端末を前記画像情報の配信対象として決定する
、前記画像処理装置が有する配信対象決定部と、前記可搬型情報処理端末へ配信するべき画像情報を取得する
、前記画像処理装置が有する画像情報取得部と、取得された前記画像情報を、配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末に配信されるように処理する
、前記画像処理装置が有する画像配信処理部とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置及び可搬型情報処理端末を含み、前記画像処理装置において取得された画像情報を配信する配信システムにおける制御方法であって、
前記可搬型情報処理端末において、前記可搬型情報処理端末が有するユーザ情報記憶部にユーザにより入力されたユーザ識別情報を登録
する登録ステップと、
前記画像処理装置において、前記可搬型情報処理端末に記憶された前記ユーザ識別情報を利用せずに、前記ユーザにより入力されたログイン情報に対する認証結果に基づいて、ログイン処理を行
う認証処理ステップと、
前記画像処理装置において、前記画像処理装置との間で無線通信による情報の送受信が可能な可搬型情報処理端末と無線通信を行
う通信ステップと、
前記画像処理装置及び前記可搬型情報処理端末のうちの少なくとも一方において、前記無線通信を介して前記画像処理装置と通信可能な前記可搬型情報処理端末において前記ユーザ情報記憶部に登録されているユーザ識別情報と、前記ユーザにより入力されたログイン情報とが一致するか否かを確認
する確認ステップと、前記ユーザ識別情報と前記ログイン情報とが一致すると
前記確認ステップにより確認された場合に、
前記画像処理装置において、当該可搬型情報処理端末を前記画像情報の配信対象として決定
する決定ステップと、
前記画像処理装置において、前記可搬型情報処理端末へ配信するべき画像情報を取得
する取得ステップと、
前記画像処理装置において、取得
した前記画像情報を、配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末に配信されるように処理
する配信処理ステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明
の他の態様は、
可搬型情報処理端末を含む画像情報の配信システムの構築に用いられる画像処理装置であって、ユーザにより入力されたユーザ識別情報が登録されるユーザ情報記憶部を有する可搬型情報処理端末を利用せずに、前記ユーザにより入力されたログイン情報に対する認証結果に基づいて、前記画像処理装置のログイン処理を行う認証処理部と、前記画像処理装置との間で無線通信による情報の送受信が可能な可搬型情報処理端末と無線通信を行う入出力制御部と、前記無線通信を介して前記画像処理装置と通信可能な前記可搬型情報処理端末において前記ユーザ情報記憶部に登録されているユーザ識別情報と、前記ユーザにより入力されたログイン情報とが一致するか否かを確認する確認部と、前記確認部により一致すると確認された場合に、当該可搬型情報処理端末を前記画像情報の配信対象として決定する配信対象決定部と、前記可搬型情報処理端末へ配信するべき画像情報を取得する画像情報取得部と、取得された前記画像情報を、配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末に配信されるように処理する画像配信処理部とを含むことを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様は、画像処理装置及び可搬型情報処理端末を含む画像情報の配信システムで前記画像処理装置として用いられる情報処理装置を制御する制御プログラムであって、ユーザにより入力されたユーザ識別情報が登録されるユーザ情報記憶部を有する可搬型情報処理端末を利用せずに、前記ユーザにより入力されたログイン情報に対する認証結果に基づいて、前記画像処理装置のログイン処理を行うステップと、前記画像処理装置との間で無線通信による情報の送受信が可能な可搬型情報処理端末と無線通信を行うステップと、前記無線通信を介して前記画像処理装置と通信可能な前記可搬型情報処理端末において前記ユーザ情報記憶部に登録されているユーザ識別情報と、前記ユーザにより入力されたログイン情報とが一致するか否かを確認するステップと、前記確認するステップにより一致すると確認された場合に、当該可搬型情報処理端末を前記画像情報の配信対象として決定するステップと、前記可搬型情報処理端末へ配信するべき画像情報を取得するステップと、取得された前記画像情報を、配信対象として決定された前記可搬型情報処理端末に配信されるように処理するステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、セキュリティを保った上でモバイル端末への画像配信機能を効率化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るスキャン配信システムの運用形態の例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係るスキャン配信システムは、画像処理装置1、クライアント端末2、文書管理サーバ3、ログインサーバ4及びメールサーバ5が、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されて構成される。
【0015】
画像処理装置1は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(Multi Function Peripheral:複合機)である。クライアント端末2は、本実施形態に係るスキャン配信システムを利用するユーザが携帯して使用する情報処理端末である。本実施形態に係るスキャン配信システムは、画像処理装置1においてスキャンされて生成された画像情報を、モバイル端末であるクライアント端末2が取得するまでの機能を提供する。
【0016】
画像処理サーバ3は、ネットワークを介して画像処理機能を提供する。即ち、画像処理サーバ3は、ネットワークを介して受信した画像情報に対して所定の画像処理を実行する。ログインサーバ4は、本実施形態に係るスキャン配信システムを利用するユーザの認証処理を行う。メールサーバ5は、本実施形態に係るスキャン配信システムを利用するユーザのメールアカウントを提供しているサーバである。
【0017】
このようなシステム構成において、クライアント端末2と画像処理装置1とが近距離無線通信を行ってユーザ情報やパスワードなどのログインに関する情報を交換することにより、クライアント端末2へのスキャン配信を効率化すると共に、その際のセキュリティを向上することが本実施形態に係る要旨の1つである。次に、本実施形態に係るスキャン配信システムに含まれる夫々の機器である情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る文書管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。この他、画像処理装置1の場合、画像形成出力やスキャンを実行するエンジンが含まれる。
【0019】
CPU10は演算手段であり、情報処理装置全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0020】
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが情報処理装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが情報処理装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。尚、画像処理サーバ3、ログインサーバ4、メールサーバ5は、サーバとして運用されるため、LCD60や操作部70等のユーザインタフェースは省略可能である。
【0021】
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことによりソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るスキャン配信システムを構成する各機器の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0022】
次に、本実施形態に係る画像処理装置1の機能について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)110、スキャナユニット120、排紙トレイ130、ディスプレイパネル140、給紙テーブル150、プリントエンジン160、排紙トレイ170、ネットワークI/F180及び近距離通信I/F190を有する。
【0023】
また、コントローラ100は、主制御部101、エンジン制御部102、入出力制御部103、画像処理部104及び操作表示制御部105を有する。
図3に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、スキャナユニット120、プリントエンジン160を有する複合機として構成されている。尚、
図6においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0024】
ディスプレイパネル140は、画像処理装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像処理装置1を直接操作し若しくは画像処理装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F180は、画像処理装置1がネットワークを介して管理者用端末等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSBインタフェースが用いられる。
【0025】
近距離通信I/F190は、画像処理装置1が近距離無線通信により他の機器と通信するためのインタフェースであり、Bluetooth(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。この近距離通信I/F190を介してクライアント端末2との間でログイン情報をやり取りすることが本実施形態に係る要旨の1つである。
【0026】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30やHDD40等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20にロードされ、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像処理装置1全体を制御する制御部として機能する。
【0027】
主制御部101は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部102は、プリントエンジン160やスキャナユニット120等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部103は、ネットワークI/F180、近距離通信I/F190を介して入力される信号や命令を主制御部101に入力する。また、主制御部101は、入出力制御部103を制御し、ネットワークI/F180や近距離通信I/F190及びネットワークを介して他の装置にアクセスする。
【0028】
画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン160が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部104は、スキャナユニット120から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像処理装置1に格納され若しくはネットワークI/F180や近距離通信I/F190を介して他の機器に送信される情報である。操作表示制御部105は、ディスプレイパネル140に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル140を介して入力された情報を主制御部101に通知する。
【0029】
画像処理装置1を利用する際、ユーザはディスプレイパネル140を介してログイン情報を入力することによりログイン処理を行う。ここで入力されるログイン情報とは、ユーザIDやパスワード等である。尚、ディスプレイパネル140を操作してログイン情報を入力する場合の他、IC(Integrated Circuit)カードに格納されている情報をNFC(Near Field Communication)を介して読み取らせる態様も考えられる。この場合、近距離通信I/F190としてFelica(登録商標)のインタフェースが用いられていれば、そのインタフェースにより社員証などのIDカードを読み取らせることによってログイン情報を入力することが可能である。ログイン情報が入力されると、画像処理装置1においては、主制御部101がネットワークを介してログインサーバ4と通信を行い、入力されたログイン情報の正当性を確認することによりログイン処理を行う。
【0030】
画像処理装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部103がネットワークI/F180を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部103は、受信した印刷ジョブを主制御部101に転送する。主制御部101は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部104を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成する。画像処理部104によって描画情報が生成されると、エンジン制御部102は、生成された描画情報に基づき、給紙テーブル150から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。プリントエンジン160の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン160によって画像形成が施された文書は排紙トレイ170に排紙される。
【0031】
画像処理装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル140の操作若しくはネットワークI/F180を介して外部の機器から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部105若しくは入出力制御部103が主制御部101にスキャン実行信号を転送する。主制御部101は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部102を制御する。エンジン制御部102は、ADF110を駆動し、ADF110にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット120に搬送する。また、エンジン制御部102は、スキャナユニット120を駆動し、ADF110から搬送される原稿を撮像する。また、ADF110に原稿がセットされておらず、スキャナユニット120に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット120は、エンジン制御部102の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット120が撮像部として動作する。
【0032】
撮像動作においては、スキャナユニット120に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいた撮像情報が生成される。エンジン制御部102は、スキャナユニット120が生成した撮像情報を画像処理部104に転送する。画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、エンジン制御部102から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部104が生成した画像情報はHDD40等の画像処理装置1に装着された記憶媒体に保存される。画像処理部104によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくはネットワークI/F180、近距離通信I/F190を介して、入出力制御部103により外部の装置に送信される。
【0033】
また、画像処理装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部102がスキャナユニット120から受信した撮像情報若しくは画像処理部104が生成した画像情報に基づき、画像処理部104が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部102がプリントエンジン160を駆動する。
【0034】
次に、本実施形態に係るクライアント端末2の機能構成について、
図4を参照して説明する。
図4に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2は、
図2において説明したLCD60、操作部70に加えて、コントローラ200、ネットワークI/F210及び近距離通信I/F220を含む。また、コントローラ200は、ネットワーク制御部201、操作制御部202、表示制御部203、近距離通信制御部204、クライアントアプリケーション205及びユーザ情報記憶部206を含む。
【0035】
ネットワークI/F210は、クライアント端末2がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)等のインタフェースが用いられる。近距離通信I/F220は、クライアント端末2が近距離無線通信により他の機器と通信するためのインタフェースであり、Bluetooth(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。ネットワークI/F210、近距離通信I/F220は、
図2に示すI/F50によって実現される。
【0036】
コントローラ200は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。コントローラ200は、クライアント端末2全体を制御する制御部である。ネットワーク制御部201は、ネットワークI/F210を介して入力される情報を取得すると共に、ネットワークI/F210を介して他の機器に情報を送信する。近距離通信制御部204は、近距離通信I/F220を介して入力される情報を取得すると共に、近距離通信I/F220を介して他の機器に情報を送信する。
【0037】
操作制御部202は、操作部70に対するユーザによる操作内容の信号を取得し、クライアントアプリケーション204等のクライアント端末2において動作するモジュールに入力する。表示制御部203は、クライアントアプリケーション205のGUI(Graphical User Interface)等、クライアント端末2の状態をLCD60に表示させる。
【0038】
クライアントアプリケーション205は、本実施形態に係るスキャン配信システムの機能をクライアント端末2において利用するために、クライアント端末2にインストールされて動作するソフトウェア・プログラムによって構成される。クライアントアプリケーション205は、近距離無線通信を介して画像処理装置1との間で情報をやり取りする機能を実現する。ユーザ情報記憶部206は、本実施形態に係るスキャン配信システムを利用するためのログイン情報を記憶している記憶部である。
【0039】
ユーザ情報記憶部206に記憶されているログイン情報は、夫々のクライアント端末2の所有者毎のログイン情報であり、画像処理装置1を使用する際に画像処理装置1に入力するログイン情報に対応する情報である。ユーザ情報記憶部206に記憶されているログイン情報は、クライアント端末2の所有者であるユーザにより、予めクライアント端末2に入力されて登録されている。これにより、本実施形態に係るスキャン配信システムをクライアント端末2を用いて利用することが可能となる。
【0040】
次に、本実施形態に係るスキャン配信システムの全体動作について
図5を参照して説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、先ずは、ユーザによって入力されたログイン情報に基づいてログインサーバ4と通信してログイン処理を行う(S501)。ログイン処理が完了すると、ユーザによるモバイル端末へのスキャン配信処理の実行操作に応じて、入出力制御部103が近距離通信I/F190を制御して通信可能なモバイル端末の検索を行う(S502)。
【0041】
S502においては、画像処理装置1側の近距離通信I/F190が、近距離通信可能な機器を認識するためのポーリング信号を発信する。これに対して、クライアント端末2側の近距離通信I/F220が、画像処理装置1から発信されたポーリング信号を受信して、それに対する応答信号を発信する。画像処理装置1においては、入出力制御部103が近距離通信I/F190を介してこの応答信号を取得することにより、主制御部101がクライアント端末2を認識する。
【0042】
S502の処理により近距離無線通信によって通信可能なモバイル端末が認識されると、入出力制御部103が、近距離通信I/F190を制御して、認識されたモバイル端末からログイン情報を取得し、S501において入力されたログイン情報との比較確認を行う(S503)。S503においては、クライアント端末2が、画像処理装置1からの要求に応じて、ユーザ情報記憶部206に記憶されているログイン情報を送信する。
【0043】
画像処理装置1側においては、クライアント端末2からログイン情報を取得すると、主制御部101が、S501において入力されたログイン情報とS503において取得されたログイン情報との比較確認を行い、両者が一致するか否か、即ち、S501においてログインを行ったユーザと、近距離無線通信による検索によって認識されたクライアント端末2のユーザとが同一であるか否かを確認する。
【0044】
S503の判断の結果、ログイン情報が一致すれば、画像処理装置1はクライアント端末2との間で通信を確立した上で、ユーザによってセットされた原稿のスキャンを実行し(S504)、スキャンによって生成された画像情報がクライアント端末2に配信されるように配信処理を行う(S505)。
【0045】
このように、本実施形態に係るスキャン配信システムにおいては、近距離無線通信によってクライアント端末2のようなモバイル端末を認識することにより、モバイル端末へのスキャン結果の送信を容易化してユーザの利便性を向上している。この際、インターネットやLAN等のネットワークによって端末を検索すると、ネットワークに接続された多くの端末が抽出されるため、その中から端末を選択する必要があり、ユーザによって操作負担となる。
【0046】
これに対して、Bluetooth等の近距離無線通信によってモバイル端末を検索することにより、データの配信先を特定する段階において、ユーザがデータを取得するための意図を持って携帯している端末に絞り込むことができる。その結果、データの配信先を特定する際のユーザの操作負荷を軽減することができる。
【0047】
また、その際に、画像処理装置1において、ログイン処理を行ったユーザと、近距離無線通信によって認識された端末の所有者とが一致することを確認するため、意図しない端末にスキャン結果が配信されてしまうようなことを防ぎ、セキュリティを向上することができる。
【0048】
尚、
図5の説明においては、画像処理装置1がクライアント端末2からログイン情報を取得し、画像処理装置1においてログイン情報が一致するか否かが確認される場合を例として説明した。この他、画像処理装置1がクライアント端末2に対して、S501において入力されたログイン情報を送信し、クライアント端末2においてログイン情報が一致するか否かを判断した上で、その判断結果が画像処理装置1に返信されるような態様も可能である。
【0049】
また、
図5の例においてはクライアント端末2との間でログイン情報が一致し、通信が確立する場合を説明したが、近距離無線通信による検索により、複数のモバイル端末が抽出される場合も有り得る。そのような場合、画像処理装置1側、モバイル端末側のいずれかにおけるログイン情報の一致確認により、ログイン情報が一致したモバイル端末との間で通信が確立される。
【0050】
このような場合において、ログイン情報の一致が確認された後に、画像処理装置1側からモバイル端末に対して改めて通信の確立を要求しても良いし、上述したように、モバイル端末側でログイン情報の一致が確認された後にモバイル端末側から通信の確立を要求しても良い。
【0051】
ここで、S505の配信処理は、配信の形態によって様々な処理が有り得る。以下、夫々の配信形態について説明する。
図6は、画像処理装置1とクライアント端末2との間のみで情報がやり取りされる場合の動作概要を示す図である。
図6の例においては、画像処理装置1においてユーザが操作を行い、ログイン情報の一致確認によって画像処理装置1とクライアント端末2との間で通信が確立され、画像処理装置1がスキャンを実行して生成した画像情報を、クライアント端末2に対して近距離無線通信を介して送信する。
【0052】
図7は、
図6の例における動作を示すシーケンス図である。
図7に示すように、先ずは画像処理装置1がユーザによって入力されたログイン情報に基づいてログインサーバ4と通信を行うことによりログイン処理を行う(S701)。S701においては、主制御部101が、入力されたログイン情報に基づいて入出力制御部103を制御することにより、ログインサーバ4との通信を実行させて認証結果を取得する。即ち、主制御部101が、認証処理部として機能する。
【0053】
次に、画像処理装置1は、モバイル端末へのスキャン配信を要求する画面操作を受け付けると(S702)、画像処理装置1が近距離通信I/F190を介して近距離無線通信可能なモバイル端末を検索し、抽出されたモバイル端末において登録されているログイン情報と認証処理において入力されたログイン情報との一致を確認することによって通信を確立する(S703)。S703においては、主制御部101が、入出力制御部103を制御することにより、近距離無線通信可能なモバイル端末の検索を実行させて検索結果を取得すると共に、ログイン情報の一致を確認して配信対象のモバイル端末を決定する。即ち、主制御部101が、配信対象検索部及び配信対象決定部として機能する。
【0054】
ログイン情報が一致したクライアント端末2との間で通信を確立すると、画像処理装置1においては、エンジン制御部102がスキャナユニット120を制御し、セットされた原稿のスキャンを実行する(S704)。スキャンによって撮像情報が生成されると、画像処理装置1においては、その撮像情報に基づいて画像処理部104が画像処理を実行し(S705)、スキャン結果となる画像情報を生成する。S705においては、主制御部101の制御に従って画像処理部104が動作することにより画像情報が生成される。即ち、主制御部101が画像情報取得部として機能する。
【0055】
画像処理によって画像情報が生成されると、画像処理装置1において、入出力制御部103が主制御部101の制御に従って近距離通信I/F190を制御し、生成された画像情報をクライアント端末2に送信する(S706)。即ち、主制御部101が画像配信処理部として機能する。これにより、クライアント端末2へのスキャン配信が完了する。
図6、
図7の例においては、画像処理装置1とクライアント端末2との近距離無線通信により、シンプルな構成でクライアント端末2へのスキャン配信を達成することが可能である。
【0056】
図8は、画像処理装置1、クライアント端末2に加えて、画像処理を実行する画像処理サーバ3を介して情報がやり取りされる場合の動作概要を示す図である。
図8の例においては、画像処理装置1とクライアント端末2との間で通信が確立された後、画像処理装置1は、クライアント端末2からスキャン結果のデータを格納する格納先のアドレスを取得した上でスキャンを実行する。
【0057】
そして、画像処理装置1が、スキャンによって生成された情報を画像処理サーバ3に送信し、画像処理サーバ3が画像処理を実行して最終的なスキャン結果の画像情報を生成する。また、画像処理装置1は、クライアント端末2から取得したアドレスをスキャンによって生成された情報と共に画像処理サーバ3に送信しており、画像処理サーバ3は、最終的なスキャン結果の画像情報を生成すると、画像処理装置1から取得したアドレスに対して、生成した画像情報を送信する。これにより、クライアント端末2に対して、スキャン結果の画像情報が配信される。
【0058】
図9は、
図8の例における動作を示すシーケンス図である。
図9に示すように、S901、S902は、
図7と同様の処理が実行される。そして、モバイル端末へのスキャン配信を要求する画面操作を受け付けた画像処理装置1においては、入出力制御部103が近距離通信I/F190を介して近距離無線通信可能なモバイル端末を検索し、ログイン情報の一致を確認することによって通信を確立すると共に、クライアント端末2からスキャン結果のデータを格納する格納先のアドレスを取得する(S703)。このアドレスは、他の装置がネットワークを介してクライアント端末2にアクセスし、情報を格納するために用いるアドレスである。
【0059】
その後、スキャンを実行すると(S904)、画像処理装置1において、入出力制御部103がネットワークI/F180を制御し、スキャンによって生成された撮像結果の情報を画像処理サーバ3に送信する(S905)。尚、画像処理サーバ3のネットワーク上のアドレスは、画像処理装置1において予め設定されて記憶されている。また、S905においては、撮像結果の情報に加えて、スキャン結果のデータを格納するためのクライアント端末2における格納先のアドレスも送信される。
【0060】
画像処理装置1から撮像結果の情報を受信した画像処理サーバ3は、受信した撮像結果の情報に基づいて画像処理を実行することにより、最終的なスキャン結果の画像情報、即ち、スキャン配信によって配信される画像情報を生成する(S906)。即ち、S906においては、画像処理サーバ3に含まれる画像処理モジュールが画像情報取得部として機能する。
【0061】
画像処理サーバ3は、画像情報を生成すると、撮像結果の情報と同時に受信したアドレスに対して、生成した画像情報御送信する(S907)。即ち、S907においては、画像処理サーバ3に含まれる情報の送受信モジュールが画像配信処理部として機能する。これにより、クライアント端末2においては、ネットワーク制御部201がネットワークI/F210を介してスキャン結果を受信し、クライアント端末2へのスキャン配信が完了する。
【0062】
図8、
図9に示す例において、画像処理機能を拡張する場合、様々な場所に設置されている画像処理装置1の機能を拡張するのではなく、複数の画像処理装置1から画像処理の依頼を受け付ける画像処理サーバ3の機能のみ拡張すれば良く、システム構成の効率化することが可能である。
【0063】
図8、
図9に示す例の場合、画像処理サーバ3とクライアント端末2との間にファイアウォール等のアクセス制限が設定されている場合や、画像処理サーバ3とクライアント端末2とが異なるLANに存在する場合、画像処理サーバ3からクライアント端末2に対して直接データを送信できない可能性がある。そのような場合、例えば、画像処理サーバ3が、画像処理装置1からの画像処理要求の応答として、生成したスキャン結果の画像情報を画像処理装置1に送信し、画像処理装置1が、
図6、
図7と同様に近距離無線通信によってクライアント端末2に画像情報を送信することにより可能である。また、画像処理サーバ3によって生成されてネットワーク上に保存された画像情報をクライアント端末2にダウンロードさせることによっても可能である。そのような場合の対応について、以下に説明する。
【0064】
図10は、
図8と同様に、画像処理装置1、クライアント端末2に加えて、画像処理サーバ3を介して情報がやり取りされるが、画像処理サーバ3からクライアント端末2に対して直接データを送り込むことが困難な場合の態様を示す図である。
図10の例においては、画像処理サーバ3においてスキャン結果の画像情報が生成されるまでは
図8と同様に処理が実行される。
【0065】
画像処理サーバ3は、スキャン結果の画像情報を生成すると、画像処理サーバ3に接続された記憶媒体であってネットワークを介してアクセス可能な記憶媒体に画像情報を格納し、画像処理装置1からの画像処理要求に対する応答として、格納した画像情報の格納先、即ち、ネットワークを介してアクセスするためのアドレスを画像処理装置1に通知する。ここで言うネットワークを介したアクセスとは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)や、FTP(File Transfer Protocol)等のプロトコルによるアクセスが考えられる。即ち、画像処理サーバ3が、HTTPサーバやFTPサーバ等の機能を備える。画像処理装置1は近距離無線通信を介して、画像処理サーバ3から通知されたアドレスをクライアント端末2に通知する。
【0066】
これにより、クライアント端末2は、画像処理装置1から通知されたアドレスに対してネットワークを介してアクセスすることにより、文書管理サーバ3に格納された画像情報をダウンロードする。これにより、クライアント端末2に対して、スキャン結果の画像情報が配信されることとなる。
【0067】
図11は、
図10の例における動作を示すシーケンス図である。
図11に示すように、S1101〜S1108までは、
図9のS901〜S906までと同様の処理が実行される。S906の処理により画像情報を生成した画像処理サーバ3は、ネットワークを介してアクセス可能な記憶媒体にデータを格納し(S1107)、格納したデータに対してネットワークを介してアクセスするためのアドレスを、スキャン結果の格納先として画像処理装置1に通知する(S1108)。
【0068】
スキャン結果の格納先を通知された画像処理装置1においては、入出力制御部103が、近距離通信I/F190を制御して、S1103において通信を確立したクライアント端末2に対して近距離無線通信により格納先を通知する(S1109)。近距離無線通信を介してスキャン結果の格納先を取得したクライアント端末2は、通知された格納先に対してネットワークI/F210を介してアクセスすることにより、スキャン結果の画像情報をダウンロードする(S1110)。これにより、クライアント端末2へのスキャン配信が完了する。即ち、
図11の例においては、画像処理装置1において近距離無線通信を介したクライアント端末2への格納先の通知処理を制御する主制御部101が、画像情報配信処理部として機能する。
【0069】
このように、
図10、
図11の例においては、スキャン結果の画像情報を生成した画像処理サーバ3が、外部に対して公開されているネットワーク上の記憶領域にスキャン結果の画像情報を格納し、その情報にアクセスするためのアドレスを画像処理装置1を介してクライアント端末2に通知する。そして、クライアント端末2がそのアドレスにアクセスしてスキャン結果の画像情報をダウンロードして取得するため、ネットワーク環境により画像処理サーバ3がクライアント端末2に対して直接情報を送り込むことが困難である場合において、クライアント端末2に容易に画像情報を取得させることが可能となる。
【0070】
尚、
図10、
図11においては、画像処理サーバ3内部にスキャン結果の画像情報が格納される場合を例として説明したが、画像処理サーバ3以外のファイルサーバ等に格納される場合も同様に適用可能である。また、電子メールのやりとりによっても同様に、モバイル端末へのスキャン配信機能を実現することが可能である。以下、そのような例について説明する。
【0071】
図12は、電子メールによってモバイル端末へのスキャン配信機能を実現する場合の動作概要を示す図である。
図12の例においては、画像処理サーバ3に加えて、メールサーバ5の機能が用いられる。
図12の例においては、画像処理サーバ3においてスキャン結果の画像情報が生成されるまでは
図8と同様に処理が実行される。
【0072】
ここで、画像処理装置1とクライアント端末2とが近距離無線通信を確立した後、画像処理装置1は、クライアント端末2の所有者であるユーザのメールアドレスの情報をクライアント端末2から取得する。そして、画像処理装置1は、画像処理サーバ3に対して画像処理要求を行う際に、クライアント端末2から取得したメールアドレスを同時に画像処理サーバ3に通知する。
【0073】
画像処理サーバ3は、スキャン結果の画像情報を生成すると、画像処理装置1から通知されたメールアドレスに対して、電子メールの添付ファイルとして画像情報を送信する。これにより、画像情報が添付された電子メールは、メールサーバ5によって受信され、メールサーバ5の記憶媒体に格納される。その後、クライアント端末2が、予め設定されたメールアカウントの電子メールを任意のタイミングで受信することにより、電子メールに添付された画像情報を受信する。これにより、クライアント端末2に対して、スキャン結果の画像情報が配信されることとなる。
【0074】
図13は、
図12の例における動作を示すシーケンス図である。
図13に示すように、S1301〜S1306までは、
図9のS901〜からS906までと同様の処理が実行される。但し、S1303において、画像処理装置1は、クライアント端末2との間に通信を確立した後、クライアント端末2の所有者の電子メールアドレスを取得する。尚、この電子メールアドレスは、通信の確立のために画像処理装置1とクライアント端末2との間でやりとりされるログイン情報の一部として含まれており、通信の確立と共に画像処理装置1において保存されるようにしても良い。
【0075】
また、S1305において、画像処理装置1は、画像処理サーバ3への画像処理要求と共に、S1303において取得した電子メールアドレスを画像処理サーバ3に通知する。S1306の処理により画像情報を生成した画像処理サーバ3は、画像処理装置1から通知された電子メールアドレスに対して、生成した画像情報を添付ファイルとした電子メールを送信する(S1307)。即ち、
図13の例においては、画像処理サーバ3において電子メールの送信処理を制御するモジュールが、画像配信処理部として機能する。
【0076】
そして、クライアント端末2が、任意のタイミングでメール受信処理を行うことにより(S1308)、スキャン結果の画像情報が添付ファイルとしてクライアント端末2に受信され、クライアント端末2へのスキャン配信処理が完了する。このように、ファイル転送機能に対応していない場合であっても、電子メールの送受信によってモバイル端末へのスキャン配信を実現することも可能である。
【0077】
図10、
図11の例と
図12、
図13の例とは、HTTPやFTP等のプロトコルと、電子メールの送受信に関するプロトコルとの違いはあるが、クライアント端末2が、ネットワークを介してアクセス可能な記憶媒体にアクセスすることにより、そこに格納された画像情報を取得するという点に関して実質的な違いはない。
【0078】
即ち、
図10、
図11の例においては、画像情報の格納先が画像処理装置1とクライアント端末2との間の近距離無線通信によってクライアント端末2に通知されることに対して、
図12、
図13の例においては、クライアント端末2側から通知されたメールアドレスに対応する記憶領域に画像情報が格納される点が異なるが、実質的なシステムの動作は同一である。
【0079】
以上、説明したように、本実施形態に係るスキャン配信システムにおいては、セキュリティを保った上でモバイル端末への画像配信機能を効率化することが可能となる。
【0080】
尚、本実施形態においては、スキャン配信を前提としてシステムの構成及び動作を説明した。しかしながら、スキャンは画像情報を生成するための手段に過ぎず、本実施形態に係る要旨はモバイル端末への画像情報の配信処理である。従って、画像処理装置1の機能によって画像処理装置1の内部または外部の記憶媒体に蓄積された画像情報をモバイル端末に配信する場合においても、上述したようにモバイル端末に設定されたログイン情報と画像処理装置1のログイン情報との一致を確認することにより、上記と同様の効果を得ることが可能である。