(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の中心軸線周りに円筒面状にパターン面が設けられ、前記中心軸線に沿った軸部を備えた円筒状又は円柱状のマスクを収容すると共に、前記マスクのパターンを基板に転写する処理装置に取り付け可能なマスクケースであって、
前記マスクを収容する収容空間を形成すると共に、前記処理装置への取付部を有するケース本体と、
前記ケース本体が前記処理装置に取り付けられる前は、前記マスクの前記ケース本体との接触を防止する為に、前記マスクの軸部を移動が制限されるように支持し、前記ケース本体が前記処理装置に取り付けられた状態では、前記軸部の支持を解除可能とする支持機構と、
を備えるマスクケース。
前記ケース本体は、前記収容空間に収容された前記マスクの前記パターン面に対向する第1開口部と、前記パターン面を介した光を透過させる光透過性を有して前記第1開口部を閉塞するカバー機構を含む窓部とを備える
請求項1〜4のいずれか一項に記載のマスクケース。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る基板処理装置FPAの構成を示す図である。
図1に示すように、基板処理装置FPAは、帯状の基板(例えば、帯状のフィルム部材)FBを供給する基板供給部SU、基板FBの表面(被処理面)に対して処理を行う基板処理部PR、基板FBを回収する基板回収部CL、及び、これらの各部を制御する制御部CONTを有している。
【0012】
なお、本実施形態では、
図1に示すようにXYZ座標系を設定し、以下では適宜このXYZ座標系を用いて説明を行う。XYZ座標系は、例えば、水平面に沿ってX軸及びY軸が設定され、鉛直方向に沿って上向きにZ軸が設定される。また、基板処理装置FPAは、全体としてX軸に沿って、そのマイナス側(−側)からプラス側(+側)へ基板FBを搬送する。その際、帯状の基板FBの幅方向(短尺方向)は、Y軸方向に設定される。
【0013】
基板処理装置FPAは、基板供給部SUから基板FBが送り出されてから、基板回収部CLで基板FBを回収するまでの間に、基板FBの表面に各種処理を実行する装置である。基板処理装置FPAは、基板FB上に例えば有機EL素子、液晶表示素子等の表示素子(電子デバイス)を形成する場合に用いることができる。
【0014】
基板処理装置FPAにおいて処理対象となる基板FBとしては、例えば樹脂フィルムやステンレス鋼などの箔(フォイル)を用いることができる。例えば、樹脂フィルムは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、などの材料を用いることができる。
【0015】
シート基板FBは、例えば200℃程度の熱を受けても寸法が変わらないように熱膨張係数が小さい方が好ましい。例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合して熱膨張係数を小さくすることができる。無機フィラーの例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素などが挙げられる。
【0016】
基板FBの幅方向(短尺方向)の寸法は例えば1m〜2m程度に形成されており、長さ方向(長尺方向)の寸法は例えば10m以上に形成されている。勿論、この寸法は一例に過ぎず、これに限られることは無い。例えば基板FBのY方向の寸法が50cm以下であっても構わないし、2m以上であっても構わない。また、基板FBのX方向の寸法が10m以下であっても構わない。
【0017】
基板FBは、可撓性を有するように形成されている。ここで可撓性とは、基板に自重程度の力を加えても線断したり破断したりすることはなく、該基板を撓めることが可能な性質をいう。また、上記自重程度の力によって屈曲する性質も可撓性に含まれる。また、上記可撓性は、該基板の材質、大きさ、厚さ、又は温度などの環境、等に応じて変わる。なお、基板FBとしては、1枚の帯状の基板を用いても構わないが、複数の単位基板を接続して帯状に形成される構成としても構わない。
【0018】
基板供給部SUは、例えばロール状に巻かれた基板FBを基板処理部PRへ送り出して供給する。この場合、基板供給部SUには、基板FBを巻きつける軸部や当該軸部を回転させる回転駆動装置などが設けられる。この他、例えばロール状に巻かれた状態の基板FBを覆うカバー部などが設けられた構成であっても構わない。なお、基板供給部SUは、ロール状に巻かれた基板FBを送り出す機構に限定されず、帯状の基板FBをその長さ方向に順次送り出す機構を含むものであればよい。
【0019】
基板回収部CLは、基板処理部PRからの基板FBを例えばロール状に巻きとって回収する。基板回収部CLには、基板供給部SUと同様に、基板FBを巻きつけるための軸部や当該軸部を回転させる回転駆動源、回収した基板FBを覆うカバー部などが設けられている。なお、基板処理部PRにおいて基板FBがパネル状に切断される場合などには例えば基板FBを重ねた状態に回収するなど、ロール状に巻いた状態とは異なる状態で基板FBを回収する構成であっても構わない。
【0020】
基板処理部PRは、基板供給部SUから供給される基板FBを基板回収部CLへ搬送すると共に、搬送の過程で基板FBの被処理面Fpに対して処理を行う。基板処理部PRは、例えば処理装置10、搬送装置30及びアライメント装置50を有している。
【0021】
処理装置10は、基板FBの被処理面Fpに対して例えば有機EL素子を形成するための各種装置を有している。このような装置としては、例えば被処理面Fp上に隔壁を形成するための隔壁形成装置、電極を形成するための電極形成装置、発光層を形成するための発光層形成装置などが挙げられる。より具体的には、液滴塗布装置(例えばインクジェット型塗布装置、スピンコート型塗布装置)、成膜装置(例えば蒸着装置、スパッタリング装置)、露光装置、現像装置、表面改質装置、洗浄装置などが挙げられる。これらの各装置は、基板FBの搬送経路に沿って適宜設けられる。本実施形態では、処理装置10として、露光装置が設けられている。
【0022】
搬送装置30は、基板処理部PR内において基板FBを基板回収部CL側へ搬送するローラー装置Rを有している。ローラー装置Rは、基板FBの搬送経路に沿って複数設けられている。複数のローラー装置Rのうち少なくとも一部のローラー装置Rには、駆動機構(不図示)が取り付けられている。このようなローラー装置Rが回転することにより、基板FBがX軸方向に搬送されるようになっている。複数のローラー装置Rのうち一部のローラー装置Rが基板FBの表面と交差する方向に移動可能に設けられた構成であっても構わない。
【0023】
アライメント装置50は、基板FBに対してアライメント動作を行う。アライメント装置50は、基板FBの位置を検出するアライメントカメラ51と、当該アライメントカメラ51の検出結果に基づいて基板FBの位置及び姿勢の少なくも一方を調整する調整装置52とを有している。
【0024】
アライメントカメラ51は、例えば基板FBに形成されたアライメントマークを検出し、検出結果を制御部CONTに送信する。制御部CONTは、当該検出結果に基づいて基板FBの位置情報を求め、当該位置情報に基づいて調整装置52による調整量を制御する。
【0025】
図2は、処理装置10として用いられる露光装置EXの構成を示す図である。
図3は、露光装置EXに用いられるマスクMの概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、露光装置EXは、マスクMに形成されたパターンPmの像を基板FBに投影して基板FBを露光する装置である。露光装置EXは、マスクMを照明するための露光光ELIを供給する照明装置IUと、マスクユニット100内に設けられたマスクMを移動及び回転させる駆動装置ACMと、基板FBを案内する基板案内装置FSTと、照明装置IUから供給される露光光をマスクMに照射するとともにマスクMに形成されたパターンPmの像を基板FBに投影する光学システム110と、マスクMの位置情報を取得する検出システム170と、マスクユニット100を着脱可能に支持する支持部500(
図7参照)と、を有している。
【0026】
マスクMは、
図3に示すように、石英等のガラス材料、金属又はセラミックス等によって形成された円筒状又は円柱状の基材表面に、例えばクロム(Cr)等の金属膜を用いて所定のパターンPmが形成されたものである。パターンPmは、基材表面のうち、軸線Jを中心軸とする円筒面状のパターン形成面FM内に形成されている。なお、マスクMの基材としては、低熱膨張性の材料を用いることが好ましい。
【0027】
照明装置IUは、
図2に示すように、光源装置20と、照射光学系21とを有している。光源装置20から射出される露光光ELIは、照射光学系21及び光学システム100を介して例えば複数の方向からマスクMに対して照射される。なお、照射光学系21は、
図2において簡略化して示されているが、実際には、露光光ELIを導光する複数の光学素子を含むものである。
【0028】
光源装置20から射出される露光光ELIとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)、YAGレーザの第3高調波(波長355nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2レーザ光(波長157nm)などが用いられる。本実施形態においては、一例としてArFエキシマレーザ光が用いられるものとする。
【0029】
光学システム110は、照明装置IUから照射光学系21を介して供給される露光光ELIをマスクMに導く照明光学系111と、マスクMに形成されたパターンPmの像を基板FBに所定の投影倍率で投影する投影光学系112と、を含む。照明光学系111及び投影光学系112は、マスクMに照射される露光光ELIの光路とマスクMで反射された露光光ELIの光路とを分離するビームスプリッタ115を含んでいる。なお、ビームスプリッタ115として偏光ビームスプリッタを用いることができ、その場合に、投影光学系112は、ビームスプリッタ115とマスクMとの間の光路に、露光光ELIの偏光面(偏光方向)を往復で90°回転させる複屈折素子(例えば1/4波長板)を備えるとよい。
【0030】
光学システム110は、マスクMに対して複数設けられている。複数の光学システム110の一部は、マスクMに対して基板FBの上流側(−X側)に配置されており、マスクMの+X側に配置されたパターンPmの像を、マスクMよりも−X側に位置する基板FBに対して投影する。また、複数の光学システム110の他の一部は、マスクMに対して基板FBの下流側(+X側)に配置されており、マスクMの−X側に配置されたパターンPmの像を、マスクMよりも+X側に位置する基板FBに対して投影する。なお、本実施形態では、投影光学系112は、投影倍率として拡大倍率を有し、パターンPmの拡大像を投影するものとする。ただし、投影光学系112は、拡大倍率に限定されず、等倍又は縮小倍の投影倍率を有するものとすることもできる。
【0031】
マスクユニット100は、マスクMと、該マスクMを収容する空間SPを形成するマスクケース101とを有している。マスクケース101は、ケース本体101aを主体として構成されており、ケース本体101aには、照明光学系111からマスクMに照射される露光光ELI及びマスクMに形成されたパターンPmを介した露光光ELI(反射光)を透過させる透過用窓102が、パターンPmに対向する位置に形成されている。マスクユニット100は、軸線JがY軸と略平行となるように支持部500に支持される(
図7参照)。
【0032】
検出システム170は、マスクMの位置情報(ひいては、パターンPmの位置情報)を検出する。この位置情報には、X軸、Y軸、Z軸及びこの各軸回りの回転方向(すなわち、6自由度の方向)のうち少なくとも1方向に関する位置の情報が含まれる。具体的には、検出システム170は、マスクMのパターン形成面MFの周方向(すなわち、軸線J回りの回転方向)におけるマスクMの位置情報、及び軸線J方向(Y軸方向)におけるマスクMの位置情報の少なくとも一方の位置情報を取得可能なエンコーダシステムと、軸線Jと垂直な方向(X軸方向及びZ軸方向)におけるマスクMの位置情報を取得可能な検出システムとを含む。制御部CONTは検出システム170の検出結果に基づいて、駆動装置ACMを駆動し、マスクMの位置を制御する。なお、駆動装置ACMは、マスクユニット100内のマスクMを前述の6自由度の方向に移動可能である。
【0033】
基板案内装置FSTは、投影光学系112によってパターンPmの像が投影される投影領域PAを経由するように基板FBを案内する。基板案内装置FSTは、案内部80、上流側ローラー81、下流側ローラー82及び駆動装置ACFを有している。案内部80は、マスクMの+X側に配置される投影光学系112の投影領域PAと−X側に配置される投影光学系112の投影領域PAとに対応した位置にそれぞれ配置されている。案内部80は、図示しないエアベアリング機構が設けられており、このエアベアリング機構によって基板FBを案内部80の表面(上面)に非接触に支持することができる。
【0034】
上流側ローラー81は、基板FBを案内部80に搬入する。下流側ローラー82は、基板FBを案内部80から搬出する。上流側ローラー81及び下流側ローラー82は、例えば所定の搬送速度で基板FBを搬送する。駆動装置ACFは、上流側ローラー81及び下流側ローラー82の回転速度を調整する。
【0035】
駆動装置ACFは、制御部CONTからの制御信号に基づいて上流側ローラー81及び下流側ローラー82の回転速度し、これによって基板FBの搬送速度を調整をする。制御部CONTは、マスクMの回転速度に応じた搬送速度で基板FBが搬送されるように、駆動装置ACMの駆動及び駆動装置ACFの駆動を制御する。具体的には、制御部CONTは、マスクMの表面(すなわち、パターン形成面MF)に沿ったパターンPmの移動速度(周速度)に対する、基板FBの長さ方向への搬送速度(すなわち、基板FBの表面の移動速度)の比が、投影光学系112の投影倍率と等しくなるように、駆動装置ACM及び駆動装置ACFの駆動を制御する。
【0036】
マスクMは、
図3に示すように、駆動装置ACMに接続される軸部108を有している。軸部108は、マスクMの基材に対して一体的に、軸線Jを中心軸として設けられている。これによりマスクMは、駆動装置ACMによって、軸部108を回転軸として、軸線J回りに回転可能である。
【0037】
パターン形成面FMには、複数のパターン形成領域MAが軸線J方向に並んで設けられている。本実施形態では、複数のパターン形成領域MAとして、4つのパターン形成領域MAa,MAb,MAc,MAdが、この順に軸線J方向に並んで配置されている。パターンPmは、パターン形成領域MAa〜MAd内に分割して形成されている。
【0038】
パターン形成領域MAa,MAcとパターン形成領域MAb,MAcとは、パターン形成面MFの周方向において互いにずれて配置されている。本実施形態では、この相互のずれ量Sと、円筒面状のパターン形成面MFの直径Dと、マスクMに対して−X側の投影領域PAと+X側の投影領域PAとのX軸方向の間隔(すなわち、マスクMに対して−X側の投影光学系112の光軸と+X側の投影光学系112の光軸とのX軸方向の間隔)Lと、投影光学系112の投影倍率βとは、次式を満足するように設定されている。
S=πD/2−L/β(ただし、L<β×πD/2)
【0039】
マスクMの軸線J方向(Y軸方向)の一端側(+Y側)及び他端側(−Y側)のそれぞれにおけるパターン形成領域MAの外側には、検出システム170が検出可能なマークMBが配置されている。マークMBは、マスクMの外周面に沿って軸線J周りに形成されている。検出システム170は、マークMBを検出することでマスクMの位置情報、ひいてはパターンPmの位置情報を検出する。
【0040】
図4は、マスクMと光学システム110との位置関係を示す図である。なお、
図4では、マスクケース101の図示を省略している。
図4に示すように、光学システム110は、マスクMに設けられた4つのパターン形成領域MAにそれぞれ対応する4つの光学システム110a,110b,110c,110dが設けられている。光学システム110a〜110dは、それぞれ照明光学系111a〜111d及び投影光学系112a〜112bを有している。
【0041】
光学システム110a,110cはマスクユニット100の−X側に配置されている。光学システム110b,110dはマスクユニット100の+X側に配置されている。光学システム110a〜110dは、各パターン形成領域MAa〜MAdのピッチ(すなわち、隣り合う間隔)に対応するピッチでY方向に配置されている。
【0042】
照明光学系111aは、パターン形成領域MAaに対して露光光ELIを照射し、投影光学系112aは、パターン形成領域MAa内のパターンPmの像を、マスクユニット100の−X側に設けられた投影領域PAa内の基板FBに投影する。照明光学系111bは、パターン形成領域MAbに対して露光光ELIを照射し、投影光学系112bは、パターン形成領域MAb内のパターンPmの像を、マスクユニット100の+X側に設けられた投影領域PAb内の基板FBに投影する。照明光学系111cは、パターン形成領域MAcに対して露光光ELIを照射し、投影光学系112cは、パターン形成領域MAc内のパターンPmの像を、マスクユニット100の−X側に設けられた投影領域PAc内の基板FBに投影する。照明光学系111dは、パターン形成領域MAdに対して露光光ELIを照射し、投影光学系112dは、パターン形成領域MAd内のパターンPmの像を、マスクユニット100の+X側に設けられた投影領域PAd内の基板FBに投影する。
【0043】
図5(a)はマスクユニット100の概略構成を示す斜視図であり、
図5(b)はマスクユニット100を下方(−Z軸方向)から視た斜視図である。
図5(a)に示すように、ケース本体101aには、前述の透過用窓102の他、ケース本体101aの外部からマークMBを観測可能なようにマークMBに対向して設けられたマーク検出用窓103と、マスクMを支持し、マスクMの移動を制限する支持機構130と、が設けられている。支持機構130は、パターン形成領域MAがマスクケース101(例えば、ケース本体101aの内面)に接触しないように軸部108を支持する。軸部108は、支持機構130を介してケース本体101aの端部から突出した状態とされている。
【0044】
透過用窓102及びマーク検出用窓103は、パターン形成面MFに対向するようにケース本体101aに形成された開口に張られたペリクル膜を有している。このため、マスクケース101は、パターン形成面MFに対する露光光ELIの光路を確保しながらも、パターン形成面MFに対する異物の付着等を抑制し、パターン形成面MFを保護することができる。なお、パターン形成面MFに対向する開口に設けられ、その開口を閉塞する部材(カバー部材)は、ペリクル膜に限定されるものではなく、露光光ELIを透過させる光透過性を有する部材であればよい。かかる部材には、例えば、薄板状のガラス又はプラスティックが含まれる。
【0045】
マスクケース101は、内部が密閉状態とされている。ケース本体101aの軸線J方向における端面には、ケース本体101a内にマスクMを冷却するための冷却ガスを供給するためのガス供給口105が設けられている。ガス供給口105は、露光装置EX内に設けられるガス供給管(不図示)が接続されることで冷却ガスをケース本体101a内に供給可能とするものである。また、ガス供給口105の近傍には、ガス供給管が未接続の場合にガス供給口105を閉塞する不図示の開閉機構が設けられている。
【0046】
マスクケース101は、
図5(b)に示すように、マスクユニット100が露光装置EXに対して取り付けられる際の取付部106が形成されている。本実施形態では、取付部106はケース本体101aの下面側(−Z軸方向)に設けられている。取付部106は、マスクケース101の外周面の一部を平坦面とし、この平坦面に座面(当接面)を設けることで構成されている。マスクケース101は、取付部106が例えば支持部500に吸着されることで露光装置EXに固定される。なお、取付部106の構成は、平坦面とすることに限定されず、例えば、支持部500に嵌合する嵌合構造により構成しても構わない。
【0047】
マスクケース101の外周面のうち取付部106が形成された面には、上述のガス供給口105からケース本体101a内に供給された冷却ガスを排気するためのガス排気口107が設けられている。ガス排気口107は、露光装置EX内に設けられるガス排気管(不図示)が接続されたることで冷却ガスをケース本体101aから排気可能とするものである。また、ガス排気口107の近傍には、ガス排気管が未接続の場合にガス排気口107を閉塞する不図示の開閉機構が設けられている。
【0048】
ケース本体101aは、透過用窓102及びマーク検出用窓103を開閉可能に覆うシャッター104を備えている。なお、シャッター104は、透過用窓102及びマーク検出用窓103を個別に覆う構成であっても構わない。
【0049】
図6は支持機構130の構成を示す図である。
図6(a)は支持機構130の要部を示す平面図であり、
図6(b)は支持機構130の断面構造を示す図である。なお、
図6ではマスクユニット100の一端側(+Y軸側)のみを図示しているが、他端側(−Y軸側)にも支持機構130が設けられている。
【0050】
支持機構130はベアリング盤162と、ベアリング161と、を含む。一方、ケース本体101aの軸線J方向(Y軸方向)における両側面には略長孔状の開口160が形成されている。この開口160にベアリング盤162が嵌合しており、これにより支持機構130がケース本体101aに取りつけられている。
【0051】
開口160は互いに平行な一対の直線部160aと、これら直線部の端部同士を接続する曲線部160bと、を有している。ベアリング盤162は、円筒形状のベース部163と、ベース部163の軸線J方向の両端部に設けられる第1立ち上がり部162a及び第2立ち上がり部162bを有している。
【0052】
ベアリング161は、輪帯状に形成され、ベース部162の内周部162cに取り付けられている。ベアリング161の中央開口部にはマスクMの軸部108が嵌合されている。これにより、後述のように駆動装置ACMによってマスクMが回転される時には、ベアリング161の働きによってベアリング盤162が回転することなく軸部108が回転する。このようにマスクMはベアリング盤162に支持され、ベアリング盤162とともに移動可能とされている。
【0053】
ベース部163の外形は、開口160の短手方向における幅(すなわち、2つの直線部160aの間隔)と等しいか、若しくは僅かに小さく設定されている。第1立ち上がり部162a及び第2立ち上がり部162bは平面視した状態(Y軸方向から視た状態)で略リング状の枠部材からなり、それぞれが開口160よりも大きく設定されている。また、第2立ち上がり部162bは、平面視した状態で第1立ち上がり部162aよりも大きく設定されている。すなわち、ベアリング盤162は、平面視した状態で第1立ち上がり部162a及び第2立ち上がり部162bが開口160の縁部を挟持した状態となっている。なお、開口160の2つの曲線部160bの間隔は、ベアリング盤162が直線部160aに沿って開口160の一端側に寄った状態においてもマスクMのパターン形成面MFがケース本体101aに接触しない寸法に設定されている。また、第2立ち上がり部162bの外径は、ベアリング盤162が開口160の一端側に寄った状態においても開口160を塞いだ状態となる大きさに設定されている。
【0054】
第2立ち上がり部162bにおける開口160の内縁部に対向する位置にはシール材164が配置されている。ベアリング盤162は、シール材164によって開口160をシールしており、これによりケース本体101a内は密閉状態が保たれている。
【0055】
このような構成に基づき、マスクMはベアリング盤162とともに開口160の長手方向(Z軸方向)に移動可能となっている。また、マスクユニット100を搬送する場合、マスクMはケース本体101a内で軸線J回りに回転するものの、マスクMのパターン形成面MFがケース本体101aに接触しないように移動が制限されている。なお、ベアリング盤162がマスクMの回転を制限するロック機構(不図示)を備える構成としても構わない。これにより、マスクユニット100の搬送時にマスクMがケース本体101a内で回転することが防止され、ベアリング161の磨耗等を抑制できる。
【0056】
続いて、マスクユニット100を露光装置EXに取り付ける動作について説明する。
図7はマスクユニット100の取付動作を説明するための図である。
まず、
図7(a)に示すように、マスクユニット100の取付部106を露光装置EXの支持部500に取り付け(載置させ)、支持部500に固定させる(吸着させる)。その後、シャッター104を開くことでケース本体101aの外周面に透過用窓102及びマーク検出用窓103を出現させる(
図7(b)参照)。また、ケース本体101aに設けられたガス供給口105及びガス排気口107に不図示のガス供給管及びガス排気管をそれぞれ接続する。
【0057】
続いて、制御部CONTからの制御信号に基づいて駆動装置ACMの一部である回転駆動部ACM1を駆動する。回転駆動部ACM1は、マスクケース101から突出している軸部108に接続(係合)する凹部501が形成されている。回転駆動部ACM1は、凹部501と軸部108とを位置合わせした後、
図7(b)に示すように凹部501と軸部108とを接続する。なお、支持機構130がマスクMの回転を制限するロック機構を備えている場合には、ロックを解除する。
【0058】
その後、回転駆動部ACM1を軸線J回りに回転させるによってマスクMをケース本体101a内で回転させることができる。
【0059】
本実施形態における露光装置EXによる投影領域PAa〜PAdは、
図8に示すように基板FBのうち案内部80上に配置された領域に形成される。なお、
図8においては図を見やすくするため、光学システム110のうち投影光学系112のみ図示している。
【0060】
まず、制御部CONTは、マスクユニット100よりも上流側(−X側)において露光処理を行わせる。制御部CONTは、照明光学系111a及び111cから露光光ELIをそれぞれマスクMのパターン形成領域MAa及びMAcに照射させる。
【0061】
パターン形成領域MAa及びMAcの各パターンPmによる反射光は、それぞれ投影光学系112a及び112cを介して投影領域PAa及びPAcに照射される。この動作により、投影領域PAa及びPAcにはそれぞれ対応するパターンPmの像(拡大像)が投影される。この状態で、制御部CONTは、回転駆動部ACM1を回転させつつ、基板FBを+X方向に搬送する。これによって、基板FBのうちY方向に離れた2つの領域が、投影領域PAa,PAcに投影されるパターンPmの像によって+X側から−X側へと順に露光され、X軸方向に沿った帯状の露光領域PBa,PBcが基板FBに形成される。このとき、制御部CONTは、回転駆動部ACM1の回転速度と基板FBの移動速度とを調整し、マスクMの表面(すなわち、パターン形成面MF)に沿ったパターン形成面MFの移動速度(周速度)に対する基板FBの長さ方向への移動速度の比が、投影光学系112の投影倍率(拡大倍率)と等しくなるように制御を行う。なお、検出システム170は、マスクケース101に設けられたマーク検出用窓103を介してマークMBを読み取ることができる。
【0062】
続いて、制御部CONTは、基板FBの移動にともない露光領域PBa,PBcの+X側端部が投影領域PAb及びPAdに到達したら、マスクユニット100よりも下流側(+X側)において露光処理を行わせる。制御部CONTは、照明光学系111b及び111dから露光光ELIをそれぞれマスクMのパターン形成領域MAc及びMAdに照射させる。パターン形成領域MAb及びMAdの各パターンPmによる反射光は、それぞれ投影光学系112c及び112dを介して投影領域PAb及びPAdに照射される。
【0063】
この動作により、投影領域PAb及びPAdにはそれぞれ対応するパターンPmの像(拡大像)が投影される。これによって、基板FBのうちY方向に離れた2つの領域が、投影領域PAb,PAdに投影されるパターンPmの像によって+X側から−X側へと順に露光され、X軸方向に沿った帯状の露光領域PBb,PBdが基板FBに形成される。このとき、露光領域PBbの−Y側の端部及び+Y側の端部は、それぞれ露光領域PBaの+Y側の端部及び露光領域PBcの−Y側の端部に重なった状態で露光され、露光領域PBdの−Y側の端部は、露光領域PBcの+Y側の端部に重なった状態で露光される。なお、制御部CONTは、検出システム170の検出結果に基づいて、回転駆動部ACM1の回転速度と基板FBの移動速度とを調整させることができる。
【0064】
本実施形態では、基板FB上には、投影領域PAa〜PAdに投影される単独の像のみによって露光される部分と、投影領域PAaに投影される像の一部と投影領域PAbに投影される像の一部とによって露光される部分と、投影領域PAbに投影される像の一部と投影領域PAcに投影される像の一部とによって露光される部分と、投影領域PAcに投影される像の一部と投影領域PAdに投影される像の一部とによって露光される部分と、が形成されることになる。このように露光動作を行うことにより、基板FB上には、パターン形成領域MAa〜MAdの各パターンPmをY軸方向に結合したパターンの拡大像に対応する露光パターンPfが形成されることになる。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、マスクケース101内にマスクMが収容されたマスクユニット100を備えているので、マスクMの交換、取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。また、マスクMのパターン形成面MFがマスクケース101内に収容されているため、パターンPmに埃や異物等が付着すること及び傷がつけられること等を防止できる。また、パターン形成面MFがマスクケース101に接触しないようにマスクMが支持機構130によって支持されているため、マスクケース101によってマスクMのパターンPmにダメージが及ぶことを防止できる。これにより、マスクMのパターン形成面FMにダメージを与えることなく、マスクMを簡便に取り扱うことができるメンテナンス性に優れたマスクユニット100を提供することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、マスクケース101の透過用窓102及びマーク検出用窓103を開閉可能に覆うシャッター104が設けられるため、マスクユニット100の持ち運び時に透過用窓102及びマーク検出用窓103が破損するのを防止することができる。また、マスクMの軸部108がベアリング161を介してベアリング盤162に支持されてマスクケース101から突出されているため、マスクユニット100を露光装置EXに装着した状態でマスクケース101の外部から軸部108、ひいてはマスクMを軸線J回りに回転させることができるとともに、透過用窓102によってパターン形成面FMに対する露光光ELIの光路を確保できるため、マスクケース101からマスクMを取り出すことなく露光処理を行うことができ、信頼性の高い露光処理を実現することができる。
【0067】
(第二実施形態)
続いて、マスクユニットの第二実施形態に係る構成について説明する。
図9は第2実施形態に係るマスクユニット200の構成を示す斜視図であり、
図10はマスクユニット200の側面構成を示す図である。
図9及び
図10に示すように、マスクユニット200は、軸線Jと直交する断面内の形状が四角形状のマスクケース201と、該マスクケース201内に収容されたマスクM2と、マスクケース201内でマスクM2を支持する支持機構207と、を有している。
【0068】
マスクケース201は、ケース本体201aを主体として構成されており、ケース本体201aの外周面には第一実施形態と同様に透過用窓202、マーク検出用窓203、ガス供給口208及びガス排気口209が形成されている。ケース本体201a内は密閉状態が保たれている。ケース本体201aには、マスクM2の軸線J方向(
図9におけるY軸方向)と交差する面に開口部210aが形成されており、この開口部210aには開閉可能なシャッター210が設けられている。この開口部210aは、後述するように露光装置EXの駆動装置ACMをケース本体201a内に挿通させるためのものである。
【0069】
また、ケース本体201aは透過用窓202を開閉可能に覆うシャッター204と、マーク検出用窓203を開閉可能に覆うシャッター211と、を備えている。ケース本体201aの下面(−Z側の外周面)には、露光装置EXの支持部500に取り付けられる取付部216(
図11参照)が設けられている。
【0070】
マスクM2は、第一実施形態のマスクMの構成をもとに、軸部108に替えて軸部206を有している。その他の構成は、マスクMと同様である。軸部206は、軸線Jを中心軸として設けられ、軸線Jは、図中、Y軸と平行に設定されている。軸部206は、ケース本体201aから突出することなく、ケース本体201a内に収容された状態となっている。軸部206には、後述する露光装置EXの駆動装置ACMが係合するための係合用凹部206cが形成されている。係合用凹部206cは、平面視略円形状からなる円形部206aと、円形部206aの一端に形成されたキー溝部206bと、を含む。
【0071】
支持機構207は、マスクM2の軸部206を支持する支持部207aを有している。支持部207aは下面側(−Z側)がケース本体201aに固定されており、上面側(+Z側)にV溝217が形成されている。軸部206がV溝217に支持されたマスクM2は、パターン形成面MFがケース本体201aに非接触な状態でマスクケース201内に保持される。本実施形態では、マスクユニット200は支持機構207が鉛直方向下側に位置した状態で搬送される。この状態において、マスクM2は、パターン形成面FMがケース本体201aに接触しないように移動が制限されている。
【0072】
なお、支持機構207は、支持部207aに替えて、例えばM2の軸部206を複数の支持部で挟む構成を採用することができる。これによれば、マスクユニット200が種々の姿勢で搬送される場合であっても、マスクM2のパターン形成面MFがマスクケース201に接触することを防止できる。
【0073】
続いて、マスクユニット200を露光装置EX内に取り付ける動作について説明する。
図11はマスクユニット200の取付動作を説明するための図である。まず、
図11(a)に示すように、マスクユニット200の取付部216を露光装置EXの支持部500に取り付け(載置させ)、支持部500に固定させる(吸着させる)。その後、シャッター204,211を開くことでケース本体201aの外周面に透過用窓202及びマーク検出用窓203を出現させる(
図11(b)参照)。
【0074】
続いて、制御部CONTからの制御信号に基づいて駆動装置ACMの一部である回転駆動部ACM2を駆動する。このとき、ケース本体201aに設けられたシャッター210を開くことでケース本体201aの両側面に開口部210aを出現させる。回転駆動部ACM2は、開口部210aを介してケース本体201a内に挿入される。そして、回転駆動部ACM2の先端部208は、マスクM2の軸部206に形成された係合用凹部206cに挿入(係合)される。先端部208の外周面はテーパー面となっており、係合用凹部206cの内側面はこのテーパー面に対応した先細り形状となっている。また、先端部208はキー溝部206bに挿入可能な凸部208aが設けられている。この構成に基づき、回転駆動部ACM2の先端部208はテーパー面に沿って係合用凹部206cへ挿入されるため、軸部206と回転駆動部ACM2と(すなわち、マスクM2の軸線Jと回転駆動部ACM2の回転軸と)を確実に同軸状に位置合わせすることができる。
【0075】
続いて、回転駆動部ACM2は、マスクM2の軸部206に接続された状態で所定位置まで上昇する。これにより、マスクユニット200内のマスクM2は、支持機構207から離間した状態となり、支持機構207によるマスクM2の支持状態が解除される。回転駆動部ACM2と軸部206とが接続された状態では、マスクケース201のシャッター210が開いた状態となっている。本実施形態では、駆動装置ACMに設けられた封止板205をマスクケース201の側面に押し当て、開口部210aを塞ぐことでマスクケース201内を密閉状態に保持することができる。
【0076】
これにより、マスクユニット200のマスクM2は、第1実施形態と同様、マスクユニット100を露光装置EXに装着した状態でマスクケース201の外部から軸部206、ひいてはマスクM2を軸線J回りに回転させることができるとともに、透過用窓202によってパターン形成面FMに対する露光光ELIの光路を確保できるため、マスクケース201からマスクM2を取り出すことなく露光処理を行うことができる。
【0077】
なお、上記説明ではマスクM2を支持機構207から離間させる場合に、回転駆動部ACM2によってマスクM2を上昇させる構成としたが、支持機構207をマスクM2から遠ざかるように駆動する構成とすることもできる。この構成では、
図12に示すように支持機構207が支持部207aを上下動させる駆動部207bを備えている。支持機構207は、制御部CONTからの制御信号に基づいて、回転駆動部ACM2がマスクM2に接続された場合に支持部207aを下降させ、支持機構207によるマスクM2の支持状態を解除する。
【0078】
本実施形態によれば、マスクケース201内にマスクM2が収容されたマスクユニット200を備えるので、第一実施形態と同様に、マスクM2のパターン形成面FMにダメージを与えることなく、マスクM2を簡便に取り扱うことができるメンテナンス性に優れたマスクユニット200を提供できる。
【0079】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、4つのパターン形成領域MAが形成されたマスクM,M2を用いる構成としたが、これに限られることは無く、それ以上の数のパターン形成領域MAが形成されたマスクM,M2を用いる構成としても構わない。
【0080】
また、上記実施形態では、マスクケース101,201は、それぞれケース本体101a,201aの外周面の2箇所に透過用窓102,202を有することとしたが、2箇所に限定されず、1箇所又は3箇所以上に透過用窓を有するようにしてもよい。また、マスクケース101,201は、それぞれケース本体101a,201aの外周面の互いに対向する位置に2つの透過用窓を有することとしたが、2つの透過用窓の配置は、互いに対向する位置に限定されるものではない。なお、照明光学系111及び投影光学系112は、ケース本体における透過用窓の配置に対応させて適宜配置させるとよい。
【0081】
また、上述の各実施形態において、円柱状のマスクM,M2の曲率に応じて、投影光学系112の結像特性(光学特性)を調整するようにしてもよい。
【0082】
また、上述の各実施形態において、マスクM,M2は、円筒状又は円柱状の基材表面(円筒面状のパターン形成面FM)にパターンPmが形成されるものとしたが、これに限定されず、例えば、パターンPmが表面に形成された薄板状の基材を軸線J周りの所定の円筒面に沿って配置したものとすることもできる。この場合、パターン形成領域MAa〜MAdごとに薄板状の基材を個別のものとしてもよく、一体のものとしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、基板FBに露光する場合について説明したが、露光対象媒体としては、ディスプレイデバイス用のガラス基板の他、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0084】
また、露光装置EXの種類としては、基板に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0085】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図13に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ301、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ302、デバイスの基材である基板を製造するステップ303、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板(感光剤)を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ304、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)305、検査ステップ306等を経て製造される。なお、ステップ304では、感光剤を現像することで、マスクのパターンに対応する露光パターン層(現像された感光剤の層)を形成し、この露光パターン層を介して基板を加工することが含まれる。
【0086】
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。