【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.化合物
本発明は一般式(I):
【化4】
[式中、R
1〜R
5及びXは以下に示す通りである]
の化合物又はその塩若しくは溶媒和物に関する。
本発明の化合物が1個又は複数のキラル中心を有する場合には、個々のエナンチオマー及びジアステレオマー並びにラセミ体が本発明に包含される。下記で説明するオーキシン生合成阻害剤、及びトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤についても同様である。
一般式(I)において、R
1は置換若しくは非置換のアリール基(但し、非置換のフェニルは除く)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール縮合シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール縮合ヘテロシクロアルキル基である。好ましくは、R
1は置換若しくは非置換のアリール基(但し、非置換のフェニルは除く)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基である。より好ましくは、R
1は置換アリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基である。特に好ましくは、R
1は置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基である。
R
1の前記各基はハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、アルキル基(例えば、C
1−6アルキル、C
1−3アルキルなど)、ハロアルキル基(例えば、C
1−3ハロアルキル、トリフルオロメチルなど)、シクロアルキル基(例えば、C
3−7シクロアルキル、C
5−6シクロアルキルなど)、アルコキシ基(例えば、C
1−6アルコキシ、C
1−3アルコキシなど)、ハロアルコキシ基(例えば、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−3ハロアルコキシ、トリフルオロメトキシなど)、アリール基(例えば、C
6−10アリール、フェニルなど)、アリール置換フェニル基(例えば、C
6−10アリール置換フェニル、ビフェニルなど)、ヘテロアリール基(例えば、チオフェンなど)、アリール置換ヘテロアリール基(例えば、C
6−10アリール置換ヘテロアリール、フェニルチオフェンなど)、アリールオキシ基(例えば、C
6−10アリールオキシ、フェニルオキシなど)、オキソ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基などの置換基で置換されていてもよい。
R
1のアリール基としては、例えば、C
6−14アリール、C
6−10アリールなどを挙げることができる。特に、クロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、4−(4’−クロロフェニル)フェニル、及びナフチルが好ましい。特に、ナフチルが好ましい。
R
1のヘテロアリール基としては、例えば、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を環員として有する5〜10員のヘテロアリール、5〜6員のヘテロアリールなどを挙げることができる。特に、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、及びベンゾチオフェンが好ましい。
R
1のヘテロシクロアルキル基としては、例えば、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を環員として有する5〜10員のヘテロシクロアルキル、5〜6員のヘテロシクロアルキルなどを挙げることができる。特に、フェニルピペリジニルが好ましい。
R
1のアリール縮合シクロアルキル基としては、例えば、C
5−6シクロアルキルにフェニルが縮合したものなどを挙げることができる。特に、以下に示す構造を有するものが好ましい。
【化5】
R
1のアリール縮合ヘテロシクロアルキル基としては、例えば、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を環員として有する5〜6員のヘテロシクロアルキルにフェニルが縮合したものなどを挙げることができる。特に、以下に示す構造を有するものが好ましい。
【化6】
一般式(I)において、R
2は水素、又は置換若しくは非置換のアルキル基である。好ましくは、R
2は置換若しくは非置換のアルキル基である。
R
2のアルキル基はハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シクロアルキル基(例えば、C
3−7シクロアルキル、C
5−6シクロアルキルなど)、アルコキシ基(例えば、C
1−6アルコキシ、C
1−3アルコキシなど)などで置換されていてもよい。
R
2のアルキル基としては、例えばC
1−6アルキル、C
1−4アルキルなどを挙げることができる。特に、メチル、エチル、及びブチルが好ましい。
一般式(I)において、R
3及びR
4は、同一又は異なり、水素、又は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成する。好ましくは、R
3は水素であり、且つR
4は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成する。
R
3及びR
4のアシル基はハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シクロアルキル基(例えば、C
3−7シクロアルキル、C
5−6シクロアルキルなど)、アルコキシ基(例えば、C
1−6アルコキシ、C
1−3アルコキシなど)、カルボキシル基などで置換されていてもよい。また、前記アシル基が芳香族部分を有する場合には前記芳香族部分が更にアルキル基(例えば、C
1−6アルキル、C
1−3アルキルなど)、ハロアルキル基(例えば、C
1−3ハロアルキル、トリフルオロメチルなど)、アミノ基、ニトロ基、シアノ基などで置換されていてもよい。
R
3及びR
4が形成するアルキリデン基はハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シクロアルキル基(例えば、C
3−7シクロアルキル、C
5−6シクロアルキルなど)、アルコキシ基(例えば、C
1−6アルコキシ、C
1−3アルコキシなど)などで置換されていてもよい。
R
3及びR
4が窒素原子と共に形成する環状イミド基はハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、アルキル基(例えば、C
1−6アルキル、C
1−3アルキルなど)、ハロアルキル基(例えば、C
1−3ハロアルキル、トリフルオロメチルなど)、シクロアルキル基(例えば、C
3−7シクロアルキル、C
5−6シクロアルキルなど)、アルコキシ基(例えば、C
1−6アルコキシ、C
1−3アルコキシなど)などで置換されていてもよい。
R
3及びR
4のアシル基としては、例えば、C
2−11アシル、C
2−7アシルなどを挙げることができる。特に、アセチル、及びベンゾイルが好ましい。
R
3及びR
4が形成するアルキリデン基としては、例えば、C
3−10アルキリデン、C
3−6アルキリデンなどを挙げることができる。特に、プロパン−2−イリデンが好ましい。
R
3及びR
4が窒素原子と共に形成する環状イミド基としては、例えば、C
4−8環状イミドなどを挙げることができる。特に、フタルイミド、及びスクシンイミドが好ましい。
一般式(I)において、R
5は水素、又は置換若しくは非置換のアルキルである。好ましくは、R
5は水素である。
R
5のアルキル基はハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シクロアルキル基(例えば、C
3−7シクロアルキル、C
5−6シクロアルキルなど)、アルコキシ基(例えば、C
1−6アルコキシ、C
1−3アルコキシなど)などで置換されていてもよい。
R
5のアルキル基としては、例えばC
1−6アルキル、C
1−3アルキルなどを挙げることができる。アルキル基として特にメチルが好ましい。
一般式(I)において、XはO、CH
2、又はNHである。好ましくは、XはO、又はNHである。特に好ましくは、XはOである。
一般式(I)の化合物は、R
1〜R
5及びXについての上記定義を任意に組み合わせた化合物を包含する。特に限定されるものではないが、より高い安定性を有する観点からR
2〜R
4が同時に水素でない化合物が好ましい。例えば、R
2が水素であり;R
3が水素であり、且つR
4が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成しているか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成している化合物が好ましい。特に、R
2が置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3が水素であり、且つR
4が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成しているか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成している化合物が特に好ましい。
一般式(I)の化合物の塩としては、前記化合物の活性に悪影響を与えるものでない限り特に限定されない。例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩など)、酸付加塩(無機酸塩又は有機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、マレイン酸塩、アクリル酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、フタル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、ギ酸塩、アスコルビン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩など)などを挙げることができる。
一般式(I)の化合物の溶媒和物としては、前記化合物の活性に悪影響を与えるものでない限り特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸、エタノールアミン、酢酸エチルなどの有機溶媒が結合した溶媒和物、又は水が結合した水和物などを挙げることができる。
本発明の一実施形態では、一般式(I)において、R
1が置換若しくは非置換のアリール基(但し、非置換のフェニルは除く)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基であり;R
2が水素、又は置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3及びR
4が、同一又は異なり、水素、又は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5が水素、又は置換若しくは非置換のアルキルであり;XがO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を対象とする。
本発明の好ましい実施形態では、一般式(I)において、R
1が置換アリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基であり;R
2が水素、又は置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3及びR
4が、同一又は異なり、水素、又は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5が水素、又は置換若しくは非置換のアルキルであり;XがO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を対象とする。
前記の好ましい実施形態の具体例としては、一般式(I)において、R
1がクロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2が水素、又はC
1−6アルキルであり;R
3及びR
4が、同一又は異なり、水素、アセチル、又はベンゾイルであるか、或いはR
3及びR
4が一緒になってプロパン−2−イリデンを形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共にフタルイミド、又はスクシンイミドを形成し;R
5が水素、又はメチルであり;XがO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を挙げることができる。
本発明の更に好ましい実施形態では、一般式(I)において、R
1が置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基であり;R
2が置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3が水素であり、且つR
4が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5が水素であり;XがO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を対象とする。
前記の更に好ましい実施形態の具体例としては、一般式(I)において、R
1がクロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2がC
1−6アルキルであり;R
3が水素であり、且つR
4がアセチル、又はベンゾイルであるか、或いはR
3及びR
4が一緒になってプロパン−2−イリデンを形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共にフタルイミド、又はスクシンイミドを形成し;R
5が水素であり;XがO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を挙げることができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、一般式(I)において、R
1が置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基であり;R
2が置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3が水素であり、且つR
4が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3及びR
4が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5が水素であり;XがOである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を対象とする。
前記の特に好ましい実施形態の具体例としては、一般式(I)において、R
1がクロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2がC
1−6アルキルであり;R
3が水素であり、且つR
4がアセチル、又はベンゾイルであるか、或いはR
3及びR
4が一緒になってプロパン−2−イリデンを形成するか、或いはR
3及びR
4が結合している窒素原子と共にフタルイミド、又はスクシンイミドを形成し;R
5が水素であり;XがOである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を挙げることができる。
2.オーキシン生合成阻害剤
本発明は更に、一般式(I’):
【化7】
[式中、R
1’〜R
5’及びX’は以下に示す通りである]
の化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤に関する。
一般式(I’)において、R
1’は置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール縮合シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール縮合ヘテロシクロアルキル基である。好ましくは、R
1’は置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基である。特に好ましくは、R
1’は置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基である。
一般式(I’)において、R
2’は水素、又は置換若しくは非置換のアルキル基である。好ましくは、R
2’は置換若しくは非置換のアルキル基である。
一般式(I’)において、R
3’及びR
4’は、同一又は異なり、水素、又は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成する。好ましくは、R
3’は水素であり、且つR
4’は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成する。
一般式(I’)において、R
5’は水素、又は置換若しくは非置換のアルキルである。好ましくは、R
5’は水素である。
一般式(I’)において、X’はO、CH
2、又はNHである。好ましくは、X’はO、又はNHである。特に好ましくは、X’はOである。
一般式(I’)のR
1’〜R
5’の具体例、並びにR
1’〜R
5’の基に置換していてもよい置換基の具体例は、前記の一般式(I)のR
1〜R
5について説明した通りである。なお、一般式(I’)のR
1’は非置換のフェニルであってもよいが、その場合にはR
2’〜R
4’は同時に水素ではない。
一般式(I’)の化合物は、R
1’〜R
5’及びX’についての前記定義を任意に組み合わせた化合物を包含する。特に限定されるものではないが、より高い安定性を有する観点からR
2’〜R
4’が同時に水素でない化合物が好ましい。例えば、R
2’が水素であり;R
3’が水素であり、且つR
4’が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成しているか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成している化合物が好ましい。特に、R
2’が置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3’が水素であり、且つR
4’が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成しているか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成している化合物が特に好ましい。
一般式(I’)の化合物の塩及び溶媒和物の具体例は、前記の一般式(I)の化合物の塩及び溶媒和物について説明した通りである。
本発明の好ましい実施形態では、一般式(I’)において、R
1’が置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基であり;R
2’が水素、又は置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3’及びR
4’が、同一又は異なり、水素、又は置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5’が水素、又は置換若しくは非置換のアルキルであり;X’がO、又はNHである;(但し、R
1’が非置換のフェニルの場合、R
2’、R
3’及びR
4’は同時に水素ではない)化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤を対象とする。本実施形態のオーキシン生合成阻害剤は、L−AOPPと同等以上のオーキシン生合成阻害活性と、高い安定性を有する。
前記の好ましい実施形態の具体例としては、一般式(I’)において、R
1’がフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2’が水素、又はC
1−6アルキルであり;R
3’及びR
4’が、同一又は異なり、水素、アセチル、又はベンゾイルであるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になってプロパン−2−イリデンを形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共にフタルイミド、又はスクシンイミドを形成し;R
5’が水素、又はメチルであり;X’がO、又はNHである;(但し、R
1’が非置換のフェニルの場合、R
2’、R
3’及びR
4’は同時に水素ではない)化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤を挙げることができる。
本発明の更に好ましい実施形態では、一般式(I’)において、R
1’が置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基であり;R
2’が置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3’が水素であり、且つR
4’が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5’が水素であり;X’がO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤を対象とする。本実施形態のオーキシン生合成阻害剤は、L−AOPPと同等以上のオーキシン生合成阻害活性と、非常に高い安定性を有する。
前記の更に好ましい実施形態の具体例としては、一般式(I’)において、R
1’がフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2’がC
1−6アルキルであり;R
3’が水素であり、且つR
4’がアセチル、又はベンゾイルであるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になってプロパン−2−イリデンを形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共にフタルイミド、又はスクシンイミドを形成し;R
5’が水素であり;X’がO、又はNHである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤を挙げることができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、一般式(I’)において、R
1’が置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基であり;R
2’が置換若しくは非置換のアルキル基であり;R
3’が水素であり、且つR
4’が置換若しくは非置換のアシル基であるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデン基を形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共に置換若しくは非置換の環状イミド基を形成し;R
5’が水素であり;X’がOである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤を対象とする。本実施形態のオーキシン生合成阻害剤は、L−AOPPよりも優れたオーキシン生合成阻害活性と、非常に高い安定性を有する。
前記の特に好ましい実施形態の具体例としては、一般式(I’)において、R
1’がクロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2’がC
1−6アルキルであり;R
3’が水素であり、且つR
4’がアセチル、又はベンゾイルであるか、或いはR
3’及びR
4’が一緒になってプロパン−2−イリデンを形成するか、或いはR
3’及びR
4’が結合している窒素原子と共にフタルイミド、又はスクシンイミドを形成し;R
5’が水素であり;X’がOである;化合物又はその塩若しくは溶媒和物を含むオーキシン生合成阻害剤を挙げることができる。
3.トリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤
本発明は更に、一般式(I”):
【化8】
[式中、R
1”〜R
5”及びX”は以下に示す通りである]
の化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤に関する。
一般式(I”)において、R
1”は置換若しくは非置換のアリール基(但し、非置換のフェニルは除く)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール縮合シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール縮合ヘテロシクロアルキル基である。好ましくは、R
1”は置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基である。
R
2”〜R
5”は水素である。
X”はO、NH、又はCH
2である。好ましくは、X”はO、又はNHである。特に好ましくは、X”はOである。
一般式(I”)のR
1”の具体例、並びにR
1”の基に置換していてもよい置換基の具体例は、前記の一般式(I)のR
1について説明した通りである。
一般式(I”)の化合物の塩及び溶媒和物の具体例は、前記の一般式(I)の化合物の塩及び溶媒和物について説明した通りである。
一般式(I”)の化合物のプロドラッグとしては、一般式(I”)におけるカルボキシル基(COOR
2”)及びアミノ基(NR
3”R
4”)が植物中で遊離のカルボン酸及び遊離のアミンに変換される保護基で保護されているものを挙げることができる。
保護されたカルボキシル基としては、エステル、チオエステル、アミド、ニトリルなどを挙げることができる。例えば、C
1−6アルキルエステル、C
1−4アルキルエステル、C
1−6アルキルチオエステル、C
1−4アルキルチオエステル、−CONR
a2(R
aはそれぞれ独立して水素、C
1−6アルキル、C
1−3アルキルなど)などを挙げることができる。
保護されたアミノ基としては、アミド、イミド、イミンなどを挙げることができる。例えば、−NHCOR
b(R
bはC
1−3アルキル(好ましくはメチル)、アリール(好ましくはフェニル)など)、環状イミド(好ましくはフタルイミド、スクシンイミド)、−N=CR
c2(R
cはそれぞれ独立してC
1−3アルキルなど)を挙げることができる。
カルボキシル基及びアミノ基は一方のみが保護されていてもよいし、両方ともが保護されていてもよい。
本発明の一実施形態では、一般式(I”)において、R
1”が置換アリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基であり;R
2”〜R
5”が水素であり;X”がO、NH、又はCH
2である(好ましくは、X”がOである);化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤を対象とする。
前記の一実施形態の具体例としては、一般式(I”)において、R
1”がクロロフェニル、ブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、ジクロロフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2”〜R
5”が水素であり;X”がO、NH、又はCH
2である(好ましくは、X”がOである);化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤を挙げることができる。本実施形態のトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤は、L−AOPPと同等以上の酵素阻害活性を有する。
前記の一実施形態の好ましい具体例としては、一般式(I”)において、R
1”が4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、ビフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、又はナフチルであり;R
2”〜R
5”が水素であり;X”がOである;化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤を挙げることができる。本実施形態のトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤は、L−AOPPよりも優れた酵素阻害活性を有する。
前記の一実施形態の好ましい具体例としては、一般式(I”)において、R
1”がブロモフェニル、ビフェニル、フェノキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、6−メトキシ−2−ナフチル、ナフチル、又はキノリニルであり;R
2”〜R
5”が水素であり;X”がOである;化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤を挙げることができる。本実施形態のトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤は、L−AOPPと同等以上の酵素阻害活性を有し、更に副作用(PAL阻害活性)が低減されている。
前記の一実施形態の特に好ましい具体例としては、一般式(I”)において、R
1”がビフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、又はナフチルであり;R
2”〜R
5”が水素であり;X”がOである;化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤を挙げることができる。本実施形態のトリプトファンアミノトランスフェラーゼ阻害剤は、L−AOPPよりも優れた酵素阻害活性を有し、更に副作用(PAL阻害活性)が低減されている。
4.使用方法
本発明の化合物はオーキシンの生合成を阻害するため、トリプトファンアミノトランスフェラーゼをインビボ(植物中)及びインビトロで阻害するため、及び植物の成長を調節するために使用することができる。インビトロでトリプトファンアミノトランスフェラーゼを阻害する場合には、プロドラッグ化していない阻害剤を使用することが好ましい。
植物の種類は、オーキシンを生合成する植物、及びトリプトファンアミノトランスフェラーゼを有する植物であれば特に限定されない。
本発明の化合物の植物への適用方法は、化合物と植物とが接触する方法であれば特に限定されない。例えば、散布、散粉、噴霧、浸漬、塗布などを挙げることができる。
「植物の成長を調節する」とは、植物の成長に対して何らかの影響を与えることを意味し、促進作用及び抑制作用の何れの作用をも包含する。例えば、これらの作用を利用して本発明の化合物を除草剤、植物成長調節剤、花持ち剤(鮮度保持剤)などとして使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
1.合成実施例
図2−2に従って各種化合物を合成した。
KOK1158の合成(工程1)
【化9】
J.Org.Chem.2006,71,3332−3334に記載されている方法を用い表題化合物を合成した。3−(2−ナフチル)−D−アラニン(5.0g,23.2mmol)、及び臭化ナトリウム(9.7g,81.3mmol)を2.5M硫酸30mlに懸濁させ0℃で撹拌した。そこへ亜硝酸ナトリウム(2.0g,29.0mmol)水溶液10mlを滴下した。0℃で1時間撹拌後室温に戻し6時間反応させた。反応液を酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:酢酸=100:1)で精製し、不純物を含む表題化合物(赤褐色油状物6.6g,粗収率102%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.40(1H,dd,J=14.2,7.3Hz),3.63(1H,dd,J=14.2,8.2Hz),4.52(1H,dd,J=8.2,7.3Hz),7.33(1H,dd,J=8.6,1.7Hz),7.40−7.51(2H,m),7.69(1H,s),7.71−7.86(3H,m)。
KOK1164の合成(工程2)
【化10】
工程1で得られたKOK1158(6.6g,23.6mmol)をメタノール(50ml)に溶解し、濃硫酸0.5mlを加え、2時間還流した。反応液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、表題化合物(黄色油状物4.1g,59%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.40(1H,dd,J=14.3,7.3Hz),3.63(1H,dd,J=14.3,8.6Hz),3.71(3H,s),4.50(1H,dd,J=8.6,7.3Hz),7.32(1H,dd,J=8.6,1.6Hz),7.40−7.51(2H,m),7.67(1H,s),7.72−7.84(3H,m)。
KOK1165の合成(工程3)
【化11】
N−ヒドロキシフタルイミド(2.5g,15.4mmol)及びトリエチルアミン(2.1ml,15.4mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、60℃で撹拌した。そこへ工程2で得られたKOK1164(6.6g,23.6mmol)を含むN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液を滴下し、60℃で30分撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで3回抽出し、水で3回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(淡黄色油状物3.9g,75%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.41−3.60(2H,m),3.72(3H,s),5.11(1H,t,J=6.9Hz),7.38−7.50(3H,m),7.65−7.83(8H,m)。
KOK1168の合成(工程4)
【化12】
工程3で得られたKOK1165(1.3g,3.5mmol)をメタノール:1,4−ジオキサン(1:1.8ml)に溶解し、ヒドラジン一水和物(0.2g,4.2mmol)を加え室温で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4ml)を加え減圧下で濃縮した。水を加え酢酸エチルで3回抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物(無色油状物0.8g,100%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.12(1H,dd,J=14.5,8.6Hz),3.20(1H,dd,J=14.5,4.6Hz),3.75(3H,s),4.51(1H,dd,J=8.6,4.6Hz),5.67(2H,s),7.36(1H,dd,J=8.2,1.7Hz),7.39−7.50(2H,m),7.66(1H,s),7.72−7.84(3H,m)。
KOK1169の合成(工程5)
【化13】
工程4で得られたKOK1168(448mg,1.81mmol)をメタノール(5ml)に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(3.6ml)を加え室温で1時間撹拌した。2N塩酸を加えpH4にし、減圧下で濃縮後得られた固体を水に懸濁させ、ろ取し、減圧下で乾燥した。表題化合物(白色結晶391mg,93%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:3.01(1H,dd,J=14.5,8.2Hz),3.10(1H,dd,J=14.5,4.9Hz),4.28(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),7.35−7.52(3H,m),7.73(1H,s),7.77−7.90(3H,m),8.35(2H,brs)。
KOK2015の合成(工程6)
【化14】
アセトヒドロキサム酸(31mg,0.41mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解させ、氷冷下水素化ナトリウム(60%)(16mg,0.41mmol)を加え20分撹拌した。そこへ工程2で得られたKOK1164(100mg,0.34mmol)を含むN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)溶液を滴下した。室温で16時間撹拌後、水を加え酢酸エチルで3回抽出し、水で3回洗浄後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(無色油状物79mg,81%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:1.72(3H,s),3.21(2H,d,J=6.3Hz),3.61(3H,s),4.71(1H,t,J=6.3Hz),7.34−7.54(3H,m),7.73−7.92(4H,m),11.12(1H,s)。
KOK2016の合成
【化15】
工程3と同様の条件を用いて化合物KOK1164から合成した。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.55(4H,s),3.45(2H,d,J=6.9Hz),3.71(3H,s),5.06(1H,t,J=6.9Hz),7.36−7.50(3H,m),7.68−7.83(4H,m)。白色結晶。
KOK2011の合成
【化16】
工程6と同様の条件を用いて化合物KOK1164から合成した。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.39(1H,dd,J=14.8,6.6Hz),3.49(1H,dd,J=14.8,5.3Hz),3.71(3H,s),5.01(1H,dd,J=6.9,5.3Hz),7.32−7.54(6H,m),7.62−7.72(2H,m),7.72−7.85(4H,m),9.17(1H,s)。白色固体。
KOK1168の合成(工程7)
【化17】
KOK2011(2.00g,5.72mmol)に2M(2N)塩酸・メタノール(10ml)を加え懸濁させ、室温で18時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣に水と酢酸エチルを加えた。2N水酸化ナトリウム水溶液でpH4に合わせ、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物(無色油状物1.33g,95%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.12(1H,dd,J=14.5,8.6Hz),3.20(1H,dd,J=14.5,4.6Hz),3.75(3H,s),4.51(1H,dd,J=8.6,4.6Hz),5.67(2H,s),7.36(1H,dd,J=8.2,1.7Hz),7.39−7.50(2H,m),7.66(1H,s),7.72−7.84(3H,m)。
KOK1198の合成(工程8)
【化18】
工程4又は工程7で得られたKOK1168(60mg,0.25mmol)にアセトン(3ml)を加え、室温で17時間撹拌した。減圧下で濃縮し表題化合物(白色結晶70mg,100%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.82(3H,s),1.87(3H,s),3.27(2H,d,J=6.3Hz),3.70(3H,s),4.84(1H,t,J=6.3Hz),7.33−7.50(3H,m),7.68(1H,s),7.71−7.84(3H,m)。
図2−3に従って各種化合物を合成した。KOK1192は工程1、KOK1193は工程2、KOK1194は工程6、KOK2032は工程7、KOK2033は工程5、KOK2052は工程3、及びKOK2057は工程4と同様の条件を用いて合成した。
KOK1193
【化19】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.40(1H,dd,J=14.3,7.3Hz),3.63(1H,dd,J=14.3,8.6Hz),3.71(3H,s),4.50(1H,dd,J=8.6,7.3Hz),7.32(1H,dd,J=8.6,1.6Hz),7.40−7.51(2H,m),7.67(1H,s),7.72−7.84(3H,m)。黄色油状物。
KOK1194
【化20】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.39(1H,dd,J=14.8,6.6Hz),3.49(1H,dd,J=14.8,5.3Hz),3.71(3H,s),5.01(1H,dd,J=6.9,5.3Hz),7.32−7.54(6H,m),7.62−7.72(2H,m),7.72−7.85(4H,m),9.17(1H,s)。白色固体。
KOK2032
【化21】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.23(1H,t,J=7.3Hz),3.07−3.25(2H,m),4.21(2H,q,J=7.3Hz),4.49(1H,dd,J=8.6,4.6Hz),5.68(2H,brs),7.32−7.50(3H,m),7.67(1H,s),7.72−7.84(3H,m)。淡黄色油状物。
KOK2033
【化22】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:3.01(1H,dd,J=14.5,8.2Hz),3.10(1H,dd,J=14.5,4.9Hz),4.28(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),7.35−7.52(3H,m),7.73(1H,s),7.77−7.90(3H,m),8.35(2H,brs)。白色結晶。
KOK2052
【化23】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.41−3.60(2H,m),3.72(3H,s),5.11(1H,t,J=6.9Hz),7.38−7.50(3H,m),7.65−7.83(8H,m)。褐色粘性油状物。
KOK2057
【化24】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.12(1H,dd,J=14.5,8.6Hz),3.20(1H,dd,J=14.5,4.6Hz),3.75(3H,s),4.51(1H,dd,J=8.6,4.6Hz),5.67(2H,s),7.36(1H,dd,J=8.2,1.7Hz),7.39−7.50(2H,m),7.66(1H,s),7.72−7.84(3H,m)。無色油状物。
図2−4に従って各種化合物を合成した。KOK1155は工程1、KOK1159は工程2、KOK1160は工程3、KOK1166は工程4、KOK1167は工程5、及びKOK1183は工程6と同様の条件を用いて合成した。KOK1177は以下に示す工程9に従って合成した。
KOK1160
【化25】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.67(3H,s),3.75(1H,dd,J=14.5,8.2Hz),3.92(1H,dd,J=14.5,6.3Hz),5.11(1H,dd,J=8.2,6.3Hz),7.36−7.63(4H,m),7.68−7.90(6H,m),8.15(1H,d,J=8.6Hz)。淡黄色固体。
KOK1166
【化26】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.37(1H,dd,J=14.5,8.9Hz),3.53(1H,dd,J=14.5,4.6Hz),3.74(3H,s),4.57(1H,dd,J=8.9,4.6Hz),5.64(2H,s),7.33−7.59(4H,m),7.72−7.80(1H,m),7.82−7.90(1H,m),8.07(1H,d,J=8.2Hz)。淡黄色油状物。
KOK1167
【化27】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:3.28(1H,dd,J=14.2,8.2Hz),3.41(1H,dd,J=14.2,4.6Hz),4.29(1H,dd,J=8.2,4.6Hz),7.34−7.47(2H,m),7.47−7.62(2H,m),7.81(1H,d,J=7.6Hz),7.93(1H,d,J=7.6Hz),8.08(1H,d,J=8.6Hz),8.42(2H,brs)。白色結晶。
KOK1177の合成(工程9)
【化28】
WO2010/041538に記載されている方法に従って合成した。1−ナフチルアミン(5.00g,34.92mmol)をメタノール50ml、アセトン50mlに溶解させ、10℃まで冷却し、47質量%の臭化水素酸12.26g(臭化水素71.23mmol)を加えた。反応溶液を2℃まで冷却し、反応溶液が5℃を超えないように保ちながら、亜硝酸ナトリウム(2.75g,39.81mmol)を含む水溶液(6ml)を滴下した。2℃で20分撹拌し、ジアゾニウム塩を合成した。別の容器に、アクリル酸メチル(6.01g,69.84mmol)、ピリジン(8.29ml,104.76mmol)、臭化銅(I)(0.63g,4.40mmol)を加え47℃で撹拌した。この混合液に、前記ジアゾニウム塩を含む溶液を30分かけて滴下した。滴下後さらに47℃で2時間撹拌した後溶媒を留去した。得られた残渣に28質量%アンモニア水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、不純物を含む表題化合物(黒色油状物4.97g,粗収率49%)を得た。
KOK1183
【化29】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.58(3H,s),3.62−3.72(2H,m),5.06(1H,t,J=6.2Hz),7.28−7.58(7H,m),7.58−7.70(2H,m),7.75(1H,d,J=7.8Hz),7.83(1H,d,J=7.8Hz),7.10(1H,d,J=8.1Hz),9.38(1H,s)。黄土色結晶。
図2−5に従って各種化合物を合成した。KOK2029は工程3、KOK2030は工程4、及びKOK2031は工程5と同様の条件を用いて合成した。KOK2019、KOK2025、及びKOK2028はそれぞれ以下に示す工程10〜12に従って合成した。
KOK2019の合成(工程10)
【化30】
水素化ナトリウム(60%)(303mg,7.57mmol)に、テトラヒドロフラン(5ml)を加え撹拌し、そこへ4−フェノキシベンズアルデヒド(1.00g,5.05mmol)、クロロ酢酸メチル(657mg,6.05mmol)、テトラヒドロフラン(10ml)の混合液を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応液を氷冷し、1M硫酸で中和後、ジクロロメタンで3回抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、表題化合物(白色結晶940mg,69%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.52(1H,d,J=1.6Hz),3.83(3H,s),4.08(1H,d,J=1.6Hz),6.94−7.04(4H,m),7.08−7.17(1H,m),7.20−7.28(2H,m),7.28−7.40(2H,m)。
KOK2025の合成(工程11)
【化31】
Organic Letters 2003,vol.5,No.24,4665−4668の方法に従って合成した。工程10で得られたKOK2019(940mg,3.48mmol)、及びPd
0−EnCat(登録商標)(0.4mmol/g,435mg,0.17mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶解させ、トリエチルアミン(1.93ml,13.91mmol)、蟻酸(0.53ml,13.91mmol)を加えた。アルゴン雰囲気下室温で一晩撹拌後、反応液を濾過した。ろ液を減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、表題化合物(白色結晶859mg,91%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.72(1H,d,J=5.9Hz),2.94(1H,dd,J=14.2,6.6Hz),3.11(1H,dd,J=14.2,4.6Hz),3.78(3H,s),4.38−4.50(1H,m),6.88−7.03(4H,m),7.03−7.13(1H,m),7.13−7.21(2H,m),7.27−7.37(2H,m)。
KOK2028の合成(工程12)
【化32】
工程11で得られたKOK2025(859mg,3.16mmol)、及びトリフェニルホスフィン(2.482g,9.46mmol)をジクロロメタン(6ml)に溶解させ、四臭化炭素(1.046g,4.73mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応液に氷水を加えジクロロメタンで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、表題化合物(白色結晶937mg,89%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.21(1H,dd,J=14.2,6.9Hz),3.44(1H,dd,J=14.2,8.2Hz),3.74(3H,s),4.37(1H,dd,J=8.2,6.9Hz),6.88−7.03(4H,m),7.06−7.20(3H,m),7.27−7.38(2H,m)。
KOK2029
【化33】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.23−3.41(2H,m),3.74(3H,s),4.97(1H,t,J=6.9Hz),6.90−7.02(4H,m),7.04−7.13(1H,m),7.23−7.36(4H,m),7.70−7.86(2H,m)。無色粘性油状物。
KOK2030
【化34】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.88−3.06(2H,m),3.75(3H,s),4.39(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),5.68(2H,s),6.88−7.03(4H,m),7.03−7.12(1H,m),7.12−7.21(2H,m),7.26−7.37(2H,m)。白色結晶。
KOK2031
【化35】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.76−2.97(2H,m),4.17(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),6.86−7.02(4H,m),7.04−7.18(1H,m),7.18−7.30(2H,m),7.30−7.43(2H,m),8.38(2H,brs)。白色結晶。
図2−6に従って各種化合物を合成した。KOK2014は工程10、KOK2018は工程11、KOK2020は工程12、KOK2021は工程3、KOK2026は工程4、及びKOK2027は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK2021
【化36】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.30−3.48(2H,m),3.74(3H,s),5.05(1H,t,J=6.9Hz),7.26−7.44(5H,m),7.48−7.58(4H,m),7.65−7.83(4H,m)。無色粘性油状物。
KOK2026
【化37】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.92−3.12(2H,m),3.75(3H,s),4.44(1H,dd,J=8.5,4.6Hz),5.68(3H,s),7.22−7.36(3H,m),7.36−7.46(2H,m),7.46−7.60(4H,m)。白色結晶。
KOK2027
【化38】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.88(1H,dd,J=14.2,8.2Hz),2.98(1H,dd,J=14.2,4.9Hz),4.21(1H,dd,J=8.2,4.9Hz),7.25−7.39(3H,m),7.39−7.50(2H,m),7.50−7.68(4H,m),8.35(2H,brs)。白色結晶。
図2−7に従って各種化合物を合成した。KOK1170は工程1、KOK1171は工程2、KOK1174は工程3、KOK1175は工程4、KOK1176は工程5、KOK1184は工程9、KOK1185は工程3、KOK1186は工程4、KOK1187は工程5、KOK1173は工程9、KOK1178は工程3、KOK1179は工程4、及びKOK1180は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK1174
【化39】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.22−3.40(2H,m),3.74(3H,s),4.96(1H,t,J=6.9Hz),7.28(4H,s),7.70−7.86(4H,m)。白色結晶。
KOK1175
【化40】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.87−3.06(2H,m),3.75(3H,s),4.37(1H,dd,J=8.2,4.6Hz),5.67(2H,s),7.09−7.18(2H,m),7.21−7.29(2H,m)。無色油状物。
KOK1176
【化41】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.84(1H,dd,J=14.2,8.2Hz),2.93(1H,dd,J=14.2,5.0Hz),4.16(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),7.20−7.36(4H,m),8.37(2H,brs)。白色結晶。
KOK1185
【化42】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.28(1H,dd,J=14.5,6.6Hz),3.35(1H,dd,J=14.5,6.9Hz),3.75(3H,s),4.97(1H,dd,J=6.9,6.6Hz),7.18−7.26(3H,m),7.31−7.36(1H,m),7.70−7.86(4H,m)。白色結晶。
KOK1186
【化43】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.93(1H,dd,J=14.5,8.6Hz),3.02(1H,dd,J=14.5,5.0Hz),3.76(3H,s),4.39(1H,dd,J=8.6,5.0Hz),5.68(2H,s),7.04−7.14(1H,m),7.16−7.24(3H,m)。黄色油状物。
KOK1187
【化44】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.86(1H,dd,J=14.5,5.0Hz),2.96(1H,dd,J=14.5,8.2Hz),4.19(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),7.15−7.34(4H,m),8.43(2H,brs)。白色結晶。
KOK1178
【化45】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.42(1H,dd,J=14.2,6.9Hz),3.52(1H,dd,J=14.2,7.6Hz),3.75(3H,s),5.07(1H,dd,J=7.6,6.9Hz),7.06−7.27(2H,m),7.33−7.44(2H,m),7.67−7.85(4H,m)。白色結晶。
KOK1179
【化46】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.09(1H,dd,J=14.2,8.9Hz),3.21(1H,dd,J=14.2,5.0Hz),3.75(3H,s),4.51(1H,dd,J=8.9,5.0Hz),5.66(2H,s),7.13−7.28(3H,m),7.30−7.40(1H,m)。無色油状物。
KOK1180
【化47】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.87(1H,dd,J=14.2,8.9Hz),3.06(1H,dd,J=14.2,5.0Hz),4.23(1H,dd,J=8.9,5.0Hz),7.17−7.46(4H,m),8.45(2H,brs)。白色結晶。
図2−8に従って各種化合物を合成した。KOK1152は工程2、KOK1161は工程3、KOK1153は工程2、KOK1172は工程3、KOK1151は工程2、KOK1157は工程6、及びKOK1162は工程6と同様の条件を用いて合成した。
KOK1172
【化48】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:0.85(3H,t,J=7.3Hz),1.15−1.33(2H,m),1.45−1.60(2H,m),3.24−3.44(2H,m),4.10(2H,t,J=6.5Hz),5.00(1H,t,J=7.3Hz),7.18−7.37(5H,m),7.67−7.85(4H,m)。無色油状物。
KOK1157
【化49】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.23(1H,dd,J=14.5,6.6Hz),3.32(1H,dd,J=14.5,5.3Hz),3.72(3H,s),4.93(1H,dd,J=6.6,5.3Hz),7.20−7.55(8H,m),7.62−7.71(2H,m),7.62−7.71(2H,m),9.14(1H,brs)。白色結晶。
KOK1162
【化50】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.15(3H,t,J=6.9Hz),3.23(2H,d,J=5.6Hz),4.11(2H,q,J=6.9Hz),4.91(1H,t,J=5.6Hz),7.12−7.48(8H,m),7.60−7.75(2H,m),9.63(1H,s)。白色結晶。
図2−9に従って各種化合物を合成した。KOK1118及びKOK1141は工程11、KOK1136及びKOK1146は工程12、KOK1145及びKOK1148は工程6、KOK1149は工程4、並びにKOK1154は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK1148
【化51】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.18(3H,t,J=7.3Hz),1.59(3H,d,J=7.3Hz),3.35−3.52(1H,m),4.03−4.20(2H,m),4.82(1H,d,J=5.1Hz),7.15−7.53(8H,m),7.60−7.70(2H,m),9.31(1H,s)。無色油状物。
KOK1149
【化52】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.23(3H,t,J=7.3Hz),1.31(3H,d,J=7.3Hz),3.06−3.20(1H,m),4.10−4.24(2H,m),4.29(1H,d,J=7.3Hz),5.57(2H,brs),7.15−7.32(5H,m)。無色油状物。
KOK1154
【化53】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:1.20(3H,d,J=7.3Hz),2.94−3.08(1H,m),4.12(1H,d,J=7.6Hz),7.12−7.32(5H,m),8.51(2H,brs)。白色結晶。
図2−10に従って各種化合物を合成した。KOK1188は工程9、KOK1190は工程6、KOK2022は工程7、及びKOK2036は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK1188
【化54】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.45(1H,dd,J=14.5,7.6Hz),3.66(1H,dd,J=14.5,7.9Hz),3.75(3H,s),4.50(1H,dd,J=7.9,7.6Hz),7.50−7.60(1H,m),7.65−7.75(1H,m),7.75−7.85(1H,m),7.98−8.05(1H,m),8.05−8.14(1H,m),8.80(1H,d,J=2.3Hz)。褐色油状物。
KOK1190
【化55】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.40(1H,dd,J=15.2,6.6Hz),3.51(1H,dd,J=15.2,4.6Hz),3.74(3H,s),5.02(1H,dd,J=6.6,4.6Hz),7.33−7.44(2H,m),7.44−7.58(2H,m),7.60−7.75(3H,m),7.75−7.86(1H,m),8.06(1H,d,J=8.6Hz),8.26(1H,s),8.79(1H,d,J=2.3Hz),9.49(1H,s)。白色結晶。
KOK2022
【化56】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.25(3H,t,J=7.3Hz),3.10−3.29(2H,m),4.23(2H,q,J=7.3Hz),4.46(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),5.72(2H,brs),7.48−7.57(1H,m),7.62−7.72(1H,m),7.72−7.82(1H,m),8.01(1H,d,J=2.0Hz),8.08(1H,d,J=8.6Hz),8.80(1H,d,J=2.0Hz)。淡褐色油状物。
KOK2036
【化57】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:3.06(1H,dd,J=14.6,8.4Hz),3.19(1H,dd,J=14.6,4.3Hz),4.24(1H,dd,J=8.4,4.3Hz),7.53−7.63(1H,m),7.63−7.75(1H,m),7.84−8.02(2H,m),8.17(1H,d,J=2.2Hz),8.78(1H,d,J=2.2Hz)。白色結晶。
図2−11に従って、KOK2017を工程6と同様の条件を用いて合成した。
KOK2017
【化58】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:3.15(2H,d,J=6.9Hz),3.54(3H,s),3.92−4.06(1H,m),5.57−5.67(1H,m),7.35−7.60(6H,m),7.67−7.93(6H,m),10.13(1H,d,J=5.9Hz)。淡黄色粘性油状物。
図2−12に従って各種化合物を合成した。KOK2043は工程9、KOK2044は工程3、KOK2087は工程4、及びKOK2090は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK2043
【化59】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.19(1H,dd,J=14.2,7.1Hz),3.42(1H,dd,J=14.2,8.2Hz),3.73(3H,s),4.36(1H,dd,J=8.2,7.1Hz),7.04−7.13(2H,m),7.39−7.48(2H,m)。白色結晶。
KOK2044
【化60】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.21−3.38(2H,m),3.74(3H,s),4.96(1H,t,J=6.9Hz),7.18−7.25(2H,m),7.40−7.47(2H,m),7.70−7.86(4H,m)。白色結晶。
KOK2087
【化61】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.86−3.04(2H,m),3.75(3H,s),4.37(1H,dd,J=8.2,4.8Hz),5.67(2H,s),7.04−7.12(2H,m),7.37−7.44(2H,m)。白色結晶。
KOK2090
【化62】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.82(1H,dd,J=14.3,8.2Hz),2.91(1H,dd,J=14.3,5.1Hz),4.15(1H,dd,J=8.2,5.1Hz),7.13−7.22(2H,m),7.40−7.49(2H,m),8.34(2H,brs)。白色結晶。
図2−13に従って各種化合物を合成した。KOK2067は工程3、KOK2110は工程4、KOK2111は工程5と同様の条件を用いて合成した。KOK2066は以下に示す工程13に従って合成した。
KOK2066の合成(工程13)
【化63】
1−フェニルピペラジン(216mg,1.34mmol)、及び2−ブロモアクリル酸エチル(239mg,1.34mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解させ室温で16時間撹拌した。反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、表題化合物(無色油状物145mg,32%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.30(3H,t,J=7.1Hz),2.58−2.90(5H,m),3.07−3.21(5H,m),4.18−4.31(3H,m),6.80−6.95(3H,m),7.18−7.30(2H,m)。
KOK2067
【化64】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.30(3H,t,J=7.1Hz),2.64−2.87(4H,m),2.95(1H,dd,J=13.9,4.1Hz),3.03−3.23(5H,m),4.16−4.36(2H,m),5.05(1H,dd,J=7.6,4.1Hz),6.78−6.92(3H,m),7.18−7.29(2H,m),7.68−7.78(2H,m),7.78−7.87(2H,m)。黄色油状物。
KOK2110
【化65】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:1.30(3H,t,J=7.1Hz),2.54−2.88(6H,m),3.18(4H,t,J=5.0Hz),4.12−4.34(2H,m),4.42(1H,dd,J=7.8,3.1Hz),5.78(2H,brs),6.77−6.96(3H,m),7.16−7.31(2H,m)。白色結晶。
KOK2111
【化66】
1H−NMR(CD
3OH,270MHz)δppm:2.98−3.10(6H,m),3.22−3.34(4H,m),4.30(1H,dd,J=7.8,4.2Hz),6.80−6.91(1H,m),6.91−7.02(2H,m),7.18−7.28(2H,m)。白色結晶。
図2−14に従って各種化合物を合成した。KOK2115は工程9、KOK2116は工程3、KOK2117は工程4、KOK2118は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK2115
【化67】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.35(3H,s),3.17(1H,dd,J=14.0,7.1Hz),3.42(1H,dd,J=14.0,8.2Hz),3.73(3H,s),4.36(1H,dd,J=8.2,7.1Hz),6.97(1H,dd,J=8.2,2.3Hz),7.07(1H,d,J=2.3Hz),7.26(1H,d,J=8.2Hz)。褐色油状物。
KOK2116
【化68】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.34(3H,s),3.20−3.36(2H,m),3.74(3H,s),4.97(1H,t,J=6.9Hz),7.08(1H,dd,J=8.2,2.1Hz),7.20(1H,d,J=2.1Hz),7.26(1H,d,J=8.2Hz),7.70−7.86(4H,m)。無色油状物。
KOK2117
【化69】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.34(3H,s),2.89(1H,dd,J=14.3,8.4Hz),2.98(1H,dd,J=14.3,4.6Hz),3.75(3H,s),4.37(1H,dd,J=8.4,4.6Hz),5.67(2H,s),6.97(1H,dd,J=8.1,2.1Hz),7.07(1H,d,J=2.1Hz),7.25(1H,d,J=8.1Hz)。白色結晶。
KOK2118
【化70】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.28(3H,s),2.73(1H,dd,J=14.3,9.1Hz),2.94(1H,dd,J=14.3,3.6Hz),3.98(1H,dd,J=9.1,3.6Hz),7.07(1H,d,J=8.1,2.0Hz),7.19(1H,d,J=2.0Hz),7.26(1H,d,J=8.1Hz)。白色結晶。
図2−1に従ってKOK1114を合成した(工程14)。
KOK1114
【化71】
KOK1101(100mg,0.307mmol)を、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.6ml)に懸濁させ室温で16時間撹拌した。不溶物をろ過し、減圧下で濃縮後乾燥し、表題化合物(白色結晶115mg,100%)を得た。
1H−NMR(D2O,270MHz)δppm:3.04(2H,d,J=5.6Hz),4.48(1H,t,J=5.6Hz),7.10−7.50(10H,m)。白色結晶。
図2−15に従って各種化合物を合成した。KOK2120は工程3、KOK2121は工程4、KOK2122は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK2120
【化72】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.38(3H,s),3.26(1H,dd,J=14.5,7.3Hz),3.37(1H,dd,J=14.5,7.3Hz),3.74(3H,s),4.93(1H,t,J=7.3Hz),7.08−7.23(3H,m),7.70−7.86(4H,m)。白色結晶。
KOK2121
【化73】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.30(3H,s),2.82−3.02(2H,m),3.74(3H,s),4.35(1H,dd,J=8.4,5.3Hz),5.67(2H,s),7.03−7.15(3H,m)。淡褐色油状物。
KOK2122
【化74】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.26(3H,s),2.75−2.94(2H,m),4.14(1H,dd,J=8.2,5.3Hz),7.08−7.22(3H,m)。白色結晶。
図2−16に従って各種化合物を合成した。KOK2153は工程3、KOK2154は工程4、KOK2155は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK2153
【化75】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.20−3.38(2H,m),3.76(3H,s),4.96(1H,t,J=6.4Hz),7.21(1H,dd,J=8.2,2.1Hz),7.39(1H,d,J=8.2Hz),7.47(1H,d,J=2.1Hz),7.70−7.88(4H,m)。白色結晶。
KOK2154
【化76】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.80−3.10(2H,m),2.76(3H,s),4.27−4.45(1H,m),5.69(2H,s),6.98−7.13(1H,m),7.20−7.43(2H,m)。黄色油状物。
KOK2155
【化77】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.80−3.02(2H,m),4.18(1H,dd,J=8.4,4.6Hz),7.23(1H,dd,J=8.2,2.0Hz),7.50(1H,d,J=2.0Hz),7.53(1H,d,J=8.2Hz)。白色結晶。
図2−17に従って各種化合物を合成した。KOK2157は工程10、KOK2166は工程11、KOK2168は工程12、KOK2169は工程3、KOK2172は工程4、KOK2173は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK2157
【化78】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.62(1H,d,J=1.8Hz),3.84(3H,s),3.91(3H,s),4.23(1H,d,J=1.8Hz),7.08−7.19(2H,m),7.27(1H,dd,J=8.4,1.8Hz),7.66−7.76(3H,m)。白色結晶。
KOK2166
【化79】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.75(1H,brs),3.02(1H,dd,J=14.7,4.5Hz),3.18(1H,dd,J=14.7,4.5Hz),3.69(3H,s),3.83(3H,s),4.40−4.49(1H,m),7.00−7.10(2H,m),7.23(1H,dd,J=8.4,1.8Hz),7.52(1H,s),7.60(2H,d,J=8.4Hz)。白色結晶。
KOK2168
【化80】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.35(1H,dd,J=14.0,6.9Hz),3.58(1H,dd,J=14.0,8.6Hz),3.69(3H,s),3.89(3H,s),4.48(1H,dd,J=8.6,6.9Hz),7.07−7.16(2H,m),7.27(1H,dd,J=8.4,1.7Hz),7.58(1H,s),7.67(2H,d,J=7.9Hz)。淡黄色油状物。
KOK2169
【化81】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.38−3.55(2H,m),3.70(3H,s),3.86(3H,s),5.08(1H,t,J=6.9Hz),7.04−7.13(2H,m),7.40(1H,dd,J=8.4,1.7Hz),7.61−7.79(7H,m)。白色結晶。
KOK2172
【化82】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.02−3.21(2H,m),3.73(3H,s),3.90(3H,s),4.48(1H,dd,J=8.4,5.0Hz),5.67(2H,s),7.07−7.15(2H,m),7.31(1H,dd,J=8.4,1.7Hz),7.58(1H,s),7.67(2H,d,J=8.4Hz)。白色結晶。
KOK2173
【化83】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.96(1H,dd,J=14.2,8.4Hz),3.07(1H,dd,J=14.2,4.8Hz),3.85(3H,s),4.25(1H,dd,J=8.4,4.8Hz),7.12(1H,dd,J=8.9,2.6Hz),7.27(1H,d,J=2.5Hz),7.35(1H,dd,J=8.6,1.4Hz),7.64(1H,s),7.67−7.78(2H,m)。白色結晶。
図2−18に従って各種化合物を合成した。
KOK3045の合成(工程15)
【化84】
3−(4−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシプロピオン酸メチル(360mg,1.389mmol)、p−クロロフェニルボロン酸(326mg,2.084mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン付加体(57mg,0.07mmol)、炭酸カリウム(288mg,2.084mmol)、ジオキサン(5ml)を窒素雰囲気下90℃で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、そのままシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、表題化合物(白色結晶284mg,70%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.75(1H,d,J=6.1Hz),3.00(1H,dd,J=14.0,6.9Hz),3.18(1H,dd,J=14.0,4.3Hz),3.80(3H,s),4.44−4.53(1H,m),7.25−7.32(2H,m),7.35−7.42(2H,m),7.45−7.52(4H,m)。白色結晶。
KOK3049は工程12、KOK3050は工程3、KOK3052は工程4、KOK3053は工程5と同様の条件を用いて合成した。
KOK3049
【化85】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.28(1H,dd,J=14.0,7.1Hz),3.51(1H,dd,J=14.0,8.2Hz),3.75(3H,s),4.43(1H,dd,J=8.2,7.1Hz),7.20−7.56(8H,m)。無色油状物。
KOK3050
【化86】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.30−3.47(2H,m),3.75(3H,s),5.05(1H,t,J=6.9Hz),7.34−7.44(4H,m),7.44−7.53(4H,m),7.70−7.86(4H,m)。白色固体。
KOK3052
【化87】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:2.95−3.13(2H,m),3.77(3H,s),4.45(1H,dd,J=8.4,4.8Hz),5.69(2H,s),7.25−7.32(2H,m),7.35−7.42(2H,m),7.44−7.53(4H,m)。白色結晶。
KOK3053
【化88】
1H−NMR(DMSO−d
6,270MHz)δppm:2.81−3.03(2H,m),4.22(1H,dd,J=8.2,5.0Hz),7.28−7.36(2H,m),7.45−7.53(2H,m),7.53−7.62(2H,m),7.62−7.72(2H,m)。白色結晶。
図2−19に従ってKOK2165を合成した。KOK2165は工程6と同様の条件を用いて合成した。
【化89】
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δppm:3.05−3.25(2H,m),3.63(3H,s),4.89(1H,t,J=6.1Hz),7.19(4H,s),7.27−7.38(2H,m),7.38−7.50(1H,m),7.63−7.75(2H,m),10.07(1H,s)。褐色油状物。
2.使用実施例
(1)内生IAA定量試験(シロイヌナズナ)
シロイヌナズナ(col−0)を、1.0%スクロース及び0.8%寒天を含む1/2MS培地を用いた平置きプレートで連続白色光下、22℃で6日間培養した。その後、1.0%スクロースを含む1/2MS培地を用いて連続白色光下、22℃で24時間液体振とう培養した。続いて、本発明の化合物(30μM)を前記培地に添加し、連続白色光下、22℃で3時間液体振とう培養し、IAA内生量を定量した。IAA内生量は、LC−MS/MSを用いて、添野ら(Plant Cell Physiology 51:524−536(2010))に記載の方法により測定した。結果を
図3に示す。
(2−1)生育試験(シロイヌナズナ)
シロイヌナズナを、1.5%スクロース、0.8%寒天、及び30μMの本発明の化合物を含む1/2MS培地を用いた縦置きプレートで連続白色光下、22℃で8日間培養した。シロイヌナズナの形態を観察して、本発明の化合物の効果を検討した。
結果を表1に示す。DMSOコントロールと比較して生育に阻害が見られたシロイヌナズナの形態を
図4に示す。
【表1】
(2−2)生育試験(シロイヌナズナ)
シロイヌナズナを、1.5%スクロース、0.8%寒天、及び100μMの本発明の化合物を含む1/2MS培地を用いた縦置きプレートで連続白色光下、22℃で8日間培養した。シロイヌナズナの形態を観察して、本発明の化合物の効果を検討した。
シロイヌナズナの生育がほとんど見られなかった化合物を表2に示す。
【表2】
(3)成長回復試験(シロイヌナズナ)
シロイヌナズナを、1.5%スクロース、0.8%寒天(KOK1169の場合は0.6%Gelriteを使用)、本発明の化合物、及びIAAを含む1/2MS培地を用いた縦置きプレートで連続白色光下、22℃で8日間培養した。シロイヌナズナの形態を観察して、本発明の化合物によって抑制される植物の成長が回復するかを検討した。
本試験では30μMのKOK1101、30μMのKOK1160、30μMのKOK1165、及び100μMのKOK1169について検討した。培養したシロイヌナズナの形態を
図5に示す。
30μMのKOK1101投与による成長阻害は、10nMのIAA同時投与で主根伸長回復が見られ、100nMのIAA同時投与で地上部成長回復が見られた。
30μMのKOK1160投与による成長阻害は、10nMのIAA同時投与で地上部成長回復及び主根伸長回復が見られた。
30μMのKOK1165投与による成長阻害は、10nMのIAA同時投与で地上部成長回復及び主根伸長回復が見られた。
100μMのKOK1169投与による成長阻害は、10nMのIAA同時投与で地上部成長回復及び主根伸長回復が見られた。
(4)生育試験(タバコ)
タバコを、1.5%スクロース、及び0.8%寒天を含む1/2MS培地を用いた縦置きプレートで連続白色光下、25℃で7日間培養した。その後、1.5%スクロース、0.8%寒天、及び100μMの本発明の化合物を含む1/2MS培地を用いた縦置きプレートに植え替え、連続白色光下、25℃で7日間培養した。タバコの形態を観察して、本発明の化合物の植物成長抑制効果を検討した。
結果を表3に示す。DMSOコントロールと比較して生育に阻害が見られたタバコの形態を
図6に示す(
図6における「前培養」は植え替え直前の芽生えを示す。)。
【表3】
(5)生育試験(レタス)
レタスを、1.5%スクロース、0.8%寒天、及び30μMのKOK1101を含む1/2MS培地を用いた縦置きプレートで連続白色光下、25℃で6日間培養した。レタスの形態を観察して、本発明の化合物の植物成長抑制効果を検討した。
KOK1101を用いて培養したレタスの形態を
図7に示す。地上部では明らかな生育阻害が見られ、地下部では主根伸長促進と根毛形成抑制が見られた。
(6)タンパク質活性阻害試験
ArabidopsisのIAA生合成酵素トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(TAA1)、及びフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)に対する本発明の化合物の阻害活性について検討した。
(i)TAA1阻害試験
本試験は、Cell(2008);133:pp.164−176に記載の方法に従って実施した。具体的には、終濃度が0.5MのBorate Buffer(pH8.5)、0.3mMのL−Trp、1mMのSodium pyruvate、10μMのPLP、1μgのTAA1、及び1μMの本発明の化合物を35℃で30分間反応させた。その後、6NのHClを20μL添加して反応を停止し、A330を測定した。
ブランク=(−)TAA1(分光光度計のブランクは0.5MのBorate Buffer(pH8.5))。
結果を
図8に示す。本試験(インビトロ)では、カルボキシル基及びアミノ基が共に遊離カルボン酸及び遊離アミンとなっている化合物がTAA1を強く阻害する傾向が見られた。カルボキシル基及びアミノ基が保護されている化合物も植物内であれば、保護基が外れることによりTAA1を阻害すると推測される。
(ii)AtPAL2阻害試験
本試験は、Phytochem.(2004);65:pp.1557−1564、及びJ.Plant Physiol.(2008);165:pp.1491−1499に記載の方法に従って実施した。具体的には、終濃度が0.1MのBorate Buffer(pH8.5)、0.06mM(または60μM)のL−Phe、0.5μgのPAL2、及び15nMの本発明の化合物(容量500μL(1%DMSO))を35℃で15分間反応させた。その後、1NのHClを20μL添加して反応を停止し、A290を測定した。
ブランク=0.1MのBorate Buffer(pH8.5)((+)本化合物(−)PAL2で値に変化なし。(+)熱失活酵素も値に変化なし)。
結果を
図9に示す。L−AOPPのフェニル基が大きな置換基を有する場合や、より大きな環に変更されている場合にPAL2阻害活性が小さい傾向が見られた。
(7)生育試験(イネ)
KOK1168(50μM)含有培地に移植後6日目のイネ(日本晴)を
図10(右図)に示す(左図はDMSO対照を示す)。KOK1168を用いた処理により、芽生えの生育が著しく阻害された。
(8)生育試験(トマト)
KOK1168(100μM)入りプレートに移植後6日目のトマト(桃太郎)を
図11(右図)に示す(左図はDMSO対照を示す)。KOK1168を用いた処理により、芽生えの生育が著しく阻害された。
(9)生育試験(ヒメツリガネゴケ)
KOK1168(100μM)入りプレートに移植後7日目のヒメツリガネゴケを
図12(右図)に示す(左図はDMSO対照を示す)。KOK1168を用いた処理により、原糸体の成長が著しく抑制され、茎葉体への分化も阻害された。