特許第6037658号(P6037658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6037658
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】中性子発生装置
(51)【国際特許分類】
   G21K 1/093 20060101AFI20161128BHJP
   H05H 3/06 20060101ALI20161128BHJP
   G21K 5/02 20060101ALI20161128BHJP
   G21K 5/04 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   G21K1/093 F
   H05H3/06
   G21K5/02 N
   G21K5/04 D
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-118986(P2012-118986)
(22)【出願日】2012年5月24日
(65)【公開番号】特開2013-246006(P2013-246006A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工メカトロシステムズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】久利 修平
(72)【発明者】
【氏名】松下 出
(72)【発明者】
【氏名】堀池 寛
(72)【発明者】
【氏名】帆足 英二
(72)【発明者】
【氏名】村田 勲
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 逸郎
【審査官】 後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−249498(JP,A)
【文献】 特開2002−318299(JP,A)
【文献】 実公昭49−046398(JP,Y1)
【文献】 特開平10−321532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21K 1/093
G21K 5/02
G21K 5/04
G21K 5/08
H05H 3/06
H05H 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速器から輸送された陽子ビームを液体金属ターゲットに対して照射して中性子を発生させる中性子発生装置であって、
液体金属ターゲットと陽子ビームとが反応する領域を区画形成する反応槽と、
反応槽に接続され且つ陽子ビームを反応槽内に導くビームダクトと、
ビームダクトの周囲に設けた前記陽子ビームを集束させる電磁石と、
ビームダクトと反応槽との間に設けられると共に集束前の陽子ビームの径より小さな径であって且つ前記電磁石により集束した集束部が通過し得る大きさを有する入射孔を設けたオリフィス板と、
前記オリフィス板と加速器との間であり、かつ、前記ビームダクトの外周面に配置され、前記ビームダクトを冷却する冷却手段と、
を備えたことを特徴とする中性子発生装置。
【請求項2】
更に、前記反応槽又はビームダクトに真空ポンプを接続したことを特徴とする請求項1に記載の中性子発生装置。
【請求項3】
更に、前記オリフィス板をビームダクト内に複数設け、当該オリフィス板で区画した空間の一部又は全部に前記真空ポンプを設けたことを特徴とする請求項2に記載の中性子発生装置。
【請求項4】
更に、前記オリフィス板の入射孔の径を、前記電磁石により集束させた集束部の形状に合わせて設定したことを特徴とする請求項3に記載の中性子発生装置。
【請求項5】
更に、前記オリフィス板で区画した空間にガスを導入するガス導入手段を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の中性子発生装置。
【請求項6】
前記オリフィス板を加熱する加熱手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の中性子発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体金属に陽子ビームを照射して中性子を発生させる中性子発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy; BNCT)が癌細胞を選択的に殺傷できる技術として注目されている。BNCTでは、ターゲットとして液体リチウム等の液体金属を用い、このターゲットに陽子を照射することで中性子を発生させる中性子発生装置が用いられる。このような中性子発生装置として特許文献1に記載された技術が知られている。
【0003】
図6は、従来の中性子発生装置の一例を示す構成図である。この中性子発生装置500は、液体リチウムを流す反応槽502に対してビームダクト503を接続した構成である。反応槽502の内部には湾曲したバックウォール501が形成され、その上部に設けたノズル511から液体リチウムを噴出してその遠心力でバックウォール501に液体リチウム膜のターゲットTを形成する。ビームダクト503内には、所定径の入射孔508を有する3枚のオリフィス板507が設けられる。真空ポンプ505は、オリフィス板507で区画された空間531毎に設けられる。
【0004】
係る構成によれば、オリフィス板507による排気抵抗により反応槽502内の真空度がビームダクト503内より低くなるので、ターゲットTの沸点温度が上昇する。これにより、反応槽502内の真空度が高くなる事を防止できる為、液体リチウムが沸騰し難くなり、蒸発した液体リチウムがビームダクト503を通じて加速器に流れ込むのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−249498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の中性子発生装置500では、陽子ビームBの径が大きくなると、これに伴いオリフィス板507の入射孔508の径を大きくしなければならない。このため、反応槽502とビームダクト503との間のコンダクタンスを小さくできず、反応槽502及びビームダクト503の真空度の設定が上手くできないという問題点がある。この発明はかかる問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る中性子発生装置は、陽子ビームを液体金属ターゲットに対して照射して核反応により中性子を発生させる中性子発生装置であって、液体金属ターゲットと陽子ビームとが反応する領域を区画形成する反応槽と、反応槽に接続され且つ輸送されてきた陽子ビームを反応槽内に導くビームダクトと、ビームダクトの周囲に設けた前記陽子ビームを集束させる電磁石と、ビームダクトと反応槽との間に設けられると共に輸送されてきた陽子ビームの径より小さな径であって且つ前記電磁石により集束した集束部を通過し得る大きさを有する入射孔を設けたオリフィス板と、反応槽及びビームダクトに接続した真空ポンプとを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の中性子発生装置は、陽子ビームを電磁石で集束させ、その集束部が通過し得る径の入射孔を有するオリフィス板により反応槽とビームダクトとを仕切るため、反応槽とビームダクトとの間のコンダクタンスを小さくできる。このため、反応槽及びビームダクトの真空度の設定の自由度を高めることができる。なお、前記入射孔には、孔のみならず管状パイプにより形成する場合も含まれる。また、前記入射孔の径は、当該入射孔が円形である場合には直径、楕円形である場合には短径、長方形である場合には短辺長、多角形の場合には内接円の直径を意味するものとする。
【0009】
また、上記発明において、更に、反応槽又はビームダクトに真空ポンプを接続するのが好ましい。
【0010】
ビームダクトに真空ポンプを接続することでビームダクトと反応槽との間に十分な差圧が確保できる。特に、前記真空ポンプを反応槽に接続した場合、オリフィス板の入射孔の付近に液体金属が付着し難くなる。
【0011】
また、上記発明において、更に、前記オリフィス板をビームダクト内に複数設け、当該オリフィス板で区画した空間の一部又は全部に前記真空ポンプを設けるのが好ましい。
【0012】
反応槽とビームダクトとの間にオリフィス板による空間を形成することで、当該反応槽とビームダクトとの間でより自由に真空度を設定できるようになる。
【0013】
また、上記発明において、更に、前記オリフィス板の入射孔の径を、前記電磁石により集束させた集束部の形状に合わせて設定するのが好ましい。
【0014】
集束部の形状に合わせるとは、陽子ビームの集束部は電磁石により左右に末広がりの円錐形状となるので、入射孔の径を各オリフィス板の位置において係る陽子ビームが通過し得る寸法とすることである。これにより、陽子ビームの通過に必要な寸法のみをオリフィスとできるので、反応槽とビームダクトとの間のコンダクタンスをより小さくでき、真空度設定の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1にかかる中性子発生装置を示す構成図である。
図2図1に示した中性子発生装置の変形例を示す説明図である。
図3図1に示した中性子発生装置の変形例を示す説明図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る中性子発生装置を示す構成図である。
図5図4に示した中性子発生装置の変形例を示す説明図である。
図6】従来の中性子発生装置の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる中性子発生装置を示す構成図である。この中性子発生装置100は、ターゲット形成部1が内設され且つ液体金属ターゲットTと陽子ビームBとが反応する領域を区画形成する反応槽2と、反応槽2に対して接続され且つ加速器(図示省略)から輸送される陽子ビームBを前記反応槽2に導くビームダクト3と、ビームダクト3の周囲に設けた電磁石4と、ビームダクト3及び反応槽2に設けた真空ポンプ5,6とを有する。
【0017】
ターゲット形成部1は、陽子ビームBの照射領域を横切るように液体金属を平面的に噴射するノズル11と、噴射された液体金属を受けるディフューザからなる受け部12とから構成される。ターゲット形成部1は、配管を介してクエンチタンク、電磁ポンプ、熱交換器と接続され全体として液体金属ループを構成している(いずれも図示省略)。液体金属は、例えば液体リチウムである。なお、ターゲット形成部1は、図4に示したような湾曲したバックウォール上に液体リチウムを流す構造であっても良い(図示省略)。
【0018】
ビームダクト3の端部3aには、円形の入射孔8を設けたオリフィス板7が設けられている。オリフィス板7は、フェライト鋼或いはステンレス鋼等である。オリフィス板7の入射孔8の直径は、陽子ビームBを集束させたときの集束部Bsの最小径(陽子ビームが最もくびれた部分の径)より若干大きく設定する。また、オリフィス板7の厚さを大きくすることで反応槽2とビームダクト3との間のコンダクタンスを更に小さくできる。
【0019】
前記電磁石4は、例えば四重極電磁石から構成する。陽子ビームBを曲げる手段としては、電磁石4の他、公知の物を用いることができる。前記真空ポンプ5,6には、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ等を用いる。
【0020】
この中性子発生装置100では、陽子ビームBを電磁石4により集束させ、陽子ビームBに集束部Bsを形成させる。この集束部Bsは、オリフィス板7の入射孔8の位置が最小径となるように調整される。入射孔8を通過した陽子ビームBは末広がりの円錐状に進んで液体金属ターゲットTに照射され、当該液体金属ターゲットTの背後に中性子を発生させる。液体金属ターゲットTに照射される際の陽子ビームBのフラックス量は、液体金属が蒸発しない程度に抑える。このため、集束部Bsの最小径に近い部分が液体金属ターゲットTに照射されないように、入射孔8と電磁石4との距離と前記入射孔8と液体金属ターゲットTとの距離とは、略同じとするのが好ましい。
【0021】
前記反応槽2及びビームダクト3内は、それぞれに接続した真空ポンプ5,6により所定の真空度になるまで差動排気される。この中性子発生装置100では、陽子ビームBを集束させてオリフィス板7の入射孔8を通過させるので、入射孔8を、前記加速器から輸送されてきた集束前の陽子ビームBの径よりも小径とすることができる。このため、反応槽2及びビームダクト3の間のコンダクタンスが小さくなり、反応槽2及びビームダクト3の間で十分な差圧を確保できるようになる。
【0022】
差動排気により反応槽2内の圧力を高く設定することで液体金属の沸点温度を高くできる。例えば、反応槽2内の圧力は、1×10Torr程度に設定し、ビームダクト3内の圧力は、1×10Torr程度に設定し得る。このため、陽子ビームBを照射することによる液体金属の蒸発が抑制される。また、液体金属が蒸発してもオリフィス板7の入射孔8が十分小さいので液体金属の蒸気がビームダクト3に流れ込み難い。なお、前記オリフィス板7の入射孔8の形状は円形に限定されず、例えば楕円形等でも良い。楕円形の場合、短径が集束部Bsの最小径より若干大きくなるように設定する。長方形の場合、短辺長(便宜的に径という)が集束部Bsの最小径より若干大きくなるように設定する。三角形、5角以上の多角形の場合、内接円の直径が集束部Bsの最小径より若干大きくなるように設定する。また、真空ポンプ5とは別に真空ポンプ6を設けることで入射孔8の周囲に蒸発した液体金属が付着するのを防止できる。
【0023】
なお、図2(a)に示すように、入射孔8に直管状のオリフィスパイプ9を設けることで、コンダクタンスを更に小さくできる。オリフィスパイプ9の長さ及び内径は、電磁石4で形成する陽子ビームBの集束部Bsの形状に基づき決定する。また、図2(b)に示すように、オリフィスパイプ10は、陽子ビームBの集束部Bsの形状に合わせて、両側がラッパ形状となる筒状体としても良い。このようにすれば、コンダクタンスを更に小さくできる。
【0024】
また、上記実施の形態1に係る中性子発生装置の別の例として、図3に示すように、ビームダクト3の周囲に冷却手段50を設けても良い。換言すれば、少なくともビームダクト3の加速器とオリフィス板7との間に冷却手段50を設ける。冷却手段50は、例えばビームダクト3の外周面に管を巻き付けて内部に冷却水を通す構成としても良いし、ペルチェ素子等の簡単な構造の冷却装置としても良い。
【0025】
蒸発した液体金属は温度が低いほど表面に吸着する傾向にあるので、ビームダクト3に冷却手段50を設けて当該ビームダクト3の内面に積極的に吸着させる。これにより、入射孔8の周囲に蒸発した液体金属が付着して口径が小さくなるのを防止できる。蒸発して入射孔8を通過した液体金属の蒸気は、当該冷却手段50により冷却されたビームダクト3の部分に吸着される。これにより、加速器側に蒸発した液体金属が移動するのを防止できる。
【0026】
また、オリフィス板7を加熱するためのヒーター等の加熱手段を当該オリフィス板7に設け、液体金属の付着を防止するようにしても良い(図示省略)。更に、設計条件から、オリフィス板7とビームダクト3との間に温度差を設け、ビームダクト3の温度がオリフィス板7より低くなるようにしても良い。
【0027】
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2に係る中性子発生装置を示す構成図である。この中性子発生装置200は、実施の形態1と略同じ構成であるが、ビームダクト3にオリフィス板71,72,73を複数設け、各オリフィス板71,72,73で区画される空間31,32,ビームダクト3にそれぞれ真空ポンプ51,52,53を設けた点が異なる。
【0028】
オリフィス板71,72,73の入射孔81,82,83は、陽子ビームBを集束させたときの集束部Bsの両末広がり形状に合わせて設定する。中央のオリフィス板72の入射孔82は、集束部Bsの最小ビーム径を形成する部分に位置するので、当該ビーム径より若干大きく設定する。左右側のオリフィス板71,73の入射孔81,83は、当該オリフィス板71,73を設置した位置において陽子ビームBが通過できる径とする。即ち、中央のオリフィス板72の入射孔82の径が左右のオリフィス板71,73の入射孔81,83の径より小さくなるので、反応槽2とビームダクト3との間のコンダクタンスが更に小さくなる。
【0029】
真空ポンプ51,52,53は、反応槽2、第1オリフィス板71と第2オリフィス板72で区画した第1空間31、第2オリフィス板72と第3オリフィス板73で区画した第2空間32、及び、ビームダクト3にそれぞれ接続される。
【0030】
この中性子発生装置では、反応槽2、第1空間31、第2空間32、ビームダクト3の間で段階的に圧力差が生じることになり、反応槽2の真空度をビームダクト3の真空度より低くできる。また、液体金属が蒸発しても第1空間31、第2空間32によりビームダクト3に流れ込む蒸気を抑えることができる。このため加速器に液体金属の蒸気が流れ込むことを十分に防止できる。
【0031】
なお、左右側のオリフィス板71,73の一方を省略しても良い(図示省略)。その場合、ビームダクト3と反応槽2との間には1つの空間が形成される。また、真空ポンプ51,52,53,6のいずれかを省略しても良い。例えば、第1空間31、第2空間32の全てに設けた真空ポンプ51,52のいずれか一方を省略して一部の空間のみに真空ポンプを設けても良い。
【0032】
また、上記実施の形態2に係る中性子発生装置200において、冷却手段60を、ビームダクト3の外側であって第1空間31の周囲に設けても良い。これにより、第1空間内31に侵入した蒸発した液体金属を、当該第1空間31内で効果的にトラップできる。第1空間31は、オリフィス板71,72により区画されているため金属蒸気が抜け難く且つ第1空間31のビームダクト3の内面が冷却されているため当該内面に蒸発金属が吸着し易くなる。これにより、液体金属の蒸気が第1空間31を抜けてビームダクト内3に侵入し難くなる。なお、冷却手段60は、例えばビームダクト3の外周面に管を巻き付けて内部に冷却水を通す構成としても良いし、ペルチェ素子等の簡単な構造の冷却装置としても良い。また、当該冷却手段60は、ビームダクト3の外側であって第2空間32の周囲に設けても良い(図示省略)。この場合、液体金属の蒸気は第2空間32内でトラップされる。更に、前記冷却手段60は、ビームダクト3の外周の全長に渡って設けても良い(図示省略)。
【0033】
(実施の形態3)
また、図5は、実施の形態2に係る中性子発生装置の変形例を示す構成図である。この中性子発生装置250は、実施の形態2に係る中性子発生装置200の第1空間31にガス導入ダクト65を設けて、ガス発生手段66からヘリウム、アルゴン等のLi分子の移動を阻害するガスを導入するようにした構成である。ガスの散乱により第1空間31の圧力が高くなり、オリフィス板71から液体金属の分子が侵入するのを防止できる。これにより、金属蒸気がビームダクト3の電磁石4側に移動し難くなる。また、第2空間32にガス発生手段66を設けることもできる。
【0034】
このガス導入手段(65,66)と前記冷却手段60を併用すれば、液体金属がビームダクト3の上流や加速器に付着するのをより効果的に防止できる。
【符号の説明】
【0035】
100 中性子発生装置
1 ターゲット形成部
2 反応槽
3 ビームダクト
4 電磁石
5,6 真空ポンプ
7 オリフィス板
8 入射孔
T ターゲット
B 陽子ビーム
Bs 集束部
図1
図3
図2
図4
図5
図6